JP3868096B2 - アミン誘導体、その製造法および剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れたアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害作用を有するアミン誘導体、その製造法およびアミロイドβ蛋白に起因する疾患、例えば神経変性疾患(例、アルツハイマー病、老年性痴呆症、ダウン症、パーキンソン病など)、アミロイドアンジオパシー、脳血管障害時の神経細胞障害などの予防・治療に有効な剤等に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルツハイマー病は、神経細胞変性・脱落と共に、老人斑の形成および神経原線維変化を特徴とする神経変性疾患である。アルツハイマー病に最も特徴的な老人斑は、アミロイドβ蛋白(以下、Aβと略記することもある)を主成分として(Biochem. Biophys. Res. Commun. 122巻, 1131頁(1984))、生体成分が脳内に沈着したものである。アミノ酸40または42個からなるAβ(以下、それぞれAβ1-40およびAβ1-42と略記する。)は、神経細胞に対して毒性を示し、神経原線維変化を惹起することが知られている。
また、家族性アルツハイマー病患者の中にはAPP(Amyloid Precursor Protein)遺伝子に変異が認められる場合もあり、この変異遺伝子を導入した細胞では、Aβの産生・分泌量の増加が指摘されている(例、Nature 360巻, 672頁(1992)、Science 259巻, 514頁(1993)、Science 264巻, 1336頁(1994)等)。このため、Aβの産生・分泌を阻害する薬剤はAβに起因する疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症など)の予防・治療に有効である。
一方、分泌型APPは、神経栄養因子様作用を有することが報告されている(ニューロン(Neuron)、 10巻、243-254頁、1993年)。かかる神経栄養因子様作用としては、(1)神経細胞の生存・維持作用、(2)シナプスの形成促進作用、(3)神経細胞死保護作用、(4)海馬での長期増強作用などが挙げられる。このため、分泌型APPの分泌を促進する薬剤には、上記作用を介して、(1)神経変性疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症、老年期痴呆、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ハンチントン舞踏病、多発性硬化症など)、(2)脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血など)、による、頭部外傷による、または脊髄損傷による神経障害の予防・治療に有用である。
また、EP−A−652009には、プロテアーゼ阻害作用を有し、細胞レベルでAβ産生阻害作用を有するペプチド誘導体が開示されている。
【0003】
一方、2環性アミン化合物としては、以下の化合物が知られている。
1)特開平2−96552号公報(USP 5,137,901)には、下式
【化13】
〔式中、Yは6個までの炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の、置換もしくは非置換のアルキレン鎖、Zは式 −NR2R3、−OR4等の基、R2およびR3は同一もしくは異なり水素、アルキル、アルケニルまたはシクロアルキル、あるいはハロゲン等で置換されていてもよいアリール等、R4は水素、アルキルまたはアルケニル等、R1は水素、アルキル、アラルキル、ヘテロアリールアルキルまたは基 −(Y1−Z1)(Y1およびZ1は、同一もしくは異なって前記YおよびZと同意義)、AおよびDは式 −CH2、O、S、NR13であるか、あるいはC=CまたはC=NH二重結合の−CHまたはNの部分、ただしAのみまたはDのみは酸素、イオウまたはN−R13、R13は水素、アルキル、アルコキシ、アシル、アルコキシカルボニルまたはアルキルスルホニル、Bは式 −CH2、
【化14】
EおよびFは同一もしくは異なって、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは式 −CONR2R3の基、R2およびR3は前述と同意義、EおよびFは一緒になって6個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の炭素環を形成する〕で表される化合物が、セロトニン受容体に対する作用薬、部分的作用薬および拮抗剤の作用を有し、中枢神経の疾患等の処置に適すると記載されている。
2)特開昭63−77842号公報には、下式
【化15】
〔式中、nは1または2、Aはカルボニル、かつR7は水素原子、またはAは式:−CHR8−(R8は水素原子、アルカノイルオキシまたはアルコキシカルボニルを表す)、かつR7は水素原子またはR7とR8が一緒にもう一つの結合を形成、Eはアルキルで置換されていてもよい炭素原子数3または4の直鎖状アルキレン、Gはアルキルで置換されていてもよい炭素原子数2〜5の直鎖状アルキレン、R1は水素原子、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル基、ヒドロキシ、アルコキシまたはフェニルアルコキシ、R2は水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アルコキシ、フェニルアルコキシまたはアルキル、またはR1とR2が一緒に炭素原子数1または2のアルキレンジオキシ、R3は水素原子、炭素原子数3〜5のアルケニルまたはアルキル、R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル等、R5は水素原子、ハロゲン原子、アルキル等、R6は水素原子、ハロゲン原子、アルキル等を表す〕で表される化合物が、心拍数低下作用および心臓のO2−要求量の減少作用を有し、洞性頻拍の治療および虚血性心臓疾患の予防ならびに治療に適していると記載されている。
3)WO 92/15558には、下式
【化16】
〔式中、nは1〜4の整数を示す〕で表される化合物が、トロンボキサンA2拮抗作用を有する化合物の中間体として記載されている。
4)WO 95/32967には、下式
【化17】
〔式中、AはCONR、Rは水素原子又はC1-6アルキル、Qは置換基を有していてもよい、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1〜3個を含む5〜7員環、R1は水素原子、ハロゲン等、R2およびR3は各々水素原子、ハロゲン等、R4およびR5は各々水素原子又はC1-6アルキル、R6はハロゲン等、R7およびR8は各々水素原子、C1-6アルキル、アラルキル又は隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよい、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1〜2個含む5〜7員複素環、m は0〜4、および n は0、1又は2を示す〕で表わされるアミド誘導体が5HT1Dアンタゴニスト作用を有し、中枢神経系疾患の治療に有用であると記載されている。
5)EP−A−754455には、下式
【化18】
〔式中、Xは水素原子、ハロゲン、アルコキシ、アルキル、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、Rは水素原子、CH3又はその他の脂肪族、非環式もしくはアリールラジカル、R'は水素原子など、R''は水素原子などを示す〕で表される化合物またはその塩がモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害作用を有し、中枢神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病等)における神経保護剤として有用であると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアルツハイマー病治療のためのAβ産生阻害剤は、経口吸収性や安定性等に問題があり、医薬として満足すべきものではない。上記の公知化合物とは化学構造が異なり、優れたAβ産生・分泌阻害作用を有し、かつ医薬品として十分満足できる化合物の開発が切望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、Aβ産生・分泌阻害作用を有する化合物につき、種々検討した結果、式
【化19】
〔式中、各記号は下記と同意義を示す〕で表される骨格のベンゼン環(A環)が、式 −X−Ar(式中、各記号は下記と同意義を示す)で表される基で置換されていることに化学構造上の特徴を有する、式
【化20】
〔式中、Ar は置換基を有していてもよい環集合芳香族基または置換基を有していてもよい縮合芳香族基を示し、
Xは(i)結合手、 (ii)−S−、−SO−または−SO2−、(iii)オキソおよびC1-6アルキルから選ばれる置換基1ないし3個をそれぞれ有していてもよいC1-6アルキレン、C2-6アルケニレンまたはC2-6アルキニレン、(iv)−CO−O−または (v) 式 −(CH2)p−X1−、−(CH2)p−X1−(CH2)q−、−(CH2)r−CO−X1−、−SO2−NR8−または−(CH2)r−SO2−NR8−
(式中、X1は酸素原子またはNR8、 R8は水素原子、 置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル、 p は0ないし5の整数、 q は1ないし5の整数、 p+q は1ないし5の整数、 および r は1ないし4の整数を示す)で表される基を示し、
Yは酸素原子または硫黄原子を介していてもよく、かつ置換基を有していてもよい2価のC1-6脂肪族炭化水素基を示し、
R1およびR2はそれぞれ水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキルを示し、あるいは
R1とR2は隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成し、
A環は式 −X−Ar(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有していてもよいベンゼン環を示し、
B環は式 −Y−NR1R2(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有していてもよい4ないし8員環を示す。ただし、A環とB環とで形成される縮合環がインドール環のとき、式 −X−Ar(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基は該インドール環の4−、6−または7−位に置換する。〕で表される化合物またはその塩〔以下、化合物(I)と略記する〕の創製に初めて成功し、化合物(I)がその特異な化学構造に基づいて予想外にも優れたAβ産生・分泌阻害作用を有すること、さらに化合物(I)を含む式
【化21】
〔式中、Ar’は置換基を有していてもよい芳香族基、その他の各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩〔以下、化合物(I')と略記する〕が予想外にも優れたAβ産生・分泌阻害作用を有し、また、毒性も低い等、医薬として十分満足できるものであることを初めて見出し、これらの知見に基づいて、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は
(1)式
【化22】
〔式中、Arは置換基を有していてもよい環集合芳香族基または置換基を有していてもよい縮合芳香族基を示し、
Xは結合手または主鎖の原子数1ないし6のスペーサーを示し、
Yは酸素原子または硫黄原子を介していてもよく、かつ置換基を有していてもよい2価のC1-6脂肪族炭化水素基を示し、
R1およびR2はそれぞれ水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキルを示し、
あるいはR1とR2は隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成し、
A環は式 −X−Ar(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有していてもよいベンゼン環を示し、
B環は式 −Y−NR1R2(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有していてもよい4ないし8員環を示す〕で表される化合物またはその塩、
【0007】
(2)Ar が(i)C6-14芳香族炭化水素、 C6-14キノンおよび炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5ないし14員芳香族複素環から選ばれる2または3個の芳香環が単結合で直結してなり、置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよい環集合芳香族基、または
(ii) ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい▲1▼縮合2または3環式C10-14アリールまたは▲2▼炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む9ないし14員芳香族複素環基、
【0008】
R8が(a)水素原子、
(b) (1) ハロゲン原子、 (2) C1-3アルキレンジオキシ、 (3) ニトロ、 (4) シアノ、 (5) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、 (6) ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、 (7) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、 (8) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、 (9) ヒドロキシ、 (10) アミノ、 (11) モノ−C1-6アルキルアミノ、 (12) ジ−C1-6アルキルアミノ、 (13) ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニル、 (14) ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミドまたはC1-6アルキルスルホニルアミノ、 (15) C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシまたはニコチノイルオキシ、 (16) 5ないし7員飽和環状アミノ、 (17) スルホ、 (18) ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい▲1▼フェニルまたは▲2▼炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基、(19) C6-14芳香族炭化水素、C6-14キノンおよび炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5ないし14員芳香族複素環から選ばれる2または3個の芳香環が単結合で直結してなり、置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよい環集合芳香族基、および (20)ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい▲1▼縮合2または3環式C10-14アリールまたは▲2▼炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む9ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ベンゼン環と縮合していてもよいC3-6シクロアルキル、C6-14アリールまたはC7-19アラルキル、または
【0009】
(c) ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニル;
YがC1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレンまたは式 −(CH2)m−Y1−(CH2)n− (式中、−Y1−は−O−、−S−、−SO−または−SO2−、m は0ないし4の整数、n は1ないし5の整数、および m+n は1ないし5の整数を示す)で表される基;
R1およびR2がそれぞれ(i)水素原子または(ii)ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシ、C6-10アリールオキシおよびC6-10アリールから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよいC1-6アルキル、または
R1およびR2が隣接する窒素原子と共に、置換基として(1) ハロゲン原子、 (2) C1-3アルキレンジオキシ、 (3) ニトロ、 (4) シアノ、 (5) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、 (6) ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、 (7) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、 (8) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、 (9) ヒドロキシ、 (10) アミノ、 (11) モノ−C1-6アルキルアミノ、 (12) ジ−C1-6アルキルアミノ、 (13) ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニル、 (14) ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミドまたはC1-6アルキルスルホニルアミノ、 (15) C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシまたはニコチノイルオキシ、 (16) 5ないし7員飽和環状アミノ、 (17) スルホ、 (18) ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい(a)フェニルまたは(b)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基、(19) C6-14芳香族炭化水素、C6-14キノンおよび炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5ないし14員芳香族複素環から選ばれる2または3個の芳香環が単結合で直結してなり、置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよい環集合芳香族基、および (20)ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい▲1▼縮合2または3環式C10-14アリールまたは▲2▼炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む9ないし14員芳香族複素環基、(21)オキソおよび(22) C7-19アラルキルから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよく、炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含んでいてもよい3ないし8員含窒素複素環;
A環が式 −X−Ar(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基以外に、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ヒドロキシおよびアミノから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいベンゼン環;および
B環が式 −Y−NR1R2(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基以外に、オキソ、C1-6アルキルおよびヒドロキシから選ばれる置換基1ないし3個をさらに有していてもよい式
【化23】
【0010】
Zは(i) 結合手、(ii)C1-4アルキレン、 (iii) C2-4アルケニレン、(iv) −O−CH2−、 (v) −O−CH2−CH2− または (vi) 式 −NR8a−CH2−または−NR8a−CH2−CH2−(式中、R8aは(a) 水素原子、
(b) (1) ハロゲン原子、 (2) C1-3アルキレンジオキシ、 (3) ニトロ、 (4) シアノ、 (5) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、 (6) ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、 (7) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、 (8) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、 (9) ヒドロキシ、 (10) アミノ、 (11) モノ−C1-6アルキルアミノ、 (12) ジ−C1-6アルキルアミノ、 (13) ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニル、 (14) ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミドまたはC1-6アルキルスルホニルアミノ、 (15) C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシまたはニコチノイルオキシ、 (16) 5ないし7員飽和環状アミノ、 (17) スルホ、 (18) ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい▲1▼フェニルまたは▲2▼炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基、(19) C6-14芳香族炭化水素、C6-14キノンおよび炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5ないし14員芳香族複素環から選ばれる2または3個の芳香環が単結合で直結してなり、置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよい環集合芳香族基、および (20)ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい▲1▼縮合2または3環式C10-14アリールまたは▲2▼炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む9ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ベンゼン環と縮合していてもよいC3-6シクロアルキル、C6-14アリールまたはC7-19アラルキル、または
(c) ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニルを示す)で表される基を示す〕で表される4ないし8員環である化合物(I)、
【0011】
(3)Ar が置換基を有していてもよい環集合芳香族基である化合物(I)、
(4)環集合芳香族基の芳香環がベンゼン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、ナフタレンおよびベンゾフランから選ばれる2または3個の芳香環である前記(3)記載の化合物、
(5)環集合芳香族基が2−、3−または4−ビフェニリルである前記(3)記載の化合物、
(6)Ar が、ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい4−ビフェニリルである化合物(I)、
【0012】
(7)Xが酸素原子を介していてもよい2価のC1-6脂肪族炭化水素基である化合物(I)、
(8)XがC1-6アルキレンである化合物(I)、
(9)Xが式 −(CH2)p−X1− (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基である化合物(I)、
(10)p が1である前記(9)記載の化合物、
(11)X1がOである前記(10)記載の化合物、
(12)X1がNR8b(R8bは水素原子またはC1-6アルキル−カルボニルを示す)である前記(10)記載の化合物、
(13)X1が式 −SO2−NR8− (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基である化合物(I)、
(14)R8が水素原子である前記(13)記載の化合物、
(15)Yが2価のC1-6脂肪族炭化水素基である化合物(I)、
(16)YがC1-6アルキレンである化合物(I)、
(17)R1およびR2がそれぞれC1-6アルキルである化合物(I)、
(18)A環が式 −X−Ar (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基のみで置換されたベンゼン環である化合物(I)、
【0013】
(19)B環が式 −Y−NR1R2 (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基以外に、オキソ、C1-6アルキルおよびヒドロキシから選ばれる1ないし3個の置換基をさらに有していてもよい式
【化24】
〔式中、Zは (i) 結合手、 (ii) C1-4アルキレン、 (iii) C2-4アルケニレン、 (iv) −O−CH2−、(v) −O−CH2−CH2−または (vi) 式 −NR8a−CH2−または−NR8a−CH2−CH2−(式中、R8aは(a) 水素原子、
(b) (1) ハロゲン原子、 (2) C1-3アルキレンジオキシ、 (3) ニトロ、 (4) シアノ、 (5) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、 (6) ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、 (7) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、 (8) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、 (9) ヒドロキシ、 (10) アミノ、 (11) モノ−C1-6アルキルアミノ、 (12) ジ−C1-6アルキルアミノ、 (13) ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニル、 (14) ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミドまたはC1-6アルキルスルホニルアミノ、 (15) C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシまたはニコチノイルオキシ、 (16) 5ないし7員飽和環状アミノ、 (17) スルホ、 (18) ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい▲1▼フェニルまたは▲2▼炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基、(19) C6-14芳香族炭化水素、C6-14キノンおよび炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5ないし14員芳香族複素環から選ばれる2または3個の芳香環が単結合で直結してなり、置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよい環集合芳香族基、および (20)ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6クロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい▲1▼縮合2または3環式C10-14アリールまたは▲2▼炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む9ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ベンゼン環と縮合していてもよいC3-6シクロアルキル、C6-14アリールまたはC7-19アラルキル、または
(c) ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニルを示す)で表される基を示す〕で表される4ないし8員環である化合物(I)、
【0014】
(20)R8aが水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニルである前記(19)記載の化合物、
(21)B環が式 −Y−NR1R2 (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基のみで置換された6員同素または複素環である化合物(I)、
(22)B環が式
【化25】
〔式中、Za はC1-3アルキレンまたは式 −NR8c−CH2−(式中、R8cが水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニルである)で表される基を示す〕で表される環である化合物(I)、
(23)Za がエチレンである前記(22)記載の化合物、
(24)XがCH2Oであるとき、A環とB環とで形成される縮合環が式
【化26】
で表される環である化合物(I)、
(25)Ar が、ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、ホルミルおよびC1-6アルキル−カルボキサミドから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよい2−、3−または4−ビフェニリル;
Xが酸素原子を介していてもよいC1-3アルキレン;
YがC1-6アルキレン;
R1およびR2がそれぞれC1-6アルキル;
A環が式 −X−Ar (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基のみで置換されたベンゼン環;および
B環が式 −Y−NR1R2 (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基のみで置換された6員同素または複素環である化合物(I)、
【0015】
(26)式
【化27】
〔式中、R0が1ないし3個のハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、ホルミルおよびC1-6アルキル−カルボキサミドから選ばれる置換基、R1aおよびR2aがそれぞれC1-6アルキルである〕で表される化合物またはその塩である化合物(I)、
(27)式
【化28】
〔式中、Ara が(i) ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、アミノ、ホルミルおよびC1-6アルキル−カルボキサミドから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよい2−、3−または4−ビフェニリル、(ii) 4−(2−チエニル)フェニルまたは4−(3−チエニル)フェニル、(iii) 4−(3−ピリジル)フェニル、 (iv) C1-6アルコキシを有していてもよい6−フェニル−3−ピリジル、(v) 5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、(vi) 4−(2−ナフチル)フェニル、(vii)4−(2−ベンゾフラニル)フェニル、(viii)1−または2−ナフチル、(ix) 2−キノリル、(x) 2−ベンゾチアゾリルまたは(xi) 2−ベンゾフラニル;
X'が−CH2−O−、−SO2−NH−または式 −CH2−NR8'−(式中、R8'が水素原子またはC1-3アルキル−カルボニルである)で表される基;
Y'がC1-6アルキレン;
Z'が−CH2−CH2−または式 −NR8''−CH2−(式中、R8''が水素原子、C1-3アルキル、C1-3アルキル−カルボニルまたはC1-3アルキルスルホニルである)で表される基;および
R1'およびR2'がそれぞれジ−C1-3アルキルアミノ、C1-3アルコキシ−カルボニルおよびフェニルから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよいC1-6アルキル、または
R1'およびR2'が隣接する窒素原子と共に、ヒドロキシ、C1-3アルコキシ−カルボニル、ピペリジノ、フェニルおよびベンジルから選ばれる置換基1ないし3個をそれぞれ有していてもよいピロリジン−1−イル、ピペリジノまたはピペラジン−1−イルを形成する〕で表される化合物またはその塩である化合物(I)、
【0016】
(28)6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチルテトラリン、
2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4'−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、
(+)−6−(2',4'−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、
(+)−6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、または
(+)−6−(3',4'−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリンあるいはその塩である化合物(I)、
(29)i) 式
【化29】
〔式中、Xa は酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子または式 NR8(式中、R8は水素原子、 置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシルを示す)で表される基、その他の各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩をアルキル化反応またはアシル化反応に付し、所望により、得られた化合物をさらにアリールカップリング反応に付すか、
ii) 式
【化30】
〔式中、Ya はYからメチレンを除いた基、その他の各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩を還元反応に付すか、または
iii) 式
【化31】
〔式中、Lは脱離基、その他の各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩をアミノ化反応に付すことを特徴とする化合物(I)の製造法、
【0017】
(30)式
【化32】
〔式中、R1bおよびR2bはそれぞれメチルまたはエチル、kは1または2、*は不斉炭素の位置を示す〕で表される化合物の光学異性体またはその塩、
(31)化合物(I)を含有してなる医薬組成物、
(32)アミロイドβ蛋白産生・分泌阻害剤である前記(31)記載の組成物、
(33)アミロイドβ蛋白に起因する神経変性疾患の予防・治療剤である前記(31)記載の組成物、
(34)アミロイドβ蛋白に起因する神経変性疾患がアルツハイマー病である前記(33)記載の組成物、および
(35)化合物(I')を含有してなるアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害作用等に関する。
【0018】
前記式中、Arで示される「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」の「環集合芳香族基」としては、2個以上(好ましくは2または3個)の芳香環が単結合で直結していて、環を直結している結合の数が環系の数より1個少ない芳香環集合体から任意の水素原子1個を除いた基を示す。該「芳香環」としては、芳香族炭化水素、芳香族複素環などが挙げられる。
該「芳香族炭化水素」としては、例えば炭素数6ないし14個の単環式または縮合多環式(2または3環式)芳香族炭化水素(例、ベンゼン、ナフタレン、インデン、アントラセンなど)、または炭素数6ないし14個のキノン(例、p−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、インダン−4,7−ジオンなど)などが挙げられる。
該「芳香族複素環」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1個以上(例えば1〜4個)を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員の芳香族複素環などが挙げられる。具体的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、フタルイミドなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環などが挙げられる。
これらの芳香環が単結合で直結した芳香環集合体としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環および5ないし10員(好ましくは5または6員)芳香族複素環から選ばれる2または3個(好ましくは2個)で形成される芳香環集合体などが挙げられる。芳香環集合体の具体例としては、ビフェニル、2−フェニルナフタレン、p-テルフェニル、 o-テルフェニル、 m-テルフェニル、2−フェニルピリジン、3−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−フェニルチオフェン、3−フェニルチオフェン、2−フェニルインドール、3−フェニルインドール、5−フェニルオキサジアゾールなどが挙げられる。好ましくはベンゼン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、ナフタレンおよびベンゾフランから選ばれる2または3個の芳香環からなる芳香環集合体である。
前記「環集合芳香族基」の具体例としては、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、4−(2−チエニル)フェニル、4−(3−チエニル)フェニル、3−(3−ピリジル)フェニル、4−(3−ピリジル)フェニル、6−フェニル−3−ピリジル、5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、4−(2−ナフチル)フェニル、4−(2−ベンゾフラニル)フェニルなどが挙げられる。このうち、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリルなどが好ましい。特に好ましくは4−ビフェニリルである。
【0019】
該「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」の「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、5ないし7員飽和環状アミノ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、C6-10アリールオキシ(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシなど)などが挙げられる。該「環集合芳香族基」は、例えば上記置換基を、環集合芳香族基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0020】
前記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどが挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC3-6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)などが挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4,4−ジクロロシクロヘキシル、2,2,3,3−テトラフルオロシクロペンチル、4−クロロシクロヘキシルなどが挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシなど)などが挙げられる。具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオなど)などが挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなどが挙げられる。
【0021】
前記「5ないし7員飽和環状アミノ」としては、例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジン−1−イル、4−置換ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−1−イル、ヘキサメチレン−1−イルなどが挙げられる。
該「4−置換ピペラジン−1−イル」の「置換基」としては、例えばC1-6アルキル、置換基を有していてもよいC6-14アリール、置換基を有していてもよいC7-19アラルキル、置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基、アシルなどが挙げられる。
「置換基を有していてもよいC6-14アリール」の「C6-14アリール」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリルなどが挙げられる。好ましくはフェニルなどである。
「置換基を有していてもよいC7-19アラルキル」の「C7-19アラルキル」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなどが挙げられる。好ましくはベンジルなどである。
「置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基」の「5ないし10員芳香族複素環基」としては、例えば2−,3−または4−ピリジル、1−,2−または3−インドリル、2−または3−チエニルなどが挙げられる。好ましくは、2−,3−または4−ピリジルなどである。
これらの「置換基を有していてもよいC6-14アリール」、「置換基を有していてもよいC7-19アラルキル」および「置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基」がそれぞれ有していてもよい「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、カルボキシなどが1〜5個挙げられる。「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」および「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ」は、前記と同様のものが挙げられる。
【0022】
前記「4−置換ピペラジン−1−イル」の「置換基」としての「アシル」および前記「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」の「置換基」としての「アシル」、「アシルアミノ」および「アシルオキシ」における「アシル」としては、例えば、
式:−(C=O)−R3、−(C=O)−OR3、−(C=O)−NR3R4、
−(C=S)−NHR3、−SO2−R3a または −SO−R3a
〔式中、R3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基、R3aは置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基、R4は水素原子またはC1-6アルキルを示すか、あるいはR3とR4は隣接する窒素原子と共に含窒素複素環を形成していてもよい〕で表されるアシルなどが挙げられる。
R3またはR3aで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、炭化水素化合物から水素原子を1個取り除いた基を示し、例えば、鎖状または環状炭化水素基(例、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキルなど)などが挙げられる。このうち、以下のような炭素数1ないし16個の鎖状または環状炭化水素基などが好ましい。
a)C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)、
b)C2-6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニルなど)、
c)C2-6アルキニル(例えば、エチニル、プロパルギル、2−ブチニルなど)、
d)C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、該C3-6シクロアルキルは、1個のベンゼン環と縮合していてもよい、
e)C6-14アリール(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリルなど)、好ましくはフェニル、
f)C7-19アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなど)、好ましくはベンジル。
このうち、C1-6アルキル、C6-14アリール、C7-19アラルキルなどが好ましい。
【0023】
該「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、5ないし7員飽和環状アミノ、スルホ、置換基を有していてもよい芳香族基などが挙げられる。
該「炭化水素基」は、例えば上記置換基を、炭化水素基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
前記「置換基を有していてもよい芳香族基」としては、後述のAr'で示される「置換基を有していてもよい芳香族基」と同様のものが挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ」、「5ないし7員飽和環状アミノ」、「アシル」、「アシルアミノ」および「アシルオキシ」は、前記「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」において詳述したものと同様のものが挙げられる。かかる「アシル」、「アシルアミノ」および「アシルオキシ」における「アシル」としては、前記の式:−(C=O)−R3、
−(C=O)−OR3、−(C=O)−NR3R4、−(C=S)−NHR3、
−SO2−R3a または −SO−R3a において、
R3が(i)水素原子、(ii)置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノまたはスルホを1ないし5個有していてもよい炭化水素基、または(iii)置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノまたはC6-10アリールオキシを1ないし5個有していてもよい複素環基、R3aが(i)置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノまたはスルホを1ないし5個有していてもよい炭化水素基、または(ii)置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノまたはC6-10アリールオキシを1ないし5個有していてもよい複素環基である場合が好ましい。
【0024】
R3またはR3aで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(単環、2環または3環式)複素環、好ましくは(i)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)芳香族複素環、(ii)5ないし10員非芳香族複素環または(iii)7ないし10員複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基などが挙げられる。
上記「5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環」としては、例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、フタルイミドなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環などが挙げられる。
上記「5ないし10員非芳香族複素環」としては、例えば、ピロリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどが挙げられる。
上記「7ないし10員複素架橋環」としては、例えば、キヌクリジン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが挙げられる。
【0025】
該「複素環基」として好ましくは、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、好ましくは、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の(単環式または2環式)複素環基である。具体的には、例えば2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−フリル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、4−イソキノリル、ピラジニル、2−または4−ピリミジニル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−インドリル、2−インドリル、2−イソインドリニルなどの芳香族複素環基、例えば1−,2−または3−ピロリジニル、2−または4−イミダゾリニル、2−,3−または4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−,3−または4−ピペリジル、1−または2−ピペラジニル、モルホリノなどの非芳香族複素環基などである。
このうち、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環基等がさらに好ましい。具体的には、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、3−フリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−,2−または3−ピロリジニル、2−または4−イミダゾリニル、2−,3−または4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−,3−または4−ピペリジル、1−または2−ピペラジニル、モルホリノなどが挙げられる。
【0026】
該「置換基を有していてもよい複素環基」は、例えば前記「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」が有していてもよい置換基を1〜5個、好ましくは1〜3個有していてもよい。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
前記「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」が「アシル」、「アシルアミノ」または「アシルオキシ」の場合、該「アシル」、「アシルアミノ」および「アシルオキシ」における「アシル」としては、
前記の式:−(C=O)−R3、−(C=O)−OR3、−(C=O)−NR3R4、
−(C=S)−NHR3、−SO2−R3a または −SO−R3a において、
R3が(i)水素原子、(ii)置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノまたはスルホを1ないし5個有していてもよい炭化水素基、または(iii)置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノまたはC6-10アリールオキシを1ないし5個有していてもよい複素環基、R3aが(i)置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノまたはスルホを1ないし5個有していてもよい炭化水素基、または(ii)置換基としてハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノまたはC6-10アリールオキシを1ないし5個有していてもよい複素環基である場合が好ましい。
R4で示される「C1-6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
R3とR4が隣接する窒素原子と共に形成する「含窒素複素環」としては、例えば炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5ないし7員含窒素複素環などが挙げられ、例えば、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピロリジンなどが挙げられる。
【0027】
前記「アシル」として好ましくは、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニルなど)、C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、C6-10アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)、C6-10アリールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニルなど)、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニルなど)、5〜6員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイル、2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニルなど)、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、C6-10アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイルなど)、5〜6員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイルなど)、C1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニルなど)、C6-10アリールスルホニル(例、ベンゼンスルホニル、1−ナフタレンスルホニル、2−ナフタレンスルホニルなど)などである。
【0028】
前記「アシルアミノ」としては、例えば、前記「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」の「置換基」において詳述した「アシル」で1ないし2個置換されたアミノが挙げられ、好ましくは、
式:−NR5COR6、−NR5COOR6a または −NR5SO2R6a
〔式中、R5は水素原子またはC1-6アルキル、R6は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基、R6aは置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示す〕で表されるアシルアミノなどが挙げられる。
R5で示される「C1-6アルキル」は、R4で示される「C1-6アルキル」と同様のものが挙げられる。
R6またはR6aで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」は、R3で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものがそれぞれ挙げられる。
「アシルアミノ」として、好ましくは、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド(例、アセタミドなど)、C6-10アリール−カルボキサミド(例、フェニルカルボキサミド、ナフチルカルボキサミドなど)、C1-6アルコキシ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドなど)、C1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)などが挙げられる。
【0029】
前記「アシルオキシ」としては、例えば、前記「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」の「置換基」において詳述した「アシル」1個で置換されたオキシが挙げられ、好ましくは、
式:−O−COR7、−O−COOR7 または −O−CONHR7
〔式中、R7は置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示す〕で表されるアシルオキシなどが挙げられる。
R7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」は、R3で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものがそれぞれ挙げられる。
「アシルオキシ」として、好ましくは、C1-6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、C6-10アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−ナフトイルオキシなど)、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシなど)、C6-10アリール−カルバモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシなど)、ニコチノイルオキシなどが挙げられる。
前記Arで示される「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」の「置換基」として、好ましくはハロゲン原子、C1-3アルキレンンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、ホルミルである。
【0030】
Arで示される「置換基を有していてもよい縮合芳香族基」の「縮合芳香族基」は、縮合多環式(好ましくは2ないし4環式、好ましくは2または3環式)芳香環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基を示す。該「縮合多環式芳香環」としては、縮合多環式芳香族炭化水素、縮合多環式芳香族複素環などが挙げられる。
該「縮合多環式芳香族炭化水素」としては、例えば炭素数10ないし14個の縮合多環式(2または3環式)芳香族炭化水素(例、ナフタレン、インデン、アントラセンなど)などが挙げられる。
該「縮合多環式芳香族複素環」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1〜4個)を含む9ないし14員、好ましくは9または10員の縮合多環式芳香族複素環などが挙げられる。具体的には、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、イソキノリン、キノリン、インドール、キノキサリン、フェナントリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、フタルイミドなどの芳香族複素環などが挙げられる。
前記「縮合芳香族基」の具体例としては、1−ナフチル、2−ナフチル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、2−ベンゾフラニル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンズイミダゾリル、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリルなどが挙げられ、好ましくは、1−ナフチル、2−ナフチルなどである。
前記「置換基を有していてもよい縮合芳香族基」の「置換基」としては、前記Arで示される「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」の「置換基」と同様のものが同数挙げられる。
Ar として好ましくは、置換基を有していてもよい環集合芳香族基である。このうち、該環集合芳香族基がベンゼン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、ナフタレンおよびベンゾフランから選ばれる2または3個の芳香環からなる基がさらに好ましく、2−、3−または4−ビフェニリルが特に好ましい。
Arの好ましい例は、ハロゲン原子、C1-3アルキレンンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよい環集合芳香族基である。このうち、さらに好ましくは、ハロゲン原子、C1-3アルキレンンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ5ないし7員飽和環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよい2−,3−または4−ビフェニリル(好ましくは4−ビフェニリル)である。
【0031】
Ar'で示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」としては、例えば単環式芳香族基、環集合芳香族基および縮合芳香族基などが挙げられる。該「環集合芳香族基」および「縮合芳香族基」は、前記Arにおいて詳述した「環集合芳香族基」および「縮合芳香族基」と同様のものがそれぞれ挙げられる。
該「単環式芳香族基」としては、例えばベンゼン環、5または6員芳香族複素環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基が挙げられる。
該「5または6員芳香族複素環」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1個以上(例えば1〜3個)を含む5または6員芳香族複素環などが挙げられる。具体的には、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジンなどが挙げられる。
該「単環式芳香族基」の具体例としては、フェニル、2−または3−チエニル、2−または3−フリル、1−,2−または3−ピロリル、2−または4−イミダゾリル、3−または4−ピラゾリル、2−,3−または4−ピリジル、2−ピラジニル、2−,4−または5−ピリミジニル、3−または4−ピリダジニルなどが挙げられる。
前記「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としては、前記Arで示される「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」の「置換基」と同様のものが同数挙げられる。
Ar'は、好ましくは、置換基を有していてもよい環集合芳香族基および置換基を有していてもよい縮合芳香族基である。さらに好ましくは置換基を有していてもよい環集合芳香族基である。
【0032】
Xで示される「オキソおよびC1-6アルキルから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいC1-6アルキレン」の「C1-6アルキレン」としては、例えば、−CH2−,−(CH2)2−,−(CH2)3−,−(CH2)4−,−(CH2)5−,−(CH2)6− 等が挙げられる。
Xで示される「オキソおよびC1-6アルキルから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいC2-6アルケニレン」の「C2-6アルケニレン」としては、例えば、−CH=CH−,−CH2−CH=CH−,−CH2−CH=CH−CH2−,
−CH2−CH2−CH=CH−,−CH=CH−CH=CH−,−CH=CH−CH2−CH2−CH2−,
−CH2−CH2−CH2−CH2−CH=CH− 等が挙げられる。
Xで示される「オキソおよびC1-6アルキルから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいC2-6アルキニレン」の「C2-6アルキニレン」としては、
【化33】
が挙げられる。上記のオキソ、C1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)は置換可能な位置に1ないし3個置換されていてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
R8で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「アシル」は、前記で詳述したものと同様のものが挙げられる。R8は、好ましくは水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C1-6アルキル−カルボニルなどである。
【0033】
Xとして、好ましくは、C1-6アルキレン(例、−CH2−,−(CH2)2−,−(CH2)3−, −(CH2)4−, −(CH2)5−, −(CH2)6−等)、式:−(CH2)p−X1−,−SO2−NR8−〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕等で表される基である。中でも X1が O または NR8(好ましくは O)、R8が水素原子またはC1-3アルキル−カルボニル(例、アセチル等)の場合が好ましい。
Xは、好ましくは、酸素原子を介していてもよい2価のC1-6脂肪族炭化水素基(例、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン等)、さらに好ましくは、C1-3アルキレン、−CH2−O−などである。
【0034】
Yで示される「酸素原子または硫黄原子を介していてもよく、かつ置換基を有していてもよい2価のC1-6脂肪族炭化水素基」の「酸素原子または硫黄原子を介していてもよい2価のC1-6脂肪族炭化水素基」としては、例えば酸素原子または硫黄原子を炭素原子間あるいは末端のいずれの位置に1ないし2個、好ましくは1個含んでいてもよい、飽和または不飽和の2価のC1-6脂肪族炭化水素基を示す。具体例としては、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、式:−(CH2)m−Y1−(CH2)n− 〔式中、−Y1− は −O−、−S−、−SO− または −SO2−、mは0ないし4の整数、nは1ないし5の整数、m+nは1ないし5の整数を示す〕で表される基などが挙げられる。好ましくは、2価のC1-6脂肪族炭化水素基である。
該「C1-6アルキレン」、「C2-6アルケニレン」および「C2-6アルキニレン」は、前記Xにおいて詳述した「C1-6アルキレン」、「C2-6アルケニレン」および「C2-6アルキニレン」と同様のものがそれぞれ挙げられる。
【0035】
「酸素原子または硫黄原子を介していてもよく、かつ置換基を有していてもよい2価のC1-6脂肪族炭化水素基」の「置換基」としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)などが挙げられる。該置換基は、2価のC1-6脂肪族炭化水素基の置換可能な位置に1ないし3個置換されていてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
Yは、好ましくは2価のC1-6脂肪族炭化水素基、さらに好ましくはC1-6アルキレンである。
【0036】
R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい低級アルキル」の「低級アルキル」としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)などが挙げられる。好ましくはメチル、エチル、プロピルである。該「置換基を有していてもよい低級アルキル」は、例えば(1)前記「置換基を有していてもよい環集合芳香族基」が有していてもよい置換基または(2)C6-10アリールを1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
R1とR2が隣接する窒素原子と共に形成する「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の「含窒素複素環」としては、例えば炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含んでいてもよい3ないし8員含窒素複素環が挙げられ、具体例としては、アジリジン、アゼチジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミンまたはこれらの不飽和環状アミン(例、1,2,5,6−テトラヒドロピリジンなど)などが挙げられる。このうちモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジンなどが好ましい。
「置換基を有していてもよい含窒素複素環」は、(1)前記「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」、(2)オキソおよび(3)C7-19アラルキルから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよい。好ましい置換基としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなど)、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、5ないし7員飽和環状アミノ(例、モルホリノ、ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−1−イル、ヘキサメチレンイミン−1−イルなど)、C1-6アルキル−カルボキサミド(例、アセタミドなど)、C1-6アルコキシ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミドなど)、置換基を有していてもよい芳香族基(例、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれた置換基1ないし3個をそれぞれ有していてもよいC6-10アリール(好ましくは、フェニル、1−または2−ナフチル)または5または6員芳香族複素環基(好ましくは、2−,3−または4−ピリジル)など)、オキソなどが挙げられる。
R1およびR2は、好ましくはC1-6アルキルである。
【0037】
前記の「式 −X−Ar で表される基」は、A環の置換可能な位置に置換される。A環で示される「式 −X−Ar(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有していてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノなどが挙げられる。該「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」および「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」は、前記Arにおいて詳述した「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」および「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」と同様のものがそれぞれ挙げられる。
これらの置換基は、A環の置換可能な位置に1ないし3個置換されていてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
A環は好ましくは、式 −Ar−Xで表される基のみで置換されたベンゼン環である。
【0038】
前記の「式 −Y−NR1R2で表される基」は、B環の置換可能な位置に置換される。B環で示される「式 −Y−NR1R2(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有していてもよい4ないし8員環」の「4ないし8員環」としては、A環と縮合している部分以外に二重結合を1個含んでいてもよく、炭素原子以外に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4ないし8員同素または複素環が挙げられる。具体例としては、式
【化34】
Zは(i) 結合手、(ii)C1-4アルキレン、 (iii) C2-4アルケニレン、(iv) −O−CH2−、 (v) −O−CH2−CH2− または (vi) 式 −NR8a−CH2−または−NR8a−CH2−CH2−〔式中、R8aは前記R8と同意義を示す〕で表される環が挙げられる。R8aは好ましくは水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニルである。さらに好ましくは、水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-3アルキルスルホニルである。
Zは、好ましくは、C1-3アルキレン、−NR8a−CH2− などである。さらに好ましくは、エチレンである。
該「4ないし8員環」として好ましくは、式
【化35】
〔式中、Zは前記と同意義を示す〕で表わされる環である。好ましくは、A環と縮合している部分以外には二重結合を含まず、炭素原子以外に、1個の酸素原子またはイミノを含んでいてもよい6員同素または複素環である。
「式 −Y−NR1R2(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有していてもよい4ないし8員環」の「置換基」としては、例えばオキソ、C1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)、ヒドロキシなどが挙げられる。該置換基は置換可能な位置に1ないし3個置換されていてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
B環は、好ましくは、式 −Y−NR1R2(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基のみで置換された6員同素または複素環である。
また、B環は式
【化36】
〔式中、Za はC1-3アルキレンまたは式 −NR8c−CH2−(式中、R8cが水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイル、C1-6アルキルスルホニルまたはC6-10アリールスルホニルである)で表される基、その他の各記号は前記と同意義を示す〕で表される環も好ましい。このうちZa は好ましくはエチレンである。
A環とB環とで形成される縮合環として好ましくは、式
【化37】
で表される環である。
【0039】
化合物(I)および化合物(I')中、
ArおよびAr'が、ハロゲン原子、C1-3アルキレンンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、ホルミルおよびC1-6アルキル−カルボキサミドから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよい環集合芳香族基(好ましくは、2−,3−または4−ビフェニリル)、Xが酸素原子を介していてもよいC1-3アルキレン、
YがC1-6アルキレン、
R1およびR2がそれぞれC1-6アルキル、
A環が式 −X−Ar(式中、各記号の定義は上記と同意義)で表される基のみを有するベンゼン環、
B環が式−Y−NR1R2(式中、各記号の定義は上記と同意義)で表される基のみを有する6員同素または複素環である化合物が好ましい。
さらに好ましくは、式
【化38】
〔式中、R0が1ないし3個のハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、ホルミルおよびC1-6アルキル−カルボキサミドから選ばれる置換基、R1aおよびR2aがそれぞれC1-6アルキルである〕で表される化合物である。
また、式
【化39】
〔式中、Ara が(i) ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、アミノ、ホルミルおよびC1-6アルキル−カルボキサミドから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよい2−、3−または4−ビフェニリル、(ii) 4−(2−チエニル)フェニルまたは4−(3−チエニル)フェニル、(iii) 4−(3−ピリジル)フェニル、 (iv) C1-6アルコキシを有していてもよい6−フェニル−3−ピリジル、(v) 5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、(vi) 4−(2−ナフチル)フェニル、(vii) 4−(2−ベンゾフラニル)フェニル、(viii) 1−または2−ナフチル、(ix) 2−キノリル、(x) 2−ベンゾチアゾリルまたは(xi) 2−ベンゾフラニル;
X'が−CH2−O−、−SO2−NH−または式 −CH2−NR8'−(式中、R8'が水素原子またはC1-3アルキル−カルボニルである)で表される基;
Y'がC1-6アルキレン;
Z'が−CH2−CH2−または式 −NR8''−CH2−(式中、R8''が水素原子、C1-3アルキル、C1-3アルキル−カルボニルまたはC1-3アルキルスルホニルである)で表される基;および
R1'およびR2'がそれぞれジ−C1-3アルキルアミノ、C1-3アルコキシ−カルボニルおよびフェニルから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよいC1-6アルキル、または
R1'およびR2'が隣接する窒素原子と共に、ヒドロキシ、C1-3アルコキシ−カルボニル、ピペリジノ、フェニルおよびベンジルから選ばれる置換基1ないし3個をそれぞれ有していてもよいピロリジン−1−イル、ピペリジノまたはピペラジン−1−イルを形成する〕で表される化合物も好ましい。
さらに好ましくは、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチルテトラリン、
2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4'−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、
(+)−6−(2',4'−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、
(+)−6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、
(+)−6−(3',4'−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリンおよびそれらの塩である。
【0040】
化合物(I)および化合物(I')の塩としては、例えば無機塩基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物(I)または(I')内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など)などの無機塩、アンモニウム塩など、また、化合物(I)または(I')内に塩基性官能基を有する場合には塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩などの無機塩または、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機塩が挙げられる。
【0041】
化合物(I)の製造法について以下に述べる。
化合物(I)は、自体公知の手段を用いて、例えば以下の製造法1〜4で示される方法などにより製造できる。また、化合物(I')は、化合物(I)の製造法に準じて製造される。
以下の製造法1〜4中に記載されている化合物は塩を形成している場合も含み、該塩としては、例えば化合物(I)の塩と同様のものなどが挙げられる。
「室温」は、0ないし30℃を示す。
例えば、化合物(I)中、Xが酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子(S、SO、SO2)または式 NR8(R8は前記と同意義を示す)で表される基を含有している場合、以下の製造法に従って化合物(I)を製造する。Xが酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子およびNR8を含有しない場合も同様に製造できる。
スキーム中に記載されている化学構造式中の各記号は、特記しない限り前記と同意義を示す。
製造法1
【化40】
上記式中、Xaは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子または式 NR8で表される基を示す。
【0042】
(工程1)
化合物(II)をアルキル化反応またはアシル化反応に付し、化合物(Ia)を得る。
「アルキル化反応」および「アシル化反応」は、自体公知の方法、例えば、オーガニック ファンクショナル グループ プレパレーションズ(ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS)第2版、アカデミックプレス社(ACADEMIC PRESS, INC.)1989年刊等に記載の方法に準じて行う。
具体的には、化合物(II)と式 Ar−Xb−L〔式中、XbはXからXaを除いた基、Lは脱離基またはヒドロキシを示す〕で表される化合物とを反応させ、化合物(Ia)を得る。
Lで示される「脱離基」としては、例えばハロゲン原子(例、クロロ、ブロモ、ヨードなど)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなど)、置換基を有していてもよいC6-10アリールスルホニルオキシなどが挙げられる。該「置換基を有していてもよいC6-10アリールスルホニルオキシ」の「置換基」としては、1ないし3個のハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルまたはC1-6アルコキシなどが挙げられる。「置換基を有していてもよいC6-10アリールスルホニルオキシ」の具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、1−ナフタレンスルホニルオキシ、2−ナフタレンスルホニルオキシなどが挙げられる。
化合物(II)は自体公知の方法、例えば下記スキーム2〜4の方法またはそれらに準じた方法により製造できる。
例えば、Lが脱離基の場合、化合物(II)および等量〜過剰量の式 Ar−Xb−L〔式中の各記号は前記と同意義〕で表される化合物を不活性溶媒中で反応させる。必要に応じ、塩基を加えて反応を行う。XaがNR8の場合、塩基は必ずしも必須ではない。
反応温度は、−20℃〜100℃、好ましくは室温(0℃〜30℃)〜80℃)である。反応時間は0.5時間〜1日である。
不活性溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、水などを単独あるいはこれらの二種以上を混合して用いることができる。中でもアセトニトリル、 N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、エタノール、ピリジンなどが好ましい。
該「塩基」としては、1)例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素化物(例、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアミド類(例、リチウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の低級アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシドなど)などの強塩基;
2)例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸水素塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)などの無機塩基;および
3)例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノピリジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデス-7-エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン)などのアミン類、例えばピリジン、イミダゾール、2,6−ルチジンなどの塩基性複素環化合物などの有機塩基などが挙げられる。
好ましい反応条件は、例えばアルキル化反応の場合、化合物(II)、1当量〜2当量の式 Ar−Xb−L〔式中の各記号は前記と同意義〕で表される化合物および1〜5当量の塩基(例、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウムなど)を、アセトニトリルまたはDMF中、1時間〜20時間撹拌する。好ましい反応温度は用いる塩基により異なるが、例えば、水素化ナトリウムを用いる場合は室温、炭酸カリウムを用いる場合は室温〜80℃が好ましい。
好ましい反応条件は、例えばアシル化反応の場合、化合物(II)、1当量〜1.5当量の式 Ar−Xb−L〔式中の各記号は前記と同意義〕で表される化合物および1当量〜5当量の塩基(例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンなど)を、不活性溶媒(例、水、酢酸エチル、DMF、アセトニトリル、ピリジンの単独あるいはこれら二種以上の混合溶媒)中、室温で1時間〜6時間撹拌する。
【0043】
Lがヒドロキシの場合、化合物(II)を光延反応に付す。
光延反応は、例えば、化合物(II)および1当量〜3当量(好ましくは1.1当量〜2当量)の式 Ar−Xb−L〔式中の各記号は前記と同意義〕で表される化合物を、1当量〜2当量のトリアリールホスフィン(例、トリフェニルホスフィンなど)および1当量〜2当量のDEAD(アゾジカルボン酸ジエチル)共存下、不活性溶媒中、1〜24時間撹拌する方法が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えばエーテル系溶媒などが挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)である。
【0044】
【化41】
上記式中、Wは水素原子または保護基、YaはYからメチレンを除いた基を示す。
Wで示される「保護基」としては、後述の「ヒドロキシの保護基」と同様ものなどが挙げられる。Wは、好ましくは C1-6アルキル、置換基を有していてもよいベンジルである。
(工程2)
化合物(III)をアミド化反応に付し、化合物(IV)を得る。
化合物(III)は容易に入手可能な公知化合物であり、合成法の具体例としては、特開平2−96552号公報、特開平6−206851号公報またはジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J. Med. Chem.)1326頁、1989年などに記載の方法などが挙げられる。
また、化合物(III)中、Xaが酸素原子およびWがメチルである化合物の代表例である(1)1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メトキシナフタレン−2−酢酸の合成法は、例えばシンセティック コミュニケーションズ(Synth. Commun.)11巻、803-809頁、1981年等に、(2)1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メトキシナフタレン−2−カルボン酸および1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メトキシナフタレン−2−酪酸の合成法は、ジャーナル オブ ケミカル ソサエティー パーキントランザクション I(J. Chem. Soc. Perkin Trans.I)1889-1893頁、1976年等にそれぞれ記載されている。
また、化合物(III)中、XaがイミノおよびWが水素原子である化合物の代表例である6−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボン酸およびそのエチルエステル体の合成法は、Zhur. Obschch. Khim., 1446頁、1952年等に記載されている。
また、化合物(III)が、7−メトキシ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−酢酸または8−メトキシ−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−4−カルボン酸である場合、ジャーナルオブ アメリカン ケミカル ソサイエティー(J. Am. Chem. Soc.)、77巻、5932-5933頁、1995年記載の方法に準じて製造され、7−メトキシ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸の場合、特開平7−126267号公報に記載の方法に準じて製造される。
【0045】
上記「アミド化反応」は、自体公知の方法に準じて行えばよく、例えば、(1)脱水縮合剤の存在下、化合物(III)と式 HNR1R2で表される化合物とを反応させる方法、または(2)化合物(III)の反応性誘導体と式 HNR1R2で表される化合物とを反応させる方法などが挙げられる。
上記反応(1)では、化合物(III)、1当量〜5当量の式 HNR1R2で表される化合物および1当量〜2当量の脱水縮合剤を不活性溶媒中、室温下、10時間〜24時間反応させる。必要に応じ、1当量〜1.5当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)および(または)1当量〜5当量の塩基(例、トリエチルアミンなど)を添加して反応を行ってもよい。
該「脱水縮合剤」としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(WSC)などが挙げられる。中でもWSCが好ましい。
不活性溶媒としては、例えば、ニトリル系溶媒(好ましくはアセトニトリル)、アミド系溶媒(好ましくはDMF)、 ハロゲン化炭化水素系溶媒(好ましくはジクロロメタン)、エーテル系溶媒(好ましくはTHF)などの単独またはこれらの二種以上を混合して用いることができる。
上記反応(2)では、化合物(III)の反応性誘導体および1当量〜5当量(好ましくは1当量〜3当量)の式 HNR1R2で表される化合物を不活性溶媒中、−20℃〜50℃(好ましくは室温)、5分間〜40時間(好ましくは1時間〜18時間)反応させる。必要に応じ、1当量〜10当量、好ましくは1当量〜3当量の塩基を共存させて反応を行ってもよい。
化合物(III)の「反応性誘導体」としては、酸ハライド(例、酸クロリド、酸ブロミドなど)、混合酸無水物(例、C1-6アルキル−カルボン酸、C6-10アリール−カルボン酸またはC1-6アルキル炭酸との酸無水物など)、活性エステル(例、置換基を有していてもよいフェノール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはN−ヒドロキシスクシンイミドとのエステルなど)が挙げられる。該「置換基を有していてもよいフェノール」の「置換基」としては、ハロゲン原子、ニトロ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルまたはハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシが1ないし5個挙げられる。「置換基を有していてもよいフェノール」の具体例としては、フェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノール、p−ニトロフェノールなどが挙げられる。反応性誘導体として、好ましくは酸ハライドである。
「塩基」としては、前記工程1で詳述した塩基と同様のものが挙げられ、好ましくは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどである。
不活性溶媒としては、例えばエーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、水などを単独またはこれらの二種以上を混合して用いることができる。中でも、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルムなどが好ましい。
【0046】
(工程3)
化合物(IV)を還元反応に付し、化合物(V)を得る。
還元反応は、自体公知の方法、例えば、オーガニック ファンクショナル グループ プレパレーションズ(ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS)第2版、アカデミックプレス社(ACADEMIC PRESS, INC.)1989年刊等に記載の方法に準じて行う。具体的には、(1)化合物(IV)と金属水素化物とを反応させる方法、(2)化合物(IV)と金属とを反応させる方法、または(3)化合物(IV)を接触還元反応に付す方法などが挙げられる。
上記反応(1)では、化合物(IV)および1当量〜20当量(好ましくは1当量〜6当量)の金属水素化物を不活性溶媒中で反応させる。
「金属水素化物」としては、例えば水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素リチウム、ボラン錯体(例、ボラン−THF錯体、カテコールボランなど)、ジブチルアルミニウムヒドリド、およびこれら金属水素化物とルイス酸(例、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化コバルトなど)またはオキシ塩化リンとの混合物などが挙げられる。好ましい金属水素化物としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムが挙げられる。
不活性溶媒としては、例えばエーテル系溶媒が挙げられる。
反応温度は、用いる金属水素化物により異なるが、通常、−70℃〜100℃、水素化アルミニウムリチウムを用いる場合は室温〜80℃である。ボラン錯体を用いる場合は室温〜100℃、好ましくは室温〜60℃である。
反応時間は、1時間〜48時間である。
上記反応(2)では、化合物(IV)および1当量〜20当量(好ましくは2当量〜6当量)の金属を不活性溶媒中で反応させる。
「金属」としては、例えば、亜鉛、鉄、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ不活性溶媒としては、例えば、有機酸(例、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸など)、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、炭化水素系溶媒などを単独またはこれら二種以上を混合して用いる。好ましくはエーテル系溶媒である。
反応温度は、用いる金属により異なるが、通常−70℃〜100℃、亜鉛を用いる場合は室温〜80℃である。
反応時間は、1時間〜10時間である。
上記反応(3)では、化合物(IV)、触媒量〜10当量の金属触媒(例、ラネーニッケルなど)および硫化リン化合物(例、5硫化リン、3硫化リンなど)を不活性溶媒(例、アルコール系溶媒など)中、室温〜100℃、水素圧が1気圧〜100気圧下、1時間〜48時間反応させる。
本工程3では、反応条件を選ぶことにより、化合物(IV)の分子内に存在するカルボニル、ラクタムなどの官能基をヒドロキシ、環状アミノなどにそれぞれ還元することもできる。
例えば化合物(IV)のA環とB環とで形成される縮合環が2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンまたは2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピンである場合、前記ボラン錯体を用いることにより、1,2,3,4−テトラヒドロキノリンおよび2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピンがそれぞれ得られる。具体的には、化合物(IV)および1当量〜過剰量、好ましくは1当量〜5当量のボラン錯体をエーテル系溶媒中、室温〜100℃、好ましくは室温〜60℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜5時間反応させる。
【0047】
(工程4)
化合物(V)を脱保護反応に付し、化合物(IIa)を得る。
化合物(V)中、Wが保護基の化合物を、自体公知の脱保護反応に付す。
脱保護反応は、例えば、前記オーガニック ファンクショナル グループ プレパレーションズ等に記載の方法に準じて行う。具体的には、例えば、酸による方法、接触還元法、加水分解法または求核置換法などが挙げられ、Wの保護基により種々選択される。
例えば、WがC1-6アルキル(好ましくはメチル)である場合、化合物(V)および1当量〜100当量の酸を無溶媒または不活性溶媒中、−78℃〜200℃、5分〜24時間反応させる。
酸としては、例えば、鉱酸(例、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸など)、ルイス酸(例、塩化アルミニウム、三臭化ホウ素など)、ハロゲン化ケイ素試薬(例、ヨードトリメチルシラン、ブロモトリメチルシランなど)が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、水、ハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸などの単独またはこれらの二種以上を混合溶媒として用いる。
好ましい反応条件としては、化合物(V)および5当量〜100当量の臭化水素酸を水または酢酸中、100℃〜130℃、1時間〜5時間反応させる。
【0048】
例えば、Wが置換基を有していてもよいベンジルである場合、通常、化合物(V)を接触還元法に付す。
化合物(V)および触媒量の金属触媒(例、ラネーニッケル、酸化白金、金属パラジウム、パラジウム−炭素など)を、不活性溶媒(例えば、アルコール系溶媒など)中、室温〜100℃、1気圧〜100気圧の水素圧下、1時間〜48時間反応させる。好ましくは、化合物(V)および触媒量のパラジウム−炭素を、アルコール系溶媒中(例、エタノールなど)、1ないし10気圧の水素圧下、室温〜50℃、1時間〜10時間反応させる。
例えば、WがC1-6アルキル−カルボニル、ベンゾイル、C7-10アラルキル−カルボニルである場合、化合物(V)を加水分解反応に付す。
化合物(V)および2当量〜100当量(好ましくは5当量〜10当量)のアルカリを不活性溶媒中、室温〜120℃、好ましくは室温〜60℃、5分〜100時間、好ましくは1時間〜20時間反応させる。
アルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の無機塩基の水酸化物などが挙げられる。中でも水酸化ナトリウムが好ましい
不活性溶媒としては、例えば、水、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒などの単独またはこれらの二種以上を混合して用いる。中でも、水−メタノールの混合溶媒が好ましい。
好ましい反応条件としては、溶媒が水−メタノールの混合溶媒、反応温度が室温〜60℃、反応時間が5時間〜10時間である。
【0049】
【化42】
上記式中、R9はカルボキシの保護基、Lは脱離基を示す。
R9で示される「カルボキシの保護基」としては、後述の「カルボキシの保護基」と同様のものが挙げられ、好ましくはC1-6アルキルである。
Lで示される「脱離基」としては、前記Lと同様ものが挙げられる。
(工程5)
化合物(VI)を還元反応に付し、化合物(VII)を得る。
化合物(VI)は、容易に入手可能な化合物であり、例えば化合物(III)を自体公知のエステル化反応に付して得ることもできる。
還元反応は、自体公知の方法、例えば、前記オーガニック ファンクショナルグループ プレパレーションズ等に記載の方法に準じて行う。反応条件は前記工程3とほぼ同様の条件が用いられ、このうち、金属水素化物を用いる方法が好ましい。
具体的には、化合物(VI)および1当量〜20当量(好ましくは1当量〜6当量)の金属水素化物(好ましくは水素化アルミニウムリチウム)を不活性溶媒中反応させる。
不活性溶媒としては、例えばエーテル系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒などの単独またはこれらの二種以上を混合して用いる。
反応温度は、用いる金属水素化物により異なるが、通常−70℃〜100℃、水素化アルミニウムリチウムを用いる場合は、室温〜50℃が好ましい。
【0050】
(工程6)
化合物(VII)に脱離基を導入し、化合物(VIII)を得る。
化合物(VIII)中、Lがハロゲンである場合、化合物(VII)とハロゲン化剤とを反応させる。
ハロゲン化剤として、例えば市販のハロゲン化試薬(例、臭化水素酸、三臭化リン、五塩化リン、塩化チオニルなど)を用いる場合、自体公知の方法に従って行えばよい。ハロゲン化剤として、例えば臭化水素酸を用いる場合、化合物(VII)と1.5〜5当量の臭化水素酸とを80℃〜130℃、1時間〜18時間反応させればよい。
ハロゲン化剤を調製して反応を行う場合、1当量〜1.5当量の臭素またはヨウ素および同量のトリフェニルホスフィンを不活性溶媒(例、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒など)中、室温下で混合してハロゲン化剤とし、かかるハロゲン化剤および化合物(VII)を、同溶媒中、室温、0.5時間〜18時間、好ましくは0.5時間〜3時間反応させる。
【0051】
化合物(VIII)中、Lがスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシなど)である場合、化合物(VII)、1当量〜過剰量(好ましくは1当量〜1.5当量)のスルホニル化試薬(例、塩化メタンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニルなど)および塩基を不活性溶媒中、−50℃〜50℃、好ましくは室温、1時間〜24時間撹拌する。
「塩基」としては、前記工程1で詳述した有機塩基などが挙げられ、中でも、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン類、ピリジン、イミダゾール、2,6-ルチジンなどの塩基性複素環化合物などが好ましい。塩基の使用量は、スルホニル化試薬に対して1当量〜8当量である。
不活性溶媒としては、例えばハロゲン化炭化水素系溶媒、ニトリル系溶媒、エステル系溶媒などの単独またはこれらを二種以上混合して用いる。
さらに、得られた化合物(VIII)のスルホニルオキシ基をヨード化反応に付してもよい。化合物(VIII)および1当量〜10当量(好ましくは1当量〜3当量)のヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムを、不活性溶媒(例、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒など)中、室温〜100℃、好ましくは30℃〜60℃、1時間〜24時間反応させる。
【0052】
(工程7)
化合物(VIII)をアミノ化反応に付し、化合物(IX)を得る。
アミノ化反応は、自体公知の方法、例えば、前記オーガニック ファンクショナル グループ プレパレーションズ等に記載の方法に準じて行う。具体的には、化合物(VIII)および1当量〜5当量(好ましくは1当量〜2当量)の式 HNR1R2で表される化合物を不活性溶媒中、室温〜100℃、好ましくは室温〜50℃、0.5時間〜1日撹拌することにより行われる。通常、1当量〜5当量(好ましくは1当量〜3当量)の塩基を加えて反応を行う。
該「塩基」としては、例えば、前記工程1で詳述した塩基などが挙げられ、中でも、トリエチルアミンなどの三級アミン類、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩等が好ましい。
不活性溶媒としては、例えば水、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒などを単独あるいはこれらの二種以上を混合して用いることができる。中でもアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、エタノールなどが好ましい。
好ましい反応条件としては、化合物(VIII)、1当量〜2当量の式 HNR1R2で表される化合物および1当量〜3当量の塩基(例、炭酸カリウム、トリエチルアミンなど)を、不活性溶媒(例、アセトニトリル、DMFなど)中、室温〜50℃、10時間〜1日撹拌する方法が挙げられる。
(工程8)
化合物(IX)を脱保護反応に付し、化合物(IIa)を得る。
脱保護反応は、前記工程4と同様の反応条件で行えばよい。
【0053】
化合物(II)において、Yがメチレンである化合物は、以下のスキーム4に従って目的物を得てもよい。
【化43】
上記式中、B'環は、オキソを有するB環、R10およびR11は、それぞれC1-6アルキル、置換基として1ないし3個のハロゲンまたはニトロを有していてもよいベンジルを示す。
【0054】
(工程9)
化合物(X)をマンニッヒ反応に付し、化合物(XI)を得る。
化合物(X)は、容易に入手可能な化合物であり、自体公知の方法により容易に合成できる。
マンニッヒ反応は、自体公知の方法、例えばWO92/05143等に記載の方法に準じて行えばよい。具体的には、化合物(X)、過剰のホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドおよび1当量〜5当量(好ましくは1当量〜2当量)の2級アミン(例、式 HNR10R11で表される化合物など)または1当量〜10当量(好ましくは1当量〜5当量)のジメチルメチレンアンモニウム塩(例、塩酸塩、ヨウ素酸塩など)を不活性溶媒中、室温〜80℃、1時間〜48時間反応させる。必要に応じ、当量〜過剰量の酸(例、塩酸などの鉱酸)を添加してもよい。
不活性溶媒としては、例えばエーテル系溶媒、アルコール系溶媒、ニトリル系溶媒、水などの単独またはこれらの二種以上を混合して用いられる。
式 HNR10R11で表される化合物において、R10およびR11がそれぞれC1-6アルキルの場合、得られた化合物(XI)は次工程10を経ずに、工程12の反応に付す。
【0055】
(工程10)
化合物(XI)から4級アミン塩である化合物(XII)を得る。
前記工程9に続いて、化合物(XI)および1当量〜3当量(好ましくは1.1当量〜1.5当量)のC1-6アルキルハライド(例、ヨウ化メチルなど)を不活性溶媒(例、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒など)中、室温〜還流条件下、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させる。
(工程11)
化合物(XII)をアミノ化反応に付し、化合物(XIII)を得る。
アミノ化反応は、前記工程7と同様の反応条件で行えばよい。具体的には、化合物(XII)および1当量〜5当量(好ましくは1当量〜3当量)の式 HNR1R2で表される化合物を不活性溶媒中、室温〜100℃、好ましくは室温〜50℃、0.5時間〜1日撹拌することにより行われる。通常、1当量〜3当量(好ましくは1当量〜2当量)の塩基を加えて反応を行う。
該「塩基」としては、例えば、前記工程1で詳述した塩基などが挙げられ、中でも、トリエチルアミンなどの三級アミン類、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩等が好ましい。
不活性溶媒としては、例えば水、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒などを単独あるいはこれらの二種以上を混合して用いることができる。中でもアセトニトリル、DMF、アセトン、エタノールなどが好ましい。
好ましい反応条件としては、化合物(XII)、1当量〜2当量の式 HNR1R2で表される化合物および1当量〜3当量の塩基(例、炭酸カリウム、トリエチルアミンなど)を、不活性溶媒(例、アセトニトリル、DMFなど)中、室温〜50℃、10時間〜1日撹拌する方法が挙げられる。
【0056】
(工程12)
化合物(XIII)を還元反応に付し、化合物(XIIIa)を経て化合物(XIV)を得る。
還元反応は、自体公知の方法、例えば、前記オーガニック ファンクショナルグループ プレパレーションズ等に記載の方法に準じて行う。具体的には、(1)化合物(XIII)と金属水素化物とを反応させる方法、(2)化合物(XIII)と金属とを反応させる方法、または(3)化合物(XIII)を接触還元反応に付す方法などが挙げられる。
上記反応(1)では、化合物(XIII)および1当量〜20当量(好ましくは2当量〜6当量)の金属水素化物を不活性溶媒中で反応させる。
「金属水素化物」としては、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン、ジブチルアルミニウムヒドリドなどが挙げられる。
不活性溶媒としては、水素化アルミニウムリチウムを用いる場合、エーテル系溶媒が、水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合、アルコール系溶媒などが好ましい。
反応温度は、用いる金属水素化物により異なるが、通常−70℃〜100℃、好ましくは0℃〜80℃である。
反応時間は、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5〜12時間である。
上記反応(2)では、化合物(XIII)および過剰量(好ましくは1当量〜100当量)の金属(例、亜鉛末)を不活性溶媒中、室温〜100℃、1時間〜24時間反応させる。反応(2)では、還元がさらに進行し、化合物(XIV)が得られることもある。
不活性溶媒としては、例えば、有機酸(例、酢酸など)、エーテル系溶媒などを単独またはこれら二種以上を混合して用いる。
上記反応(3)では、化合物(XIII)および触媒量の金属触媒(例、ラネーニッケル、酸化白金、金属パラジウム、パラジウム−炭素など)を不活性溶媒(例、アルコール系溶媒など)中、室温〜100℃、水素圧が1気圧〜100気圧下、1時間〜48時間反応させる。必要に応じ、触媒量〜過剰量の有機酸(例、酢酸など)または鉱酸(例、過塩素酸、塩酸など)を添加してもよい。反応(3)では、還元がさらに進行し、化合物(XIV)が得られる場合もある。
【0057】
得られた化合物(XIIIa)を還元的脱水反応に付し、化合物(XIV)を得る。
還元的脱水反応としては、自体公知の方法、例えば接触還元法、有機シリル試薬を用いる方法などが挙げられる。
接触還元法としては、化合物(XIIIa)および触媒量の金属触媒(例、ラネーニッケル、酸化白金、金属パラジウム、パラジウム−炭素など)を不活性溶媒(例、アルコール系溶媒等)中、1〜100気圧の水素圧下、室温〜100℃、1時間〜48時間反応させる方法が好ましい。必要に応じ、触媒量〜過剰量の有機酸(例、酢酸など)または鉱酸(例、過塩素酸、塩酸など)を添加してもよい。
アルキルシラン試薬を用いる方法としては、化合物(XIIIa)、アルキルシラン試薬(例、トリエチルシラン、フェニルジメチルシランなど)および酸(例、トリフルオロ酢酸などの有機酸等)を無溶媒または不活性溶媒(例、ハロゲン化炭化水素系溶媒)中、0℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃、10分間〜24時間反応させる。
アルキルシラン試薬の使用量は、化合物(XIIIa)に対して、1当量〜10当量、好ましくは1当量〜5当量である。
酸の使用量は、化合物(XIIIa)に対して、触媒量〜過剰量、好ましくは1当量〜5当量である。
(工程13)
化合物(XIV)において、Wが保護基である場合、化合物(XIV)を脱保護反応に付し、化合物(IIb)を得る。
脱保護反応は、前記工程4と同様の反応条件で行えばよい。
【0058】
製造法2
【化44】
(工程14)
化合物(XV)をアルキル化反応またはアシル化反応に付し、化合物(XVI)を得る。
化合物(XV)は、化合物(III)中、Wが水素原子である化合物を自体公知のエステル化反応に付すことにより得る。
アルキル化反応およびアシル化反応は、前記工程1記載の反応と同様にして行えばよい。
(工程15)
化合物(XVI)を自体公知の加水分解反応に付し、次いでアミド化反応に付し化合物(XVII)を得る。
アミド化反応は前記工程2記載の反応と同様にして行えばよい。
(工程16)
化合物(XVII)を還元反応に付し、化合物(Ib)を得る。
還元反応は、前記工程3記載の反応と同様にして行えばよい。
【0059】
製造法3
【化45】
上記式中、Lは脱離基を示す。
Lで示される「脱離基」としては、前記と同様のものが挙げられる。
(工程17)
化合物(XVIII)をアミノ化反応に付し、化合物(I)を得る。
化合物(XVIII)は、自体公知の方法に準じて容易に合成され、合成例としては、例えば以下のスキーム7に記載の方法などが挙げられる。
アミノ化反応は、前記工程7記載の反応と同様にして行えばよい。
【化46】
(工程18)
化合物(XVI)を還元反応に付し、化合物(XIX)を得る。
還元反応は、前記工程5記載の反応と同様にして行えばよい。
(工程19)
化合物(XIX)に脱離基を導入し、化合物(XVIIIa)を得る。
脱離基の導入反応は、前記工程6記載の反応と同様にして行えばよい。
【0060】
製造法4
【化47】
上記式中、Kは置換基を有していてもよい芳香族基、Gはハロゲン(例、ブロモ、ヨード)またはトリフルオロメタンスルホニルオキシを示す。
Kで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」としては、前記Ar'で示される「置換基を有していてもよい芳香族基」と同様のものが挙げられる。
(工程20)
化合物(II)を前記工程1と同様の反応に付し、化合物(XX)を得る。
(工程21)
化合物(XX)をアリールカップリング反応に付し、化合物(Ic)を得る。
アリールカップリング反応は、自体公知の方法、例えば、アクタ ケミカ スカンジナビア(Acta. Chemica Scandinavia), 221-230頁、1993年等に記載の方法に準じて行うことができる。具体的には、化合物(XX)、1当量〜2当量のアリール金属化合物および1当量〜10当量の塩基を、0.01当量〜1当量、好ましくは0.01〜0.5当量の遷移金属触媒存在下、不活性溶媒中、室温〜150℃、好ましくは80℃〜150℃、1時間〜48時間反応させる。
「アリール金属化合物」としては、例えば、アリールボロン酸誘導体、アリール亜鉛誘導体などが挙げられる。
「塩基」としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの水溶液が挙げられる。
「遷移金属触媒」としては、例えば、パラジウム触媒、ニッケル触媒などが挙げられる。該「パラジウム触媒」としては、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、パラジウム−炭素などが挙げられる。該「ニッケル触媒」としては、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)などが挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば水、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒などを単独またはこれら二種以上を混合して用いられる。好ましくは水、エタノール、トルエンなどの単独またはこれら二種以上を混合して用いられる。
【0061】
前記製造法1〜4に記載されている合成中間体である化合物に光学異性体が存在する場合、該「合成中間体の光学異性体」を得る方法としては、自体公知の方法、例えば光学活性な化合物から導く、またはラセミ体を光学分割法または不斉合成法に付す方法などが挙げられる。
該「光学分割法」としては、後述の光学分割法と同様のものが挙げられる。
該「不斉合成法」としては、自体公知の方法、例えば不斉還元反応、不斉酸化反応、不斉アルキル化反応などが挙げられ、これらの反応は、新実験化学講座26巻、日本化学会編、丸善株式会社、1992年などに記載の方法に準じて行うことができる。このうち不斉還元反応が好ましい。
該「不斉還元反応」としては、例えば、不斉金属水素化物を用いる還元反応、不斉水素化反応などが挙げられ、このうち好ましくは不斉水素化反応である。
「不斉水素化反応」としては、不斉金属触媒を用いる反応が挙げられ、例えば、遷移金属−光学活性ホスフィン錯体存在下に行う不斉水素化反応などが挙げられる。
例えば、前記製造法1〜4に記載の化合物(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(XVI)および(XVII)中、B環が例えば式:
【化48】
〔式中、Zb は前記Zと同意義を示す〕で表される環である化合物を不斉水素化反応に付し、それぞれの光学異性体を製造することができる。
【化49】
式中、*は不斉炭素の位置、各記号は前記と同意義を示す。
該「不斉水素化反応」の例としては、化合物(IIIb)、(IVb)、(Vb)、(VIb)、(VIIb)、(XVIb)または(XVIIb)を、約0.00001当量〜1当量(好ましくは約0.001当量〜0.1当量)の遷移金属−光学活性ホスフィン錯体存在下、不活性溶媒中、室温〜100℃(好ましくは約50℃〜80℃)、5kg/cm2〜100kg/cm2(好ましくは50kg/cm2〜100kg/cm2)の水素圧下、1時間〜48時間(好ましくは1時間〜6時間)反応させ、化合物(IIIc)、(IVc)、(Vc)、(VIc)、(VIIc)、(XVIc)または(XVIIc)を得る方法が挙げられる。
化合物(IIIb)、(IVb)、(Vb)、(VIb)、(VIIb)、(XVIb)および(XVIIb)の反応液中の各濃度は、1〜1000mg/ml、好ましくは50〜300mg/mlである。
所望により、反応液中にルイス酸(例、三フッ化ホウ素−エーテル錯体、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化コバルトなど)、鉱酸(例、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸など)を適当量添加してもよい。
「遷移金属−光学活性ホスフィン錯体」の「遷移金属」としては、例えば、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ニッケルなどが挙げられる。中でもルテニウムが好ましい。
「遷移金属−光学活性ホスフィン錯体」中の光学活性ホスフィンには、(R)配置および(S)配置の2種の光学異性体が存在する。(R)配置および(S)配置のどちらか一方の光学活性ホスフィンを用いて不斉還元を行うことにより、目的とする光学異性体を選択的に得ることができる。
【0062】
該「光学活性ホスフィン」の例としては、例えば、(R)−2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル[(R)-(BINAP)]、(S)−2,2' −ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル[(S)-(BINAP)]、(R)−2,2'−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル[(R)-(p-tolyl−BINAP)]、(S)−2,2'−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル[(S)-(p-tolyl-BINAP)](特開昭61−63690号公報);(R)−2,2'−ビス[ジ−(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]−1,1'−ビナフチル[(R)-(3,5-xylyl-BINAP)]、(S)−2,2'−ビス[ジ−(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]−1,1'−ビナフチル[(S)-(3,5-xylyl-BINAP)](特開平3−255090号公報);(R)−2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5,5',6,6',7,7',8,8'−オクタヒドロ−1,1'−ビナフチル[(R)-(H8-BINAP)]、(S)−2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5,5',6,6',7,7',8,8'−オクタヒドロ−1,1'−ビナフチル[(S)-(H8-BINAP)](特開平4−139140号公報)などが挙げられる。
前記「(R)」および「(S)」は、光学活性ホスフィンの絶対配置を示す。
「遷移金属−光学活性ホスフィン錯体」は、配位子として、ハロゲン(例、クロロなど)、アミン(例、トリエチルアミンなど)、有機酸(例、酢酸など)、C6-14アリール(例、ベンゼンなど)などをさらに有している場合もある。
該「遷移金属−光学活性ホスフィン錯体」は、調製後、単離精製することなく使用してもよい。
「遷移金属−光学活性ホスフィン錯体」の好ましい例である「ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体」としては、ルテニウムと(R)配置または(S)配置のどちらか一方の光学活性ホスフィンとから形成される以下の錯体などが挙げられる。
ビス[[(R)または(S)-[2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]]ジクロロルテニウム]トリエチルアミン:[RuCl2[(R)または(S)-(BINAP)]]2NEt3と略す。
ビス[[(R)または(S)-[2,2'-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]]ジクロロルテニウム]トリエチルアミン:[RuCl2[(R)または(S)-(p-tolyl-BINAP)]]2NEt3と略す。
ビス[[(R)または(S)-[2,2'-ビス(ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]]ジクロロルテニウム]トリエチルアミン:[RuCl2[(R)または(S)-(3,5-xylyl-BINAP)]]2NEt3と略す。
ビス[[(R)または(S)-[2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ-1,1'-ビナフチル]]ジクロロルテニウム]トリエチルアミン:[RuCl2[(R)または(S)-(H8-BINAP)]]2NEt3と略す。
[(R)または(S)-[2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]]ルテニウムジアセテート:Ru(CH3CO2)2[(R)または(S)-(BINAP)]と略す。
[(R)または(S)-[2,2'-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]]ルテニウムジアセテート:Ru(CH3CO2)2[(R)または(S)-(p-tolyl-BINAP)]と略す。
[(R)または(S)-[2,2'-ビス[ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ-1,1'-ビナフチル]]ルテニウムジアセテート:Ru(CH3CO2)2[(R)または(S)-(3,5-xylyl-BINAP)]と略す。
[(R)または(S)-[2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ-1,1'-ビナフチル]]ルテニウムジアセテート:Ru(CH3CO2)2[(R)または(S)-(H8-BINAP)]と略す。
不活性溶媒として、例えば、炭化水素系溶媒、アミド系溶媒、芳香族系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ニトリル系溶媒などを単独またはこれら二種以上を混合して用いられる。好ましくはアルコール系溶媒、さらに好ましくはエタノールが挙げられる。
【0063】
前記「アルコール系溶媒」としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノールなどが挙げられる。
前記「エーテル系溶媒」としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどが挙げられる。
前記「ハロゲン化炭化水素系溶媒」としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素などが挙げられる。
前記「芳香族系溶媒」としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどが挙げられる。
前記「炭化水素系溶媒」としては、例えば、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
前記「アミド系溶媒」としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
前記「ケトン系溶媒」としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
前記「スルホキシド系溶媒」としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。
前記「ニトリル系溶媒」としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなどが挙げられる。
前記「エステル系溶媒」としては例えば、酢酸エチルなどが挙げられる。
【0064】
前記の各反応において、原料化合物が置換基としてアミノ、カルボキシ、ヒドロキシ、カルボニルを有する場合、これらの基にペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
アミノの保護基としては、例えばホルミル、C1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニルなど)、C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、ベンゾイル、C7-10アラルキル−カルボニル(例、ベンジルカルボニルなど)、C7-14アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニルなど)、トリチル、フタロイル、N,N−ジメチルアミノメチレン、シリル(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジエチルシリルなど)、C2-6アルケニル(例、1−アリルなど)などが挙げられる。これらの基は、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)またはニトロなどで置換されていてもよい。
カルボキシの保護基としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、C7-11アラルキル(例、ベンジルなど)、フェニル、トリチル、シリル(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジエチルシリルなど)、C2-6アルケニル(例、1−アリルなど)などが挙げられる。これらの基は、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)またはニトロなどで置換されていてもよい。
ヒドロキシの保護基としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリチル、C7-10アラルキル(例、ベンジルなど)、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニルなど)、ベンゾイル、C7-10アラルキル−カルボニル(例、ベンジルカルボニルなど)、2−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニル、シリル(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジエチルシリルなど)、C2-6アルケニル(例、1−アリルなど)などが挙げられる。これらの基は、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピルなど)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)またはニトロなどで置換されていてもよい。カルボニルの保護基としては、例えば環状アセタール(例、1,3−ジオキサンなど)、非環状アセタール(例、ジ−C1-6アルキルアセタールなど)などが挙げられる。
また、これらの保護基の除去方法は、自体公知の方法、例えばプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis), John Wiley and Sons 刊(1980)に記載の方法などに準じて行えばよい。例えば酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミドなど)などを使用する方法、還元法などが用いられる。
【0065】
化合物(I)は、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、晶出、再結晶、クロマトグラフィーなどによって単離精製することができる。また、化合物(I)の原料化合物またはその塩は、前記と同様の公知の手段などによって単離精製することができるが、単離することなくそのまま反応混合物として次の工程の原料として供されてもよい。
また、化合物(I)は、水和物でも非水和物であってもよい。
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体を含有する場合には、これらも化合物(I)として含有されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。
光学異性体は自体公知の方法により製造することができる。具体的には、光学活性な合成中間体を用いる、または、最終物のラセミ体を常法に従って光学分割することにより光学異性体を得る。
光学分割法としては、自体公知の方法、例えば分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。
1)分別再結晶法
ラセミ体と光学活性な化合物(例えば、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシンなど)と塩を形成させ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。
2)キラルカラム法
ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)にかけて分離する方法。例えば液体クロマトグラフィの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社製)あるいは、ダイセル社製 CHIRALシリーズなどのキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液)、有機溶媒(例、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミンなど)を単独あるいは混合した溶液として展開させることにより、光学異性体を分離する。また、例えばガスクロマトグラフィーの場合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエルサイエンス社製)などのキラルカラムを使用して分離する。
3)ジアステレオマー法
ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によってジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィ法等)などを経て単一物質とした後、加水分解反応などの化学的な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異性体を得る方法。例えば、化合物(I)が分子内にヒドロキシまたは1,2級アミノを有する場合、該化合物と光学活性な有機酸(例えば、MPTA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸等)などとを縮合反応に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体のジアステレオマーが得られる。一方、化合物(I)がカルボン酸基を有する場合、該化合物と光学活性アミンまたはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマーが得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、元の化合物の光学異性体に変換される。
上記工程中、式
【化50】
〔式中、R1bおよびR2bはそれぞれメチルまたはエチル、kは1または2、*は不斉炭素の位置を示す〕で表される化合物の光学異性体またはその塩は新規化合物である。
【0066】
化合物(I)は、優れたアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害作用および優れた分泌型APPの分泌促進作用を有するため、神経変性疾患;アミロイドアンジオパシー;脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血など)による、頭部外傷による、または脊髄損傷による神経障害などの予防・治療に有効である。また化合物(I')もアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害作用および分泌型APPの分泌促進作用を有する。
また、化合物(I)および(I')は毒性も低く、例えばマウスを用いた急性毒性試験では、後述の実施例12で得られた化合物を1000mg/kgを経口投与しても、死亡例は観測されなかった。さらに化合物(I)および(I')は脳内移行性も優れている。
従って、化合物(I)および(I')は、安全に、ヒトなどの哺乳動物の神経変性疾患;アミロイドアンジオパシー;脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血など)による、頭部外傷による、または脊髄損傷による神経障害などの予防・治療剤として、さらに、神経変性および神経障害によって惹起される種々の精神障害(例、うつ、不安、脅迫神経症、睡眠障害など)の改善剤としても有用である。化合物(I)および(I')は、好ましくは、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症、老年性痴呆、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ハンチントン舞踏病、多発性硬化症等)の予防・治療剤として、さらに好ましくは、アミロイドβ蛋白に起因する神経変性疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症等)などの予防・治療剤として、特に好ましくはアルツハイマー病の予防・治療剤として有用である。
化合物(I)および(I')は、抗痴呆薬(例、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬など)と併用してもよい。
化合物(I)および(I')は、自体公知の手段に従って製剤化することができ、化合物(I)または(I')そのままあるいは薬理学的に許容される担体を、製剤化工程において適宜、適量混合することにより医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤などとして、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
本発明の医薬組成物中、化合物(I)または(I')の含有量は、剤全体の0.1〜100重量%である。投与量は、投与対象、投与ルート、疾患などにより異なるが、例えばアルツハイマー病治療薬として、成人(約60kg)に対し、経口剤として、1回当たり、有効成分(化合物(I)または(I'))として約0.1〜500mg、好ましくは約1〜100mg、さらに好ましくは5〜100mgであり、1日1〜数回に分けて投与することができる。
【0067】
本発明の組成物の製造に用いられる薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などがあげられる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤などの添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
溶剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
等張化剤としては、例えばブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明は、さらに以下の参考例、実施例、実験例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる実例であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の参考例、実施例中の「室温」は、0ないし30℃を示し、有機層の乾燥には無水硫酸マグネシウムまたは無水硫酸ナトリウムを用いた。「%」は特記しない限り重量パーセントを意味する。
赤外吸収スペクトルは、フーリエ変換形赤外分光光度計を用い、拡散反射法で測定した。
その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
s : シングレット(singlet)
d : ダブレット(doublet)
t : トリプレット(triplet)
q : クァルテット(quartet)
m : マルチプレット(multiplet)
br : ブロード(broad)
J : カップリング定数(coupling constant)
Hz : ヘルツ(Hertz)
CDCl3 : 重クロロホルム
THF : テトラヒドロフラン
DMF : N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO : ジメチルスルホキシド
WSC : 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩
1H NMR: プロトン核磁気共鳴(通常フリー体を CDCl3 中で測定した。)
IR : 赤外吸収スペクトル
【0069】
【実施例】
参考例1
6―メトキシ―2―ピペリジノメチル―1―テトラロン 塩酸塩
N―(6―メトキシ―1―オキソ―2―テトラリニル)メチル―N,N,N―トリメチルアンモニウムヨージド(1.137 g)、ピペリジン(0.36 ml)、トリエチルアミン(0.55 ml)をアセトニトリル(300 ml)に加えた。反応液を室温で2時間撹拌した後、濃縮し、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製後、4N塩酸―酢酸エチル溶液で処理し、得られた塩をメタノール―酢酸エチルより再結晶して標題化合物(0.586 g)を得た。
融点:182―183℃
【0070】
以下の参考例化合物2〜3を、参考例1と同様の方法で合成した。
参考例2
2―(N―ベンジルアミノ)メチル―6―メトキシ―1―テトラロン 塩酸塩
融点:166―169℃
再結晶溶媒:メタノール―酢酸エチル
参考例3
2―(N,N―ジベンジルアミノ)メチル―6―メトキシ―1―テトラロン
融点:91―92℃
再結晶溶媒:酢酸エチル―ジイソプロピルエーテル
参考例4
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―7―メトキシテトラリン 塩酸塩
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―7―メトキシ―1―テトラロン 塩酸塩( 8.46 g) に1N―水酸化ナトリウムを加えフリー体として、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥後、濃縮した。残渣のメタノール溶液(150 ml)に、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(2.32 g)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液に水を加え、減圧下濃縮し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣のエタノール溶液(100 ml)に、濃塩酸(6.4 g)、10%パラジウム―炭素(0.7 g)を加え、60℃、水素圧5気圧で8時間接触還元した。反応液から触媒をろ別し、ろ液を濃縮した。残さをメタノール―酢酸エチルより再結晶して標題化合物(6.53 g)を得た。
融点:212―213℃
【0071】
以下の参考例化合物5〜7を、参考例4と同様の方法で合成した。
参考例5
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―メトキシテトラリン 塩酸塩
融点:197―199℃
再結晶溶媒:メタノール―酢酸エチル
参考例6
2―(N―ベンジルアミノ)メチル―6―メトキシテトラリン 塩酸塩
融点:174―177℃
再結晶溶媒:メタノール―ジエチルエーテル
参考例7
6―メトキシ―2―ピペリジノメチルテトラリン 塩酸塩
融点:215―216℃
再結晶溶媒:メタノール―ジエチルエーテル
【0072】
参考例8
2―ヨードメチル―6―メトキシテトラリン
2―ヒドロキシメチル―6―メトキシテトラリン(1.888 g, J. Med. Chem., 37巻,526頁,1994年記載)およびピリジン(4.0 ml)のアセトニトリル溶液(20 ml)に、氷冷下 p―トルエンスルホニルクロリド(2.06 g)を加えた。反応液を室温で24時間撹拌した後、1N塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣のアセトン溶液(30 ml)に、ヨウ化ナトリウム(2.20g)を加えた。反応液を16時間加熱還流後、濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、標題化合物(2.506 g)を得た。
1H NMR δ:1.38―1.60 (1H,m), 1.80―2.11 (2H,m), 2.45 (1H, dd, J=16Hz, 8Hz), 2.76―3.00 (3H, m), 3.26 (2H, d, J=6Hz), 3.77 (3H, s), 6.60―6.74 (2H, m), 7.00 (1H, d, J=8Hz)
【0073】
参考例9
2―(N,N―ジプロピルアミノ)メチル―6―メトキシテトラリン 塩酸塩
2―ヨードメチル―6―メトキシテトラリン(0.918 g、参考例化合物8)、ジプロピルアミン(0.83 ml)および炭酸カリウム(0.90 g)をDMF(15 ml)に加えた。反応液を室温で20時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製後、4N塩酸―酢酸エチル溶液で処理して塩酸塩とした。生成した塩を酢酸エチル―ジイソプロピルエーテルより再結晶し、標題化合物(0.409 g)を得た。
融点:135―137℃
【0074】
参考例10
6―メトキシ―2―(N ―メチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
N―(6―メトキシ―1―オキソ―2―テトラリニル)メチル―N,N,N―トリメチルアンモニウムヨージド(44.5 g)、N―ベンジル―N―メチルアミン(14.4 g)、トリエチルアミン(18 ml)のアセトニトリル(400 ml)溶液を16時間加熱還流した。反応液を濃縮後、残渣に水(200 ml)を加え、1N水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9とし、酢酸エチル(200 ml)で抽出した。有機層を水洗、乾燥後濃縮した。残渣をメタノール(200 ml)に溶かし、氷冷下水素化ホウ素ナトリウム(7.1 g)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液を濃縮後、水(200 ml)を加え、1N水酸化ナトリウム水溶液をpH9になるまで加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製した。有効区分のエタノール溶液(200 ml)に濃塩酸(26 ml)および10%パラジウム―炭素(3 g)を加えた。反応液を常圧の水素圧下で48時間接触還元した後、反応液から触媒をろ別し、ろ液を濃縮した。析出した結晶をアセトンで洗浄して標題化合物(8.17 g)を得た。
融点:192-193 ℃
【0075】
参考例11
2―アミノメチル―6―メトキシテトラリン 塩酸塩
参考例10と同様の方法で標題化合物を合成した。
融点:217―218℃
再結晶溶媒:エタノール―ジイソプロピルエーテル
参考例12
N―(6―メトキシ―2―テトラリニル)メチルアセトアミド
2―アミノメチル―6―メトキシテトラリン 塩酸塩(1.5 g、参考例化合物11)のピリジン溶液(15 ml)に塩化アセチル(0.67 g)を加え、反応液を室温で16時間撹拌した後、反応液に酢酸エチルを加えた。有機層を1N塩酸、飽和重曹水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル―ジイソプロピルエーテルより再結晶して、標題化合物(960 mg)を得た。
融点:96―97℃
【0076】
参考例13
N,N―ジメチル―(6―メトキシ―2―テトラリン)アセトアミド
(6―メトキシ―2―テトラリン)酢酸(1.491 g)、ジメチルアミン塩酸塩(0.846g)、WSC(1.726 g)、1―ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.069 g)、およびトリエチルアミン(2.8 ml)をアセトニトリル(30 ml)に加えた。反応液を室温で20時間撹拌後、1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、標題化合物(1.667 g)を得た。
1H NMR δ:1.34―1.57 (1H,m), 1.91―2.08 (1H,m), 2.22―2.51 (2H,m), 2.36 (2H,s), 2.77―2.94 (3H, m), 2.98 (3H, s), 3.02 (3H, s), 3.77 (3H, s), 6.59―6.72 (2H, m), 6.96 (1H, d, J=8Hz)
【0077】
参考例14
2―[2−(N,N―ジメチルアミノ)エチル]―6―メトキシテトラリン 塩酸塩 N,N―ジメチル―(6―メトキシ―2―テトラリン)アセトアミド(1.613 g、参考例化合物13)のTHF溶液(20 ml)に、水素化アルミニウムリチウム(0.25 g)を加えた。反応液を室温で6時間撹拌した後、反応液に水を加えた。反応液から不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残渣を4N塩酸―酢酸エチル溶液で処理して塩酸塩とし、さらにメタノール―酢酸エチルより再結晶し、標題化合物(1.247 g)を得た。
融点:183―185℃
参考例15
2―[N―ベンジル―N―(3,3―ジフェニルプロピル)アミノ]メチル―6―メトキシテトラリン
2―(N―ベンジルアミノ)メチル―6―メトキシテトラリン 塩酸塩(0.602 g参考例化合物6)、3,3―ジフェニルプロピルヨージド(0.803 g)および炭酸カリウム(0.800 g)をDMF(20 ml)に加えた。反応液を室温で24時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、標題化合物(0.335 g)を得た。
1H NMR δ:1.11―1.40 (1H, m), 1.70―2.05 (2H, m), 2.13―2.48 (7H, m), 2.62―2.88 (3H, m), 3.54 (2H, s), 3.76 (3H, s), 3.98 (1H, t, J=8Hz), 6.55―6.70 (2H, m), 6.95 (1H, d, J=8Hz), 7.04―7.38 (15H, m)
【0078】
参考例16
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―ヒドロキシテトラリン 塩酸塩
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―メトキシテトラリン 塩酸塩(0.365 g 、参考例化合物5)を48%臭化水素酸(10 ml)に加え、反応液を3時間加熱還流後、放冷した。反応液を1N水酸化ナトリウム水溶液で中性とし、10%炭酸カリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製後、4N塩酸―酢酸エチル溶液で処理して塩酸塩とした。得られた塩を酢酸エチルで洗浄して標題化合物(0.211 g)を得た。
融点:221―224 ℃
【0079】
以下の参考例化合物17〜22を、参考例16と同様の方法で合成した。
参考例17
2―(N,N―ジプロピルアミノ)メチル―6―ヒドロキシテトラリン 塩酸塩
融点:173―175℃
再結晶溶媒:メタノール―ジイソプロピルエーテル
参考例18
2―[N ―ベンジル―N―(3,3―ジフェニルプロピル)アミノ]メチル―6―ヒドロキシテトラリン
1H NMR δ:1.10―1.34 (1H, m), 1.68―2.02 (2H, m), 2.12―2.48 (7H, m), 2.57―2.87 (3H, m), 3.55 (2H, d, J=2Hz), 3.98 (1H, t, J=8Hz), 6.48―6.60 (2H, m), 6.89 (1H, d, J=8Hz), 7.04―7.34 (15H, m)
参考例19
6―ヒドロキシ―2―ピペリジノメチルテトラリン 塩酸塩
融点:216―218℃
再結晶溶媒:メタノール―ジエチルエーテル
参考例20
2―[2−(N,N―ジメチルアミノ)エチル]―6―ヒドロキシテトラリン
融点:114―116℃
再結晶溶媒:酢酸エチル―ヘキサン
参考例21
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―7―ヒドロキシテトラリン 塩酸塩
融点:197―198℃
再結晶溶媒:メタノール―酢酸エチル
参考例22
6―ヒドロキシ―2―(N―メチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
融点:229―230℃
再結晶溶媒:メタノール―酢酸エチル
【0080】
参考例23
N―[6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―テトラリニル]メチルアセトアミド N―(6―メトキシ―2―テトラリニル)メチルアセトアミド(730 mg、参考例化合物12)の塩化メチレン(15 ml)溶液に、0℃で三臭化ホウ素(1.57 g)を加えた。反応液を室温まで昇温し、1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸カリウム水溶液で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をDMF(20 ml)に溶かし、4―(ヨードメチル)ビフェニル(1.35 g)および炭酸カリウム(1.36 g)を加えた。反応液を室温で16時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N塩酸、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製した。得られた粗結晶を酢酸エチル―ジイソプロピルエーテルで再結晶し、標題化合物(750 mg)を得た。
融点:144―145 ℃
参考例24
(6―ヒドロキシ―2―テトラリン)酢酸メチル
(6―メトキシ―2―テトラリン)酢酸(15.22 g)を48%臭化水素酸(100 ml)に加え、反応液を3時間加熱還流した。反応液を冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をメタノール(200 ml)に溶解し、0℃で塩化チオニル(6.0 ml)を滴下した。反応液を室温で2時間撹拌した後、濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル―ヘキサンより再結晶し、標題化合物(9.566 g)を得た。
1H NMR δ:1.32―1.55 (1H, m), 1.84―2.00 (1H, m), 2.10―2.48 (4H, m), 2.70―2.89 (3H, m), 3.71 (3H, s), 4.80 (1H, s), 6.52―6.64 (2H, m), 6.91 (1H, d, J=8Hz)
【0081】
参考例25
[6―(2―ナフチル)メトキシ―2―テトラリン]酢酸メチル
(6―ヒドロキシ―2―テトラリン)酢酸メチル(0.608 g、参考例化合物24)、2―ナフチルメチルブロミド(0.737 g)および炭酸カリウム(0.59 g)をDMF(20 ml)に加えた。反応液を室温で5時間撹拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製した後、酢酸エチル―ヘキサンより再結晶し、標題化合物(0.624 g)を得た。
融点:73―75℃
参考例26
2―(2―ヒドロキシエチル)―6―(2―ナフチル)メトキシテトラリン
[6―(2―ナフチル)メトキシ―2―テトラリン]酢酸メチル(0.712 g、参考例化合物25)のTHF溶液(10 ml)に、水素化アルミニウムリチウム(75 mg)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した後、水を加えた。反応液から不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル―ヘキサンより再結晶し、標題化合物(0.451 g)を得た。
融点:90―91℃
【0082】
参考例27
2―(2―ヨードエチル)―6―(2―ナフチル)メトキシテトラリン
2―(2―ヒドロキシエチル)―6―(2―ナフチル)メトキシテトラリン(0.712 g、参考例化合物26)および、ピリジン(0.19 ml)のジクロロメタン溶液(15 ml)に0℃でp―トルエンスルホニルクロリド(0.301 g)を加えた。反応液を室温で24時間撹拌後、1N塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアセトン(10 ml)に溶かし、ヨウ化ナトリウム(0.371 g)を加えた。反応液を4時間加熱還流後、濃縮した。飽和重曹水およびチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製し、標題化合物(0.451 g)を得た。
1H NMR δ:1.30―1.60 (1H, m), 1.75―2.02 (4H, m), 2.26―2.46 (1H, m), 2.72―2.89 (3H, m), 3.30 (2H, t, J=7Hz), 5.19 (2H, s), 6.72―6.83 (2H, m), 6.98 (1H, d, J=8Hz), 7.42―7.57 (3H, m), 7.78―7.91 (4H, m)
参考例28
[6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―テトラリン]酢酸メチル
(6―ヒドロキシ―2―テトラリン)酢酸メチル(4.407 g、参考例化合物24)のDMF溶液(100 ml)に0℃で60%油状水素化ナトリウム(1.034 g)を加えた。反応液を40℃で1時間撹拌した後、再び0℃に冷却し、4―(クロロメチル)ビフェニル(4.466 g)を加えた。反応液を室温で14時間撹拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶ををジイソプロピルエーテルで洗浄し、標題化合物(3.995 g)を得た。
融点:65―70 ℃
【0083】
参考例29
[6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―テトラリン]酢酸
[6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―テトラリン]酢酸メチル(3.480 g、参考例化合物28)をTHF(80 ml)およびメタノール(40 ml)に溶かし、1N水酸化ナトリウム水溶液(20 ml)を加えた。反応液を室温で7時間撹拌した後、濃縮した。残渣に1N塩酸を酸性になるまで加え、酢酸エチルおよびTHFの混合溶媒で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をTHF―ジイソプロピルエーテルより再結晶し、標題化合物(2.956 g)を得た。
融点:167―169 ℃
参考例30
[6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―テトラリン]−N,N―ジメチルアセトアミド
[6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―テトラリン]酢酸(1.866 g、参考例化合物29)、ジメチルアミン塩酸塩(0.553 g)、WSC(1.512 g)、1―ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.764 g)、およびトリエチルアミン(2.1 ml)をアセトニトリル(50 ml)およびTHF(50 ml)の混合液に加えた。反応液を室温で20時間撹拌後、1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル―ヘキサンより再結晶し、標題化合物(1.497 g)を得た。
融点:114―119 ℃
【0084】
参考例31
6―アセチルアミノ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン
N,N―ジメチルメチレンアンモニウムクロリド(2.04 g )のアセトニトリル溶液(40 ml)に6―アセチルアミノ―1―テトラロン(1.692 g)のTHF溶液(40 ml)を加え、室温で24時間撹拌した後、濃縮した。残渣に10%炭酸カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をメタノール(50 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウム(0.86 g)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をメタノール(50 ml)に溶かし、10%パラジウム―炭素(0.4 g)および1N塩酸(20 ml)を加え、水素圧1気圧にて12時間接触還元した。反応液からパラジウム―炭素をろ別し、ろ液を濃縮した後、10%炭酸カリウム水溶液を加えフリー体として、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル―ヘキサンより再結晶し、標題化合物(1.862 g)を得た。
融点:104―107 ℃
参考例32
6―アミノ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン
6―アセチルアミノ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリンの塩酸塩 (0.879 g、参考例化合物31)を2N塩酸に加えた。反応液を90分間加熱還流した後、反応液に1N水酸化ナトリウム水溶液をpH9になるまで加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、標題化合物(0.231 g)を得た。
1H NMR δ:1.24-1.47 (1H, m), 1.60-2.00 (3H, m), 2.13-2.40 (2H, m), 2.24 (6H,s), 2.66-2.89 (3H, m), 3.23-3.73 (2H, br), 6.42-6.52 (2H, m), 6.89 (1H, d, J=8Hz)
【0085】
参考例33
6―(4―ブロモベンジル)オキシ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―ヒドロキシテトラリン(5.0 g、参考例化合物16)をDMF(130 ml)に溶かし、60%油状水素化ナトリウム(1.46 g) を0℃で加えた。反応液を室温に昇温し、1時間撹拌した。反応液を再び0℃に冷却し、4―ブロモベンジルブロミド(10.0 g)のDMF 溶液(20 ml)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製し、標題化合物(3.4 g)を得た。
1H NMR δ:1.2-1.5 (1H, m), 1.7-2.1 (2H, m), 2.1-2.5 (3H, m), 2.24 (6H, s), 2.7-3.0 (3H, m), 4.97 (2H, s), 6.6-6.8 (2H, m), 7.00 (1H, d, J=8Hz), 7.28 (2H, d, J=8Hz), 7.50 (2H, d, J=8Hz).
【0086】
以下の参考例化合物34〜40を、参考例33と同様の方法で合成した。
参考例34
6―(3―ブロモベンジル)オキシ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン
1H NMR δ:1.2-1.5 (1H, m), 1.7-2.1 (2H, m), 2.1-2.5 (3H, m), 2.24 (6H, s), 2.7-3.0 (3H, m), 4.99 (2H, s), 6.6-6.8 (2H, m), 7.01 (1H, d, J=8Hz),
7.1-7.5 (3H, m), 7.59 (1H, s).
参考例35
6―(2―ブロモベンジル)オキシ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン
1H NMR δ:1.2-1.5 (1H, m), 1.7-2.1 (2H, m), 2.1-2.5 (3H, m), 2.24 (6H, s), 2.7-3.0 (3H, m), 5.09 (2H, s), 6.7-6.8 (2H, m), 7.02 (1H, d, J=8Hz), 7.17 (1H, td, J=7Hz, 2Hz), 7.32 (1H, td, J=7Hz, 2Hz), 7.5-7.6 (2H, m).
参考例36
6−ベンジルオキシ−2−(N,N-ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
融点:196-198℃
再結晶溶媒:メタノール−酢酸エチル
参考例37
6−(2-クロロベンジル)オキシ−2−(N,N-ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
融点:203-207℃
再結晶溶媒:メタノール−ジエチルエーテル
参考例38
6−(2,4−ジクロロベンジル)オキシ−2−(N,N-ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
融点:217-218℃
再結晶溶媒:塩化メチレン-ジエチルエーテル
参考例39
6−(4−ベンジルオキシベンジル)オキシ−2−(N,N-ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
融点:208-209℃
再結晶溶媒:エタノール-酢酸エチル
参考例40
2−[N−ベンジル−N−(3,3−ジフェニルプロピル)アミノ]メチル−6−(2,4−ジクロロベンジル)オキシテトラリン 塩酸塩
非晶状粉末
1H NMR δ:1.12-1.35 (1H, m), 1.72-2.06 (2H, m), 2.14-2.48 (7H, m), 2.54-2.88 (3H, m), 3.55 (2H, d, J=2Hz), 3.98 (1H, t, J=7Hz), 5.07 (2H, s), 6.63-6.74 (2H, m), 6.96 (1H, d, J=8Hz), 7.06-7.34 (15H, m), 7.37-7.53 (3H, m).
IR(KBr):3058, 3028, 2925, 2572, 1592, 1500, 1234, 747, 701cm-1.
【0087】
参考例41
[6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−テトラリン]酢酸メチル
(6−ヒドロキシ−2−テトラリン)酢酸メチル(17.5 g)、4−ブロモベンジルブロミド(24.0 g)および炭酸カリウム(30.6 g)をDMF(160 ml)に加えた。反応液を室温で12時間撹拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をトルエン−ジイソプロピルエーテルで再結晶し、標題化合物(31.0 g)を得た。
融点:78-79℃
参考例42
[6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−テトラリン]酢酸
[6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−テトラリン]酢酸メチル(31.0 g)をメタノール(200 ml)に溶かし、1N水酸化ナトリウム水溶液(200 ml)を加えた。反応液を80℃で4時間撹拌後、濃縮した。残渣に1N塩酸を酸性になるまで加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンで再結晶し、標題化合物(29.4 g)を得た。
融点:145-146℃
参考例43
3−(6−メトキシ−2−メトキシカルボニル−1−オキソ−2−テトラリン)プロピオン酸メチル
(6−メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン)カルボン酸メチル(J. Am. Chem. Soc, 78巻,461頁,1951年記載;21 g)のメタノール溶液(100 ml)にナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液(17.3 g)を加えた。反応液にアクリル酸メチル(9.7 ml)のメタノール溶液(100 ml)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を10%クエン酸水溶液の中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルで再結晶し、標題化合物(19.7 g)を得た。
融点:66-67℃
【0088】
参考例44
3−(6−メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン)プロピオン酸
3−(6−メトキシ−2−メトキシカルボニル−1−オキソ−2−テトラリン)プロピオン酸メチル(17.7 g)の酢酸溶液(30 ml)に6N塩酸(150 ml)を加え、2時間加熱還流した。反応液に水(200 ml)を加え、析出した結晶をろ取し、標題化合物(13.3 g)を得た。
融点:129-130℃
参考例45
4−(6−メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン)酪酸
( 6 −メトキシ− 1 −オキソ− 2 −テトラリン)カルボン酸メチル(20 g)、4−ブロモクロトン酸エチル(26.4 g)および炭酸カリウム(23.6 g)をDMF(300 ml)に加えた。反応液を80℃で12時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣のエタノール溶液(200 ml)に10%パラジウム−炭素(3.0 g)を加え、室温で水素圧1気圧で12時間接触還元した。反応液から触媒をろ別し、ろ液を濃縮した。残渣の酢酸溶液(50 ml)に6N塩酸(100 ml)を加え、4時間加熱還流した。反応液に水(200 ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルで再結晶し、標題化合物(14.0 g)を得た。
融点:91-92℃
参考例46
3−(6−メトキシ−2−テトラリン)プロピオン酸
3−(6-メトキシ-1-オキソ-2-テトラリン)プロピオン酸(10 g)の酢酸溶液(50 ml)に過塩素酸(0.25 ml)および10%パラジウム−炭素(1.0 g)を加え、室温で水素圧1気圧下で24時間接触還元した。反応液から触媒をろ別し、ろ液を濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をトルエン−ジイソプロピルエーテルで再結晶し、標題化合物(6.6 g)を得た。
融点:114-115℃
参考例47
4−(6−メトキシ−2−テトラリン)酪酸
参考例46と同様の方法で標題化合物を合成した。
融点:100-101℃
再結晶溶媒:トルエン−ジイソプロピルエーテル
【0089】
参考例48
[6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−テトラリン]−N,N−ジメチルアセトアミド
[6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−テトラリン]酢酸(15.0 g)、ジメチルアミン塩酸塩(4.24 g)、WSC(12.0 g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.13 g)およびトリエチルアミン(16.7 ml)をアセトニトリル(200 ml)とTHF(200 ml)との混合溶媒に加えた。反応液を室温で12時間撹拌後、1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和重層水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンで再結晶し、標題化合物(14.3 g)を得た。
融点:86-87℃
以下の参考例化合物49〜50を、参考例48と同様の方法で合成した。
参考例49
N,N−ジメチル−3−(6−メトキシ−2−テトラリン)プロピオンアミド
油状物
1H NMR δ:1.32-1.54 (1H, m), 1.60-1.84 (3H, m), 1.84-2.02 (1H, m), 2.26-2.50 (3H, m), 2.70-2.90 (3H, m), 2.95 (3H, s), 3.03 (3H, s), 3.76 (3H, s), 6.56-6.72 (2H, m), 6.97 (1H, d, J=8Hz).
参考例50
N,N−ジメチル−4−(6−メトキシ−2−テトラリン)ブタンアミド
油状物
1H NMR δ:1.30-1.50 (3H, m), 1.60-1.84 (3H, m), 1.84-2.00 (1H, m), 2.24-2.44 (3H, m), 2.70-2.90 (3H, m), 2.95 (3H, s), 3.01 (3H, s), 3.76 (3H, s), 6.56-6.72 (2H, m), 6.97 (1H, d, J=8Hz).
参考例51
6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
[6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−テトラリン]−N,N−ジメチルアセトアミド(13.8 g)のTHF溶液(300 ml)に水素化アルミニウムリチウム(1.95 g)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した後、反応液に1N水酸化ナトリウム水溶液を加えた。反応液から不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル〜メタノール)で精製後、4N塩酸−酢酸エチル溶液で処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−酢酸エチルで再結晶し、標題化合物(10.5 g)を得た。
融点:200-202℃
【0090】
以下の参考例化合物52〜53を、参考例51と同様の方法で合成した。
参考例52
2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−6−メトキシテトラリン 塩酸塩
融点:163-164℃
再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル
参考例53
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチル]−6−メトキシテトラリン 塩酸塩
融点:144-145℃
再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル
参考例54
2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−6−ヒドロキシテトラリン 塩酸塩
2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−6−メトキシテトラリン 塩酸塩(3.6 g)を48%臭化水素酸(20 ml)に加え、反応液を3時間加熱還流後、放冷した。反応液を1N水酸化ナトリウム水溶液で中性とし、10%炭酸カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をメタノール−ジイソプロピルエーテルで再結晶し、標題化合物(2.0 g)を得た。
融点:110-111℃
参考例55
2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチル]−6−ヒドロキシテトラリン 塩酸塩
参考例54と同様の方法で標題化合物を合成した。
融点:123-124℃
再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル
【0091】
参考例56
N,N−ジメチル−(6−メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン)アセトアミド
(6−メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン)酢酸(Eur. J. Med. Chem., 25巻,765頁,1990年記載;53.8 g, 230 mmol)のアセトニトリル溶液(1 L)にジメチルアミン塩酸塩(24.3 g, 298 mmol)、WSC(66.0 g, 344 mmol)、1−ヒドロキシベンズトリアゾール・水和物(35.1 g, 230 mmol)を加えた。反応液に氷冷下、トリエチルアミン(96 ml, 689 mmol)を加え、室温で48時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル−トルエンで再結晶し、標題化合物(34 g)を得た。
融点:102-104 ℃
参考例57
N,N−ジメチル−[6−メトキシ−2−(3,4−ジヒドロナフタレン)]アセトアミド
N,N−ジメチル−(6−メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン)アセトアミド (44.7 g, 180 mmol)のメタノール溶液(1 L)に水素化ホウ素ナトリウム(15g, 397 mmol)を氷冷下3回に分けて加えた。反応液を室温で2時間撹拌後、1規定塩酸で中和し、反応液の量が3分の1程度になるまで減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、減圧下濃縮した。残渣のトルエン溶液(700 ml)にアルゴン気流下、p-トルエンスルホン酸・水和物(700 mg, 4.06 mmol)を加え、30分加熱還流した。反応液を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜酢酸エチル)で精製し標題化合物(37.5 g)を得た。
1H NMR δ:2.30 (2H, t, J=8.0 Hz), 2.83 (2H, t, J=8.0 Hz), 2.99 (3H, s), 3.04 (3H, s), 3.26 (2H, s), 3.79 (3H, s), 6.21 (1H, s), 6.62-6.72 (2H, m), 6.86-6.96 (1H, m).
【0092】
参考例58
(−)−N, N−ジメチル−(6−メトキシ−2−テトラリン)アセトアミド
N, N-ジメチル-[6-メトキシ-2-(3,4-ジヒドロナフタレン)]アセトアミド(18.03 g, 73.50 mmol)と[RuCl2[(R)-(BINAP)]]2NEt3(1.24 g, 0.734 mmol)に脱気したエタノール(160 ml)を加えた溶液をオートクレーブに移し、水素圧100 kg/cm2、70℃で6時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:2)に付し、標題化合物(15.5 g, 98.3% e.e.)を得た。
融点:70-71 ℃
再結晶溶媒:酢酸エチル−ヘキサン
[α]D 25=−61.3°(c=1.00, クロロホルム)
元素分析:C15H21NO2 として
計算値:C, 72.84; H, 8.56; N, 5.66
実測値:C, 72.76; H, 8.49; N, 5.79.
参考例59
(+)−N, N−ジメチル−(6−メトキシ−2−テトラリン)アセトアミド
N, N−ジメチル−[6−メトキシ−2−(3,4−ジヒドロナフタレン)]アセトアミド(18.06 g, 73.50 mmol)と[RuCl2[(S)-(BINAP)]]2NEt3(1.24 g, 0.734 mmol)に脱気したエタノール(160 ml)を加えた溶液をオートクレーブに移し、水素圧100 kg/cm2、70℃で6時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:2)に付し、標題化合物(15.8 g, 98.7% e.e.)を得た。
融点:71-72℃
再結晶溶媒:酢酸エチル−ヘキサン
[α]D 25=+63.7°(c=1.00, クロロホルム)
元素分析:C15H21NO2 として
計算値:C, 72.84; H, 8.56; N, 5.66
実測値:C, 72.68; H, 8.42; N, 5.65
参考例60
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−メトキシテトラリン塩酸塩
(+)−N,N−ジメチル−(6−メトキシ−2−テトラリン)アセトアミド(0.870 g)のTHF溶液(15 ml)に、水素化アルミニウムリチウム(0.203 g)を加えた。反応液を室温で50分間撹拌し、30分間加熱還流後、放冷した。反応液に水を加え、反応液から不溶物をろ別後、ろ液を濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン〜酢酸エチル:ヘキサン=1:10〜1:4)で精製後、4N塩酸-酢酸エチル溶液で処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶し、標題化合物(0.749 g)を得た。融点:195-197℃
[α]D 20= +68.2°(c=0.55, メタノール)
【0093】
参考例61
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン 塩酸塩
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−メトキシテトラリン塩酸塩(0.602 g)を48%臭化水素酸(10 ml)に加え、反応液を3.5時間加熱還流後、放冷した。反応液を1N水酸化ナトリウム水溶液で中性とし、10%炭酸カリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣を4N塩酸-酢酸エチル溶液で処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−ジイソプロピルエ-テルより再結晶し、標題化合物(0.490 g)を得た。
融点:213-215℃
[α]D 20=+69.1°(c=0.52, メタノール)
参考例62
(−)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−メトキシテトラリン塩酸塩
(−)−N,N−ジメチル−(6−メトキシ−2−テトラリン)アセトアミド (0.807 g)のTHF溶液(15 ml)に、水素化アルミニウムリチウム(0.130 g)を加えた。反応液を室温で15分間撹拌し、15分間加熱還流後、放冷した。反応液に水を加え、反応液から不溶物をろ別後、ろ液を濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン〜酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製後、4N塩酸-酢酸エチル溶液で処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶し、標題化合物(0.683 g)を得た。
融点:193-195℃
[α]D 20= −68.0°(c=0.49, メタノール)
【0094】
参考例63
(−)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン 塩酸塩
(−)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−メトキシテトラリン塩酸塩(0.563 g)を48%臭化水素酸(10 ml)に加え、反応液を4時間加熱還流後、放冷した。反応液を1N水酸化ナトリウム水溶液で中性とし、10%炭酸カリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣を4N塩酸-酢酸エチル溶液で処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶し、標題化合物(0.480 g)を得た。
融点:213-215℃
[α]D 20=−69.9°(c=0.55, メタノール)
参考例64
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)テトラリン
水素化アルミニウムリチウム(4.71 g)のTHF懸濁液(200 ml)に氷冷下、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン酢酸メチル(24.0 g)のTHF溶液(50 ml)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した後、反応液に飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加えた。反応液から不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残さを酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して標題化合物(22.1 g)を得た。
融点:101−102℃
参考例65
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(2−ヨードエチル)テトラリン
トリフェニルホスフィン(12.5 g)のTHF溶液(200 ml)にイミダゾール(3.25 g)、ヨウ素(12.1 g)を加えた。反応液に6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)テトラリン(13.15 g)のTHF溶液(100 ml)を室温で加えた。反応液を室温で5分間撹拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン)で精製し、標題化合物(13.2 g)を得た。
1H NMR δ:1.30−1.60(1H, m), 1.75−2.00(4H, m), 2.20−2.46(1H, m), 2.72−2.92(3H, m), 3.30(2H, t, J=7Hz), 5.07(2H, s), 6.70−6.84(2H, m), 6.99(1H, d, J=8Hz), 7.14−7.66(9H, m).
【0095】
参考例66
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン(9.2 g)のトルエン(180 ml)懸濁液に60%油性水素化ナトリウム(2.0 g)を加え50℃で30分間撹拌した。反応液に4−ブロモベンジルクロリド(9.7 g)のトルエン(45 ml)溶液を加え1時間加熱還流した。反応液に水を加え濃縮した。残さに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さに酢酸エチル:ヘキサン=1:4を加え、不溶物をろ別した。ろ液を濃縮し、残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:50〜1:4)で精製後、塩酸塩とし、濃縮した。得られた粗結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、標題化合物(17.0 g)を得た。
融点:191−193℃
[α]D 20=+44.1°(c= 0.99、メタノール)
参考例67
N,N−ジエチル−(6−メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン)アセトアミド
(6−メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン)酢酸(30 g)のアセトニトリル(500 ml)溶液にジエチルアミン(18.7 g)、WSC(36.8 g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(19.6 g)を加えた。反応液を室温で2日間撹拌後、濃縮した。残さを酢酸エチルで希釈後、有機層を0.5 N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、さらに酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから再結晶して標題化合物(26.8 g)を得た。
融点:88−89℃
【0096】
参考例68
N,N−ジエチル−[6−メトキシ−2−(3,4−ジヒドロナフタレン)]アセトアミド
N,N−ジエチル−(6−メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン)アセトアミド(25 g)のメタノール(400 ml)溶液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(6.54 g)を加えた。室温で30分間撹拌後、反応液に1N塩酸を滴下し、中和した。反応液を濃縮後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さを脱気したトルエン(300 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸一水和物(20 mg)を加えた。反応液を1時間加熱還流後、室温まで冷却した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、標題化合物(23.1 g)を得た。
1H NMR δ:1.10−1.25(6H, m), 2.31(2H, t, J=7.6 Hz), 2.82(2H, t, J=7.6 Hz), 3.23(2H, s), 3.26−3.48(4H, m), 3.78(3H, s), 6.22(1H, s), 6.62−6.72(2H, m), 6.84−6.96(1H, m).
参考例69
(+)−N,N−ジエチル−(6−メトキシ−2−テトラリン)アセトアミド
N,N−ジエチル−[6−メトキシ−2−(3,4−ジヒドロナフタレン)]アセトアミド(10.0 g)とRu2Cl4[(S)−BINAP]2NEt3(618 mg)に脱気したエタノール(170 ml)を加えた溶液をオ−トクレ−ブに移し、水素圧100 kg/cm2、70 ℃で6時間撹拌した。反応液を濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)およびアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、標題化合物(8.8 g)を得た。
[α]D 20=+54.0°(c= 1.000、 メタノール)
1H NMR δ:1.00−1.22(6H, m), 1.30−1.56(1H, m), 1.88−2.08(1H, m), 2.20−2.50(4H, m), 2.70−3.00(3H, m), 3.26−3.46(4H, m), 3.77(3H, s), 6.60−6.75(2H, m), 6.96(1H, d, J=8.0Hz).
光学純度:94% e.e. (HPLCで分析:)
【0097】
参考例70
(−)−N,N−ジエチル−(6−メトキシ−2−テトラリン)アセトアミド
N,N−ジエチル−[6−メトキシ−2−(3,4−ジヒドロナフタレン)]アセトアミド(10.0 g)とRu2Cl4[(R)−BINAP]2NEt3(618 mg)に脱気したエタノール(170 ml)を加えた溶液をオ−トクレ−ブに移し、水素圧100 kg/cm2、70 ℃で6時間撹拌した。反応液を濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、標題化合物(8.88 g)を得た。
[α]D 20=−53.0°(c= 0.799、メタノール)
1H NMR δ:1.00−1.22(6H, m), 1.30−1.56(1H, m), 1.88−2.08(1H, m), 2.20−2.50(4H, m), 2.70−3.00(3H, m), 3.26−3.46(4H, m), 3.77(3H, s), 6.60−6.75(2H, m), 6.96(1H, d, J=8.0Hz).
光学純度:93.7% e.e. (HPLCで分析:)
参考例71
(+)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−6−メトキシテトラリン塩酸塩
(+)−N,N−ジエチル−(6−メトキシ−2−テトラリン)アセトアミド(8.8 g)のTHF溶液(150 ml)に水素化アルミニウムリチウム(1.45 g)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した後、反応液に1N水酸化ナトリウム水溶液を加えた。不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶して標題化合物(5.4 g)を得た。
融点:144−145℃
[α]D 20=+61.5°(c= 1.000、メタノール)
参考例72
(−)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−6−メトキシテトラリン塩酸塩
参考例71と同様の方法で標題化合物を得た。
融点:144−145℃(再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル)
[α]D 20=−60.8°(c= 0.055、メタノール)
【0098】
参考例73
(+)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン
(+)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−6−メトキシテトラリン塩酸塩(5.2 g)を48%臭化水素酸(10 ml)に加え、反応液を4時間加熱還流後、放冷した。反応液を1N水酸化ナトリウム水溶液で中性とし、10%炭酸カリウム水溶液を加え、酢酸エチル:THF=1:1の溶液で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをメタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶して標題化合物(4.5 g)を得た。
融点:102−104℃
[α]D 20=+73.8°(c= 0.226、メタノール)
参考例74
(−)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン
標題化合物は参考例73と同様にして、参考例 72化合物から合成した。
融点:103−104 ℃(再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル)
[α]D 20=−73.4°(c= 1.001、メタノール)
参考例75
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]−N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアセトアミド 塩酸塩
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]酢酸(999 mg、参考例化合物29)のTHF溶液(15 ml)にオキサリルクロリド(0.28 ml)を0℃で加えた。反応液にDMFを2滴加えた後、反応液を室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮後、残さをアセトニトリル(30 ml)およびTHF(10 ml)に溶かした。反応液にN,N,N'−トリメチルエチレンジアミン(309mg)およびトリエチルアミン(0.56 ml)のアセトニトリル溶液(5 ml)を0℃で加えた。反応液を室温で1時間撹拌後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、塩酸塩とし、さらにメタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(1.159 g)を得た。
融点:190−194℃
【0099】
参考例76
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]−N−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−N−メチルアセトアミド 塩酸塩
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]酢酸(501 mg、参考例化合物29)のTHF溶液(15 ml)にオキサリルクロリド(0.13 ml)を0℃で加えた。反応液にDMFを2滴加えた後、反応液を室温で40分間撹拌した。反応液を濃縮後、残さのアセトニトリル(20 ml)溶液に、N,N−ジエチル−N'−メチルエチレンジアミン(216 mg)およびトリエチルアミン(0.28 ml)のアセトニトリル溶液(10 ml)を0℃で加えた。反応液を室温で45分間撹拌後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、塩酸塩とした後に、エタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(603 mg)を得た。
融点:148−151℃
参考例77
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]−N−メチルアセトアミド
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]酢酸(1.180 g、参考例化合物29)、メチルアミン塩酸塩(0.496 g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.509 g)、WSC(0.719 g)およびトリエチルアミン(1.4 ml)の混合物をTHF(30 ml)およびアセトニトリル(30 ml)中で室温下10日間撹拌した。反応液に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、標題化合物(0.947 g)を得た。
融点:156−159℃
参考例78
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]−N−エチルアセトアミド
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]酢酸(4.051g、参考例化合物29)、エチルアミン塩酸塩(1.143 g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.647 g)、WSC(2.536 g)およびトリエチルアミン(4.5 ml)をTHF(80 ml)およびアセトニトリル(80 ml)の混合物を室温で1日間撹拌した。反応液に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、標題化合物(4.216 g)を得た。
融点:168−172℃
【0100】
参考例79
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチル−6−メトキシテトラリン 2塩酸塩
2−ヨードメチル−6−メトキシテトラリン(1.209 g、参考例化合物8)、1−ベンジルピペラジン(0.852 g)および炭酸カリウム(0.853 g)をDMF(15 ml)に加えた。反応液を室温で18時間撹拌後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)で精製し、2塩酸塩とした後、得られた粗結晶をジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物(1.217 g)を得た。
融点:227−230℃(分解)
参考例80
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチル−6−ヒドロキシテトラリン 2塩酸塩
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチル−6−メトキシテトラリン 2塩酸塩(0.849g)を濃塩酸(20 ml)に加え、反応液を6時間加熱還流後、放冷した。析出した粗結晶をろ取し、エタノール、メタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物(0.523 g)を得た。
融点:230−236℃(分解)
参考例81
(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)メチリデンマロン酸ジメチル
4−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド(21.3 g、Org. Synth., V巻、139頁、1973年記載)、マロン酸ジメチル(16.5 g)、ピペリジン(2.5 ml)および酢酸(0.25 ml)のメタノール(125 ml)溶液を24時間加熱還流した。反応液を濃縮後、1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%炭酸カリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し標題化合物(25 g)を得た。
1H NMR δ:3.67(3H, s), 3.88(3H, s), 3.92(3H, s), 7.16(1H, dd, J=8.8, 2.6 Hz), 7.36(1H, d, J=8.8 Hz), 7.70(1H, d, J=2.6 Hz), 8.14(1H, s).
【0101】
参考例82
(4−メトキシ−2−ニトロベンジル)マロン酸ジメチル
(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)メチリデンマロン酸ジメチル(25 g)のメタノール(200 ml)溶液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(3.36 g)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌後、反応液に1N塩酸水溶液を滴下し、中和した。反応液を濃縮し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、標題化合物(19 g)を得た。
1H NMR δ: 3.44(2H, d, J=7.2 Hz), 3.71(6H, s), 3.86(3H, s), 3.80−4.00(1H, m), 7.08(1H, dd, J=10.8, 2.4 Hz), 7.28(1H, d, J=10.8 Hz), 7.52(1H, d, J=2.4 Hz).
参考例83
1,2,3,4−テトラヒドロ−7−メトキシ−2−オキソ−3−キノリンカルボン酸
(4−メトキシ−2−ニトロベンジル)マロン酸ジメチル(19 g)のエタノール(200 ml)溶液に10%パラジウム−炭素(2.0 g)を加え、室温下、水素圧1気圧で24時間接触還元した。反応液を80 ℃でさらに24時間撹拌後、反応液から触媒をろ別し、ろ液を濃縮した。残さをTHF(250 ml)とメタノール(250 ml)の混合溶媒に溶かし、氷冷下、1N水酸化ナトリウム水溶液(126 ml)を滴下した。反応液を室温で72時間撹拌後、濃縮した。残さに1N塩酸を加え酸性とし、析出した結晶をろ取した。得られた粗結晶をアセトンで洗浄し、標題化合物(11.7 g)を得た。
融点:145−146℃(分解)
参考例84
1,2,3,4−テトラヒドロ−7−メトキシ−N,N−ジメチル−2−オキソ−3−キノリンカルボキサミド
1,2,3,4−テトラヒドロ−7−メトキシ−2−オキソ−3−キノリンカルボン酸(3.74 g)、ジメチルアミン塩酸塩(3.44 g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.85 g)およびトリエチルアミン(8.5 g)のアセトニトリル(400 ml)溶液にWSC(6.5 g)を加えた。反応液を室温で24時間撹拌後、濃縮した。残さに酢酸エチルを加え、有機層を1N塩酸水溶液、10%炭酸カリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンで再結晶し、標題化合物(1.63 g)を得た。
融点:209−210℃
【0102】
参考例85
3−(N、N−ジメチルアミノ)メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−メトキシキノリン 2塩酸塩
1,2,3,4−テトラヒドロ−7−メトキシ−N、N−ジメチル−2−オキソ−3−キノリンカルボキサミド(1.63 g)のTHF(100 ml)溶液に1Mボラン−THF錯塩(60 ml)を加えた。反応液を24時間加熱還流した。反応液を濃縮後、残さに6N塩酸(30 ml)を加えて4時間加熱還流した。反応液に6N水酸化ナトリウム水溶液を加え塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%炭酸カリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さを2塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(1.27 g)を得た。
融点:150−151℃
参考例86
3−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−キノリノール
3−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−メトキシキノリン 2塩酸塩(1.0 g)の48%臭化水素酸溶液(10 ml)を4時間加熱還流した。反応液を10%炭酸カリウム水溶液の中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンで再結晶し、標題化合物(0.81 g)とした。標題化合物の2塩酸塩は151−152 ℃の融点を示した。(再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル)
参考例87
メチル 2,3,4,5−テトラヒドロ−8−メトキシ−2−オキソ−1H−1−ベンズアゼピン−4−カルボキシレート
メチル 4−ヒドロキシイミノ−6−メトキシテトラリン−2−カルボキシレート(2.909 g、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー、1978年、21巻、1105〜10頁記載)をポリリン酸(30.22g)とともに100 ℃で1.5時間加熱後、冷却した。反応液に、氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、標題化合物(2.125 g)を得た。
融点:114−116℃
【0103】
参考例88
2,3,4,5−テトラヒドロ−8−メトキシ−2−オキソ−1H−1−ベンズアゼピン−4−カルボン酸
メチル 2,3,4,5−テトラヒドロ−8−メトキシ−2−オキソ−1H−1−ベンズアゼピン−4−カルボキシレート(5.035 g)のメタノール溶液(60 ml)に1N水酸化ナトリウム水溶液(40 ml)を加えた。反応液を室温で6.5時間撹拌後、反応液に1N塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物(4.253 g)を得た。
融点:202−204℃
参考例89
メチル (1,2,3,4−テトラヒドロ−7−ヒドロキシ−2−オキソ−3−キノリン)アセテート
2,3,4,5−テトラヒドロ−8−メトキシ−2−オキソ−1H−1−ベンズアゼピン−4−カルボン酸(4.013 g)を48%臭化水素酸(40 ml)とともに14時間加熱還流した後、冷却した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さのメタノール溶液(100 ml)に0 ℃で塩化チオニル(1.3 ml)を滴下した。反応液を室温で3時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物(3.239 g)を得た。
融点:174−177℃
参考例90
メチル [7−(4−ビフェニリル)メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−3−キノリン]アセテート
メチル [1,2,3,4−テトラヒドロ−7−ヒドロキシ−2−オキソ−3−キノリン]アセテート (3.025 g)、4−クロロメチルビフェニル(2.864 g)、炭酸カリウム(2.137 g)のDMF溶液(80 ml)を室温で5日間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルおよびTHFの混合液で抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンで洗浄し、標題化合物(4.540 g)を得た。
融点:174−178 ℃
【0104】
参考例91
[7−(4−ビフェニリル)メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−3−キノリン]酢酸
メチル [7−(4−ビフェニリル)メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−3−キノリン]アセテート(2.475 g)のTHF溶液(60 ml)にメタノール(30 ml)および1N水酸化ナトリウム水溶液(12 ml)を加えた。反応液を室温で2日間撹拌後、反応液に1N塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルおよびTHFの混合液で抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後濃縮した。得られた粗結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、標題化合物(1.895 g)を得た。
融点:193−206℃(分解)
参考例92
[7−(4−ビフェニリル)メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−3−キノリン]−N,N−ジメチルアアセトアミド
[7−(4−ビフェニリル)メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−3−キノリン]酢酸(1.616 g)、ジメチルアミン塩酸塩(0.674 g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.648 g)、WSC(0.980 g)、N−メチルモルホリン(2.0 ml)、THF(50 ml)およびアセトニトリル(50 ml)の混合物を室温で2日間撹拌した。反応液に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、標題化合物(1.557 g)を得た。
融点:199−202℃
参考例93
N,N−ジメチル−(6−ヒドロキシ−1−オキソ−2−テトラリン)アセトアミド(6−ヒドロキシ−1−オキソ−2−テトラリン)酢酸(1.672 g、EP140684記載)、ジメチルアミン塩酸塩(0.754 g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.468 g)、WSC(2.255 g)およびトリエチルアミン(3.1 ml)をTHF(30 ml)およびアセトニトリル(30 ml)に室温で加えた。反応液を室温で36時間撹拌した。反応液に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をメタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶し、標題化合物(0.744 g)を得た。
融点:181−186℃
【0105】
参考例94
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン]−N,N−ジメチルアセトアミド
N,N−ジメチル−(6−ヒドロキシ−1−オキソ−2−テトラリン)アセトアミド(0.313 g)、4−クロロメチルビフェニル(0.300g)のDMF溶液(5 ml)に60%油状水素化ナトリウム(80 mg)を加え、反応液を室温で15時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、得られた粗結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、標題化合物(0.200 g)を得た。
融点:131−135℃
参考例95
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(3,4−ジヒドロナフタレン)]−N,N−ジメチルアセトアミド
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−1−オキソ−2−テトラリン]−N,N−ジメチルアセトアミド (0.954 g)の酢酸エチル(20 ml)およびメタノールの混合溶液(20 ml)に水素化ホウ素ナトリウム(0.175 g)を室温で加えた。反応液を室温で30分間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをトルエン(30 ml)に溶かし、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸(0.030 g)とともに1.5時間加熱還流した。冷却後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンより再結晶し、標題化合物(0.779 g)を得た。
融点:125−130℃
参考例96
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(イミダゾール−1−イル)エチル]テトラリン
実施例38と同様の方法により標題化合物を合成した。
融点:145−146℃
再結晶溶媒:酢酸エチル−ヘキサン
【0106】
参考例97
2−[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]エチル−N,N−ジメチルアミン オキシド m−クロロ安息香酸塩
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1.269 g、実施例化合物12)をフリー体とし、アセトン(15 ml)に溶かした。この溶液に70% m−クロロ過安息香酸(0.777 g)を0 ℃で加えた。反応液を0 ℃で25分間撹拌後、析出した粗結晶をろ取した。結晶をさらに酢酸エチルおよびジエチルエーテルで洗浄後、THF−酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(0.811 g)を得た。
融点:125−128℃
参考例98
2−[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]エチル−N,N−ジエチルアミン オキシド
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(134 mg)をフリー体とし、アセトン(5 ml)に溶かした。この溶液に70% m−クロロ過安息香酸(83 mg g)を0 ℃で加えた。0 ℃で1時間撹拌後、反応液に1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンより再結晶し、標題化合物(120 mg)を得た。
融点:99−104℃
【0107】
参考例99
(+)−6−(2−ブロモピリジン−5−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 2塩酸塩
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン(0.220g)のDMF溶液(5 ml)に60%油状水素化ナトリウム(0.049 g)を室温で加えた。反応液を50 ℃で30分間撹拌した。反応液を0 ℃に冷却し、2−ブロモ−5−ピリジルメチルブロミド( 0.462g)のTHF溶液(5 ml)を滴下した。反応液を0 ℃で2時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、2塩酸塩とした後に、エタノール−酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(295 mg)を得た。
融点:171−181℃(分解)
[α]D 20=+41.2° (c=0.500、 メタノール)
参考例100
N―[2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―テトラリニル]―4―ビフェニルカルボキサミド 塩酸塩
6―アミノ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン(0.216 g、参考例化合物32)をピリジン(10 ml)に溶かし、 4―ビフェニルカルボニルクロリド (0.311 g) を加えた。反応液を室温で12時間撹拌した後、ピリジンを減圧で留去し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、4N 塩酸−酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール―酢酸エチルより再結晶して、標題化合物(0.224 g)を得た。
融点:>250℃
1H NMR δ:1.24―1.54 (1H,m), 1.84―2.10 (2H, m), 2.20―2.50 (3H, m), 2.26 (6H, s), 2.79―3.01 (3H, m), 7.10 (1H, d, J=8Hz), 7.28―7.54 (5H, m),
7.60―7.82 (5H, m), 7.94 (2H, d, J=8Hz).
IR(KBr):3028, 2910, 2640, 1658, 1538, 1417, 746, 701 cm-1.
【0108】
実施例1
6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
【化51】
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―ヒドロキシテトラリン(0.151 g、参考例化合物16の遊離塩基)をDMF(5 ml)に溶かし、60%油状水素化ナトリウム(92 mg)を0℃で加えた。反応液を室温に昇温し、30分間撹拌した。反応液を再び0℃に冷却し、4―(クロロメチル)ビフェニル(0.183 g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1〜酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製し、4N 塩酸―酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール―ジエチルエーテルより再結晶して、標題化合物(0.210 g)を得た。
融点:229−233℃
以下の実施例化合物2〜11を、実施例1と同様の方法で合成した。
実施例2
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(2―ナフチル)メトキシテトラリン塩酸塩
【化52】
融点:228−229℃
再結晶溶媒:メタノール―酢酸エチル
実施例3
6―(2'―シアノビフェニル―4―イル)メトキシ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
【化53】
融点:202−203℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例4
7―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
【化54】
融点:232−233℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例5
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―7―(2―ナフチル)メトキシテトラリン塩酸塩
【化55】
融点:201−202℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
【0109】
実施例6
6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―(N ―メチルアミノ)メチルテトラリン塩酸塩
【化56】
融点:189−190℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例7
6―(2―ナフチル)メトキシ―2―ピペリジノメチルテトラリン 塩酸塩
【化57】
融点:215−218℃(分解)
再結晶溶媒:メタノール―ジエチルエーテル
実施例8
2―[N―ベンジル―N―(3,3―ジフェニルプロピル)アミノ]メチル―6―(2―ナフチル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化58】
非晶状粉末
1H NMR δ:1.12―1.36 (1H, m), 1.70―2.05 (2H, m), 2.13―2.48 (7H, m), 2.61―2.89 (3H, m), 3.55 (2H, d, J=2Hz), 3.98 (1H, t, J=8Hz), 5.18 (2H, s), 6.69―6.81 (2H, m), 6.96 (1H, d, J=8Hz), 7.04―7.34 (15H, m), 7.41―7.56 (3H, m), 7.78―7.90 (4H, m).
IR(KBr):3058, 3028, 2925, 2578, 1602, 1500, 1452, 1270, 1232, 747, 701 cm-1.
【0110】
実施例9
6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―(N,N―ジプロピルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
【化59】
融点:164−166℃
再結晶溶媒:メタノール―ジイソプロピルエーテル
実施例10
6―[N―アセチル―N―(4―ビフェニリル)メチル]アミノ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
【化60】
再結晶溶媒:メタノール―酢酸エチル
融点:179−182℃
実施例11
6―[N―アセチル―N―(2―ナフチル)メチル]アミノ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
【化61】
非晶状粉末
1H NMR δ:1.20―1.45 (1H, m), 1.76―2.00 (2H, m), 1.93 (3H, s), 2.08―2.44 (3H, m), 2.24 (6H, s), 2.64―2.76 (2H, m), 2.82―2.96 (1H, m), 5.02 (2H, s), 6.64―6.76 (2H, m), 6.98 (1H, d, J=8Hz), 7.36―7.50 (3H, m), 7.61 (1H, br s), 7.70―7.86 (3H, m).
IR(KBr):3394, 2929, 2669, 1648, 1500, 1401, 1295, 821, 757 cm-1.
【0111】
実施例12
6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―[2−(N,N―ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化62】
[6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2−テトラリン]−N,N―ジメチルアセトアミド(1.497 g、参考例化合物30) を無水THF(20 ml) に溶かし、水素化アルミニウムリチウム(0.222 g)を加えた。反応液を室温で40分間撹拌後、40分間加熱還流した。反応液を冷却後、水を加え、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1〜酢酸エチル〜酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製し、4N 塩酸―酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール―ジイソプロピルエーテルより再結晶して、標題化合物(1.022 g)を得た。
融点:223−226℃(分解)
実施例13
2―[2−(N,N―ジプロピルアミノ)エチル]―6―(2―ナフチル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化63】
2―(2―ヨードエチル)―6―(2―ナフチル)メトキシテトラリン(0.193 g、参考例化合物27)をDMF(5 ml)に溶かし、N,N―ジプロピルアミン(0.09ml)および無水炭酸カリウム(0.135 g)を加えた。反応液を室温で5時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1〜酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製後、4N 塩酸−酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩を酢酸エチル―ジイソプロピルエーテルより再結晶して、標題化合物(0.105 g)を得た。
融点:146−148℃
【0112】
実施例14
6―(2―ナフチル)メトキシ―2―[2−(4―フェニルピペリジノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化64】
実施例13と同様の方法で標題化合物を合成した。
融点:229−234℃(分解)
再結晶溶媒:メタノール―ジイソプロピルエーテル
実施例15
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−3,4−ジヒドロナフタレン
【化65】
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(3,4−ジヒドロナフタレン)]−N,N−ジメチルアセトアミド(205 mg)のTHF溶液(10 ml)に水素化アルミニウムリチウム(20 mg)を0℃で加えた。反応液に水を加え、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、得られた粗結晶を酢酸エチル:ヘキサンより再結晶し、標題化合物(46 mg)を得た。
融点:123−126℃
【0113】
実施例16
N―[2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン―6―イル]―2―ナフタレンスルホンアミド 塩酸塩
【化66】
参考例100と同様の方法で標題化合物を合成した。
非晶状粉末
1H NMR δ:1.16―1.40 (1H, m), 1.72―1.97 (2H, m), 2.08―2.38 (3H, m), 2.21 (6H, s), 2.60―2.90 (3H, m), 6.74―6.84 (2H, m), 6.90 (1H, d, J=8Hz), 7.52―7.68 (2H, m), 7.72 (1H, dd, J=9Hz, 2Hz), 7.82―7.94 (3H, m), 8.36 (1H, br s).
IR(KBr):3394, 2927, 2698, 1614, 1504, 1320, 1156, 962, 821, 751,
657 cm-1.
実施例17
6―[N―(4―ビフェニリル)メチル]アミノ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン
【化67】
N―[2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―テトラリニル]―4―ビフェニルカルボキサミド(0.172 g、参考例100の化合物の遊離塩基)のTHF溶液(3 ml)に、1M ボラン―THF錯塩(2 ml)を加え、反応液を1時間加熱還流した。反応液に水を加えた後、6N塩酸を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に1N水酸化ナトリウム水溶液を加え塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。アルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、さらに酢酸エチル―ヘキサンより再結晶し、標題化合物(0.060 g)を得た。
融点:106−108℃
【0114】
実施例18
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―メトキシビフェニル―4―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化68】
6―(4―ブロモベンジル)オキシ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン(374 mg、参考例化合物33)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(35 mg)をトルエン(8 ml)に溶かし、4―メトキシフェニルボロン酸(198 mg)のエタノール溶液(1 ml)および2M炭酸ナトリウム水溶液(1 ml)を加えた。アルゴン雰囲気下、反応液を6時間加熱還流した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製し、4N 塩酸−酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩をエタノール―酢酸エチルより再結晶して、標題化合物(0.290 g)を得た。
融点:210−211℃
以下の実施例化合物19〜35を、実施例18と同様の方法で合成した。
実施例19
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―メチルビフェニル―4―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化69】
融点:226−228℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例20
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―ホルミルビフェニル―4―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化70】
融点:234−235℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
【0115】
実施例21
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―メチルチオビフェニル―4―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化71】
融点:235−237℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例22
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―フルオロビフェニル―4―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化72】
融点:223−224℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例23
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(3'―ニトロビフェニル―4―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化73】
融点:223−224℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例24
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(3'―メトキシビフェニル―4―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化74】
融点:207−208℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例25
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(2'―メトキシビフェニル―4―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化75】
融点:140−141℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例26
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―[3',5'―ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル―4―イル]メトキシテトラリン 塩酸塩
【化76】
融点:196−197℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
【0116】
実施例27
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―[4―(3―チエニル)ベンジル]オキシテトラリン 塩酸塩
【化77】
融点:222−223℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例28
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―[4―(2―チエニル)ベンジル]オキシテトラリン 塩酸塩
【化78】
融点:227−228℃
再結晶溶媒:メタノール―ジイソプロピルエーテル
実施例29
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―[4―(3―ピリジル)ベンジル]オキシテトラリン 2塩酸塩
【化79】
融点:212−213℃
再結晶溶媒:メタノール―ジイソプロピルエーテル
実施例30
6―(3―ビフェニリル)メトキシ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
【化80】
融点:186−190℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
【0117】
実施例31
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―メトキシビフェニル―3―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化81】
融点:182−183℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例32
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―フルオロビフェニル―3―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化82】
融点:171−172℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例33
6―(2―ビフェニリル)メトキシ―2―(N,N―ジメチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
【化83】
融点:173−174℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例34
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―メトキシビフェニル―2―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化84】
融点:170−171℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
実施例35
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―フルオロビフェニル―2―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化85】
融点:172−174℃
再結晶溶媒:エタノール―酢酸エチル
【0118】
実施例36
6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―(N ―エチルアミノ)メチルテトラリン 塩酸塩
【化86】
N―[6―(4―ビフェニリル)メトキシ―2―テトラリニル)]メチルアセトアミド(500 mg、参考例化合物23)をTHF(10 ml)に溶かし、水素化アルミニウムリチウム(50 mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に氷冷下、酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残渣を4N 塩酸―酢酸エチルで処理した後、エタノール―ジイソプロピルエーテルより再結晶して、標題化合物(0.138 g)を得た。
融点:229−230 ℃
実施例37
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―(4'―エチルビフェニル―4―イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化87】
2―(N,N―ジメチルアミノ)メチル―6―ヒドロキシテトラリン(300 mg、参考例化合物16の遊離塩基)、(4'―エチルビフェニル―4―イル)メタノール(372 mg)およびトリフェニルホスフィン(460 mg)をTHF(5 ml)に溶かし、氷冷下アゾジカルボン酸ジエチル(305 mg)を滴下した。反応液を室温で4時間撹拌後、溶媒を留去した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製し、4N塩酸―酢酸エチル溶液で処理して塩酸塩とした。生成した塩をエタノール―ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(310 mg)を得た。
融点:229−230℃
実施例38
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化88】
6−(4−ビフェニリル)−2−(2−ヨ−ドエチル)メトキシテトラリン(2.50 g)、ジエチルアミン(1.03 g)および炭酸カリウム(1.95 g)をDMF(20 ml)に加えた。反応液を室温で24時間撹拌後、水を加えた。析出した結晶をろ取し、酢酸エチルで洗浄し、エタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶した。結晶を4N塩酸-酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩をエタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶し、標題化合物(1.53 g)を得た。
融点:141−143℃
【0119】
以下の実施例化合物39〜42を、実施例38と同様の方法で合成した。
実施例39
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化89】
融点:197−199℃
再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル
実施例40
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(2−ピペリジノエチル)テトラリン 塩酸塩
【化90】
融点:196−198℃
再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル
実施例41
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(4−ピペリジノピペリジノ)エチル]テトラリン 2塩酸塩
【化91】
融点:288−291℃
再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル
実施例42
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(4,4−ジヒドロキシピペリジノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化92】
融点:155−160℃
再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル
【0120】
実施例43
6−(3'−アミノビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 2塩酸塩
【化93】
6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン(3.00 g)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.45 g)のトルエン溶液(80 ml)に3−アミノフェニルボロン酸(1.3 g)のエタノール溶液(10 ml)および2M炭酸ナトリウム水溶液(10 ml)を加えた。アルゴン雰囲気下、反応液を12時間加熱還流した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、4N塩酸-酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶して、標題化合物(0.78 g)を得た。
融点:205−206℃
実施例44
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル] −6−[(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシ]テトラリン 塩酸塩
【化94】
実施例43と同様の方法で標題化合物を合成した。
融点:182−185℃
再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル
【0121】
実施例45
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]テトラリン 塩酸塩
【化95】
2−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−6−ヒドロキシテトラリン(1.00 g)のDMF溶液(20 ml)に60%油状水素化ナトリウム(0.258 g)を0℃で加えた。反応液を室温に昇温し、30分撹拌した。反応液を再び0℃に冷却し、4−(クロロメチル)ビフェニル(1.04 g)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン〜トルエン:酢酸エチル=1:1)で精製し、4N塩酸-酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶して、標題化合物(1.30 g)を得た。
融点:161−163℃
実施例46
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチル]テトラリン 塩酸塩
実施例45と同様の方法で標題化合物を合成した。
【化96】
融点:175−177℃
再結晶溶媒:メタノール−ジイソプロピルエーテル
【0122】
実施例47
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化97】
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン 塩酸塩(0.424 g)をフリー体とした後、DMF(10 ml)に溶かし、60%油状水素化ナトリウム(0.106 mg)を室温で加え、45分間撹拌した。反応液を50℃に昇温し、45分間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、4−(クロロメチル)ビフェニル(0.367 g)のDMF溶液(5 ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:10〜1:4)で精製し、4N 塩酸-酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶して、標題化合物(0.484 g)を得た。
融点:220−226℃(分解)
[α]D 20= +46.0°(c=0.54, メタノール)
光学純度:99% e.e. 以上
実施例48
(−)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化98】
(−)−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル−6−ヒドロキシテトラリン 塩酸塩(0.437 g)をフリー体とした後、DMF(10 ml)に溶かし、60%油状水素化ナトリウム(0.122 mg)を室温で加えた。反応液を50℃に昇温し、1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、4−(クロロメチル)ビフェニル(0.344 g)のDMF溶液(5 ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:10〜1:4)で精製し、4N 塩酸-酢酸エチルで処理して塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶して、標題化合物(0.471 g)を得た。
融点:219−225℃(分解)
[α]D 20= −45.2°(c=0.52, メタノール)
光学純度:99% e.e. 以上
【0123】
実施例49
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩 一水和物
【化99】
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(150 g)をエタノール(2000 ml)と水(60 ml)の混合溶液で再結晶し、標題化合物(127 g)を得た。
融点:215−217℃(分解)
[α]D 20=+42.4°(c=1.00、メタノール)
実施例50
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン
【化100】
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(4.50 g)を酢酸エチルと10%炭酸カリウム水溶液の混合溶媒に加え、抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。残さをエタノールで再結晶し、標題化合物(3.60 g)を得た。
融点:83.5−84.5℃
[α]D 20=+51.7°(c=1.00、 メタノール)
実施例51
(−)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン
【化101】
(−)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(3.00 g)を酢酸エチルと10%炭酸カリウム水溶液の混合溶媒に加え、抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。残さをエタノールで再結晶し標題化合物(2.20 g)を得た。
融点:84.2−85.2℃
[α]D 20=−50.1°(c=0.50、 メタノール)
【0124】
実施例52
(−)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン フマル酸塩
【化102】
(−)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン(1.3 g)のメタノール(10 ml)溶液にフマル酸(0.39 g)のメタノール(10 ml)溶液を加えて、塩とした後、メタノールから再結晶し、標題化合物(0.7 g)を得た。
融点:212−213℃(分解)
[α]D 20=−40.4°(c=0.5、メタノール)
実施例53
(−)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン クエン酸塩
【化103】
(−)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン(1.3 g)のメタノール(10 ml)溶液にクエン酸(0.65 g)のメタノール(10 ml)溶液を加えて、塩とした。析出した結晶をろ取しメタノール、酢酸エチル、ジエチルエーテルで洗浄し標題化合物(1.9 g)を得た。
融点:185−186℃(分解)
実施例54
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化104】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に4−メトキシフェニルほう酸(465 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下14時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:50〜1:4)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(870 mg)を得た。
融点:230−232℃(分解)
[α]D 20=+39.2°(c=1.00、 メタノール)
【0125】
実施例55
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4'−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化105】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に4−メチルフェニルほう酸(416 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下5時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:40〜1:4)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(660 mg)を得た。
融点:225−227℃(分解)
[α]D 20=+44.0°(c=1.00、 メタノール)
実施例56
(+)−6−(3'−アミノビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 2塩酸塩
【化106】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に3−アミノフェニルほう酸(474 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下14時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:20〜1:2)で精製後、2塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(830 mg)を得た。
融点:210−211℃(分解)
[α]D 20=+38.3°(c=1.00、 メタノール)
実施例57
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(3'−ホルミルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化107】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に3−ホルミルフェニルほう酸(460 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下14時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:20〜1:2)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(590 mg)を得た。
融点:194−196℃(分解)
[α]D 20=+44.0°(c=1.00、 メタノール)
【0126】
実施例58
(+)−6−(3'−アセトアミドビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化108】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に3−アセトアミドフェニルほう酸(559 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下6時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。粗結晶を酢酸エチルとジイソプロピルエーテルで洗いさらにアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(610 mg)を得た。
融点:198−200℃(分解)
[α]D 20=+41.0°(c=0.50、 メタノール)
実施例59
(+)−6−(2',4'−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化109】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に2,4−ジメトキシフェニルほう酸(557 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下14時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:20〜1:5)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(740 mg)を得た。
融点:159−161℃
[α]D 20=+43.5°(c=0.50、 メタノール)
【0127】
実施例60
(+)−6−(3',4'−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化110】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に3,4−ジメトキシフェニルほう酸(557 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下5時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:20〜1:5)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(840 mg)を得た。
融点:228−230℃(分解)
[α]D 20=+42.2°(c=0.50、 メタノール)
実施例61
(+)−6−[4−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化111】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に3,4−メチレンジオキシフェニルほう酸(469 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下14時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:20〜1:5)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(830 mg)を得た。
融点:220−223℃(分解)
[α]D 20=+39.9°(c=0.40、 メタノール)
【0128】
実施例62
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(2',3',4'−トリメトキシ−6'−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン 塩酸塩
【化112】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に2,3,4−トリメトキシ−6−メチルフェニルほう酸(692 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下14時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:20〜1:6)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(950 mg)を得た。
融点:222−224℃(分解)
[α]D 20=+37.7°(c=0.50、メタノール)
実施例63
(+)−6−[4−(2−ベンゾフラニル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化113】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に2−ベンゾフランほう酸(496 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下6時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。粗結晶をジイソプロピルエーテルで洗い、さらにアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(730 mg)を得た。
融点:235−237℃(分解)
[α]D 20=+42.2°(c=0.40、メタノール)
【0129】
実施例64
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−[4−(2−ナフチル)フェニル]メトキシテトラリン 塩酸塩
【化114】
(+)−6−(4−ブロモベンジル)オキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩(1 g)、トルエン(20 ml)、エタノール(2.5 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に2−ナフタレンほう酸(526 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(82 mg)を加え、アルゴン気流下14時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:20〜1:7)で精製後、塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(850 mg)を得た。
融点:233−235℃(分解)
[α]D 20=+40.6°(c=0.40、 メタノール)
実施例65
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−[(4'−メチルビフェニル−4−イル)メトキシ]テトラリン 塩酸塩
【化115】
実施例43と同様の方法で標題化合物を合成した。
融点:208−209℃
再結晶溶媒 エタノール
実施例66
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(3−エトキシカルボニルピペリジノ)エチル]テトラリン
【化116】
実施例38と同様の方法により標題化合物を合成した。
融点:97−98℃
再結晶溶媒 酢酸エチル:ヘキサン
【0130】
実施例67
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[(3−アザ−4−エトキシカルボニル−3−メチル)ブチル]テトラリン 塩酸塩
【化117】
実施例38と同様の方法により標題化合物を合成した。
融点:126−128℃
再結晶溶媒 エタノール
実施例68
6−(4−ビフェニリル)−2−(2−アミノエチル)テトラリン 塩酸塩
【化118】
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(2−ヨードエチル)テトラリン(0.4 g)のDMF溶液(10 ml)にフタルイミドカリウム(0.4 g)を加え、室温で2日間撹拌した。反応液に水を加え、沈殿物をろ取した。沈殿物のエタノール(40 ml)溶液にヒドラジン一水和物(5 ml)を加えた。反応液を50℃で3時間撹拌後濃縮した。残さを酢酸エチルに溶かし、水洗、乾燥後、濃縮した。残さをエタノール(20 ml)に溶かし4N塩酸/酢酸エチル(2 ml)を加え、濃縮した。残さをメタノール−酢酸エチルから再結晶して標題化合物(0.37 g)を得た。
融点:262−265℃
実施例69
2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(2−キノリル)メトキシテトラリン 2塩酸塩
【化119】
2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−ヒドロキシテトラリン(153 mg、参考例化合物16のフリー体)および2−クロロメチルキノリン塩酸塩(189 mg)のDMF溶液(5 ml)に炭酸カリウム(260 mg)を加え、反応液を室温で26時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、2塩酸塩とした後に、メタノール−酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(191 mg)を得た。
融点:187−190℃(分解)
【0131】
実施例70
2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メトキシテトラリン
【化120】
2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−ヒドロキシテトラリン(206 mg、参考例化合物16のフリー体)および2−クロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(231 mg)のDMF溶液(5 ml)に炭酸カリウム(215 mg)を加え、反応液を室温で15時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し標題化合物(307 mg)を得た。
1H NMR δ:1.22-1.49 (1H, m), 1.84-2.03 (2H, m), 2.07-2.44 (3H, m), 2.24 (6H, s), 2.74-2.96 (3H, m), 5.28 (2H, s), 6.74-6.95 (2H, m), 7.03 (1H, d), 7.44-7.60 (3H, m), 8.02-8.11 (2H, m).実施例71
6−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メトキシ−2−ピペリジノメチルテトラリン 塩酸塩
【化121】
6−ヒドロキシ−2−ピペリジノメチルテトラリン(141 mg、参考例化合物19のフリー体)および2−クロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(148 mg)のDMF溶液(3 ml)に炭酸カリウム(143 mg)を加え、反応液を室温で24時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:メタノール=10:1)およびアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、塩酸塩とした後に、メタノール−ジエチルエーテルから再結晶し、標題化合物(175 mg)を得た。
融点:217−219℃(分解)
【0132】
実施例72
6−(2−ベンゾチアゾリル)メトキシ−2−ピペリジノメチルテトラリン 塩酸塩
【化122】
6−ヒドロキシ−2−ピペリジノメチルテトラリン塩酸塩(205 mg、参考例化合物19)および2−クロロメチルベンゾチアゾール(183 mg)のDMF溶液(10 ml)に炭酸カリウム(327 mg)を加え、反応液を室温で4日間、さらに60℃で7時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:メタノール=10:1)およびアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、塩酸塩とした後に、メタノール−酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(158 mg)を得た。
融点:229−232℃
実施例73
6−(2'−シアノビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化123】
2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン(72 mg、参考例化合物20)および4−ブロモメチル−2'7−シアノビフェニル(106 mg)のDMF溶液(3 ml)に60%油状水素化ナトリウム(36 mg)を0℃で加え、反応液を0℃で40分間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、塩酸塩とした後に、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(75 mg)を得た。
融点:201−206℃
【0133】
実施例74
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[[[N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−N−メチル]アミノ]エチル]テトラリン 2塩酸塩
【化124】
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]−N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアセトアミド(495 mg)のTHF溶液(20 ml)に水素化アルミニウムリチウム(94 mg)を0℃で加えた。反応液を室温で50分間撹拌後、2時間加熱還流した。反応液を冷却後、水を加え、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残さを2塩酸塩とし、メタノール−酢酸エチルより再結晶して、標題化合物(346 mg)を得た。
融点:248−258℃(分解)
実施例75
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[[[N−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−N−メチル]アミノ]エチル]テトラリン 2塩酸塩
【化125】
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]−N−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−N−メチルアセトアミド塩酸塩(320 mg)をフリー体とし、THF溶液(20 ml)に溶かした。この溶液に水素化アルミニウムリチウム(68 mg)を0℃で加えた。反応液を室温で4.5時間撹拌後、30分間加熱還流した。反応液を冷却後、水を加え、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残さを2塩酸塩とし、酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルで洗浄後、メタノール−ジイソプロピルエーテルより沈殿させて、標題化合物(281 mg)を非晶状粉末として得た。IR(KBr):3314, 2926, 2635, 1611, 1505, 1267, 1235, 1163, 1011,
774 cm-1.
【0134】
実施例76
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N−メチルアミノ)エチル]テトラリン
【化126】
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]−N−メチルアセトアミド(3.958 g)のTHF溶液(50 ml)に1Mボラン−THF錯塩(35 ml)を室温で加えた。反応液を1時間加熱還流した。反応液を冷却後、水および6N塩酸(20 ml)を0℃で加え、室温で3時間撹拌した。反応液に1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、得られた粗結晶を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、標題化合物(343 mg)を得た。
融点:75−76℃
実施例77
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N−メチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化127】
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]−N−メチルアセトアミド(580 mg)のTHF溶液(15 ml)に1Mボラン−THF錯塩(5 ml)を室温で加えた。反応液を室温で2.5時間撹拌後、8時間加熱還流した。反応液を冷却後、水および6N塩酸(10 ml)を0℃で加え、室温で8時間撹拌した。反応液に1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、さらに塩酸塩とした後に、酢酸エチルで洗浄し、標題化合物(167 mg)を得た。
融点:233−237℃(分解)
【0135】
実施例78
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N−エチルアミノ)エチル]テトラリン
【化128】
[6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン]−N−エチルアセトアミド(4.009 g)を1Mボラン−THF錯塩(20 ml)に室温で加えた。反応液を5時間加熱還流した。反応液を冷却後、水および6N塩酸(10 ml)を0℃で加え、室温で63時間撹拌した。反応液に1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル:ヘキサンより再結晶し、標題化合物(2.851 g)を得た。
融点:83−85℃
実施例79
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N−エチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化129】
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N−エチルアミノ)エチル]テトラリン(1.009g)を塩酸塩とした。生成した塩をメタノール、酢酸エチルおよびジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物(810 mg)を得た。
融点:244−249℃(分解)
【0136】
実施例80
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチル−6−(2−ナフチル)メトキシテトラリン 2塩酸塩
【化130】
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチル−6−ヒドロキシテトラリン(250 mg)のDMF(20 ml)溶液に60%油状水素化ナトリウム(30 mg)を加え30分間撹拌した。反応液に2−ナフチルメチルブロミド(162 mg)のDMF(10 ml)溶液を滴下した。反応液を室温で1時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、2塩酸塩とした後に、メタノール−酢酸エチルより再結晶し、標題化合物(240 mg)を得た。
融点:210−212℃
実施例81
7−(4−ビフェニリル)メトキシ−3−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン 塩酸塩
【化131】
3−(ジメチルアミノ)メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−キノリノール(344 mg)、4−ビフェニリルメタノール(368 mg)およびトリフェニルホスフィン(525 mg)のTHF(20 ml)溶液にアゾジカルボン酸ジエチル(348 mg)を滴下した。反応液を室温で1時間撹拌後、1N塩酸の中に注ぎ、酢酸エチルで洗浄した。水層を1N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製後、塩酸塩とし、さらにエタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(214 mg)を得た。
融点:183−184℃
実施例82
(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化132】
(+)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン(4.5 g)のDMF(60 ml)溶液に0℃で60%油状水素化ナトリウム(1.46g)を加えた。反応液を室温で30分間撹拌後、氷冷下4−クロロメチルビフェニル(4.08 g)のDMF(40 ml)溶液を滴下した。反応液を2時間撹拌後、水に注ぎ、1N塩酸水溶液で中和し、飽和重曹水(50 ml)を加え、酢酸エチル:THF=1:1の溶液で抽出した。有機層を乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル〜酢酸エチル:トリエチルアミン=4:1)で精製後、塩酸塩とし、さらにエタノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶し、標題化合物(6 g)を得た。
融点:151−153℃
[α]D 20=+42.1゜(c= 0.504、 メタノール)
光学純度 97.6%e.e. (HPLCにより決定)
【0137】
実施例83
(−)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩
【化133】
実施例82と同様の方法で標題化合物を合成した。
再結晶溶媒;エタノール−ジイソプロピルエーテル
融点:151−153℃
[α]D 20=−40.6゜(c= 0.500、メタノール)
光学純度 98.9%e.e. (HPLCにより決定)
実施例84
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N−ジメチルアミノ)エチル]−3,4−ジヒドロナフタレン 塩酸塩
【化134】
6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N−ジメチルアミノ)エチル]−3,4−ジヒドロナフタレン(44 mg)を塩酸塩とした。生成した塩をメタノール−ジイソプロピルエーテルから結晶し、標題化合物(43 mg)を得た。
融点:233−243℃(分解)
実施例85
7−(4−ビフェニリル)メトキシ−3−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン 2塩酸塩
【化135】
[7−(4−ビフェニリル)メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−3−キノリン]−N,N−ジメチルアセトアミド(1.407g)を1Mボラン−THF錯塩(15 ml)に室温で加えた。反応液を室温で15時間撹拌した。反応液を冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さのTHF溶液(50 ml)にメタノール(20 ml)および1N水酸化ナトリウム水溶液(20 ml)を加え、反応液を5日間加熱還流した。反応液を冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、2塩酸塩とした後に、エタノールから再結晶し、標題化合物(647 mg)を得た。
融点:185−192℃(分解)
【0138】
実施例86
1−アセチル−7−(4−ビフェニリル)メトキシ−3−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン
【化136】
7−(4−ビフェニリル)メトキシ−3−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(250 mg)のTHF(17 ml)溶液にトリエチルアミン(0.33 ml)を加え、氷冷下、塩化アセチル(0.09 ml)を滴下した。氷冷下で1時間撹拌した後、反応液を室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:20〜1:6)で精製した。析出した結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、標題化合物(210 mg)を得た。
融点:62.0−63.5℃
実施例87
7−(4−ビフェニリル)メトキシ−3−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン 2塩酸塩
【化137】
1−アセチル−7−(4−ビフェニリル)メトキシ−3−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(120 mg)のTHF(1.5 ml)溶液に氷冷下、1Mボラン−THF錯塩(0.9 ml)を滴下した。室温で15分間撹拌した後、反応液を15分間加熱還流した。放冷後、反応液に少量の水を加えさらに、12N水酸化ナトリウム水溶液(1.5 ml)を加え16時間加熱還流した。放冷後、水を加えジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:20〜1:7)で精製後、2塩酸塩とし、メタノール−ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化合物(101 mg)を得た。
融点:173−175℃(分解)
実施例88
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(6−フェニル−3−ピリジル)メトキシテトラリン 2塩酸塩
【化138】
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン(0.221g)のDMF溶液(5 ml)に60%油状水素化ナトリウム(0.053 g)を室温で加えた。反応液を50℃で1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、6−フェニル−3−ピリジルメチルブロミド(76%, 0.366g)のTHF溶液(5 ml)を滴下した。反応液を0℃で1時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、2塩酸塩とした後に、エタノール−酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(265 mg)を得た。
融点:218−220℃
[α]D 20=+43.5°(c=0.504、 メタノール)
【0139】
実施例89
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−[6−(メトキシフェニル)−3−ピリジル]メトキシテトラリン 2塩酸塩
【化139】
(+)−6−(2−ブロモピリジン−5−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン 2塩酸塩(0.2 g)、トルエン(8 ml)、エタノール(1 ml)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(1 ml)の混合物を室温で10分間撹拌した。反応液に4−メトキシフェニルほう酸(89 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(27mg)を加え、アルゴン気流下15時間加熱還流した。放冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製後、2塩酸塩とし、エタノール−酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(176 mg)を得た。
融点:223−231℃(分解)
[α]D 20=+41.1°(c=0.494、 メタノール)
実施例90
7−(4−ビフェニリル)メトキシ−3−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−メチルスルホニルキノリン 塩酸塩
【化140】
7−(4−ビフェニリル)メトキシ−3−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(110 mg)のピリジン(5 ml)溶液に、氷冷下、塩化メタンスルホニル(0.03 ml)を滴下した。反応液を室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製後、塩酸塩とし、エタノール−酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(88 mg)を得た。
融点:236−240℃(分解)
【0140】
実施例91
(+)−6−(2−ベンゾフラニル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン
【化141】
(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−ヒドロキシテトラリン(0.217g)のDMF溶液(5 ml)に60%油状水素化ナトリウム(0.052 g)を室温で加えた。反応液を50℃で1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、2−クロロメチルベンゾフラン( 0.187g)のTHF溶液(5 ml)を滴下した。反応液を0℃で1時間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製した後に、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、標題化合物(17 mg)を得た。
融点:75−77℃
[α]D 20=+56.8°(c=0.253、 メタノール)
【0141】
製剤例1
(1)実施例12で得られた化合物 50mg
(2)ラクトース 34mg
(3)トウモロコシ澱粉 10.6mg
(4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
(6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg
計 120mg
常法に従い上記(1)〜(6)を混合し、錠剤機により打錠し、錠剤を得た。
【0142】
実験例1
ヒト・ニューロブラストーマIMR−32細胞におけるアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害作用を調べた(参考文献:サイエンス(Science)264巻,1336頁(1994)、バイオケミストリー(Biochemistry)34巻,10272頁(1995)等)。
(方法)
a)実験材料
ヒト・ニューロブラストーマIMR−32細胞:アメリカン・タイプ・カルチャー・センター(American Type Culture Center)より購入。
ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium, DMEMと略記):日水製薬より購入。
牛胎児血清(Fetal calf serum, FCSと略記)およびペニシリン(5000 U/ml)/ストレプトマイシン(5 mg/ml)混液:バイオホワイタッカー社より購入。
リン酸/生理食塩水緩衝液(phosphate buffered saline, PBSと略記):フローラボラトリーズ社より購入。
ブロックエース(Block Ace)(商品名):大日本製薬より購入。
牛血清アルブミン(bovine serum albumin;BSAと略記):シグマ社より購入。
培養用フラスコ:ファルコン社製を使用。
48穴マルチウェルプレート:コースター社製を使用。
Aβ1-40標準品およびAβ1-42標準品:バッケム社より購入。
他の試薬:市販の特級品を使用。
b)実験方法
(1)IMR−32細胞の培養
IMR−32細胞を、10% FCS/DMEM培養液含有フラスコ(Falcon,750ml)中、10% 二酸化炭素/90% 空気中、37℃でコンフルエント状態(満杯状態)になるまで培養した。培養後、IMR−32細胞を、2.5×105細胞/ウェルとなるように、48穴マルチウェルプレートに播種し、さらに3日間、同条件で培養後、培養液を吸引除去した。
被験物含有DMF溶液を0.5% BSA/DMEM 0.5 mlに溶解し、上記プレートに添加し、さらに24時間培養した。コントロールとしては、被験物を含まないDMF溶液を0.5% BSA/DMEM 0.5 mlに溶解したものを用いた。
上清を採取し、Aβ測定時まで−20℃以下で保存した。
(2)Aβの酵素免疫測定(EIA)
一次抗体として、BAN−50抗体あるいはBNT−77抗体を用いた。
Aβ1-40を測定する場合、二次抗体としてBA−27抗体を用いた。Aβ1-42を測定する場合、二次抗体としてBC−05抗体を用いた。
0.1M炭酸緩衝液(pH 9.6)に15μg/mlの濃度で溶解したBAN−50抗体またはBNT−77抗体を、ポリエチレンマイクロタイタープレートに、100μlずつそれぞれ添加し、4℃で一晩放置した。PBSでプレート表面を3回洗浄後、ブロック液(25% ブロックエース/0.1% アジ化ナトリウム/PBS)200μlを添加した。この状態で前記(1)の上清添加時まで、4℃で保存した。
上清添加直前に、プレート表面をPBSで3回洗浄後、一次反応用緩衝液(20 mMリン酸緩衝液,pH 7.0;400 mM NaCl;2 mM EDTA;10%ブロックエース;0.2% BSA;0.05% アジ化ナトリウム)50μlを添加した。さらに、100μの上清および一次反応用緩衝液に希釈したAβ(1-40またはAβ1-42標準品(濃度が、それぞれ1000, 200, 40および8 pg/mlとなるよう希釈)100μを添加し、4℃で一晩放置した。
プレートをPBSにて3回洗浄し、二次反応用緩衝液(20 mM リン酸緩衝液,pH 7.0;400 mM NaCl:2 mM EDTA;1% BSA)に溶解したHRP標識二次抗体(BA−27抗体またはBC−05抗体,HRP:西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase))100μlを添加した。6時間室温にて放置した後、PBSで7回洗浄し、着色反応液(TMB Peroxidase Substrate(商品名),Kirkegaard & Perry Lab.製)100μlを加えた。室温で、8〜10分放置し、1M リン酸溶液100μlをプレートに添加し反応を止め、プレートリーダー(コロナ社、MTP−32マイクロプレートリーダー)にて比色定量(測定波長:450nm)した。
(結果)
化合物一用量につき、4ウェルを用いた。
化合物(10μM)のAβ1-40およびAβ1-42産生・分泌に対する阻害作用を、コントロールに対する割合(%)で示した。結果を〔表1〕に示す。
【表1】
被験化合物 Aβ1-40 Aβ1-42
(実施例 No. ) (%) (%)
実施例12 74 75
この結果より、本発明の化合物(I)および化合物(I')はアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害作用を持つことが確認された。
【00143】
【発明の効果】
本発明の化合物(I)は、優れたアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害作用および優れた分泌型APPの分泌促進作用を有し、毒性も低く、優れた脳内移行性を有するため、神経変性疾患;アミロイドアンジオパシー;脳血管障害による、頭部外傷による、または、脊髄損傷による神経障害などの予防・治療剤として、さらに、神経変性および神経障害によって惹起される種々の精神障害(例、うつ、不安、脅迫神経症、睡眠障害など)の改善剤としても有用である。化合物(I')もアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害作用および分泌型APPの分泌促進作用を有するため、上記の疾患に有用である。化合物(I)および(I')は、好ましくは、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症、老年性痴呆、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ハンチントン舞踏病、多発性硬化症など)の予防・治療剤として、さらに好ましくは、アミロイドβ蛋白に起因する神経変性疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症等)などの予防・治療剤として、特に好ましくは、アルツハイマー病の予防・治療剤として有用である。
Claims (3)
- (+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリンまたはその塩。
- (+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン・塩酸塩・一水和物である請求項1記載の化合物。
- 請求項1または2記載の化合物を含有する医薬組成物。
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