JP3864297B2 - 金属錯体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、金属錯体の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、光触媒、電子機能材料等として有用な金属錯体の不斉合成をも可能とする新しい金属錯体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
金属錯体化合物については、その光反応機能や電子移動機能、さらには生理活性機能等について注目されて数多くの合成法が報告されている。
【0003】
そして近年では、光学活性な金属錯体を合成するための不斉合成も検討されている。
しかしながら、金属錯体の不斉合成は容易ではなく、多くの場合、光学分割による方法が採用され、しかも、この光学分割すら難しい場合が少くないのが実情である。
【0004】
たとえばルテニウムトリス(ビピリジン)型錯体は、光触媒としてよく知られた化合物であり、光照射条件下、電子移動反応ならびにエネルギー移動反応を触媒する。このルテニウム錯体は8配位錯体であり、Δ体Λ体の二つの光学活性異性体をもつことが知られている。これらの光学異性体の光学分割にはこれまでに、(1)光学活性な分割剤を用いる方法、(2)光学活性カラムを用いた分割、の2つの方法が知られている(前者が歴史的に古く、今でも一般的方法である。後者は有機化合物に関してはかなり実績はあるものの、金属錯体に適用した例はまだ少なく、ごく最近、数例が報告されているにすぎない。)
このような状況において、光学活性なルテニウムトリス(ビピリジン)型錯体は不斉光触媒として重要であるが、これまではいったんラセミ体(Δ体とΛ体の等量混合物)を合成した後、上記2つの方法のいずれかで光学分割するしか方法がなかった。もう一つの可能性としては、中間体として光学活性なルテニウムビス(ビピリジン)型錯体を合成し、そこから光学活性なトリス体を誘導する方法が考えられるが、これまでにそのような報告例は全くない。その理由として、ルテニウムビス(ビピリジン)型錯体は一般的にトリス体に比べて熱的に不安定であり、光学分割した例すら極めて少数しか知られていないことがある。
【0005】
その一例として、〔Ru(bpy)2 (CO)2 〕(Br)2 (bpy=2,2′−ビピリジン)のラセミ体を合成し、分割剤を用いて光学分割した例(Inorg. Chem, 1995, 34, 3857-3858)があるが、この化合物は熱的に安定なため光学分割が可能であったが、安定すぎるためトリス体への誘導は極めて難しく、通常のトリス体への誘導は行われていない。
【0006】
そこでこの出願の発明は、以上のとおりの従来技術の限界を克服し、簡便に、しかも選択的な不斉合成をも可能とする、新しい金属錯体の製造方法を提供することを課題としている。そしてまた、この出願の発明は、新しい金属錯体化合物をも提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願は、上記の課題を解決するために、第1の発明として、次式
M(A1 ,A2 )(B1 ,B2 )
(Mは遷移金属元素を、A1 およびA2 は、同一または別異の二座配位子を、B1 およびB2 は、同一または別異なアニオン基を示す)
で表わされる錯体化合物を、次式
E(X)(Y)(Z)
(Eは、S,P,N,SeまたはAsの元素を、X,Y,Zは、各々、同一または別異に、OまたはNの元素、OまたはNの元素を介してEに結合する、置換基を有していてもよい炭化水素基、もしくはEに直接結合する、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。なお、X,YおよびZは、そのうちの複数のものが一緒になって結合を形成しいててもよい。)
で表わされる配位化合物と反応させて
〔M(A1 ,A2 )(E(X)(Y)(Z))B1 〕n+
(M,A1 ,A2 ,B1 ,E,X,YおよびZは前記のものを示す。nは整数を示す。)
で表わされるカチオンの錯体を製造することを特徴とする金属錯体の製造方法を提供する。
【0008】
そして、この出願は、前記の第1の発明に関連して、第2の発明として、遷移金属元素(M)は、周期律表第8族の金属元素である製造方法を、第3の発明として、二座配位子(A1 ,A2 )は、窒素またはリンの少くとも1種以上を含有する有機化合物である製造方法を、第4の発明として、錯体化合物はラセミ体であって、キラルな配位化合物と反応させ、光学活性なカチオンの錯体を製造する前記いずれかの製造方法を、第5の発明として、錯体化合物はラセミ体であって、アキラルな配位化合物と反応させ、ラセミ体のカチオンの錯体を製造する前記いずれかの製造方法をも提供する。
【0009】
また、この出願は、第6の発明として、前記発明のいずれかの方法により得られたカチオン錯体に、二座配位子化合物(A3 )を反応させて、次式
〔M(A1 ,A2 ,A3 )〕2+
で表わされるトリス型金属錯体を製造することを特徴とする金属錯体の製造方法も提供する。
【0010】
さらにまた、この出願の発明は、第7として、前記の第1ないし第5の発明のいずれかの方法により得られたカチオン錯体に、次式
D(A4 )N
(A4 は二座配位子基を、Dは化合物残基を示し、Nは、二座配位子基A4 の数で、1以上の整数を示す)
で表わされるN個の二座配位子基を有する化合物を反応させて、次式
(〔M(A1 ,A2 ,A4 )〕N D)2N+
で表わされるトリス型金属錯体を製造することを特徴とする金属錯体の製造方法を、第8には、前記の二座配位子を有する化合物が環状化合物である製造方法を提供する。
【0011】
この出願の発明は、第9には、次式
(〔M(A1 ,A2 ,A4 )〕N D)2N+
(Mは遷移金属元素を、A1 およびA2 は、同一または別異の二座配位子を、A4 は、二座配位子基を、Dは、二座配位子基A4 を結合する化合物残基を示し、Nは、1以上の整数を示す)
で表わされる金属錯体化合物を、第10には、前記の化合物残基Dが環状化合物残基である金属錯体化合物をも提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は前記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0013】
まず、式
M(A1 ,A2 )(B1 ,B2 )
で表わされる錯体化合物においては、遷移金属元素(M)は各種のものであってよく、代表的なものとしては周期律表の第8族元素、たとえばRu(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pt(白金)、Ni(ニッケル)等が例示される。また、A1 およびA2 の二座配位子については、代表的なものとしては、窒素またはリン原子を少くとも1以上含有する有機化合物として例示される。たとえばジアミン類、ビピリジン類等の含窒素化合物やホスフィン基を有する二座配位子化合物等である。これらの二座配位子有機化合物は、適宜な置換基を有していてもよい。たとえば、アルキル基、アリール基、エーテル基、エステル基、アミド基、シアノ基、さらにはペプチド、糖およびそれらの誘導体等である。
【0014】
アニオン基(B1 ,B2 )については、たとえば代表的にはハロゲン原子を例示することができ、その他各種のものであってよい。
式E(X)(Y)(Z)で表わされる配位化合物も各種のものであってよい。たとえばスルホキシド化合物、ホスファイト化合物、ホスフィン化合物、アルシン化合物、N−オキサイド化合物等が例示される。元素Eに結合するX,YおよびZについては、そのうちの二者、たとえばXとYとが一体となって>N=,=N−O等の一つの有機結合を形成するものであってもよい。
【0015】
X,YおよびZについて、この一部もしくは全部を構成する炭化水素基は、たとえばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等の脂肪族、脂環族、芳香族等の各種のものであってよく、これらは、許容される任意の置換基を有していてもよい。
【0016】
また、以上の配位化合物は、キラルな光学活性化合物として、あるいはアキラルな化合物として用いられる。
たとえばX−SO−Yのスルホキシド化合物の場合には、XとYが同一の場合には対称型のアキラルな化合物として用いられる。一方、XとYとが異なる場合には、非対称型のキラルな光学活性化合物として用いられることになる。
【0017】
以上の錯体化合物と配位化合物との反応は、室温から溶媒の沸点までの比較的穏和な条件で容易に実施される。使用することのできる溶媒としては、非プロトン性溶媒や、アルコール類等の極性プロトン性溶媒、ジグライム等の非極性溶媒という広範囲な種類のものから選択して使用することができる。
【0018】
錯体化合物と配位化合物との使用割合は、モル比として0.1/1〜1/0.1程度を目安とすることができる。
反応によって、カチオンの錯体がほぼ定量的に得られることになる。より具体的に例示すれば、たとえばラセミ体(Δ体とΛ体の等量混合物)である
cis−Ru(bpy)2 Cl2 (bpy:ビピリジン)
とスルホキシド化合物を反応させると、
ルテニウムビス(bpy)(スルホキシド)(クロライド)
カチオンの錯体が得られることになる。
【0019】
この場合、用いるスルホキシド化合物(X−SO−Y)が対称(X=Y:アキラル体)である場合は、生成するルテニウム錯体はラセミ体(Δ体Λ体の等量混合物)となる。光学分割が必要であるが、このルテニウム−スルホキシド錯体の光学異性体は通常の実験条件下ではラセミ化しないなど安定であるため、キラルカラムを用いた分割が行える。
【0020】
用いるスルホキシド化合物(X−SO−Y)が非対称(X≠Y:キラル体)である場合は、次の反応式(I)にも示したように、生成するルテニウム−スルホキシド錯体は最大60%deで立体選択的に合成される。このような例は過去に知られていない。
【0021】
【化1】
【0022】
用いるスルホキシド化合物がアルキル−アリール体である時、比較的高い選択性が得られるが、R(+)−体を用いたときはΔ体が、S(−)一体を用いたときはΛ体が不斉合成される。
【0023】
生成されるこの発明のカチオンの錯体は、原料とする錯体化合物を構成するアニオン基(B2 )の種類や、生成物の再結晶等の精製プロセスに使用するアニオン性物質の種類等を考慮することにより適宜なアニオンとの結合状態として取得することができる。この発明のカチオンの錯体に結合しているアニオンとしては、たとえばCl- 、I- 等のハロゲンイオン、PF6 - 等の各種アニオンが例示される。
【0024】
スルホキシド化合物だけでなく、この発明のカチオンの錯体としては、使用する配位化合物E(X)(Y)(Z)の種類に応じて各種のものとして取得される。たとえば以下のものが例示される。
【0025】
【化2】
【0026】
そして、この出願の発明においては、たとえば以上のとおりの方法によりカチオン:
〔M(A1 ,A2 )(E(X)(Y)(Z))B1 〕n+
の錯体が得られるが、この場合のカチオンの価数(n)は、上記の説明からも明らかなように、反応原料の錯体化合物並びに配位化合物の種類によって定まるものである。
【0027】
また、この発明では、上記のカチオンの錯体に二座配位子化合物(A3 )を反応させて、
〔M(A1 ,A2 ,A3 )〕2+
で表わされるトリス型金属錯体を製造する方法も提供される。具体的に例示説明すると、たとえば前記のルテニウム−スルホキシド錯体とビピリジンとを反応させることによりルテニウムトリス(ビピリジン)錯体を得ることができる。さらに具体的には、光学活性なルテニウム−スルホキシド錯体とビピリジン配位子を次の反応式(II)のように反応させることにより、光学活性なルテニウムトリス(ビピリジン)型錯体を得ることが容易にかつ定量的にできる。この際、立体配置の反転はおこらない。すなわち、Δ体のルテニウム−スルホキシド錯体からはΔ体のルテニウムトリス(ビピリジン)型錯体を、Λ体からはΛ体を得る。
【0028】
【化3】
【0029】
たとえばこの反応を利用して3種類の異なるビピリジン誘導体(R1 ,R2 ,R3 )を自由に配位させることができる。この方法はこのような3種混合配位ルテニウム錯体を合成する新規な方法であり、従来法に比べてはるかに穏和な条件で行えるため、従来法では合成できなかったエステル(R1-3 =−COOR)あるいはアミド(R1-3 =−C(O)N(H)R)さらにはアミノ酸・ペプチド・糖およびそれらの誘導体を接続した錯体の合成を行うことができることになる。もちろん、ルテニウムトリス(ビピリジン)錯体に限られることなしに、A1 およびA2 と同様の、前記のとおりの二座配位子A3 を要件として、
〔M(A1 ,A2 ,A3 )〕2+
で表わされるトリス型金属錯体が製造されることになる。
【0030】
この出願の発明は、さらにまた、このトリス型金属錯体だけに限られることなしに、トリス型錯体の複数の分子構成が形成されている新規な金属錯体化合物も提供することができる。
【0031】
一般的には、
(〔M(A1 ,A2 ,A4 )〕N D)2N+
として表わすことのできる新しい金属錯体化合物が提供される。ここで、M、A1 およびA2 は前記と同様のものとして考慮されることになる。A4 は、二座配位子基を示し、代表的には、A1 およびA2 と同様の、窒素またはリン原子を少くとも1以上含有する有機基として、たとえばジアミン基ジピリジン基等の窒素化合物基や、ホスフィン基等である。これらの二座配位子基A4 は、化合物残基Dに結合しているものとして考慮される。化合物残基(D)は、炭化水素基や、各種の置換基を有している炭化水素基、ペプチド基、高分子基、糖またはそれらの誘導基の各種のものであってよい。また、この化合物残基(D)は、鎖状でもよいし環状であってもよい。環状の化合物残基としては、たとえばシクロデキストリン型のもの、カリックスアレーン型のもの、クラウンエーテル型のもの等も考慮される。
【0032】
このような金属錯体化合物は、たとえば、前記のとおりの、
〔M(A1 ,A2 )(X−SO−Y)B1 〕+
のスルホキシドカチオン錯体を、次式
D(A4 )N
で表わされるN個の二座配位子(A4 )を有する化合物と反応させることによって製造することができる。代表例を示すと、たとえば次の反応式(III) に従って、テトラキス〔Ru(bpy)2 (bpy′)]カリックス〔6〕アレーン化合物の不斉合成が可能とされる。
【0033】
【化4】
【0034】
ルテニウムトリス(ビピリジン)錯体は強い吸収帯並びに発光帯を有し、その光学活性体は大きな円偏光二色性を示すものであり、この発明の方法により立体選択的に製造された、高光学純度のルテニウムトリス(ビピリジン)錯体が4分子接続した構造を持つ前記のカリックス〔6〕アレン化合物等は、光学活性な多分子を複数個接続することと、円二色性とによって、分子レベルでの情報の書き込み、そして読み取りを組合わせることにより「分子メモリー」実現の展望を拓くものでもある。
【0035】
なお、以上のカチオン錯体も、各種のアニオンとの複合として製造され、具体的に取扱われることは言うまでもないことである。アニオンは各種のものであってよい。
【0036】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
前記の反応式(I)に沿って、0.5gの(bpy)2 RuCl2 ・xH2 Oを、30mLの脱気乾燥したジメチルスルホキシド(DMSO)に添加し、混合物を85℃の温度において、窒素(N2 )雰囲気下に5時間攪拌加熱した。
【0038】
減圧下にジメチルスルホキシド(DMSO)を回収し、固形分をエーテル(50mL)および加温アセトン(150mL)により洗浄した。沈殿物を濾別回収し乾燥した。
【0039】
アセトン−エーテル溶媒で再結晶した。cis−〔(bpy)2 Ru(Cl)(DMSO)〕Clのカチオン錯体化合物を0.50g(89%収率)得た。
その物性値は次のとおりであった。
【0040】
【表1】
【0041】
また、図1は、このカチオン錯体化合物のX線による構造解析結果を示したものである。
(実施例2)
実施例1において、ジメチルスルホキシド(DMSO)の代わりに、(R)−(+)−メチル−p−トリルスルホキシドを用いて反応を行った。反応温度は120℃とし、反応後に、cis(△)−〔(bpy)2 RuCl((R)−TolylS* OCH3 )〕Clのカチオン錯体化合物を得た。このものはΔ体であって、59.9%deで立体選択的に合成された(収率85〜92%)。
【0042】
その同定物性値は次のとおりであった。
【0043】
【表2】
【0044】
(実施例3)
Ru(bpy)2 Cl2 (1mmol)のエタノール(50ml)の懸濁液を、N2 雰囲気下に75℃の温度で0.5時間加熱した。紫色の溶液が得られた。
【0045】
(iso−PrO)3 P(4mmol)の10mlエタノール溶液を添加し、10時間refluxさせた。
溶媒を蒸留回収し、残渣分に50mlエーテルを加えて沈殿を生じさせた。粗生成物は、シリカ充填のカラムクロマトグラフィーにより精製した。溶出液は、ジクロロメタン−メタノール(50:1、v/v)の混合溶媒とした。
【0046】
回収した分画を蒸熱乾燥させ、次いでエーテルで洗浄した後に真空乾燥させた。ビピリジン−ルテニウムカチオン錯体化合物を定量的に得た。
この化合物の、アンモニウムヘキサフルオロホスフェートの存在下でのジクロロメタン−メタノール溶液からの再結晶処理により、赤色のPF6 - をアニオンとする〔Ru(bpy)2 ((iso−PrO)3 P)(Cl)〕(PF6 )の錯体化合物を得た。収率は85%であった。
【0047】
以上のようにして得た、次式
【0048】
【化5】
【0049】
の構造として表わされるcis−〔Ru(bpy)2 ((iso−PrO)3 P)(Cl)〕(PF6 )化合物の紫外可視(UV/vis)吸収スペクトルと円偏光二色性(CD)スペクトルを図2に示した。
【0050】
図3は、この化合物の核磁気共鳴( 1H−NMR)スペクトルを、重ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)および重アセトニトリル(CD3 CN)中で測定した結果として示したものであり、図4は、重アセトン(Acetone−d6)中で測定した結果として示したものである。
【0051】
また、図5は、この化合物の光学分割HPLCチャートを、図6は、X線構造解析の結果を示した図である。
(実施例4)
実施例3と同様の方法によって、次式
【0052】
【化6】
【0053】
によりその構造が表わされるcis−〔Ru(bpy)2 ((MeO)2 (Ph)P)(Cl)〕(I)のカチオン錯体の化合物を得た。
図7は、この化合物の二次元核磁気共鳴( 1H− 1HCOSY)スペクトルを、重クロロホルム(CDCl3 )中で測定した結果として示したものである。また、図8は、そのX線構造解析の結果を示した図である。
(実施例5)
実施例3と同様にして、trans−〔Ru(bpy)2 ((MeO)2 (Ph)P)(H2 O)〕(PF6 )のカチオン錯体の化合物を得た。
【0054】
図9は、この化合物のX線構造解析の結果を示したものである。
(実施例6)
実施例3と同様にして、次式
【0055】
【化7】
【0056】
によりその構造が表わされるcis−〔Ru(bpy)2 ((EtO)(Ph)(H)P)(Cl)〕(Cl)のカチオン錯体の化合物を得た。
図10は、この化合物の 1H−NMRスペクトルを、重クロロホルム(CDCl3 )中で測定した結果として示したものであり、図11は、13C−NMRスペクトルを、重クロロホルム(CDCl3 )中で測定した結果として示したものである。
(実施例7)
実施例3と同様にして、次式
【0057】
【化8】
【0058】
でその構造が表わされるcis−〔Ru(bpy)2 ((Ph)2 (Cl)P)(Cl)〕(I)のカチオン錯体の化合物を得た。
図12は、この化合物の 1H−NMRスペクトルを、重アセトニトリル(CD3 CN)中で測定した結果として示したものであり、図13は、X線構造解析結果を示したものである。
(実施例8)
実施例3と同様にして、cis−〔Ru(bpy)2 ((Ph)2 (Me)P)(Cl)〕(PF6 )のカチオン錯体の化合物を得た。図14は、この化合物のX線構造解析の結果を示したものである。
(実施例9)
実施例3と同様にして、次式
【0059】
【化9】
【0060】
でその構造で表わされるcis−〔Ru(bpy)2 (p−(N,N−Et2 )N=(C6 H4 )=N(O))(CH3 CN)〕(PF6 )2 のカチオン錯体の化合物を得た。
【0061】
図15は、この化合物の紫外可視(UV/Vis)吸収スペクトルと円偏光二色性(CD)スペクトルを示したものであり、図16は、二次元核磁気共鳴( 1H− 1HCOSY)スペクトルを重クロロホルム(CDCl3 )中で測定した結果として示したものである。また、図17は、X線構造解析の結果を示した図である。
(実施例10)
実施例2と同様にして得た得たカチオン錯体に、ビピリジン配位子化合物を反応させ、ルテニウムトリス(ビピリジン)錯体を得た。反応は次のように行った。
【0062】
すなわち、cis−(△)−[(4,4’−ジメチル−2,2’−bpy)2 RuCl((R)−TolylS* OCH3 )]Cl(2mmol)のMeOH/CH3 CO2 H(10:1、40ml)溶液に、4,4’−ジ(R)−(+)−α−メチルベンジルアミド2,2’−ビピリジン(6mmol)を添加し、窒素(N2 )雰囲気下に、20〜50分間refluxさせながら攪拌した。
【0063】
有機相を減圧下に回収して生成物として、cis−[Ru(4,4’−ジ(R)−(+)PhCH(CH3 )NHCO−2,2’−bpy)(4,4’−ジメチル−2,2’−bpy)2 ]Cl2 が78〜82%eeで立体選択的に合成された(収率88〜92%)。
【0064】
得られたトリス型錯体の同定物性値は次のとおりであった。
【0065】
【表3】
【0066】
また、図18は、前記トリス型錯体のCDおよびUVスペクトルを、図19は、このもののX線による構造解析の結果を示した図である。
(実施例11)
前記の反応式(III) に従って、次の手順で、カリックス〔6〕アレーン金属錯体化合物を製造した。
【0067】
▲1▼ 39,42−ジベンジルオキシ−37,38,40,41−テトラキス(シアノメチルオキシ)カリックス〔6〕アレーン(化合物1)の製造
炭酸カリウム(1.2g)および39,42−ビス(ベンジルオキシ)カリックス〔6〕アレーン(1.6g,2mmol)を、DMF(50ml)において、N2 雰囲気下、80℃の温度で10分間攪拌し、次いで、ブロモアセトニトリル(0.56ml,8.8mmol)をゆっくりと10分以上かけて滴下添加した。
【0068】
反応混合物を80℃の温度においてさらに2時間攪拌した。
その後、減圧下にDMFを回収して黄色の固体を得た。このものをCH2 Cl2 (80ml)に溶解し、1M−HClにより洗浄し、さらに水洗した。真空下に濃縮および乾燥処理し、標記化合物1を、1.7g(収率89%)得た。
【0069】
この化合物1の同定物性値は次のとおりであった。
【0070】
【表4】
【0071】
▲2▼ 39,42−ジベンジルオキシ−37,38,40,41−テトラキス(アミノエチルオキシ)カリックス〔6〕アレーン(化合物2)の製造
前記化合物1(0.97g,1mmol)およびBH3 −THF(12ml,1M溶液)のTHF(50ml)混合物を、N2 雰囲気下に、一夜室温において攪拌した。
【0072】
反応混合物を1M−HClにより反応を停止させて、減圧下に蒸留処理した。残渣を水に溶解し、1M−NaOH水溶液の添加によりpH8に調整した後にCH2 Cl2 により抽出し、乾燥、減圧蒸留によって精製処理した。
【0073】
標記化合物2を、収率68%で得た。このものの同定物性値は次のとおりであった。
【0074】
【表5】
【0075】
▲3▼ 39,42−ジベンジルオキシ−37,38,40,41−テトラキス(2,2′−ビピリジン−4−カルボキシアミドエチルオキシ)カリックス〔6〕アレーン(化合物3)の製造
前記の化合物2(1.0g,1mmol)と、2,2′−ビピリジン−4−カルボニルクロライド(1.0g,4.6mmol)とを、N2 雰囲気下に、CH2 Cl2 (60ml)中のトリエチルアミン(1.5ml)の攪拌溶液に添加した。次いで還流加熱した。
【0076】
粘性物を真空下に回収し、CH2 Cl2 に溶解し、水洗した。有機相を分離し、溶媒を蒸留除去させた後に、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3 /MeOH)により精製した。
【0077】
白色粉末として、標記の化合物3を収率55%で得た。このものの同定物性値は次のとおりであった。
【0078】
【表6】
【0079】
▲4▼ 39,42−ジベンジルオキシ−37,38,40,41−テトラキス(Δ−〔Ru(bpy)2 (2,2′−ビピリジン−4−カルボキシアミドエチルオキシ)])カリックス〔6〕アレーン オクタキス(ヘキサフルオロホスフェート)(化合物4)の製造
前記の化合物3(0.17g,0.1mmol)を、エタノール(40ml)および氷酢酸(10ml)の混合物に懸濁させ、N2 雰囲気下に還流加熱した。
【0080】
シス−Δ−〔Ru(bpy)2 (DMSO)Cl〕PF6 (225mg,0.36mmol)の微量DMF溶液を、3回に分けて、0、3および6時間の各々の段階に添加した。トータルな反応時間は8時間とした。
【0081】
溶媒の減圧除去、CH3 CNへの溶解、クロマトグラフィー精製の後に、0.22g(50%収率)の標記化合物4を得た。なお、分析のために、テトラキス異性体を分取HPLCによりさらに精製分離した。
【0082】
このものの同定物性値は次のとおりであった。
【0083】
【表7】
【0084】
なお、化合物4のラセミ体も、前記のシス−Δ−〔Ru(bpy)2 (DMSO)Cl〕PF6 に代えて、そのラセミ体、もしくはRu(bpy)2 Cl2 を用いることにより製造した。
【0085】
図20は、化合物4の、400MHz 1H−NMR(CD3 CN)および 1H− 1HCOSYスペクトルを示したものである。
また、この化合物4のCDスペクトルには、LCバンド(280nm)近傍において、約900dm3 nol-1cm-1と極めて顕著な活性が認められた。
【0086】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、従来その合成が困難であった金属錯体の不斉合成をも可能とする、簡便で、選択性に優れた、金属錯体の新しい製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるカチオン錯体のX線による構造解析の結果を示した図である。
【図2】cis−〔Ru(bpy)2 ((iso−PrO)3 P)(Cl)〕(PF6 )(実施例3)の紫外可視(UV/Vis)吸収スペクトルと円偏光二色性(CD)スペクトルを示した図である。
【図3】cis−〔Ru(bpy)2 ((iso−PrO)3 P)(Cl)〕(PF6 )(実施例3)の核磁気共鳴( 1H−NMR)スペクトル(重ジメチルスルフォキシド(DMSO−d6)、重アセトリニトル(CD3 CN)中で測定)を示した図である。
【図4】図3と同様に、重アセトン(Acetone−d6)中での測定結果を示したスペクトル図である。
【図5】cis−〔Ru(bpy)2 ((iso−PrO)3 P)(Cl)〕(PF6 )(実施例3)の光学分割のHPLCチャートを示した図である。
【図6】cis−〔Ru(bpy)2 ((iso−PrO)3 P)(Cl)〕(PF6 )(実施例3)のX線構造解析結果を示した図である。
【図7】cis−〔Ru(bpy)2 ((MeO)2 (Ph)P)(Cl)〕(I)(実施例4)の二次元核磁気共鳴( 1H− 1HCOSY)スペクトル(重クロロホルム(CDCl3 )中で測定を示した図である。
【図8】cis−〔Ru(bpy)2 ((MeO)2 (Ph)P)(Cl)〕(I)(実施例4)のX線構造解析結果を示した図である。
【図9】trans−〔Ru(bpy)2 ((MeO)2 (Ph)P)(H2 O)〕(PF6 )2 (実施例5)のX線構造解析結果を示した図である。
【図10】cis−〔Ru(bpy)2 ((EtO)(Ph)(H)P)(Cl)〕(Cl)(実施例6)の核磁気共鳴( 1H−NMR)スペクトル(重クロロホルム(CDCl3 )中で測定)を示した図である。
【図11】cis−〔Ru(bpy)2 ((EtO)(Ph)(H)P)(Cl)〕(Cl)(実施例6)の核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトル(重クロロホルム(CDCl3 )中で測定)を示した図である。
【図12】cis−〔Ru(bpy)2 ((Ph)2 (Cl)P)(Cl)〕(I)(実施例7)の核磁気共鳴( 1H−NMR)スペクトル(重アセトニトリル(CD3 CN)中で測定)を示した図である。
【図13】cis−〔Ru(bpy)2 ((Ph)2 (Cl)P)(Cl)〕(I)(実施例7)のX線構造解析結果を示した図である。
【図14】cis−〔Ru(bpy)2 ((Ph)2 (Me)P)(Cl)〕(PF6 )(実施例8)のX線構造解析結果を示した図である。
【図15】cis−〔Ru(bpy)2 (p−(N,N−Et2 )N=(C6 H4 )=N(O))(CH3 CN)〕(PF6 )2 (実施例9)の構造・紫外可視(UV/Vis)吸収スペクトルと円偏光二色性(CD)スペクトルを示した図である。
【図16】cis−〔Ru(bpy)2 (p−(N,N−Et2 )N=(C6 H4 )=N(O))(CH3 CN)〕(PF6 )2 (実施例9)の二次元核磁気共鳴( 1H− 1HCOSY)スペクトル(重クロロホルム(CDCl3 )中で測定)を示した図である。
【図17】cis−〔Ru(bpy)2 (p−(N,N−Et2 )N=(C6 H4 )=N(O))(CH3 CN)〕(PF6 )2 (実施例9)のX線構造解析結果を示した図である。
【図18】実施例10におけるトリス型錯体のCDおよびUVスペクトルを示した図である。
【図19】実施例10におけるトリス型錯体のX線による構造解析の結果を示した図である。
【図20】実施例11における化合物4の 1H−NMR(CD3 CD)および 1H− 1HCOSYスペクトルを示した図である。
Claims (6)
- 次式M(A1 ,A2 )(B1 ,B2 )
(Mは周期律表第8族の金属元素を、A1 およびA2 は、ビピリジンを、B1 およびB2 は、同一または別異なハロゲン原子、H 2 O及びCH 3 −C≡Nを示す)で表わされる錯体化合物を、次式
E(X)(Y)(Z)
(E(X)(Y)(Z)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、(R)−(+)−メチル−p−トリルスルホキシド、(iso−PrO) 3 P、(MeO) 2 (Ph)P、(EtO)(Ph)(H)P、(Ph) 2 (Cl)P、(Ph) 2 (Me)P又はp−(N,N−Et 2 )N=(C 6 H 4 )=N(O)である)で表される配位化合物と反応させて
〔M(A1 ,A2 )(E(X)(Y)(Z))B1 〕n+(M,A1 ,A2 ,B1 及びE(X)(Y)(Z)は前記のものを示す。nは整数を示す。)で表わされるカチオンの錯体を製造することを特徴とする金属錯体の製造方法。 - 錯体化合物はラセミ体であって、キラルな配位化合物と反応させ、光学活性なカチオンの錯体を製造する請求項1の製造方法。
- 錯体化合物はラセミ体であって、アキラルな配位化合物と反応させ、ラセミ体のカチオンの錯体を製造する請求項1の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかの方法により得られたカチオン錯体に、ビピリジン(A3 )を反応させて、次式〔M(A1 ,A2 ,A3 )〕2+で表わされるトリス型金属錯体を製造することを特徴とする金属錯体の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかの方法により得られたカチオン錯体に、次式D(A4 )N(A4 は、2,2’−ビピリジン−4−カルボニル基を、Dは39,42−ジベンジルオキシ−37,38,40,41−テトラキス(アミノエチルオキシ)カリックス〔6〕アレーン残基を示し、Nは、2,2’−ビピリジン−4−カルボニル基A4 の数で、1以上の整数を示す)で表わされるN個の二座配位子基を有する化合物を反応させ、次式(〔M(A1 ,A2 ,A4 )〕N D)2N+で表わされるトリス型金属錯体を製造することを特徴とする金属錯体の製造方法。
- 次式、(〔M(A1 ,A2 ,A4 )〕N D)2N+(Mは遷移金属元素を、A1 およびA2 はビピリジンを、A4は、2,2’−ビピリジン−4−カルボニル基を、Dは、2,2’−ビピリジン−4−カルボニル基A4 を結合する39,42−ジベンジルオキシ−37,38,40,41−テトラキス(アミノエチルオキシ)カリックス〔6〕アレーン残基を示し、Nは、1以上の整数を示す)で表わされる金属錯体化合物。
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