JP3863298B2 - 未加硫ゴム押出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、未加硫ゴム押出方法及びこの方法を用いて製造したタイヤ、より詳細には、配合組成が異なる2種以上のゴムを用い、しかもゴム種間で占める容積が大幅に異なる複合ゴム部材を得るための未加硫ゴム押出方法と、この押出方法を用いて製造したタイヤ(空気入りタイヤ)に関し、特に、一般タイヤについては、最小の設備投資で、かつ設備の有効活用を含め、作業性を損なわず、有利に複層、多層の一体複合未加硫トレッドゴムを得ることができ、併せて、優れた低転がり抵抗特性を発揮するタイヤについては、上記の利点に加え、優れた低転がり抵抗特性の実現には極めて有利である反面、低導電性ゴムであることが余儀なくされるトレッドゴムを備えるタイヤに静電気の良好な放電特性を、トレッドゴムの耐偏摩耗性を損なわずに、有利に付与させることができる、未加硫ゴム押出方法及びこの方法を用いて製造したタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤ、特に空気入りラジアルタイヤ(以下タイヤという)に求められる性能は、時代が進むにつれより一層高度なものになり、より一層複雑多岐にわたる変化を見せている。この性能を達成するため、路面と直接接触するトレッドゴムにも大きな変化がもたらされるのは当然であり、その結果トレッドゴムは配合組成が相互に著しく異なる複数種ゴムの複合体とするのが慣例化されている。
【0003】
従って2種類以上の異なる配合組成になる未加硫ゴムを一体の複合未加硫ゴムとして押出す必要があるため、複数台の据え付け固定タイプの押出機を一つの押出ヘッドで互いに連結し、2種ゴムの場合はいわゆるデュアルタイプ押出機方式を、3種ゴムの場合はいわゆるトリプル押出機方式をそれぞれ採用するのが慣例である。最近はトリプル押出機方式でも不足してきているのが現状であり、トリプル押出機方式でも新設しようとすれば著しく高価な代価支払いを伴い、クォドルップル(4基)押出機方式の新設に至っては多額な設備投資を必要とするのは言うまでもなく、その上工場のスペース不足も問題になる。また上述のタイヤ環境変化に伴いシングルチューバ装置は遊休状態が余儀なくされ、有効利用もままならないのが現状である。
【0004】
しかしタイヤの複合トレッドゴムの構成は、その図解は後述するとして、踏面側に位置し、各種溝を形成し、タイヤの耐摩耗性、操縦安定性などを含む各種性能の優劣を支配する主たるトレッドゴムと、その幅端位置でサイドウォールゴム本体と接合する極小容積の一対のミニサイドウォールゴム、主たるトレッドゴムをキャップゴムとそれより薄ゲージのベースゴムとに分けた積層体としてのベースゴム、トレッドゴム(ベースゴム)内周面とベルト外周面との間に位置させる極薄ゲージのトレッドアンダークッションゴム、後に詳述する極薄導電性層状ゴムなど、従たるゴムとの組合わせになる。
【0005】
複合トレッドゴムとして最大容積を占めるのは踏面側に位置するトレッドゴムであり、よって踏面側単一トレッドゴム用押出機に最大の押出容量をもたせるのは勿論であり、デュアル押出機方式の場合、従たるゴムのうち最大容積を占めるゴム部材、例えばベースゴムの容積に合わせた押出機を踏面側単一トレッドゴム用押出機と組合わせた汎用押出装置が必要となる。トリプル押出機方式の場合も汎用性をもたせるのが生産上好都合である。何故なら同じ押出装置で成るべく多種多様なタイヤサイズ及び押出サイズに対応可能とする必要があるためである。
【0006】
以上述べたタイヤは汎用タイヤであり、これに対し最近は経済上の面ばかりでなく、特に環境保全の観点から車両の一層の低燃費化要望が格段に高まり、この高度な要望には従来の低転がり抵抗タイヤの延長では対応できず、そこで操縦安定性などの重要特性は従来レベルを維持し、低転がり抵抗特性優先のいわば特殊なタイヤの出現を見るに至っている。この種の低転がり抵抗優先タイヤの筆頭はトレッドゴムを主とするゴムに、カーボンブラック配合量の大部分をシリカ配合に置換したゴムを用いたタイヤである。
【0007】
しかしカーボンブラック配合量を大幅に減少させるか又は微量とし、カーボンブラックに代わる補強剤として多量のシリカを配合したトレッドゴムは電気抵抗値が大幅に上昇し、その結果、車両に発生した静電気は少なくともタイヤを介して路面に放電されることは殆どなく、車両への静電気の帯電量が増す。しかし汎用タイヤでは導電性に優れるカーボンブラックを多量配合したトレッドゴムを用いているので車両の静電気は瞬時に路面に放電されるのでこのような静電気の帯電現象は生じない。
【0008】
車両に帯電する静電気は乗員に対する電撃ショックに止まらず、時に車両内での火花放電による車両故障や車両火災の原因となるので、上記のような多量のシリカ配合になるトレッドゴムを備えるタイヤの場合、静電気の放電をタイヤによらず車両の導電性材料に電気的に接続した静電気放電手段に頼ることも可能である。しかしこの種の静電気放電手段は路面と擦れ合ったり衝突し合ったりするので摩滅や破損の都度交換の手間を要する上、摩滅や破損により放電効果を失っても気付かずにいれば上記問題が生じるなど、必ずしも万全な静電気放電手段とは言いがたい。
【0009】
そこで上記した諸不具合を回避するため、例えば特開平8−34204号公報では、トレッドゴムの中央領域を除く領域にシリカ配合のトレッドゴムを配置すると共に、中央領域に従来のカーボンブラック配合になる高導電性ゴムを配置した押出トレッドゴムの適用タイヤを提案している。この提案によれば通常のカーボンブラック配合量になるトレッドベースゴムと連結する高導電性ゴム領域をトレッドゴム中に設けているので、確かに静電気放電効果を有する低転がり抵抗タイヤを提供することができる。このトレッドゴム中央領域に位置する高導電性ゴムも先に述べたミニサイドウォールゴム、トレッドベースゴム及びトレッドアンダークッションゴムと同様に小容積のゴムである点では、製造面では似た者同士のゴムと言える。
【0010】
しかし上記公報が開示するタイヤは、以下に述べるように、トレッドゴムに偏摩耗問題やクラック問題が生じる不具合をも兼ね備えている。すなわち、シリカによるゴム補強効果はカーボンブラックによるゴム補強効果に及ばず、よってタイヤ走行に伴い両者ゴム相互間で摩耗度合いに差が生じ、中央領域の両側に配置したシリカ配合ゴムの摩耗量が中央領域に配置した高導電性ゴムの摩耗量に比しより多くなり、その結果、走行初期では高導電性ゴムとその両側ゴムとの間の段差は僅かであるが、走行距離が進むにつれこの段差量は著しく増加すると同時にトレッド幅方向に拡大し、結局大きな偏摩耗へと進展し、タイヤの摩耗寿命を短縮させる不具合がその一である。
【0011】
さらにトレッド中央領域に位置する高導電性ゴムの段差突出は、車両のコーナリング時に踏面にスリップアングルが付されるので、高導電性ゴムとそれに隣接するシリカ配合ゴムとの間に大きな引き裂き力が作用し、ゴム補強効果がそれほど高くないシリカ配合ゴムにクラックを発生させる不具合がその二である。以上の二つの不具合を解消するためには、高導電性ゴム領域幅をこれら不具合が生じない程度まで成るべく極狭幅とする必要がある。このように極狭幅とした高導電性ゴム領域のゴムはトレッドゴムの中で先に述べた小容積の従たるゴムに属し、それも従たるゴムのうちでも最小容積を占めるゴムである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
トレッドゴムの中での従たる小容積のゴムを含む複合ゴムは一体複合未加硫ゴムとして押出すのが生産性、品質両面から必要であり、よって既存のデュアル押出機方式、トリプル押出機方式の押出機装置を用いて一体複合未加硫ゴム(トレッドゴム)を押出すことになり、そのとき押出速度は最小容積ゴムの最小押出量を基準として各ゴムの押出量のバランスを採る必要があるのは勿論であり、このことは最小押出量ゴムに全体を合わせて押出速度を遅くするということに他ならない。なお押出量とは単位時間当りの押出重量であり、以下同じである。
【0013】
押出速度が遅いと、押出ヘッド内に導き出されたゴム、特に主たる大容積トレッドゴムの温度が上昇せず、押出しが困難となるばかりか、一体複合ゴムの正確な断面形状、すなわち各ゴムの配分位置、配分量、ゲージ分布及び押出幅などの諸元の精密性が得難くなり、後の成型工程で悪影響を及ぼす肌荒れなど、多くの不具合をもたらす。また言うまでもなくゴム押出機のもつ能力を十分に引き出すことができず、生産性の低下も余儀なくされる。
【0014】
それ故に最小押出量のゴムに合わせた押出機をデュアル押出機装置に新たに付加してトリプル押出機装置としたり、トリプル押出機装置に新たに付加しようとすれば多大な設備投資額を要する上、押出ヘッドに大改造を施す必要も生じ、それよりも寧ろ各種にわたる最小押出量に合わせた多数基の押出装置を必要とするため、多額な設備投資と広い工場スペースの確保とが必要となり、これらはいずれも現実性に欠ける。
【0015】
以上はタイヤを代表例として説明してきたが、押出量が著しく相違する異種ゴム材料を一体に押出した未加硫複合ゴムを他のゴム製品に適用する場合も同じである。
【0016】
従って、この発明の請求項1〜11に記載した未加硫ゴム押出方法は、それ程の設備投資金額を必要とせず、遊休押出装置が存在する場合はこれも含めた既存の押出装置に簡単な改造を施すと共に僅かなスペース増加に止め、既存押出装置の押出速度をより一層早めて押出稼働率を十分に高めて高生産性を発揮し、複数種類の未加硫ゴム毎の押出量に著しく大きな差を有する押出し一体複合未加硫ゴムの高品質を保証することができ、さらには低導電性トレッドゴム本体を幅方向に分断する極狭幅の導電性縦ゴム層を有利に形成することが可能な未加硫ゴム押出方法の提供を目的とする。
【0017】
またこの発明の請求項12に記載した発明は、上記請求項1〜11に記載した未加硫ゴム押出方法に従い押出した未加硫トレッドゴムを適用して製造した高品質、低コスト汎用タイヤの提供を目的とし、そして請求項13、14に記載した発明は、上記未加硫ゴム押出方法に従い押出した未加硫トレッドゴムを適用して、走行によるトレッドゴムの偏摩耗及びクラック故障などの不具合を伴わずに優れた低転がり抵抗性能と良好な静電気放電性能とを両立させることができる高品質、低コストタイヤの提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載した発明は、配合組成が異なる2種以上の未加硫のゴムをそれぞれ2台以上の押出機に個別に供給して押出ヘッドが有する複数個のゴム流路形成用ブロックの複数流路に導き、ゴム種別毎に押出量が異なる2層以上の一体複合未加硫ゴムをダイから連続して押出す未加硫ゴム押出方法において、
2種以上のゴム種のうち最小の押出量を有するゴムは、押出ヘッドの一つの流路に対し連通自在で、かつ押出ヘッドから離去自在な押出先端部を有する小容量の押出機に供給し、残余のゴム種のゴムは上記押出ヘッドを先端部に有する据付け固定の押出機に供給し、これらの供給ゴムを押出ヘッド先端のダイから層分けして一体に押出すことを特徴とする未加硫ゴム押出方法である。
【0019】
ここに押出量とは単位時間当りに押出されるゴムの質量(kg) を指し、ここでは押出機の押出能力を表すものであり、例えば20kg/h、60kg/h、500kg/h、3000kg/hのようにあらわす。またダイは押出ダイのことであり、特に断りがない限り押出し未加硫ゴムの底面を形成するバックダイと呼ばれる口金部分を含み、バックダイとの一体形ダイ及びセパレート形ダイとの両者を含む。
【0020】
請求項1に記載した発明は、実際上好適には、請求項2に記載した発明のように、押出ヘッドが有する複数個のブロックのうち最小のゴム押出量のゴムを受けるブロックはダイ背面に連なるゴム流路の、外部に開放された開口部を有し、この開口部に対し小容量押出機のゴム押出先端部を緊密に連通させるものとし、このとき請求項3に記載した発明のように、押出ヘッドに対し小容量押出機を押出稼働位置と非稼働の退避位置との間で移動自在とするのが実用上好都合である。
【0021】
請求項1〜3に記載した発明の未加硫ゴム押方法には、請求項4に記載した発明のように、未加硫ゴムの最小押出量の最大押出量に対する比が1/6〜1/180の範囲内であるのが適合し、また最小押出量ゴムの押出形状は容積が小さいが故に精密形状を確保する必要があるため、請求項5に記載した発明のように、最小押出量のゴムを受けるブロックのゴム流路は、該ブロック開口部からダイ背面近傍位置までにわたる流路領域を他のゴム流路から遮断した独立領域とし、ダイ背面近傍領域にて最小押出量のゴムと他のゴムとを合流させ一体に押出すものとする。
【0022】
以上の請求項1〜5に記載した発明は異種材料を用いる一般の複合ゴム製品に使用する場合にも適用する発明であり、この複合ゴム製品をタイヤとする場合は、請求項6に記載した発明のように、一体複合未加硫ゴムをタイヤ用長尺未加硫トレッドゴムとし、最小押出量のゴムを、製品タイヤにて一対のミニサイドウォールゴム、トレッドベースゴム及びトレッドアンダークッションゴムとなるべきゴム部材のいずれか一のゴム部材に充当するものとする。
【0023】
請求項6に記載した発明の汎用タイヤ用未加硫トレッドゴムとは別に、特に優れた低転がり抵抗特性を発揮させるためのタイヤに適用する未加硫トレッドゴムの場合は、請求項7に記載した発明のように、一体複合未加硫ゴムをタイヤ用長尺未加硫トレッドゴムとし、最小押出量のゴムは導電性に優れるゴム組成物とし、残余のゴムのうち少なくとも1種のゴムは低導電性のゴム組成物とし、この低導電性ゴム組成物を製品タイヤにてトレッドゴム本体となるゴムに充当し、このトレッドゴム本体を踏面幅方向に分断してタイヤ放射方向全高さにわたり延びる狭幅層となる縦ゴム層に最小押出量の導電性に優れるゴム組成物を充当するものとする。このタイヤはトレッドゴム本体が単一配合のトレッドゴムからなる場合であり、ただし長尺未加硫トレッドゴムとしては一対のミニサイドウォールゴムを幅方向両側に備えるものを含む。
【0024】
また別種の上記低転がり抵抗タイヤの場合は、請求項8に記載した発明のように、一体複合未加硫ゴムをタイヤ用長尺未加硫トレッドゴムとし、最小押出量のゴムは導電性に優れるゴム組成物とし、残余のゴムのうち2種のゴムは低導電性のゴム組成物とし、この2種の低導電性ゴム組成物を製品タイヤにてトレッド部のキャップゴム及びベースゴムとなるゴムにそれぞれ充当し、このキャップゴム及びベースゴムを踏面幅方向に分断してタイヤ放射方向全高さにわたり延びる狭幅層となる縦ゴム層に最小押出量の導電性に優れるゴム組成物を充当するものとする。この場合も長尺未加硫トレッドゴムとしては一対のミニサイドウォールゴムを幅方向両側に備えるものを含む。
【0025】
さらにまた他の種類の上記低転がり抵抗タイヤの場合は、請求項9に記載した発明のように、一体複合未加硫ゴムをタイヤ用長尺未加硫トレッドゴムとし、最小押出量のゴムは導電性に優れるゴム組成物とし、残余のゴムのうち2種のゴムは低導電性のゴム組成物とし、この2種の低導電性ゴム組成物を製品タイヤにてトレッドキャップゴム及びトレッドベースゴムとなるゴムにそれぞれ充当し、このトレッドキャップゴム及びトレッドベースゴムを踏面幅方向に分断してタイヤ放射方向全高さにわたり延びる狭幅層となる縦ゴム層並びにこの狭幅層に連結してトレッドベースゴムとベルトとに接触配置したトレッドアンダークッションゴムとなる薄ゲージ広幅ゴム層の双方に最小押出量の導電性に優れるゴム組成物を充当するものとする。ここでも長尺未加硫トレッドゴムとしては一対のミニサイドウォールゴムを幅方向両側に備えるものを含む。
【0026】
ここに上記ゴム組成物に関しては、請求項10に記載した発明のように、導電性に優れるゴム組成物はカーボンブラックを主たるゴム補強剤として含有し、低導電性ゴム組成物はシリカを主たるゴム補強剤として含有するものであり、また狭幅縦ゴム層に関しては、請求項11に記載した発明のように、導電性に優れる狭幅縦ゴム層を、製品タイヤにてトレッドゴム本体又はトレッドキャップゴム及びトレッドベースゴムとなるべき押出し未加硫トレッドゴムの幅方向中央領域に位置させ、狭幅縦ゴム層の幅を0.05〜3.5mmの範囲内とするものである。
【0027】
ここでタイヤとしては、まず汎用タイヤについて、請求項12に記載した発明のように、請求項6に記載した押出方法により押出した一体複合未加硫トレッドゴム部材をベルト部材と共に、タイヤ成型工程にて、予め張合わせた一対のビードコア間にわたる未加硫カーカス部材及びその外側の一対の未加硫サイドウォールゴム部材に張付けて未加硫タイヤとし、この未加硫タイヤに加硫成型を施し、トレッド部と一対のサイドウォール部及び一対のビード部と形成して成ることを特徴とするタイヤである。
【0028】
次に先に幾度か触れた優位な低転がり抵抗タイヤに関しては、請求項13に記載した発明のように、トレッド部の外周側に位置するトレッドゴムと、トレッド部両側に連なる一対のサイドウォール部の外側に位置するサイドウォールゴムとを備え、トレッド部とサイドウォール部とを一対のビード部内にそれぞれ埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライ以上のラジアルカーカスと、該カーカス外周でトレッド部を強化するベルトとを有する空気入りタイヤにおいて、上記トレッドゴムは、前記の請求項7〜11に記載した押出方法に従い押出した一体複合未加硫トレッドゴム部材をベルト部材と共に、タイヤ成型工程にて、予め張合わせた一対のビードコア相互間にわたる未加硫カーカス部材及び一対の未加硫サイドウォールゴム部材に張付けて未加硫タイヤとし、この未加硫タイヤに加硫成型を施して成ることを特徴とするタイヤである。
【0029】
また請求項13に記載したタイヤの特徴は、請求項14に記載した発明のように、トレッドゴムはトレッド部幅中央領域に導電性に優れる狭幅縦ゴム層を有し、該ゴム層の幅が0.05〜3.5mmの範囲内にあるものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態例のうち、まず未加硫ゴム押出方法の実施の形態例を図1〜図16に基づき説明する。
図1は、この発明の押出方法を実施するための一例の未加硫ゴム押出装置の簡略図解による斜視図であり、
図2は、この発明の押出方法を実施するための他の例の未加硫ゴム押出装置の簡略図解による斜視図であり、
図3は、図1及び図2に示す小容量押出機と押出ヘッドの一部との係合状態における側面図であり、
図4は、図3に示す小容量押出機と押出ヘッドとの係合手段例を示す平面図であり、
図5は、押出ヘッドに挿入する3個のブロック及びダイ組立体の断面斜視図であり、
図6は、押出ヘッドに挿入した状態の図5に示すブロック及びダイ組立体の正面図であり、
図7は、図5に示す例とは別の3個のブロック及びダイ組立体の断面斜視図であり、
図8は、押出ヘッドに挿入した状態の図7に示すブロック及びダイ組立体の正面図であり
図9は、ミニブロックを含む4個のブロック及びダイ組立体の断面斜視図であり、
図10は、押出ヘッドに挿入した状態の図9に示すブロック及びダイ組立体の正面図であり、
図11〜図13はミニブロックの平面図、側面図及び正面図である。
図14、15は、ミニブロックを含む他の例の4個のブロック及びダイ組立体の断面斜視図であり、
図16は、押出ヘッドに挿入した状態の図15に示すブロック及びダイ組立体の正面図である。
【0031】
以下述べるところは、一体複合未加硫ゴムの代表例として一体複合未加硫トレッドゴムを取り上げるものとし、図1に示す未加硫ゴム押出装置1は、従来の据え付け固定タイプのトリプル押出機2、3、4と、これらトリプル押出機の先端部を結合した押出ヘッド5に別途連結係合させた小容量押出機6とを有する新規なクォドルップルタイプ押出装置1(以下押出装置1と略記する)の構成を有し、この押出装置1の各押出機2、3、4、6に供給する未加硫ゴムは基本として3種乃至4種の互いに異なる配合組成になる。押出装置1の稼働状態の下で矢印X方向へ押出される一体複合未加硫トレッドゴム7はその断面が4層乃至5層の構成を有し、長尺物として同じ矢印X方向へ移動するベルトコンベア8により定長裁断装置(図示省略)へ向け搬送される。
【0032】
図2に示す未加硫ゴム押出装置1Aは、図1に示す押出装置1から、例えば押出機4を除いた従来の据え付け固定タイプのデュアル押出機2、3と、これらデュアル押出機2、3の先端部を結合した押出ヘッド5に別途連結係合させた小容量押出機6とを合わせ有する新規なトリプルタイプ押出装置1A(以下押出装置1Aと略記する)の構成を有し、この押出装置1Aの各押出機2、3、6に供給する未加硫ゴムは基本として3種の互いに異なる配合組成になり、このときの押出し一体複合未加硫トレッドゴム7は3層乃至4層の構成を有す。
【0033】
またこの発明に従う他の未加硫ゴム押出装置は、図2に示す押出装置1Aから、例えば押出機3を除いた従来のシングル押出機2と小容量押出機6とを組み合わせた新規なデュアルタイプ押出装置1B(図示省略、以下押出装置1Bという)をも含み、この押出装置1Bに供給する未加硫ゴムは2種の互いに異なる配合組成になり、押出し一体複合未加硫トレッドゴム7は2層乃至3層をなす。押出装置1、1A、1Bにおける小容量押出機6は一体複合未加硫トレッドゴム7のうち最小容積を占めるゴム種を押出す最小押出量を担うものとし、残余のゴム種は押出機2、3、4により押出す。
【0034】
図1に示す押出装置1の各押出機2〜4、6は、各シリンダ内に収容したスクリュー(図示省略、通常はシングルスクリュー、ツインスクリューでも可とする)を回転駆動させる駆動手段(詳細図示省略)2D、3D、4D、6Dと、4種の互いに異なる配合組成になる未加硫ゴムをシリンダ内に供給するホッパ2H、3H、4H、6Hとを有し、図2に示す押出装置1Aも押出機2、3、6の駆動手段2D、3D、6Dと、上記同様互いに異なる3種の未加硫ゴムを受け入れるホッパ2H、3H、6Hとを有する。
【0035】
図1、2において、押出ヘッド5の下方に位置するブロック9は、小容量押出機6から押出される未加硫ゴムを受入れ、受入れた未加硫ゴムを後に詳述するダイ背面まで導く流路を有する。対をなすクランプ装置10により、ブロック9はそれと合体した他のブロック(インサートブロック、後述する)及びダイ(図示省略、後述)と共に押出ヘッド5内にクランプされ、押圧固定される。クランプ装置10は図示を省略した駆動手段により軸線Y回りに両端矢印a、b方向へ旋回自在であり、図示のクランプ装置10は押出装置1、1Aが稼働しているときのブロック9の押圧固定位置を示す。ブロック9、他のブロック及びダイを押出ヘッド5から取り出すときは、クランプ装置10を矢印b方向へ旋回させクランプ動作を解除する。
【0036】
図3において、小容量押出機6は駆動手段6Dと支持部材12とによりプレート台13に据え付け、プレート台13は前後移動が可能な手段、図示例では回転自在な小型車輪14を備え、小容量押出機6は床F上を移動可能とする。駆動手段6Dはモータ6D−1と、その回転を小容量押出機6のスクリュウに伝達する伝達手段(図示省略)及びスクリュウの軸支手段と、これら伝達手段及び軸支手段を覆うハウジング6D−2とを有し、いずれも従来慣用の手段で良い。
【0037】
図3及び図4を合わせ参照して、小容量押出機6にはアクチュエータとして一対の複動乃至単動シリンダ15を扇状に配置し、シリンダ15のピストンロッド16先端には掛け止め具17を設ける。さらに各シリンダ15はピストンロッド16の反対側を小容量押出機6の外筒に設けたフランジ18に固着した支持部材にヒンジ連結する。このとき小容量押出機6のシリンダ中心軸線とシリンダ15の中心軸線とはほぼ同一水平面上に位置するのが望ましい。各シリンダ15はヒンジ連結中心19を旋回中心として図4の両端矢印c、d方向に旋回自在である。
【0038】
押出稼働に際し、小容量押出機6を押出ヘッド5に向け前進させ、小容量押出機6の押出先端部6−1の先端をブロック9の未加硫ゴム流路H1 、H2 (詳細は後述、図3の破線参照)の外部への開放開口部に嵌め合わせた後、シリンダ15を矢印c方向に旋回させ、ピストンロッド16先端の掛け止め具17を押出ヘッド5に設けたストッパ部材20に係合させ、シリンダ15のピストンロッド16側チャンバに加圧流体、例えば加圧油乃至加圧空気を供給し、掛け止め具17に矢印e方向の力を作用させる。この力は小容量押出機6の未加硫ゴム押出し時の背圧に十分に対抗し、これにより未加硫ゴム押出稼働時における小容量押出機6の押出先端部6−1の先端部とブロック9の未加硫ゴム流路9f開口部との間の互いに緊密な連通を保証する。そのため押出先端部6−1は先端に向け先細りをなすテーパ状とするのが良い。
【0039】
押出非稼働時に小容量押出機6を押出ヘッド5から退避させるときは、シリンダ15に供給している圧力流体を排出し、シリンダ15が複動式であれば反ピストンロッド側チャンバに加圧流体を供給し、掛け止め具17をストッパ20から引き離し、シリンダ15を矢印d方向に旋回させて一層の開扇状態とすればよい。シリンダ15の旋回は手動であっても、一対のシリンダ15に別のアクチュエータを取付けて自動化を図ってもよい。
【0040】
ここに小容量押出機6は一体複合未加硫トレッドゴムのゴム質構成に従い自在に交換することができ、小容量押出機6による最小押出量EMIN と、他の押出機2、3、4のうち最大容量の押出機による最大押出量EMAX との比EMIN /EMAX は1/6〜1/180の範囲内にあるのが好ましい。タイヤ用未加硫トレッドゴム7の場合では実際上、押出機2、3、4又は押出機2、3が500〜3000kg/hの範囲内の押出量を有し、小容量押出機6が10〜60kg/hの範囲内の押出量を有するのが適合する。
【0041】
以上述べたところを共通とし、まず先に、図1〜図4に示す押出装置1、1Aに図5〜8に示す3個のブロック9、21(21A)、22(22A)を組み付けて図17、18に断面を例示する汎用タイヤ用未加硫トレッドゴム7を押出す場合を説明し、その後に図1〜図4に示す押出装置1、1Aに図9〜16に示す4個のブロック9、21B、22B、25を組み付けて図19〜図21に断面を例示する低転がり抵抗・高導電性タイヤ用未加硫トレッドゴム7を押出す場合を説明する。
【0042】
ここに図22に示す汎用タイヤ40のトレッド部41に用いる未加硫トレッドゴムは、製品タイヤ40にて、トレッドキャップゴム47となる未加硫ゴムC、トレッドベースゴム48となる未加硫ゴムB、最小容積を占めるトレッドアンダークッションゴム49となる未加硫ゴムA及びミニサイドウォールゴム50となる未加硫ゴムMsの一体複合未加硫トレッドゴム7である。未加硫ゴムC、B、Msは慣例の配合組成物である。
【0043】
図5の左下は断面側であり、押出される一体複合未加硫トレッドゴム7の図示は省略して矢印7で代用し、図5の断面側と対向する右上が小容量押出機6の押出先端部6−1側である。図5、6において、ダイ23は押出ゴム7の底面を形成するバックダイ24と共に押出口金を形成し、ダイ23及びバックダイ24は未加硫ゴム流路を形成するインサートブロック21、22と、ダイホルダと呼ばれるブロック9とにより保持され、これら全体がクランプ装置10により押出ヘッド5内部にクランプ固定される。ブロック9はその上部にインサートブロック21、22を嵌め合わせる凹凸係合部を有し、押出ヘッド5外部で容易に組立自在及び分解自在である。
【0044】
図示例のブロック9は互いに平行に延びる2本のアーム部とそれらの基底部とを有する一体の凹形状(コの字形状)を有し、押出ヘッド5に固定した状態で小容量押出機6の押出先端部6−1側にブロック9の基底部を位置させる。図示例ではこの基底部はほぼ両アーム中間位置でアームが延びる方向に円柱状穴9H1 を有し、穴9H1 は押出ヘッド5の外部に開放された開口部9hを有し、押出稼働時に開口部9hから穴9H1 内部に小容量押出機6のテーパ状押出先端部6−1を緊密に収容し、穴9H1 を未加硫ゴムAの最初の流路とする。
【0045】
さらにバックダイ24を介しブロック9に嵌め合わせたインサートブロック21とブロック9との間の空間を未加硫ゴムAの第二の流路9H2 とし、最初の流路9H1 を第二の流路9H2 に連通させる穴を流路9H1 の延長として別途設ける。図5に示す流路9H2 はトレッドアンダークッションゴム用未加硫ゴムAの流路であり、該ゴムは押出し一体複合未加硫トレッドゴム7の底面に位置させるので流路9H2 に連通するスリット状流路9H3 をバックダイ24の背面とブロック21のバックダイ24側面との間に設ける。つまり未加硫ゴムAのブロック9における流路は、ブロック9の開口部9hから流路9H1 、9H2 を経てスリット状流路9H3 終端までにわたる間の流路領域を、以下に説明する他の未加硫ゴム流路から遮断した独立流路領域とする。
【0046】
図1、図5及び図6を合わせ参照して、稼働する押出装置1において、例えば、押出機2に供給した未加硫ゴムC、押出機3に供給した未加硫ゴムB及び押出機4に供給した未加硫ゴムMsはそれぞれ各押出機内を経て押出ヘッド5に向け押出され、押出ヘッド5内の未加硫ゴム流路5C、5B、5Msを経てインサートブロック21、22が形成する各流路に送り込まれる。
【0047】
各流路に送り込まれた各未加硫ゴムC、B、Msはそれぞれ、図5、6に示すように、未加硫ゴム適用区分に応じて形成された、ダイ23及びバックダイ24に向かうインサートブロック21、22の凹部流路を矢印方向に流動し、ダイ23及びバックダイ24から一体複合未加硫トレッドゴム7として矢印方向へ押出される。このとき図示を省略したが一対のミニサイドウォールゴムMsは、押出ヘッド5から二つに分流させた二本の流路5Ms(一方のみ示す)からインサートブロック21、22の間に形成した流路に送り込まれる。
【0048】
その一方で、小容量押出機6から押出される最小押出量の未加硫ゴムAは、独立流路を形成する開口部9h、流路9H1 、9H2 、スリット状流路9H3 を順次流動して該流路9H3 の押出し終端縁からバックダイ24押出面と未加硫ゴムBとの間で所定の薄ゲージ、例えば0、5〜3.0mmの範囲内のゲージを保持し、未加硫ゴムC、B、Msと共に一体複合未加硫トレッドゴム7の底面側シート状ゴムとして押出される。この押出し一体複合未加硫トレッドゴム7の断面を図17に示す。図17において、一体押出ゴムとなった未加硫ゴムCe、Be、Mse、Aeは押出前の未加硫ゴムC、B、Ms、Aにそれぞれ符号eを付して示したものであり、押出前後で符号を区別した。以下同じである。
【0049】
別の形態例として、図22に示すタイヤ40のトレッド部41からトレッドアンダークッションゴム50を除いた未加硫トレッドゴムを押出す方法例について以下簡単に触れる。すなわち図2に示す押出装置1Aを用い、押出機2には未加硫ゴムCを、押出機3には未加硫ゴムBをそれぞれ供給し、押出ヘッド5に装着するブロックは、図7、8に示す3個のブロック9、21A、22Aであり、図5、6に示すブロック21、22から未加硫ゴムMs用流路を除いたものである。小容量押出機6には最小押出量の未加硫ゴムMsを供給し、押出先端部6−1をブロック9の開口部9hから流路9H1 と嵌め合い係合させ、ブロック9の流路9H1 、9H2 を未加硫ゴムMs用流路とする。
【0050】
ダイ23及びバックダイ24背面位置における未加硫ゴムC両側端部にて、ミニサイドウォールゴム49(図22参照)となるべき所定位置で、先のスリット状流路9H3 高さに比しより高い流路9H3A(破線にて示す)を平面で見て先細り状に、バックダイ24の背面とブロック21Aのバックダイ24側面との間に対として(図7は片側のみ示す)設ける。これにより一対の流路9H3Aを矢印方向へ押出される未加硫ゴムMsは一体複合未加硫トレッドゴム7断面でダイ23側に頂点を有する一対の三角形を形成する。このときの押出し一体複合未加硫トレッドゴム7の断面を図18に示す。
【0051】
以上述べた流路9H2 に連通するスリット状流路9H3 を経て押出される一体複合未加硫トレッドゴム7の底面シート状未加硫ゴムAe(図17参照)、同様に流路9H2 に連通する先細り状流路9H3Aを経て押出される一体複合未加硫トレッドゴム7の一対の断面三角形状未加硫ゴムMse(図18参照)それぞれの断面形状及び配置位置は、他の未加硫ゴム流路から遮蔽された独立流路を経てバックダイ24背面にて始めて他の未加硫ゴムと一体化されるので、容易に正確かつ適正なものとすることができ、押出し一体複合未加硫トレッドゴム7の品質が向上する。
【0052】
次に、導電性に優れる低転がり抵抗タイヤに適用する一体複合未加硫トレッドゴム7の押出方法を押出装置1を用いる場合と、押出装置1Aを用いる場合に分け以下説明する。
押出装置1は移動自在な小容量押出機6を含め装置とその動作並びに一体複合未加硫トレッドゴム7の押出方法は、これまで述べたところと基本は同一であり、異なる第一の点は、小容量押出機6に供給する最小押出量の未加硫ゴムEが導電性に優れる配合組成になる高導電性ゴムである一方、残余未加硫ゴムのうち少なくともキャップゴム47(図23、24参照)となる未加硫ゴムCnが、その詳細配合例は後述するとして、低導電性ゴム組成物、すなわちゴム補強剤としてシリカ主体配合になるゴム組成物になる点である。低転がり抵抗特性をさらに一層高めるためにはトレッドベースゴム48となる未加硫ゴムBnも上記同様のシリカ主体配合になる低導電性ゴム組成物であるのが好ましく、以下は未加硫ゴムBnも低導電性ゴム組成物であるとして説明する。よって各未加硫ゴムの符号は、以下の例でも用いるミニサイドウォールゴムとなる未加硫ゴムMsを除き、上記のように変える。
【0053】
図9、10及び図14〜図16に示すブロック9及びインサートブロック21B、22Bは、先に図5〜図8に基づき説明したブロック9、インサートブロック21、21A、22、22Aと基本は同じであり、異なるところはミニインサートブロック25を支持する凹部を有する点である。すなわち異なる第二の点は、押出ヘッド5に装着するブロックが、2個のブロック21B、22B相互間の低導電性未加硫ゴムCn、Bn流路凹部を橋架け横断するミニインサートブロック25を有する点である。
【0054】
図11〜図13を参照して、ミニインサートブロック25は平面がT字状をなし、頭部26と胴部27の頭部26寄り一部とがインサートブロック21Bの凹部に嵌まり合い、脚部27aがインサートブロック22Bの凹部に嵌まり合う。この嵌まり合い状態でインサートブロック21B、22B、25の表面は同一平面内にあるのが良い。胴部27の下方部分は空洞部28を有し、この空洞部28は少なくとも一部がダイ23及びバックダイ24に向け先細り状に絞られ、先細り先端に狭幅のスリット状開口部29を備える。開口部の幅wは1.0〜5.0mmの範囲内が適合する。
【0055】
ミニインサートブロック25をインサートブロック21B、22Bに嵌め合い装着した状態でミニインサートブロック25の空洞部28はブロック9の流路9H2 と連通し、スリット状開口部29はダイ23及びバックダイ24それぞれの背面近傍に位置する。押出稼働状態にて小容量押出機6に供給した高導電性未加硫ゴムEは、ブロック9の開口部9hから流路9H1 、9H2 終端部まで押出され流動する間に、ミニインサートブロック25の空洞部28内に流入し、図に示す矢印の向きに押出されスリット状開口部29から狭幅の層状ゴムとして低導電性未加硫ゴムCn、Bnを幅方向に分断しながらダイ23及びバックダイ24を介し他の未加硫ゴムと共に一体複合未加硫トレッドゴム7として押出される。
【0056】
このときインサートブロック21B、22Bの凹部流路断面形状を、図9、10及び図14〜図16に示すように、各未加硫ゴム流路入口からダイ23及びバックダイ24に向かって先細り状とし、かつインサートブロック21B、22B相互間の凹部流路全幅にわたりミニインサートブロック25のスリット状開口部29を位置させるので、狭幅の層状ゴムとして押出される高導電性未加硫ゴムEは、インサートブロック21B、22Bの凹部流路を矢印方向に流動する低導電性未加硫ゴムCn、Bnの中で途切れることなく、確実に低導電性未加硫ゴムCn、Bnを横断する狭幅縦ゴム層を形成しながら押出され、押出された一体複合未加硫トレッドゴム7の表面及び底面双方に縦ゴム層両終端面が現れる。
【0057】
図9、10に示すブロック9、インサートブロック21B、22B及びミニインサートブロック25は、先に述べたところと同様に流路9H2 に連通するスリット状流路9H3 を設けた例であり、この例における高導電性未加硫ゴムEの狭幅縦ゴム層は、製品タイヤでトレッドアンダークッションゴム49(図23参照)となる薄ゲージのシート状ゴムと一体であり、よって実際上の狭幅縦ゴム層の終端面は低導電性未加硫ゴムCn表面上のみに現れる。この例における押出し一体複合未加硫トレッドゴム7の断面を図19に示す。図19において高導電性ゴムEからなる押出部分を便宜上狭幅縦ゴム層Eeと薄ゲージのシート状ゴムEceとに符号分けしたが勿論同一ゴムであり、これら縦ゴム層Ee及びシート状ゴムEceのみに斜線を施した。以下同じである。
【0058】
図14に示すブロック9、インサートブロック21B、22B及びミニインサートブロック25は、スリット状流路9H3 を設けていない他は上記例と同じ例であり、この例における高導電性未加硫ゴムEの狭幅縦ゴム層の両終端面は押出された一体複合未加硫トレッドゴム7の表面及び底面双方に現れる。この例の押出し一体複合未加硫トレッドゴム7の断面を図20に示す。
【0059】
また図2に示す押出装置1Aによる一体複合未加硫トレッドゴム7の押出方法は、押出装置1から1基の押出機4を除いた他は先に説明したところと基本は同じであり、押出機2には製品タイヤで1種ゴムの単一トレッドゴム47(図25参照)となる低導電性未加硫ゴムCnを、押出機3には例えば一対のミニサイドウォールゴム50(図25参照)となる未加硫ゴムMsを、小容量押出機6には高導電性未加硫ゴムEをそれぞれ供給する。
【0060】
これに従い図15、16に示すインサートブロック21Bにはトレッドベースゴムとなる未加硫ゴムの流路は設けず、未加硫ゴムCn、Msはインサートブロック21B、22B相互間の流路壁面に沿ってダイ23及びバックダイ24に向け押出される。その一方で小容量押出機6から押出される高導電性未加硫ゴムEは、先に述べた通りブロック9の開口部9h、流路9H1 、H2 を経てミニインサートブロック25の空洞部28に流入し、開口部29から低導電性未加硫ゴムCnと共に、しかも低導電性未加硫ゴムCnを完全に分断する狭幅縦ゴム層としてダイ23及びバックダイ24から押出される。このときの押出し一体複合未加硫トレッドゴム7の断面を図21に示す。
【0061】
以上述べたところから、ミニインサートブロック25の開口部29から押出される高導電性未加硫ゴムEの流路を、他の低導電性未加硫ゴムCn、Bn及び未加硫ゴムMsそれぞれの流路から遮断して独立させ、かつダイ23及びバックダイ24それぞれの背面近傍に高導電性未加硫ゴムEの開口部29を位置させているので、全未加硫ゴム中で最小押出量EMIN である高導電性未加硫ゴムEを最大押出量EMAX である低導電性未加硫ゴムCn乃至低導電性未加硫ゴムCn、Bn中に押出すにもかかわらず、一体複合未加硫トレッドゴム7に所望の極狭幅ゲージt(図19〜21参照)をもつ高導電性縦ゴム層Eeを高精度で形成させることができる。ここにゲージtは0.05〜3.5mmの範囲内にあるのが好ましい。
【0062】
図19〜図21を参照して、一体複合未加硫トレッドゴム7の断面幅Wを4等分した幅1/4×Wを、中央平面CPの両側に振り分けた中央領域Rc内に高導電性縦ゴム層Eeを位置させるものとし、よってミニインサートブロック25の開口部29はダイ23の押出開口部の上記中央領域Rcに相当する領域内に位置させる。
【0063】
また図9、10に示すブロック9の流路9H2 に連通するスリット状流路9H3 から押出す、一体複合未加硫トレッドゴム7の薄ゲージ0.5〜3.0mmの底面シート状未加硫ゴムEce(図19参照)も、他の未加硫ゴム流路から遮蔽された独立流路を経てバックダイ24背面にて始めて他の未加硫ゴムと一体化されるので、容易に正確かつ適正な断面形状及び配置位置とすることができ、これにより高導電性縦ゴム層Eeと共に押出し一体複合未加硫トレッドゴム7の品質を高度なものとすることができる。
【0064】
ここに汎用タイヤ用一体複合未加硫トレッドゴム7を押出す場合と、低転がり抵抗・高導電性タイヤ用一体複合未加硫トレッドゴム7を押出す場合とを合わせて、押出装置1は、従来のトリプル押出機2、3、4と、これらトリプル押出機の先端部を結合した押出ヘッド5にクランプ装着したブロック9を介して別途連結係合させる小容量押出機6とによりクォドルップルタイプ押出装置とすることにより、押出装置1Aは、従来のデュアル押出機2、3と、これらデュアル押出機の先端部を結合した押出ヘッド5にクランプ装着したブロック9を介して別途連結係合させる小容量押出機6とによりトリプルタイプ押出装置とすることにより、まず、あらためて高価なクォドルップルタイプ押出装置やトリプルタイプ押出装置を新規に製造、設置する必要はなく、従来の押出装置に低価格の小容量押出機を連結するだけで済み、しかも押出量が10〜60kg/h程度の小容量押出機は遊休状態にあるものが多く、この場合は遊休設備の有効活用も含め、全体の設備投資額は比較にならぬ程小額で済み、合わせて余分な工場スペースを必要としないで良い大きな利点を有する。
【0065】
次に、一体複合未加硫トレッドゴム7のうち最小容積を占めるゴム種に合わせた小容量押出機6を組み合わせることにより、具体的には最小押出量の最大押出量に対する比が1/6〜1/180の範囲内である小容量押出機6を組み合わせることにより、最小容積ゴム種の最小押出量に煩わされることなく従来の押出機2、3、4の押出能力を十分に活用することができる結果、押出生産性は大幅に向上すると同時に押出し一体複合未加硫トレッドゴム7の品質も顕著に向上する。また一体複合未加硫トレッドゴム7の内容に従って小容量押出機6は交換自在であるから融通性に富み、押出生産性、品質向上に最適な小容量押出機6を選択することができる利点も合わせ有する。
【0066】
次に、最小押出量の未加硫ゴムA、Ms、Eそれぞれは、ブロック9の開口部9hからダイ23及びバックダイ24の背面近傍位置まで他の未加硫ゴムの流路から遮蔽された独立流路を押出され流動してくるので、他のより大きな押出量の未加硫ゴムの流動からの悪影響を受けることはなく、一体複合未加硫トレッドゴム7中で従来に比しより精密な断面形状を有し、かつ正確な位置を占めることができる。
【0067】
特にミニインサートブロック25の先細り空洞部28先端のスリット状開口部29から押出される高導電性未加硫ゴムEは、当然流路抵抗が低導電性未加硫ゴムCn、Bnに比しより高くなるため流動速度もより一層低速となるため、低導電性未加硫ゴムCn、Bnに引きずられてスリット状開口部幅wより狭幅となる傾向を示し、よって一体複合未加硫トレッドゴム7の中でt=0.05〜3.5mmの範囲内の極狭幅高導電性縦ゴム層Eeを中央領域Rcの所望位置に形成することができる。この極狭幅高導電性縦ゴム層により製品タイヤでのトレッドゴム47の高導電性縦ゴム層51(図23〜図25参照)に起因する偏摩耗発生もクラック発生も同時に阻止することができ、またトレッドパターンにおけるトレッド周方向溝を外した所望陸部位置に極狭幅高導電性縦ゴム層51を設けることができる。
【0068】
最後に、インサートブロック21、21A、21B及びインサートブロック22、22A、22Bはブロック9に上部から嵌め合い係合させているに止めているので、これらブロックを押出ヘッド5から取り出したとき、流路9H1 の一部を除き流路H2 、H3 、H3Aに残留する最小押出量の未加硫ゴムA、Ms、Eは、各インサートブロックをブロック9から取り外すことにより外部に露出するので容易に除去・清掃することができる。またミニインサートブロック25の空洞部28に残留する未加硫ゴムEも両端開放であるから取り出し清掃は容易であり、いずれも保守整備に手間を要することはない。また押出ヘッド5を改造する必要はなくブロック9及びインサートブロック21、21A、21Bの製造乃至改造とミニインサートブロック25の製造とで済むため低コストである。
【0069】
次に、この発明の未加硫ゴム押出方法を適用して製造したタイヤの実施形態例を図22〜図25に基づき説明する。
図22は、この発明の未加硫ゴム押出方法により押出した一体複合未加硫トレッドゴムを適用した汎用タイヤの断面図であり、
図23は、上記一体複合未加硫トレッドゴムを適用した低転がり抵抗タイヤの断面図であり、
図24は、上記一体複合未加硫トレッドゴムを適用した別の低転がり抵抗タイヤの断面図であり、
図25は、上記一体複合未加硫トレッドゴムを適用した他の低転がり抵抗タイヤの断面図であり、
いずれもタイヤ回転軸心を含む平面による断面図である。
【0070】
図22〜図25において、タイヤ40はトレッド部1と、その両側に連なる一対のサイドウォール部42と一対のビード部43とを有し、一対のビード部43内部に埋設したビードコア44相互間にわたり延びる1プライ以上(図示例は2プライ)のラジアルカーカス45と、ラジアルカーカス45の外周でトレッド部41を強化するベルト46とを備える。図22及び図23に示すトレッド部41は、ベルト46の外周側にトレッドキャップゴム47、トレッドベースゴム48、トレッドアンダークッションゴム49を有し、図24に示すトレッド部41は、ベルト46の外周側にトレッドキャップゴム47、トレッドベースゴム48を有し、図25に示すトレッド部41は、ベルト46の外周側に単一のトレッドゴム47を有し、トレッド部41の両側のミニサイドウォールゴム50はサイドウォール部42の外側のサイドウォールゴム52と接合し一体化する。
【0071】
ここに各未加硫部材を組み立ててタイヤ40を製造するには、未加硫タイヤ部材を組み立てる成型工程において、成型ドラムに巻付けたカーカスプライ45の内側プライの未加硫部材に一対のビードコア44の未加硫部材を適用して内側プライの未加硫部材を折返し、その上にカーカスプライ45の外側プライの未加硫部材を張合わせて2プライとし、この2プライの未加硫部材の外側に一対のサイドウォールゴム52の未加硫部材を張付けた後にこれを製品タイヤに近い形状まで膨張させ、これにベルト46の未加硫部材と一体複合未加硫トレッドゴム7とを張合わせて未加硫タイヤとし、これに加硫成型を施すものである。この成型工程は以下も全て同じである。
【0072】
図22に示すトレッド部41の各ゴムは図17に示す一体複合未加硫トレッドゴム7と対応し、トレッドキャップゴム47は未加硫ゴムCeに、トレッドベースゴム48は未加硫ゴムBeに、トレッドアンダークッションゴム49は小容量押出機6から押出した未加硫ゴムAeに、ミニサイドウォールゴム50は未加硫ゴムMseにそれぞれ相当する。図18に示す一体複合未加硫トレッドゴム7を適用したタイヤは、図示は省略したが、図22に示すトレッド部41からトレッドアンダークッションゴム49を除いた構成を有し、この場合はミニサイドウォールゴム50が小容量押出機6から押出した未加硫ゴムMseに相当する。図17に示す未加硫ゴムAeからなるトレッドアンダークッションゴム49及び図18に示す未加硫ゴムMseは共に高精度の断面形状及び正確な位置を有しているのでタイヤ40におけるトレッドアンダークッションゴム49及びミニサイドウォールゴム50の高精度を保証する。
【0073】
ここで図23〜図25に示すタイヤ40のトレッド部41は、汎用タイヤ40とは異なり、図19〜図21に示す一体複合未加硫トレッドゴム7を成型工程にて適用したものであり、図19〜図21に示す中央領域Rcに対応するトレッド部41の中央領域の厚さTが0.05〜3.5mmの範囲内の極狭幅の高導電性縦ゴム層(斜線を付す)51を有する一方、シリカ主体配合になる低導電性ゴムのトレッドキャップゴム47及びトレッドベースゴム48を有し、図23に示すトレッド部41は極狭幅の高導電性縦ゴム層51と一体で同一ゴムからなるトレッドアンダークッションゴム49を有する。
【0074】
なおタイヤの転がり抵抗はトレッドキャップゴム47及びトレッドベースゴム48又は単一トレッドゴム47の寄与率が高く、よってこれらのゴムにカーボンブラック主体配合に比しより低ロスの性質をもつシリカ主体配合ゴムを使用して低転がり抵抗特性を高めるものである。トレッドキャップゴム47及び単一トレッドゴム47のシリカ配合例を表1に示す。なおここで言う低導電性ゴムとは、25℃における体積抵抗率ρが108 Ω・cm以上であるゴムを、高導電性ゴムとは体積抵抗率ρが106 Ω・cm未満であるゴムを指す。表1の下段に体積抵抗率ρの値を併せ示す。
【0075】
【表1】
【0076】
ここにベルト46を含めカーカスプライ45を取り巻くゴムは全て慣例に従うカーボンブラック多量配合になり、よってビード部43からベルト46の外周面に至る部分は高導電性の性質を有し、図23に示す高導電性トレッドアンダークッションゴム49は極狭幅の高導電性縦ゴム層51と一体でベルト46と接触配置になり、図24、25に示す極狭幅の高導電性縦ゴム層51のタイヤ半径方向内側端がベルト46と接触配置になる一方、高導電性縦ゴム層51のタイヤ半径方向外側端はいずれもトレッド部41の表面に位置するので、車両に発生した静電気は金属製ホイール(ディスク及びリム)からビード部43とベルト46とを経て高導電性縦ゴム層51を介し路面に常時放電される。高導電性縦ゴム層51の厚さT=0.2mmの場合とT=2.0mmの場合の配合例を表2に示す。なおT=2.0mmの場合の配合例は2例とし、ゴム部分は共通とした。表2でも表1に記載したトレッドゴム47の体積抵抗率ρを併せ示す。
【0077】
【表2】
【0078】
高導電性縦ゴム層51の厚さTは0.05〜3.5mmの範囲内に収めることができるので、このような極狭幅の高導電性縦ゴム層51であれば、該ゴム層51周囲のシリカ主体配合ゴムの摩耗速度に合わせて摩耗が進むためトレッドキャップゴム(単一トレッドゴム)47に偏摩耗が発生するうれいは全く生じることはなく、かつ極小容積であるため低転がり抵抗特性を損なうことはない。なおタイヤ赤道面Eqは一体複合未加硫トレッドゴム7の幅Wの中央平面Cpとほぼ一致する。
【0079】
【発明の効果】
この発明の請求項1〜11に記載した発明によれば、移動自在かつ交換自在な小容量押出機を既設の押出装置に1台付加することにより、設備投資額を最小限に抑えた上で押出量に大きな差を有する多種配合組成未加硫ゴムの一体押出しに対応することが可能となり、しかも小容積ゴム種を含む未加硫複合ゴム、好適にはタイヤ用一体複合未加硫トレッドゴムの押出生産性を高めて製造コスト低減を可能とし、かつ小容積ゴム種の形状及び配置を高精度とし、特に低転がり抵抗タイヤ用一体複合未加硫トレッドゴムのシリカ主体配合の低導電性未加硫トレッドゴム中に高導電性未加硫縦ゴム層を高精度で極狭幅に形成することが可能な未加硫ゴム押出方法を提供することができ、
この発明の請求項12〜14に記載した発明によれば、上記請求項1〜11に記載した発明により押出した一体複合未加硫トレッドゴムを適用することにより汎用タイヤでは低製造コストでかつ高精度のトレッドゴムを備えるタイヤを提供することができ、特に低転がり抵抗タイヤに有利である一方静電気の放電には不利ななシリカ主体配合トレッドゴム中に高精度で極狭幅の高導電性縦ゴム層を有し、それ故この縦ゴム層によるトレッドゴムの偏摩耗発生及びクラック発生を阻止することができ、優れた低転がり抵抗と十分な静電気放電性を兼ね備えたタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の未加硫ゴム押出方法を実施するための押出装置例の簡略図解による斜視図である。
【図2】この発明の未加硫ゴム押出方法を実施するための別の押出装置例の簡略図解による斜視図である。
【図3】図1、2に示す小容量押出機と押出ヘッドの一部との係合状態における側面図である。
【図4】図3に示す小容量押出機と押出ヘッドとの係合手段例を示す平面図図である。
【図5】押出ヘッドに挿入する3個のブロック及びダイ組立体の断面斜視図である。
【図6】押出ヘッドに挿入した図5に示すブロック及びダイ組立体の正面図である。
【図7】図5に示す例とは別の3個のブロック及びダイ組立体の断面斜視図である。
【図8】押出ヘッドに挿入した図7に示すブロック及びダイ組立体の正面図である。
【図9】ミニブロックを含む4個のブロック及びダイ組立体の断面斜視図である。
【図10】押出ヘッドに挿入した図9に示すブロック及びダイ組立体の正面図である。
【図11】ミニブロックの平面図である。
【図12】ミニブロックの側面図である。
【図13】ミニブロックの正面図である。
【図14】ミニブロックを含む他の例の4個のブロック及びダイ組立体の断面斜視図である。
【図15】ミニブロックを含む別の例の4個のブロック及びダイ組立体の断面斜視図である。
【図16】押出ヘッドに挿入した図15に示すブロック及びダイ組立体の正面図である。
【図17】図5、6に示す3個のブロック及びダイ組立体を用いて押出した一体複合未加硫トレッドゴムの断面図である。
【図18】図7、8に示す3個のブロック及びダイ組立体を用いて押出した一体複合未加硫トレッドゴムの断面図である。
【図19】図9、10に示す4個のブロック及びダイ組立体を用いて押出した一体複合未加硫トレッドゴムの断面図である。
【図20】図14に示す4個のブロック及びダイ組立体を用いて押出した一体複合未加硫トレッドゴムの断面図である。
【図21】図15、16に示す4個のブロック及びダイ組立体を用いて押出した一体複合未加硫トレッドゴムの断面図である。
【図22】図17に示す一体複合未加硫トレッドゴムを適用したタイヤの断面図である。
【図23】図19に示す一体複合未加硫トレッドゴムを適用したタイヤの断面図である。
【図24】図20に示す一体複合未加硫トレッドゴムを適用したタイヤの断面図である。
【図25】図21に示す一体複合未加硫トレッドゴムを適用したタイヤの断面図である。
【符号の説明】
1、1A 未加硫ゴム押出装置
2、3、4 押出機
2D、3D、4D、6D スクリュウ駆動手段
2H、3H、4H、6H ホッパ
5 押出ヘッド
5C、5B、5Ms 押出ヘッド内未加硫ゴム流路
6 小容量押出機
7 一体複合未加硫トレッドゴム
8 ベルトコンベア
9 ブロック
9h 開口部
9H1 、9H2 、9H3 、9H3A ブロック内未加硫ゴム流路
10 クランプ装置
12 支持部材
13 プレート台
14 小型車輪
15 シリンダ
16 ピストンロッド
17 掛け止め具
18 フランジ
19 ヒンジ連結中心
20 ストッパ
21、21A、21B、22、22A、22B インサートブロック
23 ダイ
24 バックダイ
25 ミニインサートブロック
26 頭部
27 胴部
27a 脚部
28 空洞部
29 スリット状開口部
40 タイヤ
41 トレッド部
42 サイドウォール部
43 ビード部
44 ビードコア
45 ラジアルカーカス
46 ベルト
47 トレッド(キャップ)ゴム
48 トレッドベースゴム
49 トレッドアンダークッションゴム
50 ミニサイドウォールゴム
51 高導電性縦ゴム層
52 サイドウォールゴム
A、B、C、Ms、E 高導電性未加硫ゴム
Bn、Cn 低導電性未加硫ゴム
Ae、Be、Ce、Mse、Ee 一体複合未加硫トレッドゴムのゴム種
Bne、Cne 一体複合未加硫トレッドゴムのゴム種
w スリット状開口部幅
W 一体複合未加硫トレッドゴム幅
Rc 一体複合未加硫トレッドゴム中央領域
t 一体複合未加硫トレッドゴムの高導電性縦ゴム層幅
T タイヤトレッドゴムの高導電性縦ゴム層幅
Eq タイヤ赤道面
Claims (11)
- 配合組成が異なる2種以上の未加硫のゴムをそれぞれ2台以上の押出機に個別に供給して押出ヘッドが有する複数個のゴム流路形成用ブロックの複数流路に導き、ゴム種別毎に押出量が異なる2層以上の一体複合未加硫ゴムをダイから連続して押出す未加硫ゴム押出方法において、2種以上のゴム種のうち最小の押出量を有するゴムは、押出ヘッドの一つの流路に対し連通自在で、かつ押出ヘッドから離去自在な押出先端部を有する小容量の押出機に供給し、残余のゴム種のゴムは上記押出ヘッドを先端部に固着した据付け固定の押出機に供給し、これらの供給ゴムを押出ヘッド先端のダイから層分けして一体に押出すことを特徴とする未加硫ゴム押出方法。
- 押出ヘッドが有する複数個のブロックのうち最小のゴム押出量のゴムを受けるブロックはダイ背面に連なるゴム流路の、外部に開放された開口部を有し、この開口部に対し小容量押出機のゴム押出先端部を緊密に連通させる請求項1に記載した押出方法。
- 押出ヘッドに対し小容量押出機を押出稼働位置と非稼働の退避位置との間で移動自在とする請求項1又は2に記載した押出方法。
- 未加硫ゴムの最小押出量の最大押出量に対する比が1/6〜1/180の範囲内である請求項1〜3に記載した押出方法。
- 最小押出量のゴムを受けるブロックのゴム流路は、該ブロック開口部からダイ背面近傍位置までにわたる流路領域を他のゴム流路から遮断した独立領域とし、ダイ背面近傍領域にて最小押出量のゴムと他のゴムとを合流させ一体に押出す請求項1〜4に記載した押出方法。
- 一体複合未加硫ゴムをタイヤ用長尺未加硫トレッドゴムとし、最小押出量のゴムを、製品タイヤにて一対のミニサイドウォールゴム、トレッドベースゴム及びトレッドアンダークッションゴムとなるべきゴム部材のいずれか一のゴム部材に充当する請求項1〜5に記載した押出方法。
- 一体複合未加硫ゴムをタイヤ用長尺未加硫トレッドゴムとし、最小押出量のゴムは導電性に優れるゴム組成物とし、残余のゴムのうち少なくとも1種のゴムは低導電性のゴム組成物とし、この低導電性ゴム組成物を製品タイヤにてトレッドゴム本体となるゴムに充当し、このトレッドゴム本体を踏面幅方向に分断してタイヤ放射方向全高さにわたり延びる狭幅層となる縦ゴム層に最小押出量の導電性に優れるゴム組成物を充当する請求項1〜5に記載した押出方法。
- 一体複合未加硫ゴムをタイヤ用長尺未加硫トレッドゴムとし、最小押出量のゴムは導電性に優れるゴム組成物とし、残余のゴムのうち2種のゴムは低導電性のゴム組成物とし、この2種の低導電性ゴム組成物を製品タイヤにてトレッド部のキャップゴム及びベースゴムとなるゴムにそれぞれ充当し、このキャップゴム及びベースゴムを踏面幅方向に分断してタイヤ放射方向全高さにわたり延びる狭幅層となる縦ゴム層に最小押出量の導電性に優れるゴム組成物を充当する請求項1〜5に記載した押出方法。
- 一体複合未加硫ゴムをタイヤ用長尺未加硫トレッドゴムとし、最小押出量のゴムは導電性に優れるゴム組成物とし、残余のゴムのうち2種のゴムは低導電性のゴム組成物とし、この2種の低導電性ゴム組成物を製品タイヤにてトレッドキャップゴム及びトレッドベースゴムとなるゴムにそれぞれ充当し、このトレッドキャップゴム及びトレッドベースゴムを踏面幅方向に分断してタイヤ放射方向全高さにわたり延びる狭幅層となる縦ゴム層並びにこの狭幅層に連結してトレッドベースゴムとベルトとに接触配置したトレッドアンダークッションゴムとなる薄ゲージ広幅ゴム層の双方に最小押出量の導電性に優れるゴム組成物を充当する請求項1〜5に記載した押出方法。
- 導電性に優れるゴム組成物はカーボンブラックを主たるゴム補強剤として含有し、低導電性ゴム組成物はシリカを主たるゴム補強剤として含有する請求項7〜9に記載した押出方法。
- 導電性に優れる狭幅縦ゴム層を、製品タイヤにてトレッドゴム本体又はトレッドキャップゴム及びトレッドベースゴムとなるべき押出し未加硫トレッドゴムの幅方向中央領域に位置させ、狭幅縦ゴム層の幅を0.05〜3.5mmの範囲内とする請求項7〜10に記載した押出方法。
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