JP3859269B2 - 多層構造糸条 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水の拡散性、速乾性及び濡れ戻り防止性を備えたスポーツ、インナー等各種衣料用布帛に供される糸条に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、汗をかいたときにスポーツやインナー等の衣料を形成している糸の表面全体が濡れてべとついたり、又、乾燥性が悪いために汗をかいた後に冷え感を生じ、不快感を覚えることがある。
従来より、親水性のセルロース繊維と疎水性の合成繊維を複合し、セルロース繊維の吸汗作用と、合成繊維の拡散作用を利用してこの問題を改善しようとした糸条が知られている。
【0003】
その方法として、精紡交撚等により合成長繊維を芯に、セルロース短繊維を鞘に巻き付けた二層構造糸条により、芯の合成長繊維の毛細管現象を利用して水の拡散性を向上させようとしたもの、さらにはこの二層構造糸条の最外層に疎水性の合成長繊維を配置させて三層構造糸条とし、水分を内層のセルロース繊維に移行させることにより糸条表面への水の濡れ戻りを防止した糸条等が知られている。
しかしながら従来用いられている綿等のセルロース短繊維からなる紡績糸の場合は、短繊維部分が嵩高で多くの空隙をもつものとなり、この空隙に水が蓄えられると同時に、短繊維のため導水する繊維が寸断されることにより水の拡散が極めて妨げられるものであった。従って局部的に水を保持してしまうことによって乾燥性、水の濡れ戻り防止性が充分ではなかった。
【0004】
また、セルロースマルチフィラメント繊維と合成繊維とをエアー混繊やエアー混繊後仮撚等の方法で、単繊維を均一に交絡させて複合することにより、セルロースマルチフィラメント繊維のもつ吸水、吸湿特性と合成長繊維の拡散性、速乾性を複合したり、カバーリング等の方法により合成繊維を芯にセルロースマルチフィラメント繊維を鞘にして、吸水、吸湿性、水の拡散性を向上させる方法がある。
これらは、セルロース短繊維の複合に比べて水の拡散性は向上するものの、糸の表面に多くのセルロース繊維が露出しこれが水を含んでいるため、表面のべとつき感を完全に解消することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水の拡散性、速乾性及び濡れ戻り防止性を備えたスポーツ、インナー等各種衣料用布帛に供する糸条を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題について鋭意検討の結果、二層以上の多層構造糸条であって、最外層が単糸デニール0.1〜5dのマルチフィラメントの疎水性繊維で構成されており、内層及び/又は中間層の少なくとも一部が単糸デニール0.5〜10dのセルロースマルチフィラメント繊維で構成されている多層構造糸条又はそれからなる多層構造布帛によって、本発明の目的が達成されることを見い出し、本発明をなすに至った。
また、本発明は、下記の実施の態様をも包含する。
(1)セルロースマルチフィラメント繊維が、内層及び/又は中間層に、複合糸条の体積割合で2割以上を占めることを特徴とする請求項1又は2記載の多層構造糸条又は多層構造布帛。
(2)少なくとも最外層の疎水性繊維の割合が糸条側面の面積割合で6割以上を占めることを特徴とする請求項1又は2記載の多層構造糸条又は多層構造布帛。
(3)疎水性繊維の繊維表面が親水化されていることを特徴とする(1)又は(2)記載の多層構造糸条又は多層構造布帛。
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明ではセルロースマルチフィラメント繊維を内層及び/又は中間層の少なくとも一部に用いることが必要である。
即ち、セルロースマルチフィラメント繊維が持つ優れた吸水性により、水を瞬時に内層及び/又は中間層に吸収し、なおかつ、マルチフィラメント間の微細な空隙を利用して毛細管により水が広範囲に拡散されるものとなる。
【0008】
内層及び/又は中間層に用いられるセルロースマルチフィラメント繊維は、内層及び/又は中間層の少なくとも一部に用いられていればよく、その他の合成繊維や天然繊維、再生繊維と混繊されている状態でも良い。しかしながら水を瞬時に内層及び/又は中間層に吸収し、最外層に濡れ戻らなくするためには、セルロースマルチフィラメント繊維が、内層及び/又は中間層に、複合糸条全体の体積割合で2割以上、好ましくは3割以上であることが好ましい。
詳細には、本発明で用いられるセルロースマルチフィラメント繊維は、パルプやコットンリンターを原料とするビスコース法レーヨンや銅アンモニア法レーヨンのマルチフィラメント繊維のことを言い、その形態は原糸、加工糸のいずれであっても良い。
【0009】
また、単糸デニールやフィラメント数、断面形状も特に限定されものではないが、衣料用布帛としての消費物性、糸の加工性等を考えるとトータルデニールは20d〜300dであることが好ましく、単糸デニールは0.5d〜10dであることが必要である。
断面形状がWやC、L、Y等のように通常の○断面より表面積が大きくなる形状の方が、水を拡散させる毛管吸引力が増しより好ましい。
【0010】
更に、最外層に用いる糸は疎水性繊維であることが必要である。
例えば、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維が用いられる。その形態は原糸、加工糸のいずれであっても良い。
さらに紡績糸やマルチフィラメント繊維のいずれであっても良く、断面形状も特に限定されるものではないが、マルチフィラメント繊維であることが水の拡散性の点で必要である。
また、断面形状がWやC、L、Y等のように通常の○断面より表面積が大きくなる形状の方が、糸条表面の合成繊維側から供給された水を拡散すると同時に、内層及び/又は中間層のセルロースマルチフィラメント繊維に伝える毛管吸引力が増し、より好ましいものとなる。
【0011】
本発明に使用する合成繊維の繊度は、衣料用として用いることを考慮するとトータルデニールは20d〜300d、単糸デニールは0.1d〜10d程度が望ましい範囲である。
特に過酷な条件にも耐え得なければならないスポーツ衣料用布帛に供する場合には、1d〜5dがより好ましく、柔らかな肌触りや風合を重視するインナー衣料用布帛に供する場合には0.1〜3dがより好ましい。従って、衣料用布帛として単糸デニール0.1〜5dであることが必要である。
【0012】
この多層構造糸条の最外層が疎水性繊維であることによって、最外層の水分が内層及び/又は中間層のセルロースマルチフィラメント繊維に瞬時に拡散、移行し、最外層の水分が極めて減少するために、多層構造糸条の表面がさらっとしたものとなる。
さらに、セルロースマルチフィラメント繊維が、水を拡散させて内層側に保持するために、外からの圧力等により最外層に水が濡れ戻ることがないものとなる。
また、最外層を疎水性繊維で覆うことにより、セルロースマルチフィラメント繊維のもつ湿摩擦堅牢度、湿潤時強度、摩耗性等の物性的欠点もカバーできるものとなる。
【0013】
本発明で言う多層構造糸条とは、2層、3層あるいはそれ以上の層構造をしている糸条であり、2層構造以上の層構造糸条であればどのような層構造糸条であっても構わない。さらに本発明で言う多層構造糸条とは、最外層、内層及び/又は中間層の各層はそれぞれが完全に分離・独立している必要はなく、見かけ上、層構造になっている状態でも良く、各層を構成する糸条の単繊維が隣接する層を構成する糸条の単繊維と部分的に混ざっていても、又、多少逆転していても構わないものである。
しかしながら、少なくとも最外層の疎水性繊維の割合が糸条側面の面積割合で6割以上、好ましくは6.5割以上、より好ましくは6.5割〜8.5割であることが濡れ戻りを防止するために必要である。
【0014】
係る多層構造糸条は、どのような方法を用いて製造されても良く、例えばカバーリング機を用いたカバーリング方法で得られるものや、高速流体噴射ノズルを用いて2種類の異なる糸条をエアー交絡し引き続き仮撚加工する複合仮撚により、それぞれの捲縮度合によって一方が他方をカバーするような構造をとり、その結果層構造をなすもの、又は2種類の伸度の異なる糸条をエアー交絡させた後に仮撚加工する伸度差複合仮撚により、伸度の大きな糸条を伸度の小さな糸条に巻き付かせることで層構造となすもの、あるいは高速流体噴射ノズルを用いたエアー交絡加工法において、2種類の異なる糸条にフィード差を付けて送り出すことにより一方が他方に巻き付きカバーするような状態となり層構造をなすもの等が挙げられる。
【0015】
さらには、エアー交絡加工法で得られた層構造糸条に他の繊維糸条をカバーリングすることで、より多層の層構造糸条とすることも可能である。また2種類の異なる糸条を撚糸した合撚糸や、エアー交絡させた後に仮撚加工した複合仮撚糸を織編物とした後、染色加工等により2種類の糸条が持つそれぞれの収縮や、捲縮発現等の特性から一方が他方に巻き付き、編織物中で層構造となるような複合糸条であっても良い。
さらに、特に内層及び/又は中間層に位置するセルロースマルチフィラメント繊維に仮撚加工が施される場合は、嵩高で軽量、保温効果を有する多層構造糸条となる。
【0016】
また、本発明の多層構造糸条を構成する疎水性繊維の繊維表面は親水化している方が好ましい。
繊維表面の親水化によって、多層構造糸条の最外層での吸水速度がより速くなり、又、多層構造糸条の内層及び/又は中間層への水分移行速度や水分拡散速度も速くなる。その結果、水が滞ることなくより内層側へ移行しやすくかつ拡散しやすくなり、濡れ拡がり、乾燥性、濡れ戻り性がより良好となる。
【0017】
なお、本発明の多層構造糸条を構成する疎水性繊維の繊維表面を親水化する方法としては、どのような方法を用いても構わないが、例えば本発明の多層構造糸条を糸条のままチーズ形態に巻き上げ、先染加工の要領で親水化処理を行っても良いし、また本発明の多層構造糸条を織編物にした後、染色後加工処理として親水化処理を行っても良く、これらに限定されるものではない。親水化剤についてもポリエチレングリコール系樹脂剤のような公知の親水化剤を用いれば良く、その推奨する濃度で浸漬処理、パディング処理、スプレー処理等の推奨処方を用いて親水化処理を行えば良い。
また、本発明の多層構造糸条の最外層を構成する合成繊維が元々親水化しているものは、繊維表面の親水化は行っても良いが特別必要とするものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお本発明及び比較例の多層構造糸条の特性は、糸条を編地とした後に以下の評価方法により評価し、その結果は表1に示した。
<評価方法>
▲1▼ 拡散性:
ガラス板上に0.05ccの水滴を置き、作製した編地を水滴の上に置き、2分後の水の拡散面積(cm2 )を算出する。
【0019】
▲2▼ 濡れ戻り防止性:
ガラス板上に0.2ccの水滴を置き、作製した編地を水滴の上に置き1分間編地に水を吸水させる。引き続き編地を濾紙の上に置き、上から0.5g/cm2 の荷重を30秒間乗せ濾紙に濡れ戻った水分量aを測定し、濡れ戻り率を以下のように算出する。
濡れ戻り率(%)=a/0.2×100%
▲3▼ 乾燥性:
10cm角の編地に0.2ccの水を滴下し、ケット科学研究所製赤外線水分計により赤外線を照射して雰囲気温度を50℃にして水分を乾燥させて、編地が完全に乾燥するまでの時間を測定する。
【0020】
▲4▼ 濡れ感及びべとつき感:
ガラス板上に水滴0.2ccをおき、10cm角にした編地を水滴の上に載せ、0.3g/cm2 の荷重をかけながら30秒間編地に十分吸水させた後、男女各5名ずつ計10名のパネラー上腕部に吸水させた布帛をのせ、濡れ感及びべとつき感の官能評価を行う。結果は以下の様に評価する。
【0021】
(実施例1)
石川製作所DTB撚糸機により、50デニール/30フィラメントの銅アンモニア法レーヨン繊維と、75デニール/36フィラメントのポリエステル捲縮加工糸をZ−500T/Mで撚糸した。得られた糸により28GGシングル編機で天竺編地を作製した後、該編地に実施例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。
該天竺編地の目付は135g/m2 であり、この編地の糸を拡大して見ると、ポリエステル繊維が6.9割外層となり銅アンモニア法レーヨン繊維が内層となる多層構造糸条であった。該編地は水を瞬時に吸水し、吸水された水は複合糸条の内層側に移行して拡散し、表面への水の濡れ戻りは非常に少なくさらっとしており、又、乾燥性も良好なものであった。
【0022】
(実施例2)
イタリー撚糸機により、給糸速度10m/分の50デニール/30フィラメントの銅アンモニア法レーヨン繊維に対し、75デニール/24フィラメントのポリエステル繊維をスピンドル回転数1万5千rpm、撚数をZ−1500T/Mの条件でカバリングした。得られた糸はポリエステル繊維が7.8割外層となり銅アンモニア法レーヨン繊維が内層となる多層構造糸条であった。この多層構造糸条をオートクレーブにより120℃で20分間スチーム熱処理した後、28GGシングル編機で天竺編地を作製し、該編地は実施例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。
該天竺編地の目付は127g/m2 であった。該編地は水を瞬時に吸水し、吸水された水は複合糸条の内層側に移行して拡散し、表面への水の濡れ戻りは非常に少なくさらっとしており、又、乾燥性も良好なものであった。
【0023】
(実施例3)
村田機械335エアー加工機により、75デニール/24フィラメントのポリエステル繊維のフィード率を15%、50デニール/30フィラメントの銅アンモニア法レーヨン繊維のフィード率を5%とし、エアー圧7.0kg/cm2 でタスラン加工をした後、村田機械33H仮撚加工機でDR=0.98倍、加工速度300m/分、撚数2600T/M、ヒーター温度170℃で仮撚加工した。得られた糸はポリエステル繊維が6.8割外層となり銅アンモニア法レーヨン繊維とポリエステル繊維が内層となる多層構造糸条であった。
【0024】
この多層構造糸条により28GGシングル編機で天竺編地を作製した後、該編地を100℃で20分間精練、130℃で30分間染色を行った後、高松油脂(株)製SR−1000を5%owf用いて100℃で30分間親水化処理を行った。
該天竺編地の目付は131g/m2 であった。該編地は水を瞬時に吸水し、吸水された水は複合糸条の内層側に移行して拡散し、表面への水の濡れ戻りは少なくさらっとしており、又、乾燥性も良好なものであった。
【0025】
(実施例4)
村田機械335エアー加工機により50デニール/30フィラメントの銅アンモニア法レーヨン繊維と50デニール/24フィラメントのポリエステル繊維をフィード率1.5%、エアー圧1.5kg/cm2 でインターレース混繊し、さらに川製作所DTB撚糸機により、本混繊糸と、50デニール/24フィラメントのポリエステル捲縮加工糸をZ−500T/Mで撚糸した。得られた糸により28GGシングル編機で天竺編地を作製した後、該編地に実施例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。
【0026】
該天竺編地の目付は148g/m2 であり、この編地の糸を拡大して見ると、ポリエステル繊維が8.2割外層となり内層に2割の銅アンモニア法レーヨン繊維が存在する多層構造糸条であった。
該編地は水を瞬時に吸水し、吸水された水は複合糸条の内層側に移行して極めて広く拡散し、表面への水の濡れ戻りも極めて少なくさらっとしており、又、乾燥性も良好なものであった。
【0027】
(実施例5)
村田機械33H仮撚加工機により、75デニール/24フィラメントのポリエステル繊維と、50デニール/30の銅アンモニア法レーヨン繊維をフィード率を1.5%、エアー圧1.5kg/cm2 でインターレース加工をした後、DR=0.98倍、加工速度300m/分、撚数2600T/M、ヒーター温度170℃で仮撚加工した。得られた糸はポリエステル繊維が6割外層となりポリエステル繊維と銅アンモニア法レーヨン繊維が内層となる多層構造糸条であった。この多層構造糸条により28GGシングル編機で天竺編地を作成した後、該編地を実施例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。
該天竺編地の目付は128g/m2 であった。該編地は水を瞬時に吸水し、吸水された水は複合糸条の内層側に移行して極めて広く拡散し、表面への水の濡れ戻りは少なくべとつき感のないものであった。又、乾燥性も非常に良好であった。
【0028】
(比較例1)
村田機械335エアー加工機により、75デニール/24フィラメントのポリエステル繊維のフィード率を5%、50デニール/30フィラメントの銅アンモニア法レーヨン繊維のフィード率を15%とし、エアー圧7.0kg/cm2 でタスラン加工をした後、村田機械33H仮撚加工機でDR=0.98倍、加工速度300m/分、撚数2600T/M、ヒーター温度170℃で仮撚加工した。得られた糸は銅アンモニア法レーヨン繊維が6.3割、ポリエステル繊維が3.7割外層となり、ポリエステル繊維と銅アンモニア法レーヨン繊維が内層となる多層構造糸条であった。この多層構造糸条により28GGシングル編機で天竺編地を作成した後、該編地を実施例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。該天竺編地の目付は133g/m2 であった。該編地は水を瞬時に吸水し、水の拡散性も良好であったが、吸水された水は複合糸条の内層側に移行しにくく糸条表面に水を保持するため、表面への水の濡れ戻りも多くべとつき感のする編地であった。
【0029】
(比較例2)
村田機械33H仮撚加工機により、50デニール/24フィラメントのポリエステル繊維と、75デニール/45フィラメントの銅アンモニア法レーヨン繊維をフィード率を1.5%、エアー圧1.5kg/cm2 でインターレース加工をした後、DR=0.98倍、加工速度300m/分、撚数2600T/M、ヒーター温度170℃で仮撚加工した。得られた糸はポリエステル繊維が4.2割、銅アンモニア法レーヨン繊維が5.8外層となりポリエステル繊維と銅アンモニア法レーヨン繊維が内層となる多層構造糸条であった。この多層構造糸条により28GGシングル編機で天竺編地を作成した後、該編地を実施例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。
該天竺編地の目付は130g/m2 であった。該編地は水を瞬時に吸水するが、吸水された水は複合糸条の内層側に移行しにくく糸条表面に水を保持するため、表面への水の濡れ戻りがやや多くべとつき感のする編地であった。
【0030】
(比較例3)
イタリー撚糸機により、給糸速度10m/分の75デニール/24フィラメントのポリエステル繊維に対し、50デニール/30フィラメントの銅アンモニア法レーヨン繊維をスピンドル回転数1万5千rpm、撚数をZ−1500T/Mの条件でカバリングした。得られた糸は、銅アンモニア法レーヨン繊維が7.5割外層となりポリエステル繊維が内層となる多層構造糸条であった。この多層構造糸条をオートクレーブにより120℃で20分間スチーム熱処理した後、28GGシングル編機で天竺編地を作成し、該編地は実施例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。
該天竺編地の目付は125g/m2 であった。該編地は、外層から吸収した水は殆ど内層、中間層に移行することなく、外層で水を保持し、水の濡れ戻りが多くべとつき感のする編地であった。
【0031】
(比較例4)
石川製作所DTB撚糸機により、100番単糸の綿糸と、75デニール/24フィラメントのポリエステル加工糸をZ−500T/Mで撚糸した。得られた糸により28GGシングル編機で天竺編地を作製した後、該編地に実施例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。
該天竺編地の目付は130g/m2 であり、この編地の糸を拡大して見ると、ポリエステル繊維が6.8割外層となり綿糸が内層となる多層構造糸条であった。該編地は水を瞬時に吸水し、吸水された水は複合糸条の内層側に移行するが、内層での水の拡散が不十分なため、表面への水の濡れ戻りも多くべとつき感のする編地であった。又、乾燥性も悪かった。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明の多層構造糸条及び該糸条からなる多層構造布帛は、多層構造糸条表面に供給された水分が、内層及び/又は中間層へ素速く移行し、内層及び/又は中間層で拡散して保持されるために、外からの圧力等により多層構造糸条表面に水が濡れ戻ることが少なく、少量発汗時はもちろん多量発汗時においても表面がべとつかず、さらっとした快適な肌触りとなる布帛用の糸条となり、かつ乾燥性も優れ着用時及び着用後の冷え感や不快感も防止できる。
Claims (2)
- 二層以上の多層構造糸条であって、最外層が単糸デニール0.1〜5dのマルチフィラメントの疎水性繊維で構成されており、内層及び/又は中間層の少なくとも一部が単糸デニール0.5〜10dのセルロースマルチフィラメント繊維で構成されていることを特徴とする多層構造糸条。
- 請求項1記載の多層構造糸条からなることを特徴とする多層構造布帛。
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