JP3856559B2 - 不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浮遊ゲートを有し電気的に書換え及び消去可能な不揮発性半導体記憶装置で、EEPROMやフラッシュEEPROM(フラッシュメモリとも呼ばれる)と呼ばれる記憶装置に関するものである。EEPROMやフラッシュメモリは、例えば電子手帳、電話機、音声認識・記憶装置、コンピュータ等における信号処理回路の記憶装置や、携帯用機器の記憶装置などに用いるのに適する。
【0002】
【従来の技術】
電気的に書換え及び消去可能な不揮発性半導体記憶装置の中でフラッシュメモリが近年注目を浴び、業界全体で量産に向けた開発が盛んに行なわれている。従来のEEPROMは一般に単ビット消去を基本にしているのに対し、フラッシュメモリはブロック単位での消去を前提としており、使いにくい面もあるが、1ビットの単素子化やブロック消去等の採用により、DRAMに匹敵或いはそれ以上の集積度が期待できる次世代のメモリとして注目されており、その市場の大きさは計り知れない。
【0003】
フラッシュメモリに関して、これまでに各社から種々の構造・方式が提案されているが、一般に浮遊ゲート型の不揮発性メモリ素子が用いられている。浮遊ゲート型の不揮発性メモリ素子では、絶縁体で囲まれた浮遊ゲート電極中に電荷を保持し、制御ゲート電極にバイアスをかけたときにソース・ドレイン間にチャネルが形成される閾値電圧が、浮遊ゲート電極中の電荷量により変化することを利用してデータの記憶を行なっている点では共通している。しかし、書込、消去方法は各方式によって異なっている。
【0004】
最も一般的に知られているのが、図1に示す、いわゆるETOX型(NOR型とも呼ばれる)と呼ばれるものである。同図(C)がメモリ素子アレイの上面図で、(A)は(C)におけるA−A’線位置での断面図、(B)は(C)におけるB−B’線位置での断面図である。ETOX型では、半導体基板101に形成されたソース102とドレイン103の間のチャネル形成領域上に、ゲート絶縁膜を介して浮遊ゲート電極105が形成され、さらにその上に絶縁膜を介して制御ゲート電極106が形成されている。115は隣接するメモリ素子間を分離するフィールド酸化膜である。
【0005】
データの書込は、チャネルに電流を流した時にチャネルのドレイン側で発生したホットエレクトロンを浮遊ゲート電極105に注入することにより行なっている。また、データの消去は、浮遊ゲート電極105とソース102の間に高電界をかけたときにゲート絶縁膜中をトンネルして流れる電流(FN電流)により、ソース102に電子を引き抜くことにより行なっている。そして、読出しは、制御ゲート電極106にバイアスをかけたときにソース102からチャネルを経てドレイン103に電子が移動するか否かを識別することによって行なっている。図1及び他の図でも、図中の矢印で、Wは書込、Eは消去、Rは読出しの際の電子の移動を示している。
【0006】
このメモリ素子の特徴は構造が簡単であることであるが、欠点としては書込をチャネルのドレイン側で発生するホットエレクトロンによって行なっているため、チャネル電流に対する浮遊ゲート電極に注入される電流の比、すなわち書込効率が低く、そのため単一電源化が困難であること、また消去については、選択トランジスタを持たない構造のため過剰消去が発生する問題があり、プロセス的にも回路的にも非常に高度なものが要求される。
【0007】
図1(C)はこのメモリ素子をセルとしてアレイ状に並べた様子を示したものであるが、各メモリセルはフィールド酸化膜115で素子分離され、ソース102はチャネル幅方向にのびた拡散層(ソースライン)で連結されて共通電位になっている。制御ゲート電極106はソースライン102と平行にライン状に延び、この方向のセルで共通になっていて、ワードラインを構成している。また、ドレイン103はワードラインと直交するライン状の金属電極(これをビットラインと呼ぶ)124にコンタクトホール121を介して連結されている。そのようにアレイ状に並べられたセルのうちの特定のセルの選択は、ワードライン106とビットライン124をマトリックス選択することにより行なわれる。このように、ETOX型のセルではドレインにコンタクトホールが必要なため、この部分で面積を要し、セルの構造が簡単な割にはメモリ素子1個あたりの面積が大きくなってしまうという欠点もある。
【0008】
これらの欠点を一部解決するための方法として、SunDisk型の構造・方式(米国特許第5070032号、米国特許第5198380号を参照)、SST型の構造・方式(米国特許第5029130号、米国特許第5045488号、米国特許第5067108号を参照)、BMI型の構造・方式(米国特許第5280446号を参照)等がある。これらの3つに共通している点は、ドレインに隣接しソースとは距離をもってメモリ素子ごとに分離して形成された浮遊ゲート電極が設けられ、浮遊ゲート電極とソースの間の基板表面をセレクトチャネルとして、そのセレクトチャネル上にはゲート絶縁膜が形成され、浮遊ゲート電極の上部からセレクトチャネル上にわたって選択ゲート電極(選択ゲート電極ともいう)が配置されているという点であり、過剰消去の問題がなく、低電圧化や多値化にも極めて有利な構造をしている。これらは、セル構造・アレイ配置、また、消去・書込方式がそれぞれ若干異なっているだけで、その組合わせで互いに特徴を出している。それぞれを以下簡単に説明する。
【0009】
SunDisk型を図2に示す。同図(C)がメモリ素子アレイの上面図で、(A)は(C)におけるA−A’線位置での断面図、(B)は(C)におけるB−B’線位置での断面図である。制御ゲート電極204が浮遊ゲート電極205上を被い、かつ選択ゲート電極を兼ね、チャネル長方向(ソース202からドレイン203に向かう方向)に延び、ワードラインを構成している。ソース202とドレイン203は交互に配置され、いずれもワードライン204に対し直交する方向に延びてビットラインを構成している。このメモリアレイ方式はマトリクス選択するセル位置によってソースとドレインを変えていく、いわゆる仮想グランド型アレイ(Virtual-Ground-Array)方式をとっている。
【0010】
さらに、ワードライン204に挟まれるような形でライン状に配される消去ゲート電極207を有している。浮遊ゲート電極205、制御ゲート電極204及び消去ゲート電極207がそれぞれ異なる層のポリシリコン層で形成されており、3層ポリシリコン構造となっている。
【0011】
書込はもっとも一般的なCHE注入方式(ドレイン側からのホットエレクトロン注入)方式を、消去は浮遊ゲート電極205から消去ゲート電極207へのポリ−ポリ(ポリシリコン−ポリシリコン)間FNトンネル放出の方式を採用している。読出しはソースとドレインを反対にして行なう。これはリードディスターブ(読出し時に浮遊ゲート電極にホットエレクトロンが注入されてしまう現象)を抑える上で有利なためである。
【0012】
SunDisk型の特徴は、選択ゲート電極を有し、仮想グランド型アレイ方式で、かつ、ポリ−ポリ間FN消去を同時に実現していることである。この方式の利点として、
1)選択ゲート電極を有するため、過剰消去の問題がなく、低電圧化及び多値化が容易であること、
2)仮想グランド型アレイ方式なので、微細化・大容量化が容易であること、等が挙げられる。欠点としては、通常のCHE書込方式を用いているため、注入効率が悪く、単一電源化が困難であることが挙げられる。
【0013】
SST型を図3に示す。同図(C)がメモリ素子アレイの上面図で、(A)は(C)におけるA−A’線位置での断面図、(B)は(C)におけるB−B’線位置での断面図である。制御ゲート電極306が層間絶縁膜を介して浮遊ゲート電極305上に乗り上げ、かつセレクトチャネル上に延びることにより選択ゲート電極を兼ね、チャネル幅方向(ソース302からドレイン303に向かう方向と直交する方向)に延びてワードラインとなっている。また、ソース302がワードライン306に平行な方向に延び、ドレイン303はワードライン306と直交するライン状の金属電極(ビットライン)324にコンタクトホール321を介して連結されている。
【0014】
書込は注入効率の高いSSI(Source Side Injection:ソースサイドからのホットエレクトロン注入)方式を、消去は浮遊ゲート電極から制御ゲート電極へのポリ−ポリ間FNトンネル放出の方式を採用している。ここでも、リードディスターブに有利にするために、読出しの際は、ソースとドレインを反対にして用いる。
特徴としては、選択ゲート電極を有し、SSI書込方式が可能で、2層ポリシリコンプロセス(消去専用のポリシリコン層がない)で、かつポリ−ポリ間FN消去を同時に実現していることである。
【0015】
この方式の利点としては、
1)選択ゲート電極を有するため過剰消去の問題がなく、低電圧化及び多値化が容易であること、
2)SSI書込方式が可能なため、注入効率が高く、単一電源化に有利なこと、
3)2層ポリシリコン構造でありプロセスが容易なこと、
等が挙げられる。
【0016】
欠点としては、
1)この方式は浮遊ゲート電極とドレインの容量結合(カップリング)を利用する方式であり、ドレインが浮遊ゲート電極に大きくオーバーラップした構造になっているため、その部分の寸法増加があること、
2)メモリチャネル長(浮遊ゲート電極下のチャネル長)もセレクトチャネル長もセルフアライン化されていないこと、
3)ETOX型と同様にドレインコンタクトを必要とするNOR型構造のアレイであること、等の様々な面からセルサイズ縮小・大容量化に不利であることが挙げられる。
【0017】
BMI型を図4に示す。同図(C)がメモリ素子アレイの上面図で、(A)は(C)におけるA−A’線位置での断面図、(B)は(C)におけるB−B’線位置での断面図である。制御ゲート電極406が浮遊ゲート電極405上を被い、チャネル幅方向(ソース402からドレイン403に向かう方向と直交する方向)に延びて疑似ビットラインとなり、選択ゲート電極404がチャネル領域上を被いチャネル長方向(ソースからドレインに向かう方向)に延びてワードラインとなり、ソース402及びドレイン403がワードライン404に対し直交する方向に延びてビットラインとなる構造になっている。
書込は注入効率の高いSSI方式を、消去は浮遊ゲート電極からドレイン側へのFN消去の方式を採用している。ここでも、リードディスターブに有利にするために、読出しの際は、ソースとドレインを反対にして用いる。
【0018】
特徴としては、選択ゲート電極を有し、SSI書込方式が可能で、かつ、拡散層配線を用いたコンタクトレス方式の採用を同時に実現していることである。この方式の利点は、
1)選択ゲート電極を有するため、過剰消去の問題がなく、低電圧化及び多値化が容易であること、
2)SSI書込方式が可能なため、注入効率が高く単一電源化に有利なこと、
3)仮想グランド型アレイ方式と同様に拡散層配線を用いたコンタクトレス方式なので、SSTの仮想グランド型アレイ方式と同程度に微細化・大容量化が容易であること、等が挙げられる。
欠点としては、3層ポリシリコン構造をしているため、断差が高く、比較的製造が困難であることが挙げられる。
【0019】
上記4つの構造・方式において、SST型及びBMI型はSSI書込方式を用いており、書込効率はETOX型やSunDisk型のCHE方式に比べ書込効率は相対的に高い。しかし、低消費電力・単一電源化という観点から、事実上書込効率100%であるポリ−ポリ間FN電流を用いた書込方式が将来的には最も有効と考えられる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術で示した幾つかの構造・方式の欠点を解消し、低電圧、単一電源化、高集積化が容易な不揮発性半導体記憶装置を提供することである。具体的には、低電圧化・多値化が容易なスプリットゲート型方式で、低消費電力・単一電源化が容易なポリ−ポリ間FN電流による書込方式で、FN電流による消去方式で、かつ、高集積化が容易なコンタクトレスアレイ方式を同時に実現可能にする構造及び電気的手段を有する不揮発性半導体記憶装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
従来のスプリットゲート型不揮発性半導体記憶装置では前述の書込方式と消去方式を同時に満足するものが無かった。加えて、前述の書込・消去の方式を満足しながら、コンタクトレスNOR型のメモリアレイを実現したものがなかった。本発明ではこれらを全て満足し、低電圧、単一電源化、高集積化が容易な不揮発性半導体記憶装置を提供することができる。
【0022】
本発明は、低電圧化・多値化に有利なスプリットゲート型の不揮発性半導体記憶装置であって、低消費電力で単一電源化に有利なポリ−ポリ間のトンネル電流書込とドレイン又はウェル基板へのトンネル電流消去を満足する構造及び電気的手段を有するものである。また、そのような機能を満足しながら高集積化に有利なコンタクトレスメモリアレイ化(コンタクトレスNOR型、又は仮想グランド型)を実現する構造また電気的手段を有するものである。
【0023】
本発明による不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板又はウェルにドレイン及びソースが形成され、その基板上又はウェル上には絶縁膜を介し、ソースに隣接しドレインとは距離をもって複数のメモリ素子に共通の選択ゲート電極(スプリットゲート電極ともいう)が設けられ、ソース拡散層部分ではその上にゲート絶縁膜よりも厚く形成された酸化膜上に設けられ、選択ゲート電極の上面及び側面を絶縁膜を介して被い、選択ゲート電極とドレイン拡散層との間の基板上又はウェル上にはゲート絶縁膜を介し、ドレイン拡散層に隣接しメモリ素子ごとに分離して浮遊ゲート電極が設けられており、選択ゲート電極との間及び浮遊ゲート電極との間にそれぞれ絶縁膜を介して、浮遊ゲート電極と選択ゲート電極を跨ぐ制御ゲート電極が設けられており、選択ゲート電極と浮遊ゲート電極間でのトンネル電流書込を行なう電気的消去可能な不揮発性半導体メモリ素子を備え、制御ゲート電極−浮遊ゲート電極間の絶縁膜、及び浮遊ゲート電極−選択ゲート電極間の絶縁膜は、これらの3つのゲート電極が電気的に容量結合され、かつ浮遊ゲート電極−制御ゲート電極間の容量をCa、その間の絶縁膜の平均膜厚をTaとし、浮遊ゲート電極−選択ゲート電極間の容量をCb、その間の絶縁膜の平均膜厚をTbとしたとき、
Cb・Tb<Ca・Ta
なる関係を満たしている。
ウェルは半導体基板と電気的に分離されているものとすることもできる。
【0024】
本発明により達成される作用効果を挙げると、次のようになる。
1)スプリットゲート電極型の記憶装置は過剰消去の問題が無く、低電圧化及び多値化が極めて容易である。
2)ポリ−ポリ間トンネル書込方式は電子をダイレクトに注入する方式なので低消費電力で単一電源化に極めて有利である。付随的には、例えばチャージポンプ回路の縮小など、メモリへの供給電流が小さくて済むため周辺昇圧回路の負担が小さくて済み、延いては低電圧化にも有利といえる。ポリ−ポリ間トンネル電流の制御は動作が容易なので、リテンション耐性や酸化膜信頼性などの信頼性が高い。基板上に形成されるトンネル酸化膜が薄膜化に伴って信頼性の懸念がもたれているなか、ポリ−ポリ間トンネル書込は比較的厚い酸化膜でも電子のトンネルが容易という点で近年になって再度その信頼性が高く評価されるようになってきた。
3)ビットラインのコンタクトレス化はメモリサイズ縮小に直接寄与するもので高集積化には極めて有利である。
【0025】
本発明の具体的な例としての不揮発性半導体記憶装置を図5に示す。半導体基板に形成されたウェル基板1にソース2及びドレイン3が形成され、ソース2、ドレイン3は厚い酸化膜17により被われている。ウェル基板1上にはゲート絶縁膜11を介し、ソース2に隣接しドレイン3とは距離をもってチャネル幅方向(紙面垂直方向)に延びて複数のメモリ素子に共通の選択ゲート電極6が設けられ、ドレイン3に一部重なり、選択ゲート電極6とドレイン3との間のウェル基板1上をゲート絶縁膜12を介して被い、選択ゲート電極6の上面及び側面も絶縁膜16又は14を介して被う、メモリ素子ごとに分離して形成された浮遊ゲート電極5が設けられ、浮遊ゲート電極5との間に絶縁膜13を介し、ソース2上及びドレイン3上に酸化膜17を介してチャネル長方向に延びて複数のメモリ素子に共通の制御ゲート電極4が設けられている。浮遊ゲート電極5が制御ゲート電極4、選択ゲート電極6及び基板ウェル基板1と電気的にカップリングした構造になっている。
【0026】
本発明の特徴の1つであるポリ−ポリ間トンネル電流書込は、上記3つのゲート電極間の絶縁膜がある特定の範囲の膜厚又は膜厚比率のもとで、より効果的に作用するようになっている。より具体的には選択ゲート電極6から浮遊ゲート電極5に電子注入を行なえるような構造及び電気的手段がとられている。
また、ドレイン3へのトンネル電流放出も、同様に、制御ゲート電極4と浮遊ゲート電極5との間の絶縁膜13及びウェル基板1と浮遊ゲート電極5との間の絶縁膜12がある特定の範囲の膜厚又は膜厚比率のもとでより効果的に作用するようになっている。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明のメモリ素子をアレイ状に配置する際には、ドレインとソースのうち少なくともソースは連続して配列された複数のメモリ素子で共通に使用されるように連続した拡散層として形成され、選択ゲート電極がソースと平行な方向のライン状に形成され、かつ、制御ゲート電極が選択ゲート電極と直交する方向のライン状に形成されてワードラインを構成していることが好ましい。
【0028】
さらに、ドレインも、連続して配列された複数のメモリ素子で共通に使用されるように連続した拡散層としてソースに平行に形成されており、ビットラインがソース又はドレインの拡散層配線で連結されたコンタクトレス構造になっていることが好ましい。コンタクトレス構造にすることにより、素子を微細化することができ、集積度が向上して大容量化に寄与する。
【0029】
ソース及びドレインが、それらを挟んで隣り合うメモリ素子により共有化されるように、ソース、ドレイン及び浮遊ゲート電極が配置されているのが好ましい。このことも集積度の向上、大容量化に寄与する。
ソースとドレインが交互に配置されていることも好ましい。その場合には仮想グランド型アレイ方式のメモリ素子アレイとして使用することができ、このことも集積度の向上、大容量化に寄与する。
【0030】
本発明の半導体記憶装置は、メモリ書込時には、選択ゲート電極に負の電位、制御ゲート電極に正の電位が与えられて、選択ゲート電極から浮遊ゲート電極へのトンネル電子注入がなされる。その際、選択ゲート電極(ビットライン)又は制御ゲート電極(ワードライン)を共有化しているメモリ素子を一括書込することができる。
【0031】
また、メモリ消去時には、制御ゲート電極に負の電位、ドレインに正の電位を与えることが好ましい。その結果、浮遊ゲート電極からドレインへトンネル電子放出がなされる。その際、ワードラインを共有化しているメモリ素子を一括消去することができる。
【0032】
さらに、メモリ素子領域に半導体基板と電気的に分離されているウェルを形成し、メモリ消去時に、制御ゲート電極に負の電位、ウェルに正の電位を与えることが好ましい。その結果、浮遊ゲート電極からウェルへトンネル電子放出がなされる。その際、ワードラインを共有化しているメモリ素子を一括消去することができる。
【0033】
【実施例】
図5は一実施例を表す1つのメモリ素子の断面図である。
P型シリコン基板1に形成されたソース2とドレイン3の間のチャネル領域上に、ゲート酸化膜11を介し、ソース2に隣接し、ドレイン3から離れた位置にチャネル幅方向(ソース2からドレイン3に向かう方向と直交する方向:紙面垂直方向)に延びるライン状の選択ゲート電極6が形成されており、選択ゲート電極6の下にセレクトチャネルが形成される。選択ゲート電極6とドレイン3との間のウエル領域(ゲート電極チャネル領域)とは酸化膜12を介して絶縁され、ドレインに一部重なり、選択ゲート電極6上部とは絶縁膜16を介して絶縁され、選択ゲート電極6側壁とは絶縁膜14を介して絶縁され、ソース2及びドレイン3とはゲート酸化膜11よりも厚い酸化膜17を介して絶縁され、ゲート電極チャネル領域から選択ゲート電極6上を跨いで配置された、メモリ素子ごとに分離された浮遊ゲート電極5が形成されている。浮遊ゲート電極5とは絶縁膜13を介して絶縁され、ソース2及びドレイン3とは絶縁酸化膜17を介して絶縁され、浮遊ゲート電極5及び選択ゲート電極6を跨いでチャネル長方向(ソース2からドレイン3に向かう方向)に延び、複数のメモリ素子に共通の制御ゲート電極4が形成されている。
【0034】
本発明のメモリ素子の特徴は、過剰消去の問題を回避する選択ゲート電極6を有していること、主に浮遊ゲート電極5の制御(プログラミング制御)を行う制御ゲート電極4を有すること、加えて、制御ゲート電極4−浮遊ゲート電極5間の絶縁膜13と、浮遊ゲート電極5−選択ゲート電極6間の絶縁膜14と、浮遊ゲート電極5−ウェル基板1間の絶縁膜12により3つのゲート電極とウェル基板1が電気的にカップリングされるような構造と絶縁膜厚の構成を有し、ポリ−ポリ間トンネル書込及びドレイン又は基板へのトンネル消去が可能である構造を有することである。加えて、上記の3つのゲート電極が所望の電気的結合を得るために、制御ゲート電極4と選択ゲート電極6の間は完全に絶縁され、電気的結合がほとんどなされないような構成・処置がとられている。また、書込時及び消去時に、印加した電位差をトンネル膜に効率よく配分して、十分なカップリングを得るために、絶縁膜13の容量は絶縁膜14の容量や絶縁膜12のゲート電極オーバラップ部分(浮遊ゲート電極5とドレイン3が重なる部分)の容量に比べて十分大きくなるような構造・配置がとられている。
【0035】
本発明の装置では浮遊ゲート電極5と選択ゲート電極6間のポリ−ポリ間絶縁膜(通常酸化膜)14をトンネル膜として利用する。選択ゲート電極6の角部を利用することにより、その部分に電界を集中させて効率的な電子トンネルを行うことができる。別の観点から言うと、このように角部を利用することにより電子トンネルが容易になるため、結局そのポリ−ポリ間絶縁膜の膜厚を相対的に厚くすることができる。
【0036】
上記の構造を有することにより、ソース2、ドレイン3、制御ゲート電極4、選択ゲート電極6に適当な電位を設定することで、選択ゲート電極6から浮遊ゲート電極5へのトンネル電子注入が可能となる。このトンネル電子注入(書込)はポリシリコン電極間の電子トンネル現象を用いることから、一般にポリ−ポリ間トンネルと呼ばれる。
【0037】
図6は比較例を示す断面図である。図5の実施例に比べると、図5の実施例では浮遊ゲート電極5が選択ゲート電極6を跨ぐ構造であるが、図6の比較例では浮遊ゲート電極5が選択ゲート電極6の一部に乗り上げた構造である。その結果、図6の比較例では絶縁膜13の容量が小さくなる。
【0038】
各電極の配置などは実施例に限られるものではない。例えば、図5と同様の構成でなくても、浮遊ゲート電極5が選択ゲート電極6の角部(肩の部分)に隣接して形成されていれば、実施例と同様な効果を得ることが出来る。
【0039】
図7は図5の実施例において、選択ゲート電極6から浮遊ゲート電極5へのトンネル電子注入、すなわちメモリ書込動作時の各部の電位を表したものである。図7に示す実施例では、それぞれのメモリ素子でウェル1を分離して形成するための素子分離膜15が形成されている。選択ゲート電極6から浮遊ゲート電極5へトンネル現象を起こすためには、選択ゲート電極6に負電位、制御ゲート電極4に正電位を与えればよい。ソース2及びドレイン3は浮遊電位(図中にFと記した)にしておけばよく、一方ウェル1の電位は基板電位をグランドとするため必然的にグランド電位に等しくなる。以下に図5の実施例に基づいた電気的手段の参考値を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
図8は図7の実施例でセルアレイを構成した場合において、書込時における非選択ビットの電子放出及び電子注入を矢印で表す図であり、(A)は選択ビットと同じワードライン上(同じ制御ゲート電極4上)の非選択ビットの様子、(B)は選択ビットと同じビットライン上(同じ選択ゲート電極6上)の非選択ビットの様子を表す。
【0042】
図8(A)において、制御ゲート電極4に正電位が与えられているため、絶縁膜13と絶縁膜12を介して制御ゲート電極4と選択ゲート電極6と基板1がカップリングし、浮遊ゲート電極5から制御ゲート電極4へトンネル電流が流れることが懸念される(図中矢印)。これについては、図5の実施例では表1に示す電気的手段の範囲でそれほど問題にはならないことがわかっているが、図6の参考例の構造では制御ゲート電極4と選択ゲート電極6と基板1のカップリングが低いため懸念されるところである。そこで、絶縁膜13を酸化膜、窒化膜及び酸化膜の3層膜からなるONO積層膜で構成し、電流が流れにくくすることが好ましい。
【0043】
図8(B)において、選択ゲート電極6に負電位が与えられているため、選択ビット、非選択ビットを問わず少なからず選択ゲート電極6から基板1にトンネル電流が流れる(図中矢印イ)。これについて、表1に示す電気的手段の範囲では書込時にはほとんど問題にはならないことがわかっているが、長期的に見るとストレスリークなどの信頼性が若干懸念されるところである。また、選択ゲート電極6から浮遊ゲート電極5への過剰書込(図中矢印ロ)については、ほとんど問題にならないことがわかっている。また、浮遊ゲート電極5からウェル基板1への電子放出(ディスターブ:図中矢印ハ)も若干懸念されているところである。
【0044】
図9は、P型シリコン基板1にジャンクション位置が数ミクロン程度の深いdeep-Nウェル1nを形成し、さらにその中にPウェル1pを形成し、その上部にN型のメモリ素子(拡散層がN型)を形成した実施例を表す図である。この構造によれば、メモリ素子を配置しているウェル1pが基板1と電気的に分離されているため、これを浮遊電位にすることによって上記問題を解決することができる。
【0045】
半導体記憶装置の場合、チャージポンプ回路やメモリ駆動用回路(例えばCMOS回路)を同じ基板内に内蔵しなければならないので、少なくともPウェル及びNウェルが必要となる。加えて図9の実施例ではdeep-Nウェルが必要であるため、3つのウェルを作る必要がある。これはトリプルウェルと呼ばれる難度の高い技術であり、またコスト的にも若干不利なところもある。従って、この技術を採用するか否かは適宜その用途によって定めればよい。
【0046】
図9の実施例において、浮遊ゲート電極5と制御ゲート電極4間の絶縁膜13(容量Ca,平均膜厚Ta)と、浮遊ゲート電極5と選択ゲート電極6間の絶縁膜14(容量Cb,平均膜厚Tb)との間に、
CbTb < CaTa
なる関係が満たされていることが好ましい。
【0047】
すなわち、絶縁膜14を介して、浮遊ゲート電極5−選択ゲート電極6間のポリ−ポリ間トンネル書込を行うためには、少なくとも絶縁膜13より絶縁膜14の方に高電界を印加しなければならない。従って、書込時に絶縁膜13,14にセルフバイアスされる電圧をそれぞれVa,Vbとすれば、
Va/Ta<Vb/Tb
なる条件が必要である。図9の実施例の装置の場合、メモリを構成しているウエル領域1pがシリコン基板1と電気的に分離されているため、トンネル消去時にウエル1p、ソース2及びドレイン3の電位を浮遊電位にしておけば良く特別な設定がいらない。従って、浮遊ゲート電極5に電子がチャージされていない簡単な場合を考えると、大まかに下式が成立する。
Ca・Va=Cb・Vb
よって、下式を得る。
Cb・Tb<Ca・Ta
【0048】
実際には、上記の関係が顕著である(Cb・Tb≪Ca・Ta)ほど、書込動作は容易であり、選択ゲート電極6−制御ゲート電極4間の印加電圧をより低電圧化できる。また、書込時に電位差を正電圧、負電圧の2つに分配することができる点を考慮すれば、結果的に昇圧回路をより低電圧化でき回路負担を低減できる。
【0049】
また、図9の実施例において、制御ゲート電極4−浮遊ゲート電極5間の酸化膜13(面積Sa)と、浮遊ゲート電極5−選択ゲート電極6間の酸化膜14(面積Sb)との間に、
Sb<Sa
なる関係が満たされていることが好ましい。ここで、面積Sa、Sbとはシリコン酸化膜の平均膜厚換算での容量面積を示す。
【0050】
すなわち、浮遊ゲート電極5−選択ゲート電極6間の酸化膜14でポリポリ間トンネルが起こるためには、少なくとも酸化膜13より酸化膜14に高電界を印加されねばならないので、Cb・Tb<Ca・Ta の関係がある。そして、どちらの絶縁膜も
Sb<Sa
実際には、上記の関係が顕著である(Sb≪Sa)ほど、書込動作は容易であり、選択ゲート電極6−制御ゲート電極4間の印加電圧をより低電圧化できる。
【0051】
図10は図9の実施例における、メモリ消去動作時の各部の電位を表したものであり、(A)は浮遊ゲート電極5からドレイン3へのトンネル電子放出を概略的に表す断面図、(B)は浮遊ゲート電極5からウェル1pへのトンネル電子放出を概略的に表す。図10(A)において、制御ゲート電極4に負電位、ドレイン3に正電位を与える。その結果、浮遊ゲート電極5からドレイン3にトンネル電子放出が起こる。このとき、ソース2及び選択ゲート電極6は浮遊電位にしておけばよい。このような電気的手段の場合、制御ゲート電極4とドレイン3間に印加された電位差は、制御ゲート電極4−浮遊ゲート電極5間の絶縁膜13の容量と、浮遊ゲート電極5−基板ウェル1p間の絶縁膜12のゲート電極オーバラップ部分(浮遊ゲート電極5とドレイン3のオーバーラップ部分)の容量との間で分配される。従って、容量の小さい浮遊ゲート電極5−ドレイン3間にその電位差の大部分がかかる(カップリング比が高い)ことになる。この実施例ではトリプルウェルを示しているが、この場合は基板ウェル1pが浮遊電位状態でなくても良好に動作するので、通常のウェルであっても問題はない。以下にこの実施例に基づいた電気的手段の参考値を示す。
【0052】
【表2】
【0053】
図10(B)において、制御ゲート電極4に負電位、ウェル1pに正電位を与える。その結果、浮遊ゲート電極4からウェル1pにトンネル電子放出が起こる。このとき、ソース2及び選択ゲート電極6は浮遊電位にしておけばよい。このような電気的手段の場合、制御ゲート電極4とウェル1p間に印加された電位差は、制御ゲート電極4−浮遊ゲート電極5間の絶縁膜13の容量と、浮遊ゲート電極4−ウェル1p間の絶縁膜12の容量との間で分配される。この場合、ドレイン3へのトンネル消去に比べカップリング比は小さくなる。しかし、この実施例の構造では絶縁膜13の容量を非常に大きくとれるので、この方式が可能となる。但し、この場合は基板とは分離されたウェルが必要となる。以下に実施例に基づいた電気的手段の参考値を示す。
【0054】
【表3】
【0055】
図11は図9の実施例における、メモリアクセス(読出)動作時の各部の電位を表したものである。読出方式はソース2とドレイン3を事実上反対にして行う。これは読出ディスターブの低減を図るためである。また図11の実施例ではトリプルウェルを示しているが、この場合は基板ウェルが浮遊状態でなくても良好に動作するため、通常のウェルであっても問題はない。以下に実施例に基づいた電気的手段の参考値を示す。
【0056】
【表4】
【0057】
本発明の半導体記憶装置は、メモリ素子のソース及びドレインをチャネル幅方向に拡散層配線で連結(コンタクトレス化されたビットライン)し、またこれと同方向に選択ゲート電極(ソース/ドレインと同様にビットラインとして作用する)が連結し、またこれと直交する方向(チャネル長方向)に制御ゲート電極を連結(ワードライン)して、半導体メモリ素子をアレイ配置し、ビットラインとワードラインとによりマトリックス選択が可能となっている。
【0058】
図12及び図13に本発明の装置のそれぞれの実施例の概略図を示す。それぞれ(A)は平面図、(B)は(A)のS−S’線位置での断面図、(C)は(A)のC−C’線位置での断面図である。図12、図13共に図5の実施例をアレイ化した場合を例に取っているが、例えば図6の例をアレイ化してもよいし、これに限られるものではない。
【0059】
この装置では、図12又は図13に示すように、ライン状の制御ゲート電極4がワードラインを構成し、ソース2及び/又はドレイン3がこれに対し直交する方向に配されるビットラインを構成し、ライン状の選択ゲート電極6がビットラインと同方向に配されている。選択ゲート電極6方向に並ぶメモリ素子は素子分離膜15により分離されている。このような配置にすることにより、メモリアレイ内のあるメモリ素子の選択(アクセス)は制御ゲート電極4(ワードライン)と拡散層2及び3(ビットライン)のマトリックス選択により可能となる。このとき選択ゲート電極6は擬似的なビットラインとして作用し、アクセス前に予め所望の正電位(表4のバイアス条件参照)に設定しておくことでメモリアクセスの時間を短縮させる効果も持っている。
【0060】
ここで、図12は一般にVirtual-Ground-Array(仮想グランドアレイ)方式に属するものであり、ソースライン2とドレインライン3が交互に配置され、ワードライン(制御ゲート電極ライン4)方向に隣り合うメモリ素子同士において、一方の素子のソース2と他方の素子のドレイン3が共通となっている。従って、選択される素子によって、動作上のソースとドレインが決定される。即ち、通常メモリアクセス時にグランド電位にされるソース(本装置ではリードディスターブ抑制のため図中符号3のドレインがソースとして使われる)が、選択されるメモリの位置によって交代するものである。このようなアレイ配置では図13のそれと比して、全てのセルが同方向を向いているのでそれに関するデバイス特性のバラツキが無いという利点が有る。また、選択ゲート電極6のライン/スペースが一定であり、段差の低い部分(選択ゲート電極トランジスタの上部)に制御ゲート電極4のポリシリコン膜を埋め込むことができ、トータル段差低減、プロセスの容易化に有利という点がある。
【0061】
消去動作においては、全ての拡散層(ソース2及びドレイン3)を所望の共通正電位にしておけばワードライン(制御ゲート電極ライン4)上の素子群を一括消去できる。
書込動作においては、1つのビットライン(選択ゲート電極ライン6)上の素子群において、書込(電子注入)が必要なビットの制御ゲート電極4を所望の共通正電位にしておけば1つのビットライン上の素子群を一括書込できる。或いは、1つのワードライン(制御ゲート電極ライン4)上の素子群において、書込(電子注入)が必要なビットの選択ゲート電極6を所望の共通負電位にしておけば1つのワードライン上の素子群を一括書込できる。このような一括書込が可能になるのは、ゲート電極間でのポリ−ポリ間トンネル電流書込方式であるが故であり、本発明の重要な特徴の一つである。
【0062】
また、図12のような本発明の素子構造・アレイ配置及び電気的手段によると、上記に説明したマトリックス選択、一括消去、一括書込の全てを同時に実現できることがわかる。
また、このセルアレイの場合、アクセスする選択ビットによって、チャネル幅方向(図中(A)縦方向)に延びるソースライン2とドレインライン3が順次切り替わる。ソースとドレインのどちらか一方(一般的にはソース)はグランド電位で使用されるのが普通であり、この配列では選択ビットによってグランド電位に当たるラインが切り替わるため仮想グランド型と言われる。
【0063】
図13はコンタクトレスNOR型に属すが、ソースライン2とドレインライン3が交互に配置され、ソースもドレインもワードライン(制御ゲート電極ライン4)方向に隣り合うメモリ素子間で共通となっている。従って、図12の場合のように選択される素子によって、動作上のソース2とドレイン3が入れ替わることはなく、拡散層ラインは選択ビットによって切り替わらず固定されていて、電気的手段の設定も容易であるという利点がある。これも図12の場合と同様に、各素子のソース及びドレインがチャネル幅方向に拡散層配線(コンタクトレス化されたビットライン)で連結され、ビットラインと同方向に選択ゲート電極6(これもビットラインとして作用する)が連結され、さらにビットラインと直交する方向(メモリ素子のチャネル長方向)に制御ゲート電極4(ワードライン)が連結されている。このような配置にすれば、書込時、消去時又はアクセス(読出)時に、ビットラインとワードラインとにより、各メモリ素子のマトリックス選択が可能となる。
【0064】
消去動作においては、ドレイン3を全て共通の正電位にしておけば、選択したワードライン(制御ゲート電極ライン4)上の素子群を一括消去できる。ここで、図13の実施例では、図12の実施例と異なり、拡散層ラインは選択ビットによって切り替わらず固定される。
書込動作においては、1つのビットライン(選択ゲート電極ライン6)上の素子群において、書込(電子注入)が必要なビットの制御ゲート電極4を所望の共通正電位にしておけば1つのビットライン上の素子群を一括書込できる。或いは、1つのワードライン(制御ゲート電極ライン4)上の素子群において、書込(電子注入)が必要なビットの選択ゲート電極6を所望の共通負電位にしておけば1つのワードライン上の素子群を一括書込できる。
【0065】
図12及び図13のメモリアレイは、フラッシュメモリの分類上はNOR型に属する。一般にNOR型のアレイはETOX型やSST型に代表されるように、ドレインコンタクト(ビットラインのコンタクト)が必要であり、高速アクセスが可能であるが集積度向上に不利と言われてきた。これに対し、本発明ではSunDisk型やBMI型と同様に拡散層配線を採用することでこれを回避し、高集積化に極めて有利な構造をしている。拡散層配線はコンタクト及びメタルによる配線に比べて抵抗が高いので高速アクセスに不利となる場合があるが、ある周期毎(例えば32ビット周期毎)にコンタクトを設け、メタル配線で裏打ちすることによりこれを回避できる。
【0066】
図14は図5のメモリ素子を製造するプロセスを示す工程断面図である。
(A)写真製版技術、イオン注入技術、拡散技術等の公知技術を用いて、シリコン基板上にウェル1や素子分離用のフィールド酸化膜を形成したあと、基板(ウェル)1表面にゲート酸化膜11を形成する。次に選択ゲート電極6用のポリシリコン層及び絶縁層16を形成し、これをライン状(選択ゲート電極ライン)に加工する。
【0067】
(B)写真製版工程、不純物イオン注入工程により、フォトレジスト20をマスクとしてソース2,ドレイン3用の不純物導入を行う。
(C)不要な酸化膜の除去を行ったあと、酸化工程によりソース・ドレイン用の不純物拡散層上の絶縁酸化膜17とトンネル酸化膜12と酸化膜14を同時に形成する。ここでの酸化工程は不要酸化膜(プリゲート酸化膜等)の除去を含め複数回であっても良く、また、メモリ周辺のトランジスタ形成等を考慮すると、この工程の間に写真製版工程が必要な場合もある。従って、酸化膜12,14,17の膜厚バランスは、そのトータルのプロセスの設計に盛り込んで整合されるものである。ちなみに、シリコン基板上の酸化膜12より、ポリシリコン酸化膜14の方が厚く形成され、さらに拡散層上の酸化膜17はシリコン基板上の酸化膜より数倍厚く形成されるのが普通である。この実施例ではこれをうまくプロセスを利用している。また、この酸化工程は拡散層のドライブ・活性化を兼ねている。
【0068】
(D)浮遊ゲート電極5用のポリシリコン層を形成し、これを写真製版技術及びドライエッチング技術によって、チャネル幅方向(図中紙面に垂直な方向)に平行な帯状に加工する。次に酸化膜、窒化膜、酸化膜の3層膜からなるONO積層膜13を形成する。ここでの酸化膜は酸化又は高温CVD技術によって形成する。窒化膜は例えばCVD膜である。
【0069】
(E)制御ゲート電極4用のポリシリコン膜を形成し、これを写真製版技術及びドライエッチング技術によってチャネル長方向(図中横方向)に加工するに加工する。この際、工程(D)で帯状に加工した浮遊ゲート電極5用ポリシリコン膜及びONO積層膜13を同一マスク下で方形状に加工して所望の形状を得て、それぞれのメモリ素子領域で分離して形成する。
制御ゲート電極4用ポリシリコン層上に予め低抵抗化用のシリサイド層やその保護層を形成しておくことが好ましい。
【0070】
絶縁膜14はトンネル膜として使用するので、実施例では酸化膜を用いている。この膜厚は15〜40nm程度でよい。また、絶縁膜13は消去時、書込時、読出時においてカップリング用の重要な絶縁膜であり、容量が大きく(容量膜厚が小さく)、電流が流れない(電荷リークが少ない)ことが必要であるので、ONO積層膜が極めて適している。実施例では、例えば、4〜8nm(トップ酸化膜)/4〜16nm(窒化膜)/4〜8nm(ボトム酸化膜)程度の膜厚を用いている。
【0071】
図15は図4のメモリ素子を製造するプロセスを示す工程断面図である。
(A)図14の工程(A)と同様にして、ウェル1、フィールド酸化膜、ゲート酸化膜11、選択ゲート電極6及び絶縁層16を形成する。
【0072】
(B)不要な酸化膜の除去を行ったあと、酸化工程によりトンネル酸化膜12,14を同時に形成する。ここでの酸化工程は図14の工程(B)と同様に、不要酸化膜の除去を含め複数回であっても良く、また、メモリ周辺のトランジスタ形成などを考慮するとこの間に写真製版工程を行なう場合もある。したがって、酸化膜12,14の膜厚バランスはそのトータルのプロセスの設計に盛り込んで整合されるものである。ここでも酸化膜14は酸化膜12より厚く形成される。次に、浮遊ゲート電極5用のポリシリコン層を形成し、その上にONO積層膜13用のボトム酸化膜及び窒化膜からなる積層膜13aを形成する。この酸化膜は酸化又は高温CVD技術によって形成する。窒化膜はCVD膜である。次に、写真製版技術及びドライエッチング技術により、浮遊ゲート電極5用のポリシリコン層及び積層膜13aをチャネル幅方向(紙面垂直方向)に帯状に加工する。次に、同一マスクを用いて、拡散層用の不純物イオン注入を行う。
【0073】
(C)ONO膜13用のトップ酸化膜、浮遊ゲート電極5側面の酸化膜13b、選択ゲート電極6側面の酸化膜14b及び拡散層上の酸化膜17を、1回のCVD酸化膜形成工程と1回の酸化処理工程により同時に形成する。例えば、まず、CVD膜の1種である高温酸化膜を5nm程度形成した後、1回の酸化処理を施すと、トップ酸化膜が5nm程度、浮遊ゲート電極側面の酸化膜13bが15nm程度、選択ゲート電極側面の酸化膜14bが15nm程度、拡散層上の酸化膜17が20nm程度の膜厚で形成されることがわかっている。また、この酸化膜形成工程は拡散層のドライブ・活性化を兼用している。
【0074】
(D)制御ゲート電極4用のポリシリコン膜を形成し、これを写真製版技術及びドライエッチング技術によってチャネル長方向に加工する(図中横方向)に加工する。この際、工程(B)で帯状に加工した浮遊ゲート電極5用ポリシリコン膜を同一マスク下で方形状に加工して所望の形状を得て、それぞれのメモリ素子領域で分離して形成する。
図14及び図15に示した実施例のプロセスは一例であり、本発明のプロセスはこれに限るものではない。
【0075】
【発明の効果】
本発明のメモリ素子は選択ゲート電極を持つため、過剰消去の問題がなく、低電圧化や多値化が容易であり、ポリシリコン−ポリシリコン間トンネル書込のため、CHE方式やSSI方式に比べ遥かに電流容量が小さいので消費電力が小さくて済み、チャージポンプの昇圧が容易となり単一電源化が容易に図れる。さらに、チャージポンプのキャパシタ面積の低減が図れることから、高集積化に寄与し、集積度の向上が図れる。
書込と消去とでは別々のトンネル膜を用いるので、装置仕様の設計・製造が容易であり、さらに、トンネル酸化膜の高い信頼性及び耐久性を得ることができる。
浮遊ゲート電極と制御ゲート電極間の絶縁膜の容量面積が大きく、書込時又は消去時のカップリング比が大きいので、低電圧化が容易である。また、カップリング比を若干許容すると、浮遊ゲート電極と制御ゲート電極間の絶縁膜の信頼性向上を図ることができる。さらに、カップリング比を若干許容すると、書込時或いは消去時に用いるトンネル膜の膜厚を相対的に大きくでき、信頼性向上を図ることができる。
【0076】
本発明のメモリ素子をアレイ状に配置する際に、ドレイン拡散とソース拡散のうち少なくともソース拡散、好ましくはドレイン拡散も連続して配列された複数のメモリ素子で共通に使用されるように連続した拡散層として形成し、選択ゲート電極をソース拡散と平行な方向のライン状に形成し、かつ、制御ゲート電極を制御ゲート電極と直交する方向のライン状に形成する。そして、ソース拡散及びドレイン拡散を、それらを挟んで隣り合うメモリ素子により共有化されるように配置してコンタクトレス構造にするか、又はソース拡散とドレイン拡散を交互に配置してコンタクトレス構造で仮想グランド型アレイ方式とすることにより、集積度の向上、大容量化に寄与することができる。
同一のワードライン上のメモリ素子群を一括消去することができるので、複数のワードライン上の素子群をブロック化すると、一括高速消去を行なうことができる。さらに、同一ワードライン上の素子群、又は同一ビットライン上の素子群を一括消去できるので、プログラミング時間を事実上短縮でき、高速書込を実現することができる。このように、本発明は一括高速消去及び高速書込が同時に可能であり、さらに、消去時、書込時又は読出時のいずれの場合においても、1素子のマトリックス選択が可能であるため、種々の仕様のメモリチップに対応でき、多品種生産にも容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のETOX型メモリ素子アレイを示す図であり、(C)は平面図で、(A)は(C)におけるA−A’線位置での断面図、(B)は(C)におけるB−B’線位置での断面図である。
【図2】 従来のSunDisk型メモリ素子アレイを示す図であり、(C)は平面図、(A)は(C)におけるA−A’線位置での断面図、(B)は(C)におけるB−B’線位置での断面図である。
【図3】 従来のSST型メモリ素子アレイを示す図であり、(C)は平面図、(A)は(C)におけるA−A’線位置での断面図、(B)は(C)におけるB−B’線位置での断面図である。
【図4】 従来のBMI型メモリ素子アレイを示す図であり、(C)は平面図、(A)は(C)におけるA−A’線位置での断面図、(B)は(C)におけるB−B’線位置での断面図である。
【図5】 一実施例の1つのメモリ素子を示す断面図である。
【図6】 比較例の1つのメモリ素子を示す断面図である。
【図7】 さらに他の実施例の1つのメモリ素子を、メモリ書込動作時の各部の電位とともに示す断面図である。
【図8】 図5の実施例の書込時における非選択ビットのディスターブを矢印で表す断面図であり、(A)は選択ビットと同じワードライン上の非選択ビットの様子、(B)は選択ビットと同じビットライン上の非選択ビットの様子を表す。
【図9】 さらに他の実施例の1つのメモリ素子をメモリ書込動作時の各部の電位とともに示す断面図である。
【図10】 図9の実施例における、メモリ消去動作時の各部の電位を表したものであり、(A)は浮遊ゲート電極5からドレイン3へのトンネル電子放出様式を表す断面図、(B)は浮遊ゲート電極5からウェル1pへのトンネル電子放出様式を表す断面図である。
【図11】 図9の実施例における、メモリアクセス(読出)動作時の各部の電位を表す断面図である。
【図12】 図5のメモリ素子をアレイ化した一実施例を表す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のS−S’線位置での断面図、(C)は(A)のC−C’線位置での断面図である。
【図13】 図5のメモリ素子をアレイ化した他の実施例を表す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のS−S’線位置での断面図、(C)は(A)のC−C’線位置での断面図である。
【図14】 図5のメモリ素子を製造するプロセスを示す工程断面図である。
【図15】 図6のメモリ素子を製造するプロセスを示す工程断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板又はウェル
2 ソース
3 ドレイン
4 制御ゲート電極
5 浮遊ゲート電極
6 選択ゲート電極
11 ゲート酸化膜
12,14 トンネル酸化膜
13 ONO膜
16,17 絶縁膜
Claims (14)
- 半導体基板又はウェルにドレイン拡散層及びソース拡散層が形成され、その基板上又はウェル上には絶縁膜を介し、前記ソース拡散層に隣接し前記ドレイン拡散層とは距離をもって複数のメモリ素子に共通の選択ゲート電極が設けられ、前記ソース拡散層部分ではその上にゲート絶縁膜よりも厚く形成された酸化膜上に設けられ、前記選択ゲート電極の上面及び側面を絶縁膜を介して被い、前記選択ゲート電極と前記ドレイン拡散層との間の基板上又はウェル上にはゲート絶縁膜を介し、前記ドレイン拡散層に隣接しメモリ素子ごとに分離して浮遊ゲート電極が設けられており、前記選択ゲート電極との間及び前記浮遊ゲート電極との間にそれぞれ絶縁膜を介して、前記浮遊ゲート電極と前記選択ゲート電極を跨ぐ制御ゲート電極が設けられており、前記選択ゲート電極と浮遊ゲート電極間でのトンネル電流書込を行なう電気的消去可能な不揮発性半導体メモリ素子を備え、
前記制御ゲート電極−前記浮遊ゲート電極間の絶縁膜、前記浮遊ゲート電極−前記選択ゲート電極間の絶縁膜及び前記浮遊ゲート電極−前記基板又はウェル間の絶縁膜は、これらの3つのゲート電極が電気的に容量結合され、
かつ前記浮遊ゲート電極−制御ゲート電極間の容量をCa、その間の絶縁膜の平均膜厚をTaとし、浮遊ゲート電極−選択ゲート電極間の容量をCb、その間の絶縁膜の平均膜厚をTbとしたとき、
Cb・Tb<Ca・Ta
なる関係を満たしていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 半導体基板と電気的に分離されているウェルにドレイン拡散層及びソース拡散層が形成され、そのウェル上には絶縁膜を介し、前記ソース拡散層に隣接し前記ドレイン拡散層とは距離をもって複数のメモリ素子に共通の選択ゲート電極が設けられ、前記ソース拡散層部分ではその上にゲート絶縁膜よりも厚く形成された酸化膜上に設けられ、前記選択ゲート電極の上面及び側面を絶縁膜を介して被い、前記選択ゲート電極と前記ドレイン拡散層との間のウェル上にはゲート絶縁膜を介し、前記ドレイン拡散層に隣接しメモリ素子ごとに分離して浮遊ゲート電極が設けられており、前記選択ゲート電極との間及び前記浮遊ゲート電極との間にそれぞれ絶縁膜を介して、前記浮遊ゲート電極と前記選択ゲート電極を跨ぐ制御ゲート電極が設けられており、前記選択ゲート電極と浮遊ゲート電極間でのトンネル電流書込を行なう電気的消去可能な不揮発性半導体メモリ素子を備え、
前記制御ゲート電極−前記浮遊ゲート電極間の絶縁膜、前記浮遊ゲート電極−前記選択ゲート電極間の絶縁膜及び前記浮遊ゲート電極−前記基板又はウェル間の絶縁膜は、これらの3つのゲート電極が電気的に容量結合され、
かつ前記浮遊ゲート電極−制御ゲート電極間の容量をCa、その間の絶縁膜の平均膜厚をTaとし、浮遊ゲート電極−選択ゲート電極間の容量をCb、その間の絶縁膜の平均膜厚をTbとしたとき、
Cb・Tb<Ca・Ta
なる関係を満たしていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 前記不揮発性半導体メモリ素子の浮遊ゲート電極−制御ゲート電極間の絶縁膜の面積Saとし、浮遊ゲート電極−選択ゲート電極間の絶縁膜の面積Sbとしたとき、Sb<Saなる関係を満たしている請求項1又は2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- メモリ消去が、前記浮遊ゲート電極から前記ドレイン拡散層領域へのトンネル電子放出により行なわれるように条件が設定されている請求項1から3のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
- メモリ消去が、前記浮遊ゲート電極から前記ウェルへのトンネル電子放出により行なわれるように条件が設定されている請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- メモリ書込時には、選択ゲート電極に負電位、制御ゲート電極に正電位を与えられることにより、選択ゲート電極から浮遊ゲート電極へのポリシリコン−ポリシリコン間電子注入がなされる請求項1から5のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
- メモリ消去時には、制御ゲート電極に負電位、ドレイン拡散層に正電位が与えられることにより、浮遊ゲート電極からドレイン拡散層へトンネル電子放出がなされる請求項1から4のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
- メモリ消去時には、制御ゲート電極に負電位、ウェルに正電位が与えられることにより、浮遊ゲート電極からウェルへトンネル電子放出がなされる請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- ドレイン拡散層及びソース拡散層が一連の複数のメモリ素子で共通に使用されるように連続した拡散層として形成され、これら拡散層と平行な方向にライン状に形成される選択ゲート電極とともにビットラインを構成し、制御ゲート電極が前記ビットラインと直交する方向のライン状に形成されてワードラインを構成し、メモリ書込時、メモリ消去時及びメモリ読出時のいずれの場合においても前記ビットラインと前記ワードラインとにより各メモリ素子のマトリックス選択が可能である請求項1から8のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 少なくとも同一ワードライン上のメモリ素子群が一括消去されるように各電極の印加電圧が設定される請求項9に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 同一ビットライン上のメモリ素子群が同時に書込されるように各電極の印加電圧が設定される請求項9又は10に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 同一ワードライン上のメモリ素子群が同時に書込されるように条件が設定されている請求項9又は10のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 選択ゲート電極と浮遊ゲート電極間の絶縁膜が酸化膜により構成され、浮遊ゲート電極と制御ゲート電極間の絶縁膜が酸化膜、窒化膜及び酸化膜の3層膜からなるONO積層膜で構成されている請求項1から12のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 以下の工程、すなわち、
(A)基板上のゲート酸化膜上に選択ゲート電極用ポリシリコン膜を形成し、さらにその上に絶縁膜を形成し、選択ゲート電極用ポリシリコン膜及び絶縁膜を写真製版技術及びエッチング技術によりパターン化して選択ゲート電極を形成する工程、
(B)写真製版工程、不純物イオン注入工程により、ソース、ドレイン用の不純物を導入する工程、
(C)酸化工程により前記ソース用の不純物拡散層上の絶縁酸化膜、ドレイン用の不純物拡散層上の絶縁酸化膜、トンネル酸化膜及び選択ゲート電極側面の酸化膜を同時に形成する工程、
(D)ソース用の不純物拡散層上の一部、選択ゲート電極上面及び側面、並びにトンネル酸化膜上を含む領域に浮遊ゲート電極用ポリシリコン膜を形成し、メモリ素子ごとの浮遊ゲート電極用ポリシリコン膜が残るように、写真製版技術及びエッチング技術によりパターン化して浮遊ゲート電極を形成する工程、
(E)基板上全面に酸化膜、窒化膜、酸化膜の3層膜から構成されるONO積層膜を形成し、さらにその上に制御ゲート電極用ポリシリコン膜を形成する工程、及び
(F)写真製版技術及びエッチング技術により制御ゲート電極用ポリシリコン膜を拡散層と直交する方向にパターン化して制御ゲート電極を形成した後、同じマスクを用いた写真製版技術及びエッチング技術によりONO積層膜及び浮遊ゲート電極用ポリシリコン膜をパターン化して浮遊ゲート電極を形成する工程
を(A)から(F)をその順に含み、かつ
前記浮遊ゲート電極−制御ゲート電極間の容量をCa、その間の絶縁膜の平均膜厚をTaとし、浮遊ゲート電極−選択ゲート電極間の容量をCb、その間の絶縁膜の平均膜厚をTbとしたとき、
Cb・Tb<Ca・Ta
なる関係を満たすように対応する工程の条件を設定することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
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