JP3850930B2 - 5−シアノ−2−スルホニルピリジンおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−クロロ−5−シアノピリジンを製造するために有用な中間体、該中間体の製造方法および該中間体から2−クロロ−5−シアノピリジンを製造する方法に関する。本発明により得られる2−クロロ−5−シアノピリジンは医薬、農薬分野において重要な各種ピリジン化合物の出発原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
2−クロロ−5−シアノピリジンの製造方法としては、5−シアノピリジンを塩素化する方法(特開平5−43549号公報参照)、5−シアノピリジン−1−オキシドを塩素化する方法(ケミカル ファーマシューティカル ブルティン(Chemical Pharmaceutical Bulletin)、36巻、2244頁(1988年)および特開平6−306049号公報参照)、2−ヒドロキシ−5−シアノピリジンを塩素化する方法(特開平8−53418号公報および特開平6−319575号参照)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の5−シアノピリジンまたは5−シアノピリジン−1−オキシドを塩素化する方法では、目的とする2−クロロ−5−シアノピリジンの他に3位、4位または6位が塩素化された副生成物が生成し、反応の選択性は低く、その結果、反応生成物が異性体の混合物となり、目的物を得るためには異性体の分離操作が必要となるという問題があった。また、2−ヒドロキシ−5−シアノピリジンを塩素化する方法は、原料となる2−ヒドロキシ−5−シアノピリジンを微生物変換により製造しており、かかる工程の生産効率は低い。したがって、これらの方法は、2−クロロ−5−シアノピリジンの工業的に有利な製造方法とは言い難い。
しかして、本発明の目的は、入手容易な原料から、高収率で2−クロロ−5−シアノピリジンを製造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の目的は、
〔1〕一般式(I−1)
【0005】
【化11】
【0006】
(式中、R 1’ は置換されていてもよいアリール基を表す)
で示される5−シアノ−2−スルホニルピリジン、
〔2〕3−ブテンニトリルとギ酸エステルとを、一般式(V)
【0007】
【化12】
【0008】
(式中、R3 はアルキル基を表し、Mはアルカリ金属原子を表す)
で示されるアルカリ金属アルコラート[以下、アルカリ金属アルコラート(V)と略記する]の存在下に反応させることにより一般式(IV)
【0009】
【化13】
【0010】
(式中、Mは前記定義のとおりである)
で示される2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル[以下、2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル(IV)と略記する]を得、得られた2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル(IV)にアシル化剤、アルキル化剤、アラルキル化剤またはシリル化剤を反応させることにより一般式(II)
【0011】
【化14】
【0012】
(式中、R2 はアシル基、アルキル基、置換されていてもよいアラルキル基またはシリル基を表す)
で示されるジエン化合物[以下、ジエン化合物(II)と略記する]を得、次いで得られたジエン化合物(II)と一般式(III)
【0013】
【化15】
【0014】
(式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す)
で示されるスルホニルシアニド[以下、スルホニルシアニド(III)と略記する]とを反応させることを特徴とする一般式(I)
【化16】
(式中、R 1 は前記定義のとおりである)
で示される5−シアノ−2−スルホニルピリジン[以下、5−シアノ−2−スルホニルピリジン(I)と略記する]の製造方法、
〔3〕ジエン化合物(II)とスルホニルシアニド(III)とを反応させることを特徴とする5−シアノ−2−スルホニルピリジン(I)の製造方法、
〔4〕一般式(II−1)
【0015】
【化17】
【0016】
(式中、R4はアルキル基、シクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す)
で示されるジエン化合物、
〔5〕2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル(IV)にアシル化剤、アルキル化剤、アラルキル化剤またはシリル化剤を反応させることを特徴とするジエン化合物(II)の製造方法、
〔6〕2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル(IV)、
〔7〕3−ブテンニトリルとギ酸エステルとを、アルカリ金属アルコラート(V)の存在下に反応させることを特徴とする2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル(IV)の製造方法、および
〔8〕5−シアノ−2−スルホニルピリジン(I)をラジカル発生条件下、塩素化剤と反応させることを特徴とする2−クロロ−5−シアノピリジンの製造方法を提供することにより達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
上記一般式中、R1が表すアルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。R1が表すシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。また、R1 およびR 1’ が表すアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。R 1 が表すアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。これらのアリール基およびアラルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基等の置換基を有していてもよい。
【0018】
上記一般式中、R2 が表すアシル基としては、例えばアセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基等が挙げられる。R2 が表すシリル基としては、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる。また、R2 が表すアルキル基および置換されていてもよいアラルキル基としては、R1が表すと同様の基が挙げられる。
【0019】
上記一般式中、R3 が表すアルキル基としては、R1 が表すと同様の基が挙げられる。また、Mが表すアルカリ金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられる。
【0020】
上記一般式中、R4 が表すアルキル基、シクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよいアラルキル基としては、R1 が表すと同様の基が挙げられる。
【0021】
以下、本発明の製造方法を各工程ごとに詳細に説明する。
【0022】
工程1[3−ブテンニトリルとギ酸エステルとを、アルカリ金属アルコラート(V)の存在下に反応させることにより2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル(IV)を得る工程]
【0023】
本工程で用いられるギ酸エステルとしては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル等のギ酸アルキルエステル等が挙げられる。また、アルカリ金属アルコラート(V)としては、ナトリウムメチラート、カリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムエチラート、ナトリウムプロピラート、カリウムプロピラート、ナトリウムブチラート、カリウムブチラート等が挙げられる。
【0024】
原料となる3−ブテンニトリルの使用量は、アルカリ金属アルコラート(V)1モルに対して0.1〜100モルの範囲が好ましく、1〜10モルの範囲がより好ましい。また、ギ酸エステルの使用量は、アルカリ金属アルコラート(V)に対して0.1〜100モルの範囲が好ましく、1〜10モルの範囲がより好ましい。
【0025】
かかる反応は、溶媒の存在下または不存在下に行うことができる。溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限されないが、例えばヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル等が使用される。溶媒の使用量は、3−ブテンニトリルに対して0.1〜300重量倍の範囲が好ましく、1〜100重量倍の範囲がより好ましい。
【0026】
反応温度は−20〜200℃の範囲が好ましく、0〜120℃の範囲がより好ましい。反応は、常圧、減圧または加圧下に行うことができる。
【0027】
反応はバッチ式、連続式のいずれでも可能である。反応終了後、目的生成物はスラリー状で得られるため、濾過、洗浄、乾燥等の操作を適宜採用することにより容易に得ることができる。
【0028】
工程2[2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル(IV)にアシル化剤、アルキル化剤、アラルキル化剤またはシリル化剤を反応させることによりジエン化合物(II)を得る工程]
【0029】
アシル化剤としては、例えば塩化アセチル、塩化ベンゾイル等の酸塩化物;無水酢酸等の酸無水物が挙げられる。アルキル化剤としては、例えば塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル;トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸メチル等のスルホン酸アルキルエステル;硫酸ジメチル等が挙げられる。アラルキル化剤としては、例えば塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル等のハロゲン化アラルキル;トリフルオロメタンスルホン酸ベンジル、トルエンスルホン酸ベンジル等のスルホン酸アラルキルエステル等が挙げられる。シリル化剤としては、例えば塩化トリメチルシリル、塩化tert−ブチルジメチルシリル等のハロゲン化シリル等が挙げられる。これらのアシル化剤、アルキル化剤、アラルキル化剤またはシリル化剤の使用量は、2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル(IV)1モルに対して0.1〜100モルの範囲が好ましく、1〜10モルの範囲がより好ましい。
【0030】
かかる反応は、溶媒の存在下または不存在下に行うことができる。溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限されないが、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル;ジメチルホルムアミド等のアミド;ジメチルスルホキシド等が使用される。溶媒の使用量は2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリル(IV)に対して0.1〜300重量倍の範囲が好ましく、1〜100重量倍の範囲がより好ましい。
【0031】
反応温度は−20〜200℃の範囲が好ましく、0〜100℃の範囲がより好ましい。反応は、常圧、減圧または加圧下に行うことができる。
【0032】
反応はバッチ式、連続式のいずれでも可能である。反応終了後、目的生成物の単離精製は通常の方法により容易に行われる。例えば、反応混合物を濃縮乾固することにより粗生成物を得、得られた粗生成物を蒸留、カラムクロマトグラフィーまたは再結晶することにより行う。
【0033】
工程3[ジエン化合物(II)とスルホニルシアニド(III)とを反応させることにより5−シアノ−2−スルホニルピリジン(I)を得る工程]
【0034】
スルホニルシアニド(III)としては、メタンスルホニルシアニド、プロパンスルホニルシアニド等のアルカンスルホニルシアニド;シクロヘキサンスルホニルシアニド、シクロオクタンスルホニルシアニド等のシクロアルカンスルホニルシアニド;ベンゼンスルホニルシアニド、p−トルエンスルホニルシアニド、p−クロロベンゼンスルホニルシアニド等のアリールスルホニルシアニド;フェニルメタンスルホニルシアニド等のアラルキルスルホニルシアニド等が挙げられる。スルホニルシアニド(III)は、対応するスルフィン酸ナトリウムよりオーガニック シンセシス(Organic Synthesis)、57巻、88頁(1977年)記載の方法にしたがって得ることができる。スルホニルシアニド(III)の使用量は、ジエン化合物(II)1モルに対して0.01〜100モルの範囲が好ましく、0.1〜10モルの範囲がより好ましい。
【0035】
かかる反応は、溶媒の存在下または不存在下に行うことができる。溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限されないが、例えば工程2で使用される溶媒として列挙したものが同様に使用される。溶媒の使用量は、スルホニルシアニド(III)に対して0.1〜300重量倍の範囲が好ましく、0.1〜30重量倍の範囲がより好ましい。
【0036】
反応温度は−20℃〜200℃の範囲が好ましく、50℃〜200℃の範囲がより好ましい。
【0037】
反応は、重合禁止剤の存在下または不存在下に行うことができる。重合禁止剤としては、4−メトキシフェノール、2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノール等のフェノール;N,N−ジメチルヒドロキシアミン等のヒドロキシアミン;ヒドロキノン、ジtert−ブチルヒドロキノン等のヒドロキノン;1−ナフトール、2−ナフトール等のナフトール;カテコール、p−tert−ブチルカテコール等のカテコール;フェノチアジン、ジフェニルアミン、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のアミン等が使用される。重合禁止剤の使用量は、ジエン化合物(II)の重量の10ppm〜2000ppmの範囲が好ましく、100ppm〜500ppmの範囲がより好ましい。
【0038】
反応はバッチ式、連続式のいずれでも可能である。反応終了後、目的生成物の単離精製は通常の方法により容易に行われる。例えば、反応混合物を濃縮乾固することにより粗生成物を得、得られた粗生成物を蒸留、カラムクロマトグラフィーまたは再結晶することにより行う。
【0039】
工程4[5−シアノ−2−スルホニルピリジン(I)をラジカル発生条件下、塩素化剤と反応させることにより2−クロロ−5−シアノピリジンを得る工程]
【0040】
塩素化剤としては、ラジカル発生条件下で塩素ラジカルを発生するものであればいかなるものであってもよいが、反応効率およびコストの点で、塩素または塩化スルフリルが好適である。塩素化剤は、反応中に連続的または逐次的に加えるのが好ましい。
【0041】
塩素ラジカルを発生させるためには、ラジカル開始剤を使用することができる。ラジカル開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等のニトリル;過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル等の過酸化物等が挙げられる。ラジカル開始剤は、反応前または反応中に連続的または逐次的に添加することができる。該ラジカル開始剤の添加量は、0.001〜3.0モル当量の範囲が好ましく、0.05〜1.0モル当量の範囲がより好ましい。また、光照射によっても、塩素ラジカルを発生させることができる。
【0042】
反応は、溶媒の存在下または不存在下に行うことができるが、溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限されないが、例えばアセトニトリル、酢酸、二硫化炭素、テトラクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等が使用される。
【0043】
反応は20℃から溶媒還流温度で行うことが好ましく、60℃〜100℃で行うことがより好ましい。
【0044】
反応混合物からの生成物の単離精製は、常法により行うことができる。例えば、反応混合物を濃縮乾固することにより粗生成物を得、得られた粗生成物を蒸留、カラムクロマトグラフィーまたは再結晶することにより行う。
【0045】
このようにして得られた2−クロロ−5−シアノピリジンは、接触水素還元等の一般的な還元反応により、2−クロロ−5−アミノメチルピリジンに容易に変換することができる。2−クロロ−5−アミノメチルピリジンは、殺虫剤として有用なN−シアノアセトアミジン誘導体の合成中間体として有用である(特開平5−178834号公報参照)。
【0046】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0047】
実施例1 2−ソジオホルミル−3−ブテンニトリルの合成
撹拌機、蒸留装置、滴下漏斗、温度計を備えた反応器に28%ナトリウムメチラートメタノール溶液10.02g(52.0ミリモル)およびヘプタン27.60gを入れ、メタノールを共沸留去した。得られたスラリーを氷冷し、ヘプタン13.70g、ギ酸メチル3.20g(53.3ミリモル)および3−ブテンニトリル3.60g(53.7ミリモル)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾集物をギ酸メチルで洗浄、乾燥し、下記の物性値を示す2−ソジオホルミル−3−ブテンニトリル3.84g(32.8ミリモル、収率63.1%)を得た。
【0048】
NMR(270MHz、CDCl3)δ:8.19(s,1H),6.19(dd,1H),4.26(d,1H),4.07(d,1H)
【0049】
実施例2 1−アセトキシ−2−シアノ−1,3−ブタジエンの合成
撹拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応器に塩化アセチル8.26g(0.105モル)およびトルエン100mlを入れ、氷冷した。2−ソジオホルミル−3−ブテンニトリル8.42g(0.0576モル)を30分間で加え、1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を水および5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、減圧下に濃縮した。得られた残査を減圧下に蒸留し、沸点65〜67℃(3mmHg)の留分として、下記の物性を示す1−アセトキシ−2−シアノ−1,3−ブタジエン5.94g(0.0436モル、2−ソジオホルミル−3−ブテンニトリルに対する収率75.3%)を得た。
【0050】
NMR(270MHz、CDCl3)δ:7.87(s,1H),6.24(dd,1H),5.69(d,1H),5.40(d,1H)
【0051】
実施例3 2−ベンゼンスルホニル−5−シアノピリジンの合成
撹拌機、還流冷却機、温度計、滴下漏斗を備えた反応器にトルエンを入れ、100℃に加熱した。1−アセトキシ−2−シアノ−1,3−ブタジエン68.5g(0.500モル)とベンゼンスルホニルシアニド60.0g(0.359モル)の混合物を1時間で滴下したのち、100℃で2時間撹拌した。冷却後、反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残査をトルエンから再結晶し、下記の物性値を示す2−ベンゼンスルホニル−5−シアノピリジン64.0g(0.262モル、ベンゼンスルホニルシアニドに対する収率73.0%)を得た。
【0052】
NMR(270MHz、CDCl3)δ:8.89(d,1H,J=2.2Hz),8.33(d,1H,J=8.1Hz),8.22(dd,1H,J=2.2Hz,8.1Hz),8.04−8.08(m,2H),7.54−7.68(m,3H)
【0053】
実施例4 2−クロロ−5−シアノピリジンの合成
撹拌機、還流冷却機、温度計、ガス導入管を備えた反応器に2−ベンゼンスルホニル−5−シアノピリジン1.00g(4.10ミリモル)およびアセトニトリル10mlを入れ、80℃に加熱した。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル6.0mg(0.037ミリモル)を30分毎に加えながら、塩素(毎分4.0ml)を反応液に3時間導入した。冷却後、反応液に窒素を吹き込み過剰の塩素を除去し、減圧下に濃縮した。得られた残査を再結晶し、2−クロロ−5−シアノピリジン0.510g(3.68ミリモル、収率89.8%)を得た。このものはNMR分析において標品と一致した。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、2−クロロ−5−シアノピリジンを、入手容易な原料から、高収率で製造することができる。
Claims (4)
- 3−ブテンニトリルとギ酸エステルとを、一般式(V)
で示されるアルカリ金属アルコラートの存在下に反応させることにより一般式(IV)
で示される2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリルを得、得られた2−アルカリホルミル−3−ブテンニトリルにアシル化剤、アルキル化剤、アラルキル化剤またはシリル化剤を反応させることにより一般式(II)
で示されるジエン化合物を得、次いで得られたジエン化合物と一般式(III)
で示される5−シアノ−2−スルホニルピリジンの製造方法。
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