JP3849637B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リジッド及びフレキシブルプリント配線板、あるいはBGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)等のLSIパッケージの製造に使用されるソルダーレジスト組成物として好適に用いられる感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソルダーレジストはプリント配線板製造において使用されているが、近年はBGAやCSPといった新しいLSIパッケージにも使用されるようになってきた。ソルダーレジストはソルダリング工程で半田が不必要な部分に付着するのを防ぐ保護膜として、また永久マスクとして必要不可欠な材料である。ソルダーレジストとしては熱硬化型のものをスクリーン印刷法で印刷して施す方法がある。本発明もこのような方法に適用できるが、近年、配線の高密度化に伴いスクリーン印刷法では解像度の点で限界があり、写真法でパターン形成するフォトソルダーレジストが盛んに用いられるようになっている。中でも炭酸ソーダ溶液等の弱アルカリ溶液で現像可能なアルカリ現像型のものが作業環境保全、地球環境保全の点から主流になっている。このようなものとして特開昭61−243869号公報、特開平1−141904号公報に示されるものが知られている。
【0003】
しかしアルカリ現像型のフォトソルダーレジストは、耐久性の点ではまだまだ問題がある。すなわち従来の熱硬化型、溶剤現像型のものに比べて耐薬品性、耐水性、耐熱性等が劣る。これはアルカリ現像型フォトソルダーレジストはアルカリ現像可能にするために親水性基を有するものが主成分となっており、薬液、水、水蒸気等が浸透しやすく、これらがレジスト皮膜と銅との密着性を低下させるためである。特にBGAやCSP等の半導体パッケージにおいては特に耐湿熱性ともいうべき耐PCT性(耐プレッシャークッカーテスト性)が必要であるがこのような厳しい条件下においては数時間〜十数時間程度しかもたないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題を解決するものであり、レジスト皮膜と銅及び他の基材に対する密着性及び耐湿熱性に優れたソルダーレジスト組成物として好適な感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のエポキシ硬化剤を用いた感光性樹脂及び光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物が、さらにはこれらとトリアジン化合物含む感光性樹脂組成物が銅及び他の基材に対する密着性及び耐久性に優れていることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、ポリアミドユニット及び/又はポリアミドイミドユニットを分子構造中に有するエポキシ化合物(a)と不飽和モノカルボン酸とのエステル化物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加させた付加反応物であるカルボキシル基を有する感光性樹脂(A)、下記一般式(I)に示されるエポキシ硬化剤(B)及び光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【化2】
(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を表し、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基であり、R5及びR6はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を表し、nは0、1、2又は3である)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるカルボキシル基を有する感光性樹脂(A)としては、エポキシ化合物(a)と不飽和モノカルボン酸とのエステル化物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した付加反応物等が好適に用いられる。
【0009】
エポキシ化合物(a)としては例えばフェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール又はアルキルフェノール類とホルムアルデヒド類とを酸性触媒下で反応させて得られるノボラック類とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるノボラック型エポキシ化合物が適しており、これらの市販品としては、東都化成社製YDCN−701、704、YDPN−638、602、ダウケミカル社製DEN−431、439、チバ・ガイギ社製EPN−1299、大日本インキ化学工業社製N−730、770、865、665、673、VH−4150、4240、日本化薬社製EOCN−120、BREN等が挙げられる。またノボラック型エポキシ化合物以外にも、例えばサリチルアルデヒドとフェノール又はクレゾールとの反応物にエピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ化合物(日本化薬社製EPPN502H、FAE2500等)が好適に用いられる。また、例えば油化シェル社製エピコート828、1007、807、大日本インキ化学工業社製エピクロン840、860、3050、ダウ・ケミカル社製DER−330、337、361、ダイセル化学工業社製セロキサイド2021、三菱ガス化学社製TETRAD−X、C、日本曹達社製EPB−13、27、チバ・ガイギ社製GY−260、255、XB−2615等のビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型、アミノ基含有型、脂環式あるいはポリブタジエン変性等のグリシジルエーテル型などのエポキシ化合物も好適に用いられる。これらの中で耐熱性の点からサリチルアルデヒドとフェノール又はクレゾールとの反応物にエピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ化合物が好ましく用いられる。
【0010】
前記不飽和モノカルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸及び飽和又は不飽和多塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート類あるいは飽和又は不飽和二塩基酸と不飽和モノグリシジル化合物との半エステル化合物類との反応物、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートを常法により等モル比で反応させて得られる反応物が挙げられる。これらの不飽和モノカルボン酸は単独又は混合して用いることができる。これらの中でアクリル酸が好ましい。
【0011】
前記飽和又は不飽和多塩基酸無水物としてはフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸、トリメリット酸等の無水物が用いられる。
【0012】
カルボキシル基を有する感光性樹脂(A)の酸価(KOHmg/g)は、アルカリ現像性と電気特性他の特性バランス上、好ましくは40〜250、より好ましくは50〜150である。
【0013】
上記のカルボキシル基を有する感光性樹脂(A)にさらに、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、あるいはトリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートと1分子中に水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレート類、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの等モル反応物を反応させてウレタン結合を介して不飽和結合を導入してもよい。
【0014】
また、本発明の感光性樹脂(A)の製造に用いられるエポキシ化合物(a)としては、ポリアミドユニット及び/又はポリアミドイミドユニットを分子構造中に有するエポキシ化合物も好適に用いられる。このようなエポキシ化合物(a)としては、例えばジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物等の多価カルボン酸成分と有機ジイソシアネート若しくはジアミンから縮合反応により合成されるカルボキシル基末端ポリアミド樹脂又はカルボキシル基末端ポリアミドイミド樹脂(b)(以下、カルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)ということがある。)とエポキシ樹脂(c)とを、(c)のエポキシ基/(b)のカルボキシル基のモル比を1より大きくして反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド樹脂(d1)又はエポキシ基含有ポリアミドイミド樹脂(d2)(以下、エポキシ基含有ポリアミド(イミド)樹脂(d)ということがある。)がある。
【0015】
上記カルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)の製造に使用される多価カルボン酸成分としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ジフェニルスルホンテトラカルボキシリックジアンハイドライド、ベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライド等の芳香族カルボン酸無水物などが挙げられる。これらは、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】
上記カルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)の製造に使用される有機ジイソシアネートとしては4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートなどが挙げられる。これらのうちでは耐熱性の点から芳香族ジイソシアネートが好ましく、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが特に好ましい。これらは単独で使用してもよいが、結晶性が高くなるので2種類以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0017】
上記有機ジイソシアネートの代わりにジアミンも使用できる。ジアミンとしてはフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルファイド、ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。有機溶剤に対する可溶性を向上させるために2,2−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、3,3′−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、3,3′−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン等のジアミンを用いることが好ましい。
【0018】
これら有機ジイソシアネート及びジアミンは単独で使用してもよいが、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。ただし有機ジイソシアネートとジアミンは同時に用いると反応し耐熱性の劣る尿素結合ができるので好ましくない。
【0019】
上記カルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)としては、ポリアルキレンオキサイドユニット及びポリカーボネートユニットから選ばれる少なくとも1種のポリマーユニットを分子構造中に有する樹脂が好ましく用いられる。分子構造中に導入されるポリアルキレンオキサイドユニット、ポリカーボネートユニットは、前記カルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)を製造する際に、ポリアルキレングリコール又はポリカーボネートジオールの両末端にカルボキシル基を導入したジカルボン酸を多価カルボン酸成分として用い、ジイソシアネート又はジアミンと反応させポリアミド(イミド)骨格に導入する。ポリアルキレングリコールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールAあるいは水添ビスフェノールAとこれらポリアルキレングリコールとの反応物が挙げられ、これらにより導入されるポリアルキレンオキサイドユニットは一分子中に2種以上存在していてもよい。ポリカーボネートジオールとしては直鎖状脂肪族ポリカーボネートジオールが挙げられ、プラクセルCDシリーズ(ダイセル化学工業社製)ニッポラン980、981(日本ポリウレタン工業社製)などが挙げられる。
【0020】
ポリアルキレングリコール、ポリカーボネートジオールの両末端にカルボキシル基を導入して両末端カルボン酸にするには、前記した多価カルボン酸成分と同様の多価カルボン酸、好ましくはジカルボン酸をポリアルキレングリコール、ポリカーボネートジオールに反応させればよい。
【0021】
また、末端にアミノ基が導入されたポリアルキレングリコールジアミン、ポリカーボネートジアミンをジアミン成分として使用しても、又はこれらをトリメリット酸と反応させたイミドジカルボン酸を多価カルボン酸成分として使用してもカルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)中に導入することができる。
【0022】
ポリアルキレンオキサイドユニット又はポリカーボネートユニットの含有量の合計は、接着性の点からカルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)中に10重量%以上、耐熱性の点から90重量%以下使用することが好ましい。さらに接着性、耐吸水性の点からポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール及びこれらの(水添)ビスフェノールAとの反応物を用いて導入することが好ましい。使用できるこれらのジオールの分子量(水酸価からの算出値)は200〜4,000が好ましい。
【0023】
カルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)の製造において、多価カルボン酸成分はジイソシアネート成分とジアミン成分の合計に対してモル比で1以上、好ましくは1〜3、より好ましくは1.1〜2.2となるように配合し、反応させる。
【0024】
上記の反応はγ−ブチロラクトン等のラクトン類、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒、テトラメチレンスルホン等のスルホン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類などの溶媒を使用し50℃〜250℃で反応させる。反応収率、溶解性及び後工程での揮散性を考慮するとγ−ブチロラクトンを溶媒の主成分にするのがよい。
【0025】
次に、カルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)と反応させるエポキシ樹脂(c)としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びその変性物、ビキシレニルジグリシジルエーテル、YDC1312(東都化成社製商品名)、テクモアVG3101(三井石油化学社製商品名)、TMH574(住友化学社製商品名)、ESLV−80XY、−90CR、−120TE、−80DE(新日鉄化学社製商品名)、エピコート1031S(油化シェル社製商品名)等の芳香族系エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の脂肪族系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ化合物などが挙げられる。これらのうちでは、反応制御の点から2官能エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性の点から芳香族系あるいは複素環式エポキシ樹脂がよい。また難燃性を付与するためにはブロム化エポキシ樹脂が有用である。これらは単独又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0026】
またこれらのエポキシ樹脂(c)はカルボキシル基末端ポリアミド(イミド)樹脂(b)と、(c)のエポキシ基/(b)のカルボキシル基のモル比を1より大きくして、好ましくは1.1〜2.5で反応させる。エポキシ基/カルボキシル基のモル比が1以下ではエポキシ基が分子鎖の末端に導入された樹脂が得られない。このようにして得られるエポキシ基含有ポリアミド(イミド)樹脂(d)のエポキシ当量は500〜40,000であることが好ましい。500より小さくては分子量が低く接着性が劣り、40,000を超えると分子量が高すぎ現像性に劣る。
【0027】
上記エポキシ基含有ポリアミド(イミド)樹脂(d)と反応させる不飽和モノカルボン酸の反応割合は、不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基/(d)のエポキシ基のモル比で0.5〜2とすることが好ましい。
【0028】
さらに、樹脂中に残っている水酸基に対して、感光特性等を考慮し、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、あるいはトリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートと1分子中に水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレート類例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの等モル反応物を反応させてウレタン結合を介して不飽和結合を導入してもよい。
【0029】
上記エポキシ基含有ポリアミド(イミド)樹脂(d)と不飽和モノカルボン酸とのエステル化物にフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸、トリメリット酸等の飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加させることが好ましい。さらに酸価を上げたい場合、グリシドールを反応後、さらに多塩基酸無水物を反応させてもよい。
【0030】
カルボキシル基を有する感光性樹脂(A)の酸価は、アルカリ現像性と電気特性他の特性バランス上、好ましくは40〜250、より好ましくは50〜150である。
【0031】
カルボキシル基を有する感光性樹脂(A)としては、他にカルボキシル基と(メタ)アクリレート基を有する特公平7−92603号公報あるいは特開昭63−205649号公報に示されるようなアクリル系、スチレン系樹脂を使用してもよい。
【0032】
本発明の感光性樹脂組成物において、感光性樹脂(A)の好ましい配合割合は、10〜90重量%とすることが好ましい。
【0033】
次に、本発明に使用されるエポキシ硬化剤(B)としては、下記一般式(I)に示されるものが使用される。
【0034】
【化3】
(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を表し、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基であり、R5及びR6はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を表し、nは0、1、2又は3である)
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。炭素数6〜18のアリール基としては、例えば、フエニル基、ナフチル基等が挙げられ、これらは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0035】
このエポキシ硬化剤(B)の具体例としてはn:0では東都化成社製YDC1312、n:1では新日鐡化学社製ESLV−80XY、n:2では新日鐡化学社製ESLV−90CRがある。またビスフェノールF型エポキシ樹脂が使用できる。これらは特開平8−269172号公報に記載されているビキシレノール型エポキシ樹脂;油化シェル社製YX4000が、レジストの代表的溶剤であるカルビトールアセテート/ソルベッソ150=1/1(重量比)の10g溶液に1gしか溶けないのに対して2g以上溶解する。このように可溶性であっても感度、現像性は良好で、かつ耐PCT性、耐サーモサイクルテストその他のパッケージ用レジストに要求される特性を満足する。n:4以上ではエポキシ当量が大きくなり、耐熱性の点で好ましくない。これらの中で、n:1のESLV−80XYがさらに好ましく用いられる。
【0036】
上記のエポキシ硬化剤(B)の一部(50重量%以下)を、他のエポキシ硬化剤に替えて使用してもよい。他のエポキシ硬化剤は感光基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0037】
感光基を有するエポキシ硬化剤としてはカルボキシル基を有する感光性樹脂(A)として用いられるノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸のエステル化物に酸無水物を付加させた付加反応物の酸無水物を付加させる前のエポキシアクリレート化合物が好適に用いられる。さらにエポキシアクリレート化合物にイソシアネートエチルメタクリレート等をウレタン結合を介して導入したウレタン化物等も好適に用いられる。
【0038】
感光基を有していないエポキシ硬化剤としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましく、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂及びその臭素化物等の誘導体、フェノールあるいはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、例えば「YX4000」(油化シェルエポキシ社製商品名)、特殊グリシジルエーテル系エポキシ樹脂、例えば「TACTIX742」(ダウケミカル社製商品名)、「ZX1257」(東都化成社製)、ESLV−120TE、−80DE(新日鉄化学社製商品名)等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;グリシジルエステル系エポキシ樹脂、例えば「デナコールEX711」(ナガセ化成工業社製商品名)、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、例えば「YH434」(東都化成社製商品名)、ナフタレン型エポキシ樹脂、例えば「エピクロンHP−4032」(大日本インキ化学工業社製商品名)、ジシクロ型エポキシ樹脂、例えば「エピクロンHP7200H」(大日本インキ化学工業社製商品名)、環式脂肪族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の特殊エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0039】
エポキシ硬化剤(B)の好ましい配合割合は感光性樹脂組成物に対して0.1〜40重量%、更に好ましくは1〜30重量%である。0.1重量%未満だと硬化が不十分となる傾向があり、40重量%を超えると感光特性が悪くなる傾向がある。
【0040】
本発明に使用される光重合開始剤(C)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤(C)の好ましい配合割合は感光性樹脂組成物に対して0.1〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。
【0041】
さらに本発明の感光性樹脂組成物には光重合開始助剤を配合することができる。光重合開始助剤としてN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン類がある。これらは、単独あるいは混合して感光性樹脂組成物中に好ましくは0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
【0042】
本発明に用いられる、トリアジン化合物(D)としては、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン−フェノールホルマリン樹脂、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等が挙げられる。トリアジン化合物(D)としてはトリアジン環を有しているものであれば特に制限はない。市販されているトリアジン化合物としては、下記に示す四国化成工業社製;2MZ−AZINE、2E4MZ−AZINE、C11Z−AZINE等が挙げられる。
【0043】
【化4】
【0044】
これらの化合物は銅回路との密着性を上げ耐PCT性を向上させ、電食性にも効果がある。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。トリアジン化合物(D)の好ましい配合割合は感光性樹脂組成物に対して0.1〜40重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
【0045】
また、必要に応じてその他の硬化剤、熱硬化促進剤が使用できる。硬化剤としては、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジッド、ジアミノマレオニトリル、尿素、ヘキサメトキシメチル化メラミン等のアルキル化メラミン樹脂、ポリアミンの塩類、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、「ハードナーHT972」(チバガイギ社製商品名)等の芳香族アミン類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族酸無水物類、ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類等がある。
【0046】
熱硬化促進剤としては、アセチルアセトナートZn等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸スズ、第4級ホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン等の第3級ホスフィン類、トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロポロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のポロエート、アンチモネート類、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、m−アミノフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン等の第3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられ、単独あるいは混合系で使用できる。硬化剤、熱硬化促進剤はそれぞれ感光性樹脂組成物の好ましくは0.01〜10重量%の範囲で使用される。
【0047】
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて光感度、各種特性を向上させる目的で各種感光性モノマーを加えて使用することもできる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート、あるいはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAとポリエチレングリコール若しくはプロピレングリコールとの反応物、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸等のモノあるいは多官能(メタ)アクリレート類、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、ジアリルフタレート等の光重合性モノマーが使用できる。これらは単独あるいは混合系で使用できる。感光性モノマーはそれぞれ感光性樹脂組成物の好ましくは0.1〜30重量%の範囲で使用される。
【0048】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて有機溶剤で希釈することができる。例えばエチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。
【0049】
本発明の感光性樹脂組成物は、密着性、硬度等の特性を向上する目的で必要に応じて硫酸バリウム、チタン酸バリウム、粉状酸化珪素、無定形シリカ、タルク、クレー、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤が使用できる。その使用量は好ましくは0〜60重量%である。更に必要に応じてフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの着色剤等を用いることができる。さらにハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤、ベントン、モンモリロナイト、エアロジル、アミドワックス等のチキソ性付与剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤、レベリング剤、及びイミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような添加剤類を用いることができる。
【0050】
本発明の感光性樹脂組成物は、前記の割合で配合した配合原料をロールミル、ビーズミル等で均一に混合し、例えば次のように硬化させて、硬化物を得ることができる。即ちプリント配線板等に、スクリーン印刷法、スプレー法、静電スプレー法、エアレススプレー法、カーテンコータ法、ロールコート法等の方法により10〜160μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、塗膜を60〜110℃で乾燥させた後、ネガフィルムを塗膜の上に置き、紫外線等の放射線を照射し次いで、末露光部分を希アルカリ水溶液(例えば0.5〜2重量%炭酸ソーダ水溶液等)で溶解除去(現像)した後、さらに通常紫外線の照射及び/又は加熱(例えば100〜200℃で0.5〜1.0時間)によって十分な硬化を行い硬化皮膜を得る。
【0051】
本発明の感光性樹脂組成物はプリント配線板及びBGA、CSP等のパッケージ用のソルダーレジスト組成物として特に有用であるが、その他にも塗料、ガラス、セラミック、プラスチック、紙等のコーティング材にも使用できる。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0053】
[カルボキシル基を有する感光性樹脂(A−1)の製造例]
攪拌機、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコに、サリチルアルデヒド−フェノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量:168)55.7重量部、アクリル酸24.1重量部、メチルハイドロキノン0.1重量部、カルビトールアセテート26重量部及びソルベントナフサ(ソルベッソ150)17重量部を仕込み、70℃で加熱攪拌して、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン1重量部を仕込み、100℃に加熱し、固形分酸価が1(KOH mg/g)以下になるまで反応させた。次に、得られた溶液を50℃まで冷却し、テトラヒドロ無水フタル酸20.3重量部、カルビトールアセテート5重量部、ソルベントナフサ4重量部を仕込み、80℃で所定時間反応させ、固形分酸価80(KOH mg/g)、固形分67重量%の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−1)を得た。
【0054】
[カルボキシル基を有する感光性樹脂(A−2)の製造例]
攪拌機、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)200重量部、アクリル酸70重量部、メチルハイドロキノン0.4重量部、カルビトールアセテート80重量部及びソルベントナフサ20重量部を仕込み、70℃で加熱攪拌して、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン1重量部を仕込み、100℃に加熱し、固形分酸価が1(KOH mg/g)以下になるまで反応させた。次に、得られた溶液を50℃まで冷却し、無水マレイン酸51重量部、カルビトールアセテート48重量部及びソルベントナフサ10重量部を仕込み、80℃で所定時間反応させ、固形分酸価67(KOH mg/g)、固形分67重量%の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−2)を得た。
【0055】
[ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)の両末端カルボン酸物(B−1)の製造例]
攪拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、PTG(平均分子量1,000);1,000g、セバシン酸;405gを仕込み、2時間かけて200℃に昇温しさらに3時間反応させた後冷却し、酸価81.9、分子量1,370のPTGの両末端にカルボキシル基を導入したPTGの両末端カルボン酸物を得た。
【0056】
同様にして、ポリプロピレングリコールの両末端にアミノ基を導入したポリプロピレングリコール両末端ジアミン(PPG−NH2:平均分子量900)の両末端カルボン酸物(B−2)を表1の配合で得た。
【0057】
同様にして、ビスフェノールAのポリプロピレングリコール反応物(Bis−PPG:平均分子量1,450)の両末端カルボン酸物(B−3)を表1の配合で得た。
【0058】
同様にして、ポリカーボネートジオール(プラクセルCD220:平均分子量2,000;ダイセル化学工業社)を表1の配合で得た。
【0059】
得られた両末端カルボン酸物の特性を表1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
[感光性ポリアミド樹脂(C−1)の製造例]
攪拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、γ−ブチロラクトン;100g、NMP;50gを仕込み、さらに上記(B−1);55.6g、アジピン酸;6.1g、セバシン酸;8.3g、イソフタル酸;13.7g、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);13.8g、コロネートT80(トリレンジイソシアネート;TDI;日本ポリウレタン工業社製);14.4gを仕込み、200℃に昇温し、4時間保温後冷却し、加熱残分40重量%、酸価(固形分)83.5のポリアミド樹脂を得た。さらにビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001(油化シェルエポキシ製)141.5gを仕込み、140℃で2時間保温後ジメチルホルムアミド(DMF)を加え加熱残分40重量%にした。120℃でアクリル酸;10.7gを加え3時間保温後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA);90.6gを添加し1時間保温した。さらにグリシドール;58.4gを加え2時間保温後、THPA;240gを加え2時間保温した。次いでDMFで希釈し加熱残分55重量%、酸価(固形分)145の感光性ポリアミド樹脂(C−1)を得た。
【0062】
[感光性ポリアミドイミド樹脂(C−2)の製造例]
攪拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、NMP;50gを仕込み、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(以下BAPPと記す);12.4g(0.030モル)、無水トリメリット酸;11.6g(0.060モル)を仕込み、200℃で2.5時間保温した。これに上記(B−2);41.0g(0.033モル)、アジピン酸;4.3g(0.029モル)、セバシン酸;5.9g(0.029モル)、イソフタル酸;4.9g(0.029モル)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);18.9g(0.075モル)、コロネートT80(トリレンジイソシアネート;TDI;日本ポリウレタン工業社製);8.8g(0.050モル)及びγ−ブチロラクトン100gを仕込み、200℃に昇温し、4時間保温後冷却した。加熱残分40重量%、酸価(固形分);32.8のポリアミドイミド樹脂を得た。さらにカルボキシル基の2倍量になるようにビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピコート1001;66.8gを仕込み140℃で2時間保温後、DMFを加え加熱残分40重量%にし、次いで120℃でアクリル酸;5.0gを加え3時間保温後、THPA;42.9gを添加し1時間保温した。次いで、DMFで希釈し、加熱残分55重量%、酸価(固形分換算)85の感光性ポリアミドイミド樹脂(C−2)を得た。
【0063】
表2及び表3に示すような配合(単位:g)で同様にポリアミド(イミド)樹脂(C−3〜C−4)を得た。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
[アクリレート基とエポキシ基を有する樹脂(D−1)の製造例]
(D−1)製造例
攪拌機、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)200重量部、アクリル酸20重量部、メチルハイドロキノン0.4重量部、カルビトールアセテート80重量部及びソルベントナフサ20重量部を仕込み、70℃で加熱攪拌して、混合物を溶解した。次に、溶液を50℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン0.5重量部を仕込み、100℃に加熱し、固形分酸価が1(KOH mg/g)以下になるまで反応させた。ソルベントナフサ10重量部を仕込み、固形分67重量%の樹脂(D−1)を得た。
【0067】
参考例1、実施例2〜5、比較例1,2
表4及び表5に示す組成に従って、A、B別々に三本ロールを用いて混練して得られたA:70g、B:30gを混合しレジストインキ組成物を調製した。これをスクリーン印刷法により、100メッシュのポリエステルスクリーンを用いて、乾燥後の膜厚が25〜35μmになるように銅張積層板上に塗布し、塗膜を80℃で20分間乾燥し、レジストパターンを有するネガマスクフィルムを密着した後、紫外線露光装置を用いて、所定時間紫外線を照射した。次に、1%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、スプレー現像(スプレー圧:2.0kg/cm2)し、未露光部分を溶解除去し、現像性を評価した。
【0068】
次に、循環式熱風乾燥機を用いて150℃/1時間、加熱硬化を行い、得られた硬化膜を評価した。
【0069】
以下同様に表4及び表5に示す組成に従って、それぞれ実施例2、3、4、5、比較例1、2とし、参考例1と同様に試験に供した。試験結果を表6に示した。
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【化5】
【0073】
【表6】
【0074】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物は密着性、耐熱性、耐PCT性、現像性に優れ、LSIパッケージ等の製造に用いられるソルダーレジスト組成物として好適である。
Claims (2)
- ポリアミドユニット及び/又はポリアミドイミドユニットを分子構造中に有するエポキシ化合物(a)と不飽和モノカルボン酸とのエステル化物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加させた付加反応物であるカルボキシル基を有する感光性樹脂(A)、下記一般式(I)に示されるエポキシ硬化剤(B)及び光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物。
- 前記ポリアミドユニット及び/又はポリアミドイミドユニットを分子構造中に有するエポキシ化合物(a)が、ポリアルキレンオキサイドユニット及び/又はポリカーボネートユニットを分子構造中に有するものである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
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