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JP3848435B2 - 電気二重層コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

電気二重層コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層コンデンサ及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、無機酸化物微粒子が添加された有機電解液及び/または高分子固体電解質を用いる電気二重層コンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、メモリーバックアップ電源用などに、活性炭、カーボンブラックなど比表面積の大きい炭素材料を分極性電極として、その間にイオン伝導性溶液を配置する電気二重層コンデンサが多用されてきている。例えば、「第173回エレクトロケミカルソサエティ・ミーティング・アトランタ・ジョージア」1988年5月号(第18号)には、硫酸水溶液を用いた電気二重層コンデンサが記載されている。
また、「機能材料」1989年2月号33頁には、炭素系分極性電極と有機電解液を用いたコンデンサが報告されている。有機電解液は硫酸水溶液に比較してイオン伝導度は低いものの、耐電圧が大きく、電気二重層コンデンサの使用電圧及び容量が大きいことから注目されており、種々の電解質、有機溶媒が盛んに検討されている。電解質としては4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の窒素系カチオン塩や4級ホスホニウム塩が有機溶媒への溶解性、解離度が高く、電気化学的安定範囲が広いため、よく用いられている。また、有機溶媒としては、高誘電率で電気化学的安定範囲が広く、高沸点であるものが望まれており、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン(γBL)等の環状炭酸エステル類またはラクトン類が用いられている。
【0003】
しかしながら、現在の電解質溶液を用いた電気二重層コンデンサでは、長期間の使用において、あるいは高電圧が印加される場合などの異常時には、コンデンサ外部への液漏れ、液涸れなどが発生し易いため、長期安定性や信頼性に問題がある。
また、現在の有機電解液を用いた電気二重層コンデンサでは、系内及び/または外部から混入する微量の水分、酸、塩基等の不純物により劣化が速くなるという問題がある。従って、当該業者は電解液製造中の不純物混入防止、調製後の保管方法等に多大な労力を払っている。
【0004】
特開平3-98263号公報には有機電解液にシリカやアルミナ、チタニア等の粉末状の不活性で非電導性固体を多量に添加し、流動性をなくすことにより、前記電解液の問題点を解決する試みもなされている。また、1997年3月電気化学協会春期年会(神奈川大学)1A21には、LiClO4系有機電解液にα−アルミナを多量に添加し、同様の流動性をなくす検討がなされている。しかし、これらの方法で流動性をなくしても、電解質自身の自立性がなく、ある程度の加圧で流動するため、実用性には乏しいものであった。また、流動性をなくすために多量の粉末を添加しているため、イオン伝導度が低下するという問題があった。また、粉末の熱処理が不充分であるため、電解質イオンとの相互作用が小さくイオン移動度向上の効果も小さい。また不純物吸着能力も小さく、逆に粉末表面のOH基や水分が電気化学素子に悪影響を及ぼすという問題もあった。
【0005】
これらに対して、固体電解質を用いた製品は液もれ、液涸れ等の前記電解質溶液のような問題がなく、また薄型化することも容易で、封印も簡便にできる。さらに固体電解質は耐熱性にも優れており、電気二重層コンデンサの作製工程においても有利である。
しかしながら、これまで検討されてきた固体電解質はイオン伝導度が低いため、取り出し電流が小さいという問題を残していた。
【0006】
最近、ポリエチレンオキサイド系重合体とアルカリ金属塩を複合したいわゆる高分子固体電解質が注目されている。これら高分子固体電解質の例として、「ブリティッシュ・ポリマー・ジャーナル(Br. Polym. J. )」第319巻,137頁(1975年)には、ポリエチレンオキサイドと無機アルカリ金属塩との複合物がイオン伝導性を示すことが記載されている。また、オリゴオキシエチレンを側鎖に導入した櫛型高分子が、イオン伝導性を担っているオキシエチレン鎖の熱運動性を高め、イオン伝導性が改良されることも多数報告されている。例えば、「ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリイ(J. Phys. Chem.)」第89巻,987頁(1984年)には、ポリメタクリル酸の側鎖にオリゴオキシエチレンを付加したものにアルカリ金属塩を複合化した例が記載されている。さらに、「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J. Am. Chem. Soc. )」第106巻,6854頁(1984年)には、オリゴオキシエチレン側鎖を有するポリホスファゼンにアルカリ金属塩を複合化した例が記載されている。これらは重合体自身が、電解質であるLi塩と錯形成し、重合体鎖の熱運動によりイオン伝導を発現できると言われている。従って、現在のセパレータのような電解液を通す孔は基本的には必要ない。しかしながら膜強度、イオン伝導度で実用的に満足するものは得られていない。
【0007】
すなわち、一般的に検討されている高分子固体電解質のイオン伝導度は、室温における値で10-4〜10-5S/cm位まで改善されたものの、液体系イオン伝導性物質に比較するとなお二桁以上低いレベルである。また、0℃以下の低温になると、一層極端にイオン伝導性が低下する。更にこれらの固体電解質を薄膜にして電池に組み込む場合、電極との複合化や接触性確保等の加工技術が難しく、製造法でも問題点があった。
【0008】
「ジャーナル・オブ・アプライド・エレクトロケミストリー(J. Appl. Electrochem)」No.5,63〜69頁(1975年)に記載されているように、ポリアクリロニトリルやポリフッ化ビニリデンゲル等の熱可塑性高分子または架橋高分子に溶媒及び電解質を加えたいわゆる高分子ゲル電解質は高イオン伝導度となることが報告されている。また、特公昭58-36828号公報にはポリメタクリル酸アルキルエステルに溶媒及び電解質を加えた同様の高分子ゲル電解質は高イオン伝導度となることが報告されている。しかしながら、これら高分子ゲル電解質は高イオン伝導度であるが、流動性を付与することとなるため、完全な固体としては取り扱えず、膜強度や成膜性に劣り、電池に応用すると短絡が起こり易いうえ、液体系イオン伝導性物質同様に封止上の問題が発生する。
【0009】
米国特許第4357401号には、ヘテロ原子を含有する架橋ポリマーとイオン化可能な塩からなる高分子固体電解質では、高分子の結晶性が低下し、ガラス転移点が低く、イオン伝導度が改善されることが報告されている。しかし、そのイオン伝導度は、室温で10-5S/cm程度であり、未だ不十分なレベルである。
【0010】
さらに米国特許第4792504号では、ポリオキシエチレンの架橋ネットワーク中に金属塩及び非プロトン性溶剤からなる電解液が含浸された高分子固体電解質が提案されている。これらはオキシエチレン鎖がLi塩だけでなく、非プロトン性溶剤を含浸できることを示しており、Li電池のセパレータとして使用可能な電解液を含浸した孔のない均一な高分子固体電解質が提供できることを示している。しかしながら、この系でもイオン伝導度は10-4S/cmとまだ不十分であった。また、溶剤が添加されたため膜強度が低下し、製造時や電池等に使用する場合に取扱いにくいという問題が生じた。
【0011】
特公平3-73081号公報及び米国特許第4908283号にはポリエチレングリコールジアクリレート等のアクリロイル変性ポリアルキレンオキシド/電解質塩/有機溶媒からなる組成物に紫外線等の活性光線を照射することにより、高分子固体電解質を形成する方法が開示され、重合時間を短縮する試みがなされている。
また、米国特許第4830939号、特開平5-109310号公報にも架橋性のポリエチレン性不飽和化合物/電解質塩/活性光線不活性溶媒からなる組成物に紫外線や電子線等の放射線を照射することにより、電解液を含んだ高分子固体電解質を形成する同様の方法が開示されている。これらの系では高分子固体電解質中の電解液を増量したためにイオン伝導度は向上するものの、まだ不十分であり、また膜強度は悪化する傾向にある。
【0012】
これらの問題を解決するために、本発明者らはウレタン結合を有するオキシアルキレン基を含有する(メタ)アクリレートプレポリマーから得られる重合体及び電解質からなる複合体を用いたイオン伝導性の高分子固体電解質(特開平6-187822号)を提案した。この高分子固体電解質のイオン伝導度は、溶媒未添加で10-4S/cm(室温)程度で高いレベルにあるが、さらに溶媒を添加すると、室温またはそれより低温であっても10-3S/cm以上となり、また膜質も良好で自立膜として得られる程度に改善された。また、このプレポリマーは重合性が良好で、電池に応用する場合、プレポリマー状態で電池に組込んだ後に重合し、固体化できるという加工上のメリットもあった。しかしながら、これらの系も電池等のセパレータとして使用するには膜強度が不十分で、工業的に取扱いにくいという問題があった。また、水分、電解質塩の分解物、電極材料不純物等の電池系内の微量の不純物で高分子、特にオキシアルキレン部位が劣化しやすく、電池寿命に影響しやすくなるという問題点もあった。
【0013】
「ソリッド・ステート・アイオニクス」1982年第7号75頁には、高分子固体電解質であるLiClO4 /ポリエチレンオキサイド複合体にさらにアルミナ粒子を複合させることにより、イオン伝導度が低下することなく高分子固体電解質の強度改善が達成できることが報告されている。また、特開平6-140052号公報には、ポリアルキレンオキサイド/イソシアネート架橋体/無機酸化物複合体に非水電解液を含浸させた固体電解質が提案されており、電解液含有高分子固体電解質の強度改善が図られている。しかしながら、これら複合高分子固体電解質では高分子自身の特性が不十分であり、イオン伝導度、加工性、安定性の点で実用化にはまだ問題が残っていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、不純物による影響及び経時劣化が少なく、取扱いが容易で、安定でイオン伝導度も高い有機電解液及び/または高分子固体電解質を用いた、安全性、信頼性に優れ、取り出し電流が大きく、使用電圧が高く、長寿命な、高性能電気二重層コンデンサを得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、電気二重層コンデンサに用いる有機電解液及び/または高分子固体電解質に高比表面積で低含水量の特定の無機酸化物微粒子を添加することにより、コンデンサ内の不純物を除去でき、安定性、安全性、信頼性が増すばかりでなく、電流特性が向上することを見出した。なお、本明細書において、「オキシアルキレン」という表現にはオキシアルキレン基を少なくとも1個以上含むオリゴオキシアルキレン及びポリオキシアルキレンも含まれる。
【0016】
すなわち、本発明は、以下の電気二重層コンデンサ、高分子固体電解質/分極性電極積層体及び電気二重層コンデンサの製造方法を提供する。
1)BET比表面積50m2/g以上、一次粒子の最大粒径が0.1μm以下で、含水量が5000ppm以下である、少なくとも一種の無機酸化物微粒子を1〜50重量%の範囲で含有し、含水量が1000ppm以下である有機電解液及び/または高分子固体電解質を用いてなることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
2)無機酸化物微粒子が100〜1200℃で熱処理されたアルミナ系微粒子及び/またはシリカ系微粒子であることを特徴とする前記1に記載の電気二重層コンデンサ。
3)アルミナ系微粒子及び/またはシリカ系微粒子が、最大粒径0.05μm以下の一次粒子の凝集体であって、凝集体の平均粒径が0.01〜5μmである前記2に記載の電気二重層コンデンサ。
4)高分子固体電解質を構成する少なくとも一種の高分子がオキシアルキレン及び/またはウレタン構造を含んでいる前記1乃至3のいずれかに記載の電気二重層コンデンサ。
【0017】
5)少なくとも一種の高分子が、以下の一般式(1)及び/または一般式(2)
【化3】
CH2=C(R1)COO−R2− (1)
【化4】
CH2=C(R3)CO[OR4xNHCOO−R5 − (2)
[式中、R1及びR3は水素またはアルキル基を表わし、
2、R4及びR5は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、直鎖状、分岐状、または環状の構造を有する2価の基であり、
xは0または1〜10の整数である。
但し、同一分子中に上記一般式(1)または(2)で表わされる重合性官能基が複数個含まれる場合、それぞれの重合性官能基中のR1、R2、R3、R4、R5及びxは、同一でもよいし異なってもよい。]
で示される重合性官能基を有する、熱及び/または活性光線重合性化合物を重合することによって得られる高分子である前記4に記載の電気二重層コンデンサ。
6)有機電解液及び/または高分子固体電解質中の電解質塩が4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩から選ばれる少なくとも一種である前記1乃至5のいずれかに記載の電気二重層コンデンサ。
【0018】
7)分極性電極材料及び/または分極性電極間に配設されるイオン伝導層中に前記1乃至6のいずれかに記載の有機電解液及び/または高分子固体電解質を含む電気二重層コンデンサ。
8)(a) BET比表面積50m2/g以上、一次粒子の最大粒径が0.1μm以下で、含水量が5000ppm以下である少なくとも一種の無機酸化物微粒子、(b) 少なくとも一種の電解質塩、及び(c) 前記5記載の熱及び/または活性光線重合性化合物を含む組成物であって、前記無機酸化物微粒子を1〜50重量%の範囲で含み、含水量が1000ppm以下である熱及び/または活性光線重合性組成物を、分極性電極からなる基材上に配置した後、加熱及び/または活性光線照射により当該組成物を硬化させて高分子固体電解質とすることを特徴とする高分子固体電解質/分極性電極積層体の製造方法。
9)前記8に記載の方法により製造された高分子固体電解質/分極性電極積層体の高分子固体電解質表面にさらに分極性電極を積層することを特徴とする電気二重層コンデンサの製造方法。
【0019】
【発明の実施の態様】
以下に本発明の具体的内容を詳細に説明する。
[1]コンデンサの基本構成
まず、本発明の電気二重層コンデンサの構成について説明する。
本発明の電気二重層コンデンサは、図1に概略断面図に示すように、分極性電極2を平行に配置しその間にイオン伝導性層3を介設した構造を取っている。分極性電極2の外表面は集電体1に接しており、各集電体からはリード線5が引き出されており、コンデンサ全体は絶縁性樹脂封止剤4により封止されている。
図1において、集電体1は電子伝導性で電気化学的に耐食性があり、できるだけ比表面積の大きい材料を用いることが好ましい。このような材料の例としては、各種金属及びその焼結体、電子伝導性高分子、カーボンシート等を挙げることができる。
【0020】
分極性電極2は、炭素材料等の分極性材料を高分子バインダー中に分散し成形したもの、あるいはこのようにして得られた成形体に有機電解液を含浸したものを用いる。高分子バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルブチラール、EPDM、PMMA等の高分子材料や固体電解質材料を用いることができる。
分極性材料の炭素材料としては、比表面積の大きいほど電気二重層の容量が大きくなり好ましい。例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック(アセチレンブラックを含む)、チャンネルブラック等のカーボンブラック類や、椰子がら炭等の活性炭、天然黒鉛、人造黒鉛、気相法で製造したいわゆる熱分解黒鉛、ポリアセン及びC60、C70、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール等の各種高分子高温焼成体を挙げることができる。
イオン伝導層3は、具体的には、有機電解液を含浸したセパレータ及び/または高分子固体電解質膜である。分極性電極2の間にスペーサを設けてこれらのセパレータまたは高分子固体電解質の厚みを調節することもできるが、スペーサとしては電気二重層コンデンサ等に慣用されているものを用いればよく、例えば絶縁性フィルムを用いることができる。通常、イオン伝導層3の厚みは5〜100μm程度である。
【0021】
本発明の電気二重層コンデンサは、含水量の調整された所定粒径範囲の無機微粒子粉末を所定の範囲の量で含有させた有機電解液及び/または高分子固体電解質を用いることを特徴とする。具体的には、前記の分極性電極2及び/またはその間のイオン伝導層3に上記の有機電解液及び/または高分子固体電解質を用いる。かかる構成を採ることにより、コンデンサ内の不純物を低減乃至除去でき、安定性、安全性、信頼性が向上する。また、無機酸化物微粒子と電解質イオンの相互作用により、イオン移動度が向上し、電流特性が向上する。
【0022】
特に高分子固体電解質を用いた場合は、液もれ、液涸れがなく、耐熱性も良好となり、コンデンサとしての安全性、信頼性がさらに増す。また、無機酸化物微粒子と高分子間に微細な空孔が生じることになり、電解液と併用した場合には空孔を通じて高分子固体電解質内にフリーの電解液が分散することになり、イオン伝導度、移動度を増加させることもできる。
なお、本発明の電気二重層コンデンサは、図1に示すシ−ト型に限らず、チップ型、コイン型、角型、円筒型等いかなる形状でもよい。また、各種の大きさのものを製造することができる。後述の製造方法によれば、分極性電極上に均一なイオン伝導層を容易に積層できるため大面積化も可能であり、対電極の面積で30cm角程度のものが容易に得られる。全体の厚みは、形状にもよるが、シート型で1mm以下、例えば0.5mm程度のものとすることができる。
【0023】
[2]有機電解液及び高分子固体電解質
本発明の電気二重層コンデンサに用いる有機電解液は、(a) 無機酸化物微粒子、(b) 有機溶媒、(c) 電解質塩を必須成分とする。
また、本発明の電気二重層コンデンサに用いる固体電解質は、これらの(a) 無機酸化物微粒子及び(c) 電解質塩成分に加え(d) 高分子成分を必須成分とし、さらに(b) 有機溶媒を含んでもよい。以下、各成分について詳述する。
【0024】
(a) 無機酸化物微粒子
(a-1) 無機酸化物微粒子
有機電解液または高分子固体電解質に添加する無機酸化物微粒子は比表面積がBET比表面積で10m2/g以上のものでよいが、より大きな比表面積を有することが望ましい。本発明においてはBET比表面積50m2/g以上の微粒子を用いる。
無機酸化物微粒子(凝集して二次粒子を形成する場合は一次粒子)は最大粒径が1μm以下のものが用いられるが、より小さい方が好ましく、本発明においては最大径が0.1μm以下の微粒子を用いる。
本発明では、無機酸化物微粒子表面の吸着水を除去した状態で使用することが必要である。具体的にはカールフィッシャー法により測定した含水量が5000ppm以下のものを使用する。
【0025】
無機酸化物微粒子を、高比表面積で吸着水が低減された表面活性の高いものとすることにより、電解液及び/または高分子固体電解質内のみではなく、電気二重層コンデンサ内の不純物、特に水分や遊離酸、遊離塩基を非常によく吸着することができる。その結果、封止材料や他の材料の劣化を低減することに大きな効果を発揮し、コンデンサの寿命を改善できる。また、かかる不純物除去効果ばかりではなく、電解質イオンとの相互作用効果が高くなり、イオン移動度を向上させることができるという予想外の効果も得られる。
また、一般に表面活性な微粒子を用いた場合、結晶粒子が凝集し二次粒子構造を形成しやすくなるが、かかる凝集体を用いることにより、上述の電解液の不純物除去効率及びイオン伝導度がより改善されるという結果が見出された。特に一次粒子の最大粒径が0.05μm以下で、平均粒径が0.01μm〜5μmの凝集体(二次粒子)が好ましい。
【0026】
無機酸化物微粒子の含水量調整は微粒子粉末を熱処理することにより行なうことができる。熱処理することにより、無機酸化物微粒子の表面吸着水を低減し、他材料に拡散する遊離水分を抑えるばかりでなく、逆に他材料の不純物を吸着することができ、系内の安定性を向上できる。また、適度に熱処理することにより、部分的な焼結を引き起こし、二次粒子化にも効果がある。熱処理の温度、時間は用いる無機酸化物微粒子の形状や種類によって異なるが、100〜1200℃の範囲で2時間〜300時間程度行なえば良く、特に500〜1000℃の範囲が好ましい。
熱処理温度はできるだけ高い方が好ましいが、1200℃を越えると、無機酸化物微粒子の焼結が進み、また表面の活性も低下するので好ましくない。また、熱処理時の雰囲気は特に限定されず、減圧、空気中、または不活性雰囲気中でよいが、熱処理後は水分の再吸着等を防止するため、露点−30℃以下の雰囲気で取扱う必要があり、特に露点−50℃以下で取り扱うことが好ましい。
なお、本発明で使用する無機酸化物微粒子の形状は特に限定されず、球形、卵形、立方体状、直方体状、円筒ないし棒状等の種々の形状のものを用いることができる。
【0027】
本発明で使用する無機酸化物微粒子は、非電子伝導性で電気化学的に安定なものが選ばれる。また、イオン伝導性のものがさらに好ましい。
このような無機酸化物微粒子の例としては、α、β、γ−アルミナ等のアルミナ系微粒子、シリカ系微粒子、チタニア系微粒子、マグネシア系微粒子、及びこれらの複合酸化物微粒子等のイオン伝導性または非電導性酸化物微粒子が挙げられる。これらの中では、アルミナ系微粒子、シリカ系微粒子が安定性に優れ、電解質イオンとの相互作用が大きく好ましい。特にアルミナ系微粒子の表面は電解質アニオンとの親和性が高く、特にカチオンの束縛を減少させ、カチオンの移動度を向上することができる。
【0028】
アルミナ系微粒子の具体例としては、固相法、気相法等の種々の製法で得られる、α、β、γ型Al23微粒子や、これらとLi塩等の各種無機物とを反応させたLiAlO2等のアルミナ系複合酸化物微粒子が挙げられる。この中で比表面積が大きく、表面活性の大きいデグサ社製のアルミニウムオキサイドC(商品名)、昭和電工(株)製UA-5805等のγ型Al23微粒子やLiAlO2が、本発明の電気二重層コンデンサに用いられる有機電解液及び/または高分子固体電解質には適している。
シリカ系微粒子の具体例としては、比表面積が大きく、表面活性の大きいデグサ社製のアエロジル(商品名)が挙げられる。
【0029】
(a-2) 有機電解液・固体電解質への配合
本発明の電気二重層コンデンサにおいて、無機酸化物微粒子が添加された有機電解液を用いる場合にはその粘度が低くなるように調整する。電気二重層コンデンサの他の構成成分は、電気化学反応を効率的に行なうために、分極性電極、セパレーター等一般的に多孔質で微孔性のものが多く用いられる。電解液の粘度が高過ぎると、それらへの含浸、複合を行ないにくくなり好ましくない。また、電解液粘度が増すとイオンの移動度も一般的には低下する傾向を示す。このため有機電解液の粘度は室温で2000cps以下(回転粘度計でのずり速度が20〜400s-1の場合)が好ましく、1000cps以下がより好ましく、500cps以下がさらに好ましい。
無機酸化物微粒子の添加量は多すぎると有機電解液の粘度を上昇させ、またイオン伝導性を低下させるという問題を考慮した無機微粒子の好ましい添加量は、添加後の有機電解液の重量に基づき1〜50重量%であり、1〜30重量%の範囲が特に好ましい。
【0030】
本発明の電気二重層コンデンサに無機酸化物微粒子が添加された高分子固体電解質を用いる場合にも、無機酸化物微粒子の添加量が多すぎると高分子固体電解質の強度やイオン伝導性を低下させたり、成膜がしづらくなるという問題を生じる。好ましい添加量としては、添加後の高分子固体電解質の重量に基づき1〜50重量%であり、1〜30重量%の範囲が特に好ましい。
上記熱処理した無機酸化物微粒子を用いることにより、本発明の電気二重層コンデンサに用いられる有機電解液及び/または高分子固体電解質の含水量は1000ppm以下(カールフィッシャー滴定値)となり、好ましくは含水量が200ppm以下(カールフィッシャー滴定値)となり、電気二重層コンデンサの高性能化に好適な電解液とすることができる。
【0031】
(b) 有機溶媒
本発明では、電気二重層コンデンサに用いる有機電解液においては溶媒そのものとして、また高分子固体電解質においては可塑剤として有機溶媒が用いられる。
有機溶媒としては、電解質塩の溶解性が高く、高分子との親和性が高く、電気二重層コンデンサの作動電圧範囲で安定なものがよい。すなわち、誘電率が大きく、電気化学的安定範囲が広い化合物が適している。このような有機溶媒の例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ビスメトキシエチルカーボネート、エチルメトキシエチルカーボネート等の環状及び/または鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン等の環状及び/または鎖状エーテル類、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のオリゴエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等の脂肪族及び/または芳香族ニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−ビニルピロリドン等の含窒素化合物、スルホラン等の硫黄化合物、リン酸エステル類等が挙げられる。これらの中で、カーボネート類、エーテル類、オリゴエーテル類、ラクトン類が好ましく、カーボネート類、ラクトン類が特に好ましい。
【0032】
(c) 電解質塩
本発明の電気二重層コンデンサに用いる有機電解液及び/または高分子固体電解質に使用する電解質の種類は特に限定されるものではなく、電荷キャリアーとしたいイオンを含んだ化合物を用いればよいが、有機電解液及び/または高分子固体電解質中での解離定数が大きく、分極性電極と電気二重層を形成しやすいイオンを含むことが望ましい。このような化合物としては、(CH34NBF4、(CH3CH24NBF4、(CH3CH24NClO4等の4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、(CH34PBF4、(CH3CH24PBF4等の4級ホスホニウム塩、LiCF3SO3、LiPF6、LiClO4、LiI、LiBF4、LiSCN、LiAsF6、LiN(CF3SO22、NaCF3SO3、NaPF6、NaClO4、NaI、NaBF4、NaAsF6、KCF3SO3、KPF6、KI等のアルカリ金属塩、AgClO4等の遷移金属塩、パラトルエンスルホン酸等の有機酸及びその塩等が挙げられる。これらの中で、出力電圧が高く取れ、解離定数が大きいという点から、4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、4級ホスホニウム塩が好ましい。4級アンモニウム塩の中では、(CH3CH2)(CH3CH2CH2CH23NBF4のような、アンモニウムイオンの窒素上の置換基が異なっているものが、有機電解液や高分子固体電解質への溶解性あるいは解離定数が大きいという点から好ましい。これら有機電解液及び/または高分子固体電解質に用いる電解質塩の複合比は、溶媒及び/または高分子の重量に対し、1〜50重量%が好ましく、5〜30重量%が特に好ましい。複合する電解質塩が50重量%以上の比率で存在すると、溶解しにくく、イオンの移動が大きく阻害され、逆に1重量%以下の比率では、イオンの絶対量が不足となってイオン伝導度が小さくなる。
【0033】
(d) 固体電解質形成高分子
本発明で用いる高分子固体電解質の主要構成成分である高分子は、非電子伝導性で各種有機極性溶媒を吸液、保持できるものでなければならない。そのような高分子としては、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキルイミン、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリフォスファゼン、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリシロキサン等のヘテロ原子を有する極性の熱可塑性高分子や架橋高分子が挙げられる。特に架橋高分子が溶媒吸液後の強度が高く、溶媒の保持力も高く、さらに粘弾性体であることから、高分子固体電解質用の高分子として適している。ここでいう架橋とは、架橋鎖が共有結合で形成されているもの以外に、側鎖がイオン結合や水素結合等で架橋されているもの、各種添加物を介した物理架橋されたものをも含む。
【0034】
上記高分子の中では、ポリアルキレンオキシド、ポリウレタン等のオキシアルキレンやウレタン構造を分子構造内に含むものが、各種極性溶媒との相溶性及び電気化学的安定性が良好であり好ましい。また、安定性の面から、ポリフッ化ビニリデン等のフルオロカーボン基を分子構造内に有するものも好ましい。
また、上記高分子の中で、一般式(1)及び/または(2)
【化5】
CH2=C(R1)COO−R2− (1)
【化6】
CH2=C(R3)CO[OR4xNHCOO−R5− (2)
で表わされる重合性官能基を有する少なくとも一種の重合性化合物を加熱及び/または活性光線照射により硬化させて得られる高分子が、溶媒を含んだ状態で成膜しやすく膜強度が良好であり好ましい。その中で一般式(1)及び/または一般式(2)中のR2及び/またはR5にオキシアルキレン基及び/またはフルオロカーボン、オキシフルオロカーボンを含むものが特に好ましい。
【0035】
本発明の高分子固体電解質に用いられる一般式(1)で表わされる官能基を有する化合物を合成する方法には特に限定はない。例えば、酸塩化物と末端にヒドロキシル基を有する化合物を、例えばオリゴオキシアルキレンオールとを反応させることにより容易に得ることができる。
一般式(1)で表わされる官能基を1つ有する化合物は、例えば酸クロライドとモノアルキルオリゴオキシアルキレングリコールとを以下の反応式で、1:1のモル比で反応させることにより、容易に得ることができる。
【化7】
CH2=C(R1)COCl+HO(CH2CHR6O)m7
→CH2=C(R1)COO(CH2CHR6O)m7
式中、R1は一般式(1)の場合と同じ意味を表わし、R6はHまたは炭素数10以下のアルキル基を表わし、R7は炭素数10以下のアルキル基を表わし、mは1〜1000、好ましくは1〜50の範囲の整数である。
【0036】
一般式(1)で表わされる官能基を2つ有する化合物は、例えば酸塩化物とオリゴオキシアルキレングリコールとを以下の反応式で、2:1のモル比で反応させることにより、容易に得ることができる。
【化8】
2CH2=C(R1)COCl+HO(CH2CHR6O)m
→CH2=C(R1)COO(CH2CHR6O)mCO(R1)C=CH2
式中、R1、R6及びmは上記と同じ意味を表わす。
【0037】
本発明の高分子固体電解質に用いられる一般式(2)で表わされる重合性官能基を有する化合物を合成する方法に特に限定はないが、例えば、次式
【化9】
CH2=C(R1)CO[OR4xNCO
[式中、R1、R4及びxは一般式(2)と同じ意味を表わす。]で表わされる化合物とオリゴアルキレングリコールとの反応により得ることができる。ここで、R4は、好ましくは次式
【化10】
−(CH2)p(CH(CH3))q−
[式中、p及びqはそれぞれ0〜5の整数である。但し、p=q=0のときはx=0である。]で表わされる2価の基である。
なお、p、qが2以上の場合、−CH2−と−CH(CH3)−はそれぞれが連続せずに不規則に配列してもよい。
【0038】
具体的方法として、エチレン性不飽和基を1個有する化合物は、例えば、メタクリロイルイソシアナート系化合物(以下、MI類と略記する。)あるいはアクリロイルイソシアナート系化合物(以下、AI類と略記する。)とモノアルキルオリゴアルキレングリコールとを、1:1のモル比で反応させることにより、容易に得られる。
エチレン性不飽和基を2個有する化合物は、例えば、MI類あるいはAI類とオリゴアルキレングリコールとを、2:1のモル比で反応させることにより、容易に得られる。
【0039】
エチレン性不飽和基を3個有する化合物は、例えばMI類及び/またはAI類と、グリセリン等の3価アルコールにアルキレンオキサイドを付加重合させたトリオールとを、3:1のモル比で反応させることにより、容易に得られる。
エチレン性不飽和基を4個有する化合物は、例えばMI類及び/またはAI類と、ペンタエリスリトール等の4価アルコールにアルキレンオキサイドを付加重合させたテトラオールとを4:1のモル比で反応させることにより、容易に得られる。
エチレン性不飽和基を5個有する化合物は、例えばMI類及び/またはAI類と、α−D−グルコピラノースにアルキレンオキシドを付加重合させたペンタオールとを、5:1のモル比で反応させることにより、容易に得られる。
エチレン性不飽和基を6個有する化合物は、例えばMI類及び/またはAI類と、マンニットにアルキレンオキシドを付加重合させたヘキサオールとを6:1のモル比で反応させることにより、容易に得られる。
【0040】
フルオロカーボン基及び/またはオキシフルオロカーボン基を有する一般式
(1)及び/または(2)で表わされる重合性官能基を有する化合物を合成する方法に特に制限はないが、例えば、具体的方法として重合性官能基を一つ有する化合物は、MI類あるいはAI類と2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールのようなモノオールとを以下の反応式で1:1のモル比で反応させることにより、容易に得られる。
【化11】
Figure 0003848435
また、重合性官能基を2つ有する化合物は、例えば、MI類あるいはAI類と2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオールのようなジオールとを以下の様な反応式で、2:1のモル比で反応させることにより、容易に得られる。
【化12】
Figure 0003848435
【0041】
一般式(1)あるいは(2)で表わされる重合性官能基を1つしか有さない化合物を重合してできる高分子は、架橋構造を有しておらず、膜強度不足のため、薄膜にすると短絡する危険が大きく、単独ではもちいない方がよい。従って、一般式(1)あるいは(2)で表わされる重合性官能基を2つ以上有する化合物と共重合し、架橋させた方が好ましい。
高分子固体電解質の薄膜強度を考慮すると、1分子中に含まれる一般式(1)あるいは(2)で表わされる重合性官能基の数は3以上がより好ましい。
また、前記一般式(1)で表わされる重合性官能基を有する化合物の中で、一般式(2)で表わされる重合性官能基を有する化合物から得られる高分子がウレタン基を含んでおり、重合性が良好で、薄膜にしたときの膜強度も大きいので好ましい。
【0042】
本発明の複合電解質の構成成分として好ましい高分子は、一般式(1)及び/または一般式(2)で表わされる重合性官能基を有する化合物の少なくとも一種を重合し、あるいは該化合物を共重合成分として重合することにより得られる。本発明の複合電解質に用いる高分子は、前記一般式(1)及び/または一般式(2)で表わされる重合性官能基を有する化合物の単独重合体であっても、該カテゴリーに属する2種以上の共重合体であっても、あるいは該カテゴリーに属する化合物の少なくとも一種と他の重合性化合物との共重合体であってもよい。
【0043】
前記一般式(1)及び/または一般式(2)で表わされる重合性官能基を有する化合物と共重合可能な他の重合性化合物には特に制限はない。
例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系化合物、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系化合物、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等のN−ビニルアミド系化合物、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルを挙げることができる。
【0044】
重合は、重合性化合物中のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基の重合性を利用した一般的な方法を採用することができる。すなわち、これらモノマー単独、あるいはこれらモノマーと他の前記の共重合可能な重合性化合物の混合物に、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等のラジカル重合触媒、CF3COOH等のプロトン酸、BF3、AlCl3等のルイス酸等のカチオン重合触媒、あるいはブチルリチウム、ナトリウムナフタレン、リチウムアルコキシド等のアニオン重合触媒を用いて、ラジカル重合、カチオン重合あるいはアニオン重合させることができる。また、重合性化合物によっては無酸素状態で、加熱のみでラジカル重合することもできる。
【0045】
本発明の高分子固体電解質に用いられる高分子はオキシアルキレン構造を含んでいるものが好ましいが、その場合のオキシアルキレン鎖数(すなわち、前記一般式(1)におけるR2中、あるいは前記一般式(2)におけるR5中に含まれるオキシアルキレン基の繰返し数n)は1〜1000の範囲が好ましく、5〜100の範囲が特に好ましい。
本発明の高分子固体電解質には上述した有機溶媒を添加することが好ましい。高分子固体電解質中の溶媒の含有量が多いほど、電解質塩の解離またはイオンの拡散が容易で、またその場合のイオン伝導度は高くなるが、膜としての機械的強度が低下する。好ましい添加量としては、本発明の高分子固体電解質中の高分子重量の0.5倍から12倍量以下で、1倍量から8倍量以下が特に好ましい。
【0046】
[3]電気二重層コンデンサの製造方法
このようにして調製された有機電解液または高分子固体電解質は、上述のように電気二重層コンデンサの分極性電極として、及び/またはその間に設けられるイオン伝導層として用いられる。
分極性電極に用いる場合には、活性炭や黒鉛等の分極性材料を慣用の高分子材料と混合し、フィルム状に成形した後、乾燥、光照射または加熱等により硬化させ、これに上記の無機微粒子を含有させた有機電解液を含浸する。あるいは、上記の[2]で詳述した重合性官能基を有する(メタ)アクリロイル系化合物等の少なくとも一種に、少なくとも一種の無機酸化物微粒子、またはさらに少なくとも一種の電解質塩を添加した上記の組成物に分極性材料及び必要に応じて重合開始剤を混合し、フィルム状に成形した後、乾燥、光照射または加熱等により硬化させる。
【0047】
イオン伝導層に用いる場合には、慣用のセパレータ材料、例えば、後述の多孔性フィルムに上記の無機微粒子を含有させた有機電解液を含浸する。あるいは、上記の重合性組成物を各種基材上に成膜、塗布後、加熱及び/または活性光線照射により重合し硬化する方法が、均一に成膜でき、膜厚制御が簡便であり、推奨できる。この自立フィルムにさらに上記の無機微粒子を含有させた有機電解液を含浸させてもよい。
【0048】
上記のいずれにおいても高分子固体電解質は他の多孔性高分子フィルムと複合することにより強度改善等を行なうことも可能である。但し、使用する高分子の種類、フィルム形状、複合割合によってはイオン伝導度の低下や安定性の悪化を招くので、適したものを選ぶ必要がある。使用する多孔性高分子フィルムとしてはポリプロピレン製不織布やポリエチレン製ネットのような網状ポリオレフィンシート等の多孔性ポリオレフィンフィルム、セルガード(商品名)等のポリオレフィン製マイクロポーラスフィルム、ナイロン不織布、ポリエステル性ネット等が挙げられるが、安定性の面でポリオレフィン製多孔性フィルムが好ましい。また、その空孔率は、10〜90%程度あればよいが、強度の許す限りできるだけ空孔率の大きいものがよいので、好ましい空孔率の範囲は40〜90%の範囲である。
【0049】
なお、加熱重合する場合の温度は、重合性化合物の種類や開始剤の種類によるが、重合が起こる温度であれば良く、通常は、0℃から200℃の範囲で行えばよい。活性光線照射により重合させる場合にも、重合性化合物の種類等によるが、例えば、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン等の活性光線開始剤を使用して、数mW以上の紫外光または電子線、γ線等を照射して重合させることができる。
このようにして得た分極性電極の間にイオン伝導層を挟み、さらに分極性電極の外表面にリード線を接続した集電体全体を重ね、全体をポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂で封止することにより電気二重層コンデンサが形成される。
あるいは、SUS等の金属、ポリプロピレン、アルミラミネート熱融着樹脂、ポリイミド、エバール、または導電性もしくは絶縁性ガラス等のセラミックス材料等からなる電気二重層コンデンサ構成用構造体あるいは支持体に分極性電極をスペーサを挟んで装入し、その間に電解液または重合性組成物を注入した後、重合性組成物を硬化させてもよい。
【0050】
また、本発明においては、本発明に従い無機微粉末を含有させた分極性電極の上に高分子電解質膜を直接形成してもよい。この方法によれば両者が密着した電極−高分子固体電解質積層体が得られ、さらにこの高分子固体電解質膜を挟んでもう1枚の分極性電極を貼り合わせるだけで電気二重層コンデンサを製造できる。
本発明の電気二重層コンデンサは比表面積が高く、含水量の低い特定の無機酸化物微粒子が添加された有機電解液及び/または高分子固体電解質を用いているため、コンデンサ特性に悪影響を及ぼす不純物をトラップでき、安定で、信頼性が高く、長寿命の電気二重層コンデンサとすることができる。
【0051】
さらに添加された無機酸化物微粒子は、電解質イオンとの相互作用が大きく、有機電解液及び/または高分子固体電解質中でのイオンの移動性が改善され、取り出し電流の大きい電気二重層コンデンサとすることができる。
本発明では、(メタ)アクリル基及び/またはウレタン(メタ)アクリル基を有する重合性化合物が硬化特性に優れていることを利用し、これら化合物とアルミナ微粒子と電解質塩、または/さらに有機溶媒を混合した重合性組成物を電極上に配置後、加熱及び/または活性光線照射により硬化させることにより、電気二重層コンデンサに最適な高分子固体電解質/分極性電極積層体を容易に製造できる。このため、さらに該高分子固体電解質/分極性電極積層体を用いることにより、安定で信頼性が高く、長寿命の電気二重層コンデンサを容易に得ることができる。また、電極面積を広くし、電極間隔を小さくして容量の改善を図ることも容易である。
【0052】
【実施例】
以下に本発明について代表的な例を示し具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。なお、以下の実施例、参考例、比較例において含水量はカールフィッシャー法により測定した。
【0053】
実施例1:重合性化合物(化合物3)の合成
下記の反応式にしたがい、グリセリンエステルである化合物1とイソシアナート基を含有するメタクリレートである化合物2とを反応させ熱重合性化合物3を得た。
【化13】
Figure 0003848435
具体的には、化合物1(KOH価 34.0mg/g、p/q=7/3)50.0g及び4.6gの化合物2を窒素雰囲気中でよく精製したTHF100mlに溶解した後、0.44gのジブチルチンジラウレートを添加した。その後、25℃で約15時間反応させることにより、無色の粘稠液体を得た。その1 H-NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物1と化合物2は1対3で反応し、さらに、化合物2のイソシアナート基が消失し、ウレタン結合が生成しており、化合物3が生成していることがわかった。
【0054】
参考例1:固体電解質フィルム(a)の調製
化合物3(1.0g)の、エチレンカーボネート(EC)(1.8g)、プロピレンカーボネート(PC)(4.2g)、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEAB)(0.8g)、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(商品名ルシリンTPO、BASF社製)(0.005g)をアルゴン雰囲気中でよく混合し、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量は100ppmであった。
この光重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗布後、ケミカル蛍光ランプ(三共電気(株)社製 FL20S.BL)を10分間照射したところ、EC/PC系電解液を含浸した化合物3重合体フィルム(「固体電解質フィルム (a)」)が約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、7.3×10-3、1.6×10-3S/cmであった。
【0055】
実施例2:アルミナ含有固体電解質フィルム(A)の調製
乾燥空気雰囲気中、1000℃で2時間熱処理した昭和電工(株)製高純度γ−アルミナ(商品名:UA5805、結晶粒子径:0.03μm、平均二次粒子径:1.8μm、BET比表面積:80m2/g)(0.33g)、化合物3(1.0g)、EC(1.8g)、PC(4.2g)、TEAB(1.2g)、及びルシリンTPO(BASF社製)(0.005g)をアルゴン雰囲気中でよく混合し、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量は30ppmであった。
この光重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗布後、ケミカル蛍光ランプ(三共電気(株)社製 FL20S.BL)を10分間照射したところ、EC/PC電解液を含浸した化合物3重合体/UA5805複合フィルム(「固体電解質フィルム(A)」)が約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、7.8×10-3、1.8×10-3S/cmであった。
【0056】
参考例2:固体電解質フィルム(b)の調製
乾燥空気雰囲気中、80℃で24時間熱処理した昭和電工(株)製高純度γ−アルミナ(商品名:UA5805、結晶粒子径:0.03μm、平均二次粒子径:1.8μm、BET比表面積:80m2/g)(0.33g)、化合物3(1.0g)の、EC(1.8g)、PC(4.2g)、TEAB(1.2g)、及びルシリンTPO(BASF社製)(0.005g)をアルゴン雰囲気中でよく混合し、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量は1100ppmであった。
この光重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗布後、ケミカル蛍光ランプ(三共電気(株)社製 FL20S.BL)を10分間照射したところ、EC/PC電解液を含浸した化合物3重合体/低温処理UA5805複合フィルム(「固体電解質フィルム(b)」が約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、7.0×10-3、1.4×10-3S/cmであった。
【0057】
実施例3:アルミナ含有固体電解質フィルム(B)の調製
アルミナ系微粒子としてUA5805の代りに1000℃熱処理したアルミニウムオキサイドC(商品名,日本アエロジル(株)製,結晶粒子径:0.013μm,平均二次粒子径:0.11μm(SEM観察)、BET比表面積:100m2/g)(0.33g)を添加した以外は実施例2と同様にして、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量は35ppmであった。
この光重合性組成物を実施例2と同様に塗布、光照射することにより、EC/PC電解液を含浸した化合物3重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルム(「固体電解質フィルム(B)」)が約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、8.3×10-3、2.3×10-3S/cmであった。
【0058】
参考例3:固体電解質フィルム(c)の調製
開始剤としてルシリンTPO(0.005g)の代りに、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)(0.04g)を添加した以外は参考例1と同様にして、熱重合性組成物を得た。この組成物の含水量は35ppmであった。
この熱重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗布後、PPフィルムを被覆して、ホットプレート上で80℃、1時間加熱したところ、EC/PC電解液を含浸した化合物3重合体フィルム(「固体電解質フィルム(c)」)が約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、7.8×10-3、1.5×10-3S/cmであった。
【0059】
参考例4:固体電解質フィルム(d)の調製
乾燥空気雰囲気中、1000℃で2時間熱処理した昭和電工(株)製α−アルミナ(商品名:A-420、結晶粒子径:0.4μm、平均二次粒子径:3.2μm、BET比表面積:2.2m2/g)(0.33g)、化合物3(1.0g)の、EC(1.8g)、PC(4.2g)、TEAB(1.2g)、及びルシリンTPO(BASF社製)(0.005g)をアルゴン雰囲気中でよく混合し、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量は40ppmであった。
この光重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗布後、ケミカル蛍光ランプ(三共電気(株)社製 FL20S.BL)を10分間照射したところ、EC/PC電解液を含浸した化合物3重合体/低温処理A-420複合フィルム(「固体電解質フィルム(d)」が約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、6.0×10-3、1.0×10-3S/cmであった。
【0060】
実施例4:アルミナ含有固体電解質フィルム(C)の調製
電解質塩としてTEABの代りに、テトラエチルホスフォニウムテトラフルオロボレート(TEPB)を同量用いた以外は、実施例3と同様にして、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量は30ppmであった。
この光重合性組成物を実施例3と同様に塗布、光照射することにより、電解液を含浸した化合物3重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルム(「固体電解質フィルム(C)」)を約30μmの自立フィルムとして得た。この固体電解質の25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、6.30×10-3、1.0×10-3S/cmであった。
【0061】
実施例5:重合性化合物(化合物5)の合成
【化14】
Figure 0003848435
化合物4(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、アルドリッチ製)20g、化合物6(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製したTHF100mlに混合した後、ジブチルチンジラウレート(0.66g)を添加する。その後、25℃で約15時間反応させることにより、無色の粘稠液体として化合物5を得た。その1 H-NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物4と化合物6は1対1で反応し、さらに、化合物6のイソシアナート基が消失し、ウレタン結合が生成してしていることがわかった。
【0062】
実施例6:アルミナ含有固体電解質フィルム(D)の調製
化合物5(0.5g)、化合物3(0.3g)、1000℃熱処理したアルミニウムオキサイドC(0.22g)、EC(1.8g)、PC(4.2g)、TEAB(1.2g)及びルシリンTPO(BASF社製)(0.005g)をアルゴン雰囲気中でよく混合し、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量は20ppmであった。
この光重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗布後、ケミカル蛍光ランプ(三共電気(株)社製 FL20S.BL)を10分照射したところ、EC/PC電解液を含浸した化合物5+化合物3共重合体/UA5805複合フィルム( 「固体電解質フィルム(D)」)が約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、6.0×10-3、1.0×10-3S/cmであった。
【0063】
実施例7:シリカ含有固体電解質フィルム(E)の調製
無機酸化物微粒子としてUA5805の代りに1000℃熱処理した日本アエロジル製シリカ微粒子(アエロジル200、結晶粒子径:0.012μm、平均二次粒子径:約0.1μm(SEM観察)、BET比表面積:180m2/g)(0.33g)を添加した以外は実施例2と同様にして、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量は30ppmであった。
この光重合性組成物を実施例2と同様に塗布、光照射することにより、EC/PC電解液を含浸した化合物3重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルム(「固体電解質フィルム(E)」)が約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、6.6×10-3、1.6×10-3S/cmであった。
【0064】
実施例8:アルミナ含有有機電解液(A)の調製
1000℃熱処理したアルミニウムオキサイドC(0.33g)、PC(6.0g)、TEAB(0.80g)をアルゴン雰囲気中、室温でよく混合し、電解液(「有機電解液(A)」)を調製した。この電解液の含水量は20ppmであった。この電解液の25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、10.0×10-3、3.0×10-3S/cmであった。また、回転粘度計での粘度は150cps(380s-1)であった。
【0065】
実施例9:アルミナ含有有機電解液(B)の調製
1000℃熱処理アルミニウムオキサイドC(0.33g)、PC3.0g、γ−ブチロラクトン(γBL)(3.0g)、TEAB(0.80g)をアルゴン雰囲気中、室温でよく混合し、電解液(「有機電解液(B)」)を調製した。この電解液の含水量(カールフィッシャー法)は70ppmであった。この電解液の25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、12.0×10-3、3.0×10-3S/cmであった。また、回転粘度計での粘度は120cps(380s-1)であった。
【0066】
以上の実施例1〜9、参考例1〜3において製造した固体電解質フィルム(A〜E)、(a〜c)及び有機電解液(A及びB)の成分を表1にまとめて示す。
【0067】
【表1】
Figure 0003848435
【0068】
実施例10:活性炭電極(a)の製造
椰子がら活性炭とポリフッ化ビニリデンの重量比9.0:1.0の混合物に過剰のN−メチルピロリドン溶液を加え、ゲル状組成物を得た。この組成物をステンレス箔上に15mmφの大きさで約150μmの厚さに塗布した。約100℃で10時間真空乾燥し、活性炭電極(24.8mg)を得た。
【0069】
実施例11:コイン型電気二重層コンデンサの製造
アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例10で製造した活性炭電極(a)(24.8mg)に実施例9で調製した有機電解液(B)[アルミニウムオキサイドC添加電解液(TEAB/PC+γBL)]を含浸させた電極を2個用意した。次に、ポリオレフィンマイクロポーラスフィルム(16mmφ、開孔率約65%、厚み25μm)に前記アルミニウムオキサイドC添加電解液(実施例10)を含浸したものを一方の電極に貼り合わせ、さらにもう一枚の電極をはり合わせ、2016コイン型缶(直径20mm,厚み1.6mm)に封印し、コイン型電気二重層コンデンサを得た。
このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.35mA、3.5mAで充放電を行なったところ、最大容量は各々850mF、770mFであった。また、3.5mAで充放電を100回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0070】
実施例12:コイン型電気二重層コンデンサの製造
電解液として実施例8で調製した有機電解液(A)[アルミニウムオキサイドC添加電解液(TEAB/PC)]を用いた以外は実施例11と同様にしてコイン型(2016)電気二重層コンデンサを得た。
このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.35mA、3.5mAで充放電を行なったところ、最大容量は830mF、660mFであった。また、3.5mAで充放電を100回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0071】
実施例13:活性炭電極(b)の製造
椰子がら活性炭とポリフッ化ビニリデンの重量比9.0:1.0の混合物に過剰のN−メチルピロリドン溶液を加え、ゲル状組成物を得た。この組成物をステンレス箔上に10mm×10mmの大きさで約150μmの厚さに塗布した。約100℃で10時間真空乾燥し、活性炭電極(14.0mg)を得た。
【0072】
実施例14:薄型電気二重層コンデンサの製造
アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例13で製造した活性炭電極(b)(14.0mg)10mm×10mmに、電解液(1M TEAB/PC+EC(3:1))を含浸させた電極を二個用意した。次に、実施例3で製造した固体電解質フィルムB[化合物3重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルム](12mm×12mm)を一方の電極に貼り合わせ、さらにもう一枚の電極をはり合わせ、コンデンサ端部をエポキシ樹脂で封止することにより、図1に示す構成の薄型電気二重層コンデンサを製造した。
このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.2mA、2.0mAで充放電を行なったところ、最大容量は470mF、423mFであった。また、2.0mAで充放電を100回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0073】
実施例15:薄型電気二重層コンデンサの製造
高分子固体電解質フィルムとして、実施例4で製造した固体電解質フィルム (C)[TEPB系化合物3重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルム](12mm×12mm)、電解液として1M TEPB/PC+EC(3:1)を用いた以外は実施例14と同様にして薄型電気二重層コンデンサを製造した。このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.2mA、2.0mAで充放電を行なったところ、最大容量は450mF、360mFであった。また、2.0mAで充放電を100回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0074】
実施例16:薄型電気二重層コンデンサの製造
高分子固体電解質フィルムとして、実施例6で製造した固体電解質フィルム (D)[化合物5+化合物3共重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルム](12mm×12mm)を用いた以外は実施例14と同様にして薄型電気二重層コンデンサを製造した。
このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.2mA、2.0mAで充放電を行なったところ、最大容量は450mF、410mFであった。また、2.0mAで充放電を100回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0075】
実施例17:薄型電気二重層コンデンサの製造
高分子固体電解質フィルムとして、実施例6で製造した固体電解質フィルム (D)[化合物5+化合物3共重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルム](12mm×12mm)、電解液として有機電解液B[アルミニウムオキサイドC添加TEAB/PC+γBL(実施例9)]を用いた以外は実施例14と同様にして薄型電気二重層コンデンサを製造した。
このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.2mA、2.0mAで充放電を行なったところ、最大容量は480mF、430mFであった。また、2.0mAで充放電を100回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0076】
比較例1:薄型電気二重層コンデンサの製造
高分子固体電解質フィルムとして、参考例1で製造した固体電解質フィルム (a)[化合物3重合体フィルム](12mm×12mm)を用いた以外は実施例14と同様にして薄型電気二重層コンデンサを製造した。
このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.2mA、2.0mAで充放電を行なったところ、最大容量は450mF、350mFであった。また、2.0mAで充放電を100回繰り返すと容量は10%低下した。
【0077】
比較例2:薄型電気二重層コンデンサの製造
高分子固体電解質フィルムとして、参考例2で製造した固体電解質フィルム (b)[化合物3重合体/低温熱処理UA5805複合フィルム](12mm×12mm)を用いた以外は実施例14と同様にして薄型電気二重層コンデンサを製造した。
このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.2mA、2.0mAで充放電を行なったところ、最大容量は450mF、400mFであった。また、2.0mAで充放電を100回繰り返すと容量は30%低下した 。
【0078】
実施例18:薄型電気二重層コンデンサの製造
高分子固体電解質フィルムとして、実施例7で製造した固体電解質フィルム (E)[化合物3重合体/シリカ微粒子複合フィルム](12mm×12mm)を用いた以外は実施例14と同様にして薄型電気二重層コンデンサを製造した。このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.2mA、2.0mAで充放電を行なったところ、最大容量は440mF、360mFであった。また、2.0mAで充放電を100回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0079】
実施例19:全固体薄型電気二重層コンデンサの製造
アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例13で製造した活性炭電極(b)(14mg)10mm×10mmに、参考例3で調製した熱重合性組成物(化合物3/TEAB /PC+EC)を含浸させた電極を二個用意した。次に、実施例3で製造した固体電解質フィルムB[化合物3重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルム](12mm×12mm)を一方の電極に貼り合わせ、さらにもう一枚の電極をはり合わせ、コンデンサ端部をエポキシ樹脂で封止し、熱重合性組成物を80℃で1時間加熱重合させることにより、図1に示す構成の全固体薄型電気二重層コンデンサを製造した。
このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.2mA、2.0mAで充放電を行なったところ、最大容量は400mF、200mFであった。また、0.2mAで充放電を100回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0080】
実施例20:薄型電気二重層コンデンサの製造
アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例13で製造した活性炭電極(b)(14mg)10mm×10mmに、電解液(1M TEAB/PC+EC(3:1))を含浸させた電極を二個用意した。次に、実施例3で調製した化合物3重合体/アルミニウムオキサイドC系光重合性組成物を一方の電極上に塗布後、ケミカル蛍光ランプを10分間照射し、活性炭電極上に約30μm化合物3重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルムを形成させた。次いでこのフィルム上にさらにもう一枚の電極をはり合わせ、コンデンサ端部をエポキシ樹脂で封止することにより、図1に構成を示すような薄型電気二重層コンデンサを製造した。
このコンデンサを、作動電圧0〜2.5V、電流0.2mA、2.0mAで充放電を行なったところ、最大容量は480mF、446mFであった。また、2.0mAで充放電を100回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0081】
以上の実施例14〜20、比較例1〜2において製造した薄型電気二重層コンデンサの構成要素及び繰り返し使用結果の概要を表2にまとめて示す。
【0082】
【表2】
Figure 0003848435
【0083】
【発明の効果】
本発明の電気二重層コンデンサは高比表面積で低含水量の特定の無機酸化物微粒子が添加された有機電解液及び/または高分子固体電解質を用いているため、安定で、信頼性が高く、長寿命で、取り出し電流の大きい電気二重層コンデンサとすることができる。
本発明によれば、(メタ)アクリル基及び/またはウレタン(メタ)アクリル基を有する硬化特性に優れた重合性化合物を加熱及び/または活性光線照射により硬化させることにより、電気二重層コンデンサに最適な高分子固体電解質/分極性電極積層体を容易に製造できる。さらに該高分子固体電解質/分極性電極積層体を用いることにより、安定で、信頼性が高く、長寿命の電気二重層コンデンサを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気二重層コンデンサの一例として示す、薄型電気二重層コンデンサの実施例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 集電体
2 分極性電極
3 イオン伝導層
4 絶縁性樹脂封止剤
5 リード線

Claims (9)

  1. BET比表面積50m2/g以上、一次粒子の最大粒径が0.1μm以下で、500〜1200℃で熱処理された、含水量が5000ppm以下である、少なくとも一種の無機酸化物微粒子を1〜50重量%の範囲で含有し、含水量が200ppm以下である有機電解液及び/または高分子固体電解質を用いてなることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
  2. 無機酸化物微粒子が、アルミナ系微粒子及び/またはシリカ系微粒子である請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
  3. アルミナ系微粒子及び/またはシリカ系微粒子が、最大粒径0.05μm以下の一次粒子の凝集体であり、その凝集体の平均粒径が0.01〜5μmである請求項2に記載の電気二重層コンデンサ。
  4. 高分子固体電解質を構成する少なくとも一種の高分子がオキシアルキレン及び/またはウレタン構造を含んでいる請求項1乃至3のいずれかの項に記載の電気二重層コンデンサ。
  5. 少なくとも一種の高分子が、以下の一般式(1)及び/または一般式(2)
    CH2=C(R1)COO−R2− (1)
    CH2=C(R3)CO[OR4xNHCOO−R5− (2)
    [式中、R1及びR3は水素またはアルキル基を表わし、R2、R4及びR5は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、直鎖状、分岐状、または環状の構造を有する2価の基であり、xは0または1〜10の整数である。但し、同一分子中に上記一般式(1)または(2)で表わされる重合性官能基が複数個含まれる場合、それぞれの重合性官能基中のR1、R2、R3、R4、R5及びxは、同一でもよいし異なってもよい。]で示される重合性官能基を有する、熱及び/または活性光線重合性化合物を重合することによって得られる高分子である請求項4に記載の電気二重層コンデンサ。
  6. 有機電解液及び/または高分子固体電解質中の電解質塩が4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩から選ばれる少なくとも一種である請求項1乃至5のいずれかの項に記載の電気二重層コンデンサ。
  7. 分極性電極材料及び/または分極性電極間に配設されるイオン伝導層中に請求項1乃至6のいずれかの項に記載の有機電解液及び/または高分子固体電解質を含む電気二重層コンデンサ。
  8. (a)BET比表面積50m2/g以上、一次粒子の最大粒径が0.1μm以下で、500〜1200℃で熱処理された、含水量が5000ppm以下である少なくとも一種の無機酸化物微粒子、(b)少なくとも一種の電解質塩、及び(c)請求項5記載の熱及び/または活性光線重合性化合物を含む組成物であって、前記無機酸化物微粒子を1〜50重量%の範囲で含み、含水量が200ppm以下である熱及び/または活性光線重合性組成物を、分極性電極からなる基材上に配置した後、加熱及び/または活性光線照射により当該組成物を硬化させて高分子固体電解質とすることを特徴とする高分子固体電解質/分極性電極積層体の製造方法。
  9. 請求項8に記載の方法により製造される高分子固体電解質/分極性電極積層体の高分子固体電解質表面にさらに分極性電極を積層することを特徴とする電気二重層コンデンサの製造方法。
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