JP3841969B2 - Y分岐光導波路及び光集積回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、Y分岐光導波路及び光集積回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光部品の小型化・低コスト化を目指して、基板上に石英(ガラス)やポリマから成る光導波路、Y分岐光導波路、および方向性結合器などを集積化した光集積回路の研究が活発化している。Y分岐光導波路は光集積回路を構成する要素として重要であり、その分岐過剰損失を低減すべく様々な構造を持つY分岐光導波路が検討されている。
【0003】
通常Y分岐光導波路としては、分岐比が1:1の対称なものが検討されているが、異なる分岐比を持つ非対称Y分岐光導波路も用途によっては必要である。石英(ガラス)系導波路を用いた非対称Y分岐については、例えば、「NTT R&D」、Vol.46、N0.5、1997、pp.473〜485(記事1)、あるいは「1995年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会予稿集」、SC−1−15、pp.337〜338(記事2)に記載されている。このような非対称Y分岐光導波路を用いることによって、受信感度の優れた光送受信モジュールや任意の分岐数を持つスプリッタを実現している。
【0004】
具体的には、前者(記事1)の例は、入力導波路、入射光を広げるテーパ導波路、及び2つの出力導波路を有し、入力導波路とテーパ導波路を中心軸から所定値だけずらすことにより、分岐比を非対称化している。一方、後者(記事2)の例は、分岐光導波路の入力端のコア幅をW1、2つの出力端のコア幅をそれぞれW0とし、このコア幅を光の進行方向Lに沿ってW1からW0に徐々に広がるテーパ導波路としている。そして、各コア幅の増加率dW/dLを分岐した二つの導波路で異なる値とすることによって、分岐比を非対称化している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明を説明するに先立って、これまでの技術の問題点を明らかにする。即ち、従来の例として説明した非対称Y分岐光導波路を実際に作製すると、以下のような問題点が生ずる。
【0006】
前者(記事1)においては、フォトリソグラフィの分解能やコアのパターンニングの時に生じるサイドエッチングなどのために、出力導波路間の隙間の先端がなまった形(幅約3μm程度)となる。出力導波路に入射する光は中心部分で大きな光強度を持っている。従って、このなまり部で光が散乱されるために、Y分岐で放射損失を生じる。この放射損失は、コアとクラッド間の屈折率差が比較的小さな光導波路(例えば屈折率差が0.3%以下)においては比較的小さく無視できるが、その屈折率差が大きな導波路(例えば屈折率差が0.45%以上)では極めて大きくなり実用上の障害となる。
【0007】
一方、後者(記事2)においては、非対称Y分岐が楔型構造を取ることによって導波路間の幅が有限でもあまり放射損失を生じないように設計されている。しかし、スリット部に光の強い部分が入射・散乱するので、やはりコアとクラッドの屈折率差が大きい導波路では大きな放射損失を生じる。また、分岐導波路の入力端の幅は他の部分に比べて半分程度に狭くなる。従って、ポリマなどの軟弱な材料を用いて導波路を形成する際には、この領域が応力等によって導波路に亀裂が発生するおそれがある。さらに実際にY分岐を作製すると、上部クラッド層を形成してY分岐を埋込む時に分岐導波路間の狭い部分にボイド(気泡)などの欠陥が発生することがある。この為、従来のいずれの非対称Y分岐においても、この欠陥部に光の最も強い部分がぶつかるために大きな放射損失を生じる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明の目的は、放射損失が少なく安定な分岐比を有する非対称Y分岐光導波路及びそれを用いた光集積回路を提供することにある。また、本非対称Y分岐光導波路及びそれを用いた光集積回路は光伝送装置、あるいは光ネットワークなどに用いて有用である。
【0009】
本発明者は、前述した従来例の持つ問題を解決するために、Y分岐光導波路全体的にその諸構成の見直しを行なった。そして、本願発明は、光導波路として、マルチモード干渉(multi−mode interference:以下、MMIと略記する)型Y分岐光導波路に注目し、これを用いて非対称Y分岐を作製することを考えた。MMI型Y分岐については、後述のとおり対称(1:1)Y分岐は知られているが、非対称Y分岐は知られていない。本発明者は、このMMI型Y分岐に関して鋭意研究を進め、その構成を工夫することによって、放射損失が少なく安定な分岐比を有する非対称Y分岐光導波路が得られることを見出したものである。
【0010】
即ち、本願発明に係る非対称Y分岐光導波路は、光を入力する入力導波路と、光を出力する2つの出力導波路と、入力導波路と2つの出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを備えたY分岐光導波路であって、このマルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるように構成したものである。
【0011】
ここで非対称の構成は、例えば、次の方法によって得ることが出来る。第1は中心線で分けられたマルチモード導波路の入口部分の一方の幅を、対応するマルチモード導波路の出口部分の幅よりも小さくする方法である。第2は中心線で分けられたマルチモード導波路の中間部分の一方の幅を、対応するマルチモード導波路の出口部分の幅よりも小さくする方法である。一方、前述の第1および第2のいずれの場合も、マルチモード導波路の出口部分は、光軸方向の中心線に対して対称となるようにする。
【0012】
また、本願発明に係る別な非対称Y分岐光導波路の形態は、光を入力する入力導波路と、光を出力する2つの出力導波路と、入力導波路と2つの出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを備えたY分岐光導波路であって、マルチモード導波路のコア部の側面と中心線との距離が光の進行方向に対して少なくとも一部で互いに異なるように構成したものである。
【0013】
コア部の側面と中心線との距離が互いに異なるよう構成するには、例えば光の進行方向に対してその距離が曲線状に変化するようにする。この場合、マルチモード導波路のコア部の一側面と中心線との距離の変化を、マルチモード導波路の出口付近において緩やかにするとよい。また、マルチモード導波路のコア部の一側面と中心線との距離を入口から出口に向って大きくし、かつ距離の変化がマルチモード導波路の中間部に比べ入口付近と出口付近において小さくなるようにしてもよい。
【0014】
具体的には、例えばマルチモード導波路のコア部の一側面と中心線との距離が入口から出口に向って正弦関数状に大きくなるようにしたり、Raised Sin状に大きくなるようにする。さらに、2つの出力導波路の入口に所定幅のオフセットを付与してもよい。このように構成することにより、マルチモード導波路を構成するコアとクラッドの屈折率差が0.3%よりも大きい場合でも放射損失を小さくすることができる。ここで、コア及びクラッドはポリマ材料又は石英系材料から構成される。
【0015】
本願発明に係る非対称Y分岐光導波路は、光集積回路に好適に用いることができる。このような光集積回路は、入力導波路と複数の出力導波路の間に配置したマルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成された非対称Y分岐光導波路を含む。そして必要に応じて、他の非対称Y分岐光導波路や対称Y分岐光導波路を組み合せて集積する。
【0016】
これにより、放射損失が少なく安定な分岐比を有する非対称Y分岐光導波路及びそれを用いた光集積回路を得ることができる。
【0017】
本願発明によれば、放射損失が少なく安定な分岐比を有する非対称Y分岐光導波路及びそれを用いた光集積回路を得ることができる。
【0018】
尚、上記の説明では、出力導波路が2つのいわゆるY分岐光導波路をもって説明したが、更に多くの出力導波路を有する光導波路に対しても本願発明の発明思想を用いることが出来る。
【0019】
以下に、本願に係わる発明の代表的な諸形態を列挙すれば、次の通りである。
【0020】
第1の形態は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを備え、前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたことを特徴とする光導波路である。
【0021】
尚、一般に双方向の光伝送においては、Y分岐光導波路において、前記出力導波路と称した第2の光導波路より前記入力導波路と称した第1の光導波路に光を伝搬させることもある。しかし、本願明細書の以下の説明では、説明をわかり易くする為、第1の光導波路を光を「入力導波路」、複数の第2の光導波路を「出力導波路」と称する。それは、本願発明の解決課題が、前記第1の光導波路から前記複数の第2の光導波路への光の分岐に関するものであるからである。
【0022】
第2は、前記第1の形態のY分岐光導波路において、前記中心線で分けられた前記マルチモード導波路の入口部分の一方の幅が、対応する前記マルチモード導波路の出口部分の幅よりも小さいことを特徴とする光導波路である。
【0023】
第3は、前記第1の形態のY分岐光導波路において、前記中心線で分けられた前記マルチモード導波路の中間部分の一方の幅が、対応する前記マルチモード導波路の出口部分の幅よりも小さいことを特徴とする光導波路である。
【0024】
第4は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部において当該マルチモード導波路の光軸と交差する方向の幅が不連続に変化し、且つ前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたことを特徴とする光導波路である。
【0025】
第5は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部において当該マルチモード導波路の光軸と交差する方向の幅が不連続に変化し、且つ前記マルチモード導波路の入口部分の少なくとも一方の幅が、対応する前記マルチモード導波路の出口部分の幅よりも小さいことを特徴とする光導波路である。
【0026】
尚、ここで、上記前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部の不連続の諸形態の詳細については、後述される。
【0027】
第6は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成され、前記マルチモード導波路での複数の光ピークが現れる位置に前記複数の出力導波路の各々を配したことを特徴とする光導波路である。
【0028】
第7は、前記第6のY分岐光導波路において、前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部において当該マルチモード導波路の光軸と交差する方向の幅が不連続に変化し、且つ前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたことを特徴とする光導波路である。
【0029】
第8は、第1の光導波路と、2つの第2の光導波路と、前記第1の光導波路と前記2つの第2の光導波路とはそれら間にマルチモード光導波路を有して接続され、前記第1の光導波路と前記マルチモード光導波路との接続部において前記第1の光光導波路の光軸の延長線と交差する方向の幅に不連続があり、且つ前記第1の光導波路から光を入射した時、前記2つの第2の光導波路の各々に対応して前記伝搬光に光強度の異なる第1の峰および第2の峰を有するように、前記マルチモード光導波路の形状が前記第1の光導波路の光軸方向の中心線の延長線に対して非対称な形状を有することを特徴とするY分岐光導波路である。
【0030】
第9は、前記第1の光導波路と前記マルチモード光導波路との接続部のコア領域の少なくとも側面は遷移領域を有し、この遷移領域の両側に連なる当該第1の光導波路のコア領域と当該マルチモード光導波路のコア領域との両側面の延長線は互いに交差していることを特徴とする前記第8に記載のY分岐光導波路である。
【0031】
第10は、前記遷移領域の両側に連なる当該第1の光導波路のコア領域と当該マルチモード光導波路のコア領域との両側面の延長線は互いに直交していることを特徴とする前記第9に記載のY分岐光導波路である。
【0032】
第11は、前記第1の光導波路と前記マルチモード光導波路との接続部の不連続部は、前記第1の光光導波路の光軸の延長線と交差する方向の幅が当該光導波路を伝搬する光の光導波路内の波長の50倍以下の長さに渡って変化してなされることを特徴とする前記第8に記載のY分岐光導波路である。
【0033】
第12は、第1の光導波路と、2つの第2の光導波路と、前記第1の光導波路と前記2つの第2の光導波路との間に配置されたマルチモード光導波路とを有し、前記第1の光導波路と前記マルチモード光導波路との接続部において前記第1の光導波路の光軸の延長線と交差する方向の幅が不連続に変化し、且つ前記伝搬光の光軸と直交して交差する面での光強度の分布がその光強度の異なる2つの極大値を有し、当該2つの極大値を有する光分布の各々が前記2つの第2の光導波路の各々に対応するように、前記マルチモード光導波路の形状が前記第1の光導波路光軸方向の中心線の延長線に対して非対称となるよう構成されたことを特徴とするY分岐光導波路である。
【0034】
第13は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成され、前記マルチモード導波路での複数の光ピークが現れる位置に前記複数の出力導波路の各々を配されたY分岐光導波路を有することを特徴とする光集積回路である。
【0035】
第14は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記複数の出力導波路の各々の出力導波路に対して各々光ピークが現れるごとく前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたY分岐光導波路を有することを特徴とする光集積回路である。
【0036】
第15は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部において当該マルチモード導波路の光軸と交差する方向の幅が不連続に変化し、且つ前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたY分岐光導波路を有することを特徴とする光集積回路である。
【0037】
尚、前述した光導波路の非対称構造の構成の諸方法を、その各々の趣旨に従って、上記発明の諸形態に適用出来ることは言うまでもない。
【0038】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施例を説明する前に、まず、本願発明で用いるマルチモード干渉(multi−mode interference:MMI)型Y分岐について述べる。マルチモード導波路を用いてY分岐を形成する技術は、例えば、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS,VOL.2,NO.6,1990,pp.404〜406、あるいは1994年秋季第55回応用物理学会学術講演会講演予稿集、第3分冊、19p−R−2、p.908に記載されている。これらは、特に半導体光導波路の分野で検討されているもので、その用途からして分岐比1:1の対称Y分岐である。
【0039】
MMI型Y分岐光導波路の例は、入力導波路、マルチモード導波路部、及び2つの出力導波路からなる。この入力導波路を伝播する基本モード光が、マルチモード導波路部に入射すると、マルチモード導波路部において基本モード光(n=0)と高次モード光(n=2)が発生し、両モード光の位相速度差による干渉によって伝播する光の波形が変形する。そして、両モード光の位相がちょうどπだけ異なる箇所では、伝播する光は2つのピークをもつ強度分布を有することとなる。この部分に対応して2つの出力導波路を配置することにより、分岐比1:1の対称Y分岐を実現することが出来る。
【0040】
このようなMMI型Y分岐を、非対称化する方法としては、次のような方法が考えられる。(1)第1は入力導波路を中心軸からΔxだけずらす方法、(2)第2はマルチモード導波路部を中心線に対して非対称とする方法、(3)第3は出力光導波路を中心線に対して非対称とする方法である。これらの方法を検討した結果、第2の方法が最も有用であることが判明した。
【0041】
先ず、前述の第3の方法では、マルチモード導波路出力端で生じる中心線に対称な2峰性のビームが出力導波路に入射する際に光結合の低下を招くので、大きな放射損失が生じやすい。従って、この方法は実際的ではない。
【0042】
次に、前述の第1の方法について検討した。図11に示すようなY分岐光導波路について、ビーム伝播法(BPM)を用いて、光の伝播状態を計算した。図11の例は、入力導波路(I)、マルチモード導波路(II)および2つの出力導波路(III)が接続されたY分岐光導波路の概略を示す平面図である。図では光が伝播する導波路部分のみが模式的に示されている。P0は入射光の強度、P1’,P2’は2つの出力導波路(III)の各々の出力導波路での光の強度を示す。Wは入出力導波路の光軸に交差する方向の幅、△xは入力導波路と出力導波路の中心線の差、またdは2つの出力導波路の間隔を示している。zはマルチモード導波路(II)の入力端よりの距離を示し、z=Lの位置が出力導波路(III)の入力端の位置を示している。図11において、導波路に交差して示された複数の細線は各位置における、光のモードを模式的に示している。又、図に「おいて一点鎖線は導波路の中心線を示している。尚、他の光導波路の平面図などにおける符号は図11と同様の部位を示している。
【0043】
光の伝播状態の計算例の結果を図3に示す。この結果は、各幾何学的パラメータが次の場合のものである。即ち、それらは、当該光導波路のコア部の屈折率が1.52、コアとクラッドの屈折率差が0.45%、入出力導波路幅(w)が6.5μm、出力導波路間隔(d)が3μm、マルチモード導波路部長(L)が245μm、Δxが4μmの場合についての結果である。図3は出力導波路のマルチモード導波路の出口からの距離と各出力導波路の光パワーの関係を示す図である。図3においてP1’、P2’は、上記計算結果による各出力導波路の光パワーを示している。尚、P1およびP2は本願発明になる非対称型Y分岐光導波路の各出力導波路の光パワーを示している。これについては後述する。
【0044】
図11に示した非対称型Y分岐光導波路の2つの出力導波路部(III)で各光強度(光パワー)P1’、P2’が、出力導波路のマルチモード導波路部出口からの距離zによって互いに入れ替わり、安定した分岐比を実現するのが難しいことが、図3の結果より理解される。前述の光パワーの変化の為、分岐比が波長変化や出力導波路の間隔の変化に対して大きく変化することに起因する。この光パワーの変化は、入力導波路を中心軸からずらしたことによって出力導波路領域で奇モード(n=1)が発生し、この奇モード(n=1)と基本モード(n=0)間の干渉が生じているためと考えられる。
【0045】
次に前述の第2の方法について検討した。この方法が本願発明に係わる方法である。この方法は、例えば図1に示す構成を取る。図1は入力導波路(I)、マルチモード導波路(II)および2つの出力導波路(III)が接続されたY分岐光導波路で本願発明の一つの形態を示す平面図である。図中の各符号は前述した図11と同様である。
【0046】
本例では、第1に幅wの入力導波路(I)と幅wで初期導波路間隔dの2つの出力導波路(III)との間に長さLのマルチモード導波路部(II)が配置される。第2に、マルチモード導波路部を非対称化するため、マルチモード導波路の入力端におけるコアの一部をδだけ小さくし、且つ光の進行方向に対してコア側面と中心線との間の距離が図の関数a(z)にしたがって徐々にもとに戻るよう構成したものである。これが本発明の一実施例である。これによって、マルチモード導波路を伝播する光の位相速度が中心線に対して非対称となる。このため、モード干渉で現れる2峰性の光強度分布において峰の高さに差が生じて分岐比の非対称化が実現できる。
【0047】
図2は、図1の形態において、モード干渉で現れる2峰性の光強度分布の状態を示す図である。図2において、導波路に交差して示された複数の細線は各位置における、光のモードを模式的に示している。図のように、光強度P0で入力導波路(I)を通過した光は、マルチモード導波路部(II)においてモード干渉により2峰性の光強度分布が生ずる。この2峰性の光強度分布は上述のマルチモード導波路部の構造により非対称となり、それぞれ2つの出力導波路(III)に各々光強度P1およびP2として伝播される。
【0048】
このような構造を有するY分岐光導波路について、ビーム伝播法(BPM)を用いて光の伝播を計算した結果をP1およびP2として示す。図3から理解されるように、2つの出力導波路の各光強度(光パワー)P1、P2は出力導波路のマルチモード導波路部出口からの距離zに対してあまり変化せず、安定した分岐比が実現できる。これは、入力導波路の中心線に対して2つの出力導波路が対称に配置されているために出力導波路領域で奇モード(n=1)の発生が抑制されており、モード干渉による不安定が生じないためと考えられる。
【0049】
上記の技術思想を基本にして、更に後述する各種諸形態を検討した結果、本発明の目的には、マルチモード導波路部に非対称性を導入した第2の場合が最も安定した分岐比を実現できる方法であることを見出した。
【0050】
マルチモード導波路部の出口において光が出力導波路に低放射損失で結合するためには、マルチモード導波路の長さはモード干渉による2峰性のピークが強く現れるように設定すればよい。また、マルチモード導波路の出口で出力導波路とより低損失で結合するためには、出口付近の波面が中心線に対して垂直となるようにするのが好ましい。このためにはマルチモード導波路の出口付近の構造上の変化を緩やかにする必要がある。さらに出力導波路は中心線に対して対称に配置されているため、マルチモード導波路の出力端における構造は中心線に対して対称に設定しておく必要がある。
【0051】
これらの要求を満たす構造としては、上述の図1、図2の他に、例えば図5〜図7のいずれの構造例をも用い得る。図5〜図7は、これまでの諸例と同様に、入力導波路(I)、マルチモード導波路(II)および2つの出力導波路(III)が接続された本願発明に係わる非対称Y分岐光導波路の概略を示す平面図である。図5は非対称Y分岐光導波路の他の実施例を示す図であり、マルチモード導波路の上側コアとクラッドとの境界線を山なりの曲線状に形成したものである。図6も、本発明に係る非対称Y分岐光導波路の他の実施例を示す図であり、マルチモード導波路の上側コアとクラッドとの境界線は図1、図2と同様とし、かつ下側コアとクラッドとの境界線も曲線形状としたものである。図7は、本発明に係る非対称Y分岐光導波路の他の実施例を示す図であり、マルチモード導波路の中間部分で上側コアとクラッドとの境界線を中心線側にへこんだ曲線となるよう形成したものである。勿論、ここに示した諸例によらず、本願発明の思想に基づく各種諸形態が可能なことは言うまでもない。
【0052】
ここで、分岐比を有効的に非対称化しかつ低損失なY分岐を実現するためには、マルチモード導波路部の入口付近での中心線に対する両導波路の幅の非対称性を、当該マルチモード導波路部の出口付近の中心線に対する導波路の幅の非対称性より大きな非対称性を導入し、出口付近では中心線に対して対称な構造を使用した方が良い。当該マルチモード導波路部の出口付近での中心線に対する導波路の幅は必ずしも対称である必要性はないが、前述の通り対称に設定する方が安定した分岐比を得るに好適である。
【0053】
即ち、本願発明の一つの形態は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成され、前記マルチモード導波路での複数の光ピークが現れる位置に前記複数の出力導波路の各々を配するものである。
【0054】
更には、本願発明の別の形態は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有するY分岐光導波路であって、前記複数の出力導波路の各々の出力導波路に対して各々光ピークが現れるごとく前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成するものである。しかし、こうした場合でも、前記マルチモード導波路部の出口付近では導波路の中心線に対して対称な構造を使用した方が良い。
【0055】
また、各平面図において上側又は下側に位置するコアとクラッドとの境界をマルチモード導波路部の入口付近で中心線から遠ざける構造を導入しても、光は中心線近傍にしか存在しないために、あまり有効に分岐比を非対称化できない。有効的に非対称化する方法としては、この入口付近で一方のコアとクラッドとの境界をある程度長い範囲に渡って中心線に近づける必要がある。この入口付近で一方のコアとクラッドとの境界を中心線に近づける範囲は、当該マルチモード導波路部の光軸と交差する方向の幅や要請される分岐比等にもよるが、当該マルチモード導波路部の光軸方向の長さの1/2程度以上とするのが通例である。
【0056】
従って、図1に示すように、上側のコアとクラッドとの境界線を入口で中心線に近付けて、中心線からの距離の変化を入口と出口近傍で小さく中心部分では大きくするのが良い。具体的な例としては、中心線からコアとクラッドとの境界線までの距離を、光の進行方向に対して、次の式1で表わされる正弦関数状曲線、もしくは式2で表わされるRaised Sin形状曲線に添って変化させることが挙げられる。
【0057】
a(z)=aave−δ/2cos[π(z/L)] ……式1
但し、aaveはマルチモード導波路の中心線よりの平均の幅、、δはマルチモード導波路の入力端におけるコアの一部の減少幅(δ>0)、zは光の進行方向の距離、Lはマルチモード導波路の入力端から出力導波路の入力端までの距離である。尚、aave−δ/2がマルチモード導波路の非対称部分を持つ入力端におけるコアの幅、aave+δ/2がマルチモード導波路の非対称部分を持つ側の出力端におけるコアの幅である。
【0058】
a(z)=amin+δ[z/L―L/(2π)sin[2π(z/L)]……式2
尚、aminはマルチモード導波路の非対称部分を持つ入力端におけるコアの幅である。従って、(amin+δ)が当該マルチモード導波路の非対称部分を持つ出力端におけるコアの幅となる。又、式2のその他の各パラメータは式1と同様である。
【0059】
図4は、コア形状をRaised Sin形状に変化させた場合の分岐比(P1/P2)と放射損失(動作波長1.3μm)の計算結果を示すものである。横軸はマルチモード導波路の入力端におけるコアの一部の減少幅δで、実線は分岐比、点線は放射損失を示す。この計算方法はBPM法である。また、その光導波路のモデルは図1に示すものである。用いた各パラメータは、当該光導波路のコアの屈折率が1.520、コアとクラッドの屈折率差が0.45%、入出力導波路幅(w)が6.5μm、出力導波路間の隙間(d)が3μm、マルチモード導波路部長(L)が245μmとした。そして、導波路の中心線からコアとクラッドとの境界線までの距離を上記式2で表わされるRaised Sin形状に変化させた。この図4から、δを変化させることによって分岐比が1〜3以上の広い範囲に渡って非対称なY分岐が実現できることが分かる。そして、図4に見られるように、上述の範囲に渡って放射損失は0.3dB以下と小さい値を確保することが出来る。
【0060】
図8a、図8bは、それぞれ本発明に係る非対称Y分岐光導波路の他の実施例を示す平面図である。これらの諸例は、マルチモード導波路部の出口で現れる峰のピークと出力導波路の中心とを一致させた例である。具体的には、図示したように、出力導波路の入口にオフセットbまたはcを与える。これにより、非対称Y分岐の一層の低損失化を図ることができる。このように更に低損失を図る為にオフセット構造を用い、前記マルチモード導波路部の出口で現れる峰のピークと出力導波路の中心とを一致させるのが好ましい。これら両者を完全に一致させることがより好ましいことは言うまでもない。
【0061】
図8aと図8bの構造のいずれを採用するかは、導波路の屈折率と当該導波路の出口導波路の曲がり形状などによって決定される。一般に、図8aの形状は半導体材料による導波路の場合に、一方、図8bの形状はレジンやガラスによる導波路の場合に多く採用される。また、オッフセットの程度(図8aあるいは図8bにおけるオフセットb、cの程度)も導波路の屈折率と当該導波路の出口導波路の曲がり形状などによって決定される。一般には、これらのオフセットb、cの値は概ね0.2μmより1.5μm程度の範囲から選ばれることが多い。
【0062】
次に、上記前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部の不連続の諸形態の詳細について説明する。
【0063】
これまでの図1、図2、図5、図6、図7、図8a、図8b、図9a、図10b、図10c、および図11の各図に示される各導波路の諸形態は、意図的に曲線部分を導入した領域以外の領域は直線で示されている。例えば、入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部は直交するコア部分の外形で示されている。しかし、実際の導波路の形態には、その角度を有する部分に微細ななまり部分を有する。このなまりの程度は、導波路を構成する材料やその製造方法に依存することは言うまでもない。
【0064】
図14は本願発明に係る非対称Y分岐光導波路の一例の入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部を拡大して示した平面図である。図での各符号はこれまでの導波路の平面図と同様である。入力導波路1とマルチモード導波路2がZ=0の位置で接続されている。尚、図14で符号7として示した曲線部分は、図1と同様に、前記マルチモード導波路2が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成する本願発明に係る領域を示している。図14では入力導波路1とマルチモード導波路2の接続部を示したが、当該光導波路の全体の角部において、類似のなまり部分が生ずる。こうしたなまり部分が製造方法によることは言うまでもない。マルチモード導波路2の出口付近も、その形状によって同じようななまりが生ずる。
【0065】
今、導波路の下部に着眼すると、当該この入力導波路1とマルチモード導波路2との接続部の角部3になまり部分を有する。同様にマルチモード導波路2の外側の角部4にもなまり部分を有する。この例では、入力導波路1とマルチモード導波路2との接続部のコア領域の少なくとも側面は遷移領域を有し、この遷移領域の両側にある当該入力導波路のコア領域と当該マルチモード導波路の両コア領域との両側面(6、5)は互いに交差している。図14の例では、入力導波路のコア領域の延長線10とマルチモード導波路のコア領域の延長線11のなす角度φが直角である。本願発明では、この接続部のこうした不連続性と合わせて前記マルチモード導波路2が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成することによって、光が当該マルチモード導波路2の領域に入射した際に複数のモードを効率よく励振し、この励振された複数のモードが干渉してマルチモードで伝搬し、このマルチモード導波路2に連なる2つの出力導波路の各出力導波路に対して各々光ピークが現れるごとく構成される。このような趣旨に沿って、本願発明においてはこの角度φは、鈍角にても、鋭角にても実施することが出来るが、多くは鈍角の場合が多い。
【0066】
図14は比較的加工精度の高い例を示しているが、更に加工精度が劣る場合もある。この場合でも、本願発明を実施することは可能である。又、加工精度によらず図14のような形状を製造することも当然出来る。
【0067】
図15は本願発明に係る非対称Y分岐光導波路の別な例の入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部を拡大して示した平面図である。図での各符号はこれまでの導波路の平面図と同様である。入力導波路1とマルチモード導波路2がZ=0の位置で接続されている。尚、図15で符号7として示した曲線部分は、図14と同様に、前記マルチモード導波路2が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成する本願発明に係る領域を示している。図15では入力導波路1とマルチモード導波路2の接続部を示したが、当該光導波路の全体の角部において、類似のなまり部分が生ずることは考慮しておかねばならない。こうしたなまり部分が製造方法によることは言うまでもない。
【0068】
図15の例は、前記のなまりの領域が比較的大きく設けられた例である。従って、特に図14の例に見られた入力導波路のコア領域とマルチモード導波路の両コア領域との両側面(6、5)は、その接続部で図14の例より大きな遷移領域(8、9)を有している。入力導波路のコア領域の側面の延長線と、当該入力導波路と当該マルチモード導波路の接続部の両コア領域の側面が形成する線の変曲点での接線とが鈍角で交差している。図15の例では、入力導波路のコア領域の延長線13とマルチモード導波路のコア領域変曲点での接線14の延長のなす角度φが鈍角である。
【0069】
こうした遷移領域を有しても、導波路幅が所望程度の距離で大きく変化しておれば、複数モードが励振されて、モード干渉が起きる。この場合、この領域の光軸方向(いわゆる前記入力導波路の光軸の延長線の方向)の長さl0は、当該導波路を伝搬する光の当該導波路内の波長(λ)の少なくとも50倍以下の長さに渡って変化する必要がある。尚、導波路内の波長(λ)は、λ0/nで表わされる。ここで、λ0は真空中での光の波長、nは当該導波路のコアの屈折率である。
【0070】
更に、十分に高次モードを励振して低損失なる分岐を得るには、このl0は光の当該導波路内の波長(λ)の20倍以下となすのが好ましい。
【0071】
尚、図14および図15では遷移領域を拡大して示したが、ガラスあるいはポリマの場合、この領域は1μmより20μm程度である。他方、マルチモード導波路の長さは、種々の形態はあるものの、概ね100μmより400μm程度である。従って、上述したなまり部分を含む遷移領域を有していても、分岐の設計方法や特性を基本的に乱すものではない。してみると、例えば、図15に示した比較的大きな遷移領域を有する例においても、前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部が光軸方向と交差する方向の幅が不連続に変化すると見て十分である。
【0072】
以上、本願発明の実施の諸形態について説明してきたが、これらを整理し、その主な実施の諸形態を以下に列挙する。
【0073】
(1)第1は、光を入力する入力導波路と、光を出力する2つの出力導波路と、前記入力導波路と2つの出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたことを特徴とする光導波路である。
【0074】
(2)第2は、前記中心線で分けられた前記マルチモード導波路の入口部分の一方の幅が、対応する前記マルチモード導波路の出口部分の幅よりも小さいことを特徴とする前項(1)に記載の光導波路である。
【0075】
(3)第3は、前記中心線で分けられた前記マルチモード導波路の中間部分の一方の幅が、対応する前記マルチモード導波路の出口部分の幅よりも小さいことを特徴とする前項(1)に記載の光導波路である。
【0076】
(4)第4は、前記マルチモード導波路の出口部分が、光軸方向の中心線に対して対称となるよう構成されたことを特徴とする前項(1)より(3)のいずれかに記載の光導波路。
【0077】
(5)第5は、光を入力する入力導波路と、光を出力する2つの出力導波路と、前記入力導波路と2つの出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記マルチモード導波路のコア部の側面と中心線との距離が光の進行方向に対して少なくとも一部で互いに異なるよう構成されたことを特徴とする光導波路である。
【0078】
(6)第6は、前記マルチモード導波路のコア部の少なくとも一側面と中心線との距離が、光の進行方向に対して曲線状に変化するよう構成されたことを特徴とする前項(5)に記載の光導波路である。
【0079】
(7)第7は、前記マルチモード導波路のコア部の一側面と中心線との距離の変化が、前記マルチモード導波路の出口付近において緩やかとなるよう構成されたことを特徴とする前項(6)に記載の光導波路である。
【0080】
(8)第8は、前記マルチモード導波路のコア部の一側面と中心線との距離が入口から出口に向って大きくなり、かつ前記距離の変化が前記マルチモード導波路の中間部に比べ入口付近と出口付近において小さくなるよう構成されたことを特徴とする前項(5)に記載の光導波路である。
【0081】
(9)第9は、前記マルチモード導波路のコア部の一側面と中心線との距離が入口から出口に向って正弦関数状に大きくなるよう構成されたことを特徴とする前項(5)に記載の光導波路である。
【0082】
(10)第10は、前記マルチモード導波路のコア部の一側面と中心線との距離が入口から出口に向ってRaised Sin状に大きくなるよう構成されたことを特徴とする前項(5)に記載の光導波路である。
【0083】
(11)第11は、前記2つの出力導波路の入口に所定幅のオフセットを付与することを特徴とする前項(5)より(10)のいずれかに記載の光導波路である。
【0084】
(12)第12は、光を入力する入力導波路と、光を出力する複数の出力導波路と、前記入力導波路と複数の出力導波路の間に配置され導波路を形成するコアとクラッドの光軸方向の境界線と中心線との距離が光の進行方向に対して少なくとも一部で互いに異なるよう構成されたマルチモード導波路とを備えたことを特徴とする光導波路である。
【0085】
(13)第13は、前記コアとクラッドの屈折率差が0.3%よりも大きいことを特徴とする前項(12)に記載の光導波路である。通例、この程度の屈折率差をもって光伝送される。
【0086】
(14)第14は、前記コア及びクラッドがポリマ材料又は石英系材料から構成されることを特徴とする前項(12)又は(13)に記載の光導波路である。
【0087】
(15)第15は、非対称構造を有するマルチモード導波路で複数のモード光を発生し、前記モード光の干渉により複数のピークが現れる部分に複数の出力導波路を配置するよう構成したことを特徴とする光導波路である。
【0088】
(16)第16は、光を入力する入力導波路と、光を出力する2つの出力導波路と、前記入力導波路と2つの出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部において当該マルチモード導波路の光軸と交差する方向の幅が不連続に変化し、且つ前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたことを特徴とする光導波路である。
【0089】
(17)第17は、光を入力する入力導波路と、光を出力する2つの出力導波路と、前記入力導波路と2つの出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部において当該マルチモード導波路の光軸と交差する方向の幅が不連続に変化し、且つ前記マルチモード導波路の入口部分の少なくとも一方の幅が、対応する前記マルチモード導波路の出口部分の幅よりも小さいことを特徴とする光導波路である。
【0090】
(18)第18は、光を入力する入力導波路と、光を出力する2つの出力導波路と、前記入力導波路と2つの出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成され、前記マルチモード導波路での複数の光ピークが現れる位置に前記2つの出力導波路の各々を配したことを特徴とする光導波路である。
【0091】
(19)第19は、前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部において当該マルチモード導波路の光軸と交差する方向の幅が不連続に変化し、且つ前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたことを特徴とする前項(18)に記載の光導波路である。
【0092】
(20)第20は、光を入力する入力導波路と、光を出力する2つの出力導波路と、前記入力導波路と2つの出力導波路の間に配置され複数のモード光を発生するマルチモード導波路とを有し、前記2つの出力導波路の各々の出力導波路に対して各々光ピークが現れるごとく前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたことを特徴とする光導波路である。
【0093】
(21)第21は、前記入力導波路と前記マルチモード導波路との接続部において当該マルチモード導波路の光軸と交差する方向の幅が不連続に変化し、且つ前記マルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成されたことを特徴とする前項(20)に記載の光導波路である。
【0094】
尚、前述した光導波路の非対称構造の実施の諸形態を、その各々の趣旨に従って、上記発明の諸形態に適用出来ることは言うまでもない。
【0095】
上記に説明した本願発明に係わる諸光導波路を用いて、いわゆる光集積回路を構成することが出来る。従って、上記各特徴部分を有する光導波路、あるいはそれらの諸光導波路の複数を組み合わせて一つの基板に搭載した光集積回路が可能である。また、ハイブリッド光集積回路の外に、例えば半導体材料を用いて諸部材を集積化した光集積回路をも構成することが出来る。本明細書ではこれらの諸集積回路を各々列挙することは省略し、以下に、代表的な形態のみを示す。
【0096】
(22)第22は、入力導波路と複数の出力導波路の間に配置したマルチモード導波路が光軸方向の中心線に対して非対称となるよう構成された非対称Y分岐光導波路を含むことを特徴とする光集積回路である。
【0097】
(23)第23は、前記非対称Y分岐光導波路の一つの出力導波路に接続された対称Y分岐光導波路を備えたことを前項(22)に記載の光集積回路である。
【0098】
次に、発明の実施の形態の具体例を説明する。
【0099】
図9(a)は、本発明に係る非対称Y分岐光導波路の一例を示す平面図で、図9(b)は図9(a)でのA−A’断面図である。図における各パラメータはこれまで説明したものと同様である。図9(a)に示す例は光導波路を樹脂、わけても有機高分子樹脂、有機ポリマを用いて構成する例である。こうした樹脂材料は光導波路に通例用いることが出来る材料を用いることが出来る。
【0100】
当該非対称Y分岐型光導波路の製造方法は次のとおりである。まず、ポリマを用いて非対称Y分岐を通例の方法によって作製する。即ち、Siまたは石英などの基板91上に、異なる2種類のポリマを順次塗布とベークとを繰り返して、所望厚さの樹脂膜を形成する。こうして、下部クラッド92(厚さ10μm、屈折率1.520)、コア93(厚さ6.5μm、屈折率1.527)が形成される。次に、こうして準備した基体上にフォトマスクを設けて、反応性イオンエッチングにより不要部分を除去して、コア93を図に示すような形状に加工する。この時、各寸法はw=6.5μm、L=245μm、d=3.0μm、δ=4.6μmとする。更に、マルチ導波路部で一方のコアとクラッドの境界線と中心線の距離a(z)を前述の式2で表わされるRaised Sin形状で変化させる。基体からフォトマスクを除去後、再びポリマを塗布、ベークする。こうして、上部クラッド94(厚さ15μm、屈折率1.520)が形成される。具体的なポリマ材料としては、フッ素化ポリイミドを用いた。当該フッ素化ポリイミドのフッ素化率を変えることにより屈折率を変化させた2種類のフッ素化ポリイミドを得ることが出来る。基板をダイシングにより所望形状に切断し、端面にシングルモードファイバを結合してスプリッタ・モジュールを構成する。このスプリッタ・モジュールの分岐特性を評価したところ、この非対称Y分岐の分岐比は1:3(±0.3)で安定した値が得られた。また、このスプリッタ・モジュールの放射損失も0.3dBと小さな値が得られた。
【0101】
このような形態によって、本発明においては、出力導波路間の距離が比較的大きくても、あるいはコアとクラッドの屈折率差が比較的大きくても、低損失な非対称Y分岐を実現できる。また分岐間に多少の欠陥が発生しても、その場所には比較的弱い光強度しか無いために、大きな過剰損失を生じないというメリットもある。
【0102】
図10(a)は、本発明に係る非対称Y分岐光導波路を用いて作製した光集積回路の一例を示す平面図である。図10(b)はA部の拡大図、図10(c)はB部の拡大図、図10(d)はC−C’断面図である。図10(a)の例は光導波路を無機物を用いて形成した例である。こうした無機物の例として、石英、ガラス、半導体材料などを挙げることが出来るが、こうした材料は光導波路に通例用いることが出来る材料を用いることが出来る。
【0103】
この光集積回路は、具体的には分岐比が1:n(ここで、nは整数である)、例えば1:3の石英系導波路光スプリッタを示している。図10(d)に見られるように、石英基板100(屈折率1.460)上に、GeをドープしたSiO2コア101(厚さ6.8μm、屈折率1.467)を火炎堆積法と焼結によって設ける。こうして準備した基体上にフォトマスクを設けてドライエッチングすることにより、コア101を図のような形状に加工する。その後、基体よりマスクを除去し、火炎堆積と焼結によってSiO2上部クラッド102(厚さ20μm)を形成する。ここで、図10(a)に見られるA部には、マルチモード導波路部で一方の境界線と中心線の距離が式1で示される正弦関数状に変化した1:2非対称Y分岐(w=6.8μm、d=4.0μm、L=255μm、d=3.1μm)を、同様にB部には、従来の対称MMI型Y分岐(w=6.8μm、d=0μm、L=255μm、d=3.1μm)を設ける。基板から素子をダイシングにより所望形状に切り出し、入出力端面に計4本の光ファイバを接着する。こうして得られた1:3スプリッタの波長1.3μmにおける損失は、5.4±0.2dBである。そして、この特性から1:3カップラの過剰損失は0.2dBと低損失であることが確認された。
【0104】
以上の実施例は、特にポリマまたは石英(ガラス)をコアやクラッドの材料として用いて非対称Y分岐導波路を作製する場合について述べたが、このほか半導体材料やLiNbO3などその他の材料あるいはそれらの組み合わせから成る材料、即ち通例光導波路を構成し得る諸材料を用いても同様に、本願発明は実施可能である。また、本発明による非対称Y分岐光導波路を用いて光送受信モジュールを作製することによって、受信感度の優れた光送受信モジュールが得られる。
【0105】
次に、本願発明を用いた光通信装置の例を説明する。
【0106】
図12は本願発明の別な実施例に係わる非対称Y分岐光導波路を用いた双方向光通信装置を模式的に示す図である。図12において、局A230と局B240には、それぞれ、少なくとも送信器(205、206)、受信器(209、210)、およびスプリッタモジュール(213、214)を有する送受信機(215、216)が設けられている。わけても、スプリッタモジュール(213、214)は、本願発明に係る非対称Y分岐光導波路を有して構成されている。当該非対称Y分岐光導波路はこれまでの実施例で示した非対称Y分岐光導波路の諸例を用いることが当然出来る。尚、言うまでもないが、ここで非対称Y分岐光導波路とは、その分岐路が非対称であって、分岐比が1:1ではないものを指す。特に、ポリマーを用いた非対称Y分岐光導波路は、量産性、価格等の面で実用的である。
【0107】
局A、局Bの送信器205、206は、各々少なくとも駆動回路201および光源202を有する。この光源202は通例半導体レーザ装置が用いられる。一方、局A、局Bの受信器209、210は、各々少なくとも受光部203および受信回路204を有する。受光部203には通例フォトダイオードが用いられる。
【0108】
両スプリッタモジュール(213、214)の端面には光ファイバー(217、218、219、220、221)接続されている。本例では、両スプリッタモジュール(213、214)の間に光ファイバー221が示されているが、更に必要に応じて光ファイバーアンプ、中継器等光通信に必要な諸装置、諸部材が設けられることは言うまでもない。
【0109】
図12の構成の基本動作は次の通りである。局A230の送信器205に入力された電気信号222は駆動回路201によって、例えば増幅され、この電気信号に基づいて光源202によって光信号223に変換される。光信号223は局Aの非対称Y分岐光導波路213を通過し、更に所望の光伝送路219を通過する。そして、局Bに入力される光信号224は局Bの非対称Y分岐光導波路214によって信号光は分岐される。この内、分岐光225は局B240の受信器210の受光部203に入力され、ここで電気信号に変換される。この変換された電気信号は受信器210の受信回路204によって、例えば増幅され、受信信号226として処理される。他方、非対称Y分岐光導波路214の送信器側に伝播する光は分岐比を送信器側は小さく押さえられており実質的な伝送の障害とならない。あるいは、送信器側にアイソレータを使用するなど所望光システムの要請による諸構成が可能である。尚、局B240から局A230への送信も前述の送受信の方法と同様に行われる。局B240よりの送信信号は227、局A230での受信信号は228である。
【0110】
本例において肝要なことは、受信光を本願発明に係る非対称Y分岐光導波路を用いて、受信器側に大きな光信号として分配することである。本願発明に係る非対称Y分岐光導波路は、これまでにない大きな分岐比を低い放射損失にて実現できるものであり、この観点から本願発明に係る非対称Y分岐光導波路はこうした光システムの構築に極めて有用である。前記非対称Y分岐光導波路211の分岐比を受信器側に大きくなるように設定することによって、光通信パワーは安全上、十分に低く押さえることが可能で、良好な受信感度を持つ光通信システムを構成することが出来る。
【0111】
図13は図10に示した光集積回路300の適用した光伝送装置の例を示すものである。第1の分岐部301は本願発明の係る非対称Y分岐光導波路、第2の分岐部302は通例の対称Y分岐光導波路である。
【0112】
この光分岐回路の第1の分岐側には半導体レーザ装置よりの光信号307が第1の光信号として入力される。第1の分岐部301より第2の分岐部302によって分岐された光信号308の内、更に、第2の光信号310は受光素子306、たとえばフォトダイオードが受光するように構成されている。一方、その他の各光導波路には、光ファイバー304、305が接続され、この各光ファイバーに前記第1および第2の各光信号309,311が伝播するように構成されている。
【0113】
【発明の効果】
本願発明によれば、放射損失が少なく安定な分岐比を有する非対称型分岐光導波路およびそれを用いた光集積回路を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る非対称Y分岐光導波路の一実施例を示す平面図である。
【図2】図2は本発明に係る非対称Y分岐光導波路における光強度分布を示す図である。
【図3】図3は本発明に係る非対称Y分岐光導波路の各出力導波路の光パワーを示す図である。
【図4】図4は本発明に係る非対称Y分岐光導波路の分岐比と放射損失の関係を示す図である。
【図5】図5は本発明に係る非対称Y分岐光導波路の他の実施例を示す平面図である。
【図6】図6は本発明に係る非対称Y分岐光導波路の他の実施例を示す平面図である。
【図7】図7は本発明に係る非対称Y分岐光導波路の他の実施例を示す平面図である。
【図8】図8(a)、図8(b)はそれぞれ本発明に係る非対称Y分岐光導波路の他の実施例を示す平面図である。
【図9】図9(a)は本発明に係る非対称Y分岐光導波路の一例を示す平面図である。図9(b)はそのA−A’での断面図である。
【図10】図10(a)は本発明に係る非対称Y分岐光導波路を用いて作製した光集積回路の一例を示す平面図、図10(b)はそのA部の拡大図、図10(c)はそのB部の拡大図、図10(d)はそのC−C’での断面図である。
【図11】図11は非対称Y分岐光導波路の他の構成例を示す平面図である。
【図12】図12は非対称Y分岐光導波路を用いた光伝送システムの構成例を示す図である。
【図13】図13は本願発明の光集積回路を用いた光システムの例を示す図である。
【図14】図14は本発明に係る非対称Y分岐光導波路の入力導波路とマルチモード導波路の接続部を拡大した平面図である。
【図15】図15は本発明に係る非対称Y分岐光導波路の別な形態の入力導波路とマルチモード導波路の接続部を拡大した平面図である。
【符号の説明】
91:基板、92:下部クラッド、93:コア、94:上部クラッド、100:コア、101:コア、102:クラッド
Claims (5)
- 第1の光導波路と、2つの第2の光導波路と、マルチモード光導波路を有し、前記第1の光導波路と前記2つの光導波路とはそれらの間に前記マルチモード光導波路を有して接続され、前記第1の光導波路の幅と前記マルチモード光導波路の幅が、前記第1の光導波路と前記マルチモード光導波路との接続部において、光軸の延長線と直交する方向で異なっており、且つ前記マルチモード光導波路の形状は前記第1の光導波路の光軸方向に延長している中心線の延長線に対して非対称な形状を有し、前記第1の光導波路から光を入射した時、前記マルチモード光導波路と前記第2の光導波路とが接続される位置において、伝搬光が非対称の光強度分布を有し、前記伝搬光の光強度分布は光強度において相互に異なる第1ピークと第2のピークとを有し、前記第1及び第2ピークの各々は、前記マルチモード光導波路と前記第2の光導波路とが接続される位置において、前記2つの第2の光導波路の各々の中心近傍に位置することを特徴とするY分岐光導波路。
- 前記マルチモード光導波路の出口部分が、前記第1の光導波路の光軸方向に延長している中心線の延長線に対して対称となるよう構成され、且つ前記2つの第2の光導波路が前記中心線の延長線に対して、前記マルチモード導波路との接線部近傍で対称に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のY分岐光導波路。
- 前記第1の光導波路の光軸方向に延長している中心線の延長線で分けられた前記マルチモード光導波路の入口部分の一方の幅が、対応する前記マルチモード光導波路の出口部分の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のY分岐光導波路。
- 前記第1の光導波路の光軸方向に延長している中心線の延長線で分けられた前記マルチモード光導波路の入口部分の一方の幅が、対応する前記マルチモード光導波路の出口部分の幅よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載のY分岐光導波路。
- 前記中心線で分けられた前記マルチモード光導波路の中間部分の一方の幅が、対応する前記マルチモード光導波路の出口部分の幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載のY分岐光導波路。
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