[go: up one dir, main page]

JP3841178B2 - アルケニルベンゼン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

アルケニルベンゼン誘導体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3841178B2
JP3841178B2 JP09109596A JP9109596A JP3841178B2 JP 3841178 B2 JP3841178 B2 JP 3841178B2 JP 09109596 A JP09109596 A JP 09109596A JP 9109596 A JP9109596 A JP 9109596A JP 3841178 B2 JP3841178 B2 JP 3841178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
compound
liquid crystal
formula
benzene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP09109596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09278684A (ja
Inventor
貞夫 竹原
晴義 高津
真治 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP09109596A priority Critical patent/JP3841178B2/ja
Publication of JPH09278684A publication Critical patent/JPH09278684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3841178B2 publication Critical patent/JP3841178B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C15/00Cyclic hydrocarbons containing only six-membered aromatic rings as cyclic parts
    • C07C15/40Cyclic hydrocarbons containing only six-membered aromatic rings as cyclic parts substituted by unsaturated carbon radicals
    • C07C15/42Cyclic hydrocarbons containing only six-membered aromatic rings as cyclic parts substituted by unsaturated carbon radicals monocyclic
    • C07C15/48Cyclic hydrocarbons containing only six-membered aromatic rings as cyclic parts substituted by unsaturated carbon radicals monocyclic the hydrocarbon substituent containing a carbon-to-carbon triple bond

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機電子材料や医農薬、特に電気光学的液晶表示用ネマチック液晶材料の製造中間体として有用なアルケニルベンゼン誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さらに単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリックス方式が実用化されている。これらの表示方式や駆動方式に応じて、液晶材料としても種々の特性が要求されており、非常に多くの液晶化合物が用いられている。
【0003】
液晶化合物は、構造的には分子中央のコア部分と両側の側鎖部分に分けることができるが、この側鎖としては通常アルキル基が最もよく用いられている。最近、側鎖としてこのアルキル基に換えて、アルケニル基を有する液晶材料も用いられるようになってきており、粘性の低下や温度範囲の拡大あるいは屈折率異方性の増大等に効果があることが確認されている。
【0004】
ところで、この液晶表示において、特に高速応答性が重視される場合には液晶材料としては(i)低粘性であること、に加えて(ii)屈折率異方性(Δn)が大きいことが要求される。これは応答の高速化には素子のセル厚(d)を小さくすることが効果的であるが、素子の着色を防止するためには屈折率異方性とセル厚の積(Δn・d)が一定の値をとる必要があるからである。このような条件を比較的満足する液晶化合物としては一般式(IV)
【0005】
【化4】
Figure 0003841178
【0006】
(式中、Ra及びRbはアルキル基又はアルコキシル基を表わす。)のトラン(ジフェニルアセチレン)誘導体が知られており、こうした目的に現在最もよく用いられている。
【0007】
しかしながら、液晶材料の高速応答性に対してはさらに高いレベルが要求されるようになってきており、側鎖がアルキル基である一般式(IV)の化合物でも不充分な状況となってきている。従って、この特性をさらに改善できる化合物として、側鎖にアルケニル基を有するトラン誘導体が期待されているわけであるが、このトラン誘導体において側鎖にアルケニル基を導入することは決して容易ではなく、そうした具体的化合物はこれまで知られていないのが実情である。
【0008】
この一般式(IV)のトラン誘導体は通常、一般式(V)のフェニルアセチレン誘導体と一般式(VI)のハロゲン化ベンゼン誘導体を、パラジウム系触媒存在下に反応させることにより製造する。
【0009】
【化5】
Figure 0003841178
【0010】
(式中、Yは臭素又はヨウ素のハロゲン原子を表わすが、反応性の高さから、ヨウ素原子がよく用いられる。Ra及びRbは上記におけると同じ意味を表わす。)トラン誘導体の製造方法としてはこの他にも(i)スチルベン誘導体に臭素付加した後、塩基で脱臭化水素する方法、(ii)Fritsch-Butterberg-Wiechell(FBW)転移反応を用いる方法等が知られているが、これらの方法は側鎖がアルケニル基の場合には側鎖の二重結合も反応してしまうので適用することができない。従って、側鎖にアルケニル基を有するトラン誘導体を製造するためには、4位にエチニル基あるいはヨウ素原子を有するようなアルケニルベンゼン誘導体が必要である。このような4位に置換基を有するアルケニルベンゼン誘導体としては、置換基が臭素原子である化合物、例えば4−ブロモ−1−(3−ブテニル)ベンゼンが報告(Quelett, Compt. Rend., 186, p765)されている。しかしながら、4位の置換基が、エチニル基あるいはヨウ素原子であるようなアルケニルベンゼン誘導体はこれまで知られておらず、アルケニルトラン誘導体もその製造が困難であった。
【0011】
また、これらのアルケニルベンゼン誘導体は2官能性のベンゼン誘導体であり、液晶化合物の製造中間体としてのみならず、他の有機電子材料さらには医薬、農薬の製造中間体として種々の用途が考えられる有用な化合物である。
【0012】
従って、4位にエチニル基あるいはヨウ素原子を置換基として有するアルケニルベンゼン誘導体が求められていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記の目的に応じるため、4位にエチニル基あるいはヨウ素原子を置換基として有するアルケニルベンゼン誘導体及びその製造方法を提供するものであり、これを用いることによりアルケニルトラン誘導体等の電気光学特性に優れた新規液晶化合物の製造を可能とすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、一般式(I)
【0015】
【化6】
Figure 0003841178
【0016】
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、mは0〜4の整数を表わす。)で表わされる4−エチニル−1−アルケニルベンゼンを提供する。
【0017】
上式において、Rは水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がさらに好ましい。また、Rがアルキル基である場合、二重結合はトランス配置が好ましい。mは0〜2が好ましく、0が特に好ましい。
【0018】
従って、本発明の一般式(I)の化合物としては、以下の式(Ia)〜(Id)
【0019】
【化7】
Figure 0003841178
【0020】
の化合物が好ましく、特に式(Ia)の4−エチニル−1−(3−ブテニル)ベンゼンが最も好ましい。
この一般式(I)の4−エチニル−1−アルケニルベンゼンは以下のようにして製造することができる。
【0021】
一般式(II)
【0022】
【化8】
Figure 0003841178
【0023】
(式中、R及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)で表わされる4−ヨード−1−アルケニルベンゼンを、触媒存在下に2−メチル−3−ブチン−2−オールと反応させることにより、一般式(VII)
【0024】
【化9】
Figure 0003841178
【0025】
(式中、R及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)の4−フェニル−2−メチル−3−ブチン−2−オール誘導体を得る。反応は触媒存在下に行われるが、触媒としては塩化パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等のパラジウム(II)系触媒、あるいはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等のパラジウム(0)系触媒が好ましい。さらにヨウ化銅(I)等の銅(I)塩を共存させることが好ましい。反応は溶媒中で行われ、溶媒としてはジメチルホルムアミド(DMF)等のいわゆる非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒あるいはこれらの混合溶媒を用いることができるが、DMFが好ましい。また、トリエチルアミン等のアミン系溶媒を共存させることが好ましい。反応は0℃から溶媒の還流温度までの広い温度範囲で可能であるが、室温から約80℃程度の範囲内が好ましい。
【0026】
この一般式(VII)の化合物を塩基存在下に加熱することにより、一般式(I)の化合物を得ることができる。塩基としてはアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩及び水素化物あるいはジアザビシクロウンデカン(DBU)等の有機塩基を用いることができるが、通常は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好ましい。反応は無溶媒あるいは溶媒存在下に行われるが、通常無溶媒で行うか、アルコール系溶媒中で行うことが好ましい。
【0027】
斯くして、一般式(I)の4−エチニル−1−アルケニルベンゼンを製造することができるが、本発明はこの一般式(I)の化合物の製造方法をも提供するものである。
【0028】
さらに、ここで用いた一般式(II)の4−ヨード−1−アルケニルベンゼンも新規な化合物であり、本発明は一般式(II)の化合物及びその製造方法をも提供する。
【0029】
一般式(II)の4−ヨード−1−アルケニルベンゼンは、対応する一般式(III)
【0030】
【化10】
Figure 0003841178
【0031】
(式中、R及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。Xは臭素原子あるいは塩素原子を表わすが、臭素原子が好ましい。)の臭化物あるいは塩化物を金属マグネシウムと反応させてグリニヤール反応剤とするか、有機リチウム反応剤とし、これをヨウ素と反応させることにより得ることができる。ここで金属としてはマグネシウムを用いることがより好ましい。反応はTHF等のエーテル系溶媒を必要に応じヘキサンやトルエン等の炭化水素系溶媒と混合して用いることができるが、THFが好ましい。ヨウ素との反応は室温あるいは冷却下に行われるが−20℃〜25℃が好ましい。
【0032】
従って、一般式(II)の化合物としては、以下の式(IIa)〜(IId)
【0033】
【化11】
Figure 0003841178
【0034】
の化合物が好ましく、特に一般式(II)において、Rが水素原子であり、mが0である式(IIa)の4−ヨード−1−(3−ブテニル)ベンゼンが最も好ましい。
【0035】
斯くして得られた一般式(I)及び一般式(II)の化合物は、アルケニルトラン誘導体をはじめとする各種液晶化合物の合成中間体として好適に使用することができる。
【0036】
例えば、本発明の一般式(I)の化合物をパラジウム系触媒、銅(I)触媒及びアミン系溶媒の存在下に、前述の一般式(V)のフェニルアセチレン誘導体と反応させることにより、一般式(A)
【0037】
【化12】
Figure 0003841178
【0038】
(式中、R、m及びRaは前述の意味を表わす。)で表わされるアルケニルトラン誘導体を製造することができる。あるいはこの一般式(A)の化合物は、本発明の一般式(II)の化合物と、前述の一般式(VI)の化合物からも同様にして製造することができる。この一般式(A)の化合物は、本発明者らが初めて合成することに成功し報告した化合物であり、対応するアルキルトラン誘導体と比較して、粘性が低く、屈折率異方性が大きくかつ液晶相温度範囲が広いという特徴を有する。従って、前述の高速応答性が必要とされる液晶組成物の構成成分として極めて適したものである。
【0039】
本発明の化合物は、一般式(A)のようなアルケニルトラン誘導体以外の液晶化合物の製造中間体としても有用である。例えば、前述の一般式(VI)のハロゲン化ベンゼンから調製されたグリニヤール反応剤を、パラジウム系あるいはニッケル系触媒の存在下に、本発明の一般式(II)の化合物と反応させることにより、一般式(B)
【0040】
【化13】
Figure 0003841178
【0041】
(式中、R、m及びRbは前述の意味を表わす。)で表わされるアルケニルビフェニル誘導体を製造することができる。この一般式(B)の化合物は、一般式(A)の化合物と比較するとやや屈折率異方性が小さいが同様に粘性が低く、高速応答性液晶組成物の調製上やはり有用な化合物である。
【0042】
以上のように、本発明の一般式(I)及び一般式(II)の化合物を用いることにより種々の有用な液晶化合物を製造することができることがわかる。
【0043】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペクトル(IR)により確認した。また、組成物における「%」は「重量%」を表わす。
(参考例) 4−ブロモ−1−(3−ブテニル)ベンゼンの合成
【0045】
【化14】
Figure 0003841178
【0046】
臭化4−ブロモベンジル374gをTHF1600mlに溶解し、5℃で攪拌した。これに塩化アリル及びマグネシウムから調製した塩化アリルマグネシウム(2MTHF溶液)785mlを1時間で滴下した。さらに5℃で1時間攪拌後室温まで放冷し、稀塩酸を加え反応を終了させた。ヘキサン800mlで抽出し、有機層は水、次いで飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥後、減圧下に溶媒を溜去して表記の4−ブロモ−1−(3−ブテニル)ベンゼン310gを得た。(収率98%)
この化合物のガスクロマトグラフィーによる純度は99%以上であり、これ以上精製することなしに、応用例に示したの液晶化合物の合成にそのまま使用することが可能であった。
【0047】
同様にして以下の化合物を得る。
4−ブロモ−1−(3−ペンテニル)ベンゼン
4−ブロモ−1−(4−ペンテニル)ベンゼン
4−ブロモ−1−(5−ヘキセニル)ベンゼン
4−クロロ−1−(3−ブテニル)ベンゼン
4−クロロ−1−(3−ペンテニル)ベンゼン
4−クロロ−1−(4−ペンテニル)ベンゼン
4−クロロ−1−(5−ヘキセニル)ベンゼン
(実施例1) 4−ヨード−1−(3−ブテニル)ベンゼン(式(IIa)の化合物)の合成
【0048】
【化15】
Figure 0003841178
【0049】
マグネシウム16.4gを乾燥したTHF20ml中に懸濁させ、これに参考例で得た4−ブロモ−1−(3−ブテニル)ベンゼン150gのTHF600ml溶液を、溶媒が穏やかに還流を続ける速度で滴下した。滴下終了後、2時間撹拌し、室温まで放冷した。ヨウ素162gをTHF480mlに溶解し10℃で1時間で滴下した。滴下終了後、1時間撹拌した後、水、次いで亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、トルエンで抽出した。有機層を水、次いで飽和食塩水で洗滌し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)を用いて精製して、一般式(II)で表わされる4−ヨード−1−(3−ブテニル)ベンゼン171gを得た。
NMR:δ=2.2−2.8(m,4H),4.9−5.1(m,1H),5.3−5.9(m,2H),6.9(d,2H,J=8.1Hz),7.6(d,2H,J=8.1Hz)
MS:m/e=258(M+
参考例で得た化合物を用いて同様にして以下の化合物を得る。
【0050】
4−ヨード−1−(3−ペンテニル)ベンゼン(式(IIb)の化合物)
4−ヨード−1−(4−ペンテニル)ベンゼン(式(IIc)の化合物)
4−ヨード−1−(5−ヘキセニル)ベンゼン(式(IId)の化合物)
(実施例2) 4−エチニル−1−(3−ブテニル)ベンゼン(式(Ia)の化合物)の合成
【0051】
【化16】
Figure 0003841178
【0052】
実施例1で得た4−ヨード−1−(3−ブテニル)ベンゼン86.4g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)2.35g及びヨウ化銅(I)637mgをDMF120ml及びトリエチルアミン90mlに溶解した。これに30℃以下で2−メチル−3−ブチン−2−オール42.2gのDMF60ml溶液を滴下し、さらに室温で2時間撹拌した。
【0053】
稀塩酸及びトルエンを加え、水層はトルエンで抽出して有機層をあわせ、水、次いで飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸水素ナトリウムで脱水乾燥後、減圧下に溶媒を溜去して、4−[4−(3−ブテニル)フェニル]−2−メチル−3−ブチン−2−オールの粗生成物73.7gを得た。
【0054】
この全量に水酸化ナトリウム670mgを加え、生成するアセトンを溜去しながら、80℃で2時間撹拌した。減圧下に蒸留(165℃/15mmHg)して一般式(I)で表わされる4−エチニル−1−(3−ブテニル)ベンゼン39.3gを得た。
NMR:δ=2.1−2.7(m,4H),3.0(s,1H),4.9−5.1(m,2H),5.5−6.0(m,1H),7.1(d,2H,J=8.4Hz),7.4(d,2H,J=8.4Hz)
MS:m/e=156(M+
同様にして以下の化合物を得る。
【0055】
4−エチニル−1−(3−ペンテニル)ベンゼン(式(Ib)の化合物)
4−エチニル−1−(4−ペンテニル)ベンゼン(式(Ic)の化合物)
4−エチニル−1−(5−ヘキセニル)ベンゼン(式(Id)の化合物)
(応用例) 液晶化合物の合成及び液晶組成物の調製及びその電気光学的特性(a) 1−[4−(3−ブテニル)フェニル]−2−(4−メチルフェニル)エチンの合成
【0056】
【化17】
Figure 0003841178
【0057】
4−メチル−1−ヨードベンゼン41.6g、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)2.2g及びヨウ化銅(I)360mgをDMF200ml及びトリエチルアミン45mlに溶解した。これに実施例2で得た4−エチニル−1−(3−ブテニル)ベンゼン31.3gのDMF60ml溶液を30℃以下で3時間で滴下し、さらに室温で1時間攪拌させた。水及び10%塩酸を加え、水層を分離後、トルエンで抽出し、有機層をあわせ、10%塩酸、水、次いで飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた後、溶媒を溜去して1−[4−(3−ブテニル)フェニル]−2−(4−メチルフェニル)エチンの粗結晶53.7gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)を用いて精製し、さらにエタノールから再結晶させて精製物35.4gを得た。この化合物は室温では結晶でその融点は40℃であった。
(b) 液晶組成物の調製(1)
現在汎用されているアクティブマトリックス駆動用として好適なホスト液晶(H)
【0058】
【化18】
Figure 0003841178
【0059】
は以下の物性及び電気光学的特性は通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 116.7℃
粘度(20℃): 19.8cp
応答時間(τr=τd): 21.5m秒
屈折率異方性(Δn): 0.090
ここで、粘度は20℃における測定値、応答時間は厚さ4.5μmのTNセルに封入した場合に、立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時間(τd)が等しくなる電圧印加時の測定値である。
【0060】
このホスト液晶(H)70重量%及び上記(a)で得た1−[4−(3−ブテニル)フェニル]−2−(4−メチルフェニル)エチン
【0061】
【化19】
Figure 0003841178
【0062】
30重量%からなる液晶組成物(M−1)を調製した。この物性値及び電気光学的特性は以下の通りであった。
ネマチック相上限温度(TN-I): 86.0℃
粘度(20℃): 15.0cp
応答時間(τr=τd): 9.5m秒
屈折率異方性(Δn): 0.146
このようにその粘度は約3/4まで低減され、応答時間も半分以下と大幅に改善されていることがわかる。また屈折率異方性も約1.5倍に増大した。この1−[4−(3−ブテニル)フェニル]−2−(4−メチルフェニル)エチンは単独では結晶であり液晶性を示さないが、その添加によるTN-Iの低下は比較的小さいこともわかる。
(c) 4,4’−ジ(3−ブテニル)ビフェニルの合成
【0063】
【化20】
Figure 0003841178
【0064】
マグネシウム2.1gを乾燥させたTHF5ml中に懸濁させた。これに参考例で得た4−ブロモ−1−(3−ブテニル)ベンゼン18.0gのTHF70ml溶液を溶媒が穏やかに還流する速度で滴下した。撹拌しながら室温まで放冷して得られたグリニヤール反応剤を、実施例1で得た4−ヨード−1−(3−ブテニル)ベンゼン20g及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.9gのTHF60ml溶液に室温で滴下した。2時間撹拌した後、水を加え、ヘキサンで抽出し、水、次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。溶媒を溜去して得られた粗生成物21.3gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、さらにエタノールから低温で再結晶させて、表記化合物13.8gを得た。
【0065】
この化合物はその融点は20℃以下であり、室温でスメクチック相を示し、71℃以上で等方性液体相となった。
(d) 液晶組成物の調製(1)
このホスト液晶(H)70重量%及び上記(c)で得た4,4’−ジ(3−ブテニル)ビフェニル
【0066】
【化21】
Figure 0003841178
【0067】
30重量%からなる液晶組成物(M−1)を調製した。この(M−1)の物性値は以下の通りであった。
ネマチック相上限温度(TN-I): 76.4℃
粘度(20℃): 13.1cp
応答時間(τr=τd): 12.0m秒
屈折率異方性(Δn): 0.113
このように、本発明の一般式(I)の化合物は、ネマチック相上限温度(TN-I)は降下しているけれども、その粘度は大幅に低下し、応答時間も改善されていることがわかる。また、屈折率異方性も25%も大きくすることができた。従って、一般式(I)の化合物は低粘性高速応答性液晶組成物の構成成分として非常に有用であることがわかる。
【0068】
以上のように、本発明の製造法により得られる4−ヨード−1−アルケニルベンゼン及び4−エチニル−1−アルケニルベンゼンを中間体として製造される液晶化合物は低粘性で、屈折率異方性が大きく、高速応答性に優れた液晶組成物を調製する上において、極めて有用であることがわかる。
【0069】
【発明の効果】
本発明により提供される4−置換−1−アルケニルベンゼンを中間体として用いることにより、アルケニルベンゼン誘導体である各種液晶化合物を工業的にも容易に製造することができる。これらの液晶化合物は、その減粘効果及び応答性の改善効果に優れるため、これらを含有する液晶組成物は実用的液晶として特に高速応答を必要とする液晶表示用として極めて有用である。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003841178
    (式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、mは0〜4の整数を表わす。)で表わされる化合物。
  2. Rが水素原子であることを特徴とする請求項1記載の一般式(I)で表わされる化合物。
  3. mが0であることを特徴とする請求項1又は2記載の一般式(I)で表わされる化合物。
  4. 一般式(II)
    Figure 0003841178
    (式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、mは0〜4の整数を表わす。)で表わされる化合物を触媒存在下に2−メチル−3−ブチン−2−オールと反応させ、次いで塩基と反応させることを特徴とする請求項1記載の一般式(I)で表わされる化合物の製造方法。
  5. 請求項4記載の一般式(II)で表わされる化合物。
  6. Rが水素原子、mが0であることを特徴とする請求項5記載の一般式(II)で表わされる化合物。
  7. 一般式(III)
    Figure 0003841178
    (式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、mは0〜4の整数を表わし、Xは臭素原子あるいは塩素原子を表わす。)で表わされる化合物を金属マグネシウムあるいは金属リチウムと反応させて、グリニヤール反応剤あるいは有機リチウム反応剤を調製し、これをヨウ素と反応させることを特徴とする請求項5記載の一般式(II)で表わされる化合物の製造方法。
JP09109596A 1996-04-12 1996-04-12 アルケニルベンゼン誘導体及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3841178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09109596A JP3841178B2 (ja) 1996-04-12 1996-04-12 アルケニルベンゼン誘導体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09109596A JP3841178B2 (ja) 1996-04-12 1996-04-12 アルケニルベンゼン誘導体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09278684A JPH09278684A (ja) 1997-10-28
JP3841178B2 true JP3841178B2 (ja) 2006-11-01

Family

ID=14016968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09109596A Expired - Lifetime JP3841178B2 (ja) 1996-04-12 1996-04-12 アルケニルベンゼン誘導体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3841178B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5481812B2 (ja) * 2007-09-13 2014-04-23 Jnc株式会社 液晶組成物および液晶表示素子
CN101555192B (zh) * 2009-05-19 2013-06-05 烟台显华化工科技有限公司 对链烯溴苯、对链烯碘苯或对链烯氯苯、其合成方法及其应用
US20120169974A1 (en) * 2009-09-14 2012-07-05 Jnc Petrochemical Corporation Liquid crystal composition and liquid crystal display element

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09278684A (ja) 1997-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3780547B2 (ja) ビシクロヘキサン誘導体
JP3783246B2 (ja) p−テルフェニル誘導体
JP3841178B2 (ja) アルケニルベンゼン誘導体及びその製造方法
JP4193005B2 (ja) 新規アルケニルビフェニル誘導体
JP3981844B2 (ja) 新規アルケニルトラン誘導体
JP3783248B2 (ja) 4−(2−シクロヘキシル)プロピル−p−テルフェニル誘導体
JPH03127748A (ja) ジシクロヘキシルエチレン誘導体
JP3783247B2 (ja) 1,2−ジシクロヘキシルプロパン誘導体
JP4314656B2 (ja) ジアルケニル化合物
JP3944611B2 (ja) ジアルケニルビフェニル誘導体
JP4193075B2 (ja) アルケニルテルフェニル誘導体
JPH1143450A (ja) 新規アルケニルビフェニル誘導体
JP3632772B2 (ja) 4−アルケニルオキシ−3,5−ジフルオロベンゼン誘導体
JP3632778B2 (ja) (2−シクロヘキシル)プロピルベンゼン誘導体
JP3865084B2 (ja) ジアルケニルトラン誘導体
JP4045474B2 (ja) フルオロテルフェニル誘導体
JP4193077B2 (ja) 1,3−フェニレン誘導体
JP4437284B2 (ja) アルケニルビフェニル誘導体を含有する液晶組成物
JP4315298B2 (ja) アルケニルトラン誘導体
JP4239242B2 (ja) フェニルナフタレン誘導体
JP4547904B2 (ja) トリフルオロナフタレン誘導体を含有する液晶組成物と表示素子及び液晶性化合物。
JP2646262B2 (ja) ジフルオロアルキルシクロヘキシルベンゾニトリル誘導体
JP3937185B2 (ja) 2−フルオロビフェニル誘導体
JP3642345B2 (ja) (フルオロアルケニル)ベンゼン誘導体
JP3728764B2 (ja) ビフェニル誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060802

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100818

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100818

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130818

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term