JP3839622B2 - シームフェルト接合用補助具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シームフェルトの両端部を、該部にそれぞれ仮固定した結合具(接合補助具ともいう)を介して互いに引き寄せてシームループを噛み合わせ、それによって出来た共通孔に芯線を通して接合させ得るようにしたシームフェルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、湿紙からの水分を脱水するプレスパートにおいて、プレス脱水量を多くする手段として、ロール加圧を上げる、ロール硬度を上げる、加圧シューにより加圧時間を長くするなどの手法が取り入れられている。このような高加圧パートでは湿紙の搬送と脱水を目的にフエルトを介在させるが、ロールとロール、又はロールとシュープレス用ブランケットとの間に介在させたフエルトは偏平化が早いために、基布に重厚な織布を少なくとも2枚重ね合わせたラミネートフエルトが用いられている。
【0003】
上記ラミネートフエルトは、固く、重いので、最近では抄紙機への掛け入れ作業を容易にするためにオープンエンドとし、抄紙機上で無端状に接合するシームフェルトの使用が主流となりつつある。このようなオープンエンドのシームフェルトを図5に示す。
【0004】
上記シームフェルト51が、図5(a)の如く、基布52に2枚の織布53、54を用い、該基布52にバット繊維55を積層し、ニードリングにより絡合一体化してなり、かつ、前記織布の両端部にシームループ53aと53b、54aと54bを備えている場合において、これらのシームループ53aと53b、及び54aと54bを接合させるには、フエルト51の両端部近傍に結合具56を構成するエレメント56aと56bを仮固定し、該仮固定された前記エレメント56aと56bを、図5(b)の如く、結合してフエルト51の両端部を引き寄せて山型を作り、これにより最下織布のシームループ54aと54bとを噛み合わせ、その共通孔に芯線Sを挿入して接合する。この場合、山型を作ったままであると、2枚目の織布のループ53aと53bとを噛み合わせることができないため、前記結合具56のエレメント56a及び56bの結合を解除して2枚目の織布のループ53aと53bとの接合を行うようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最下織布のシームループ54aと54bとを噛み合わせ、その共通孔に芯線Sを挿入して接合した後、前述の如く、前記接合具56のエレメント56a及び56bとの結合を、図5(c)の如く、解除すると、シームフェルトは長尺にして幅広であり、しかも重量が嵩むことから、シームフェルト51の両端部は離反する方向(矢印C1、C2方向)の力を受け、2枚目の織布のループ53aと53bとの噛み合わせがズレてしまい、共通孔(ハッチング部分)が小さくなったり、揃わなくなり、これに芯線を通すのに多くの時間が掛かることがあった。
【0006】
本発明は上記問題を解消するためのもので、その目的とするところは、2枚以上の織布の両端部に備えた総てのシームループを抄紙機上で楽に接合させ得ることのできるシームフェルトを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るシームフェルトは、基布が2枚以上の織布で構成され、前記織布の両端部にシームループを備えたシームフェルトにおいて、該シームフェルトの両端部のそれぞれの近傍に、各織布の両端部にある両シームループ同士の接合の際に使用する一対の結合エレメントからなる結合具の、その各結合エレメントを対向して仮固定し、該結合具は前記シームループ同士の接合数と同数設けたことを特徴とし、織布毎にシームループの噛み合わせを確実に、しかも、共通孔が一線上に正確に揃うよう構成した。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係るシームフェルトは、前記結合具が、スライド式ファスナーであることを特徴とし、スライダーをスライドさせるだけで簡易に、しかも、シームフェルトの両端部を強い力で引き寄せ得るように構成した。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係るシームフェルトは、基布が2枚以上の織布で構成され、前記織布の両端部にシームループを備えたシームフェルトにおいて、該シームフェルトの両端部のそれぞれの近傍に、各織布の両端部にある両シームループ同士の接合の際に使用する対の結合エレメントからなる結合具の、対の一方の結合エレメントと他方の結合エレメントとを対向して仮固定し、その一方の結合エレメントの数が1、他方のそれが前記シームループ同士の接合数と同数であることを特徴とし、エレメントを節約して低コスト化が図れるように構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図において、1はシームフェルトで、該シームフェルト1は基布2にバット繊維3を積層し、ニードリングにより絡合一体化してなるものであり、基布2が2枚以上の織布4、5で構成され、各織布4、5の両端部にはシームループ4aと4b、5aと5bを備えている。該シームループ4aと4b、5aと5bは、織布4、5の縦方向の糸をループを作って折り返して形成したものでも、ループを備えたフック部材を織布4、5の両端部に取り付けたものでもその他でもよいことは勿論である。
【0011】
前記シームフェルト1の両端部の下面側近傍には、本願接合補助具6を構成する結合エレメント6aと6a′、6bと6b′が対向して仮固定されている。この第1段の結合エレメント6aと6a′の先端Aはフェルトのループ端部BよりLa(経験的に10mm〜30mm)だけ内側とすることがよい。これはエレメント6aと6a′を結合したときに、フエルト1の両端部を引き寄せて、図2の如く、山型を作り、これにより最下織布のシームループ5aと5bとを噛み合わせてその共通孔を揃えるために有効に作用する。
【0012】
また、第2段目の結合エレメント6bと6b′の先端A′はフェルトのループ端部BよりLb(経験的に1〜2mm)だけ内側とする。これはエレメント6bと6b′との結合を、図3の如く、解除したときに、シームフェルト1の両端部が離反する方向(矢印C1、C2方向)の力を受けてもループ4aと4bとの噛み合わせによる共通孔(ハッチング部分)がズレないようにするために有効に機能する。なお、図示していない第3段目以降はエレメントの先端はフェルトのループ端部と一致するか、それより外側になることもある。
【0013】
前記本願接合補助具6は、その各エレメント6aと6a′、6bと6b′を互いに結合させることによりシームフェルト1の両端部を引き寄せてシームループ4aと4b、5aと5bを互いに噛み合わせさせる機能を備えるためのものであることは前述の通りであり、その機能を備える限り具体的には如何なる構造のものでも良いが、本例ではスライド式ファスナー(ジッパー)を利用している。これはスライダーをスライドさせるだけで簡易に結合でき、しかも、シームフェルトの両端部を強い力で引き寄せ得る構造的特徴を有するからである。
【0014】
本願接合補助具6の各エレメント6aと6a′、6bと6b′はあくまでも仮固定であって、シームループ5aと5b同士、及び4aと4b同士を互いに噛み合わせ、その共通孔に芯線を通して接合させた後は、シームフェルト1より除去することとなる。即ち、仮固定とは、シームフェルト1の使用時には除去できる状態での固定をいう。従って、その後の除去が容易となる状態において強固に固定されていることが好ましい。この仮固定として、縫い糸の一端を引くと、縫い付け部が次々と伝染するように解ける「二重環縫い」を利用することが優れている。
【0015】
前記本願接合補助具6のエレメント6aと6a′、6bと6b′は、シームループ4aと4b、5aと5bの接合数に対応して複数(本例では2個)設けているが、これは図1〜図3の如く、エレメントが双方共に同数(2個づつ)であっても、図4の如く、一方を「1」、他方を複数(2個)設けるようにしてもよいことは勿論である。この後者の場合は、一方のエレメントを共通にするので、その分だけコストの低減化が可能となる。
【0016】
次に、本願接合補助具6の作用を、図2及び図3に基づいて説明する。シームフェルト1を抄紙機への掛け入れに際し、最下部基布の接合を行う。まず、図2の如く、本願接合補助具6の第1段目の接合エレメント6aと6a′とを結合させる。これによりフエルト1の両端部は引き寄せられて山型が作られ、最下織布5のシームループ5aと5b同士が噛み合うから、それによりできた共通孔に芯線Sを挿入して接合する。
【0017】
前述の如く、第1段目のエレメント6aと6a′との結合で山型を作ったままであると、2枚目の織布4のシームループ4aと4b同士は噛み合わないから、図3の如く、前記第1段目のエレメント6aと6a′を解除するとともに、直ちに第2段目のエレメント6bと6b′を結合させる。即ち、第1段目のエレメント6aと6a′の結合を解除した時点ではシームフェルトの両端部は離反する方向(矢印C1、C2方向)の力を受けるが、第2段目のエレメント6bと6b′の結合により2枚目の織布のループ4aと4b同士はハッチングで示すように共通孔は確実に揃い、芯線を挿入して接合(シーミング)する作業が簡単かつ確実に行えるようになる。
【0018】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係るシームフェルトは、基布が2枚以上の織布で構成され、前記織布の両端部にシームループを備えたシームフェルトにおいて、該シームフェルトの両端部のそれぞれの近傍に、各織布の両端部にある両シームループ同士の接合の際に使用する一対の結合エレメントからなる結合具の、その各結合エレメントを対向して仮固定し、該結合具は前記シームループ同士の接合数と同数設けたことを特徴としているから、織布毎にシームループの噛み合わせを確実に、しかも、共通孔を一線上に正確に揃えることができ、シーミング作業を大幅に削減できるという優れた効果を奏するものである。
【0019】
また、請求項2に記載の発明に係るシームフェルトは、前記結合具が、スライド式ファスナーであることを特徴としているから、スライダーをスライドさせるだけで簡易に、しかも、シームフェルトの両端部を強い力で引き寄せ得るという優れた効果を奏するものである。
【0020】
また、請求項3に記載の発明に係るシームフェルトは、基布が2枚以上の織布で構成され、前記織布の両端部にシームループを備えたシームフェルトにおいて、該シームフェルトの両端部のそれぞれの近傍に、各織布の両端部にある両シームループ同士の接合の際に使用する対の結合エレメントからなる結合具の、対の一方の結合エレメントと他方の結合エレメントとを対向して仮固定し、その一方の結合エレメントの数が1、他方のそれが前記シームループ同士の接合数と同数であることを特徴としているから、シームフェルトの両端部近傍にスライド式ファスナーを対向して仮固定するに当たり、ファスナーエレメントを節約して低コスト化が図れるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願接合用補助具を仮固定したシームフェルトの両端部の対峙状態の略示的断面図である。
【図2】本願接合用補助具の第1段目の結合エレメントを結合させた状態の略示的断面図である。
【図3】本願接合用補助具の第1段目の結合エレメントを結合を解除し、第2段目の結合エレメントを結合させた状態の略示的断面図である。
【図4】本願接合用補助具の他の例を仮固定したシームフェルトの両端部の対峙状態の略示的断面図である。
【図5】従来の接合用補助具を示す断面図で、(a)はシームフェルトの両端部の対峙状態、(b)は結合エレメントを結合させた状態、(c)は結合エレメントを結合を解除した状態である。
【符号の説明】
1 シームフェルト
2 基布
3 バット繊維
4、5 織布
4aと4b、5aと5b シームループ
6 本願接合補助具
6aと6a′、6bと6b′ 結合エレメント
A 第1段の結合エレメントの先端
A′第2段の結合エレメントの先端
B フェルトのループ端部
La AとBとの間隔
Lb A′Bとの間隔
C1、C2 矢印方向
S 芯線
51 従来のシームフェルト
52 基布
53、54 織布
53aと53b、54aと54b シームループ
55 バット繊維
56 接合補助具
56aと6b 結合エレメント
Claims (3)
- 基布が2枚以上の織布で構成され、前記織布の両端部にシームループを備えたシームフェルトにおいて、該シームフェルトの両端部のそれぞれの近傍に、各織布の両端部にある両シームループ同士の接合の際に使用する一対の結合エレメントからなる結合具の、その各結合エレメントを対向して仮固定し、該結合具は前記シームループ同士の接合数と同数設けたことを特徴とするシームフェルト。
- 前記結合具が、スライド式ファスナーであることを特徴とする請求項1に記載のシームフェルト。
- 基布が2枚以上の織布で構成され、前記織布の両端部にシームループを備えたシームフェルトにおいて、該シームフェルトの両端部のそれぞれの近傍に、各織布の両端部にある両シームループ同士の接合の際に使用する対の結合エレメントからなる結合具の、対の一方の結合エレメントと他方の結合エレメントとを対向して仮固定し、その一方の結合エレメントの数が1、他方のそれが前記シームループ同士の接合数と同数であることを特徴とするシームフェルト。
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