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JP3836742B2 - 親水化処理方法及び親水化処理された熱交換器 - Google Patents

親水化処理方法及び親水化処理された熱交換器 Download PDF

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JP3836742B2 JP2002086780A JP2002086780A JP3836742B2 JP 3836742 B2 JP3836742 B2 JP 3836742B2 JP 2002086780 A JP2002086780 A JP 2002086780A JP 2002086780 A JP2002086780 A JP 2002086780A JP 3836742 B2 JP3836742 B2 JP 3836742B2
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健吾 小林
博好 菅原
一寿 内山
俊雄 印部
進 前川
朗 牛尾
宏一 斉藤
徳純 松井
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エバポレータや熱交換器用を長期間使用する場合においても親水性と防臭性に優れる親水化処理剤及び親水化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エバポレータや熱交換器は、通常、熱交換を行うためのアルミニウムフィンが狭い間隔で保持され、更に、これらのフィンに冷媒を供給するためのアルミニウムチューブが入り組んで配置された複雑な構造となっている。このため、アルミニウムフィンの表面を親水化することにより、冷房時に凝縮された水の排出を容易にしている。しかし、上記親水化されたアルミニウムフィン等の表面は、加熱と冷却とが繰り返され、また、凝縮水や大気中の塵、微生物が混在付着する厳しい条件に曝されるため、長期にわたって親水性を持続することは困難である。
【0003】
特開平05−302042号公報には、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ナイロン、フェノール樹脂等からなる親水化処理剤が開示されている。また、特開平5−202313号公報、特開平5−214273号公報、特許第2649297号公報、特開平10−30069号公報には、水分散性有機樹脂及びシリカ又はアルミナを含む親水化処理剤が開示されている。更に、特開平09−087576号公報には、アクリル系親水性架橋重合体微粒子を含有する親水化処理用組成物が開示されている。
【0004】
特開平7−323500号公報、特開平9−14889号公報、特開平11−131254号公報には、スルホン酸基、アクリルアミド等の極性官能基を架橋させ、不溶化させて親水性を持続させる親水化処理剤が開示されている。
【0005】
特開2000−262968号公報には、臭気の発生と親水性の劣化を抑制することを目的として、ケン化度が90%以上のPVA及び金属塩からなるアルミニウムフィン材用皮膜が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長期使用時においても、得られる親水化皮膜自体の臭気を抑制するとともに、臭気物質の存在下にあった後において不快臭の発生を抑制し、かつ、親水性を持続することのできる熱交換器の親水化処理方法及び上記親水化処理方法により処理された熱交換器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、熱交換器を防錆処理した後、更に、エチレンオキサイドを1〜500モル付加させて得られる基を側鎖中特定範囲の含有量で有する変性ポリビニルアルコールを含有する親水化処理剤で処理することにより、得られる親水化皮膜が被覆された熱交換器は、長期使用時においても、上記熱交換器のアルミニウム等の素材や上記親水化皮膜自体が発し得る臭気を抑制するとともに、たばこ、汗、香水等の臭気物質の存在下にあった後においてこれら臭気物質の不快臭が発生することを抑制し、かつ、充分な親水性を維持することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、熱交換器を防錆処理した後、親水化処理剤により固形皮膜量が0.02〜3g/m2 である皮膜を形成する工程を含むことを特徴とする親水化処理方法であって、上記親水化処理剤は、(A)側鎖に式(I)
【0009】
【化2】
Figure 0003836742
【0010】
〔式中、nは1〜500の整数を表し、R1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2 は水素原子又はメチル基を表す。〕で表される基を有し、上記式(I)で表される基は、水酸基及びアセトキシ基の0.01〜20モル%である変性ポリビニルアルコール、並びに、(B)Ca、Al、Mg、Fe及びZnのリン化合物塩並びにホウ素化合物塩からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする親水化処理方法である。上記親水化処理剤は、更に、ケン化度が90%以上であるポリビニルアルコールを上記親水化処理剤の0.1〜30質量%含有するものであってもよい。
【0011】
上記(A)変性ポリビニルアルコールは、上記親水化処理剤の0.1〜30質量%であることが好ましい。上記(B)Ca、Al、Mg、Fe及びZnのリン化合物塩並びにホウ素化合物塩からなる群より選ばれる少なくとも1つは、樹脂固形分に対し0.1〜200質量%であることが好ましい。上記熱交換器は、アルミニウム材又はアルミニウム合金材からなるものが好ましい。
本発明は、また、上記親水化処理方法により処理されたことを特徴とする熱交換器である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の親水化処理方法は、熱交換器を防錆処理した後、親水化処理剤により固形皮膜量が0.02〜3g/m2 である皮膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
上記熱交換器としては特に限定されないが、アルミニウム材又はアルミニウム合金材からなるものが好ましい。
上記熱交換器は、通常、予め酸性洗浄剤又はアルカリ性洗浄剤で洗浄することにより脱脂処理を施す。
【0013】
上記酸性洗浄剤としては特に限定されず、例えば、硝酸、硫酸及びフッ酸並びにこれらの併用による酸性水溶液等が挙げられる。上記酸性洗浄剤の酸濃度は、1〜10Nが好ましく、3〜6Nがより好ましい。上記酸性洗浄剤には、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン及びセリウムから選ばれる金属の塩又は金属酸塩を添加することも好ましい。
【0014】
上記アルカリ性洗浄剤としては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、珪酸ナトリウム又はリン酸ナトリウムを少なくとも1種類含有するアルカリ水溶液等が挙げられる。上記アルカリ水溶液には、洗浄性を高めるため、界面活性剤を添加しても良い。
【0015】
上記熱交換器を洗浄する方法としては特に限定されず、例えば、上記洗浄剤をスプレーする方法又は上記洗浄剤を入れた浴中へ浸漬する方法等が挙げられる。上記洗浄剤の液温は、10〜70℃が好ましく、上記洗浄剤との接触時間は、1秒〜5分が好ましい。上記液温が10℃未満又は上記接触時間が1秒未満であると、エッチングが不充分となることがあり、70℃を超えたり5分を超えると、経済的に不利となることがある。上記により洗浄された熱交換器は、水洗され、次いで防錆処理が行われる。
【0016】
上記防錆処理は、化成処理剤による化成処理により行なわれる。上記化成処理剤としては、従来公知のクロム酸クロメート処理剤、リン酸クロメート処理剤又はノンクロム処理剤を使用することができる。
上記クロム酸クロメート処理剤は、クロム酸、フッ化物及び強酸を含有する水溶液であり、3価クロムが主成分である反応型クロメート及び電解クロメート、並びに、6価クロム及び3価クロムが混合された塗布型クロメートがある。上記リン酸クロメート処理剤は、クロム酸、オルトリン酸及びフッ化物を含有する混合水溶液である。上記クロメート処理剤による化成処理を行うときには、6価クロムイオン、リン酸イオン及びフッ素イオンの各量をコントロールする必要がある。
【0017】
上記ノンクロム処理剤としては反応型処理剤及び塗布型処理剤がある。上記反応型処理剤としては、ジルコニウム塩、チタニウム塩、けい素塩、ホウ素塩及び過マンガン酸塩を挙げることができ、これらの塩のフッ化物も好ましく使用することができる。上記塗布型処理剤としては、例えば、水溶性樹脂にジルコニウム塩が混合された塗布型ノンクロム処理剤等が挙げられる。上記ノンクロム処理剤には、必要に応じ、マンガン酸、過マンガン酸、バナジン酸、タングステン酸、モリブデン酸等のマンガン、バナジン、タングステン、モリブデン、チタニウム及びアルミニウム並びにこれらの原子を含有する化合物、シリカ、リン酸並びにリン酸塩等からなる群より選ばれる少なくとも1つを添加することが好ましい。
【0018】
上記熱交換器の化成処理方法としては特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法等が挙げられる。上記熱交換器は、通常、複雑な形状を有するので、浸漬法が好ましい。上記化成処理は、処理温度は、常温又は少し加熱した程度が好ましく、10〜70℃がより好ましく、処理時間は、1秒間〜5分間が好ましい。
上記防錆処理としては、エポキシ系、ウレタン系又はアクリル系の樹脂プライマーを塗布してもよい。
【0019】
上記化成処理により得られる化成皮膜は、固形皮膜量がCr、Zr、Ti等の各元素の付着量基準で10〜300mg/m2 が好ましい。10mg/m2 未満であると、防錆性が不充分な場合があり、300mg/m2 を超えると、経済的に不利な上、親水性皮膜と反応して親水性が低下することがある。上記化成処理の後、必要に応じて水洗し、親水化処理剤を用いて親水化処理を行う。
【0020】
上記親水化処理剤は、(A)側鎖に上記式(I)で表される基を有する変性ポリビニルアルコールを含有する。上記変性ポリビニルアルコール(A)は、優れた親水性及び耐水性を有するとともに、それ自体の臭気がなく、臭気物質が吸着しにくいので、上記変性ポリビニルアルコール(A)を含有する上記親水化処理剤は、親水性及び防臭性に優れ、また、得られる親水化皮膜は水滴や流水に曝されても劣化しにくいので、所望により含有され自身の埃臭や吸着物質の不快臭を発するシリカ等の無機物や他の残存モノマー成分が露出しにくく、更に、アルミニウム等の被処理材は露出しにくいので、被処理材自体が飛散して埃臭を発したり、腐食することが妨げられる。
【0021】
上記式(I)中のnは、1〜500の整数である。500を超えると、親水性が高くなりすぎて造膜性に劣り、また、臭気物質が吸着しやすくなる。好ましくは、1〜100の整数であり、より好ましくは、1〜30の整数である。上記式(I)中のR1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。上記炭素数1〜4のアルキル基としては特に限定されず、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。上記式(I)中のR2 は水素原子又はメチル基を表す。上記R1 及びR2 は、同一であっても異なっていてもよく、例えば、ともに水素原子であるオキシエチレン鎖である場合、上記R1 が水素原子であり上記R2 がメチル基であるオキシ−1−メチルエチレン鎖等であってよい。
【0022】
上記変性ポリビニルアルコール(A)は、側鎖として、上記式(I)で表される基に加え、水酸基及びエステル結合を有する。上記エステル結合としては特に限定されず、例えば、アルキルエステル等が挙げられる。上記エステル結合は、通常は酢酸エステルであり、即ち、アセトキシ基が側鎖として主鎖に結合している。上記水酸基は、通常、遊離の水酸基であり、ナトリウム等の金属等と塩を形成していてもよい。
【0023】
上記変性ポリビニルアルコール(A)において、上記式(I)で表される基は、上記水酸基及び上記アセトキシ基の0.01〜20モル%である。0.01モル%未満であると、上記式(I)で表される基を導入することによる親水性や防臭性の向上が見られず、20モル%を超えると、親水性が高くなりすぎて造膜性に劣り、また、臭気物質が吸着しやすくなる。好ましくは、0.1〜10モル%である。
上記式(I)で表される基は、主鎖に直接結合してもよいが、上記主鎖との間に他の基、例えばメチレン基、エチレン基等のアルキレン基、カルボニル基、エステル基、アミド基等があってもよい。
【0024】
上記変性ポリビニルアルコール(A)において、上記水酸基は、上記水酸基及び上記アセトキシ基の50〜99.9モル%であることが好ましい。50モル%未満であると、親水性が不充分となったり、防臭性に劣るおそれがあり、99.9モル%を超えると、製造工程上上記重合体を得ることが困難となる場合がある。上記変性ポリビニルアルコール(A)の水酸基及びアセトキシ基中のモル%に関し、上記水酸基及び上記アセトキシ基は、上記式(I)で表される基を含有する側鎖中のものを含まないものとする。
【0025】
上記変性ポリビニルアルコール(A)は、通常、上記式(I)で表される基を含むモノマー及びビニルエステル含有モノマーからなるモノマー成分の共重合体をケン化することにより得られる。
上記変性ポリビニルアルコール(A)のケン化度としては、90%以上が好ましい。90%未満であると、親水性に劣る場合がある。より好ましくは、95%以上である。
【0026】
上記式(I)で表される基を含むモノマーは、不飽和二重結合及び上記式(I)で表される基を併有するものであれば特に限定されず、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−2−オール、アクロレイン等のビニル基含有化合物にエチレンオキサイドを付加させることにより得られ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。上記付加の方法としては特に限定されず、例えば、従来公知の方法を用いることができる。エチレンオキサイドをアクロレイン等のビニル基含有アルデヒド又はケトンに付加させる場合には、1つの炭素原子に上記式(I)で表される基が2個結合したアセタールが得られ、このようなアセタールをモノマー成分に含み、得られる共重合体のケン化物も本発明に用いられる変性ポリビニルアルコール(A)の範囲内である。
【0027】
上記ビニルエステル含有モノマーとしては特に限定されず、通常、酢酸ビニルが好適に用いられ、他のビニルエステル含有モノマーを併用してもよい。
上記変性ポリビニルアルコール(A)を得るための共重合やケン化の方法としては特に限定されず、例えば、従来公知の方法によることができる。
上記式(I)で表される基は、また、重合体形成後に導入してもよい。
【0028】
上記変性ポリビニルアルコール(A)は、上記式(I)で表される基に加え、他のポリオキシアルキレン基を併有してもよい。上記変性ポリビニルアルコール(A)において、上記他のポリオキシアルキレン基は、上記式(I)で表される基に対して30モル%以下であることが好ましい。30モル%を超えると、防臭性、親水性が悪化する場合がある。上記他のポリオキシアルキレン基は、例えば、上記他のポリオキシアルキレン基及びビニル基を有するモノマーを上記モノマー成分の一部に用いて共重合させることにより、導入することができる。上記他のポリオキシアルキレン基としては特に限定されず、例えば、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
【0029】
上記変性ポリビニルアルコールは、上述の式(I)で表される基、水酸基、エステル結合及び必要に応じて含有される他のポリオキシアルキレン基に加えて、他の官能基を側鎖に有していてもよく、例えば親水性官能基等が挙げられ、例えば、カルボキシル基、スルホン基、ホスホン基等のアニオン性基;アミノ基、イミダゾール環等のカチオン性基;エポキシ基、エーテル結合等のノニオン性基等が挙げられる。これら他の官能基は、モノマーが予め有するものであって重合により側鎖として直接導入されるものであってもよいし、重合体形成後の変性により導入されるものであってもよい。上記変性としては特に限定されず、例えば、エポキシ変性、珪素変性、チオール変性、カルボニル変性等のほか、カルボン酸変性等のアニオン変性、アミン変性等のカチオン変性等が挙げられる。上記他の官能基は1種又は2種以上を含むことができる。
【0030】
上記変性ポリビニルアルコール中の側鎖としての上記水酸基及び上記エステル結合の合計量は、メチル基、エチル基等の炭化水素基以外の上記変性ポリビニルアルコール中の全側鎖官能基の80〜100モル%であることが好ましい。
【0031】
上記変性ポリビニルアルコール(A)は、数平均分子量が1000〜1000000である。1000未満であると、造膜性に劣り、親水性や他の皮膜物性に劣り、1000000を超えると、得られる親水化処理剤の溶液の粘度が高くなり、作業性や皮膜物性に劣る。好ましくは、10000〜200000である。
【0032】
上記変性ポリビニルアルコール(A)は、上記親水化処理剤の0.1〜30質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、充分な造膜性が得られず、親水性や防臭性に劣ることがあり、30質量%を超えると、得られる親水化処理剤において凝集しやすくなり、作業性や皮膜物性に劣る場合がある。より好ましくは、0.1〜20質量%である。
【0033】
上記親水化処理剤は、上記変性ポリビニルアルコール(A)に併用して、式(I)で表される基を含まないポリビニルアルコールを含有してもよい。上記式(I)で表される基を含まないポリビニルアルコールは、上記親水化処理剤の0.1〜30質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、上記式(I)で表される基を含まないポリビニルアルコールを含有することによる防臭性の向上等が得られないことがあり、30質量%を超えると、得られる親水化処理剤において凝集しやすくなり、作業性や皮膜物性が劣る場合がある。
【0034】
上記親水化処理剤は、防臭性を阻害しない範囲内で、更に、上述の変性ポリビニルアルコール(A)又は上記式(I)で表される基を含まないポリビニルアルコール以外のその他の親水性有機化合物を含有することが好ましい。上記親水化処理剤は、上記その他の親水性有機化合物を含有することにより、親水性を一層向上することができる。
【0035】
上記その他の親水性有機化合物は、親水性官能基を有し、上記親水性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、アミド基、アミノ基、ホスホン基、エーテル結合、イミダゾール環、ニトリル基等が挙げられる。上記エーテル結合は、アセタール結合を含む。これらの親水性官能基は、1種又は2種以上を用いることができる。上記その他の親水性有機化合物としては、例えば、水溶性ナイロン等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセトアミド、ポリアミン、ポリアクリルアミド、イソプレン系スルホン酸ポリマー、ポリビニルアセトアミド、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミジン、ポリグルタミン酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリカルボジイミド、水溶性ポリウレタン、水溶性ポリエステル、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂等の樹脂及びその変性物;キトサン、アルギン酸等の親水性低分子化合物等が挙げられる。
【0036】
上記その他の親水性有機化合物において、上述のエーテル結合はポリオキシアルキレン鎖であってもよい。ポリオキシアルキレン鎖を有するその他の親水性有機化合物を含有することにより、得られる親水化皮膜は、無添加の場合と同程度の防臭性を保ちつつ、親水性を一層向上させることができる。上記ポリオキシアルキレン鎖を含有するその他の親水性有機化合物としては特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ノニオン系界面活性剤、反応型アルキレンオキサイド系界面活性剤、エチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドブロックポリマー、エチレンオキサイド/メチレンオキサイドブロックポリマー、エチレンオキサイド含有アクリル樹脂、エチレンオキサイド含有ポリエステル樹脂、エチレンオキサイド含有ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
【0037】
上記親水性有機化合物は、含有する場合には、上記親水化処理剤中の樹脂固形分に対し50質量%未満であることが好ましい。50質量%を超えると、上記その他の親水性有機化合物に付着する臭気物質の不快臭が発することがあり、上記変性ポリビニルアルコール(A)の配合割合が低くなりすぎ、全体として防臭性に劣る場合がある。好ましくは、30質量%未満である。
【0038】
上記親水化処理剤は、上述の変性ポリビニルアルコール(A)と併用して、(B)Ca、Al、Mg、Fe及びZnのリン化合物塩並びにホウ素化合物塩からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。上記親水化処理剤は、上記リン化合物塩及び/又はホウ素化合物塩(B)を含有することにより、上記リン化合物塩及び/又はホウ素化合物塩(B)がそれ自体臭気を発するものではなく、防臭性が向上されるとともに、親水性が維持され、また、造膜性が増す。
【0039】
上記リン化合物塩としては特に限定されないが、リンのオキソ酸のようにリン原子と酸素原子とから形成される酸の塩が好ましく、例えば、リン酸塩、亜リン酸(ホスホン酸)塩、次亜リン酸(ホスフィン酸)塩、フィチン酸塩等のほか、縮合リン酸塩が挙げられる。上記縮合リン酸塩としては特に限定されず、例えば、メタリン酸塩;ピロリン酸、トリポリリン酸等のポリリン酸塩等が挙げられる。上記リン化合物塩は、難溶性のものが好ましく、水への溶解度(20℃)が1.0g/100cm3 以下のものがより好ましい。
上記ホウ素化合物塩としては特に限定されず、例えば、ホウ酸塩、ホウフッ化塩等が挙げられる。
上記リン化合物塩及び上記ホウ素化合物塩は、平均粒径0. 01〜5μmのものが好ましい。
【0040】
上記リン化合物塩及び/又はホウ素化合物塩(B)は、上記親水化処理剤中の樹脂固形分に対し0.1〜200質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、上記リン化合物塩及び/又はホウ素化合物塩(B)を添加することによる防臭性や造膜性の増強が得られないことがあり、200質量%を超えると、上記リン化合物塩及び/又はホウ素化合物塩(B)自体が臭気性を帯びる場合があり、また、皮膜物性が劣るおそれがある。好ましくは、5%〜50%である。
【0041】
上記親水化処理剤は、更に、無機架橋剤、有機架橋剤及びカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。上記架橋剤やカップリング剤を含有すると、上記親水化処理剤により得られる親水化皮膜は、水滴や流水等に曝されても皮膜が流出する等の劣化が防止されるので、親水性や造膜性を高めることができる。
【0042】
上記無機架橋剤としては特に限定されないが、上述の変性ポリビニルアルコール(A)と錯化合物を形成し得る金属化合物が好ましく、例えば、ジルコニウム、チタン、クロム、アルミニウム、亜鉛等の金属化合物が挙げられる。上記無機架橋剤としては、シリカであってもよい。上記シリカとしては特に限定されず、例えば、アンモニウムシリケート、コロダリルシリカ、無水シリカ等が挙げられる。上記シリカの平均粒子径は、50nm以下が好ましい。なお、上記シリカを含有する場合には、防臭性も向上させることができる。
【0043】
上記有機架橋剤又はカップリング剤としては特に限定されないが、水酸基と反応し得る官能基、又は、変性した官能基に反応し得る官能基を有するもの等が挙げられ、例えばブロックイソシアネート、フェノール樹脂、メラミン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、エポキシ化合物、カルボジイミド、チオール化合物、シラン化合物、アミノ樹脂、カルボン酸、酸無水物、アミン、アジリジン化合物等の有機化合物等が挙げられる。
【0044】
上記無機架橋剤、有機架橋剤又はカップリング剤は、上記親水化処理剤中の樹脂固形分に対し0.01〜100質量%であることが好ましい。0.01質量%未満であると、これらの架橋剤やカップリング剤を添加することによる親水性や造膜性の増強が得られないことがあり、100質量%を超えると、これらの架橋剤やカップリング剤自体の臭気が強くなったり、臭気物質を吸着して不快臭を発することがあるほか、親水性を阻害することがある。
【0045】
上記無機架橋剤としてシリカを含有させる場合には、上記シリカは、上記親水化処理剤中の樹脂固形分に対し0.1〜100質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、上記シリカを含有することによる防臭性や造膜性が得られないことがあり、100質量%を超えると、シリカ自体が臭気性を帯びる場合があり、皮膜物性が劣るおそれがある。好ましくは、5〜30質量%である。
【0046】
上記親水化処理剤は、更に、平均粒径0.01〜5μmの粒子を含有してもよい。本明細書において、上記平均粒径0.01〜5μmの粒子は、上述のその他の親水性有機化合物、リン化合物塩及びホウ素化合物塩(B)、架橋剤並びにカップリング剤以外のものである。上記親水化処理剤は、上記粒子を含有することにより、上記親水化処理剤で処理して得られる皮膜の表面に凹凸を生じさせ、この凹凸によって親水性を向上させることができる。
【0047】
上記粒子は、有機化合物であっても無機化合物であってもよく、例えば、アクリル系、シリコーン系、メラミン系、セルロース系の微粒子ポリマー等の有機化合物;酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ガラスビーズ、シリカ等の無機化合物が挙げられる。
【0048】
上記粒子の平均粒径が0.01μm未満であると、親水化皮膜表面に親水性を向上するに充分な凹凸形状が得られにくく、5μmを超えると、上記皮膜表面の凹凸が大きくなり過ぎ、凝縮水等の皮膜表面上での滞留を招いたり、外観に劣る場合がある。好ましくは、0.1〜2μmである。
【0049】
上記粒子は、上記親水化処理剤中の樹脂固形分に対し50質量%未満であることが好ましい。50質量%以上であると、上記粒子自体の臭気が感じられる場合があり、また、吸着された臭気物質が不快臭を発することがある。好ましくは、30質量%未満である。
【0050】
上記親水化処理剤は、更に、上述の変性ポリビニルアルコール(A)を均一に分散するために、分散剤を含むものであってよい。上記分散剤としては特に限定されず、例えば、高分子ポリカルボン酸アルキロールアミン塩、アクリル系共重合物、ポリカルボン酸アマイド溶液、脂肪族多価カルボン酸、高分子酸ポリエステル塩等が挙げられ、各種界面活性剤を添加し分散してもよい。
【0051】
上記親水化処理剤は、また、各種抗菌剤を添加してもよい。
上記抗菌剤としては、例えばジンクピリチオン、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、1, 2−ベンズイソチアゾリン、2- n- オクチル- 4- イソチアゾリン- 3- オン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N−ジメチル−N´−フェノール−N´−(フルオロジクロロメチルチオ)−スルファミド、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジサルファイド、N−(トリクロロメチルチオ)−4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、メタホウ酸バリウム、イソチオシアン酸アリル;ポリオキシアルキレントリアルキルアンモニウム、有機シリコン第4級アンモニウム塩、ヘキサメチレンビググアニド塩酸塩等の第4級アンモニウム塩;トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウムクロリド等の第4級ホスホニウム塩;ポリフェノール系抗菌剤、フェニルアミド系抗菌剤、ビクアニド系抗菌剤等を用いることができる。
【0052】
上記親水化処理剤には、必要に応じて上記以外の各種添加剤を使用することができる。上記添加剤としては、潤滑剤、抗菌剤、防カビ剤、防腐剤、防バクテリア剤、界面活性剤、顔料、染料、耐食性付与のためのインヒビターが挙げられる。
【0053】
上記親水化処理剤は、従来公知の方法により調製することができ、例えば、上述の変性ポリビニルアルコール(A)並びに所望により上記式(I)で表される基を含まないポリビニルアルコール及び/又はその他の親水性有機化合物を全処理剤に対して溶解又は分散させ、所望により添加するリン化合物塩及び/又はホウ素化合物塩(B)、平均粒径0.01〜5μmの粒子、架橋剤、カップリング剤、他の添加剤等を添加して混合し、必要に応じて超音波分散機、微小媒体分散機等により強制的に分散させる方法等を用いることができる。
【0054】
上記親水化処理剤を用いる親水化処理の方法としては特に限定されず、例えば、浸漬法、塗布法等が挙げられる。上記熱交換器は、通常、複雑な形状を有するので、浸漬法が好ましい。上記親水化処理において、浸漬法の場合、処理液温度は10〜60℃程度が好ましく、処理時間は3秒間〜5分間程度が好ましい。上記親水化処理により固形皮膜量が0.02〜3g/m2 である皮膜を形成する。0.02g/m2 未満であると、親水化性能が発現せず、3g/m2 を超えると、生産性が低下する。好ましくは、0.05〜3g/m2 であり、より好ましくは、0.1〜1g/m2 である。
【0055】
上記親水化処理の後、100〜220℃で10〜60分間焼き付けることにより親水性皮膜を得ることができる。焼付け温度が100℃未満であると、造膜性が不充分となり、220℃を超えると、親水持続性が低下する。好ましくは、120〜200℃である。
【0056】
本発明の親水化処理方法は、上述のように、上記式(I)で表される基を分子中の水酸基及びアセトキシ基の0.01〜20モル%有する変性ポリビニルアルコール(A)を含有する親水化処理剤を用いるので、上記親水化処理剤から得られる親水化皮膜は、優れた親水性を呈するとともに、それ自体の固有の性質として埃臭等の不快臭を発したり、臭気物質の存在下にあった後において上記臭気物質の不快臭を発するという不具合が低減される。本発明の親水化処理方法がこのような有利な効果を奏する機構としては明確ではないが、次のように考えられる。
【0057】
即ち、上記変性ポリビニルアルコール(A)は、含有する水酸基及び上記式(I)で表される基により高い親水性を呈するとともに、臭気物質との親和性が少なく、また、結晶性が高く、密度が高いので、仮に臭気物質が水酸基や上記式(I)で表される基中の酸素原子に付着したとしても蓄積することなく放され、上記臭気物質の不快臭を発しないものと推測される。従って、本発明の親水化処理方法は、熱交換器に好適に用いられる。
【0058】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。各表中の濃度は、親水化処理剤における濃度(質量%)を表す。
実施例1〜21
(親水化処理剤の調製)
表1に示すように、変性ポリビニルアルコール粉末、リン化合物塩、ホウ素化合物塩、親水性有機化合物、架橋剤等を混合し、表1の各濃度(質量%)を有する親水化処理剤を得た。上記式(I)を含まないポリビニルアルコールとしてPVA−1〔ケン化度99%、数平均分子量50000〕を用い、変性ポリビニルアルコールとしてはPVA−2、PVA−3及びPVA−4〔それぞれ、上記式(I)中のnは10、10、20;上記式(I)で表される基は分子中の水酸基及びアセトキシ基の5モル%、1モル%、1モル%;ケン化度は何れも99%;数平均分子量は何れも50000〕を用いた。また、カルボン酸変性ポリビニルアルコールとしてPVA−5〔分子中の水酸基及びアセトキシ基の合計100モルのうち5モルをアクリル酸で変性;上記式(I)中のnは10;上記式(I)で表される基は分子中の水酸基及びアセトキシ基の5モル%;ケン化度99%;数平均分子量50000〕を用いた。更に、分散剤〔ポリカルボン酸アマイド溶液〕、架橋性フェノール〔ノボラック型フェノール樹脂、数平均分子量約1000〕、ポリイソシアネート〔自己乳化型水性ブロックイソシアネート〕、アクリル樹脂〔メトキシポリオキシエチレンメタクリル酸エステルとアクリル酸8:2の共重合体〕、ポリエチレンオキサイド〔PEO、数平均分子量100000〕、ポリアクリルアミド〔ホモポリマー、数平均分子量20000〕、樹脂粒子〔メチルメタクリレート系樹脂粒子、平均粒径1μm〕、抗菌剤〔2−(4−チアゾニル)−ベンズイミダゾール〕、無水シリカ〔粒子径10nm〕等を用いた。
【0059】
(親水化処理)
硝酸10質量%(1.6N)及び硫酸5質量%(1.0N)を含有する酸性洗浄液〔表1及び表2において前処理欄に1で表す。〕を使用し、この酸性洗浄液を65℃に温めた浴中に、アルミニウム合金製熱交換器を4分間浸漬し、引き上げた後に水道水で充分に洗浄した。更に、この熱交換器を、ジルコニウム系防錆処理剤〔アルサーフ440N、2%、日本ペイント社製。表1及び表2において化成処理欄に1で表す。〕を50℃に温めた浴中に90秒間浸漬して化成処理し、その後水道水で充分に洗浄した。次に、この熱交換器を、上記により得た親水化処理剤の20℃の浴に1分間浸漬し、引き上げた後、到達温度140℃で30分間加熱して、固形皮膜量0.3g/m2 の親水化処理物を得た。
ただし、実施例19では硝酸10質量%硫酸5質量%に代わり、酸性洗浄液〔サーフクリーナー322N8、日本ペイント社製。表1において前処理欄に2で表す。〕を用い、実施例20ではアルサーフ440Nに代わり、リン酸クロム系防錆処理剤〔アルサーフ407/47、3%/0.5%、日本ペイント社製。表1及び表2において化成処理欄に2で表す。〕を用いた。
【0060】
(評価)
得られた親水化処理物の親水性及び臭気を下記方法により評価し、その結果を表1に示した。
1.親水性評価
親水化処理物を水道水流水に72時間接触させた後、水滴との接触角を測定した。接触角の値が小さいほど親水性が高いといえる。
【0061】
2.埃臭評価
親水化処理物を水道水流水に72時間接触させた後、臭いを嗅いで5段階評価した。
0点……………無臭
1点……………やっとかすかに臭いを感じる
2点……………らくに臭いを感じる
3点……………明らかに臭いを感じる
4点……………強く臭いを感じる
5点……………非常に強く臭いを感じる
【0062】
3.におい付着臭(1)
親水化処理物を水道水流水に72時間接触させた後、50m3 の会議室に設置し、20本のたばこの煙に3時間さらした。次いで、煙のない別の50m3 の会議室に1時間放置した後、親水化処理物を上記3の5段階により官能評価をした。
【0063】
4.におい付着臭(2)
親水化処理物を水道水流水に72時間接触させた後、50m3 の会議室に設置し、4種の香水をそれぞれ100mlとり3時間さらした。香水としては、市販のCKone(カルバンクライン)、プチサンボン(ジバンシー)、トゥルーラブ(エリザベスアーデン)、ダンドゥルプアゾン(クリスチャンディオール)を用いた。次いで、香水のない別の50m3 の会議室に1時間放置した後、親水化処理物を上記3の5段階により官能評価をした。
【0064】
【表1】
Figure 0003836742
【0065】
比較例1〜6
親水化処理剤を表2に示す組成にし、比較例1では前処理としての酸洗を行わず、比較例2では化成処理を行わないこと以外は実施例1と同様にして、親水化処理物を得て、評価した。親水化処理剤には、ポリアクリル酸〔ホモポリマー、数平均分子量100000〕、コロイダルシリカ〔SiO2 水分散体、平均粒径0.3μm〕、カルボキシメチルセルロース〔数平均分子量20000〕、ポリビニルスルホン酸〔ホモポリマー、数平均分子量20000〕、ポリアクリルアミド〔ホモポリマー、数平均分子量20000〕、ポリビニルピロリドン〔ホモポリマー、数平均分子量20000〕、ポリエチレンオキサイド〔PEO、数平均分子量100000〕、上述のPVA−2等を用いた。評価結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
Figure 0003836742
【0067】
表1及び表2から、本発明の範囲内にない比較例で得られた親水化処理物は、親水性及び/又は防臭性に劣るが、本発明の範囲内である実施例で得られた親水化処理物は、親水性及び防臭性に優れていることがわかった。
【0068】
【発明の効果】
本発明の親水化処理方法及び上記親水化処理方法により処理された熱交換器は、上述の構成よりなることから、親水化処理剤の成分特有の埃臭や、吸着した臭気物質の不快臭を発しないので、長期使用時においても、得られる親水化皮膜自体の臭気を抑制するとともに、臭気物質の存在下にあった後において不快臭の発生を抑制し、かつ、親水性を持続することができる。

Claims (6)

  1. 熱交換器を防錆処理した後、親水化処理剤により固形皮膜量が0.02〜3g/m2 である皮膜を形成する工程を含むことを特徴とする親水化処理方法であって、
    前記親水化処理剤は、(A)側鎖に式(I)
    Figure 0003836742
    〔式中、nは1〜500の整数を表し、R1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2 は水素原子又はメチル基を表す。〕で表される基を有し、前記式(I)で表される基は、前記変性ポリビニルアルコールが有する水酸基及びアセトキシ基の0.01〜20モル%である変性ポリビニルアルコール、並びに、
    (B)Ca、Al、Mg、Fe及びZnのリン化合物塩並びにホウ素化合物塩からなる群より選ばれる少なくとも1つ
    を含有することを特徴とする親水化処理方法。
  2. 親水化処理剤は、更に、ケン化度が90%以上であるポリビニルアルコールを前記親水化処理剤の0.1〜30質量%含有するものである請求項1記載の親水化処理方法。
  3. (A)変性ポリビニルアルコールは、親水化処理剤の0.1〜30質量%である請求項1又は2記載の親水化処理方法。
  4. (B)Ca、Al、Mg、Fe及びZnのリン化合物塩並びにホウ素化合物塩からなる群より選ばれる少なくとも1つは、樹脂固形分に対し0.1〜200質量%である請求項1、2又は3記載の親水化処理方法。
  5. 熱交換器は、アルミニウム材又はアルミニウム合金材からなるものである請求項1、2、3又は4記載の親水化処理方法。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の親水化処理方法により処理されたことを特徴とする熱交換器。
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