JP3833775B2 - 酵素処理ヘスペリジンおよびその製造方法ならびに酵素処理ヘスペリジンの使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、水溶性に優れた酵素処理ヘスペリジンおよびその製造方法ならびに該酵素処理ヘスペリジンの使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘスペリジン(Hesperidin)は、下記式[I]:
【0003】
【化1】
【0004】
で示されるようにヘスペレチン(5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン)の7位の水酸基に、ルチノース(L-ラムノシル-(α1→6)-グルコース)がβ-結合したものをいう。このヘスペリジンは柑橘類の未熟な果皮に含まれ、毛細血管の強化、出血予防、血圧調整等の生理作用を有するビタミンPとして医薬品、化粧品等に供される。またこのヘスペリジンは、アルカリ性水溶液には可溶であるが、水、酸に難溶であり、室温では、50Lの水に僅かに1g(約0.002V/V%)程度しか溶けず、このヘスペリジンが、例えば、缶詰の液汁に少量でも含まれていると、液汁が白濁し商品価値が損なわれる。
【0005】
従来、ヘスペリジンによる液汁の白濁を防止するとの観点から、種々の方法が提案されている。
例えば、特開平3-7593号公報には、ヘスペリジンに澱粉部分分解物(α-グルコシル糖化合物)共存下で糖転移酵素(α-グルコシル転移活性を有する酵素)を作用させて、下記式[II]で示されるα-グルコシルヘスペリジンを生成させて、水溶性を高めた酵素処理ヘスペリジンの製造方法が開示されている。
【0006】
【化2】
【0007】
このα-グルコシルヘスペリジンは、上記式[II]に示されるように、式[I]で示されるヘスペリジンのグルコースの4位の位置にグルコース(G)がα-1,4結合で順次n個(1〜20個)結合した化合物、またはこれらグルコース数の異なるα-グルコシルヘスペリジンの混合物である。
【0008】
この酵素反応においては、原料液に含まれるヘスペリジンの40〜80%が酵素処理によりα-グルコシルヘスペリジンに変換されるが、20〜60%は未反応ヘスペリジンとして残存してしまう。未反応ヘスペリジン(ヘスペリジン)は、α-グルコシルヘスペリジンが共存すると、水溶液中での溶解性が高まるが、α-グルコシルヘスペリジンに対して未反応ヘスペリジンの比率が高いと、短時間に未反応ヘスペリジンが不溶化して析出してくる。
【0009】
この未反応ヘスペリジンの析出を防ぐ手段の一つとして、CMC(カルボキシメチルセルロース)等の糊料をヘスペリジン含有液に添加し、水溶液の粘性を上げることが考えられるが、このような糊料の添加は商品イメージ上好ましくなく、また輸出商品には使用できないなど、一般的な方法とは言いがたい。
【0010】
他方、未反応ヘスペリジンを析出させ、ろ過などで分離除去してα-グルコシルヘスペリジンに対して未反応ヘスペリジンの比率を低減させることにより、未反応ヘスペリジンの析出を遅らせる方法がある。
【0011】
しかしこの方法を採用しても、長時間経過するとやはり未反応ヘスペリジンが析出するという問題点があり、本質的な解決になっていない。
また、クロマト分離などの方法で、α-グルコシルヘスペリジンと未反応ヘスペリジンとを含有する水溶液からα-グルコシルヘスペリジン区分のみを取り出して用いる方法もあるが、コストアップになり、経済的な方法とは言いがたい。
【0012】
このような問題点を解決すべく本発明者らは鋭意研究を重ねたところ、α-グルコシルヘスペリジンと未反応ヘスペリジンとを含有する溶液に、α-L-ラムノシダーゼ(E.C.3.2.1.40)を作用させると、α-グルコシルヘスペリジンは殆ど変化せずそのままであるが、未反応ヘスペリジンは、加水分解されてラムノースを分離して下記式[III]で示されるβ‐モノグルコシルヘスペレチンに変換され、著しく水溶性に優れ、長期間経過しても白濁などが生じないような酵素処理ヘスペリジンが得られることなどを見出して本発明を完成するに至った。
【0013】
なお、ヘスペリジンにα-L-ラムノシダーゼを作用させてヘスペリジンをβ‐モノグルコシルヘスペレチンに変換し、水溶性を向上させる方法はみかん缶詰シラップの白濁防止法として工業的に行なわれている。
【0014】
しかし本発明のように、α-グルコシルヘスペリジンと未反応ヘスペリジンとを含有する溶液にα-L-ラムノシダーゼ活性を有する酵素剤であるヘスペリジナーゼを作用させてα-グルコシルヘスペリジンのラムノースはそのままでヘスペリジンのラムノースのみ加水分解しβ‐モノグルコシルヘスペレチンに変えて元の溶液の水溶性を高める方法はどこにも開示されていなかった。
【0015】
また特開平8-80177号公報には、可溶化ヘスペリジンを、ヘスペリジンが含有されている水溶液に添加するヘスペリジン結晶の析出防止方法が開示され、この可溶化ヘスペリジンは、ヘスペリジン中のグルコース基の4位の位置にグルコースがα-1,4結合で順次1〜十数個結合した化合物であり、このような可溶化ヘスペリジンは、糖転移酵素をサイクロデキストリン等の存在下にヘスペリジンに作用させることで生産でき、該糖転移酵素としては、例えばCGTaseすなわち、1,4-α-D-グルカン;1,4-α-D-(1,4-グルカノ)-トランスフェラーゼ(E.C.2.4.1.19)、さらに具体的には、バチルス属のA2-5a菌株培養物から採取された糖転移酵素を利用して生産できる旨記載されている。
【0016】
しかしながら、該公報には、可溶化ヘスペリジンを未反応ヘスペリジンに添加混合してヘスペリジン含有物中のヘスペリジン結晶析出を防止するという技術思想の開示にとどまる。また該公報に記載の方法で得られるものはα-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンの混合物であり、生成物には、未反応ヘスペリジンがそのまま含有されているため、例えばこのような方法で調製した缶詰ではその液汁が次第に白濁しやすいという問題点がある。この対処方法として、該公報の実施例では、α‐モノグルコシルヘスペリジンとα‐ジグルコシルヘスペリジン画分を採取し用いている。しかしながら、前記2成分画分を経済的に採取することは、技術的に困難を伴う。
【0017】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとの含有物に簡単な処理を施すことにより、α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとの含有物から水溶性に優れ、長期間保存しても結晶析出(白濁)が生じないような、酵素処理ヘスペリジンおよびその製造方法ならびに該酵素処理ヘスペリジンの使用方法を提供することを目的としている。
【0018】
本発明は、みかん缶詰あるいはカンキツ類飲料の白濁防止に有利に使用することができる酵素処理ヘスペリジンを提供することを目的としている。
本発明は、天然色素の退色防止剤などとして好適に使用しうる酵素処理ヘスペリジンを提供することを目的としている。
【0019】
【発明の概要】
本発明に係る酵素処理ヘスペリジンは、α‐グルコシルヘスペリジンと、ヘスペリジンと、β‐モノグルコシルヘスペレチンを含有し、かつ、α-グルコシルヘスペリジン1重量部に対して、ヘスペリジンを0.1重量部以下の量含有し、β‐モノグルコシルヘスペレチンを0.1〜0.5重量部の量含有していることを特徴としている。
【0020】
本発明に係る酵素処理ヘスペリジンの製造方法では、α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液に、α-L-ラムノシダーゼを作用させてヘスペリジンをβ‐モノグルコシルヘスペレチンに変化(変換)させることを特徴としている。
【0021】
本発明では、酵素処理の対象となる上記α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液は、ヘスペリジンとα-グルコシル糖化合物とを含有する溶液に、糖転移酵素を作用させてなるものであることが好ましい。
また、本発明では上記α-L-ラムノシダーゼ活性を有する酵素剤としてヘスペリジナーゼを用いることが好ましい。
【0022】
本発明では、このようにして得られた酵素処理ヘスペリジンが、α‐グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとβ‐モノグルコシルヘスペレチンが含有され、α-グルコシルヘスペリジン1重量部に対して、ヘスペリジンを0.1重量部以下の量含有し、β‐モノグルコシルヘスペレチンを0.1〜0.5重量部の量含有していることが好ましい。
【0023】
本発明では、上記α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液に、α-L-ラムノシダーゼ活性を有する酵素剤、特にヘスペリジナーゼを作用させて、ヘスペリジンをβ‐モノグルコシルヘスペレチンに変化させるが、本酵素剤作用と同時にあるいは本酵素剤作用の前後にグルコアミラーゼ(E.C.3.2.1.3)又はβ‐アミラーゼ(E.C.3.2.1.2)を作用させて、α-グルコシルヘスペリジンをα‐モノグルコシルヘスペリジン又はα‐ジグルコシルヘスペリジンに変化させることもできる。
【0024】
このような本発明に係る酵素処理ヘスペリジンの製造方法によれば、著しく水溶性に優れ、白濁(結晶析出)が生じないような酵素処理ヘスペリジン(α-グルコシルヘスペリジンとβ‐モノグルコシルヘスペレチンとの含有物)が簡単に得られる。
【0025】
また本発明に係るα-グルコシルヘスペリジン含有液をHP-20、XAD-7等の吸着樹脂を充填し、あらかじめ活性化しておいたカラムに通液し、配糖体画分を吸着させた後で水洗し、アルコール水溶液で溶出させることによりα-グルコシルヘスペリジン含有率が高く、商品価値の高い酵素処理ヘスペリジンが得られる。
【0026】
本発明に係る上記酵素処理ヘスペリジンをみかん缶詰に含有せしめれば、みかん缶詰の白濁を防止することができる。またこの酵素処理ヘスペリジンをカンキツ類飲料に含有せしめれば、カンキツ類飲料の白濁を防止することができる。さらに、この酵素処理ヘスペリジンと天然色素とを併用すれば、天然色素の退色を防止することができる。さらにまた、上記の酵素処理ヘスペリジンと天然色素に加えて、酵素処理ルチン、L-アスコルビン酸のうちの1種または2種を併用すれば、天然色素の退色を更に防止することができる。
【0027】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る酵素処理ヘスペリジンおよびその製造方法ならびに該酵素処理ヘスペリジンの使用方法(用途)について具体的に説明する。
【0028】
本発明に係る酵素処理ヘスペリジンは、α‐グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジンおよびβ‐モノグルコシルヘスペレチンを含有し、α-グルコシルヘスペリジン1重量部に対して、ヘスペリジンを0.1重量部以下の量で含有し、β‐モノグルコシルヘスペレチンを0.1〜0.5重量部の量で含有している。
【0029】
本発明では、このような酵素処理ヘスペリジンを、式[II]で示されるα-グルコシルヘスペリジンと式[I]で示されるヘスペリジンとを含有する溶液に、α-L-ラムノシダーゼを作用させて、該溶液中のヘスペリジンを式[III]で示されるβ‐モノグルコシルヘスペレチンに変化(変換)させて製造することを特徴としており、α‐L-ラムノシダーゼ活性を有する酵素剤として特にヘスペリジナーゼを用いることが好ましい。
β‐モノグルコシルヘスペレチン[III]:
【0030】
【化3】
【0031】
[α - グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液]
このような酵素処理の対象となる溶液としては、α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有するものであれば、その含量比、濃度などは特に限定されないが、好ましくは、処理すべき溶液中のα-グルコシルヘスペリジン濃度が、0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%であり、ヘスペリジン濃度が、0.02〜15重量%、好ましくは0.2〜5重量%であり、α-グルコシルヘスペリジン/ヘスペリジン(重量比)が、100/1〜200、好ましくは100/1〜25であるものが望ましい。
【0032】
α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液としては、例えば、下記のようなものが挙げられる。
▲1▼: 特開平3-7593号公報に記載されているように、ヘスペリジンに澱粉部分分解物(α-グルコシル糖化合物)共存下で糖転移酵素(α-グルコシル転移活性を有する酵素)を作用させてなり、α-グルコシルヘスペリジンと未反応のヘスペリジンとを含有しているもの。
▲2▼: 上記のようにして得られたα-グルコシルヘスペリジン含有物中のヘスペリジンを析出させた後、さらにろ過などによりヘスペリジンを分離除去してα-グルコシルヘスペリジンに対してヘスペリジンの比率を低減させたもの。
【0033】
[α -L- ラムノシダーゼ活性を有する酵素剤]
本発明におけるα-L-ラムノシダーゼは、その酵素活性を有するものであれば何れも用いることができる。具体的には、例えば、ヘスペリジナーゼ(田辺製薬(株)製)、ナリンギナーゼ(田辺製薬(株)製)等の市販の酵素剤が挙げられ、特に好ましくはヘスペリジナーゼが用いられる。
【0034】
これらの酵素は、上記α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液中のヘスペリジン100重量部当たり、好ましくは0.05〜50重量部、さらに好ましくは1.5〜15重量部程度の量で用いられる。
【0035】
また、これらの酵素を、上記α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液中のヘスペリジンに作用させるには、通常、pH3〜7、好ましくはpH3〜4で、通常40〜70℃、好ましくは50〜60℃の温度で、通常0.5〜48時間、好ましくは6〜24時間程度保持すればよい。
【0036】
このような条件で上記α‐グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液を酵素処理した場合、α-グルコシルヘスペリジンは、上記α-L-ラムノシダーゼ処理によっては、その作用を実質上受けないため、酵素処理ヘスペリジン中のα-グルコシルヘスペリジン量は、処理前後で変わらない。
【0037】
このようにして得られた酵素処理ヘスペリジン中には、α-グルコシルヘスペリジン1重量部に対して、ヘスペリジンが0.1重量部以下、好ましくは0.02重量部以下、特に好ましくは0〜0.01重量部の量で含有され、β‐モノグルコシルヘスペレチンが0.1〜0.5重量部、好ましくは0.15〜0.4重量部、特に好ましくは0.15〜0.3重量部、さらに好ましくは0.2〜0.3重量部の量で含有されていることが望ましい。
【0038】
このような酵素処理ヘスペリジンは、水溶性に優れ、例えば、固形分濃度が30重量%の酵素処理ヘスペリジン水溶液を室温(25℃)で4週間保持しても、肉眼ではヘスペリジンの析出など、フロック(floc:凝集塊)の生成が殆ど見られない。
【0039】
このようにして得られた酵素処理ヘスペリジン中のα-グルコシルヘスペリジンは、体内に摂取されると生体内酵素の作用を受けて元のヘスペリジンに戻り、ビタミンPとしての諸機能を発揮することができる。この場合、ビタミンCと併用すれば、毛細血管の抵抗性の増強等のビタミンP作用において相乗効果を発揮することができる。
【0040】
また、このような酵素処理ヘスペリジンは、天然色素の退色防止剤等の用途に好適に使用できる。
このように酵素処理ヘスペリジンを天然色素の退色防止に用いる場合、天然色素で着色された試料重量当たり、0.001〜0.2重量%、好ましくは0.005〜0.1重量%、より好ましくは0.01〜0.05重量%の量で使用することが望ましい。
【0041】
ここでさらに詳説すれば、ヘスペリジンは特有の紫外部吸収スペクトルを持ち、可視部に目立った吸収がないためほとんど無色であり、従来、紫外線で退色の起きやすい色素、特に天然色素の退色防止に利用が試みられてきたが、ヘスペリジンは水にほとんど溶けなかったため効果を発揮するまでに至らなかった。また水溶性を高めた酵素処理ヘスペリジンであっても、従来品では、未反応ヘスペリジンの析出・沈澱が発生すると商品イメージを損ねるためその利用は困難であった。
【0042】
これに対して本発明に係る酵素処理ヘスペリジンは、沈澱発生の恐れのほとんどない水溶性の酵素処理ヘスペリジンであるため、天然色素の退色防止に幅広く利用できる。特にパプリカ、β-カロチン、アスタキサンチン等のカロチノイド系色素に有効であるが、ブドウ果皮、ベニバナ黄等のフラボノイド色素、ビートレッド、ウコン色素、クチナシ青、紅麹色素等にも効果的に使うことができる。
【0043】
この場合、酵素処理ルチン、L-アスコルビン酸(またはL-アスコルビン酸ソーダ)の何れか1つまたは両方を併用することにより、退色防止に相乗効果が得られる。
【0044】
また、本酵素処理ヘスペリジンをみかん缶詰の白濁防止に用いる場合、該酵素処理ヘスペリジンは、みかんおよび溶液(みかん缶詰の内の溶液)中に存在するヘスペリジン(未反応ヘスペリジン)1重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.4〜1重量部の量であることが望ましい。
【0045】
さらに、本酵素処理ヘスペリジンは、ヘスペリジンを含有するカンキツ類飲料(例:温州みかん、バレンシアオレンジ、グレープフルーツなど。)の白濁防止に使用することができ、この場合、用いる酵素処理ヘスペリジンの使用量は、溶液中に存在するヘスペリジン(未反応ヘスペリジン)1重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.4〜1重量部であることが望ましい。
【0046】
また、本酵素処理ヘスペリジンは、特有の視外部吸収特性を持つと共に、色が極めて薄い等の特質を持つため、UVカット剤などとして化粧品などに利用することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンの共存している溶液にα-L-ラムノシダーゼ、特にα‐L-ラムノシダーゼ活性を有する酵素剤であるヘスペリジナーゼを作用させるだけで、極めて簡単かつ経済的に、水溶性に著しく優れた酵素処理ヘスペリジンが得られる。
【0048】
このようにして得られた酵素処理ヘスペリジンは、ヘスペリジンを殆ど含まないか、あってもα-グルコシルヘスペリジン1に対してヘスペリジンが0.1以下と少ないため、長時間経てもヘスペリジンの析出は、見られない。
【0049】
本発明に係る酵素処理ヘスペリジンは、天然色素の退色防止などに効果的である。
本酵素処理ヘスペリジンは、みかん缶詰、カンキツ類飲料に添加することにより、みかん缶詰、カンキツ類飲料の白濁を容易に防止することができる。
【0050】
本発明に基づく酵素処理ヘスペリジンの主成分であるα-グルコシルヘスペリジンは、α-L-ラムノシダーゼの作用を受けていないので、体内に摂取された場合、生体内酵素の作用を受けてもとのヘスペリジンに戻り、ビタミンP活性を発揮する。
【0051】
本発明に基づく酵素処理ヘスペリジンは、食品、健康食品、機能性食品等にも幅広く利用することができる。
また、本酵素処理ヘスペリジンの視外部吸収特性等を利用して、UVカット剤などとして化粧品等に利用することができる。
【0052】
【実施例】
以下、本発明について実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例により何等限定されるものではない。
【0053】
【実施例1】
ヘスペリジン50.0gを0.25N苛性ソーダに室温25℃で溶解し、次いでDE8のデキストリン150gを加えて溶解した。
【0054】
次いで、4N硫酸を加えてpH9.0に調整した後、バチルス・ステアロサーモフィルス由来のシクロデキストリングルカノトランスフィラーゼ(株式会社林原生物化学研究所販売)をデキストリン1g当たり15単位加え、60℃まで加温しながらさらに4N硫酸を滴下してpH7.0に調整し、68℃に加温して40時間反応させた。
【0055】
反応終了後、酵素を95℃にて30分間加熱し失活させたのち、ろ過して、酵素処理ヘスペリジン溶液(A液)を得た。
A液を下記条件でHPLC分析したところ、反応前液中のヘスペリジンの72%(重量%)がα-グルコシルヘスペリジンになっており、残り28%(重量%)は、未反応ヘスペリジンのままだった。
【0056】
HPLC分析条件
カラム:C18
溶離液:メタノール/水/酢酸=30/65/5
検出:280nm
温度:40℃
流速:0.5mL/分
(なお、視外部吸収スペクトルは、PDA検出器を用い、200〜400nm間を測定。)
上記A液(酵素処理ヘスペリジン溶液)に4N硫酸を添加してpH4.0に調整し、次いで、α-L-ラムノシダーゼ活性を有するヘスペリジナーゼ(ヘスペリジナーゼ2号,田辺製薬(株)製)2.0gを加え、60℃で6時間反応させた。
【0057】
反応終了後、酵素を90℃にて30分間加熱し失活させてから、ろ過して酵素処理ヘスペリジン溶液(B液)を得た。
B液(酵素処理ヘスペリジン溶液)を上記条件でHPLC分析したところ、A液中のα-グルコシルヘスペリジンは、殆ど変化せず、B液中にそのまま残っていたが、未反応ヘスペリジンは殆ど(99重量%以上)がβ‐モノグルコシルヘスペレチンに変わっていた。
【0058】
[ヘスペリジン、β ‐ モノグルコシルヘスペレチン、α ‐ モノグルコシルヘスペリジン、α - グルコシルヘスペリジンなどの確認]
ヘスペリジン、β‐モノグルコシルヘスペレチン、α‐モノグルコシルヘスペリジン、α-グルコシルヘスペリジンなどの確認は以下の方法で行った。
1.ヘスペリジン:
試薬ヘスペリジン(東京化成)を用いて同一であることを確認した。
2.β‐モノグルコシルヘスペレチン:
試薬ヘスペリジン(東京化成)にα-L-ラムノシダーゼを作用させ、高速液体クロマトグラフィーで分析(上記分析条件)する。次いで、ヘスペリジンのR.T.(=10.90)の後の単一ピーク(R.T.=12.13)画分を採取し加水分解しグルコースを検出する。さらに本ピークの紫外部吸収スペクトルがヘスペリジンと一致することを確認し、このピークをβ‐モノグルコシルヘスペレチン(ヘスペレチン−7−グルコシド)とした。
3.α‐モノグルコシルヘスペリジン、α-グルコシルヘスペリジン:
試薬ヘスペリジン(東京化成)を用いての反応物を高速液体クロマトグラフィーで分析(上記分析条件)する。各ピークの紫外部吸収スペクトルがヘスペリジンと一致することを確認する。またグルコアミラーゼを作用させ、高速液体クロマトグラフィーで分析(上記分析条件)する。その結果、いずれもヘスペリジンのR.T.(=10.90)の前の単一ピーク(R.T.=10.34)になった。
【0059】
さらに本画分(R.T.=10.34)を採取し、α-グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.20)を作用させて加水分解するとグルコースとヘスペリジンが生成することを確認する。R.T.=10.34のピークをα‐モノグルコシルヘスペリジンとし、本ピーク及び本ピークよりR.T.の小さいピーク群をα-グルコシルヘスペリジン画分とした。
【0060】
[ヘスペリジン、β ‐ モノグルコシルヘスペレチン、α ‐ モノグルコシルヘスペリジン、α - グルコシルヘスペリジンなどの重量の測定]
またヘスペリジン、β‐モノグルコシルヘスペレチン、α‐モノグルコシルヘスペリジン、α-グルコシルヘスペリジンなどの重量の測定は以下の方法で行った。
1.ヘスペリジン:
高速液体クロマトグラフィーで分析し、試薬ヘスペリジン(東京化成)をもとに算出した。
2.β‐モノグルコシルヘスペレチン:
高速液体クロマトグラフィーで分析し、試薬ヘスペリジン(東京化成)をもとに分子量換算し算出した。
3.α‐モノグルコシルヘスペリジン:
高速液体クロマトグラフィーで分析し、試薬ヘスペリジン(東京化成)をもとに分子量換算し算出した。
4.α-グルコシルヘスペリジン画分:
本品の乾燥品1.0gを水50mlに溶解し、この溶液を予め高濃度のエタノール水溶液で活性化し水で充分水洗しておいたXAD-7樹脂100mlにSV=1で通液し、その後水洗し、50%エタノール水溶液200mlで溶出する。この液(溶出液)からエタノールを除いてから濃縮・乾燥し重量を求める。高速液体クロマトグラフィーで分析し、もしヘスペリジン、β‐モノグルコシルヘスペレチンが含まれていたならば、前述の1,2に基づいて算出した値を減じてα-グルコシルヘスペリジン画分重量を算出する。
【0061】
【実施例2】
別に、調製したα-グルコシルヘスペリジン溶液(A液)に、グルコアミラーゼ(グルクザイムNL4,2,天野製薬(株)製)0.5ml(4,200単位/ml)、ヘスペリジナーゼ(ヘスペリジナーゼ2号,田辺製薬(株)製)2.0gを加え、4N硫酸でpH4.0に調整し、55℃で48時間反応させた。
【0062】
反応終了後、酵素を90℃にて30分間加熱し失活させてから、ろ過して酵素処理ヘスペリジン溶液(C液)を得た。
C液を実施例1に記載の条件でHPLC分析したところ、C液中のα-グルコシルヘスペリジンは、殆どがα‐モノグルコシルヘスペリジンに変化し、またC液中の未反応ヘスペリジンは殆ど(99%以上)がβ‐モノグルコシルヘスペレチンに変わっていた。
【0063】
次いで、1.5Lの中間極性多孔性吸着樹脂(XAD-7)が充填され、高濃度のエタノール水溶液で活性化しておいたカラムに上記のようにして調製した酵素処理ヘスペリジン溶液(C液)を通過させ、次いでカラム容量の2倍量の水で洗浄してから60(V/V)%エタノール水溶液3Lで樹脂への吸着成分を脱着した。
【0064】
脱着液のエタノールを除いてから凍結乾燥し酵素処理ヘスペリジン(D)44.8gを得た。
【0065】
【実施例3】
別に調製した酵素処理ヘスペリジン溶液(A液)にグルコアミラーゼ(グルクザイムNL4,2,天野製薬(株)製)0.5ml(4,200単位/ml)を加え4N硫酸でpH5.0に調整し、55℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を90℃で30分間加熱して該酵素を失活させてから、ろ過して酵素処理ヘスペリジン溶液(E液)を得た。
【0066】
E液を実施例1に記載の条件でHPLC分析したところ、E液中のα-グルコシルヘスペリジンは殆どがα‐モノグルコシルヘスペリジンに変化し、またE液中の未反応ヘスペリジンは、ほとんど変化していなかった。
【0067】
次いで、実施例2に準じて1.5Lの中間極性多孔性吸着樹脂(XAD-7)が充填され、高濃度のエタノール水溶液で活性化しておいたカラムに該酵素処理ヘスペリジン溶液(E液)を通過させ、次いでカラム容量の2倍量の水で洗浄してから60(V/V)%エタノール水溶液3Lで樹脂への吸着成分を脱着した。
【0068】
脱着液のエタノールを除いてから凍結乾燥し、酵素処理ヘスペリジン(F)48.0gを得た。
【0069】
【凝集性試験】
酵素処理ヘスペリジン溶液(A)、(B)に、それぞれ(水)を添加して(固形分濃度)が30重量%になるように濃度調整し、また酵素処理ヘスペリジン(D)、(F)をそれぞれ純水に(固形分濃度)が15重量%になるように溶解し、いずれも加熱滅菌後、滅菌処理したガラス瓶に200mlづつ封入し4週間保存し、各サンプルについて経過日数とフロック(凝集)の生成量との関係を調べた。
【0070】
結果を表1に示した。
【0071】
【表1】
【0072】
評価基準は以下の通り。
「−」 フロックの生成なし。
「+」 フロックの生成僅かにあり。
「++」 フロックの生成少しあり。
「+++」 フロックの生成多量にあり。
「++++」 フロックの生成かなり多量にあり。
【0073】
また、酵素処理ヘスペリジン成分重量比を併せて2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【実施例4】
クエン酸(クエン酸−水和物)1.5g、クエン酸ナトリウム(クエン酸三ナトリウム二水和物)0.13g、グラニュー糖200gを水に溶かして1000gとした。この液にアルカリ水に溶解したヘスペリジン(0.2N苛性ソーダ水溶液に2.0重量%になるようにヘスペリジンを溶解したもの。)を加え、1N塩酸にてpH3.0に調整したヘスペリジン0.05重量%の試験液を調製した。
【0076】
本試験液200gに、10重量%に溶解した酵素処理ヘスペリジン(実施例2のD)200mgを加え、酵素処理ヘスペリジン0.01重量%添加の試験区1とした。
【0077】
同様にして酵素処理ヘスペリジン0.02重量%添加の試験区2、酵素処理ヘスペリジン0.04重量%添加の試験区3を調製した。
なお、酵素処理ヘスペリジン無添加の区を対照区として、併せて表に示す。
【0078】
試験区1〜3、対照区を室温下に放置し、1週間に亘って、濁り度合いを目視観察した。
結果を表3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】
*:沈澱物多量に発生。
評価基準は、以下のとおり。
「−」:濁りなし。
【0081】
「±」:濁りが僅かにある。
「+」:濁りが少しある。
「++」:濁りが多量(顕著)にある。
【0082】
【実施例5】
0.05重量%のクチナシ黄色素溶液(クエン酸緩衝液 pH3.3)に、酵素処理ヘスペリジン(実施例2のD)含有量が0.02重量%ないし0.04重量%となるような量で酵素処理ヘスペリジンを添加してから、下記表4に示すように、酵素処理ルチン(成分組成:α‐モノグルコシルルチン77.5重量%、イソケルシトリン14.5重量%、糖類5.2重量%、水分2.8重量%含有。商品名「αGルチンPS」東洋精糖株式会社製)、L-アスコルビン酸のうちの1つないし2つを同時に添加し、密閉容器中で加熱殺菌処理をした後、5℃、蛍光灯照射(7000ルクス)下で、一日おきにクチナシ黄色素の残存率(%)を分光光度計で442nmの波長を測定して求めた。
【0083】
試験条件を表4に示し、結果を表5に示す。
なお、無添加の区を対照区(試験番号9)として、併せて表4、表5に示す。また、酵素処理ルチンのみ添加の区を試験番号10として、L-アスコルビン酸のみ添加の区を試験番号11として、併せて表4、表5に示す。
【0084】
【表4】
【0085】
[注]試験番号9:ブランク(対照区)
【0086】
【表5】
【0087】
[注]試験番号9:ブランク(対照区)
何れの試験区もブランク(対照区)に対して大幅にクチナシ黄色素の残存率(%)が向上した。酵素処理ルチンとL-アスコルビン酸の何れも添加せず、酵素処理ヘスペリジンを相異なる量で単独使用した試験区1と試験区5とを比較すると、溶液中の酵素処理ヘスペリジン添加量が0.02重量%から0.04重量%に増加することにより、クチナシ黄色素残存率は4日目で12%向上していた。
【0088】
酵素処理ヘスペリジンに酵素処理ルチン、L-アスコルビン酸を単独ないし同時に併用することにより、何れのケースでも相乗効果が見られた。
【0089】
【実施例5】
温州ミカン果汁300g、グラニュー糖95g、クエン酸(クエン酸一水和物)0.12g、香料1.0mLに水を加えて全量1,000gのカンキツ類飲料(果汁入り飲料)を調製した。この液は澄明であり、実施例1に記載の条件でHPLC分析したところ溶液中にヘスペリジン195ppmが含まれていた。本液100mLに実施例1で調製した酵素処理ヘスペリジン溶液Aを固形分として4mg(0.004重量%)、8mg(0.008重量%)、12mg(0.012重量%)添加し、それぞれ試験区1〜3とした。同様に実施例1で調製した酵素処理ヘスペリジン溶液Bを固形分として4mg(0.004重量%)、8mg(0.008重量%)、12mg(0.012重量%)添加し、それぞれ試験区4〜6とした。また、酵素処理ヘスペリジンを添加しない区を対照区とした。それぞれを室温下に放置し、各試験区の濁り度合いを目視で観察した。
【0090】
試験結果を表6に示す。
【0091】
【表6】
Claims (10)
- α‐グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジンおよびβ‐モノグルコシルヘスペレチンを含有し、かつ、
α-グルコシルヘスペリジン1重量部に対して、ヘスペリジンを0.1重量部以下の量含有し、β‐モノグルコシルヘスペレチンを0.1〜0.5重量部の量含有していることを特徴とする酵素処理ヘスペリジン。 - α‐グルコシルヘスペリジン1重量部に対して、β‐モノグルコシルヘスペレチンを0.15〜0.4重量部の量含有していることを特徴とする請求項1に記載の酵素処理ヘスペリジン。
- α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液に、α-L-ラムノシダーゼを作用させて、ヘスペリジンをβ‐モノグルコシルヘスペレチンに変化させることを特徴とする酵素処理ヘスペリジンの製造方法。
- α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液が、ヘスペリジンとα-グルコシル糖化合物とを含有する溶液に、糖転移酵素を作用させてなるものであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
- α‐L-ラムノシダーゼ活性を有する酵素剤が、ヘスペリジナーゼであることを特徴とする請求項3または4に記載の製造方法。
- 酵素処理ヘスペリジンが、α-グルコシルヘスペリジン1重量部に対して、ヘスペリジンを0.1重量部以下の量含有し、β‐モノグルコシルヘスペレチンを0.1〜0.5重量部の量含有していることを特徴とする請求項3、4または5に記載の製造方法。
- 請求項1または2に記載の酵素処理ヘスペリジンをみかん缶詰に含有せしめることを特徴とするみかん缶詰の白濁防止方法。
- 請求項1または2に記載の酵素処理ヘスペリジンをカンキツ類飲料に含有せしめることを特徴とするカンキツ類飲料の白濁防止方法。
- 請求項1または2に記載の酵素処理ヘスペリジンと天然色素とを併用することを特徴とする天然色素の退色防止方法。
- 請求項1または2に記載の酵素処理ヘスペリジンと天然色素に加えて、酵素処理ルチン、L-アスコルビン酸のうちの1種または2種を併用することを特徴とする天然色素の退色防止方法。
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