JP3832260B2 - 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電素子を有する圧電アクチュエータ、この圧電アクチュエータを備えた時計および携帯機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れていることから、近年、圧電素子の圧電効果を利用した各種の圧電アクチュエータが開発されている。この圧電アクチュエータは、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、あるいは超音波モータなどの分野に応用されている。
【0003】
圧電素子の変位は供給される駆動信号の電圧値にもよるが微小であり、サブミクロン程度であるのが通常である。このため、何らかの増幅機構によって変位を増幅して駆動対象に変位を伝達することが行われている。しかし、増幅機構を用いた場合、それ自身を動かすためにエネルギーが消費され、エネルギー効率が低下するといった問題があると共に、装置のサイズが大きくなってしまうといった問題がある。また、増幅機構を介する場合、駆動対象に対して安定した駆動力を伝達することが困難となることもある。
【0004】
また、腕時計のような小型の携帯機器は電池によって駆動されるため、消費電力や駆動信号の電圧値を低く抑える必要がある。このような携帯機器に圧電アクチュエータを組み込む場合、そのエネルギー効率が高く、駆動信号の電圧値を低くしたものが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、時計などでは、日や曜日等を表示するカレンダ表示機構が備えられている。このカレンダ表示機構は、電磁式のステップモータの回転駆動力を運針用の輪列を介して日車などにも間欠的に伝達し、日車を送り駆動するのが一般的である。
一方、腕時計は手首にベルトを巻き付けて携帯するものであるから、携帯に便利なように薄型化の要求が古くからある。薄型化を追求するには、カレンダ表示機構の厚さを薄くすることも必要な条件となる。しかし、ステップモータはコイルやロータといった部品を面外方向に組み込んで構成されるため、その厚さを薄くするには限界がある。このため、ステップモータを用いた従来のカレンダ表示機構は、薄型化を必要とする腕時計には適していないという問題があった。
【0006】
特に、カレンダ表示機構を備えた時計と、係る機構を備えていない時計との間で運針を行う機械系(所謂、ムーブメント)を共通化するためには、カレンダ表示機構を文字板側に配置する必要がある。しかし、カレンダ表示機構の駆動源に電磁式のステップモータを用いた場合には、文字板側に配置できる程の薄型化が困難である。このため、従来の腕時計は、カレンダ表示機構の有無によって運針を行う機械系を別々に設計して製造する必要があり、生産性を向上させる際の問題となっていた。
【0007】
そこで、高効率でありながら、小型機器への搭載を可能とするアクチュエータとして、薄板矩形状の圧電素子等から構成される振動板に駆動信号を印加することにより圧電素子を長手方向に伸縮させて縦振動を励振し、当該縦振動によって機械的に屈曲振動を誘発させる圧電アクチュエータが提案されている。
このような圧電アクチュエータでは、振動板に縦振動および屈曲振動の両者を生じさせることにより、圧電アクチュエータにおいて駆動対象と接触する部位を楕円軌道で移動させる。これにより、この圧電アクチュエータは、小型薄型の構成でありながら、高効率の駆動を実現している。
【0008】
しかし、上述した如く、振動板に対して、縦振動を電気的に励振させ、この該縦振動によって屈曲振動を機械的に誘発させる圧電アクチュエータでは、駆動信号を印加することにより圧電素子の伸縮によって生じる縦振動は、駆動信号の電圧値を制御することにより比較的容易に制御することができるものの、振動板の機械的な特性に応じて誘発される屈曲振動は容易かつ正確に制御することは困難である。このため、振動板の加工精度のばらつき等に起因して誘発される屈曲振動もばらついてしまうといった、製品としての安定度が欠落することも考えられる。
【0009】
また、振動板の形状などによって決まる機械的な特性によって屈曲振動等が決まってしまい、決められた形状などの機械的条件の下では、さらに大きな振幅となる屈曲振動を得ることはできない。
即ち、振動板は、圧電素子とこの圧電素子を補強する補強板との積層構造になっている。この補強板の目的は、圧電素子の厚さ方向への変位を抑制することである。このため、補強板は有る程度硬い材料によって形成され、現行の圧電アクチュエータに用いられる補強板は、その材料に、例えばSUS301EHが用いられており、この補強板のヤング率は約17500kg/mm2となっている。
しかし、この補強板を用いた圧電アクチュエータでは、圧電素子のヤング率(7000kg/mm2)に比べ、補強板のヤング率がかなり大きくなっている。このため、振動板に発生する縦振動および屈曲振動を補強板が妨げてしまう。これにより、大きな振幅を有する屈曲振動が得られない誘因の一つとして補強板の剛性がある。
【0010】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、小型・薄型化が可能な構成でありながら、高効率かつ安定した駆動を行うことのできる圧電アクチュエータ、これを備えた時計および携帯機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る圧電アクチュエータは、板状の圧電素子と補強板とが積層された振動板と、前記振動板を支持する支持部材と、前記振動板の長手方向の一端側に設けられて駆動対象に当接する突起部とを具備し、駆動信号の供給によって前記圧電素子を伸縮させることにより、前記長手方向に伸縮する縦振動および前記長手方向に直交する幅方向に揺動する屈曲振動を前記振動板に生じさせ、この振動に伴う前記突起部の変位によって前記駆動対象を駆動し、前記補強板は前記圧電素子よりもヤング率が高く、前記補強板と前記圧電素子とが接触する面積は前記圧電素子の面積よりも小さく形成された圧電アクチュエータであって、前記補強板の形状は、前記支持部材に固定されて前記縦振動の節に位置する固定部と、前記振動板よりも狭い幅にて前記固定部から前記振動板の長手方向に延びる一対のアーム部と、前記一対のアーム部の先端に形成され、前記長手方向に対してほぼ直交する方向に延びる可動部とを備え、前記可動部は前記長手方向に対して前記圧電素子の両端側に配置されていることを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、供給される駆動信号によって圧電素子が伸縮し、振動板に長手方向に沿った縦振動が励振され、この縦振動に伴って屈曲振動が誘発される。また、補強板は、その剛性の強さを前記圧電素子の有する剛性の強さに近づけることにより、補強板によって、縦振動および屈曲振動を妨げ難くする。この結果、屈曲振動の振幅が大きくなる。
また、この構成では、厚み方向に各種部材を積層する構造を採る必要がないため、小型薄型化も容易である。
【0015】
また、上記構成において、前記固定部には、起端がこの固定部に形成され、先端が前記アーム部側に向けて延びる補強部を形成してもよい。
【0016】
また、上記構成において、前記補強板のうち、前記固定部、アーム部および可動部と、前記圧電素子とを接着固定してもよく、前記補強板のうち、前記固定部および可動部と、前記圧電素子とを接着固定してもよい。
【0018】
また、上記構成において、前記当接部は、前記補強板に一体に形成されてもよい。
【0019】
また、上記構成において、前記当接部は硬化部材によって形成され、前記補強板に設けられてもよい。
【0020】
また、上記構成において、前記当接部は、硬化処理が施され、前記補強板に一体に形成されてもよい。
【0021】
また、本発明に係る時計は、上記構成の圧電アクチュエータと、
前記圧電素子に前記駆動信号を供給する駆動回路と、
前記駆動回路に電力を供給する電源と
を具備することを特徴としている。
【0022】
また、本発明に係る携帯機器は、上記構成の圧電アクチュエータと、
前記圧電素子に前記駆動信号を供給する駆動回路と、
前記駆動回路に電力を供給する電源と、を具備することを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するに、本実施形態では、本発明による圧電アクチュエータによって駆動されるカレンダ表示機構を備えた腕時計を例示する。
A.全体構成
まず、図1は、本発明の一実施形態に係る腕時計において、圧電アクチュエータを組み込んだカレンダ表示機構の主要構成を示す平面図である。同図に示すように、圧電アクチュエータAは、面内方向(図の紙面と平行な方向)に伸縮振動する振動板10を備えている。また、駆動対象となるロータ100は地板(支持体)103に回転自在に支持され、振動板10と当接する位置に配置されており、振動板10に生じる振動によってその外周面が叩かれると、図中矢印で示す方向に回転駆動されるようになっている。
【0024】
次に、カレンダ表示機構は、ロータ100を介して圧電アクチュエータAに連結されており、ロータ100の駆動力によって駆動される。カレンダ表示機構の主要部は、ロータ100の回転を減速する減速輪列とリング状の日車50とから大略構成されている。また、減速輪列は日回し中間車40と日回し車60とを備えている。
【0025】
ここで、上述したように振動板10が面内方向に振動すると、振動板10と当接しているロータ100が時計回りに回転させられる。ロータ100の回転は、日回し中間車40を介して日回し車60に伝達され、この日回し車60が日車50を時計回り方向に回転させる。このように、振動板10からロータ100、ロータ100から減速輪列、減速輪列から日車50への力の伝達は、いずれも面内方向で行われる。このため、カレンダ表示機構を薄型化することができる。
【0026】
図2は本発明の一実施形態に係る時計の断面図である。図において、網目部分に、上述した圧電アクチュエータAを備えたカレンダ表示機構が組み込まれ、時計全体を薄型にするために、カレンダ表示機構が組み込まれる厚さDも極めて薄くなる。カレンダ表示機構の上側には、円盤状の文字板70が設けられている。この文字板70の外周部の一部には日付を表示するための窓部71が設けられており、窓部71から日車50の日付が覗けるようになっている。また、文字板70の下側には、針72を駆動するムーブメント73、および後述する駆動回路(図示せず)が設けられている。
【0027】
以上の構成において、圧電アクチュエータAは、従来のステップモータのようにコイルやロータを厚さ方向に積み重ねるのではなく、同一平面内に振動板10およびロータ100を配置した構成となっている。このため、構造は、ステップモータ等に比べて薄型に形成される。このように、カレンダ表示機構を薄型化することにより、時計全体の厚さを薄くすることができる。
例えば、昨今発電機能を備えた腕時計が種々提案されているが、このような腕時計においては、発電機構と運針駆動用のモータ機構といった少なくとも2つの大きな構成要素を搭載しなくてはならず、このようにカレンダ表示機構を薄型化できることのメリットは大きいと言える。
さらに、カレンダ表示機構のある時計と、カレンダ表示機構のない時計との間でムーブメント73を共通化することができ、設備の共通化や設計工数の削減等により、これらの時計の生産性を高めることが可能となる。
【0028】
B.カレンダ表示機構の構成
次に、カレンダ表示機構の構成を、図1およびその断面図である図3を参照しつつ説明する。図において、地板103は、各部品を配置するための第1の底板であり、底板103´は、底板103に対して部分的に段差を持った第2の底板である。
【0029】
圧電アクチュエータAによって回転駆動されるロータ100の上方には、ロータ100と同軸で、かつロータ100によって回転させられる歯車100cが設けられている。日回し中間車40は、大径部4bとこれと同心を成すように固着され大径部4bよりも若干小径に形成された小径部4aとから構成されており、ロータ100に伴う歯車100cの回転に伴って、歯車100cと歯合する大径部4bが回転させられて中間車40が回転させられるようになっている。小径部4aの周面は略正方形状に切り欠かれ、切欠部4cが形成されている。
【0030】
また、底板103´には日回し中間車40のシャフト41が形成されており、日回し中間車40の内部にはシャフト41と連結する軸受(図示せず)が形成されている。従って、日回し中間車40は、底板103´に対して回転自在に設けられている。なお、ロータ100も内部に軸受(図示せず)を有しており地板103に対して回転自在に軸支されている。
【0031】
次に、日車50は、リング状の形状をしており、その内周面に内歯車5aが形成されている。日回し車60は五歯の歯車を有しており、内歯車5aに噛合している。また、日回し車60の中心にはシャフト61が設けられており、日回し車60を回転自在に軸支している。シャフト61は、底板103´に形成された貫通孔62に遊挿されている。貫通孔62は日車50の周回方向に沿って長く形成されている。
【0032】
次に、板バネ63は、その一端は底板103´に固定され、他端はシャフト61を図1の右上方向に弾圧している。これにより、板バネ63は、シャフト61および日回し車60を付勢する。また、この板バネ63の付勢作用によって日車50のがたつきを無くし、日付表示のずれが防止される。
【0033】
次に、板バネ64は、一端が底板103´にねじ止めされており、その他端には略V字状に折り曲げられた先端部64aが形成されている。また、接触子65は、日回し中間車40が回転し先端部64aが切欠部4cに入り込んだときに板バネ64と接触するように配置されている。板バネ64には所定の電圧が印加されており、接触子65に接触すると、その電圧が接触子65にも印加される。従って、接触子65の電圧を検出することによって、日送り状態を検出することができる。なお、内歯車5aに噛合する手動駆動車を設け、ユーザが竜頭(図示せず)に対して所定の操作を行うと、日車50を駆動するようにしてもよい。
【0034】
C.圧電アクチュエータの構成
次に、本実施形態に係る圧電アクチュエータAについて説明する。図4に示すように、圧電アクチュエータAは、図の左右方向に長く形成された長板状の振動板10と、この振動板10を地板103(図1および図3参照)に支持する支持部材11とを備えている。
【0035】
振動板10の長手方向の一方の端部35には、突起部36がロータ100側に向けて突設されており、後述するバネ部材300等によってこの突起部36がロータ100の外周面に押圧した状態で接触させられている。
このように、突起部36を設けることにより、ロータ100との接触面の状態等を維持するために突起部36に対してのみ研磨等の作業を行えばよいので、ロータ100との接触部の管理が容易となる。また、突起部36としては、導体または非導体のものを用いることができるが、非導体から形成するようにすれば、一般的に金属から形成されるロータ100と接触しても圧電素子30,31が短絡しないようにすることができる。
【0036】
また、図示のように本実施形態では、突起部36は、図面の紙面に垂直な方向から見てロータ100側に突出した曲面形状になされている。このようにロータ100と当接する突起部36を曲面形状にすることにより、ロータ100と振動板10の位置関係が、寸法ばらつき等によりばらついた場合であっても、曲面であるロータ100の外周面と曲面形状の突起部36との接触状態がさほど変化しないようにしている。従って、ロータ100と突起部36の接触を安定した状態で維持させている。
【0037】
振動板10の長手方向の中央部付近には、略L字状の支持部材11の一端部37が取り付けられている。支持部材11は一端部37から振動板10の長手方向にほぼ直交する方向からロータ100側に屈曲しており、この屈曲している支持部材11の他端部38は、軸部39により地板103(図1参照)に回動自在に支持されている。即ち、支持部材11は軸部39を中心として回動自由となっているため、バネ部材300によって振動板10をロータ100に対して所望の押圧力で押し当てることが可能となる。また、支持部材11は振動板10を構成する後述の補強板32と一体に形成されている。
【0038】
支持部材11における振動板10の長手方向と略平行に延在する部位11aには、バネ部材300の一端部300aが係合されている。バネ部材300はそのピン300bによって地板103(図1および図3参照)に回動自在に支持されている。また、他端部300cが地板103に係合しているが、この他端部300cの位置によって支持部材11に付与する押圧力を変動させることができる。具体的には、他端部300cをピン300bを中心として図中時計回りに変位させれば、バネ部材300の一端部300aが支持部材11の部位11aを上方側に押圧する力が増加し、他端部300cを反時計回りに変位させればその押圧力が減少するようになっている。ここで、他端部300cの位置を調整することにより、突起部36がロータ100に付与する押圧力を調整することができ、これにより圧電アクチュエータAの駆動特性の調整等を可能とする。
【0039】
図5に示すように、振動板10は、2つの長方形状の圧電素子30,31の間に、圧電素子30,31よりも肉厚の薄いステンレス鋼などの補強板32を接着剤によって全面接着した積層構造となっている。このように、圧電素子30,31の間に補強板32を配置することにより、振動板10の過振幅や落下などによる外部からの衝撃力に起因する振動板10の損傷を低減し、耐久性を向上させている。また、補強板32としては、圧電素子30,31よりも肉厚の薄いものを用いることにより、圧電素子30,31の振動を極力妨げないようにしている。また、支持部材11は、当該補強板32に一体に形成されているため、製造工程を簡略化することができる。
【0040】
ここで、補強板32の形状について、図6および図7を参照しつつ説明する。
図6は補強板32の平面図であり、図7は図6の補強板に圧電素子30,31を積層した側面図である。
補強板32は、支持部材11が一体に形成される固定部32aと、この固定部32aの両側から振動板10の長手方向に向けて傾斜しつつ湾曲して延びる一対のアーム部32bと、これらのアーム部32bの先端に形成され、前記長手方向に対してほぼ直交する方向に延びる可動部32cとを具備して構成されている。そして、一方の可動部32cの先端部には突起部36が形成され、他方の可動部32cの先端部にはバランス部18が形成される。また、固定部32aには支持部材11が一体に形成されているため、この固定部32aが後述する縦振動の節となる。
【0041】
また、この形状における補強板32は、ヤング率が約17500kg/mm2を有するSUS301EHが用いられている場合であっても、固定部32a、アーム部32bおよび可動部32cを残して長方形から肉削ぎした分だけ剛性が下がる。この補強板32の剛性は、肉削ぎを行っていない長方形の補強板に比べ下がると共に、圧電素子30,31の剛性以下にならない範囲に近づけられる。補強板32は、固定部32aを中心として対称形となるアーム部32bおよび可動部32cを有している。このため、補強板32は、圧電素子30,31とほぼ同形の長方形状とした場合に比べて、振動板10の長手方向に対する縦振動および屈曲振動が発生し易くなっている。
【0042】
振動板10の上下に配置された圧電素子30,31の面上には、図8に示すように、圧電素子30,31のほぼ全面を覆うように電極33がそれぞれ配置されている。そして、これらの電極33を介して圧電素子30,31に、駆動回路500から駆動信号が供給されるようになっている。
ここで、圧電素子30,31としては、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。ここで、亜鉛ニオブ酸鉛の組成式は、[Pb(Zn1/3−Nb2/3)O3 )1-X (PbTiO3)X]、(但しXは組成により異なり、X=0.09程度)となり、スカンジウムニオブ酸鉛の組成式は、[{Pb((Sc1/2−Nb1/2)1-X TiX)O3]、(但しXは組成により異なり、X=0.09程度)となる。
【0043】
圧電素子30,31の分極方向が逆の場合には、例えば図9に示すように、上面、中央、下面の電位が各々+V、0、+V(もしくは−V、0、−V)となるように駆動回路500から駆動信号を印加すれば、板状の圧電素子が伸び縮みするように変位することになる。そこで、本実施形態ではこのような伸縮による変位を振動に利用している。なお、圧電素子30,31の分極方向を同一となるようにした場合、上面、中央、下面の電位が各々+V、0、−V(もしくは−V、0、+V)となるように電圧を印加すればよい。
【0044】
このように構成される振動板10は、駆動回路500から電極33,33を介して圧電素子30,31に交流の駆動信号が印加されると、圧電素子30,31には、長手方向に伸縮する振動が発生する。その際、図10に示すように、圧電素子30,31が長手方向に伸縮することにより、振動板10が長手方向に伸縮する縦振動で振動するようになっており、これにより振動板10は図4中矢印で示す方向に振動することになる。このように圧電素子30,31への駆動信号の印加によって振動板10が電気的に縦振動で励振すると、振動板10の重量および剛性のアンバランスさによって振動板10の重心を中心とした回転モーメントが発生する。図11に示すように、この回転モーメントによって振動板10が幅方向(図4の上下方向)に揺動する屈曲振動が誘発されるようになっている。本実施形態では、より大きな屈曲振動を誘発させるために、振動板10の突起部36が設けられた側と反対側の端部16にバランス部18を設けることにより、より大きな回転モーメントを発生させるようにしている。
【0045】
さらに、本実施形態における圧電アクチュエータAでは、振動板10を構成する補強板32の形状を、固定部32a、アーム部32bおよび可動部32cによって構成しているため、補強板32が圧電素子30,31とほぼ同形の長方形である場合に比べ、その剛性を圧電素子30,31の剛性に近づけることができる。これにより、振動板10に発生する縦振動およびこの縦振動によって誘発される屈曲振動の振幅を大きくすることができる。
【0046】
このように、振動板10に縦振動と屈曲振動とを生じさせ、両者が結合されることにより、振動板10の突起部36におけるロータ100との接触部分は、図12に示すように、楕円軌道に沿って移動することになる。そして、突起部36が楕円軌道を描くことにより、突起部36がロータ100側に膨らんだ位置にあるときに、突起部36がロータ100に対して押圧接触し、一方突起部36がロータ100側から待避した位置に膨らんだ位置にあるときには、突起部36がロータ100から離間(或いは、接触していても押圧力が小さくなる)する。従って、圧電アクチュエータAは、両者の押圧力の大きい間、つまり突起部36がロータ100側に膨らんだ位置にある時、突起部36の変位方向にロータ100を回動駆動させるのである。
【0047】
D.圧電アクチュエータの駆動動作
次に、カレンダ表示機構に組み込まれた圧電アクチュエータAの圧電素子30,31に駆動信号を印加して圧電アクチュエータAを駆動する構成について説明するが、当該駆動構成の特徴をより明確にするために、まず振動板10のような機械的構造物が有するインピーダンス特性について説明する。
【0048】
振動板10等の機械的な構造物に対して力を一定にして、加振周波数を徐々に大きくしていくと、特定の周波数で構造物の振幅は最大値(即ち、インピーダンスが極小値)となり、その後極小値(インピーダンスの極大値)となるといった応答を繰り返す。即ち、振幅が極大値をとる加振周波数は複数存在し、そのような各加振周波数を共振周波数という。そして、共振周波数は縦振動および屈曲振動の各々に存在し、振動板10のような矩形状の構造物では、縦・横・厚み寸法を所定の比に設定することにより、図13に例示するようなインピーダンスと周波数の関係を有する。
【0049】
各振動の共振周波数は、各々の振動の振幅が最も大きくなす周波数であり、必要な駆動特性を得るために、どのような周波数の駆動信号を圧電素子30,31に印加するかを決める設計事項において重要な値となる。本実施形態では、図15に示すように、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数の間のある値fsの周波数を駆動信号の周波数として採用し、当該周波数の駆動信号を圧電素子30,31に供給するといった駆動を行う。
【0050】
以下、図14を参照しながら圧電アクチュエータAの駆動構成について説明する。
同図に示すように、駆動回路500は、午前0時検出手段501と、制御回路503と、日送り検出手段502と発振回路504とを備えている。午前0時検出手段501は、ムーブメント73(図2参照)に組み込まれた機械的なスイッチであり、午前0時になると、制御信号を出制御回路503に出力する。また、日送り検出手段502は、上述した板バネ64と接触子65(図1参照)を主要部とするものであり、板バネ64と接触子65が接触する、即ち日送り終了を検出すると制御信号を制御回路503に出力する。
【0051】
制御回路503は、午前0時検出手段501から供給される制御信号と日送り検出手段502から供給される制御信号とに基づいて、発振制御信号を発振回路504に出力する。ここで、発振制御信号は午前0時検出手段501によって午前0時が検出された時点でローレベルからハイレベルに立ち上がり、この後日送り検出手段502によって日送り終了が検出されるとハイレベルからローレベルに立ち下がる。
【0052】
発振回路504は、発振周波数が図15に例示する振動板10の縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数の間の設計された値fsとなるように構成されている。なお、発振回路504は、例えば、コルピッツ型の形式で構成すればよい。また、この発振回路504への給電は発振制御信号によって制御されるようになっており、発振制御信号がハイレベルのとき給電され、ローレベルのとき給電が停止されるようになっている。
【0053】
上述したように日回し中間車40は1日に1回転するが、その期間は午前0時から開始する限られた時間である。従って、発振回路504は当該期間のみ発振していれば足りる。この例の駆動回路500にあっては、発振回路504への給電を発振制御信号によって制御することにより、日回し中間車40を回動させる必要のない期間は、発振回路504の動作を完全に停止させている。従って、発振回路504の消費電力を削減することができる。
【0054】
上述したように発振回路504によって発振された周波数(縦振動の共振周波数と屈曲振動の周波数の間の周波数)の駆動信号が電極33,33を介して圧電素子30,31に供給される。
【0055】
E.カレンダ表示機構の動作
次に、上記構成の圧電アクチュエータAを備えたカレンダ表示機構の自動更新動作について図1、図3、図4および図14を参照しつつ説明する。各日において午前0時になると、午前0時検出手段501によって午前0時になったことが検出され、制御回路503から発振制御信号が発振回路504に出力される。これにより、駆動周波数fs(図13参照)の駆動信号が電極33,33を介して圧電素子30,31に供給される。
【0056】
駆動回路500からの駆動信号が電極33,33に印加されると、圧電素子30,31が伸縮によって撓み振動し、振動板10が縦振動する。
この際、上述したように圧電素子30,31の分極方向を同一となるようにした場合には、上面、中央、下面の電位が各々+V、0、−V(もしくは−V、0、+V)となるように電圧を印加する。また、圧電素子30,31の分極方向が逆の場合には、上面、中央、下面の電位が各々+V、0、+V(もしくは−V、0、−V)となるように電圧を印加する(図9参照)。
そして、振動板10がその長手方向に電気的に励振(縦振動)されると、振動板10の重量および剛性のアンバランスさによって機械的に屈曲振動が誘発される。そして、縦振動と屈曲振動が合わさることにより、突起部36が楕円軌道に沿って変位し、ロータ100を駆動する。
【0057】
このように駆動回路500によって圧電アクチュエータAが駆動されることにより、ロータ100が図4中時計回り方向に回転し、これに伴って日回し中間車40が反時計回り方向に回転を開始する。
【0058】
ここで、駆動回路500は、図1に示す板バネ64と接触子65が接触した時に駆動信号の供給を停止するように構成されている。板バネ64と接触子65とが接触する状態では先端部64aが切欠部4cに入り込んでいる。従って、日回し中間車40は、そのような状態から回転を開始する。
【0059】
日回し車60は板バネ63によって時計回り方向に付勢されているため、小径部4aは日回し車60の歯6a,6bに摺動しつつ回転することになる。その途中で切欠部4cが日回し車60の歯6aの位置に達すると、歯6aが切欠部4cと噛合する。
【0060】
次に、日回し中間車40が引き続き反時計回り方向に回動すると、日回し車60は日回し中間車40に連動して1歯分、即ち「1/5」周だけ時計回り方向に回動する。さらに、これに連動して、日車50が時計回り方向に1歯分(1日分の日付範囲に相当する)だけ回動される。なお、月内の日数が「31」に満たない月の最終日においては、上記動作が複数回繰返され、暦に基づく正しい日が日車50によって表示されることになる。
【0061】
そして、日回し中間車40が引き続き反時計回り方向に回動して、切欠部4cが板バネ64の先端部64aの位置に達すると、先端部64aが切欠部4cに入り込む。すると、板バネ64と接触子65とが接触して、駆動信号の供給が終了し、日回し中間車40の回転が停止する。従って、日回し中間車40は、1日に1回転することになる。
【0062】
F.本実施形態の効果
以上説明したように、本実施形態では、腕時計といった限られたスペースに設置可能な薄型の圧電アクチュエータAを用いて高効率でカレンダ表示機構を駆動することができる。
また、圧電アクチュエータAの振動板10を構成する補強板32は、圧電素子30,31の有する剛性に近づけるために、支持部材11に取り付けられる固定部32aに対して対称形となるアーム部32bおよび可動部32cを具備している。このため、補強板32は、振動板10に発生する縦振動および屈曲振動を妨げ難くして、その振幅を大きくすることができる。この結果、エネルギーの伝達を効率良く行う圧電アクチュエータAを実現することが可能となり、圧電アクチュエータAは、安定した駆動制御を行うことができる。
【0063】
G.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0064】
(変形例1)
上述した実施形態においては、振動板10の補強板32を図6に示すように形成したが、本発明をこれに限らず、次のような種々の形状に形成してもよい。
1−▲1▼、図15に示す例は、アーム部32bを湾曲状でなく、固定部32aから斜めに延びるアーム部32b´としたものである。
1−▲2▼、図16に示す例は、各アーム部32bの起端側から振動板10の長手方向に延びる補強部32dを形成したものである。
1−▲3▼、図17に示す例は、変形例1−▲1▼において、各アーム部32b´の起端側からアーム部32b´の反対方向に延びる補強板32eを形成したものである。
1−▲4▼、図18に示す例は、変形例1−▲1▼において、各アーム部32b´の起端側からアーム部32b´の反対方向に延びる補強板32eと、アーム部32b´と同じ方向に延びる補強板32fを形成したものである。
1−▲5▼、図19に示す例は、各アーム部32bの先端を可動部32c´の途中で繋ぎ、アーム部32bの先端を略「T」字状に形成したものである。
なお、1−▲2▼〜1−▲4▼における補強部は、長方形の補強部に比べ、振動板10の厚さ方向の強度が低下した分を補うために形成されたもので、振動板10の厚さ方向への変位を補強するものである。
また、補強板32の形状は上記のものに限らず、補強板32の有する剛性の強さを圧電素子30,31の有する剛性の強さ以上で、この剛性の強さに近づける形状であればよい。
【0065】
(変形例2)
上述した実施形態による振動板10は、補強板32に対して圧電素子30,31を接着剤によって全面接着した積層構造としているが、本発明はこれに限らず、以下のような接着状態であってもよい。
2−▲1▼、図20に示す例は、1−▲2▼(図16)に示した補強板32において、接着剤が貼付される部分を、補強部32dを除いた固定部32a、アーム部32bおよび可動部32cとしたものである。
しかも、補強部32dは、図22(図20中の矢印a−aから見た拡大断面図)に示すように、圧電素子30,31との間に、接着剤による接着層sの厚さ分だけ隙間が形成される。また、補強部32dは、プレスによって薄く形成してもよい。
これにより、補強部32dは、振動板10の縦振動および屈曲振動の妨げとならずに、圧電素子30,31が厚さ方向に変位するのを防止することができる。
2−▲2▼、図23に示す例は、1−▲2▼(図16)に示した補強板32において、接着剤が貼付される部分を、補強部32dおよびアーム部32bを除いた固定部32aおよび可動部32cとしたものである。
このように、圧電素子30,31と補強板32とが接着される面積を少なくすることにより、振動板10の縦振動および屈曲振動の妨げを抑制する。
また、圧電素子30,31の両端に位置した可動部32cのみを圧電素子30,31に接着するようにしてもよい。
【0066】
(変形例3)
前述した実施形態および変形例1,2においては、補強板32の有する剛性を圧電素子30,31の有する剛性以上で、この剛性に近づけるようにするために、補強板32の形状を長方形から切り取った形状としたが、本発明はこれに限らず、図24に示すように、補強板32´の材料をステンレス材から超々ジュラルミン(7075等)としてもよい。
この材料は、ヤング率が7500kg/mm2であり、圧電素子30,31のヤング率7000kg/mm2にちかくなるため、軟らかく摩耗し易い反面、振動板10を伸縮し易くすることが可能となる。
また、補強板32´の材料を軟らかくしたため、突起部36´は、同部材で形成することは圧電アクチュエータAの耐寿命の上から好ましくないため、この突起部36´は、硬度の比較的高いルビーやセラミックによって形成すればよい。
さらに、突起部36´は、硬度の高い材料で形成するのみでなく、硬化処理を施すことによって形成してもよい。
具体的には、硬化処理としては、無電界ニッケルメッキ後にメッキ硬化処理(例えば280℃で1時間アニーリングする等の処理)、アルマイト処理、窒化処理等があるが、超々ジュラルミンの場合には、無電界ニッケルメッキ後+メッキ硬化処理が最良である。
【0067】
(変形例4)
また、上述した実施形態では、縦振動の共振周波数が屈曲振動の共振周波数よりも若干小さいといった特性を有する振動板10を用いた場合について説明したが、振動板10の寸法によっては縦振動の共振周波数が屈曲振動の共振周波数よりも若干大きくなる場合もある。このような特性を有する振動板10を採用した場合、振動板10の変位による突起部36の楕円軌道が逆方向となり、ロータ100を駆動する方向が図4中反時計回り(上記実施形態とは逆方向)となる。このため、このような特性の振動板10を採用する場合には、ロータ100と振動板10の位置関係を必要な駆動方向に応じて上記実施形態から変更する必要がある。
【0068】
(変形例5)
また、上述した実施形態では、矩形状の振動板10を用いるようにしていたが、振動板10の形状は矩形状に限るものではなく、長手方向を有する形状であればよく、例えば台形状、平行四辺形状、ひし形状、三角形状等の様々な形状のものを用いることができる。
【0069】
(変形例6)
また、上述した実施形態では、圧電アクチュエータAを腕時計に搭載されるカレンダ表示機構の駆動源として採用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の種類の機器、例えば玩具などのアミューズメント機器の駆動機構や小型送風機の駆動機構に適用することが可能である。また、上述したように圧電アクチュエータAは、薄型化、小型化が可能であり、かつ高効率での駆動が可能であるため、電池駆動される携帯機器等に搭載するアクチュエータとして好適である。
【0070】
(変形例7)
また、上述した実施形態では、振動板10が振動することにより、突起部36に当接しているロータ100を回転駆動する場合を例示したが、これに限らず、駆動対象を直線状に駆動するリニアアクチュエータに本発明を適用することも可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型・薄型化が可能な構成でありながら、高効率かつ安定した駆動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る腕時計におけるカレンダ表示機構の主要部の構成を示す平面図である。
【図2】 前記腕時計の概略構成を示す側断面図である。
【図3】 前記カレンダ表示機構の主要部を示す断面図である。
【図4】 前記カレンダ表示機構の構成要素である圧電アクチュエータの構成を示す平面図である。
【図5】 前記圧電アクチュエータの構成要素である振動板を示す断面図である。
【図6】 前記振動板の補強板を示す平面図である。
【図7】 図6の補強板に圧電素子を積層した状態を側面から示す図である。
【図8】 前記振動板の圧電素子の面上に形成される電極部を示した図である。
【図9】 前記振動板の圧電素子に電圧を印加する際の概略の駆動構成を示す図である。
【図10】 前記振動板が縦振動する様子を模式的に示す図である。
【図11】 前記振動板が屈曲振動する様子を模式的に示す図である。
【図12】 前記振動板の振動時における突起部の軌道を説明するための図である。
【図13】 前記振動板の振動周波数とインピーダンスとの関係の一例を示すグラフである。
【図14】 圧電アクチュエータに駆動信号を供給する駆動回路の構成を示す図である。
【図15】 変形例1−▲1▼による補強板を示す平面図である。
【図16】 変形例1−▲2▼による補強板を示す平面図である。
【図17】 変形例1−▲3▼による補強板を示す平面図である。
【図18】 変形例1−▲4▼による補強板を示す平面図である。
【図19】 変形例1−▲5▼による補強板を示す平面図である。
【図20】 変形例2−▲1▼による補強板を示す平面図である。
【図21】 図20の補強板に圧電素子を積層した状態を側面から示す図である。
【図22】 図20中の矢印a−aから見た拡大断面図である。
【図23】 変形例2−▲1▼による補強板を示す平面図である。
【図24】 変形例3による補強板を示す平面図である。
【符号の説明】
10・・・振動板
11・・・支持部材
30,31・・・圧電素子
32、32´・・・補強板
32a・・・固定部
32b、32b´・・・アーム部
32c、32c´・・・可動部
32d、32e、32f・・・補強部
33・・・電極
36、36´・・・突起部
50・・・振動補助部
100・・・ロータ
103・・・地板
500・・・駆動回路
A……圧電アクチュエータ
Claims (9)
- 板状の圧電素子と補強板とが積層された振動板と、
前記振動板を支持する支持部材と、
前記振動板の長手方向の一端側に設けられて駆動対象に当接する突起部とを具備し、
駆動信号の供給によって前記圧電素子を伸縮させることにより、前記長手方向に伸縮する縦振動および前記長手方向に直交する幅方向に揺動する屈曲振動を前記振動板に生じさせ、この振動に伴う前記突起部の変位によって前記駆動対象を駆動し、
前記補強板は前記圧電素子よりもヤング率が高く、前記補強板と前記圧電素子とが接触する面積は前記圧電素子の面積よりも小さく形成された
圧電アクチュエータであって、
前記補強板の形状は、
前記支持部材に固定されて前記縦振動の節に位置する固定部と、
前記振動板よりも狭い幅にて前記固定部から前記振動板の長手方向に延びる一対のアーム部と、
前記一対のアーム部の先端に形成され、前記長手方向に対してほぼ直交する方向に延びる可動部とを備え、
前記可動部は前記長手方向に対して前記圧電素子の両端側に配置されている
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記固定部には、起端がこの固定部に形成され、先端が前記アーム部側に向けて延びる補強部を形成した
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項2に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記補強板のうち、前記固定部、アーム部および可動部と、前記圧電素子とを接着固定した
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項2に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記補強板のうち、前記固定部および可動部と、前記圧電素子とを接着固定した
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1ないし4に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記突起部は、前記補強板に一体に形成された
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1ないし5に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記突起部は硬化部材によって形成され、前記補強板に設けられた
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1ないし5に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記突起部は、硬化処理が施され、前記補強板に一体に形成された
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、
前記圧電素子に前記駆動信号を供給する駆動回路と、
前記駆動回路に電力を供給する電源と
を具備することを特徴とする時計。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、
前記圧電素子に前記駆動信号を供給する駆動回路と、
前記駆動回路に電力を供給する電源と
を具備することを特徴とする携帯機器。
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