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JP2002223577A - 圧電アクチュエータ、時計、携帯機器、圧電アクチュエータの設計方法および製造方法 - Google Patents

圧電アクチュエータ、時計、携帯機器、圧電アクチュエータの設計方法および製造方法

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Publication number
JP2002223577A
JP2002223577A JP2001016307A JP2001016307A JP2002223577A JP 2002223577 A JP2002223577 A JP 2002223577A JP 2001016307 A JP2001016307 A JP 2001016307A JP 2001016307 A JP2001016307 A JP 2001016307A JP 2002223577 A JP2002223577 A JP 2002223577A
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JP
Japan
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vibration
frequency
diaphragm
piezoelectric actuator
electrode
Prior art date
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Application number
JP2001016307A
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English (en)
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JP2002223577A5 (ja
Inventor
Makoto Furuhata
誠 古畑
Akihiro Sawada
明宏 澤田
Hidehiro Akaha
秀弘 赤羽
Takeshi Seto
毅 瀬戸
Kunihiko Takagi
邦彦 高城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
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Publication of JP2002223577A publication Critical patent/JP2002223577A/ja
Publication of JP2002223577A5 publication Critical patent/JP2002223577A5/ja
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  • Electromechanical Clocks (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成の駆動回路を用いながら、圧電ア
クチュエータの安定した駆動を実現する。 【解決手段】 振動板10の圧電素子30上には、2つ
の角部に電極33a,33cが形成され、それ以外の全
面に電極33bが形成されている。電極33a,33c
および電極33bと駆動回路500とは並列に接続され
ており、電極33a,33cと駆動回路500との間に
は周波数を調整するためのコンデンサ505が接続され
ている。発振回路504から供給される駆動電圧は電極
33bにはそのままの周波数で供給され、電極33a,
33cにはコンデンサ505によって調整された周波数
の駆動電圧が供給される。ここで、コンデンサ505
は、駆動回路500から見たコンデンサ505を含む振
動板10の縦振動と屈曲振動の共振周波数がほぼ一致す
るように周波数を調整する容量のものが用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子を有する
圧電アクチュエータ、これを備えた時計、携帯機器、圧
電アクチュエータの設計方法および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電素子は、電気エネルギーから機械エ
ネルギーへの変換効率や、応答性に優れていることか
ら、近年、圧電素子の圧電効果を利用した各種の圧電ア
クチュエータが開発されている。この圧電アクチュエー
タは、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、
あるいは超音波モータなどの分野に応用されている。
【0003】圧電素子の変位は印加電圧にもよるが微小
であり、サブミクロン程度であるのが通常であるため、
なんらかの増幅機構によって変位を増幅してロータに伝
達することが行われている。しかし、増幅機構を用いた
場合、それ自身を動かすためにエネルギーが消費され、
効率が低下するといった問題があるとともに、装置のサ
イズが大きくなってしまうといった問題もある。また、
増幅機構を介する場合、安定したロータへの駆動力の伝
達が困難となることもある。
【0004】また、腕時計のような小型の携帯機器は電
池で駆動されるため、消費電力や駆動電圧を低く抑える
必要がある。したがって、そのような携帯機器に圧電ア
クチュエータを組み込む場合には、特に、そのエネルギ
ー効率が高く、駆動電圧が低いことが要求される。
【0005】ところで、時計などにおいて、日や曜など
を表示するカレンダー表示機構では、電磁式のステップ
モータの回転駆動力を運針用の輪列を介して日車などに
も間欠的に伝達し、日車を送り駆動するのが一般的であ
る。一方、腕時計は手首にベルトを巻き付けて携帯する
ものであるから、携帯に便利なように薄型化の要求が古
くからある。薄型化を追求するには、カレンダー表示機
構の厚さを薄くすることも必要となる。しかし、ステッ
プモータはコイルやロータといった部品を面外方向に組
み込んで構成されるので、その厚さを薄くするには限界
がある。このため、ステップモータを用いた従来のカレ
ンダー機構は、構造的に薄型化には向かないという問題
があった。
【0006】特に、カレンダー表示機構のある時計と、
係る機構のない時計との間で運針の機械系(いわゆるム
ーブメント)を共通化するためには、カレンダー表示機
構を文字板側に構成する必要があるが、電磁式のステッ
プモータでは文字板側に構成できる程の薄型化が困難で
ある。したがって、従来の時計は、表示機構の有無によ
って運針の機械系を別々に設計して製造する必要があ
り、その生産性を向上させる際の問題となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように高効率で
ありながら、小型機器への搭載を可能とする圧電アクチ
ュエータとして、長手方向を有する圧電素子等から構成
される薄板状の振動板に駆動電圧を印加することによ
り、長手方向に伸縮する縦振動と、長手方向と直交する
幅方向に揺動させる屈曲振動の両者を励振する方法が考
えられる。このように縦振動と屈曲振動を励振すること
により、振動板により大きな振動を生じさせて駆動効率
の向上と薄型化が可能となる。
【0008】しかしながら、長手方向を有する薄板状の
振動板(例えば、矩形状の振動板)のインピーダンス特
性を考察してみると、振動板の縦振動の共振周波数と、
屈曲振動の共振周波数は異なっているため、いずれか一
方の共振周波数を基準とした駆動回路を構成した場合に
は、安定した駆動を行えない場合がある。したがって、
縦振動と屈曲振動の両者を振動板に励振させるアクチュ
エータを安定駆動する場合には、縦振動および屈曲振動
といった2つの共振周波数を考慮した駆動回路を構成し
なければならず、縦振動励振用の駆動回路と、屈曲振動
励振用の駆動回路を設けるといった複雑な駆動回路を用
いなければならなかった。
【0009】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
ものであり、簡易な構成の駆動回路を用いながら、より
安定した駆動を実現する圧電アクチュエータ、これを備
えた時計、携帯機器、および圧電アクチュエータの設計
方法および製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る圧電アクチュエータは、支持体と、長
手方向を有する板状の圧電素子を備え、前記支持体に対
して振動可能に支持される振動板と、前記振動板の長手
方向の一端側に設けられ、駆動対象と当接させられる当
接部と、前記圧電素子上に設けられる複数に分割された
電極部と、並列に前記各電極部に単一の周波数の駆動電
圧を供給する駆動回路とを備え、前記駆動電圧を前記各
電極部を介して前記圧電素子に供給することにより、前
記圧電素子を振動させて前記振動板に前記縦振動および
前記長手方向に直交する幅方向に揺動する屈曲振動を生
じさせ、この振動に伴う前記当接部の変位によって前記
駆動対象を駆動する圧電アクチュエータであって、前記
駆動回路と、当該駆動回路に並列接続される前記各電極
部のうち前記屈曲振動を電気的に励振するために設けら
れた前記電極部もしくはそれ以外の前記電極部のいずれ
かとの間に設けられ、前記駆動回路から供給される駆動
電圧の周波数を調整する周波数調整手段を具備し、前記
周波数調整手段は、前記振動板の縦振動の所定次数の共
振周波数と、前記屈曲振動の所定次数の共振周波数との
差に応じた周波数調整を行うことにより、当該周波数調
整手段を含む前記振動板の前記所定次数の縦振動と前記
所定次数の屈曲振動の共振周波数がほぼ一致するように
したことを特徴としている。
【0011】この構成によれば、周波数調整手段は、当
該周波数調整手段を含む前記振動板の前記所定次数の縦
振動と前記所定次数の屈曲振動の共振周波数がほぼ一致
するように駆動回路からの周波数を調整して屈曲振動を
励振するための電極部もしくはそれ以外の電極部のいず
れかに供給するので、駆動回路としては、縦振動および
屈曲振動の共振周波数がほぼ一致している特性の振動板
を駆動するための回路構成とすれば足りる。すなわち、
圧電素子に駆動電圧を印加することにより振動板に縦振
動および屈曲振動を生じさせて駆動対象を駆動する圧電
アクチュエータにおいて、縦振動と屈曲振動といった2
つの振動の異なる共振周波数を考慮して2つの駆動回路
を構成するといった複雑な構成を用いることなく、圧電
アクチュエータの安定した駆動を行うことができる。
【0012】また、上記構成において、前記周波数調整
手段により調整された駆動電圧が供給される前記電極部
は、前記振動板に生じる前記屈曲振動の振幅が極大値と
なる位置近傍に設けるようにしてもよい。また、上記構
成において、前記周波数調整手段がコンデンサまたはコ
イルを有するようにしてもよい。また、上記構成におい
て、前記駆動回路が、前記振動板を振動子とする自励発
振回路を有しており、当該自励発振回路から発振される
周波数の駆動電圧を供給するようにしてもよい。また、
上記構成において、前記振動板を、前記圧電素子と補強
板とが積層された構造としてもよい。
【0013】また、本発明に係る時計は、上記構成の圧
電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータによって
駆動されるリング状のカレンダー表示車とを具備するこ
とを特徴としている。
【0014】また、本発明に係る携帯機器は、上記構成
の圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータに電
力を供給する電池とを具備することを特徴としている。
【0015】また、本発明に係る圧電アクチュエータの
設計方法は、支持体と、長手方向を有する板状の圧電素
子を有しており、前記支持体に対して振動可能に支持さ
れる振動板と、前記振動板の長手方向の一端側に設けら
れ、駆動対象と当接させられる当接部と、前記圧電素子
上に設けられる複数に分割された電極部と、前記各電極
部に並列に単一の周波数の駆動電圧を供給する駆動回路
と、前記駆動回路と、当該駆動回路に並列接続される前
記各電極部のうち前記屈曲振動を電気的に励振するため
に設けられた前記電極部もしくはそれ以外の前記電極部
のいずれかとの間に設けられ、前記駆動回路から供給さ
れる駆動電圧の周波数を調整する周波数調整手段とを備
え、前記駆動電圧を前記各電極部を介して前記圧電素子
に供給することにより、前記圧電素子を振動させて前記
振動板に前記縦振動および前記長手方向に直交する幅方
向に揺動する屈曲振動を生じさせ、この振動に伴う前記
当接部の変位によって前記駆動対象を駆動する圧電アク
チュエータを設計する方法であって、前記振動板のイン
ピーダンス特性を測定するステップと、前記インピーダ
ンス特性に基づいて、前記振動板の前記縦振動の所定次
数の共振周波数と、前記屈曲振動の所定次数の共振周波
数とを求めるステップと、前記インピーダンス特性から
求めた前記縦振動の共振周波数と前記屈曲振動の共振周
波数とに基づいて、前記周波数調整手段を含む前記振動
板の前記所定次数の縦振動と前記所定次数の屈曲振動の
共振周波数がほぼ一致するように、前記振動板の縦振動
の所定次数の共振周波数と前記屈曲振動の所定次数の共
振周波数との差に応じた周波数調整を行う前記周波数調
整手段を決定するステップとを具備することを特徴とし
ている。
【0016】また、上記設計方法において、前記周波数
調整手段は、コンデンサまたはコイルである場合、前記
周波数調整手段を決定するステップでは、コンデンサま
たはコイルの容量を決定するようにしてもよい。
【0017】また、本発明に係る圧電アクチュエータの
製造方法は、支持体と、長手方向を有する板状の圧電素
子を有しており、前記支持体に対して振動可能に支持さ
れる振動板と、前記振動板の長手方向の一端側に設けら
れ、駆動対象と当接させられる当接部と、前記圧電素子
上に設けられる複数に分割された電極部と、前記各電極
部に並列に単一の周波数の駆動電圧を供給する駆動回路
と、前記駆動回路と、当該駆動回路に並列接続される前
記各電極部のうち前記屈曲振動を電気的に励振するため
に設けられた前記電極部もしくはそれ以外の前記電極部
のいずれかとの間に設けられ、前記駆動回路から供給さ
れる駆動電圧の周波数を調整する周波数調整手段とを備
え、前記駆動電圧を前記各電極部を介して前記圧電素子
に供給することにより、前記圧電素子を振動させて前記
振動板に前記縦振動および前記長手方向に直交する幅方
向に揺動する屈曲振動を生じさせ、この振動に伴う前記
当接部の変位によって前記駆動対象を駆動する圧電アク
チュエータを製造する方法であって、前記振動板のイン
ピーダンス特性を求め、前記インピーダンス特性から求
めた前記振動板の前記縦振動の所定次数の共振周波数
と、前記屈曲振動の所定次数の共振周波数とに基づい
て、前記周波数調整手段を含む前記振動板のインピーダ
ンス特性に示される前記所定次数の縦振動と前記所定次
数の屈曲振動の共振周波数がほぼ一致するように、前記
振動板の縦振動の所定次数の共振周波数と前記屈曲振動
の所定次数の共振周波数との差に応じた周波数調整を行
う前記周波数調整手段を決定し、決定した前記周波数調
整手段を、前記駆動回路と、当該駆動回路に並列接続さ
れる前記各電極部のうちの前記屈曲振動を電気的に励振
するために設けられた前記電極部との間に接続する工程
を具備することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について説明する。 A.全体構成 まず、図1は、本発明の一実施形態に係る腕時計におい
て、圧電アクチュエータを組み込んだカレンダー表示機
構の主要構成を示す平面図である。同図に示すように、
圧電アクチュエータA1は、面内方向(図の紙面と平行
な方向)に伸縮振動する振動板10およびローター10
0とを備えている。ローター100は地板(支持体)1
03に回転自在に支持されるとともに、振動板10と当
接する位置に配置されており、振動板10に生じる振動
によってその外周面が叩かれると、図中矢印で示す方向
に回転駆動されるようになっている。
【0019】次に、カレンダー表示機構は、圧電アクチ
ュエータA1と連結しており、その駆動力によって駆動
される。カレンダー表示機構の主要部は、ローター10
0の回転を減速する減速輪列とリング状の日車50から
大略構成されている。また、減速輪列は日回し中間車4
0と日回し車60とを備えている。
【0020】ここで、上述したように振動板10が面内
方向に振動すると、振動板10と当接しているローター
100が時計回り方向に回転させられる。ローター10
0の回転は、日回し中間車40を介して日回し車60に
伝達され、この日回し車60が日車50を時計回り方向
に回転させる。このように、振動板10からローター1
00、ローター100から減速輪列、減速輪列から日車
50への力の伝達は、いずれも面内方向で行われる。こ
のため、カレンダー表示機構を薄型化することができ
る。
【0021】図2は本発明の一実施形態に係る時計の断
面図である。図において、網目部分に、上述した圧電ア
クチュエータA1を備えたカレンダー機構が組み込まれ
ているが、時計全体を薄型にするためにはカレンダー機
構を組み込むことのできる厚みDも極めて薄い。カレン
ダー表示機構の上側には、円盤状の文字板70が設けら
れている。この文字板70の外周部の一部には日付を表
示するための窓部71が設けられており、窓部71から
日車50の日付が覗けるようになっている。また、文字
板70の下側には、針72を駆動するムーブメント7
3、および後述する駆動回路(図示せず)が設けられて
いる。
【0022】以上の構成において、圧電アクチュエータ
A1は、従来のステップモータのようにコイルやロータ
ーを厚さ方向に積み重ねるのではなく、同一平面内に振
動板10およびローター100を配置した構成となって
いる。このため、構造的に薄型化に適している。このた
め、カレンダー表示機構を薄型化することができ、ひい
ては時計全体の厚さを薄くすることができる。例えば、
発電機能を備えた腕時計が種々提案されているが、この
ような腕時計では、発電機構と運針駆動用のモータ機構
といった少なくとも2つの大きな構成要素を搭載しなく
てはならず、上記のようにカレンダー表示機構を薄型化
できることのメリットは大きいと言える。さらに、カレ
ンダー表示機構のある時計と、係る表示機構のない時計
との間でムーブメント73を共通化することができ、生
産性を向上させることができる。
【0023】B.カレンダー表示機構の構成 次に、カレンダー表示機構の構成を、図1およびその断
面図である図3を参照しつつ説明する。図において、地
板103は、各部品を配置するための第1の底板であ
り、また、地板103'は、地板103に対して部分的
に段差を持った第2の底板である。
【0024】圧電アクチュエータA1によって回転駆動
されるローター100の上方には、ローター100と同
軸かつローター100に伴って回転させられる歯車10
0cが設けられている。日回し中間車40は、大径部4
bとこれと同心を成すように固着され大径部4bよりも
若干小径に形成された小径部4aとから構成されてお
り、ローター100に伴う歯車100cの回転に伴っ
て、歯車100cと歯合する大径部4bが回転させられ
て中間車40が回転させられるようになっている。小径
部4aの周面は略正方形状に切り欠かれ、切欠部4cが
形成されている。
【0025】また、地板103'には日回し中間車40
のシャフト41が形成されており、日回し中間車40の
内部にはシャフト41と連結する軸受け(図示せず)が
形成されている。したがって、日回し中間車40は、地
板103'に対して回動自在に設けられている。なお、
ローター100も内部に軸受け(図示せず)を有してお
り地板103に対して回動自在に軸支されている。
【0026】次に、日車50は、リング状の形状をして
おり、その内周面に内歯車5aが形成されている。日回
し車60は五歯の歯車を有しており、内歯車5aに噛合
している。また、日回し車60の中心にはシャフト61
が設けられており、日回し車60を回動自在に軸支して
いる。シャフト61は、地板103'に形成された貫通
孔62に遊挿されている。貫通孔62は日車50の周回
方向に沿って長く形成されている。
【0027】次に、板バネ63は、その一端は地板10
3'に固定され、他端はシャフト61を図1の右上方向
に弾圧している。これにより、板バネ63は、シャフト
61および日回し車60を付勢する。また、この板バネ
63の付勢作用によって日車50の揺動も防止される。
【0028】次に、板バネ64は、一端が地板103'
にねじ止めされており、その他端には略V字状に折り曲
げられた先端部64aが形成されている。また、接触子
65は、日回し中間車40が回転し先端部64aが切欠
部4cに入り込んだときに板バネ64と接触するように
配置されている。板バネ64には所定の電圧が印加され
ており、接触子65に接触すると、その電圧が接触子6
5にも印加される。したがって、接触子65の電圧を検
出することによって、日送り状態を検出することができ
る。なお、内歯車5aに噛合する手動駆動車を設け、ユ
ーザが龍頭(図示せず)に対して所定の操作を行うと、
日車50を駆動するようにしてもよい。
【0029】C.圧電アクチュエータの構成 次に、本実施形態に係る圧電アクチュエータA1につい
て説明する。図4に示すように、圧電アクチュエータA
1は、図の左右方向に長く形成された長板状の振動板1
0と、この振動板10を地板103(図1および図3参
照)に支持する支持部材11とを備えている。
【0030】振動板10の長手方向の端部35には、突
起部36がローター100側に向けて突設されており、
後述するバネ部材300等によってこの突起部36がロ
ーター100の外周面に押圧した状態で接触させられて
いる。このような突起部36を設けることにより、ロー
ター100との接触面の状態等を維持するために突起部
36に対してのみ研磨等の作業を行えばよいので、ロー
ター100との接触部の管理が容易となる。また、突起
部36としては、導体または非導体のものを用いること
ができるが、非導体から形成するようにすれば、一般的
に金属から形成されるローター100と接触しても圧電
素子30,31がショートしないようにすることができ
る。
【0031】また、図示のように本実施形態では、突起
部36は、平面的に視てローター100側に突出した曲
面形状になされている。このようにローター100と当
接する突起部36を曲面形状にすることにより、ロータ
ー100と振動板10の位置関係がばらついた(寸法ば
らつきなどによる)場合にも、曲面であるローター10
0の外周面と曲面形状の突起部36との接触状態がさほ
ど変化しない。従って、安定したローター100と突起
部36の接触状態を維持することができる。
【0032】振動板10の長手方向の中央よりもややロ
ーター100側には、略L字状の支持部材11の一端部
37が取り付けられている。支持部材11は一端部37
から振動板10の長手方向にほぼ直交する方向からロー
ター100側に屈曲しており、この屈曲している支持部
材11の他端部38は、ネジ39により地板103(図
1参照)に回転自在に支持されている。すなわち、支持
部材11はネジ39を中心として回転自在になされてお
り、支持部材11を回転させることにより振動板10の
ローター100に対する位置を調整することができるよ
うになっている。
【0033】支持部材11における振動板10の長手方
向と略平行に延在する部位11aには、バネ部材300
の一端部300aが係合されている。バネ部材300は
そのほぼ中央部分でピン300bによって地板103
(図1および図3参照)に回転自在に支持されている。
また、他端部300cが地板103に係合しているが、
この他端部300cの位置によって支持部材11に付与
する押圧力を変動させることができるようになってい
る。具体的には、他端部300cをピン300bを中心
として図中時計回りに変位させれば、バネ部材300の
一端部300aが支持部材11の部位11aを上方側に
押圧する力が増加し、他端部300cを反時計回りに変
位させればその押圧力が減少するようになっている。こ
こで、支持部材11を上方側に押圧する力が増加する
と、支持部材11はネジ39を中心として図中反時計回
りに回動するため、突起部36がローター100を押圧
する力が増大する。一方、支持部材11を上方側に押圧
する力が減少すると、支持部材11は時計回りに回動す
るため、突起部36がローター100を押圧する力が減
少する。すなわち、他端部300cの位置を調整するこ
とにより突起部36がローター100に付与する押圧力
を調整することができ、これにより圧電アクチュエータ
A1の駆動特性の調整等を行うことができるのである。
【0034】図5に示すように、振動板10は、2つの
長方形状の圧電素子30,31の間に、これらの圧電素
子30,31とほぼ同形状であり、かつ圧電素子30,
31よりも肉厚の小さいステンレス鋼などの補強板32
を配置した積層構造となっている。このように圧電素子
30,31の間に補強板32を配置することにより、振
動板10の過振幅や落下などの外部からの衝撃力に起因
する振動板10の損傷を低減し、耐久性を向上させるこ
とができる。また、補強板32としては、圧電素子3
0,31よりも肉厚の小さいものを用いることにより、
圧電素子30,31の振動を極力妨げないようにしてい
る。なお、上述した支持部材11を当該補強板32と一
体形成すれば、製造工程を簡略化することができる。
【0035】上下に配置された圧電素子30,31の面
上には、それぞれ電極33が配置されている。この電極
33を介して圧電素子30,31に、後述する駆動回路
から交流駆動電圧が供給されるようになっている。ここ
で、圧電素子30,31としては、チタン酸ジルコニウ
ム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、
チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリ
フッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛((Pb(Zn1/3-Nb2/
3)03 1-x-Pb Ti 03 x)xは組成により異なる。x=0.09程
度)、スカンジウムニオブ酸鉛((Pb((Sc1/2Nb1/2)1-x
Tix)) 03)xは組成により異なる。x=0.09程度)等の各
種のものを用いることができる。
【0036】圧電素子30,31の分極方向が逆の場合
には、例えば図6に示すように、上面、中央、下面の電
位が各々+V、0、+V(もしくは−V、0、−V)と
なるように駆動回路500(詳細は後述する)から駆動
電圧を印加すれば、板状の圧電素子が伸び縮みするよう
に変位することになり、本実施形態ではこのような伸縮
による変位を利用している。なお、圧電素子30,31
の分極方向を同一となるようにした場合、上面、中央、
下面の電位が各々+V、0、−V(もしくは−V、0、
+V)となるように電圧を印加すればよい。
【0037】図7に示すように、圧電アクチュエータA
1では、長方形状の圧電素子30,31(図示は圧電素
子30側の面のみだが圧電素子31も同様)の面上に
は、3つの電極33a,33b,33cが分割されて形
成されている。電極33aは、略矩形状の圧電素子30
の4つの角部のうち、突起部36が形成された角部分に
形成される微小面積の電極であり、電極33cは電極3
3aと対向する角部分に形成される微小面積の電極であ
る。電極33bは、上記電極33a,33cを除く圧電
素子30のほぼ全域を覆うように形成された電極であ
る。なお、圧電素子31側の面にも図7に示す各電極と
同様の位置に電極33a,33b,33cが形成されて
おり、圧電素子30上および圧電素子31上に形成され
た各々電極33a同士、電極33b同士、および電極3
3c同士が結線されている。したがって、駆動回路はい
ずれか一方の圧電素子上に形成された電極33a,33
b,33cと接続すれば両面に形成された電極に駆動電
圧を供給することができるようになっている。なお、こ
のように両面の電極同士を結線する以外にも、駆動回路
と各々の面上の電極を個別に接続するようにしてもよ
い。このような電極33a,33b,33cは、各々の
部分を個別に蒸着等の方法により形成するようにしても
よいし、一旦全域に電極を形成してから、エッチング、
ダイシングソー、レーザ加工等の手法により電極33a
と電極33bの間や電極33bと電極33cの間の部分
を削除することにより形成するようにしてもよい。
【0038】このような構成の振動板10は、駆動回路
500から電極33a,33b,33cを介して圧電素
子30,31に交流電圧が印加されると、圧電素子3
0,31が伸縮することによって振動するようになって
いる。その際、図8に示すように、振動板10が長手方
向に伸縮する縦振動で振動するようになっており、これ
により振動板10は図4中矢印で示す方向に振動するこ
とになる。このように振動板10に縦振動を励振する
と、図9に示すように、振動板10の重量バランスのア
ンバランスさによって振動板10の重心を中心とした回
転モーメントが発生する。この回転モーメントによって
振動板10が幅方向(図4の上下方向)に揺動する屈曲
振動が誘発されるようになっている。本実施形態では、
より大きな屈曲振動を誘発するために、振動板10の突
起部36が設けられた側と反対側の端部16にバランス
部18を設けることにより、より大きな回転モーメント
を発生させるようにしている。ここで、振動板10の長
手方向の両端は、屈曲振動の振幅の極大値(屈曲振動の
腹)となる部分であり、このような部分に電極33a,
33cが設けられている。すなわち、電極33bは、振
動板10に全体的な縦振動を励振させ、重量バランス等
によって機械的に誘発される屈曲振動を生じさせる。電
極33a,33cは、このように生じた屈曲振動の振幅
をより大きくするために部分的に圧電素子を伸縮させて
電気的に屈曲振動を励振させるためのものである。この
ように振動板10の屈曲振動の振幅の極大値となる部位
に電極33a,33cを設けることにより、この部分の
圧電素子30,31を伸縮させて屈曲振動の振幅をより
大きくすることができるのである。すなわち、電極33
bに電圧を印加することにより、振動板10に全体的な
縦振動を励振させ、重量バランス等によって機械的に誘
発される屈曲振動を生じさせる一方で、電極33a,3
3cに電圧を印加して部分的に圧電素子を伸縮させるこ
とによって電気的に屈曲振動を励振し、機械的に誘発さ
れる屈曲振動の振幅をさらに大きくすることができるの
である。
【0039】このような縦振動と屈曲振動とが生じ、両
者が結合されると、振動板10の突起部36におけるロ
ーター100との接触部分は、図10に示すように、楕
円軌道に沿って移動することになる。このようにに突起
部36が楕円軌道を描くことにより、突起部36がロー
ター100側に膨らんだ位置にあるときにローター10
0と突起部36との間が押圧接触し、一方突起部36が
ローター100側から待避した位置に膨らんだ位置にあ
るときにはローター100と突起部36が離間(もしく
は接触していても押圧力が小さくなる)する。したがっ
て、両者の押圧力の大きい間、つまりローター100側
に膨らんだ位置にある時の突起部36の変位方向にロー
ター100を駆動することができるのである。
【0040】D.圧電アクチュエータの駆動構成 次に、カレンダー表示機構に組み込まれた圧電アクチュ
エータA1の圧電素子30,31に駆動電圧を印加して
圧電アクチュエータA1を駆動する構成について説明す
るが、当該駆動構成の特徴をより明確にするために、ま
ず振動板10のような機械的構造物が有するインピーダ
ンス特性について説明する。
【0041】振動板10等の機械的な構造物に対して力
を一定にして、加振周波数を徐々に大きくしていくと、
特定の周波数で構造物の振幅は最大値(すなわち、イン
ピーダンスが極小値)となり、その後極小値(インピー
ダンスの極大値)となるといった応答を繰り返す。すな
わち、振幅が極大値をとる加振周波数は複数存在し、そ
のような各加振周波数を共振周波数という。そして、共
振周波数は縦振動および屈曲振動の各々に存在し、振動
板10のような矩形状の構造物では、図11に例示する
ようなインピーダンスと周波数の関係を有するのが一般
的である。図示の例ではある所定次数(例えば一次)の
縦振動のインピーダンスの極小値がfkHzであり、あ
る所定次数(例えば二次)の屈曲振動のインピーダンス
の極小値がFkHzであり、両振動のインピーダンスの
極小値は異なっている(ここで、Δf=F−fはF*
0.01程度の範囲内が望ましく、例えばF=200H
zの場合には、f=198Hz〜202Hzの範囲
内)。
【0042】各振動の共振周波数は、各々の振動が最も
大きく振動する周波数であり、各々の振動をどの程度励
振するためにどのような周波数の駆動電圧を圧電素子3
0,31に印加するかを決める設計事項において重要な
値である。そして、設計された周波数の駆動電圧を圧電
素子30,31に供給するといった駆動制御を安定して
行うためには、各振動の共振周波数の値を基準とした制
御を行う必要がある。従来から矩形状の振動板を用いた
圧電アクチュエータの駆動方法としては、上記のように
異なる縦振動の共振周波数を考慮した駆動回路と、屈曲
振動の共振周波数とを考慮した駆動回路といった2つの
駆動回路を設ける、いわゆる2相駆動があるが、この場
合当然ながら駆動回路は複雑となってしまう。本実施形
態に係る圧電アクチュエータA1の駆動構成は、このよ
うに回路構成が複雑となる2相駆動を用いることなく、
安定した駆動制御を行うことができる駆動構成を採用し
ており、以下、図12を参照しながら圧電アクチュエー
タA1の駆動構成について説明する。
【0043】同図に示すように、駆動回路500は、午
前0時検出手段501と、制御回路503と、日送り検
出手段502と発振回路504とを備えている。午前0
時検出手段501は、ムーブメント73(図2参照)に
組み込まれた機械的なスイッチであり、午前0時になる
と、制御信号を制御回路503に出力する。また、日送
り検出手段502は、上述した板バネ64と接触子65
(図1参照)を主要部とするものであり、板バネ64と
接触子65が接触する、すなわち日送り終了を検出する
と制御信号を制御回路503に出力する。
【0044】制御回路503は、午前0時検出手段50
1から供給される制御信号と日送り検出手段502から
供給される制御信号とに基づいて、発振制御信号を発振
回路504に出力する。ここで、発振制御信号は午前0
時検出手段501によって午前0時が検出された時点で
ローレベルからハイレベルに立ち上がり、この後日送り
検出手段502によって日送り終了が検出されるとハイ
レベルからローレベルに立ち下がる。
【0045】発振回路504は、図10に例示する振動
板10を駆動する場合には、発振周波数が一次の縦振動
の共振周波数とほぼ一致するように構成されている。な
お、発振回路504は、例えば、コルピッツ型の形式で
構成すればよい。また、この発振回路504への給電は
発振制御信号によって制御されるようになっており、発
振制御信号がハイレベルのとき給電され、ローレベルの
とき給電が停止されるようになっている。
【0046】上述したように日回し中間車40は1日に
1回転するが、その期間は午前0時から開始する限られ
た時間である。したがって、発振回路504は当該期間
のみ発振していれば足りる。この例の駆動回路500に
あっては、発振回路504への給電を発振制御信号によ
って制御することにより、日回し中間車40を回動させ
る必要のない期間は、発振回路504の動作を完全に停
止させている。したがって、発振回路504の消費電力
を削減することができる。
【0047】上述したように発振回路504によって発
振された周波数(縦振動の共振周波数と屈曲振動の周波
数の間の周波数)の駆動電圧が電極33a,33b,3
3cを介して圧電素子30,31に供給されるようにな
っている。ここで、電極33a,33cと、電極33b
とは駆動回路500に並列に接続されており、電極33
a,33cと駆動回路500との間には、コンデンサ
(周波数調整手段)505が接続されている。これによ
り電極33bには駆動回路500から発振された周波数
の駆動電圧が供給されるが、電極33a,33cには駆
動回路500から供給された周波数がコンデンサ505
によって調整され、調整された周波数の駆動電圧が供給
されるようになっている。
【0048】ここで、コンデンサ505は、上述したよ
うに縦振動と屈曲振動の共振周波数が異なっている振動
板10のインピーダンス特性(図10参照)を駆動回路
500からみた場合に、あたかも図13に示すような縦
振動と屈曲振動の共振周波数がほぼ一致するインピーダ
ンス特性となるように周波数を調整するものである。つ
まり、コンデンサ505は、コンデンサ505を構成要
素として含む振動板10のインピーダンス特性に示され
る縦振動と屈曲振動の共振周波数がほぼ一致するように
周波数を調整する容量のコンデンサである。
【0049】次に、上記のような周波数調整を行うコン
デンサ505の容量を決定する手法について説明する。
まず、圧電アクチュエータに要求される性能等を考慮
し、縦振動および屈曲振動の共振周波数を決定し、決定
した共振周波数に基づいて振動板10の寸法を算出す
る。ここで、振動板10の寸法の算出方法としては、有
限要素法や経験則に基づく近似式等から算出する公知の
種々の方法を用いることができる。次に、このようにし
て求めた寸法の振動板10のインピーダンス特性(図1
1参照)から、インピーダンスアナライザ等の公知の測
定装置を用いて図14(a)に示すような振動板10の
縦振動と屈曲振動の等価回路を最小二乗フィッティング
といった公知の演算手法により算出する。ここで、算出
された縦振動の等価回路TAがコンデンサC1、コイル
L1および抵抗R1で表され、屈曲振動の等価回路KA
がコンデンサC2、コイルL2および抵抗R2で表され
たとする。なお、コンデンサCは圧電素子30,31の
コンデンサ成分である。また、上記等価回路において、
抵抗R1,R2は振動板10の接着部分や支持部分等な
どの機械的損失、誘電損失、および結晶粒界のずれによ
る損失等の様々な損失を表すものであり、実際には熱等
に変わる成分である。
【0050】次に、上述したようにコンデンサ505を
屈曲振動を電気的に励振する電極33a,33cと駆動
回路500との間に接続された場合のコンデンサ505
を含む振動板10の屈曲振動の等価回路KA’は、図1
4(b)に示すようになる。すなわち、図14(a)に
示す屈曲振動の等価回路KAにコンデンサC3(=コン
デンサ505)が直列に接続されたものとなる。
【0051】したがって、図14(b)に示す等価回路
において、屈曲振動と縦振動の周波数を一致させるに
は、次の式を満たすC3(コンデンサ容量)を求め、求
めた容量のコンデンサC3をコンデンサ505として駆
動回路500と電極33a,33cとの間に接続すれば
よい。
【数1】 ここで、C1,C2,L1,L2は振動板10のインピ
ーダンス特性より既知であり、上記式をC3について解
くことでコンデンサC3の容量を求めることができる。
したがって、圧電アクチュエータA1を製造する場合に
は、上記のような手法で求めた容量のコンデンサ505
を駆動回路500と電極33a,33cとの間に接続す
るようにすればよい。
【0052】E.カレンダー表示機構の動作 次に、上記構成の圧電アクチュエータA1を備えたカレ
ンダー表示機構の自動更新動作について図1、図3、図
4および図12を参照しつつ説明する。各日において午
前0時になると、午前0時検出手段501によって午前
0時になったことが検出され、制御回路503から発振
制御信号が発振回路504に出力される。これにより発
振回路504から振動板10の縦振動の共振周波数にほ
ぼ一致する周波数の駆動電圧が電極33a,33b,3
3cを介して圧電素子30,31に供給される。ここ
で、電極33a,33cにはコンデンサ505により周
波数調整がなされた駆動電圧が供給されることになる。
【0053】駆動回路500からの駆動電圧が電極33
a,33b,33cに印加されると、圧電素子30,3
1における電極33bが形成された部分が伸縮によって
撓み振動し、振動板10が縦振動する。上述したように
圧電素子30,31の分極方向(図中矢印で示す)を同
一となるようにした場合には、上面、中央、下面の電位
が各々+V、0、−V(もしくは−V、0、+V)とな
るように電圧を印加する。また、圧電素子30,31の
分極方向が逆の場合には、上面、中央、下面の電位が各
々+V、0、+V(もしくは−V、0、−V)となるよ
うに電圧を印加する(図6参照)。ここで、電極33b
に印加される駆動電圧の周波数は縦振動の共振周波数に
近いものであるため、より大きな縦振動を励振すること
ができる。このように縦振動が電気的に励振されると、
振動板10の重量バランスのアンバランスさによって機
械的に屈曲振動が誘発される。また、圧電素子30,3
1における電極33a,33cが形成された部分が伸縮
することにより電気的に屈曲振動が励振され、これによ
り上記機械的に誘発される屈曲振動の振幅がより大きな
ものとなる。この屈曲振動の電気的な励振もコンデンサ
505によって屈曲振動の共振周波数に近い周波数の駆
動電圧によって行われるため電気的に励振する屈曲振動
の振幅も大きなものとなる。このように振動板10によ
り大きな振幅の縦振動および屈曲振動を生じさせること
により、より大きな楕円軌道に沿って突起部36が変位
し、結果として高効率でのローター100の駆動が可能
となる。
【0054】このように駆動回路500によって圧電ア
クチュエータA1が駆動されると、ローター100が図
4中時計回り方向に回転し、これに伴って日回し中間車
40が反時計回り方向に回転を開始する。
【0055】ここで、駆動回路500は、図1に示す板
バネ64と接触子65が接触した時に駆動信号の供給を
終了するように構成されている。板バネ64と接触子6
5とが接触する状態では先端部64aが切欠部4cに入
り込んでいる。したがって、日回し中間車40は、その
ような状態から回転を開始する。
【0056】日回し車60は板バネ63によって時計回
り方向に付勢されているため、小径部4aは日回し車6
0の歯6a,6bに摺動しつつ回転することになる。そ
の途中で切欠部4cが日回し車60の歯6aの位置に達
すると、歯6aが切欠部4cと噛合する。
【0057】次に、日回し中間車40が引き続き反時計
回り方向に回動すると、日回し車60は日回し中間車4
0に連動して1歯分、すなわち「1/5」周だけ時計回
り方向に回動する。さらに、これに連動して、日車50
が時計回り方向に1歯分(1日分の日付範囲に相当す
る)だけ回動される。なお、月内の日数が「31」に満
たない月の最終日においては、上記動作が複数回繰返さ
れ、暦に基づく正しい日が日車50によって表示される
ことになる。
【0058】そして、日回し中間車40が引き続き反時
計回り方向に回動して、切欠部4cが板バネ64の先端
部64aの位置に達すると、先端部64aが切欠部4c
に入り込む。すると、板バネ64と接触子65とが接触
して、駆動電圧の供給が終了し、日回し中間車40の回
転が停止する。したがって、日回し中間車40は、1日
に1回転することになる。
【0059】以上説明したように、本実施形態では、腕
時計といった限られたスペースに設置可能な薄型の圧電
アクチュエータA1を用いて高効率でカレンダー表示機
構を駆動することができる。また、圧電アクチュエータ
A1では、振動板10に縦振動と屈曲振動といった2つ
の振動を電気的に励振することにより、高効率でのロー
ター100の駆動を可能としている。このように2つの
振動を励振する場合に、2つの振動を設計通りに安定し
て生じさせる場合には、駆動回路側では振動板10にお
ける縦振動と屈曲振動といった2つの共振周波数の各々
を考慮した回路を構成する必要があるが、本実施形態で
は、駆動回路500と電極33a,33cとの間に上記
のように決定される容量のコンデンサ505を接続する
ことで、駆動回路の簡易化を可能としている。すなわ
ち、コンデンサ505を接続することにより、駆動回路
500から見たコンデンサ505を含む振動板10の縦
振動および屈曲振動の共振周波数を一致させ、これによ
り駆動回路の簡易化が可能となり、例えば発振回路50
4としてコルピッツ型といった簡易なものを用いた場合
にも安定した駆動が実現できるのである。なお、本実施
形態では、上述したような駆動回路の簡易化といった効
果を得るといった観念から、駆動回路500から見たコ
ンデンサ505を含む振動板10の縦振動および屈曲振
動の共振周波数を完全に一致させる必要はなく、両者の
周波数がほぼ一致していれば駆動回路側からみて一致し
ているものとして制御を行うことができる。例えば、縦
振動の共振周波数が200Hz、屈曲振動の共振周波数
が205Hzといったインピーダンス特性の場合には、
駆動回路500から見た両振動の共振周波数が±1kH
z(±0.5%程度)の範囲内であればよい。
【0060】F.変形例 なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではな
く、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0061】(変形例1)上述した実施形態において
は、振動板10に屈曲振動を電気的に励振させるための
電極33a,33cが振動板10の4つの角部のうちの
突起部36とバランス部18とに対応する部分に設けら
れていたが、分割して設ける電極33の数、位置や形状
はこれに限るものではない。例えば、図15〜図17に
例示するような位置に電極33を分割して設けるように
してもよい。
【0062】図15に示す例では、圧電素子30(他面
側の圧電素子31も同様)上の突起部36が設けられた
角部に形成される略三角形状の電極33dと、それ以外
の部分に形成される電極33eとに分割している。この
ように電極を分割配置した場合には、屈曲振動を電気的
に励振するための電極33dと駆動回路500との間に
コンデンサ505が接続すればよい。
【0063】また、図16に示す例では、上記実施形態
における2つの角部に形成されていた電極33a,33
cに代えて、略三角形状の電極33f,33gが形成さ
れており、それ以外の部分に電極33hが形成されてい
る。このように電極の形状も矩形状に限らず、上記のよ
うな三角形状や他の形状であってもよい。
【0064】また、図17に示す例では、圧電素子30
上に長手方向に沿って3つの電極33ia,33ibお
よび電極33jが形成されている。ここで、電極33i
a,33ibは、圧電素子30上における突起部36側
(図の上方側)の位置に長手方向のほぼ中央部で分割さ
れて形成されており、電極33jはそれ以外の位置に形
成され、電極33ia,33ibは電極33jよりも幅
(図の上下方向)のサイズが小さくなっている。すなわ
ち、電極33ia,33ibは突起部36側に微小な幅
で長手方向に沿って形成されており、電極33iaと駆
動回路500との間にコンデンサ505が接続されてい
る。一方、電極33ibは電線160によって電極33
jと接続されている。すなわち、この変形例では、電極
33iaが屈曲振動を電気的に励振する電極であり、電
極33jおよび電極33ibは上記実施形態における電
極33bと同様、縦振動を電気的に励振するための電極
となっている。
【0065】このように様々な形状、数、位置に電極を
分割して配置した場合には、縦振動を電気的に励振する
電極および屈曲振動を電気的に励振する電極を駆動回路
500と並列に接続し、屈曲振動を励振するための電極
と駆動回路500との間にコンデンサ505を接続する
ようにすればよい。ここで、屈曲振動を電気的に励振す
る電極とは、形状のアンバランスといった機械的な特性
に誘発されるものではなく、その電極が形成された部位
の圧電素子が伸縮することにより直接屈曲振動を生じさ
せるできる部分に形成された電極であり、例えば図18
に示すように、矩形状の圧電素子130上のほぼ4分割
した部分の各々に電極131,132,133,134
を設けた場合にも図中矢印で示すように圧電素子が伸縮
することにより二次の屈曲振動を電気的に生じさせるこ
とができ、これらの電極131,132,133,13
4は屈曲振動を電気的に励振するものであるといえる。
ただし、この場合には大きな縦振動を励振することがで
きないため、上記実施形態および各変形例では、縦振動
を励振する電極をほぼ全域に形成した上で、部分的に微
小な屈曲振動を励振するための電極を形成しているので
ある。
【0066】(変形例2)また、上述した実施形態で
は、駆動回路500と電極33a,33cとの間にコン
デンサ505を接続するようにしていたが、これに代え
て図19に示すように、コイル510を接続するように
してもよい。このようにコイル510を接続する場合、
コイル510の容量としては、コンデンサ505と同様
の周波数調整を行うために図20(a)、(b)に示す
等価回路を用意し、次式をコイル510(=コイルL
3)の容量(L3)について解いた値のものを用いるよ
うにすればよい。
【数2】 なお、駆動回路500と電極33a,33cとの間に、
コンデンサ505およびコイル510の両方を接続する
ようにしてもよい。
【0067】(変形例3)また、上述した実施形態では
発振回路504を有する駆動回路500を別に設けて圧
電素子30,31に駆動電圧を印加する、いわゆる他励
発振を行うようにしていたが、自励発振により圧電素子
30,31を駆動する構成としてもよい。例えば、図2
1に示すように、振動板10を振動子としたコルピッツ
型の駆動回路を構成するようにしてもよい。
【0068】(変形例4)また、上述した実施形態で
は、縦振動(一次)の共振周波数が屈曲振動(二次)の
共振周波数よりも若干小さいといった特性を有する振動
板10を用いた場合について説明したが、振動板10の
寸法によっては縦振動の共振周波数が屈曲振動の共振周
波数よりも若干大きくなる場合もある。このような特性
を有する振動板10を用いる場合には、コンデンサ50
5やコイル510を屈曲振動を電気的に励振するための
電極(電極33a,33c)以外の電極、すなわち電極
33bと駆動回路500との間に接続するようにすれば
よい。なお、このような特性を有する振動板10を採用
した場合、振動板10の変位による突起部36の楕円軌
道が逆方向となり、ロータ100を駆動する方向が図4
中反時計回り(上記実施形態とは逆方向)となる。この
ため、このような特性の振動板10を採用する場合に
は、ロータ100と振動板10の位置関係を必要な駆動
方向に応じて上記実施形態から変更する必要がある。
【0069】(変形例5)また、上述した実施形態で
は、矩形状の振動板10を用いるようにしていたが、振
動板10の形状は矩形状に限るものではなく、長手方向
を有する形状であればよく、例えば台形状、平行四辺形
状、ひし形状、三角形状等の様々な形状のものを用いる
ことができる。
【0070】(変形例6)また、上述した実施形態で
は、圧電アクチュエータA1を腕時計に搭載されるカレ
ンダー表示機構の駆動機構として採用した場合を例に挙
げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、他の種類の機器、例えば玩具などのアミューズメン
ト機器の駆動機構や小型送風機の駆動機構に適用するこ
とが可能である。また、上述したように圧電アクチュエ
ータA1は、薄型化、小型化が可能であり、かつ高効率
での駆動が可能であるため、電池駆動される携帯機器等
に搭載するアクチュエータとして好適である。
【0071】(変形例7)また、上述した実施形態で
は、振動板10が振動することにより、突起部36に当
接しているローター100を回転駆動するようになって
いたが、これに限らず、駆動対象を直線状に駆動するリ
ニアアクチュエータに本発明を適用することも可能であ
る。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡易な構成の駆動回路を用いながら、より安定した駆動
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る腕時計におけるカ
レンダー表示機構の主要部の構成を示す平面図である。
【図2】 前記腕時計の概略構成を示す側断面図であ
る。
【図3】 前記カレンダー表示機構の主要部を示す側断
面図である。
【図4】 前記カレンダー表示機構の構成要素である圧
電アクチュエータの構成を示す平面図である。
【図5】 前記圧電アクチュエータの構成要素である振
動板を示す側断面図である。
【図6】 前記振動板の圧電素子に電圧を印加する際の
概略の駆動構成を示す図である。
【図7】 前記振動板の圧電素子の面上に形成される電
極を説明するための図である。
【図8】 前記振動板が縦振動する様子を模式的に示す
図である。
【図9】 前記振動板が屈曲振動する様子を模式的に示
す図である。
【図10】 前記振動板の振動時における突起部の軌道
を説明するための図である。
【図11】 前記振動板の振動周波数とインピーダンス
との関係の一例を示すグラフである。
【図12】 前記圧電アクチュエータの駆動構成を示す
図である。
【図13】 前記圧電アクチュエータの駆動回路から見
たコンデンサを含む振動板の振動周波数とインピーダン
スとの関係を示すグラフである。
【図14】 (a)は前記振動板の縦振動および屈曲振
動の等価回路を示す図であり、(b)は前記コンデンサ
を含む前記振動板の縦振動および屈曲振動の等価回路を
示す図である。
【図15】 前記圧電アクチュエータの変形例を示す図
である。
【図16】 前記圧電アクチュエータの変形例を示す図
である。
【図17】 前記圧電アクチュエータの変形例を示す図
である。
【図18】 前記圧電アクチュエータの変形例における
電極部を説明するための図である。
【図19】 前記圧電アクチュエータの他の変形例の駆
動構成を示す図である。
【図20】 (a)は前記圧電アクチュエータの他の変
形例における振動板の縦振動および屈曲振動の等価回路
を示す図であり、(b)はコイルを含む前記振動板の縦
振動および屈曲振動の等価回路を示す図である。
【図21】 前記圧電アクチュエータの前記振動板を振
動子とする自励発振回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
10……振動板、11……支持部材、30,31……圧
電素子、33,33a,33b,33c,33d,33
e,33f,33g,33h,33i,33j……電
極、36……突起部、100……ローター、103……
地板、500……駆動回路、504……発振回路、50
5……コンデンサ、510……コイル、A1……圧電ア
クチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤羽 秀弘 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 瀬戸 毅 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 高城 邦彦 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2F082 AA00 BB02 DD01 DD10 EE02 EE03 EE05 EE06 FF01 HH00 5H680 AA00 AA06 AA19 BB01 BB11 BB15 BC02 CC02 CC10 DD01 DD15 DD23 DD28 DD39 DD53 DD67 DD73 DD82 DD92 DD95 EE10 EE12 FF16 FF17 FF26 FF32 GG02 GG27

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、 長手方向を有する板状の圧電素子を備え、前記支持体に
    対して振動可能に支持される振動板と、 前記振動板の長手方向の一端側に設けられ、駆動対象と
    当接させられる当接部と、 前記圧電素子上に設けられる複数に分割された電極部
    と、 並列に前記各電極部に単一の周波数の駆動電圧を供給す
    る駆動回路とを備え、前記駆動電圧を前記各電極部を介
    して前記圧電素子に供給することにより、前記圧電素子
    を振動させて前記振動板に前記縦振動および前記長手方
    向に直交する幅方向に揺動する屈曲振動を生じさせ、こ
    の振動に伴う前記当接部の変位によって前記駆動対象を
    駆動する圧電アクチュエータであって、 前記駆動回路と、当該駆動回路に並列接続される前記各
    電極部のうち前記屈曲振動を電気的に励振するために設
    けられた前記電極部もしくはそれ以外の前記電極部のい
    ずれかとの間に設けられ、前記駆動回路から供給される
    駆動電圧の周波数を調整する周波数調整手段を具備し、 前記周波数調整手段は、前記振動板の縦振動の所定次数
    の共振周波数と、前記屈曲振動の所定次数の共振周波数
    との差に応じた周波数調整を行うことにより、当該周波
    数調整手段を含む前記振動板の前記所定次数の縦振動と
    前記所定次数の屈曲振動の共振周波数がほぼ一致するよ
    うにしたことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記周波数調整手段により調整された
    駆動電圧が供給される前記電極部は、前記振動板に生じ
    る前記屈曲振動の振幅が極大値となる位置近傍に設けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチ
    ュエータ。
  3. 【請求項3】 前記周波数調整手段は、コンデンサまた
    はコイルを有していることを特徴とする請求項1または
    2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記駆動回路は、前記振動板を振動子と
    する自励発振回路を有しており、当該自励発振回路から
    発振される周波数の駆動電圧を供給することを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電アクチュエ
    ータ。
  5. 【請求項5】 前記振動板は、前記圧電素子と補強板と
    が積層された構造であることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の圧
    電アクチュエータと、 前記圧電アクチュエータによって駆動されるリング状の
    カレンダー表示車とを具備することを特徴とする時計。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかに記載の圧
    電アクチュエータと、 前記圧電アクチュエータに電力を供給する電池とを具備
    することを特徴とする携帯機器。
  8. 【請求項8】 支持体と、 長手方向を有する板状の圧電素子を有しており、前記支
    持体に対して振動可能に支持される振動板と、 前記振動板の長手方向の一端側に設けられ、駆動対象と
    当接させられる当接部と、 前記圧電素子上に設けられる複数に分割された電極部
    と、 前記各電極部に並列に単一の周波数の駆動電圧を供給す
    る駆動回路と、 前記駆動回路と、当該駆動回路に並列接続される前記各
    電極部のうち前記屈曲振動を電気的に励振するために設
    けられた前記電極部もしくはそれ以外の前記電極部のい
    ずれかとの間に設けられ、前記駆動回路から供給される
    駆動電圧の周波数を調整する周波数調整手段とを備え、
    前記駆動電圧を前記各電極部を介して前記圧電素子に供
    給することにより、前記圧電素子を振動させて前記振動
    板に前記縦振動および前記長手方向に直交する幅方向に
    揺動する屈曲振動を生じさせ、この振動に伴う前記当接
    部の変位によって前記駆動対象を駆動する圧電アクチュ
    エータを設計する方法であって、 前記振動板のインピーダンス特性を測定するステップ
    と、 前記インピーダンス特性に基づいて、前記振動板の前記
    縦振動の所定次数の共振周波数と、前記屈曲振動の所定
    次数の共振周波数とを求めるステップと、 前記インピーダンス特性から求めた前記縦振動の共振周
    波数と前記屈曲振動の共振周波数とに基づいて、前記周
    波数調整手段を含む前記振動板の前記所定次数の縦振動
    と前記所定次数の屈曲振動の共振周波数がほぼ一致する
    ように、前記振動板の縦振動の所定次数の共振周波数と
    前記屈曲振動の所定次数の共振周波数との差に応じた周
    波数調整を行う前記周波数調整手段を決定するステップ
    とを具備することを特徴とする圧電アクチュエータの設
    計方法。
  9. 【請求項9】 前記周波数調整手段は、コンデンサまた
    はコイルであり、前記周波数調整手段を決定するステッ
    プでは、コンデンサまたはコイルの容量を決定すること
    を特徴とする請求項8に記載の圧電アクチュエータの設
    計方法。
  10. 【請求項10】 支持体と、 長手方向を有する板状の圧電素子を有しており、前記支
    持体に対して振動可能に支持される振動板と、 前記振動板の長手方向の一端側に設けられ、駆動対象と
    当接させられる当接部と、 前記圧電素子上に設けられる複数に分割された電極部
    と、 前記各電極部に並列に単一の周波数の駆動電圧を供給す
    る駆動回路と、 前記駆動回路と、当該駆動回路に並列接続される前記各
    電極部のうち前記屈曲振動を電気的に励振するために設
    けられた前記電極部もしくはそれ以外の前記電極部のい
    ずれかとの間に設けられ、前記駆動回路から供給される
    駆動電圧の周波数を調整する周波数調整手段とを備え、
    前記駆動電圧を前記各電極部を介して前記圧電素子に供
    給することにより、前記圧電素子を振動させて前記振動
    板に前記縦振動および前記長手方向に直交する幅方向に
    揺動する屈曲振動を生じさせ、この振動に伴う前記当接
    部の変位によって前記駆動対象を駆動する圧電アクチュ
    エータを製造する方法であって、 前記振動板のインピーダンス特性を求め、 前記インピーダンス特性から求めた前記振動板の前記縦
    振動の所定次数の共振周波数と、前記屈曲振動の所定次
    数の共振周波数とに基づいて、前記周波数調整手段を含
    む前記振動板のインピーダンス特性に示される前記所定
    次数の縦振動と前記所定次数の屈曲振動の共振周波数が
    ほぼ一致するように、前記振動板の縦振動の所定次数の
    共振周波数と前記屈曲振動の所定次数の共振周波数との
    差に応じた周波数調整を行う前記周波数調整手段を決定
    し、 決定した前記周波数調整手段を、前記駆動回路と、当該
    駆動回路に並列接続される前記各電極部のうちの前記屈
    曲振動を電気的に励振するために設けられた前記電極部
    との間に接続する工程を具備することを特徴とする圧電
    アクチュエータの製造方法。
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