JP3831901B2 - 脈波の立ち上がり特徴点検出装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は脈波の立ち上がり特徴点を検出する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動脈硬化等の血管疾患の指標として、脈波伝播速度又は脈波速度(Pulse Wave Velocity:PWV)が一般的に用いられている。PWVは心臓から大動脈に血液を送り出す際に派生した血管壁圧が動脈中を移動する際に発生する波動(血圧脈波又は容積脈波)が血管壁を伝わる早さであり、速くなるほど血管が硬くなっていることを意味する。PWVは血管上の2点で脈波を測定し、その伝播時間で2点間の距離を除すことにより求められる。
【0003】
脈波伝播速度を求める際に用いる伝播時間は、2点で測定された脈波の特徴点(区分点)を基準として求められる。どのような特徴点を用いるかについては決められておらず、様々な特徴点が提案されているが、一般に脈波の立ち上がり点(ボトム)を特徴点として用いる方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、脈波の立ち上がり点付近は脈波の傾きが緩やかに変化する領域であり、そもそも立ち上がり点の検出は容易でない。それに加え、脈波は変動しやすく、検出をより困難にしている。特にカフを用いて測定される血圧脈波(容積脈波)はカフに加わる圧力の変動であるため、簡便に測定可能である反面、外乱の影響を受けやすい。そのため、立ち上がり点の近傍に脈波が下に凸となる位置が複数存在することもあり、立ち上がり点を安定して検出することは困難である。
【0005】
特に比較的離れた2点間で脈波を検出する脈波伝播速度測定においては、2点間を伝播する間にも血管の分岐等様々な要因により波形自体が変動する。脈波伝播速度は、脈波の特徴点を基準に伝播遅延を決定するため、異なる位置で測定した脈波であっても、また脈波自体の変動や測定時の外乱があったとしても、伝播遅延が変動しないような特徴点であることが望ましい。
【0006】
従って、本発明の目的は、簡便な方法で、かつ脈波の変動による影響が少ない脈波の立ち上がり特徴点を検出することが可能な脈波の立ち上がり特徴点検出装置及び方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、脈波の所定の一周期内における最小値、最大値、当最小値と最大値の差及び、最小値と最大値の間に存在する変曲点を検出する検出手段と、最小値が検出された時刻から第1の所定時刻遡った第1の時刻において脈波と交わり、最小値と最大値の差と第2の所定時刻とから求まる傾きを有する直線を求める直線算出手段と、最小値が検出された時刻から、変曲点に対応する第3の時刻との区間において、直線から最も遠い脈波上の点を求め、当脈波上の点を脈波の立ち上がり特徴点とする探索手段とを有することを特徴とする脈波の立ち上がり特徴点検出装置に存する。
【0008】
また、本発明の別の要旨は、脈波の所定の一周期内における最小値、最大値、当最小値と最大値の差及び、最小値と最大値の間に存在する変曲点を検出する検出ステップと、最小値が検出された時刻から第1の所定時刻遡った第1の時刻において脈波と交わり、最小値と最大値の差と第2の所定時刻とから求まる傾きを有する直線を求める直線算出ステップと、最小値が検出された時刻から、変曲点に対応する第3の時刻との区間において、直線から最も遠い脈波上の点を求め、当脈波上の点を脈波の立ち上がり特徴点とする探索ステップとを有することを特徴とする脈波の立ち上がり特徴点検出方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明をその好適な実施形態に基づき詳細に説明する。図1は、本発明に係る脈波の立ち上がり特徴点検出装置の一例としてのPWV測定装置の構成例を示す図である。
【0010】
図において、10はPWV測定装置の全体制御を司る演算制御部であり、例えば図示しないCPU、ROM、RAM(不揮発性RAMを含む)、各種インタフェース等を有する汎用コンピュータ装置であり、例えば内蔵もしくは外付けされたハードディスク、光ディスク等の大容量記憶装置やROMに記憶された制御プログラムをCPUが実行することにより、後述する脈波測定処理、立ち上がり特徴点検出処理及びPWV測定処理を含めた装置全体の動作を制御、実行する。もちろん、全てをソフトウェアにより処理せず、少なくともその一部をハードウェアによって実現しても構わない。
【0011】
演算制御部10は、上肢用駆血制御部201及び下肢用駆血制御部202から供給される脈波信号(および、必要に応じて心音検出部203から供給される心音信号)を用いて、各種の脈波伝播速度を算出する。求められる脈波伝播速度としては、R−PWV(上腕−右足首間の脈波伝播速度)、L−PWV(上腕−左足首間の脈波伝播速度)、B−PWV(心臓−上腕間の脈波伝播速度)等がある。
【0012】
上肢用駆血制御部201及び下肢用駆血制御部202は、演算制御部10の制御に従い、図示しないポンプや排気弁等を用いて、ホース21h、22hを介して接続される各2つのカフ21R、L及び22R、Lのゴム嚢(21aR,21aL,22aR,22aL)の加圧/減圧(駆血)制御を行う。また、上肢用駆血制御部201及び下肢用駆血制御部202にはまた、ホース21h、22hを伝播してくる脈波を検出するセンサ、例えば圧力センサ(211R、L及び221R、L)が設けられる。なお、図4では上肢用駆血制御部201と下肢用駆血制御部202とが独立して設けられる構成を示すが、一体化されていても良い。
【0013】
心音検出部203は、心音マイク23を用いて検出された被験者の心音から、脈波の立ち上がりに対応する心音(例えば(II音))を検出し、心音信号として演算制御部10に通知する。心音信号は主に、B−PWVを求める際、心臓における脈波の開始時点を決定するために用いられる。
【0014】
心電信号検出部204は心電電極24a、24bにより検出した心電信号を取得し、演算制御部10へ供給する。心電信号はより総合的な診断を行う際に必要に応じて取得する。
【0015】
脈波検出部205は、アモルファスセンサ等脈波センサ25a、25bにより検出した脈波、具体的には頸動脈波及び股動脈波を演算制御部10へ供給する。これらの脈波は、大動脈PWVを測定する際に用いられる。
【0016】
演算制御部10にはまた、各種の操作ガイダンスや計測結果、診断指標を表示可能な表示部70、計測結果、診断指標を記録出力可能な記録部75、計測結果、診断指標を保存する、例えばハードディスクドライブや書き込み可能な光ディスクドライブ、不揮発性半導体メモリ等からなる保存部80、音声でのガイダンス出力や各種報知音が出力可能な音声発生部85、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネル等からなり、ユーザによる入力、指示を可能にする入力/指示部90が接続されている。また、これ以外にも、他の機器と通信を行うための通信インタフェースや、リブーバブルメディアを用いる記憶装置等が設けられても良い。
【0017】
このような構成を有するPWV測定装置を用いてPWVの測定を行う場合、準備段階として、心音マイク23を被験者の胸部に、上肢用のカフ21R、21L(以下、まとめてカフ21と言うことがある)をそれぞれ被験者の右、左の上腕部に、下肢用のカフ22R、22L(以下、まとめてカフ22と言うことがある)をそれぞれ被験者の足首に装着する。心音マイク23の装着はテープ又は両面シール等で、カフ21、22の装着は面ファスナー等により行うことができる。
【0018】
また、心電信号を取得する場合には心電電極24a、24bを例えば左右手首に装着する。装着部位には良好な検出のために通常行われるようにクリーム等を塗布する。心電電極の装着部位は取得する誘導種別に応じて変更可能である。さらに、脈波センサを用いて直接脈波を取得する場合には、首の頸動脈拍動部位と、足の付け根部分の股動脈拍動部にそれぞれ脈波センサ25a、25bを貼り付ける。なお、カフによる脈波取得と脈波センサによる脈波取得は同時に行うことも可能であるし、一方のみを用いて脈波の取得を行うことも可能である。
【0019】
測定の準備が完了し、例えば入力/指示部90から測定開始指示が与えられると、演算制御部10は上肢用駆血制御部201、下肢用駆血制御部202及び心音検出部203に対して処理の開始を指示する。
【0020】
上肢用駆血制御部201及び下肢用駆血制御部202は指示を受けてカフ21、22に対しホース21h、22hを介して四肢のカフに対して空気を送り、圧力センサ(211R、L及び221R、L)が所定の圧力を検出するまでゴム嚢21aR,21aL,22aR,22aLを膨らませる。この圧力は任意に設定可能であるが、圧力が高すぎると脈の伝播を妨げ、また被験者が感じる圧迫感が大きくなり、また圧力が低すぎると脈波の検出が困難になるため、脈波の検出に支障が無い範囲で低い圧力に設定することが好ましい。
【0021】
カフの圧力が上がると、カフのゴム嚢21aR,21aL,22aR,22aL及びホース21h、22hを介して脈波が空気の圧力波として伝播し、圧力センサ(211R、L及び221R、L)で検出される。上肢用駆血制御部201及び下肢用駆血制御部202は、この圧力センサ(211R、L及び221R、L)が検出した脈波を電気信号に変換し(一般には圧力センサ自体が圧力を電気信号に変換して出力する)、各カフから得られた脈波信号としてそれぞれ演算制御部10へ出力する。演算制御部10は、これらの脈波信号をA/D変換等適切な処理を行ってから保存部80へ記憶する。
【0022】
一方、心音検出部203は、心音マイク23から入力される信号(心音マイク23の構成に依存した加速度信号、音圧信号等)から、脈波の立ち上がりに対応する心音(例えば(II音))を検出し、心音信号により検出を通知する。演算制御部10は、脈波信号と同様に、心音信号についても記憶部80に記憶する。
【0023】
演算制御部10は、上肢用駆血制御部201から得られる、右上腕部における脈波信号と、下肢用駆血制御部202から得られる、右足首における脈波信号とから、R−PWVを求める。具体的には2つの脈波信号の相関を求め、対応する脈波の立ち上がり特徴点を以下に詳細を説明するようにそれぞれ求め、立ち上がり特徴点の伝播遅延(TR)と、被験者の身長から求めた、上腕、下肢のカフの装着部位間の血管長(大動脈起始部から右足首カフ装着部位までの距離と、大動脈起始部から右上腕カフ装着部位までの距離の差:L3)から、R−PWVを求める。
【0024】
また、同様にして上肢用駆血制御部201から得られる、右上腕部における脈波信号と、下肢用駆血制御部202から得られる、左足首における脈波信号とから求めた伝搬遅延(TL)及び、大動脈起始部から右足首カフ装着部位までの距離と、大動脈起始部から右上腕カフ装着部位までの距離の差(L2)とから、L−PWVを求める。
【0025】
また、B−PWVについては、心音信号から検出される心音第II音の立ち上がりから、右上腕部カフ脈波切痕までの時間差(TB)と、被験者の身長等から求められる、大動脈起始部から右上腕部カフ装着部位までの血管の長さ(L1)を用いて算出する。
【0026】
具体的には各PWVは以下のように求められる。
R−PWV=L3/TR
L−PWV=L2/TL
B−PWV=L1/TB
【0027】
また、演算制御部10は、脈波センサ25a、25bを用いる場合も用いない場合も、心電電極24a、24bを用いて検出した心電信号を保存部80へ記憶することが可能である。
【0028】
PWVの測定が終了すると、演算制御部10は上肢用駆血制御部201及び下肢用駆血制御部202によってカフを解放させ、測定処理を終了する。
【0029】
(立ち上がり特徴点検出処理)
次に、図2に示すフローチャートと、図3〜図5に示す波形図を参照して、本発明の特徴を構成する脈波の立ち上がり特徴点検出処理について説明する。なお、以下に説明する立ち上がり特徴点検出処理は、2点で測定した脈波から予め同一の拍動に対応する脈波として決定された脈波についてなされる。このような、特徴点検出に用いられる脈波は、測定結果の相関から決定したり、あるいは心臓に近い測定点で測定した一周期分の脈波(脈波1)と、心臓から遠い測定点で測定した脈波のうち、脈波1から所定時間以内(例えば一般的な脈波一周期未満)の遅れを有する一周期分の脈波を検出する等、任意の方法によって決定することができる。
【0030】
また、この立ち上がり特徴点検出処理は、演算制御部10が保存部80等必要な構成要素を用いて実行する。
【0031】
まず、図3に示すように、検出対象となる脈波のボトム(最小値)と、ピーク(最大値)を探索する(ステップS201)。探索方法は任意の方法を採用できるが、本実施形態では平滑化微分を用いる。また、ボトムとピークの間に存在する変曲点(最大傾斜点)Dも検出する。
【0032】
次に、図4に示すように、ボトムとピークの差Hを求め(ステップS203)、さらにボトムが検出した時刻から所定時刻、ここでは128ms前の時刻に脈波と交わり(交点をP0とする)、傾きθがボトムとピークの差Hと、所定時刻、ここでは256msとで定まる直線L、すなわち傾きθがtan-1(H/256ms)の直線Lを求める(ステップS207)。
【0033】
そして、図5に示すように、ボトムから、点P0に対応する時刻以降直線Lが再度脈波と交わる点P1に対応する時刻もしくは脈波の変曲点Dに対応する時刻のうち、早い時刻との区間で、直線Lとの距離dが最も大きな脈波上の点Xを検出し、立ち上がり特徴点とする(ステップS209)。
【0034】
なお、直線Lとの距離が最も大きい点Xは、ある時間に対応する直線Lの点と、対応する時刻における脈波の値の差が最も大きな点を探索することにより求めることができる。これは、図6に示すように、直線Lの点aから脈波へおろした垂線との交点Aと、交点Aから直線Lへ垂直に引いた直線との交点bからなる三角形aAbは、直線Lの点cから脈波へおろした垂線との交点Bと、交点Bから直線Lへ垂直に引いた直線との交点dからなる三角形cBdと相似であり、この関係は直線LにおけるP0<x<P1の任意の区間で成立する。従って、同一時刻に対応する直線Lの値と脈波の値の差が最大になる時刻で、脈波と直線Lとの距離が最大になる。
【0035】
本実施形態においては探索開始位置を脈波ボトムから128ms前の点からとしたが、この時間は任意に設定することが可能である。ただし、ステップS201においてピークとボトムを検出するために平滑化微分を行う場合、その間隔とポイント数の積に設定することが好ましい。具体的には、間隔4ms、32ポイントの平滑化微分を行った場合、128ms前の点からとすることが好ましい。
【0036】
また、直線Lの傾きを決定する256msという時間についても変更可能である。ただし、健常人の脈波の立ち上がり時間(ボトムからピークまでの時間)は一般に100〜150msであるため、その2〜3倍である200〜300msに設定することが好ましい。また、この時間は動的に決定又は変更することも可能であり、例えばピークとボトムを検出した際にその時間が健常人の時間よりも有意に大きい被検者については、直線Lが確実に脈波と交わるよう、より大きな時間に設定するように構成することも可能である。
【0037】
本実施形態においては、ボトムと、点P0に対応する時刻以降直線Lが再度脈波と交わる点P1に対応する時刻もしくは脈波の変曲点Dに対応する時刻のうち、早い時刻との区間を対象に立ち上がり特徴点を探索した。しかし、ノイズ等の影響によって直線Lの傾きが小さくなったことにより点P1に対応する時刻が編曲点Dに対応する時刻よりも早くなることもあり得るため、計算量の増加よりも信頼性を重視する場合には、直線Lが再度脈波と交わる点P1に対応する時刻には無関係に、ボトムと、脈波の変曲点Dに対応する時刻との区間で立ち上がり特徴点を探索しても良い。
【0038】
なお、本実施形態においては、立ち上がり特徴点検出装置の一例としてのPWV測定装置を説明したが、本発明に係る立ち上がり特徴点検出装置としては図2を用いて説明した立ち上がり特徴点検出処理に必要な構成があれば足り、脈波の測定にのみ用いるカフ、脈波センサ等の構成要素や、心電電極等、心電信号の取得のみに用いる構成要素は本発明に係る立ち上がり特徴点検出装置には必須ではない。
【0039】
次に、本発明に係る立ち上がり特徴点検出方法を実際の脈波を用いて評価した。本実施形態に係る立ち上がり特徴点検出装置を用い、同一被検者の右上腕部と右足首に装着したカフから脈波を検出した。そのうちの6拍分の脈波を図7に示す。図7において、波形aが右上腕部、波形bが右足首で得られた脈波である。
【0040】
波形a、bについて、円c、d内の矢印で、脈波のボトム位置を示す。例えば円c、d内の脈波aについて矢印が指す位置を見ると分かるように、波形のボトムは必ずしも脈波の立ち上がりとはならない。その結果、円cで示した2拍目の波形aとbの立ち上がり特徴点間の時間差t1と、円dで示した5拍目の時間差t2の値は大きく異なることになる。
【0041】
具体的に、図7に示した6拍分の脈波について、傾きθがtan-1(H/256ms)の直線Lを用い、探索領域の開始時刻を波形ボトムから128ms前、終了時刻を変曲点と点P1に対応する時刻の早い方とし、本実施形態で説明した方法で検出した立ち上がり特徴点を用いて求めた脈波の時間差(伝播遅延)と、脈波のボトムを立ち上がり特徴点として求めた時間差は以下の表1に示す通りである。
【0042】
表1
【0043】
このように、本発明に係る方法で検出した立ち上がり特徴点を用いることにより、波形変動の影響を受けず、安定した伝播遅延が求められることがわかる。上述のように、脈波伝播時間の測定結果は脈波伝播速度の算出結果に大きく影響するため、伝播遅延のばらつきが小さいことは、信頼性の高い脈波伝播速度の算出に繋がる。
【0044】
例えば、上述の脈波が身長が170cmの被検者から得られたものとすると、表1に示す伝播遅延を用いて算出されるPWVの値は以下の表2に示す通りである。
【0045】
表2
1拍目 2拍目 3拍目 4拍目 5拍目 6拍目
14.06 14.23 14.23 14.06 14.23 14.23
12.26 11.30 14.97 14.97 15.17 11.09
(PWV、単位m/s)
【0046】
このように、最終的に得られるPWVの値も非常に安定したものとなり、信頼性の高い測定結果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡便な方法で、かつ脈波の変動による影響が少ない脈波の立ち上がり特徴点を検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る脈波の立ち上がり特徴点検出装置の一例としてのPWV測定装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における立ち上がり特徴点検出処理の手順を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態における立ち上がり特徴点検出処理を説明する波形図である。
【図4】本発明の実施形態における立ち上がり特徴点検出処理を説明する波形図である。
【図5】本発明の実施形態における立ち上がり特徴点検出処理を説明する波形図である。
【図6】本発明の実施形態における立ち上がり特徴点検出処理を説明する波形図である。
【図7】ボトムを立ち上がり特徴点とした場合の問題点を説明する波形図である。
Claims (6)
- 脈波の所定の一周期内における最小値、最大値、当該最小値と最大値の差及び、前記最小値と最大値の間に存在する変曲点を検出する検出手段と、
前記最小値が検出された時刻から第1の所定時刻遡った第1の時刻において前記脈波と交わり、前記最小値と最大値の差と第2の所定時刻とから求まる傾きを有する直線を求める直線算出手段と、
前記最小値が検出された時刻から、前記変曲点に対応する第3の時刻との区間において、前記直線から最も遠い前記脈波上の点を求め、当該脈波上の点を前記脈波の立ち上がり特徴点とする探索手段とを有することを特徴とする脈波の立ち上がり特徴点検出装置。 - 前記探索手段が、前記最小値が検出された時刻から、前記直線が前記第1の時刻以降に前記脈波と交わる第2の時刻と前記変曲点に対応する第3の時刻のうち早い時刻との区間において、前記直線から最も遠い前記脈波上の点を求め、当該脈波上の点を前記脈波の立ち上がり特徴点とすることを特徴とする請求項1記載の脈波の立ち上がり特徴点検出装置。
- 前記探索手段が、前記直線から最も遠い前記脈波上の点を求める区間において、同時刻に対応する前記直線の値と前記脈波の値の差が最も大きくなる前記脈波上の点を前記立ち上がり特徴点とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脈波の立ち上がり特徴点検出装置。
- 脈波の所定の一周期内における最小値、最大値、当該最小値と最大値の差及び、前記最小値と最大値の間に存在する変曲点を検出する検出ステップと、
前記最小値が検出された時刻から第1の所定時刻遡った第1の時刻において前記脈波と交わり、前記最小値と最大値の差と第2の所定時刻とから求まる傾きを有する直線を求める直線算出ステップと、
前記最小値が検出された時刻から、前記変曲点に対応する第3の時刻との区間において、前記直線から最も遠い前記脈波上の点を求め、当該脈波上の点を前記脈波の立ち上がり特徴点とする探索ステップとを有することを特徴とする脈波の立ち上がり特徴点検出方法。 - 前記探索ステップが、前記最小値が検出された時刻から、前記直線が前記第1の時刻以降に前記脈波と交わる第2の時刻と前記変曲点に対応する第3の時刻のうち早い時刻との区間において、前記直線から最も遠い前記脈波上の点を求め、当該脈波上の点を前記脈波の立ち上がり特徴点とすることを特徴とする請求項4記載の脈波の立ち上がり特徴点検出方法。
- 前記探索ステップが、前記直線から最も遠い前記脈波上の点を求める区間において、同時刻に対応する前記直線の値と前記脈波の値の差が最も大きくなる前記脈波上の点を前記立ち上がり特徴点とすることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の脈波の立ち上がり特徴点検出方法。
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