JP3831766B2 - ロール紙型記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール紙を引き出して文字、図形、写真等を印画するロール紙型記録装置に係り、特にカラー用昇華型熱転写記録式のロール紙型記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録装置(プリンタ)として、熱転写記録式、感圧記録式等からなる記録ヘッドにより、ロール紙に記録を行なうロール紙型記録装置がある。このロール紙型記録装置では、ロール紙巻出軸を備えるとともに、ロール紙巻出軸に負荷トルクを与えてロール紙に巻出軸から引き出されるロール紙にバックテンションを付与するテンション付与装置をロール紙巻出軸に接続してなるロール紙供給部と、ロール紙をロール紙巻出軸からプラテンローラまわりを経て引き出すロール紙引き出し部と、ロール紙のプラテンローラにバックアップ支持されている部分に対し記録作業を行なう記録ヘッドとを有することとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来技術では、ロール供給部のテンション付与装置がロール紙巻出軸に与える負荷トルクTが一定であり、これに対してロール紙巻出軸から引き出されるロール紙の巻き径rは用紙の消費により刻々に減少している。このため、テンション付与装置がロール紙に付与するバックテンションF(=T/r)はロール紙の使用経過による巻き径の減少とともに増大することとなる。即ち、ロール紙の巻き径が大きいときにはバックテンションが小さく、巻き径が小さくなるとバックテンションが大きくなり、このことがロール紙の伸び等の挙動を変動せしめ、ロール紙における印画の見当精度を悪くする。
【0004】
本発明の課題は、ロール紙型記録装置において、ロール紙の巻き径の変化に起因するロール紙のバックテンションの変化を抑制し、ロール紙における印画の見当精度を向上することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、ロール紙巻出軸を備えるとともに、ロール紙巻出軸に負荷トルクを与えてロール紙巻出軸から引き出されるロール紙にバックテンションを付与するテンション付与装置をロール紙巻出軸に接続してなるロール紙供給部と、ロール紙をロール紙巻出軸からプラテンローラまわりを経て引き出すロール紙引き出し部と、ロール紙のプラテンローラにバックアップ支持されている部分に対し記録作業を行なう記録ヘッドとを有してなるロール紙型記録装置において、前記テンション付与装置は、ロール紙巻出軸から引き出されるロール紙の巻き径が減少する特定の段階で、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクを減少可能にするものであり、ロール紙巻出軸又はロール紙巻出軸に連動する連動軸に摩擦接続された複数の摩擦トルク板を備えるとともに、各摩擦トルク板をロックするロック装置を備え、複数の摩擦トルク板のうちのいずれかの摩擦トルク板のロック装置をオフ制御して当該摩擦トルク板をロック解除することにより、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクを減少可能にし、前記複数の摩擦トルク板はそれら摩擦トルク板に摩擦接触する各トルク伝達板を介してロール紙巻出軸又はロール紙巻出軸に連動する連動軸に接続されるとともに、各トルク伝達板を各摩擦トルク板に押圧する複数のばねを備え、各ばねのばね力の比率の調整によりロール紙の巻き径の変化による負荷トルクの変化を設定替えするようにしたものである。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、ロール紙巻出軸を備えるとともに、ロール紙巻出軸に負荷トルクを与えてロール紙巻出軸から引き出されるロール紙にバックテンションを付与するテンション付与装置をロール紙巻出軸に接続してなるロール紙供給部と、ロール紙をロール紙巻出軸からプラテンローラまわりを経て引き出すロール紙引き出し部と、ロール紙のプラテンローラにバックアップ支持されている部分に対し記録作業を行なう記録ヘッドとを有してなるロール紙型記録装置において、前記テンション付与装置は、ロール紙巻出軸から引き出されるロール紙の巻き径が減少する特定の段階で、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクを減少可能にするものであり、ロール紙巻出軸又はロール紙巻出軸に連動する連動軸に摩擦接続された複数の摩擦トルク板を備えるとともに、各摩擦トルク板をロックするロック装置を備え、複数の摩擦トルク板のうちのいずれかの摩擦トルク板のロック装置をオフ制御して当該摩擦トルク板をロック解除することにより、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクを減少可能にし、前記記録ヘッドによる1回の記録毎に、前記ロール紙引き出し部がロール紙を初期位置と引き出し位置との間で往復移動するとともに、前記ロール紙供給部は上記ロール紙引き出し部の引き出し位置から初期位置への戻り過程でロール紙をロール紙巻出軸に巻き戻すロール紙巻取モータを備え、ロール紙巻取モータは一方向クラッチを介して前記ロール紙巻出軸又は前記連動軸に備えた複数の摩擦トルク板が接続されているロック軸に接続され、一方向クラッチは、ロール紙巻取モータがロール紙巻出軸を逆転してロール紙をロール紙巻出軸に巻き戻すためのロール紙巻出軸の回転をロック軸に伝え、ロール紙をロール紙巻出軸から巻出し可能とするロール紙巻出軸の正転に伴うロック軸の回転はロックし、複数の摩擦トルク板のうちの前記いずれかの摩擦トルク板とロック軸との間に電磁クラッチを介装し、電磁クラッチは、ロール紙巻取モータが停止しているロール紙巻出軸からのロール紙の巻出段階でロール紙の巻き径が予め定めた値より大なるときにはオンして一方向クラッチによる回転ロック状態にあるロック軸に当該摩擦トルク板を固定的に結合して当該摩擦トルク板を回転ロックし、ロール紙の巻き径が予め定めた値より小になったときにオフして当該摩擦トルク板をロック解除して回転自由とし、ロール紙巻取モータが駆動せしめられるロール紙巻出軸へのロール紙の巻き戻し段階ではオンするようにしたものである。
【0008】
【作用】
(a)テンション付与装置が、ロール紙巻出軸から引き出されるロール紙の巻き径rが減少する特定の段階で、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクTを減少せしめる。即ち、ロール紙の巻き径が大きいときには負荷トルクを大きく、巻き径が小さくなると負荷トルクを小さくし、結果としてロール紙に付与するバックテンションF(=T/r)の変化を抑制した。これにより、バックテンションに基づくロール紙の伸び等の挙動の変化を抑え、ロール紙における印画の見当精度を向上できる。
【0009】
(b)テンション付与装置が、ロール紙巻出軸又はロール紙巻出軸に連動する連動軸に摩擦接続された複数の摩擦トルク板と、各摩擦トルク板のためのロック装置とを備えた。これにより、簡素な構成により、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクをロール紙の巻き径の変化に応じて段階的に変化させ、結果としてロール紙に付与するバックテンションの変化を抑制できる。
【0010】
(c)ロール紙にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのための計 4回、又はイエロー、マゼンタ、シアンのための計 3回のカラー印画を行なうに際し、それらの 1回の記録毎に、ロール紙引き出し部によりロール紙を初期位置と引き出し位置との間で往復移動せしめるとき、ロール紙巻取モータの巻取トルク伝達経路に上記(b)の摩擦トルク板或いは連動軸と摩擦トルク板を置いた。このため、ロール紙巻取モータにより駆動されるロール紙巻出軸の逆転を摩擦トルク板の存在により滑らせることを可能とし、このロール紙巻出軸の逆転によるロール紙の巻き戻し速度を、ロール紙引き出し部の戻り移動速度により規制されているロール紙の引き戻し速度に合致せしめ、ロール紙をたるみや過度の緊張のない安定した巻き姿でロール紙巻出軸に巻き戻しできる。このとき、ロール紙巻出軸をロール紙巻取モータにより単に一定回転で逆転させると、ロール紙巻出軸によるロール紙の巻き戻し速度がロール紙の巻き径の変化につれて変動し、ロール紙巻出軸へのロール紙の巻き姿が変動することになって、ロール紙のこれに続く再引き出し姿の安定を損ない、ひいてはロール紙の次回印画の見当精度を損なう虞れがある。
【0011】
即ち、摩擦トルク板を、ロール紙引き出し時のバックテンションの付与と、ロール紙引き戻し時の巻き姿の安定のために兼用でき、装置構成をコンパクトにできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1はロール紙型記録装置の一例を示す模式図、図2はロール紙供給部を示す模式図、図3はロール紙供給部の変形例を示す模式図である。
【0013】
カラー用昇華型熱転写記録装置10は、図1に示す如く、ケース11に、ロール紙供給部12、ロール紙引き出し部13、リボンカセット14、記録ヘッド15、ロール紙排出部16、切断部17、スタッカ部18、電装品19を備えている。
【0014】
ロール紙供給部12は、ロール紙1の巻芯1Aを着脱できるロール紙巻出軸21を備えるとともに、ロール紙巻出軸21に接続されるテンション付与装置22、ロール紙巻取モータ23を備える。テンション付与装置22は、ロール紙巻出軸21に負荷トルクを与えて、ロール紙引き出し部13によりロール紙巻出軸21から引き出されるロール紙1にバックテンションを付与し、ロール紙1の引き出し姿の安定を図る。ロール紙巻取モータ23は、ロール紙引き出し部13の戻り移動によるロール紙1のロール紙巻出軸21への巻き戻し過程で、ロール紙巻出軸21がロール紙1を安定した巻き姿で巻き戻しできるようにロール紙巻出軸21を逆転駆動せしめる。
【0015】
ロール紙引き出し部13は、ロール紙1の先端部をクランプするクランプ装置31を備え、このクランプ装置31にクランプしたロール紙1をロール紙巻出軸21からプラテンローラ32まわりを経て引き出す。ロール紙引き出し部13は、記録ヘッド15による 1回の記録毎に、ロール紙1を初期位置Aと引き出し位置Bとの間で直線往復移動せしめる。クランプ移動部33は、クランプ装置31の外側に設けられた歯車にタイミングベルトを装着し、このタイミングベルトをパルスモータで回転させる等により、タイミングベルトに保持されたクランプ装置31を直線往復移動せしめる。ロール紙1の初期位置Aと引き出し位置Bの間での引き出し速度と引き戻し速度は、クランプ移動部33によるクランプ装置31の移動速度に規制される。
【0016】
リボンカセット14は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの染料層を面順に有する昇華型インクリボン2の巻出芯2Aと巻取芯2Bをそれぞれ着脱できるリボン巻出軸41とリボン巻取軸42を備え、リボン巻出軸41から巻き出されてリボン巻取軸42に巻き取られるリボン2をプラテンローラ32まわりに引き回すとともに、リボン巻取モータ43を備える。リボン2は、印画時に記録ヘッド15によりロール紙1とともにプラテンローラ32に挟圧され、ロール紙引き出し部13のクランプ装置31により引き出されるロール紙1に連れ移動してリボン巻出軸41から巻き出されるとともに、リボン巻取モータ43により駆動されるリボン巻取軸42にたるみなく巻き取られる。
【0017】
記録ヘッド15は、印画時に待機位置から降下して、プラテンローラ32にロール紙1とリボン2を挟圧し、昇華型熱転写方式により印画を行なう。
【0018】
ロール紙排出部16は、記録ヘッド15による印画終了後、初期位置に戻ったロール紙引き出し部13のクランプ装置31により排出されるロール紙1を排出ガイド51からスタッカ部18へ導く。
【0019】
切断部17は、ロール紙排出部16に設けられたカッタ52によりロール紙1を所定サイズにカットする。
【0020】
スタッカ部18は、切断部17によりカットされ、ロール紙排出部16により排出されたロール紙1をトレー53の上に蓄積する。
【0021】
従って、記録装置10による印画動作は以下の如くなされる。
(1) ロール紙引き出し部13のクランプ装置31によりロール紙1の先端をクランプするとともに、記録ヘッド15を待機位置から降下してロール紙1とリボン2をプラテンローラ32との間で挟圧する。
【0022】
(2) ロール紙引き出し部13のクランプ装置31によりロール紙1を初期位置から引き出し、この引き出し中に印画が行なわれる。リボン2はロール紙1に連れ移動してリボン巻出軸41からリボン巻取軸42へと巻き取られる。ロール紙引き出し部13のクランプ装置31が引き出し位置に達すると、記録ヘッド15を待機位置に上昇させ、ロール紙1の引き戻しを行なう。ロール紙1の引き戻しは、ロール紙引き出し部13のクランプ装置31が初期位置に戻るとともに、ロール紙巻取モータ23によるロール紙巻出軸21の逆転によりなされる。
【0023】
(3) 印画が多色であれば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各リボン2を用いて上記(2) を繰り返す。
【0024】
(4) 上記(2) 、(3) の後、初期位置に位置付けられたロール紙引き出し部13からロール紙排出部16への排紙動作がなされる。即ち、ロール紙引き出し部13のクランプ装置31内に設けてある排紙ローラによりロール紙1の先端部をロール紙排出部16の排出ガイド51へと送給し、このロール紙1を切断部17のカッタ52により所定サイズにカットしてスタッカ部18のトレー53に蓄積する。
【0025】
しかるに、記録装置10にあっては、ロール紙供給部12を図2に示す如く構成している。
【0026】
即ち、ロール紙供給部12にあっては、テンション付与装置22が、ロール紙巻出軸21から引き出されるロール紙1の巻き径rが減少する特定の段階で、ロール紙巻出軸21に与える負荷トルクTを減少せしめ、ロール紙1の巻き径の変化に起因するロール紙1のバックテンションF(=T/r)の変化を抑制せしめるものとしている。
【0027】
具体的には、ロール紙供給部12のテンション付与装置22は、ロール紙巻出軸21にギア列61A、61Bを介して連動せしめてある連動軸62にキー溝(もしくはスプライン溝)63を設け、この連動軸62の軸方向の 2位置に軸方向及び回転方向とも固定したトルク伝達板64とばね受け板65の間に、第1摩擦トルク板66、トルク伝達板67、第2摩擦トルク板68、トルク伝達板69、ばね70を挟圧した。第1摩擦トルク板66、第2摩擦トルク板68はそれらの両面のそれぞれに摩擦パッド66A、66B、68A、68Bを接合され、連動軸62に軸方向及び回転方向とも相対移動可能に嵌合されている。トルク伝達板67、69は、連動軸62に軸方向に相対移動可能な状態で、回転方向には固定されている。即ち、第1摩擦トルク板66と第2摩擦トルク板68は、トルク伝達板64、67、69を介して、連動軸62に摩擦接続されている。このとき、第1摩擦トルク板66、第2摩擦トルク板68にはギア66C、68Cが設けられ、第1摩擦トルク板66のギア66Cには第1ロックギア71が、第2摩擦トルク板68のギア68Cには第2ロックギア72がかみ合いされている。
【0028】
また、ロール紙供給部12のテンション付与装置22は、連動軸62に並行をなすロック軸73を有し、このロック軸73にキー溝(もしくはスプライン溝)74を設け、このロック軸73に上述した第1ロックギア71を固定するとともに、上述した第2ロックギア72を電磁クラッチ75のアーマチュア75Aを介して係脱可能に結合している。第2ロックギア72は電磁クラッチ75のオンによりロック軸73に固定し、電磁クラッチ75のオフにより回転自由になる。
【0029】
そして、ロール紙供給部12にあっては、前述したロール紙巻取モータ23の出力ギア23Aを一方向クラッチ76を介してロック軸73の入力ギア73Aに接続せしめている。一方向クラッチ76は、ロール紙巻取モータ23がロール紙巻出軸21を逆転してロール紙1をロール紙巻出軸21に巻き戻すためのロール紙巻出軸21の回転をロック軸73に伝えるものの、ロール紙1をロール紙巻出軸21から巻出し可能とするロール紙巻出軸21の正転に伴うロック軸73の回転はロックする。また、前述の電磁クラッチ75は、ロール紙巻取モータ23が停止しているロール紙巻出軸21からのロール紙1の巻出段階でロール紙1の巻き径が予め定めた臨界値ra より大なるときにはオンして上述の如くに一方向クラッチ76による回転ロック状態にあるロック軸73に第2ロックギア72を固定して該第2ロックギア72を回転ロックし、ロール紙1の巻き径がra より小になったときにオフして第2ロックギア72をロック解除して回転自由とする。また、電磁クラッチ75は、ロール紙巻取モータ23が駆動せしめられるロール紙巻出軸21へのロール紙1の巻き戻し段階ではオンして第2ロックギア72を回転ロックする。
【0030】
尚、ロール紙供給部12は、エンコーダ板77を連動軸62に固定し、エンコーダ板77の回転量を検出するセンサ78を備えており、ロール紙1の初期巻き径r0 と、センサ78の検出結果より求められるその後のロール紙巻出軸21の回転量とから、現在のロール紙1の巻き径rを認識し、この認識結果をテンション付与装置22がロール紙巻出軸21に付与するトルク制御に用いることとしている。以下、ロール紙供給部12によるロール紙1の巻出し作業と巻き戻し作業について説明する。
【0031】
(ロール紙1の巻出し作業)
(1) ロール紙1の現在の巻き径r1 が予め定めた臨界値ra より大なるとき
第1ロックギア71はロック軸73に固定されていて回転ロックせしめられ、第2ロックギア72は電磁クラッチ75のオンによりロック軸73に固定されて回転ロックせしめられる(ロック軸73は一方向クラッチ76の存在によりロール紙1のロール紙巻出軸21からの巻出しに伴う該ロック軸73の回転方向には回転ロック状態にある)。これにより、ロール紙1のロール紙巻出軸21に連動している連動軸62に回転方向固定のトルク伝達板64、67、69は、第1ロックギア71、第2ロックギア72にかみ合ってそれらのロックギア71、72と同様に回転ロック状態にある第1摩擦トルク板66、第2摩擦トルク板68の摩擦抵抗力に基づく大きな負荷トルクT1 を与えられ、ロール紙1にバックテンションF=T1 /r1 を付与する。
【0032】
(2) ロール紙1の消費により、ロール紙1の現在の巻き径r2 が予め定めた臨界値ra より小になったとき
第1ロックギア71はロック軸73に固定されていて回転ロックせしめられ、第2ロックギア72は電磁クラッチ75のオフによりロック解除せしめられて回転自由になる。これにより、ロール紙1のロール紙巻出軸21に連動している連動軸62に回転方向固定のトルク伝達板64、67、69は、第1ロックギア71にかみ合って第1ロックギア71と同様に回転ロック状態にある第1摩擦トルク板66の摩擦抵抗力だけに基づく小さな負荷トルクT2 を与えられ、ロール紙1にバックテンションF=T2 /r2 を付与する。
【0033】
上記(1) 、(2) において、上記(1) のr1 、T1 は共に大、上記(2) のr2 、T2 は共に小であり、結果として、上記(1) のFと上記(2) のFの差を小ならしめることができる。
【0034】
(ロール紙1の巻き戻し作業)
ロール紙引き出し部13によりロール紙1を引き出し位置から初期位置へと引き戻すとき、ロール紙供給部12のロール紙巻取モータ23によりロール紙巻出軸21を逆転駆動する。このとき、電磁クラッチ75のオンにより第2ロックギア72をロック軸73に固定せしめる。これにより、ロール紙巻取モータ23の回転力は両摩擦トルク板66、68がトルク伝達板64、67、69に付与する大きな摩擦トルクを介して確実に連動軸62、ロール紙巻出軸21に伝達されてロール紙巻出軸21を巻き戻し方向に逆転せしめる。同時に、ロール紙巻取モータ23により駆動されるロール紙巻出軸21の逆転速度を摩擦トルク板66、68の存在によりロール紙巻取モータ23の回転速度に対し滑らすことを可能とし、ロール紙巻出軸21によるロール紙1の巻き戻し速度をロール紙引き出し部13の戻り移動速度により規制されているロール紙1の引き戻し速度に合致せしめるものとする。
【0035】
従って、本実施形態によれば以下の作用がある。
▲1▼テンション付与装置22が、ロール紙巻出軸21から引き出されるロール紙1の巻き径rが減少する特定の段階で、ロール紙巻出軸21に与える負荷トルクTを減少せしめる。即ち、ロール紙1の巻き径が大きいときには負荷トルクを大きく、巻き径が小さくなると負荷トルクを小さくし、結果としてロール紙1に付与するバックテンションF(=T/r)の変化を抑制した。これにより、バックテンションに基づくロール紙1の伸び等の挙動の変化を抑え、ロール紙1における印画の見当精度を向上できる。
【0036】
▲2▼テンション付与装置22が、ロール紙巻出軸21に連動する連動軸62に摩擦接続された複数の摩擦トルク板66、68と、各摩擦トルク板66、68のためのロックギア71、72とを備えた。これにより、簡素な構成により、ロール紙巻出軸21に与える負荷トルクをロール紙1の巻き径の変化に応じて段階的に変化させ、結果としてロール紙1に付与するバックテンションの変化を抑制できる。
【0037】
▲3▼ロール紙1にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのための計 4回、又はイエロー、マゼンタ、シアンのための計 3回のカラー印画を行なうに際し、それらの 1回の記録毎に、ロール紙引き出し部13によりロール紙1を初期位置と引き出し位置との間で往復移動せしめるとき、ロール紙巻取モータ23の巻取トルク伝達経路に上記▲2▼の連動軸62、摩擦トルク板66、68を置いた。このため、ロール紙巻取モータ23により駆動されるロール紙巻出軸21の逆転を摩擦トルク板66、68の存在により滑らせることを可能とし、このロール紙巻出軸21の逆転によるロール紙1の巻き戻し速度を、ロール紙引き出し部13の戻り移動速度により規制されているロール紙1の引き戻し速度に合致せしめ、ロール紙1をたるみや過度の緊張のない安定した巻き姿でロール紙巻出軸21に巻き戻しできる。このとき、ロール紙巻出軸21をロール紙巻取モータ23により単に一定回転で逆転させると、ロール紙巻出軸21によるロール紙1の巻き戻し速度がロール紙1の巻き径の変化につれて変動し、ロール紙巻出軸21へのロール紙1の巻き姿が変動することになって、ロール紙1のこれに続く再引き出し姿の安定を損ない、ひいてはロール紙1の次回印画の見当精度を損なう虞れがある。
【0038】
即ち、ロール紙巻出軸21に接続した同一の連動軸62、摩擦トルク板66、68を、ロール紙引き出し時のバックテンションの付与と、ロール紙引き戻し時の巻き姿の安定のために兼用でき、装置構成をコンパクトにできる。
【0039】
尚、ロール紙供給部12のテンション付与装置22にあっては、ロール紙1の巻き径の変化による負荷トルクの変化を、第1摩擦トルク板66のパッド66A、66Bの直径と第2摩擦トルク板68のパッド68A、68Bの直径の比率の調整により設定替えできる。
【0040】
但し、ロール紙供給部12のテンション付与装置22にあっては、図3に示す如く、第1摩擦トルク板66と第2摩擦トルク板68の間のトルク伝達板67をトルク伝達板67A、67Bに2分し、それらの間にばね70Aを介装することにより、ばね70のばね力とばね70Aのばね力の比率の調整により、ロール紙1の巻き径の変化による負荷トルクの変化を設定替えするものとしても良い。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の実施において、ロール紙1の巻き径の変化による負荷トルクの変化を 3段階以上の多段階、もしくは無段階に調整するものであっても良い。
【0042】
また、本発明の実施において、摩擦トルク板のためのロック装置は、電磁クラッチによるものに限らず、電磁ソレノイドにより駆動されるロックアームを摩擦トルク板の外周歯面に係脱せしめるもの等、多様に変形できる。
【0043】
また、本発明の実施において、摩擦トルク板を備える連動軸はロール紙巻出軸そのものであっても良い。
【0044】
また、本発明は、ロール紙型記録装置であれば、熱転写記録方式によるものに限らず、広く一般の記録装置に適用できる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ロール紙型記録装置において、ロール紙の巻き径の変化に起因するロール紙のバックテンションの変化を抑制し、ロール紙における印画の見当精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はロール紙型記録装置の一例を示す模式図である。
【図2】図2はロール紙供給部を示す模式図である。
【図3】図3はロール紙供給部の変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ロール紙
10 記録装置
12 ロール紙供給部
13 ロール紙引き出し部
15 記録ヘッド
21 ロール紙巻出軸
22 テンション付与装置
23 ロール紙巻取モータ
32 プラテンローラ
62 連動軸
66、68 摩擦トルク板
71、72 ロックギア(ロック装置)
76 一方向クラッチ
Claims (2)
- ロール紙巻出軸を備えるとともに、ロール紙巻出軸に負荷トルクを与えてロール紙巻出軸から引き出されるロール紙にバックテンションを付与するテンション付与装置をロール紙巻出軸に接続してなるロール紙供給部と、
ロール紙をロール紙巻出軸からプラテンローラまわりを経て引き出すロール紙引き出し部と、
ロール紙のプラテンローラにバックアップ支持されている部分に対し記録作業を行なう記録ヘッドとを有してなるロール紙型記録装置において、
前記テンション付与装置は、ロール紙巻出軸から引き出されるロール紙の巻き径が減少する特定の段階で、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクを減少可能にするものであり、ロール紙巻出軸又はロール紙巻出軸に連動する連動軸に摩擦接続された複数の摩擦トルク板を備えるとともに、各摩擦トルク板をロックするロック装置を備え、複数の摩擦トルク板のうちのいずれかの摩擦トルク板のロック装置をオフ制御して当該摩擦トルク板をロック解除することにより、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクを減少可能にし、
前記複数の摩擦トルク板はそれら摩擦トルク板に摩擦接触する各トルク伝達板を介してロール紙巻出軸又はロール紙巻出軸に連動する連動軸に接続されるとともに、各トルク伝達板を各摩擦トルク板に押圧する複数のばねを備え、各ばねのばね力の比率の調整によりロール紙の巻き径の変化による負荷トルクの変化を設定替えすることを特徴とするロール紙型記録装置。 - ロール紙巻出軸を備えるとともに、ロール紙巻出軸に負荷トルクを与えてロール紙巻出軸から引き出されるロール紙にバックテンションを付与するテンション付与装置をロール紙巻出軸に接続してなるロール紙供給部と、
ロール紙をロール紙巻出軸からプラテンローラまわりを経て引き出すロール紙引き出し部と、
ロール紙のプラテンローラにバックアップ支持されている部分に対し記録作業を行なう記録ヘッドとを有してなるロール紙型記録装置において、
前記テンション付与装置は、ロール紙巻出軸から引き出されるロール紙の巻き径が減少する特定の段階で、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクを減少可能にするものであり、ロール紙巻出軸又はロール紙巻出軸に連動する連動軸に摩擦接続された複数の摩擦トルク板を備えるとともに、各摩擦トルク板をロックするロック装置を備え、複数の摩擦トルク板のうちのいずれかの摩擦トルク板のロック装置をオフ制御して当該摩擦トルク板をロック解除することにより、ロール紙巻出軸に与える負荷トルクを減少可能にし、
前記記録ヘッドによる1回の記録毎に、前記ロール紙引き出し部がロール紙を初期位置と引き出し位置との間で往復移動するとともに、
前記ロール紙供給部は上記ロール紙引き出し部の引き出し位置から初期位置への戻り過程でロール紙をロール紙巻出軸に巻き戻すロール紙巻取モータを備え、
ロール紙巻取モータは一方向クラッチを介して前記ロール紙巻出軸又は前記連動軸に備えた複数の摩擦トルク板が接続されているロック軸に接続され、一方向クラッチは、ロール紙巻取モータがロール紙巻出軸を逆転してロール紙をロール紙巻出軸に巻き戻すためのロール紙巻出軸の回転をロック軸に伝え、ロール紙をロール紙巻出軸から巻出し可能とするロール紙巻出軸の正転に伴うロック軸の回転はロックし、
複数の摩擦トルク板のうちの前記いずれかの摩擦トルク板とロック軸との間に電磁クラッチを介装し、電磁クラッチは、ロール紙巻取モータが停止しているロール紙巻出軸からのロール紙の巻出段階でロール紙の巻き径が予め定めた値より大なるときにはオンして一方向クラッチによる回転ロック状態にあるロック軸に当該摩擦トルク板を固定的に結合して当該摩擦トルク板を回転ロックし、ロール紙の巻き径が予め定めた値より小になったときにオフして当該摩擦トルク板をロック解除して回転自由とし、ロール紙巻取モータが駆動せしめられるロール紙巻出軸へのロール紙の巻き戻し段階ではオンすることを特徴とするロール紙型記録装置。
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