JP3829435B2 - 眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡レンズの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
眼鏡レンズは、単焦点レンズと多焦点レンズに大別される。それぞれのレンズの一般的な製作範囲と在庫形態及び従来の製造方法について説明する。なお、以下では特にプラスチック製の眼鏡レンズについて説明を行う。
【0003】
まず、単焦点レンズについて説明する。単焦点レンズは近視あるいは遠視患者の視力矯正のために用いられるが、その製作範囲の一例を図6に示す。球面度数(以下S度数とする)で−15.00[D]から+10.00[D]程度の範囲を0.25[D]ステップで、これに乱視度数(以下C度数とする)が0.25[D]から6.00[D]程度の範囲で、S度数と同じく0.25[D]ステップで設けられる。但し、C度数の範囲は第6図に示される例ではS度数が−9.00[D]を越えると段階的に減少していく。しかし、レンズの種類は第6図に示される製作範囲だけで2225種類にもなり、レンズの屈折率や設計によってはさらに広い製作範囲を有するものもある。
【0004】
次に在庫の形態だが、S度数−10.00[D]から+6.00[D]とC度数0.25[D]〜2.00[D]で囲まれる範囲は特に受注の多い部分で、フィニッシュレンズと呼ばれる成形レンズとして在庫するのが一般的である。フィニッシュレンズ以外の範囲は受注頻度が低いため、フィニッシュレンズとしては在庫せずに、仕上げ寸法よりも肉厚が厚く、数ステップ分の度数のレンズを製作することのできる、セミフィニッシュレンズと呼ばれる成形レンズ(以下セミフィニッシュレンズとする)として在庫する。
【0005】
次に単焦点レンズの製造方法を説明する。単焦点レンズは、レンズの物体側の面を規定するために凹面となった上型と、眼球側の面を規定するために凸面なった下型とを組み合わせ型にレンズ素材を注入して成形する注型成形によって製造される。フィニッシュレンズが所望の度数を得るために、S度数のみを有する球面レンズ(以下球面レンズとする)の場合は、上型の凹面に球面または回転対称非球面を設け、下型の凸面側に球面を設ける。一方、S度数に加えC度数を有する乱視レンズ(以下乱視レンズ)の場合は、上型の凹面側に球面または回転対称非球面を設け、下型の凸面側にトーリック面を設け、これらを組み合わせて注型成形によって製造される。成形後離型されたレンズは十分満足できる精度の光学面を有しているため、染色工程、ハードコート工程、蒸着工程等を経て完成レンズとなる。
【0006】
一方、セミフィニッシュレンズを加工してフィニッシュレンズにする製造方法もある。セミフィニッシュレンズはフィニッシュレンズの球面レンズの場合と同じく、上型および下型とを組み合わせ、仕上げ寸法よりも肉厚が厚くなるように注型成形によって製造される。前述の受注頻度の低い度数のレンズや、プリズム量やレンズの厚みを指定する特殊処方のレンズは、特別注文レンズとして扱われ、処方に応じて寸法の異なるレンズを製作する必要がある。この特別注文のレンズは、処方に応じて、球面レンズであればセミフィニッシュレンズの凹面側をほぼ所望の球面に、乱視レンズであればセミフィニッシュレンズの凹面側をほぼ所望のトーリック面形状となるように荒削りした後、ラッピング加工に似た砂掛け加工と研磨加工を施し、レンズの光学面を精密に仕上げる。この砂掛け工程と研磨工程では専用の治具に保持されたレンズを、予め形状あるいは曲率が定まった加工皿に載せ、ラップ材をレンズ加工面に注水しながらレンズと加工皿を相対的に摺り動かすことによりレンズ表面を加工する。砂掛け工程ではレンズ表面の凸凹を小さくし、また研磨工程では所望の外観が得られる精度まで仕上げる。この荒削り、砂掛け、研磨という一連の加工方法は総称して研磨加工と呼ばれている。
【0007】
前述のプリズム量やレンズの厚みを指定する特殊処方のレンズは、フィニッシュレンズの製造方法では製造できないものがあるため、フィニッシュレンズの製作範囲であってもセミフィニッシュレンズから製造する必要がある。よって、第6図に示される製作範囲を例にとれば、砂掛け、研磨加工に使用する加工皿は、レンズと同じ2225種類分の異なる形状あるいは曲率のものを事前に用意しておく必要がある。
【0008】
通常こうして得られたレンズは研磨レンズと呼ばれる。この研磨レンズは十分満足できる精度の光学面を有するため、フィニッシュレンズと同様に染色工程、ハードコート工程、蒸着工程等を経て完成レンズとなる。
【0009】
次に、前記研磨レンズを得るための製造装置について説明する。まず、荒削り加工を行う装置は、一定の曲率の面を削りだしできる、いわゆるカーブジェネレータやこれを発展させ擬似的なトーリック面も加工できるジェネレータが用いられ、処方に応じ、また後工程での加工しろを考慮した厚みで所望の形状に近い球面、あるいはトーリック面に研削または切削加工される。砂掛け加工と研磨加工を行う装置は基本的には同じ機構であり、いずれも加工皿とレンズを相対的に摺り動かす機構と、加工皿とレンズとの間に圧力を発生させる手段及びラップ材を供給する手段とを備えている。この機構については、例えば宇田川式と称されるレンズの三角運動と加工皿の回転を行うものや、AO式と称されるレンズの円運動と加工皿の回転を行うものが知られている。なお、加工の際は処方に応じて加工皿を選択する必要がある。また、レンズの材質や工程に応じてパッドの交換を行う。因みに、ガラス製眼鏡レンズも前記プラスチック製の眼鏡レンズの場合と同様に荒削り加工、砂掛け加工、研磨加工して製作するのが一般的である。
【0010】
続いて多焦点レンズについて説明する。多焦点レンズは累進多焦点レンズと多重焦点レンズとに分けられる。これら多焦点レンズは遠用視用の単焦点レンズの機能と近用視用の単焦点レンズの機能を一枚のレンズで実現するものである。
【0011】
よって、眼鏡を掛け替えることなく遠用視と近用視の視力矯正が可能で、掛け替えに伴う煩わしさが無い。
【0012】
累進多焦点レンズはレンズの外面側、つまりは凸面側に焦点距離が連続して変化する累進面を有することを特徴とし、多重焦点レンズはバイフォーカル(二重焦点)、トリフォーカル(三重焦点)といったタイプが商品化されており、レンズの外面側、つまりは凸面側に二つないしは三つの焦点距離を得るための曲面を有することを特徴とする。よって、多焦点レンズは単焦点レンズとは異なり、遠用視用の度数と近用視用の度数があるわけで、これら二つの度数の差の絶対値を加入度と呼ぶ。
【0013】
なお、以降は多焦点レンズの中でも現在主流の累進多焦点レンズを例に説明する。累進多焦点レンズの製作範囲であるが、S度数及びC度数の範囲は第6図に示される製作範囲と通常同じである。これに加え累進多焦点レンズの場合は、前述の加入度が0.25[D]ステップで0.50[D]から3.50[D]まで13ステップ設けられるのが一般的である。また、最近では右目用レンズと左目用レンズをそれぞれ別々に設計することが一般化してきている。累進多焦点レンズの場合、単焦点レンズと同じ製作範囲であっても、この加入度と左右別設計の他、乱視処方レンズは、処方の乱視軸を累進面の主子午線を基準位置として、レンズ毎に1[゜]ステップで180種類設定する必要があるため、前記製作範囲のレンズの種類は、乱視軸分も含めると9942946種類と膨大な数となるが、この中に前記のような特殊処方レンズは含まれない。
【0014】
次に累進多焦点レンズの製造方法だが、累進多焦点レンズは基本的に全数特別注文レンズであるため、凸面側に累進面を有するセミフィニッシュレンズから処方に応じて、前記単焦点レンズの研磨レンズの場合とほぼ同様の方法と装置で製造される。すなわち、眼鏡レンズの物体側の面(凸面側)が所定の性能の累進面となり、眼球側の面(凹面側)が仕上げ寸法よりも肉厚が厚くなるようにセミフィニッシュレンズが注型成形によって製造され、セミフィニッシュレンズの凹面側が、処方に応じて、球面レンズであれば所望の球面に、乱視レンズであれば所望のトーリック面形状となるように研磨
加工する。このように、累進多焦点レンズで乱視処方の場合は凸面側の累進面の主子午線を基準位置とした乱視軸を凹面側に設定する必要があり、製造上この点が前記単焦点レンズの研磨レンズの場合と異なる。なお、加工皿は図6に示される製作範囲であれば、凹面側に創成される球面、トーリック面の種類の数が加工皿の種類の数となるので、単焦点レンズの場合と同じ2225種類となる。
【0015】
このように、累進多焦点レンズ用のセミフィニッシュレンズは、凹面側に累進面を有する上型と、凸面側に球面を有する下型とを組み合わせ、仕上げ寸法よりも肉厚が厚くなるように注型成形によって製造される。また、製作範囲の中で受注頻度の高いS度数と加入度を有するレンズは、凹面側に累進面を有する上型と、凸面側に球面を有する下型とを組み合わせ、注型成形によってフィニッシュレンズを製造する場合もある。しかしながら、一般的に累進多焦点レンズのフィニッシュレンズはごく少量であり、95%以上はセミフィニッシュレンズとして在庫される。
【0016】
ところで、特別注文レンズの累進多焦点レンズでもフィニッシュレンズの製造比率を極限まで高めようという製造方法が特開平5−19212に提案されている。この製造方法は特別注文レンズのほとんどを注型成形により製造するもので、累進多焦点レンズにもかかわらずフィニッシュレンズの製造比率は90%を越えている。その製造方法は、予め製作範囲に対応した種類分の型を揃えておき、顧客の処方に応じて所望の度数を得るための上型と下型を選びこれを組み合わせ、注型成形することで処方を満足するレンズを得るというものである。
【0017】
具体的には、図6に示す製作範囲で加入度が前記と同じく13ステップとすると、凹面側に累進面を有する上型の種類は製作範囲を5つのベースカーブ区分で区切り、左右別設計とした場合、その総数は130種類となる。また、前記130種類の上型と組み合わせて球面タイプの累進多焦点レンズを製造するために使われる、凸面側に球面を有する下型は100種類、同様に乱視タイプの累進多焦点レンズを製造するために使われる、凸面側にトーリック面を有する下型は2100種類、合計2430種類の型を揃えフィニッシュレンズを製造する。なお、乱視タイプの累進多焦点レンズの場合は、処方に応じて上型の累進面の主子午線を基準位置に下型の乱視軸を設定した後、注型成形する。なお、特殊処方のレンズと前記の製作範囲を越える度数のレンズについては、前記と同じくセミフィニッシュレンズから研磨加工により製造される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の背景技術に示した研磨加工による眼鏡レンズの製造方法では、第一に加工皿を使用した摺り合わせ加工であるため、加工皿をレンズの屈折率別、度数別に作製する必要がある。加工皿はアルミニウムや強化プラスチック、発砲ウレタン等を所望の形状に専用の装置で切削あるいは研削して作られる。加工皿は0.25[D]毎に、度数範囲によっては更に細かいステップで揃える必要がある。その種類は第6図に示す製作範囲の場合、レンズの種類分すなわち2225個以上にもなる。現在眼鏡用プラスチックレンズとして使われるレンズ素材の屈折率は1.50、1.56、1.60、1.67の4種類が一般的であり、加工皿の形状は同じ度数でもレンズの屈折率によって異なるため、その必要数は8900個以上にもなる。
【0019】
コスト的には、ランニングコストとしてこれら加工皿の管理工数、更には保管スペース、またイニシャルコストとして加工皿の製作コストが必要となる。その他コスト以外の点では加工皿の製作納期、また加工の原理上、及び生産性確保のためにプラスチック、ガラスを問わず、荒削り加工は所望の形状に近い形状に削り出すのみであり、加工面の形状精度は加工皿の形状を転写する砂掛け加工及び研磨加工工程で決まる。よって、形状精度を保証するには、その基である加工皿の製作時の加工誤差を厳密に管理する必要がある等、多くの問題点を有する。
【0020】
さらに、特願平7−306189には、従来、レンズの凸面側に創成されていた累進面と、処方に応じて凹面側に創成されていた球面あるいはトーリック面とを組み合わせた曲面を、レンズの凹面側の一面に創成し、光学特性を飛躍的に向上させるという眼鏡レンズが提案されている。このような曲面をレンズ凹面側に有するレンズを以降内面累進多焦点レンズと呼ぶことにする。この内面累進多焦点レンズは、前記特開平5−19212に示される注型成形によるレンズ製造方法によっても製造することができる。
【0021】
ここでレンズ凸面側に球面を有するタイプの内面累進多焦点レンズを、図6に示す製作範囲で製造する場合について考える。まず、凹面側に球面を有する上型の種類を10ベースカーブ区分の10種類とする。次に上型と組み合わせる下型だが、球面処方レンズ用に凸面側に累進面を有する下型を0.25[D]ステップで2626種類、更に、乱視処方レンズ用には乱視軸毎に、累進面と処方に応じたトーリック面を組み合わせた曲面を凸面側に有する下型をS度数、C度数ともに0.25[D]ステップで計9940320種類も保有する必要がある。仮に一種類あたりの下型の保有数を10枚としても、型コストのみで数千億円にものぼる。また、これだけの種類の型の在庫管理は管理そのものが非現実的であり成り立たないこと、更には前にも述べたように、この注型成形によるレンズ製造方法ではプリズム量やレンズの厚みを指定する特殊処方レンズは製造できないものがある等の問題点を有する。
【0022】
また、従来、眼球側の面の創成などに用いられているカーブジェネレータは、その構造上、また加工皿と摺り合わせて加工する原理上、球面、トーリック面のいずれかしか加工ができず、前記に示した累進面と球面あるいはトーリック面とを組み合わせた曲面を創成することは完全に不可能である。
【0023】
そこで本発明においては、上記のように、従来の製造方法では現実的には供給が不可能な内面累進多焦点レンズを本格的に供給可能な眼鏡レンズの製造方法および製造装置を提供することを目的としている。さらに、累進多焦点レンズに限らず、従来の加工皿を用いた研磨加工による製造方法に代わり、短期間に低コストで多種多用な眼鏡レンズを製造可能な製造方法および製造装置を提供することも目的としており、加工皿そのものを省略でき、加工皿の製作コスト及び管理工数、保管スペースなどを省略できる製造方法および製造装置を提供することを目的としている。また、従来数ヶ月を要した加工皿の製作期間も不要とし、大幅なコストダウン、納期短縮を可能とすることも本発明の目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、眼鏡レンズの面創成を数値制御加工用データ(以下、「NC加工用データ」ということもある。)に基づいて行うようにしている。すなわち、本発明の眼鏡レンズの製造方法は、眼鏡レンズを成形するためのセミフィニッシュレンズの削り出し加工を前記眼鏡レンズの装用者の条件を加味して加工された数値制御加工用データに基づいて行うNC形状創成工程と、前記NC形状創成工程で削り出し加工が行われた前記セミフィニッシュレンズ面の研磨を倣い研磨により行う倣い研磨工程とを有する眼鏡レンズの製造方法であって、前記NC形状創成工程を行う前に、前記数値制御加工用データに基づいて削り出し加工を行うのに適したセミフィニッシュレンズを選択後、前記セミフィニッシュレンズの加工対象の面の形状を計測し、前記計測結果から所望のレンズ度数を得るための基準カーブを算出し、前記算出結果に基づき前記数値制御加工用データを補正する補正工程を有することを特徴としている。また、本発明の眼鏡レンズの製造方法は、前記NC形状創成工程では、削り出し加工が行われる際に生成される変曲点近傍の段差量が、面粗度成分を除いて0.0005mm以上0.005mm以下であり、かつ、削り出し加工が行われた面の最大表面粗さRmaxが、0.001mm以上0.010mm以下になるように前記セミフィニッシュレンズの削り出し加工を行うことを特徴とする特徴としている。
【0025】
本発明の眼鏡レンズの製造方法および製造装置は、従来の眼鏡レンズの製造には採用されていないNC加工を眼鏡レンズの面自体の形状創成加工に採用することを特徴としており、本発明の製造方法あるいは製造装置を用いることにより、どのような曲面を備えた眼鏡レンズも共通した製造装置、あるいは数少ない種類の製造装置を用いてNC加工用データを変えるだけで製造することができる。従って、本発明においては、眼鏡レンズの装用者(ユーザー、顧客)毎に異なる、累進面とトーリック面が合成された内面累進多焦点レンズの眼球側の面もNC加工用データを変えることで加工することが可能であり、本発明の製造方法および製造装置を用いることにより、内面累進多焦点レンズを本格的に供給することができる。また、本発明においてはNC加工用データを変えるだけで多種多用な眼鏡レンズを製造できるので、予め多種多用な加工皿を製造し、それらを管理する必要もなくなる。従って、様々なタイプの眼鏡レンズを低価格で供給することができ、その納期も大幅に短縮することが可能となる。
【0026】
NC加工を用いて眼鏡レンズの面形状の創成から仕上げまで単一の加工方法あるいは加工装置で行うことも可能である。しかしながら、高い面精度を要求される眼鏡レンズにおいては、面形状の創成からレンズ面の仕上げまで途中の段階で加工方法あるいは加工装置を変更することにより大幅に加工時間を短縮することができる。例えば、NC加工によって面形状を創成した後に、倣い研磨を行いレンズ面を仕上げることによって大幅に製造時間を短縮できる。また、NC加工工程によって面形状を創成したに後に、研磨する面形状を規定した数値制御加工用データに基づいて研磨加工を行うNC研磨工程を行うことによっても製造時間を短縮することができる。さらに、製造時間を短縮するという点では、NC形状創成工程においてセミフィニッシュレンズの削り出し加工を行うことが有効である。
【0027】
このように、本発明の眼鏡レンズの製造方法および製造装置では、NC加工用データを変えることでどのような面を備えた眼鏡レンズでも製造できるのでNC形状創成工程の前に、眼鏡レンズの装用者の条件を加味して加工対象の眼鏡レンズ毎にNC加工用データを作成することにより、個々のユーザーに適したカスタマイズされた眼鏡レンズを本格的に製造し、提供することができる。
【0028】
また、NC加工用データに基づき削り出し加工を行うのに適したセミフィニッシュレンズを選択すると共に、加工対象となるセミフィニッシュレンズの加工対象の面の形状を計測し、NC加工用データを補正することにより、セミフィニッシュレンズの誤差なども加味した実際に削り出し加工を行うのに適したNC加工用データを作成し、それに基づいて加工を行うことができる。
【0029】
また、本発明の眼鏡レンズの製造方法のNC形状創成工程は、削り出し加工が行われた面の最大表面粗さRmaxが0.010mm以下になるように削り出し加工を行うようにすることができる。この条件を用いれば、その後の砂掛け工程を実施することなく研磨工程を実施したとしても、研磨工程に要する時間を不必要に長時間にすることもなく、所望の光学面をもった眼鏡レンズを短時間で製造することが可能となる。なお、NC形状創成工程で削り出し加工の行われた面の最大表面粗さRmaxを光学面程度に小さくすれば、そのままで又はその後にハードコーティングを行うことによって、研磨工程そのものを不要とすることもできる。
【0030】
また、本発明の眼鏡レンズの製造方法は、NC形状創成工程で被加工面の最大表面粗さRmaxが0.001mm以上かつ0.010mm以下になるように削り出し加工を行った後に、その面の研磨を倣い研磨により行うようにすることができる。この条件を用いれば、NC形状創成工程に要する時間を不必要に長時間にすることもなく、所望の光学面をもった形状精度、外観精度のよい眼鏡レンズを短時間で製造することが可能となる。ここで、最大表面粗さRmaxを0.001mm以上としたのは、0.001mm未満にすると、NC形状創成工程に要する時間が不必要に長くなってしまうからである。この場合、0.002mm以上とするのが好ましく、0.003mm以上とするのがより好ましい。
【0031】
また、本発明の眼鏡レンズの製造方法のNC形状創成工程は、削り出し加工を行う際に被加工面に生成される変曲点近傍の段差量が、面粗度成分を除いて、0.005mm以下になるように削り出し加工を行うようにすることができる。この条件を用いれば、段差を除去するための砂掛け工程を実施することなく研磨工程を実施したとしても、研磨工程に要する時間が長くなることもなく、所望の光学面をもった眼鏡レンズを短時間で製造することが可能となる。ここで、段差量を0.005mm以下としたのは、0.005mmを超えた範囲としたうえで砂掛け工程を省略した場合、研磨工程に要する時間が長くなる傾向にあり好ましくないからであり、たとえ長時間研磨工程を実施したとしてもこの段差を完全に除去するのは困難であり、さらに仮にこの段差を完全に除去することができたとしても長時間の研磨工程を経ることによって形状創成工程で創成された光学面の形状精度を悪化させてしまったり研磨ダレを発生させてしまったりしてしまうからである。また、砂掛け工程が省略できるため、砂掛け工程で必要であった研磨皿を不要にすることができるという効果がある。
【0032】
また、本発明の眼鏡レンズの製造方法は、削り出し加工を行う際に生成される変曲点近傍の段差量が、面粗度成分を除いて、0.0005mm以上かつ0.005mm以下になるように削り出し加工を行った後に、その面の研磨を倣い研磨により行うようにすることができる。この条件を用いれば、段差の発生の極めて小さい高価なNC形状創成装置を用いる必要がなく、製造コストを低減することができる。また、段差の発生を抑えるために加工スピードを遅くする必要もないので、NC形状創成工程に要する時間を不必要に長時間にすることもなく、所望の光学面をもった形状精度、外観精度のよい眼鏡レンズを短時間で製造することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
プラスチック製眼鏡レンズを例に、本発明に係る眼鏡レンズの製造方法及び装置を説明する。図1にブロック図を用いて示すように顧客から得た処方データ100が、レンズメーカーの製造部門のホストコンピュータ101へ送信される。この処方データには、一般的に、累進多焦点レンズの場合はS度数、C度数、乱視軸、加入度、プリズム、レンズ厚み、レンズ径、カラー等が含まれる。また、単焦点レンズの場合はS度数、C度数、乱視軸、プリズム、レンズ厚み、レンズ径、カラー等の処方データが含まれ、これらの処方データ100が眼鏡小売店に備えられた端末機からオンラインにより直接レンズメーカーの製造部門のホストコンピュータ101へ送信される。あるいは、小売店から中継拠点が電話、ファクシミリ等の伝送手段で処方データ100を受け、この中継拠点からオンライン送信されるようになっている。そして、これらのホストコンピュータ101に送信された処方データ100に基づき、計算工程102において、計算用コンピュータで上記処方データが製造ライン用の製造データに加工され、この製造データに基づいて、つまりは顧客の処方に基づいた曲面の組み合わせの計算が行われ、顧客の処方毎にレンズ形状が設計される。この計算工程102はNC加工用の加工用データ生成工程としての機能を備えており、以下で説明する形状創成工程106で使用する図2に示す数値制御切削機、あるいは図3に示す数値制御旋削機でレンズ設計形状を創成するためのNC加工用データ(第1のNC加工用データ)、及び図5に示す数値制御研磨機で形状創成工程で創成された曲面を研磨するためのNC加工用データ(第2のNC加工用データ)、さらには、図4に示す倣い研磨機の研磨条件も同時に計算が行われ、これらが計算用コンピュータに装備された記憶装置にストックされる。
【0034】
続いてセミフィニッシュレンズを選択するレンズ選択工程103では顧客の処方を満足するレンズを加工する元となるセミフィニッシュレンズを選び出す。このセミフィニッシュレンズを選択する工程103では、該当するセミフィニッシュレンズを手動でピッキングするか、もしくは自動倉庫等を使って自動的にピッキングを行う。
【0035】
セミフィニッシュレンズは従来技術の中でも述べているように、型を使って注型成形により製造されるが、同じ型で成形しても重合条件、アニール条件等でセミフィニッシュレンズ毎にその形状が異なり、場合によっては型の形状を十分に転写できないことがある。このような場合は、往々にして所望のセミフィニッシュレンズの形状精度が得られていない。このため、セミフィニッシュレンズの計測要否判断工程104を設け、計測および計算工程105で、選択されたセミフィニッシュレンズの形状を予め計測し、この計測結果から所望のレンズ度数を得るための基準カーブを計算用コンピュータで算出し、創成する曲面の計算にフィードバックする。このような補正を行う工程105を設けておくことにより、セミフィニッシュレンズの形状誤差がキャンセルされ、結果として所望のレンズ度数を得るために創成すべき曲面を得ることが可能となる。その際、形状測定する面は選択されたセミフィニッシュレンズの凹凸面の内、形状創成したい面とは逆側の面のみで良い。形状測定の方法としては、測定面が球面形状をしたセミフィニッシュレンズであれば、ランクテーラーホブソン製の商品名:フォームタリサーフのような断面形状測定器で曲率半径を簡単に測定することができる。また、測定したい面が累進面等のように自由曲面を有する場合は干渉計を使った形状測定器や三次元測定器等を用いて形状測定を行うことが可能である。
【0036】
なお、セミフィニッシュレンズの形状精度が安定している場合は、要否判断工程104で判断し、計測工程(補正工程)105を不要とすることができる。この安定した形状精度とは、測定面が球面の場合を例にとれば、同一製造ロット中のセミフィニッシュレンズの球面の曲率半径すなわちカーブの標準偏差がレンズ度数公差の4分の1以下で、かつカーブの平均値と公称カーブとの差が度数公差の5分の1以下を目安としている。また、測定面が自由曲面の場合もこの考えを応用して目安を設定することができる。
【0037】
次に、形状創成工程(NC加工工程)106で個々のユーザーの処方データに基づいて生成されたNC加工用データに従って面形状が生成され、さらに、研磨要否を判断する工程107で研磨が必要となった場合は研磨工程108が行われ、最後に検査工程109で検査が行われ、これらの工程を経て眼鏡レンズが製造される。
【0038】
以下では、形状創成工程106以下についてさらに詳しく説明する。先ず、形状創成工程106では、セミフィニッシュレンズ選択工程103で選択されたセミフィニッシュレンズを図2に示す眼鏡レンズ製造装置150の数値制御切削機200のチャック202にセットし、計算用コンピュータ101の記憶装置にストックされた形状創成用のNC加工用データ(第1のNC加工用データ)を数値制御切削機200に伝送し形状創成が行われる。通常、NC加工用データは膨大なデータ量となるため数値制御切削機内の記憶装置に一旦記憶するか、NC加工用データをダイレクトに数値制御切削機に送り込んで機械を動かし形状創成を行う。なお、形状創成の手段としては前記数値制御切削機の他、数値制御研削機や数値制御旋削機を用いても同等の形状創成が可能である。
【0039】
なお、これら形状創成手段で使用する刃具は切削加工であれば、ダイヤモンドカッターや超硬カッター等、研削加工であればメタルボンドや電着のダイヤモンドホイール等、また旋削加工であればダイヤモンドや超硬等のバイトが挙げられる。これらの形状創成手段を用いた形状創成工程では荒加工と仕上げ加工がワンチャックで行われ、仕上げ加工では加工後のワークの表面粗さを最大表面粗さRmax (以下Rmax とする)で0.01〜10[μm]以下に仕上げる。また、必要に応じて次工程に研磨工程108を設け所望の光学面を得ることができることは図1に示した通りである。プラスチックレンズの素材にもよるが、この表面粗さをRmax で0.05[μm]以下とすればプラスチック製眼鏡レンズの場合、研磨工程108を省略しても形状創成工程106に続くハードコート工程(不図示)で表面処理を施すことで所望の光学面を得ることができる。なお、表面粗さが同一でも、ハードコート工程で表面処理を施すことで所望の光学面を得ることができるか否かは、プラスチックレンズ素材によって大きく左右される。
【0040】
一方、ハードコート工程で表面処理を施すだけでは所望の光学面を得ることができない場合には、形状創成の後に研磨工程108を設け、形状創成後のレンズ表面を平滑な光学面に研磨して仕上げる。具体的には図4に示す倣い研磨機400、あるいは図5に示す数値制御研磨機500による第2のNC加工工程を行い、形状創成工程106で創成された曲面形状を崩すことなく所望の光学面に研磨する。これら研磨手段は、弾性を有するポリシャヘッドを装備しているが、レイヨン、ナイロン等を原料とした長さ0.1〜5[mm]程度の毛足を有する不織布をポリシャヘッドの表面に配し、更には、Al2 O3 を砥材の主成分とし、これに酸化物、水等を混合した研磨
液を研磨対象ワークと前記不織布との間に注水することで研磨能率を向上させることも可能である。
【0041】
(実施例1)
以下では、特願平7−306189に提案されている、累進面とトーリック面とを組み合わせた曲面をレンズの凹面側に持つ内面累進多焦点レンズを製造する場合を例に、各工程および各装置をさらに詳しく説明する。本例の処方データ100には、レンズ径80[mm]、球面度数(S度数)+2.00[D]、乱視度数(C度数)−1.75[D]、乱視軸55度、加入度2.25[D]、プリズム1.20ダウンというユーザー(顧客)の個人情報が含まれている。まず、前記の処方を満足するためにレンズの凹面側に創成する、ベースカーブ4.00[D]、加入度2.25[D]の累進面と、乱視度数−1.75[D]でレンズ凹面側から見て累進面の主子午線に対し左回りに35度の方向にベースカーブ軸を持つトーリック面とが凹面一面に合成された曲面を計算用コンピュータにより計算した。この際、レンズの仕上がり中心厚みも同時に計算し、その結果は3.35[mm]であった。これらの計算に続いて前記で計算された曲面を図2に示す数値制御切削機200で加工するためのNC加工用データが計算工程102で計算用コンピュータで作成され、計算用コンピュータに装備されているハードディスクに記録される。
【0042】
次に前記処方を満足する内面累進多焦点レンズを得るためのセミフィニッシュレンズが選択工程103で選択するわけだが、本例では凸面側に球面を有し、その曲率半径が110.333[mm]で公称6.00[D]のベースカーブを有するセミフィニッシュレンズを選択した。セミフィニッシュレンズのレンズ素材の屈折率は1.662である。また、選択したセミフィニッシュレンズが含まれる同一製造ロット中でのベースカーブのばらつきは標準偏差で0.005[D]と小さく形状精度は極めて安定していた。また、ベースカーブの平均値は5.998[D]と、公称ベースカーブとの差が極めて小さい。このため、形状要否判断工程104で形状測定工程105は不要と判断し、計算用コンピュータで計算されたレンズ設計形状の修正は指示されない。なお、前記セミフィニッシュレンズの製造ロットの構成は30枚/ロットである。
【0043】
続いて、形状創成工程106では、セミフィニッシュレンズを数値制御切削機200のワークチャック202により把持し、数値制御切削機200のDNC運転モードを使い、前記のNC加工用データをホストコンピュータ101から数値制御切削機200に直接伝送しながらレンズ設計形状を切削加工により形状創成する。本例の数値制御切削機200の構成は、時2に示されるように、ほぼ水平方向に直線位置決めを行うX軸位置決め手段205、前記X軸位置決め手段205とほぼ直交する水平方向に直線位置決めを行うY軸位置決め手段208、ほぼ鉛直方向に直線位置決めを行うZ軸位置決め手段212、前記Z軸位置決め手段212上に取り付けられた刃具回転手段213、角度割り出し可能なワーク軸回転手段216とから構成される。Z軸位置決め手段212はワーク201と円形カッター215の芯高を合わせることを主目的に設けられている。X軸位置決め手段205、Y軸位置決め手段208、ワーク軸回転手段216の3軸を使ってワーク加工点に立てた法線方向に円形カッター215の中心座標を位置決めする。この加工点に対応した円形カッター215の中心座標の位置決めを連続して行うことでレンズ設計形状に基づいた形状創成を行う。
【0044】
本例に用いた数値制御切削機200の最小位置決め精度は、直線位置決め手段が0.1[μm]、ワーク軸回転手段は0.001[゜]である。また、ワーク半径方向の送りピッチは0.5[mm/回転]、ワーク周方向の角度分割ピッチは1周を360に分割し、仕上げ切り込み量3.0[mm]、刃具は直径70.2[mm]で2枚刃の超硬カッターを刃具回転手段により15000[r.p.m]で回転させ使用した。この条件のもと切削加工された曲面の形状は処方を満足するには十分な形状精度が得られていた。
【0045】
数値制御切削機200を形状創成工程106に用いた場合で、得られた眼鏡レンズの表面粗さはRmax で4.5[μm]と切削加工のみではレンズに必要な光学面が得られないときは、続いて研磨加工105が実施される。本例では、眼鏡レンズ製造装置150のうち、図4に示す倣い研磨機400を用いて前記形状創成工程で創成された曲面の研磨を行う。倣い研磨機400の装置構成としては、ワーク回転軸403、ポリシャ回転軸407、図示しないが矢印408に示される方向に揺動を行う揺動軸、研磨液等を注水する注水手段409とからなり、また、図示しない荷重付加手段によりワーク401とポリシャヘッド410の間に研磨に必要な圧力を発生させることが可能である。ポリシャヘッド410はゴム等柔軟性を有するシート404とポリシャヘッド筐体405とで構成されており、このシート404とポリシャヘッド筐体405との間の密閉された空間に、406に示される圧縮空気等の気体、もしくは水等の液体を圧入させ、その圧力でシート404を膨らませることで、任意のワーク形状に倣うことが可能となる。膨んだシート404がワーク401の形状に倣う状態で、ワーク回転軸403、ポリシャ回転軸407を回転させるとともに前記揺動軸で揺動動作を加え、注水手段409から研磨液を注水することで、前記形状創成工程で創成されたワーク形状を崩すことなく所望の光学面に研磨することが可能となる。また、研磨対象ワークの素材に応じてシート404の表面に図示しない研磨布を貼り、更に研磨性能を向上することも可能である。
【0046】
この構成のもと本例では、図示しないが、レイヨンを原料とする長さ0.8[mm]の毛足を有する不織布を接着剤によりシート404の表面に貼り付けるとともに、シート404とポリシャヘッド筐体405との間の密閉された空間に約3.2[kgf/cm2 ]の圧縮空気406を送り込み、形状創成工程で創成された曲面にシート404がほぼ倣うようにシート404を膨らませた。更に図示しない荷重付加手段を用い、ワーク401とポリシャヘッド410との間に約32.5[kgf/cm2 ]の圧力を発生させた。この状態でポリシャヘッド軸407を約100[r.p.m]、ワーク軸403を約5[r.p.m]で回転させ、なおかつ図示しない揺動手段で1分あたり6往復の揺動動作を加えた。なお、これら一連の動作中、ワーク401とポリシャヘッド410との間には注水手段409から研磨液411(フジミインコーポレイテッド製 商品名:ポリプラ103A)を注水した。その結果、約10[分]で必要な光学面を得ることができた。また、前記形状創成時の形状をほとんど崩すことなく研磨加工されていたため、寸度検査時の測定値は、レンズ径80.09[mm]、S度数+2.02[D]、C度数−1.77[D]、乱視軸55[゜]、加入度2.25[D]、プリズム1.17ダウン、仕上がり中心厚み3.31[mm]と、いずれの測定値も規格値を満たしており、処方を十分に満足する内面累進多焦点レンズを得ることができた。
【0047】
なお、図2に示す数値制御切削機は、使用する刃具を円形カッター215からメタルボンド等の研削用砥石に変更することで数値制御研削機としても使用可能で、数値制御切削機と同等の形状精度、表面粗さを得ることができる。
【0048】
また、数値制御切削機200を図3に示す数値制御旋削機300に置き換えてもほぼ同様の結果を得ることができる。数値制御旋削機300は、ほぼ水平方向に直線位置決めを行うX軸位置決め手段305、前記X軸位置決め手段305とほぼ直交する水平方向に直線位置決めを行うY軸位置決め手段308、角度割り出し可能なワーク軸回転手段306、刃物台311とから構成される。数値制御旋削機は前記数値制御切削機と同様に、X軸位置決め手段305、Y軸位置決め手段308、ワーク軸回転手段306の3軸を使ってワーク301の加工点に立てた法線方向にバイト307の先端Rの中心座標を位置決めする。この加工点に対応したバイト307の先端Rの中心座標の位置決めを連続して行うことでレンズ設計形状に基づいた形状創成を行う。この際、ワーク301はワークの形状や荒、仕上げ加工別に100〜2000[r.p.m]の間の回転数でワーク軸回転手段306により回転される。
【0049】
また、本例では研磨工程108で倣い研磨機400を使用したが、図5に示す数値制御研磨機500を使用し、研磨用のNC加工用データ(第2のNC加工用データ)を用いて研磨を行ってもほぼ同等の結果が得られていることは言うまでもない。数値制御研磨機500は図5に示されるように、ほぼ水平方向に直線位置決めを行うX軸位置決め手段505、前記X軸位置決め手段505とほぼ直交する水平方向に直線位置決めを行うY軸位置決め手段507、角度割り出し機能を有する回転テーブル503、角度割り出し機能を有するR軸位置決め手段504の4軸、もしくは前記X軸位置決め手段505、前記回転テーブル503、前記R軸位置決め手段504の3軸とレンズの設計形状から予め計算しておいたNC加工用データに基づき、ポリシャヘッド510とワーク501との相対位置決めを行い、かつワーク501の加工点における法線方向にポリシャヘッド510の中心軸もしくはポリシャヘッド510の表面の任意の部位を一致させ、その方向から荷重付加手段513でポリシャヘッド510を押し当て研磨加工する。これにより形状創成工程106で創成された曲面形状を崩すことなく所望の光学面に研磨することが可能である。
【0050】
(実施例2)
次に、レンズの凸面側に累進面を有する累進多焦点レンズを本発明の製造方法により製造する場合の実施例を図面を用いて説明する。
【0051】
本例の処方データ100には、レンズ径80[mm]、球面度数(S度数)−3.25[D]、乱視度数(C度数)−0.75[D]、乱視軸90度、加入度1.00[D]、ダウンプリズム0.75というデータが含まれている。この処方を満足するために、セミフィニッシュレンズ選択工程103で選択されるセミフィニッシュレンズの凹面側に創成するベースカーブ5.75[D]、クロスカーブ6.50[D]のトーリック面を計算工程102で計算用コンピュータを使って計算した。この際、レンズの仕上がり中心厚みも同時に計算したところ1.55[mm]であった。続いて計算されたトーリック面を図3に示す数値制御旋削機300で加工するためのNC加工用データを計算用コンピュータで作成し、計算用コンピュータ101に装備されているハードディスクに記録した。
【0052】
次にセミフィニッシュレンズ選択工程103で、前記処方を満足する累進多焦点レンズを得るためのセミフィニッシュレンズを選択するわけだが、本例では凸面側に基準曲率半径が264.8[mm]の公称2.50[D]ベースカーブ、加入度1.00[D]の累進面を有する屈折率1.662のセミフィニッシュレンズを選択した。選択したセミフィニッシュレンズが含まれる同一製造ロットの中でのベースカーブのばらつきは標準偏差で0.072[D]と大きく、またベースカーブの平均値は2.551[D]と、形状精度が不安定であったため、計測要否判断工程104で計測が必要と判断し、計測工程105で三次元測定器により形状測定を行った。測定の結果、本例に用いるセミフィニッシュレンズのベースカーブは2.542[D]であった。よって、公称ベースカーブである2.50[D]との差である0.042[D]分を修正したトーリック面を創成するために計算用コンピュータで再計算を行い、NC加工用のデータを求めた。この際、レンズの仕上がり中心厚みもNC加工用データと同時に再計算したが、仕上がり中心厚みに関しては再計算前と同一の数値であった。なお、前記セミフィニッシュレンズの製造ロットの構成は20枚/ロットである。
【0053】
続いて前記セミフィニッシュレンズを、図3に示す数値制御旋削機300のワークチャック302により把持し、数値制御旋削機のDNC運転モードを使い、前記のホストコンピュータ101に記憶されたNC加工用データを数値制御旋削機300に直接伝送しながら旋削加工により形状創成した。なお、数値制御旋削機300の構成は、実施例1で述べた通りであるが、本例に用いた数値制御旋削機の最小位置決め精度は、直線位置決め手段が0.1[μm]、ワーク軸回転手段は0.01[゜]である。また、バイト307の先端Rは4.0[mm]、ワーク回転数は750[r.p.m]、ワーク半径方向の送りピッチは0.01[mm/回転]、ワーク周方向の角度分割ピッチは1周を360に分割し、仕上げ切り込み量は2.0[mm]であった。
【0054】
この条件のもと旋削加工された前記トーリック面の形状は処方を満足するには十分な形状精度が得られていた。更に、表面粗さはRmax で0.014[μm]と旋削加工のみで必要な光学面が得られたため、研磨要否判断工程107で研磨不要と判断され、研磨加工108は省略された。しかし、レンズメータでの寸度検査を行えるレベルの光学面には至っていなかったため、ハードコート加工を施した後に寸度検査を行った。その結果検査時の測定値は、レンズ径79.96[mm]、S度数−3.26[D]、C度数−0.77[D]、乱視軸90[゜]、加入度0.98[D]、ダウンプリズム0.75、仕上がり中心厚み1.53[mm]と、いずれの測定値も規格値を満たしており、処方を十分に満足する累進多焦点レンズを得ることができた。
【0055】
なお、本実施例では形状創成の手段として数値制御旋削機300を使用したが、実施例1と同様に数値制御切削機200、あるいは数値制御研削機を使って形状創成を行ってもほぼ同等の結果が得られることは言うまでもない。但し、形状創成加工後の表面粗さの大きさによっては、実施例1のように倣い研磨機400、あるいは数値制御研磨機500での研磨加工が必要になる場合がある。
【0056】
希ではあるが、本例のようにセミフィニッシュレンズのベースカーブのばらつきが大きい、あるいは公称ベースカーブからのずれが大きいセミフィニッシュレンズが多量に含まれる製造ロットを使用する場合は、図1のブロック図の計算工程102とセミフィニッシュレンズ選択工程103の順番を入れ替えてレンズ製造を行った方が、再計算の手間が無くなり効率が向上する場合がある。
【0057】
(実施例3)
続いて本発明の眼鏡レンズの製造方法により、セミフィニッシュレンズの凸面側に累進面を形状創成し、所望の累進多焦点レンズを製造する場合の実施例を図面を用いて説明する。
【0058】
本例の処方データ100には、レンズ径70[mm]、球面度数(S度数)−10.50[D]、加入度1.50[D]、プリズム2.00アップのデータが含まれている。このため、処方を満足するために計算工程102において、セミフィニッシュレンズの凸面側に創成するベースカーブ1.00[D]、加入度1.50[D]の累進面を計算用コンピュータにより計算した。この際、レンズの仕上がり厚みも同時に計算したところ1.05[mm]であった。
【0059】
なお、本例では形状創成手段として第2図に示す数値制御切削機200の円形カッター215を図示しないメタルボンドダイヤモンドホイールに変更し、数値制御研削機として使用した。
【0060】
続いて計算工程102で、前記で計算された累進面を、前記数値制御研削機で加工するためのNC加工用データを計算用コンピュータで作成し、計算用コンピュータに装備されているハードディスクに記録した。
【0061】
次にセミフィニッシュレンズ選択工程103で前記処方を満足する累進多焦点レンズを得るためのセミフィニッシュレンズを選択するわけだが、本例では凹面側に球面を有する、その曲率半径が57.565[mm]で公称11.50[D]のベースカーブを有するセミフィニッシュレンズを選択した。セミフィニッシュレンズのレンズ素材の屈折率は1.662である。また、選択したセミフィニッシュレンズが含まれる同一製造ロット中でのベースカーブのばらつきは標準偏差で0.002[D]と小さく、形状精度は極めて安定していた。また、ベースカーブの平均値は11.492[D]と、公称ベースカーブ値との差が極めて小さいため、実施例1と同様に前述の形状測定は不要であった。よって、前記で計算されたレンズ設計形状の修正は不要であった。なお、前記セミフィニッシュレンズの製造ロットの構成は30枚/ロットである。
【0062】
続いて、形状創成工程106において、前記セミフィニッシュレンズを数値制御研削機の図示しないワークチャックにより把持し、数値制御研削機のDNC運転モードを使い、前記のNC加工用データを数値制御研削機に直接伝送しながら、レンズ設計形状を研削加工により前記セミフィニッシュレンズの凸面側に形状創成した。数値制御研削機の構成は刃具の違いを除けば数値制御切削機と同じである。本例に用いた数値制御研削機の最小位置決め精度は、直線位置決め手段が0.1[μm]、ワーク軸回転手段は0.001[゜]である。また、ワーク半径方向の送りピッチは0.75[mm/回転]、ワーク周方向の角度分割ピッチは1周を360に分割し、仕上げ切り込み量は0.2[mm]、刃具は直径68.2[mm]で500メッシュのメタルボンドダイヤモンドホイールを刃具回転手段により10000[r.p.m]で回転させ使用した。この条件のもと研削加工された曲面の形状は、処方を満足するには十分な形状精度が得られていた。ただ、表面粗さはRmax で6.2[μm]と研削加工のみではレンズに必要な光学面が得られなかった。
【0063】
このため、続いて研磨
加工108を施した。本例では、図4に示す倣い研磨機を用いて形状創成された曲面の研磨を行った。倣い研磨機の装置構成は実施例1で説明した通りである。本例では、図示しないが、レイヨンを原料とする長さ0.8[mm]の毛足を有する不織布を接着剤によりシート404の表面に貼り付けるとともに、シート404とポリシャヘッド筐体405との間の密閉された空間に約2.4[kgf/cm2 ]の圧縮空気406を送り込み、形状創成された曲面にシート404がほぼ倣うようにシート404を膨らませた。さらに図示しない荷重付加手段を用い、ワーク401とポリシャヘッド410との間に約26.9[kgf/cm2 )]の圧力を発生させた。この状態でポリシャヘッド軸407を約120[r.p.m]、ワーク軸403を約5[r.p.m]で回転させ、なおかつ図示しない揺動手段で1分あたり3往復の揺動動作を加えた。なお、これら一連の動作中、ワーク401とポリシャヘッド410との間には注水手段409から研磨液411(フジミインコーポレイテッド製 商品名:ポリプラ103A)を注水した。その結果、約13[分]で必要な光学面を得ることができた。また、前記形状創成時の形状をほとんど崩すことなく研磨加工されていたため、寸度検査時の測定値はレンズ径70.06[mm]、S度数−10.46[D]、加入度1.50[D]、プリズム1.92アップ、仕上がり中心厚み1.11[mm]と、いずれの測定値も規格値を満たしており、処方を十分に満足する累進多焦点レンズを得ることができた。
【0064】
以上に説明したように本例の眼鏡レンズの製造方法および製造装置によれば、顧客の処方に基づいて曲面の組み合わせを計算し、加工データを算出し、所望の曲面を創成する切削手段、もしくは研削手段、旋削手段、更にはこれらに加えセミフィニッシュレンズの形状を計測し所望の度数を得るための基準データを算出する手段、及び研磨手段により、処方に応じたあらゆる組み合わせの曲面の創成が可能である。この結果、従来技術では必須とされていた加工皿や多量の成型用の型が不要となるばかりでなく、様々なタイプの眼鏡レンズを容易に製造して低コストで供給することが可能となり、従来の累進多焦点レンズに限らず、従来技術の注型成形方法では莫大なコストと時間を要し、また、研磨加工による製造方法では現実的には製造不可能な、特願平7−306189に記載された内面累進多焦点眼鏡レンズをも短い納期と低コストで提供することができる等、多大な効果を有するものである。
【0065】
【発明の効果】
このように、本発明においては、眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面を、従来の注型成型、カーブジェネレータおよび加工皿を用いた研磨装置あるいはこれらを組み合わせた製造方法と異なり、NC加工用データに基づくNC加工によって製造するようにしている。このため、どのような曲面を備えた眼鏡レンズも共通した製造装置、あるいは数少ない種類の製造装置を用いてNC加工用データを変えるだけで製造することができる。従って、本発明においては、従来の製造方法では現実的には供給が不可能な内面累進多焦点レンズを本格的に供給することが可能となり、眼鏡レンズの装用者毎に異なる面を備えた眼鏡レンズを適当な納期と価格で提供することができる。また、本発明の製造方法および製造装置を用いることにより、NC加工用データを変えるだけで多種多用な眼鏡レンズを製造できるので、予め多種多用な加工皿を製造し、それらを管理する必要もなくなる。従って、内面累進多焦点レンズに限らず、様々なタイプの眼鏡レンズを低価格で供給することができ、その納期も大幅に短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における眼鏡レンズの製造工程を示すブロック図。
【図2】本発明の眼鏡レンズ製造装置の数値制御切削機を示す正面図。
【図3】本発明の眼鏡レンズ製造装置の数値制御旋削機を示す上面図。
【図4】本発明の眼鏡レンズ製造装置の倣い研磨機を示す正面図。
【図5】本発明の眼鏡レンズ製造装置の数値制御研磨機を示す正面図。
【図6】眼鏡レンズの一般的な製作範囲を示す製作範囲表。
【符号の説明】
101 ホストコンピュータ
102 計算工程
103 セミフィニッシュレンズ選択工程
104 セミフィニッシュレンズの計測要否判断工程
105 セミフィニッシュレンズの計測及び計算工程
106 形状創成工程
107 研磨要否判断工程
108 研磨工程
109 検査工程
201 ワーク
202 ワークチャック
203 ワーク回転軸駆動用モータ及びエンコーダ
204 ワーク回転軸
205 X軸位置決め手段
206 X軸駆動用モータ及びエンコーダ
207 ベッド
208 Y軸位置決め手段
209 Y軸駆動用モータ及びエンコーダ
210 Z軸コラム
211 Z軸駆動用モータ及びエンコーダ
212 Z軸位置決め手段
213 刃具回転手段
214 刃具回転軸
215 円形カッター
216 ワーク軸回転手段
301 ワーク
302 ワークチャック
303 ワーク回転軸駆動用モータ及びエンコーダ
304 X軸駆動用モータ及びエンコーダ
305 X軸位置決め手段
306 ワーク軸回転手段
307 バイト
308 Y軸位置決め手段
309 Y軸駆動用モータ及びエンコーダ
310 ベッド
311 刃物台
401 ワーク
402 ワークチャック
403 ワーク回転軸
404 柔軟性を有するシート
405 ポリシャヘッド筐体
406 圧縮空気等の気体、もしくは水等の液体
407 ポリシャヘッド回転中心軸
408 揺動方向
409 注水手段
410 ポリシャヘッド
411 研磨
液
501 ワーク
502 ワークチャック
503 モータ及びエンコーダ内蔵の回転テーブル
504 R軸位置決め手段
505 X軸位置決め手段
506 X軸駆動用モータ及びエンコーダ
507 Y軸位置決め手段
508 ベッド
509 Y軸駆動用モータ及びエンコーダ
510 ポリシャヘッド
511 ポリシャヘッド回転手段
512 Z軸位置決め手段
513 荷重付加手段
514 Z軸駆動用モータ及びエンコーダ
515 荷重伝達軸
Claims (2)
- 眼鏡レンズを成形するためのセミフィニッシュレンズの削り出し加工を前記眼鏡レンズの装用者の条件を加味して加工された数値制御加工用データに基づいて行うNC形状創成工程と、前記NC形状創成工程で削り出し加工が行われた前記セミフィニッシュレンズ面の研磨を倣い研磨により行う倣い研磨工程とを有する眼鏡レンズの製造方法であって、
前記NC形状創成工程を行う前に、前記数値制御加工用データに基づいて削り出し加工を行うのに適したセミフィニッシュレンズを選択後、前記セミフィニッシュレンズの加工対象の面の形状を計測し、前記計測結果から所望のレンズ度数を得るための基準カーブを算出し、前記算出結果に基づき前記数値制御加工用データを補正する補正工程を有することを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。 - 請求項1において、前記NC形状創成工程では、削り出し加工が行われる際に生成される変曲点近傍の段差量が、面粗度成分を除いて0.0005mm以上0.005mm以下であり、かつ、削り出し加工が行われた面の最大表面粗さRmaxが、0.001mm以上0.010mm以下になるように前記セミフィニッシュレンズの削り出し加工を行うことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
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