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JP3827541B2 - 温度補償回路及びこれを具備した通信端末装置 - Google Patents

温度補償回路及びこれを具備した通信端末装置 Download PDF

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JP3827541B2 JP2001201956A JP2001201956A JP3827541B2 JP 3827541 B2 JP3827541 B2 JP 3827541B2 JP 2001201956 A JP2001201956 A JP 2001201956A JP 2001201956 A JP2001201956 A JP 2001201956A JP 3827541 B2 JP3827541 B2 JP 3827541B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力増幅器の温度特性を補償する温度補償回路及びこれを具備した通信端末装置に関するもので、特に、非線形性の温度特性を有する電力増幅器に対する温度補償回路及びこれを具備した通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、信号などを増幅するための電力増幅器の増幅素子として、バイポーラトランジスタなどが用いられる。このように増幅素子として用いられるバイポーラトランジスタは、周囲温度が増加すると、そのベース−エミッタ間のオン電圧VBEが低下して、コレクタ電流が増加するという温度特性を有する。このような温度特性を補償するために、電力増幅器へバイアス電圧を与えるバイアス回路に、電力増幅器の増幅素子であるバイポーラトランジスタのベース−エミッタ間のオン電圧VBEと同じ温度特性を持たせることで、温度による変化をうち消して、バイアスの安定化を図る方法がある。
【0003】
図8に、このようにバイアスの安定化を図って、増幅素子であるバイポーラトランジスタの温度補償を行う温度補償回路を、増幅素子となるバイポーラトランジスタTrとともに示す。図8では、エミッタが接地されるとともにコレクタにバイアス電圧VCC2が印加されたトランジスタTrのベースに、温度補償用のバイポーラトランジスタTaのベースとコレクタが接続されるとともに、一端にバイアス電圧VCC1が印加された抵抗Rbの他端が接続される。又、トランジスタTaのエミッタに、一端が接地された抵抗Raの他端が接続される。
【0004】
このように温度補償回路となる抵抗Ra,Rb及びトランジスタTaが設けられた電力増幅器において、抵抗RbとトランジスタTrのベースとトランジスタTaのコレクタ及びベースが接続された接続ノードが入力端子INとされるとともに、トランジスタTrのコレクタが出力端子OUTとされる。このように構成したとき、トランジスタTaがトランジスタTrと同じ温度特性を持つようにして、温度補償を行うことができる。
【0005】
即ち、温度が高くなると、温度補償用のトランジスタTaのベース−エミッタ間のオン電圧VBEが低下して、トランジスタTrのベースへのバイアス電圧が低下する。よって、トランジスタTrのベースへ印加されるバイアス電圧が低下するため、温度上昇に伴って低下するトランジスタTrのベース−エミッタ間のオン電圧VBEの影響をうち消す。このように、トランジスタTaにより、温度変化によるバイアス条件の変動をなくして、電力増幅器の出力特性の温度による変動を抑制することができる。
【0006】
又、電力増幅器に与えるバイアス電圧の温度補償を行う温度補償回路の別の従来例を図9に示す。図9の温度補償回路は、非反転入力端子に基準電圧VDDが印加された演算増幅器100と、演算増幅器100の反転入力端子に一端が接続されるとともに他端が接地された抵抗Rxと、抵抗Rxの一端及び演算増幅器100の反転入力端子の接続ノードと演算増幅器の出力端子との間に接続されたサーミスタ101とを有する。この温度補償回路の演算増幅器100の出力端子より出力される電圧が、バイアス電圧として電力増幅器102に与えられる。
【0007】
サーミスタには、温度が増加すると抵抗値が単調減少するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタと、温度が増加すると抵抗値が単調増加するPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタとがある。通常は、NTCサーミスタが用いられ、図9の温度補償回路におけるサーミスタ101についてもNTCサーミスタであるものとする。
【0008】
今、抵抗Rxの抵抗値をrx、サーミスタ101の抵抗値をryとすると、温度補償回路から出力される出力電圧Voは、次の(1)式で表される。
Vo=(1+ry/rx)×VDD …(1)
【0009】
又、NTCサーミスタであるサーミスタ101は、温度Tの上昇に伴って、次の(2)式のように、その抵抗値ryが単調減少する。尚、温度T0のとき、抵抗値ryがr0となるものとし、又、BをB定数とする。
ry=r0×exp[B×(1/T−1/T0)] …(2)
【0010】
上の(1)、(2)式から、温度の上昇に伴って、演算増幅器100から出力される温度補償回路の出力電圧Voが単調に減少することがわかる。このようにサーミスタの温度特性を利用して温度補償回路を構成することができる。よって、このような温度補償回路から出力電圧を電力増幅器のバイアス電圧とすることによって、電力増幅器の温度による特性変動を補償することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8のように、増幅素子として動作するトランジスタTrの温度補償用にトランジスタTaを設けたとしても、トランジスタTr,Taのベース−エミッタ間の特性バラツキなどによって、完全に電力増幅器の特性変動を補償することができない場合がある。又、図9のような回路構成の温度補償回路を用いたとしても、電力増幅器の特性変動を補償するための最適なバイアス電圧の温度特性が、単調減少又は単調増加でなく、室温付近で電圧が極小となる場合があり、図9のような温度補償回路から与えられるバイアス電圧が適していないことがある。このような電力増幅器の例として、通信端末装置内の送信電力増幅器が挙げられる。
【0012】
携帯型電話機として使用される通信端末装置において、通話時間中における送信電力増幅器での消費電流は、通信端末装置の全消費電流の中でもかなりの割合を占めることとなり、通信端末装置における通話時間及び待機時間を長く保持するためには、この送信電力増幅器での消費電流を低減させる必要がある。このような送信電力増幅器には、通常、2段以上の増幅素子によって構成され、後段ほど信号電力が大きくなり、その消費電流も大きくなる。
【0013】
従って、例えば、2段の増幅素子によって構成される送信電力増幅器においては、2段目の増幅素子の方が消費電流が大きいため、2段目の増幅素子をAB級もしくは、B級に近い動作をさせて、その効率改善を図っている。しかしながら、一般的に増幅素子をB級動作させたとき、送信電力増幅器の線形性が劣化するため、送信電力増幅は求められる線形性許容範囲内において、高効率動作を行うようにバイアス調整される。
【0014】
送信電力増幅器内の増幅素子がバイポーラトランジスタである場合、その温度補償のため、通常、図8のようなバイアス回路構成が用いられる。増幅素子となるトランジスタTrが室温においてB級に近い動作をしている場合、低温になると、そのベース−エミッタ間のオン電圧VBEが高くなる。そして、トランジスタTr,Taに素子バラツキがあれば、トランジスタTrは更にB級動作に近い動作状態となり、増幅特性の線形性が劣化して、通信端末装置における送信電力増幅器としての仕様を満たさなくなるという問題がある。よって、トランジスタTrのベースへのバイアス電圧VCC1を高くする必要がある。
【0015】
又、高温となるときは、トランジスタTr自体の利得が低下するため、この利得低下を補償するためアイドル電流を大きくする必要がある。よって、このときも低温時と同様に、トランジスタTrのベースへのバイアス電圧VCC1を高くする必要がある。
【0016】
以上より、送信電力増幅器の低温での線形性劣化と高温での利得劣化を防ぐとともに、室温付近での効率を向上させるためには、低温と高温でのバイアス電圧VCC1を高くするとともに、室温付近でのバイアス電圧VCC1を低くすることが望ましい。このようなバイアス電圧VCC1において、最適とされる電圧が、図4の太線のグラフで表される。即ち、図4のように、最適となるバイアス電圧VCC1は、室温(30℃)付近にて極小値を有するが、図9のような回路構成の温度補償回路では、図4のグラフのような温度特性を実現することができない。
【0017】
このような問題を鑑みて、本発明は、非直線性の温度特性を持った電力増幅器の温度特性を良好に補償することが可能である温度補償回路を提供することを目的とする。又、本発明は、このような温度補償回路を備えた通信端末装置を提供することを別の目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電力増幅装置は、増幅素子としてのバイポーラトランジスタと、前記バイポーラトランジスタにバイアス電圧を与える温度補償回路とを有し、前記温度補償回路は、非反転入力端子と反転入力端子とを有するとともに、非反転入力端子に基準電圧が印加された演算増幅器と、該演算増幅器の反転入力端子に接続されるとともに、接地端子に接続された第1回路と、該演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続された第2回路と、を有するとともに、前記第1回路及び第2回路が、少なくともサーミスタ及び抵抗を含む回路であり、演算増幅器の出力端子に現れる電圧を前記バイアス電圧として出力することを特徴とする。
【0019】
このような電力増幅装置において、前記第1回路及び前記第2回路が、それぞれ、前記サーミスタと前記抵抗が直列に接続されているものとしても構わない。即ち、前記第1回路が、前記演算増幅器の反転入力端子に一端が接続されたサーミスタと、該サーミスタの他端に一端が接続されるとともに他端が接地された抵抗より構成され、又、前記第2回路が、前記演算増幅器の反転入力端子に一端が接続された抵抗と、該抵抗の他端に一端が接続されるとともに他端が前記演算増幅器の出力端子に接続されたサーミスタより構成されるものとしても構わない。
【0020】
更に、このような電力増幅装置において、前記第1回路及び前記第2回路が、それぞれ、直列に接続された前記サーミスタ及び前記抵抗と並列に接続された抵抗を有するものとしても構わない。
【0021】
又、前記第1回路及び前記第2回路が、それぞれ、前記サーミスタと前記抵抗が並列に接続されているものとしても構わない。即ち、前記第1回路が、前記演算増幅器の反転入力端子に一端が接続されるとともに他端が接地されたサーミスタ及び抵抗より構成され、又、前記第2回路が、前記演算増幅器の反転入力端子に一端が接続されるとともに他端が前記演算増幅器の出力端子に接続されたサーミスタ及び抵抗より構成されるものとしても構わない。
【0022】
更に、このような電力増幅装置において、前記第1回路及び前記第2回路が、それぞれ、並列に接続された前記サーミスタ及び前記抵抗と直列に接続された抵抗を有するものとしても構わない。
【0023】
又、本発明の通信端末装置は、送信信号の電力を増幅する電力増幅装置を有する通信端末装置において、前記電力増幅装置は、上述したいずれかに記載の電力増幅装置であることを特徴とする
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
【0025】
<基本構成>
まず、本発明の基本構成について、図面を参照して説明する。図1は、基本となる温度補償回路の回路構成を示す回路図である。
【0026】
図1の温度補償回路は、非反転入力端子に基準電圧VDDが印加される演算増幅器1と、演算増幅器1の反転入力端子に一端が接続されたサーミスタ2と、演算増幅器1の出力端子に一端が接続されたサーミスタ3と、サーミスタ2の他端に一端が接続されるとともに他端が接地された抵抗R1と、サーミスタ3の他端に一端が接続されるとともに演算増幅器1の反転入力端子とサーミスタ2との接続ノードに他端が接続された抵抗R2とを有する。又、サーミスタ2,3は、温度上昇に伴って、その抵抗値が単調減少するNTCサーミスタである。
【0027】
このような構成の温度補償回路において、抵抗R1,R2の抵抗値をそれぞれr1,r2とし、サーミスタ2,3の抵抗値をそれぞれr3,r4とする。このとき、演算増幅器1の出力端子より出力される温度補償回路の出力電圧Voは、次の(3)式で表される。
Vo=[1+(r2+r4)/(r1+r3)]×VDD …(3)
【0028】
又、NTCサーミスタであるサーミスタ2,3は、温度Tの上昇に伴って、次の(4)式、(5)式のように、それぞれ、その抵抗値r3,r4が単調減少する。尚、温度T0のとき、抵抗値r3,r4がr03,r04となるものとし、又、B3,B4をB定数とする。
r3=r03×exp[B3×(1/T−1/T0)] …(4)
r4=r04×exp[B4×(1/T−1/T0)] …(5)
【0029】
よって、(4)式、及び(5)式を、(3)式に代入したとき、次の(6)式が成立すると、(4)式、及び(5)式が代入された(3)式を温度Tで微分したときに、温度T0を代入した値を(7)式のように0とすることができる。
r04×B4×(r1+r03)=r03×B3×(r2+r04) …(6)
(dVo/dT)|T=T0=0 …(7)
【0030】
このように、(6)式の関係が成り立つように、抵抗R1,R2及びサーミスタ2,3の各パラメータを設定すると、温度TがT0となるときに、(4)式、及び(5)式が代入された(3)式が極値を持つことがわかる。この極値が極小値となる場合の温度Tと出力電圧Voとの関係を示す一例が、図2のグラフのように表される。図2のグラフにおいては、室温となる20〜30℃付近で極小値を有するように設定されている。
【0031】
又、このように図2のグラフのような関係が、図1のような構成回路で、温度Tと出力電圧Voとの間で成立していると、T=T0で(r2+r4)/(r1+r3)が極小となるとき、出力電圧Voが極小となる。このとき、例えば、サーミスタ2,3を入れ換えるとともに抵抗R1,R2を入れ換えることによって、(3)式を(8)式のように変更することができる。
Vo=[1+(r1+r3)/(r2+r4)]×VDD …(8)
【0032】
T=T0で(r2+r4)/(r1+r3)が極小となるため、T=T0で(r1+r3)/(r2+r4)が極大となる。よって、(8)式のような関係とされた温度補償回路の出力電圧Voは、T=T0で極大値を持つようにすることができる。このように、温度補償回路を構成する抵抗R1,R2及びサーミスタ2,3の各パラメータの設定を変更することで、簡単に、その出力電圧が所望の温度で極小値又は極大値を持つようにすることができる。
【0033】
このような基本構成に基づいて、以下の各実施形態について、説明する。
【0034】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図3は、本実施形態の温度補償回路の回路構成を示す回路図である。尚、図3の温度補償回路において、図1の温度補償回路と同一の素子については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図3の温度補償回路は、図1の温度補償回路と同様、演算増幅器1、サーミスタ2,3及び抵抗R1,R2を有し、更に、直列に接続されたサーミスタ2及び抵抗R1と並列に接続される抵抗R3と、直列に接続されたサーミスタ3及び抵抗R2と並列に接続される抵抗R4とを有する。即ち、抵抗R3の一端が接地されるとともに、その他端がサーミスタ2と演算増幅器1の反転入力端子との接続ノードに接続される。又、抵抗R4の一端が抵抗R2と演算増幅器1の反転入力端子との接続ノードに接続されるとともに、その他端がサーミスタ3と演算増幅器1の出力端子との接続ノードに接続される。
【0036】
このようにして構成される温度補償回路において、抵抗R3,R4は、温度補償回路の温度変化の微調整を行うために設けられる。そして、電力増幅器の動作温度である−20〜85℃の範囲において、その線形性と利得の低下を抑制するとともに、各温度で最大の効率が得られるように、電力増幅器に与えるバイアス電圧を最適に制御したときの、バイアス電圧と温度との関係が図4の太線で表されるグラフのようになる。このようなバイアス電圧が、図3のような構成の温度補償回路より出力される。
【0037】
この図4の太線で表されるグラフのような温度特性となるバイアス電圧を出力するために、以下のように、抵抗R1〜R4の抵抗値、及びサーミスタ2,3の各種パラメータを設定した。即ち、抵抗R1,R2,R3,R4の抵抗値をそれぞれ、14300Ω、5100Ω、26200Ω、8200Ωとし、サーミスタ2,3の25℃での抵抗値をそれぞれ、100kΩ、4.0kΩとし、サーミスタ2,3の−25〜85℃でのB定数をそれぞれ、4550K、4100Kとした。
【0038】
このように各種パラメータを設定した図3の温度補償回路からの出力電圧が、電力増幅器における2段目の増幅素子となる、図8のようにバイアス回路が構成されたトランジスタTrのベースに与えられるバイアス電圧VCC1として、出力されるとき、電力増幅器における温度依存性を測定した。トランジスタTrのベースに与えられるバイアスでん合うVCC1の測定結果が、図4における細線で表されるグラフとなる。よって、この測定結果が、図4の太線で表されるグラフで表される最適値とほぼ一致することがわかる。
【0039】
このとき、本実施形態における温度補償回路を用いて、電力増幅器のベースに与えられるバイアス電圧の制御を行ったとき、室温において、周波数が1.95GHzで電力500mWの信号が電力増幅器から出力されたときの、電力増幅器の出力効率が39%となった。又、従来のように、動作温度範囲において、電力増幅器の線形性と利得の低下を防ぐように最適なバイアス電圧に固定したときは、周波数が1.95GHzで電力500mWの信号が電力増幅器から出力されたときの、電力増幅器の出力効率は36%である。よって、本実施形態のような温度補償回路を用いることによって、室温での出力効率が3%程度向上することが確認された。
【0040】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態の温度補償回路の回路構成を示す回路図である。尚、図5の温度補償回路において、図1の温度補償回路と同一の素子については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0041】
図5の温度補償回路は、図1の温度補償回路と同様、演算増幅器1、サーミスタ2,3及び抵抗R1,R2を有し、更に、サーミスタ2と並列に接続される抵抗R5と、サーミスタ3と並列に接続される抵抗R6とを有する。即ち、抵抗R5の一端が抵抗R1とサーミスタ2との接続ノードに接続されるとともに、その他端がサーミスタ2と演算増幅器1の反転入力端子との接続ノードに接続される。又、抵抗R6の一端が抵抗R2とサーミスタ3との接続ノードに接続されるとともに、その他端がサーミスタ3と演算増幅器1の出力端子との接続ノードに接続される。
【0042】
このようにして構成される温度補償回路において、抵抗R5,R6は、温度補償回路の温度変化の微調整を行うために設けられる。そして、第1の実施形態と同様、温度補償回路からの出力電圧が、電力増幅器の動作温度である−20〜85℃の範囲において、図4の太線で表されるグラフのような温度特性になるように、抵抗R1,R2,R5,R6の抵抗値、及びサーミスタ2,3の各種パラメータが設定される。
【0043】
図5のように構成した温度補償回路は、基本構成となる図1のように構成した温度補償回路とほぼ同様の温度特性を有する出力電圧を出力することができるため、このような出力電圧をバイアス電圧として電力増幅器に入力したとき、第1の実施形態と同様の効果が得られ、電力増幅器の出力効率を向上させることができる。
【0044】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態の温度補償回路の回路構成は、基本構成となる図1のような回路構成と同一とする。よって、本実施形態において、その回路構成について、詳細な説明は基本構成のものを参照するものとして省略する。
【0045】
図1のようにして構成される温度補償回路は、第1の実施形態と同様、その出力電圧が、図4の太線で表されるグラフのような温度特性になるように、抵抗R1,R2の抵抗値、及びサーミスタ2,3の各種パラメータが設定される。このように設定することによって、本実施形態の温度補償回路からの出力電圧をバイアス電圧として電力増幅器に入力したとき、第1の実施形態と同様の効果が得られ、電力増幅器の出力効率を向上させることができる。又、本実施形態では、第1の実施形態の温度補償回路における抵抗R3,R4又は第2の実施形態の温度補償回路における抵抗R5,R6を削減することができるため、温度補償回路の小型化に有効である。
【0046】
<第4の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図6は、本実施形態の温度補償回路の回路構成を示す回路図である。尚、図6の温度補償回路において、図5の温度補償回路と同一の素子については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0047】
図6の温度補償回路は、図5の温度補償回路と異なり、抵抗R1,R2が削除され、演算増幅器1、サーミスタ2,3及び抵抗R5,R6を有する。即ち、サーミスタ2の一端と抵抗R5の一端との接続ノードが接地されるとともに、サーミスタ2の他端と抵抗R5の他端との接続ノードが演算増幅器1の反転入力端子に接続される。又、サーミスタ3の一端と抵抗R6の一端との接続ノードが演算増幅器1の反転入力端子に接続されるとともに、サーミスタ3の他端と抵抗R6の他端との接続ノードが演算増幅器1の出力端子に接続される。
【0048】
このようにして構成される温度補償回路において、第2の実施形態と同様、その出力電圧が、電力増幅器の動作温度である−20〜85℃の範囲において、図4の太線で表されるグラフのような温度特性になるように、抵抗R5,R6の抵抗値、及びサーミスタ2,3の各種パラメータが設定される。このように設定することによって、本実施形態の温度補償回路からの出力電圧をバイアス電圧として電力増幅器に入力したとき、第2の実施形態と同様の効果が得られ、電力増幅器の出力効率を向上させることができる。又、本実施形態では、第2の実施形態の温度補償回路における抵抗R1,R2を削減することができるため、温度補償回路の小型化に有効である。
【0049】
<本発明の温度補償回路を備えた通信端末装置>
上述した第1〜第4の実施形態のいずれかにおける温度補償回路を備えた通信端末装置について、図面を参照して、以下に説明する。図7は、第1〜第4の実施形態のいずれかにおける温度補償回路を備えた通信端末装置の送信部分の内部構成を示すブロック図である。
【0050】
図7に示す通信端末装置は、送信するためのデータを符号化するなどして演算処理を行って送信信号を生成する信号処理回路10と、信号処理回路10で生成された送信信号を変調する変調器11と、変調器11に対して発振信号を与える発振器12と、変調器11で変調された送信信号を増幅するドライバ増幅器13と、ドライバ増幅器13で増幅された送信信号に対して更に電力増幅を行う電力増幅器14と、電力増幅器14内の増幅素子に対するバイアス電圧を制御する温度補償回路15と、送受信を切り換える送受信切換スイッチ16と、送受信切換スイッチ16を介して電力増幅器14で電力増幅された送信信号を送信するアンテナ17とを有する。
【0051】
このような構成の通信端末装置において、まず、信号処理回路10においてデータが演算処理された後、送信用の符号方式に従って符号化されることによって、送信信号が生成される。この送信信号が、変調器11に与えられると、変調器11において、発振器12から送出される変調周波数の発振信号に従って、送信信号が変調される。変調された送信信号は、まず、ドライバ増幅器13において増幅された後、更に、電力増幅器14において増幅される。
【0052】
電力増幅器14は、上述の第1〜第4の実施形態において説明した温度補償回路15によって、電力増幅器14内に備えられた増幅素子のベースに対するバイアス電圧が制御されている。よって、電力増幅器14は、−20〜85℃の動作温度範囲にて、その線形性と利得の低下を防ぎながら、高い効率で動作することができる。電力増幅器14で増幅された送信信号が、送受信切換スイッチ16を介してアンテナ17より送信される。
【0053】
この電力増幅器14が、通信端末装置において送受信動作がなされているときに消費される消費電流を多く占める。よって、温度補償回路15によって、室温付近において高効率で動作するように、電力増幅器14のバイアス電圧が制御されるため、通信端末装置の消費電流を低減させることができる。そのため、通信端末装置を携帯型電話機としたとき、その待機時間及び通話時間を長くすることができ、時間改善を図ることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によると、非線形性の温度特性を持った電力増幅器に対して、温度補償回路によって、この温度特性に応じた電力増幅器のバイアス電圧を制御することが可能である。よって、電力増幅器を、指定の動作温度範囲において、高効率な増幅動作を行うことができる。このように高効率で動作可能とすることができるので、電力増幅器における消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度補償回路の基本構成を示す回路図。
【図2】本発明の温度補償回路による出力電圧の温度依存性の計算結果を示すグラフ。
【図3】第1の実施形態の温度補償回路の構成を示す回路図。
【図4】電力増幅器に与えるバイアス電圧の温度依存性と本発明の温度補償回路による出力電圧の温度依存性の実測値を示すグラフ。
【図5】第2の実施形態の温度補償回路の構成を示す回路図。
【図6】第4の実施形態の温度補償回路の構成を示す回路図。
【図7】本発明の通信端末装置の送信部分の内部構成を示すブロック図。
【図8】バイポーラトランジスタを用いて温度補償された電力増幅器の一例。
【図9】従来の温度補償回路の構成を示す回路図。
【符号の説明】
1,100 演算増幅器
2,3,101 サーミスタ
R1〜R6,Ra,Rb,Rx 抵抗
Ta,Tr バイポーラトランジスタ
10 演算処理回路
11 変調器
12 発振器
13 ドライバ増幅器
14 電力増幅器
15 温度補償回路
16 送受信切換スイッチ
17 アンテナ

Claims (6)

  1. 増幅素子としてのバイポーラトランジスタと、
    前記バイポーラトランジスタにバイアス電圧を与える温度補償回路とを有し、
    前記温度補償回路は、
    非反転入力端子と反転入力端子とを有するとともに、非反転入力端子に基準電圧が印加された演算増幅器と、
    該演算増幅器の反転入力端子に接続されるとともに、接地端子に接続された第1回路と、
    該演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続された第2回路と、
    を有するとともに、
    前記第1回路及び第2回路が、少なくともサーミスタ及び抵抗を含む回路であり、演算増幅器の出力端子に現れる電圧を前記バイアス電圧として出力することを特徴とする電力増幅装置
  2. 前記第1回路及び前記第2回路が、それぞれ、前記サーミスタと前記抵抗が直列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電力増幅装置
  3. 前記第1回路及び前記第2回路が、それぞれ、直列に接続された前記サーミスタ及び前記抵抗と並列に接続された抵抗を有することを特徴とする請求項2に記載の電力増幅装置
  4. 前記第1回路及び前記第2回路が、それぞれ、前記サーミスタと前記抵抗が並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電力増幅装置
  5. 前記第1回路及び前記第2回路が、それぞれ、並列に接続された前記サーミスタ及び前記抵抗と直列に接続された抵抗を有することを特徴とする請求項4に記載の電力増幅装置
  6. 送信信号の電力を増幅する電力増幅装置を有する通信端末装置において、
    前記電力増幅装置は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電力増幅装置であることを特徴とする通信端末装置。
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