JP3826881B2 - 車両用ドアハンドル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドアハンドル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のドアの解錠・施錠を制御するシステムとして、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されたものが知られている。これら文献に記載のシステムによれば、車両の所有者(運転者)は正規の所有者であることを証明するために電子キー若しくは電子カードなどの携帯機を所持(携行)する。そして、この携帯機を所持する者がドアに接近してドアハンドルに触れれば、自動的にドアが解錠されるようになっている。これら特許文献には、この際の当該者の乗車の意思確認(ドア解錠の意思確認)を行う手段についても併せて開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ドアハンドル内に設置されたスイッチによってハンドル操作(開操作)を検出し、ドア解錠の意志を確認する手段が開示されている。このドア解錠の意思確認により、乗車する意志がある車両の所有者が車両に接近したときに限り、余分な操作を加えることなくドア解錠が可能となる。しかしながら、特許文献1のシステムでは、ドア解錠ができるものの、ドアの施錠(ロック)に関しては何ら開示されてはいない。
【0004】
また、特許文献2では、ドアハンドルの意匠面にドア解錠等の意志確認用のスイッチが固定されたシステムについて開示されている。すなわち、特許文献2では、車両の所有者が前記スイッチを押すことで、ドアが施錠状態のときには解錠作動を行い、一方、ドアが解錠状態のときは施錠作動を行う手段について開示されている。
【0005】
さらに、特許文献2では、今日では周知である、いわゆるトリガ方式のスマートエントリーシステムについて開示されている。このシステムでは、車両の所有者がドアハンドルに固定された上記スイッチを押すと、車載機がドアハンドルに搭載された送信アンテナからトリガ電波を発射させる。そして、このトリガ電波を所有者の携行する電子キー若しくは電子カードが受信すると、そのコード信号を送り返すことでドアの解錠・施錠を行うようになっている。この場合、乗車する意志がある車両の所有者は、スイッチを押す操作が必要となる。
【0006】
一方、特許文献3では、このようなスイッチを押すなどの余分な操作を必要としないトリガ方式のスマートエントリーシステムについて開示されている。すなわち、このシステムでは、ドアハンドル内に設置した電極とボディ間で形成される等価的な平行平板電極の容量を利用し、空気と異なる媒質定数、例えば手がドアハンドルとボディとの間に挿入されることで生じる容量の変化を検出する。そして、この容量変化の検出によってドア解錠の意思確認をするもので、これをタッチセンサ若しくはスイッチ要素として取り扱うことが開示されている。
【0007】
なお、この等価的な平行平板電極によるタッチセンサとしての機能は、例えば特許文献5により既にその原理が開示されており、公知のものである。また、等価的な平行平板電極にせずとも、単数の導電体で同様の容量変化(学術的にはリアクタンスの変化)を検出することが可能である。特許文献4には、これをタッチセンサとすることが開示されており、これも公知である。
【0008】
【特許文献1】
特公平3−12192号公報
【特許文献2】
特公平4−72951号公報
【特許文献3】
特表2000−509121号公報
【特許文献4】
特公平2−27637号公報
【特許文献5】
米国特許第3689814号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような複数電極を用いた容量変化を検出するセンサが特許文献3などで開示されているが、ドアハンドル内という劣悪な環境下でこうしたセンサ等の良好な動作を保証する具体的な要件については上記したいずれの特許文献にも開示されていない。例えば、ドアハンドル内に浸水すると、収容されたセンサ等の性能に影響を及ぼすことになる。
【0010】
本発明の目的は、ドアハンドル内に収容される送信アンテナ、容量変化に基づき人体近接を検出するセンサ、若しくはドアロック操作を行うためのスイッチの劣悪な環境下での動作保証を向上することができる車両用ドアハンドル装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両用ドアの外側に配置されるドアハンドルと、該ドアハンドル内に収容された送信アンテナとを備えた車両用ドアハンドル装置において、前記ドアハンドルは、ハンドル本体およびハンドルカバー間の閉空間によって中空部を形成しており、その中空部には、前記送信アンテナと、該送信アンテナに対して対向配置され人体近接を検出するセンサとが収容されており、前記送信アンテナは、単一の被覆ワイヤがフェライトに巻回されたループアンテナ形状を有し、前記センサは、単一の被覆ワイヤが前記ドアハンドルの長手方向に沿うメアンダ形状に屈曲された電極形状を有するものであって、前記送信アンテナおよび前記センサから延在する前記各単一の被覆ワイヤは、前記ドアハンドル内において電気的な接続部を有することなく、前記中空部に連通する導出孔から前記ドアハンドルの外側へと車両用ドア内に引き込まれるよう導出されていることを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ドアハンドル装置において、前記ドアハンドルの外側へと導出された各被覆ワイヤの端部は、共通の防水コネクタハウジングに接続されていることを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用ドアハンドル装置において、前記ドアハンドルの外側の意匠面に露出して該ドアハンドル内に収容された、ドアロック操作を行うためのスイッチをさらに備え、前記スイッチの被覆ワイヤの端部は、前記防水コネクタハウジングに接続されていることを要旨とする。
【0023】
(作用)
請求項1−3に記載の発明によれば、ドアハンドルは、ハンドル本体およびハンドルカバー間の閉空間によって中空部を形成し、その中空部には、前記送信アンテナと、該送信アンテナに対して対向配置され人体近接を検出するセンサとが収容される。そして、これら収容された送信アンテナおよびセンサから延在する各被覆ワイヤは、ドアハンドル内において電気的な接続部を有することなく、中空部に連通する導出孔から前記ドアハンドルの外側へと車両用ドア内に引き込まれるよう導出される。従って、送信アンテナおよびセンサの接続部は、例えばドアハンドル内が浸水状態になっても電気的な接続部が被水等することがないため、特別な防水構造を設けなくてもその電気的な特性を損なうことがない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図3は、車両用ドアの斜視図である。図4は、本発明の車両用ドアハンドル装置を、車両用ドア開閉装置としての車両のスマートエントリーシステム1に適用した場合の車両側(車載機)のシステムブロック図である。また、図5は、このスマートエントリーシステム1において車両の所有者が携行する携帯機60を示すシステムブロック図である。
【0031】
図3に示すように、車両用ドア6には、その外側に向けて突出する態様でドア開閉操作を行うためのドアハンドル20が取り付けられている。すなわち、ドアハンドル20は、車両用ドア6を形成するドアアウタパネル7(ドア外板)の車両後部側に取着されている。
【0032】
図4に示されるように、車両用ドア6には、車両用ドア6を解錠・施錠するドアロック機構11とこれを制御するドアECU(Electronic Control Unit )12とが設けられ、車両用ドア6の車室外側にはドアハンドル20が取り付けられている。そして、ドアハンドル20には、送信アンテナとしての第1送信アンテナ21と、センサとしてのドア解錠用センサ22と、スイッチとしてのドア施錠用スイッチ23とが内蔵されている。これら第1送信アンテナ21、ドア解錠用センサ22及びドア施錠用スイッチ23は、ドアハンドル20の外側において車両用ドア6に設けられた第1オシレータ30に接続されている。なお、後述するように、ドア解錠用センサ22は、ドアハンドル20に人体が触れる(若しくは近接する)ことに伴いその容量が変化するもので、この容量変化が第1オシレータ30にて検出されるようになっている。また、ドア施錠用スイッチ23は、ドア施錠(ロック)操作を行うためのマニュアルスイッチである。
【0033】
車室内には、車室内での通信を行う第2送信アンテナ41と、これに接続される第2オシレータ42と、受信チューナ43と、システムECU44とが設けられている。そして、第2オシレータ42及び受信チューナ43はシステムECU44に接続されている。なお、ドアECU12及びシステムECU44は、一体のECUとして設けてもよい。
【0034】
システムECU44には、前記第1オシレータ30が接続されている。システムECU44は、例えば第1オシレータ30からの前記容量変化の検出信号を受信すると、ドアECU12にドア解錠信号を送信する。これにより、ドアECU12は車両用ドア6に設置されたドアロック機構11を駆動して車両用ドア6を解錠する。
【0035】
さらに、システムECU44には、イグニッション等のスイッチ操作を検出する操作検出部51、ドアの開閉を検出するドア開閉検出部52及び車速や窓の開閉を検出する各種センサにて構成されるセンサ群53が接続されている。また、システムECU44は、エンジン制御部54、ステアリングロック部55及びイモビライザ部56とも接続されており、不正なステアリング操作やイグニッション操作を禁止する。
【0036】
ここで、システムECU44は、第1オシレータ30及び第2オシレータ42に対しそれぞれ送信要求信号を出力し、第1送信アンテナ21及び第2送信アンテナ41を介して車室外若しくは車室内の携帯機60に対してLF帯の周波数にて送信する。
【0037】
一方、図5に示されるように、携帯機60は、送信アンテナ61と、受信アンテナ62と、送受信回路63と、コントローラ64とを備えている。第1送信アンテナ21若しくは第2送信アンテナ41からの送信要求信号は、受信アンテナ62で受信され、送受信回路63で復調されてコントローラ64に入力される。コントローラ64は、送信要求信号の照合を行い、メモリ65に記憶された所定の信号であれば同じくメモリ65に記憶された応答信号を送受信回路63に出力する。この応答信号は、送受信回路63において変調され、送信アンテナ61を介してUHF帯の周波数にて車室内の受信チューナ43に対し送信される。
【0038】
このスマートエントリーシステム1において、車両用ドア6の解錠作動時は、システムECU44から第1オシレータ30に送信要求信号が送られ、第1送信アンテナ21から車外の携帯機60へLF帯の周波数で送信される。携帯機60を身につけた車両の所有者が車両に近づくと、当該送信要求信号が携帯機60の受信アンテナ62で受信され、送受信回路63を介してコントローラ64にて照合処理される。照合の結果、送信要求信号がメモリ65に記憶された所定の信号と一致すれば、コントローラ64はメモリ65に記憶された応答信号を送受信回路63に出力する。この応答信号は、送受信回路63において変調され、送信アンテナ61を介してUHF帯の周波数にて車両側(車室内)の受信チューナ43に対し送信される。
【0039】
この携帯機60からの応答信号が受信チューナ43で受信されると、システムECU44はこの応答信号とメモリ45に記憶された所定の信号とを照合する。この照合可能な範囲は、例えばドアハンドル20の位置を中心として略1[m]の範囲内である。照合の結果、応答信号がメモリ45に記憶された所定の信号と一致すれば、システムECU44は送信要求信号の出力を停止するとともに、第1オシレータ30に対し容量の変化を検出するよう切り替え信号を送信する。
【0040】
この状態で車両の所有者がドアハンドル20に触れると、ドア解錠用センサ22の容量が変化してこれが第1オシレータ30にて検出される。システムECU44は、第1オシレータ30からの検出信号を受信すると、ドアECU12にドア解錠信号を送信する。これにより、ドアロック機構11が車両用ドア6を解錠すべく作動する。
【0041】
また、車両用ドア6の施錠作動時は、携帯機60を身につけた車両の所有者が、車外に出て車両用ドア6を閉め、ドア施錠用スイッチ23を押す。これにより、システムECU44がドア施錠用スイッチ23のオン操作を検出すると、第2オシレータ42を介して、第2送信アンテナ41から車室内に送信要求信号を送信する。もし携帯機60が車室内に残置されていれば、当該携帯機60は送信要求信号を受信して応答信号を受信チューナ43に送信する。これにより応答信号が受信されるため、この場合にシステムECU44は、携帯機60を車室内に置き忘れている旨の警報信号を図示しないブザーやハザード点滅にて報知する。
【0042】
次に、システムECU44は、第1オシレータ30を介して第1送信アンテナ21から車室外に送信要求信号を送信する。このとき、車両の所有者が身につけた携帯機60は、送信要求信号を受信して応答信号を受信チューナ43に送信する。システムECU44は、この応答信号とメモリ45に記憶された所定の信号とを照合すると、ドアECU12にドア施錠信号を送信する。これにより、ドアロック機構11が車両用ドア6を施錠すべく作動する。
【0043】
以下、このスマートエントリーシステム1の各動作を総括すると、車両側のシステムを構成するシステムECU44は、携帯機60を身につけた車両の所有者が当該車両に接近しているかを判定する。その結果、接近していると判定された場合で、車両の所有者がドアハンドル20に触れると、上記ドアロック機構11により、車両用ドア6の解錠が可能となる。また、携帯機60を身につけた車両の所有者がドアハンドル20に設置されたドア施錠用スイッチ23を押すと、上記ドアロック機構11により、車両用ドア6の施錠が可能となる。このようなドア開閉の切り替えは、携帯機60を身につけているだけで可能である。
【0044】
次に、本実施形態の車両用ドアハンドル装置の構成について図1及び図2に基づき詳述する。なお、図1は、図3のA−A線断面図であり、図2はドアハンドル20内の部材(第1送信アンテナ21、ドア解錠用センサ22及びドア施錠用スイッチ23)の分解図である。
【0045】
図1に示されるように、ドアハンドル20は、ハンドル本体24と、同ハンドル本体24に覆設されて車体外部の意匠面を形成するハンドルカバー25とを備えている。そして、ハンドル本体24は、一側(図1の左側であって車両前側に相当)にアーム8を備えている。これらハンドル本体24及びハンドルカバー25は、合成樹脂で成形されている。ドアハンドル20は、ハンドル本体24及びハンドルカバー25間の閉空間によって中空部20aを形成しており、その中空部20aには前記第1送信アンテナ21及びドア解錠用センサ22が収容されている。これら第1送信アンテナ21及びドア解錠用センサ22は、第1送信アンテナ21がハンドルカバー25側に、ドア解錠用センサ22がドア解錠用センサ22側に配置されるように重畳されている。そして、第1送信アンテナ21及びドア解錠用センサ22は、ハンドル本体24及びハンドルカバー25間に一方向組付けで配設されている。
【0046】
詳述すると、第1送信アンテナ21は、図2に併せ示すように略直方体のフェライト71に直接コイル状に被覆ワイヤとしての自動車用ハーネス72が巻かれたループアンテナ形状を有している。自動車用ハーネス72は、一筆書きでフェライト71にコイル状に巻かれている。この自動車用ハーネス72の一端及び他端(2つの端部)には、コネクタ端子としての防水コネクタ端子73a,73bがカシメられている。防水コネクタ端子73a,73bが設けられた自動車用ハーネス72の2つの端部は、前記アーム8を貫通して中空部20aに連通する導出孔8a(図1参照)からドアハンドル20の外側へと導出されて車両用ドア6内へと引き込まれるようになっている。
【0047】
ここで、フェライト71は、MnZn系の材料にて形成されている。また、自動車用ハーネス72は、軟銅線をより合わせた中心導体と、中心導体を0.3ミリ相当の厚みで同心円状に被覆する絶縁体の被覆材とで形成されている。この自動車用ハーネス72は、汎用の自動車用ハーネスを利用したものである。このアンテナ形状では、フェライト71とコイル(自動車用ハーネス72の中心導体)とは、0.3ミリ相当の厚みを有する被覆材で離隔され電気的に漏洩することがないため、ドアハンドル20内が浸水状態になって第1送信アンテナ21が被水等しても、その電気的な特性を損なうことがない。本発明者らの実験によると、0.3ミリ相当の厚みを有する被覆材を有する自動車用ハーネスで構成された第1送信アンテナ21は、ドアハンドル20内が浸水状態になっても、そのインダクタンスの変化が0.01マイクロヘンリーのオーダーであることが確認された。且つ、上記第1送信アンテナ21は、放射される電磁波強度の変化が1[dB]以内であることが確認された。その結果、特別な材料による防水措置をすることなく、部品点数を低減した送信アンテナが実現された。
【0048】
ドア解錠用センサ22は、図2に併せ示すように被覆ワイヤとしての自動車用ハーネス74をドアハンドル20の長手方向に沿うメアンダ形状に屈曲(曲成)した電極形状74aを有している。この自動車用ハーネス74の一端及び他端(2つの端部)には、コネクタ端子としての防水コネクタ端子75a,75bがカシメられている。防水コネクタ端子75a,75bが設けられた自動車用ハーネス74の2つの端部も、前記導出孔8a(図1参照)からドアハンドル20の外側へと導出されて車両用ドア6内へと引き込まれるようになっている。
【0049】
この自動車用ハーネス74も、第1送信アンテナ21と同様の汎用の自動車用ハーネスを利用したものである。ドア解錠用センサ22の電極形状74aは、物理的には複数の折り返し部を有する一筆書きの直線形状であるが、LF帯の周波数においては実質的に平板とみなして容量変化の検出が可能であることが発明者らによって確認されている。すなわち、ドア解錠用センサ22(電極形状74a)は、擬似的に平板状の占有面積を形成する形状となっている。その結果、特別な材料による防水措置をすることなく、部品点数を低減したドア解錠用センサ22が実現された。
【0050】
ドア施錠用スイッチ23は、ハンドルカバー25の他側(図1の右側であって車両後側に相当)に配置されたボタン23aと、同ボタン23aに対応してハンドル本体24に配置された検知部23bとを有している。そして、ボタン23aは、ハンドルカバー25が形成するドアハンドル20の意匠面に露出している。検知部23bには、被覆ワイヤとしての汎用の自動車用ハーネス76,77が接続されている。すなわち、ドア施錠用スイッチ23の検知部23bは、ドアハンドル20内において2本の自動車用ハーネス76,77の各一端と接続されている。これら自動車用ハーネス76,77の各他端(端部)には、コネクタ端子としての防水コネクタ端子76a,77aがカシメられている。防水コネクタ端子76a,77aが設けられた自動車用ハーネス76,77の各端部も、前記導出孔8a(図1参照)からドアハンドル20の外側へと導出されて車両用ドア6内へと引き込まれるようになっている。このドア施錠用スイッチ23は、ボタン23aの押圧を検知部23bにて検知することで、車両の所有者によるドア施錠操作を検出する。
【0051】
ドアパネル内へと引き込まれた自動車用ハーネス72,74,76,77の各防水コネクタ端子73a,73b,75a,75b,76a,77aは、コネクタハウジングとしての防水コネクタハウジング78に個別に挿入される。すなわち、これら防水コネクタ端子73a,73b,75a,75b,76a,77aは、それぞれに対応して防水コネクタハウジング78に互いに独立して設けられた端子挿入部(図示略)に挿入可能となっている。この防水コネクタハウジング78は、端子挿入部において車両用ドア6内に設けられた第1オシレータ30と電気的に接続されている。そして、第1送信アンテナ21、ドア解錠用センサ22及びドア施錠用スイッチ23はこの防水コネクタハウジング78に挿入された防水コネクタ端子73a,73b,75a,75b,76a,77aを介して第1オシレータ30とそれぞれ電気的に接続されている。
【0052】
なお、ドア解錠用センサ22の防水コネクタ端子75a,75bは、防水コネクタハウジング78に挿入された状態でいずれか一方が第1オシレータ30と接続され、いずれか他方が開放されるようになっている。従って、ドア解錠用センサ22は、全体が等電位となっている。ちなみに、防水コネクタ端子75a,75bは、防水コネクタハウジング78に挿入された状態でいずれか一方が第1オシレータ30と接続され、且つ、両防水コネクタ端子75a,75bは短絡されていてもよい。
【0053】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、第1送信アンテナ21を、ドアハンドル20内においてフェライト71にコイル状に巻かれ、その一端及び他端がドアハンドル20の外側に導出された自動車用ハーネス72にて構成した。すなわち、第1送信アンテナ21は、ドアハンドル20内において電気的な接続部を有することなく構成される。従って、第1送信アンテナ21は、例えばドアハンドル20内が浸水状態になっても電気的な接続部が被水等することがないため、特別な防水構造を設けなくてもその電気的な特性を損なうことがない。これにより、第1送信アンテナ21の劣悪な環境下での動作保証を向上することができる。
【0054】
(2)本実施形態では、ドア解錠用センサ22を、ドアハンドル20内において曲成されて擬似的に占有面積を形成する電極形状74aを有し、その一端及び他端がドアハンドル20の外側に導出された自動車用ハーネス74にて構成した。すなわち、ドア解錠用センサ22は、ドアハンドル20内において電気的な接続部を有することなく構成される。従って、ドア解錠用センサ22は、例えばドアハンドル内が浸水状態になっても電気的な接続部が被水等することがないため、特別な防水構造を設けなくてもその電気的な特性を損なうことがない。これにより、ドア解錠用センサ22の劣悪な環境下での動作保証を向上することができる。
【0055】
(3)本実施形態では、ドア解錠用センサ22を構成する自動車用ハーネス74の一端及び他端がともに前記ドアハンドル20の外側に導出される。従って、例えば上記自動車用ハーネス72の一端若しくは他端がドアハンドル20内に配置される場合において、当該端の被水等を防止するために必要な封止作業を割愛できる。
【0056】
(4)本実施形態では、ドアハンドル20内においてドア施錠用スイッチ23に各一端が接続された2本の自動車用ハーネス76,77の各他端は、ドアハンドル20の外側に導出される。すなわち、ドア施錠用スイッチ23は、ドアハンドル20内において2本の自動車用ハーネス76,77の各一端との接続部を除いて電気的な接続部を有することなく構成される。従って、ドア施錠用スイッチ23は、例えばドアハンドル20内が浸水状態になっても電気的な接続部が被水等することが抑制されるため、特別な防水構造を設けなくてもその電気的な特性を損なうことが低減される。これにより、ドア施錠用スイッチ23の劣悪な環境下での動作保証を向上することができる。
【0057】
(5)本実施形態では、被覆ワイヤとして汎用の自動車用ハーネス72,74,76,77を採用することでその汎用性を向上できる。
(6)本実施形態では、自動車用ハーネス72,74,76,77に防水コネクタ端子73a,73b,75a,75b,76a,77aを設けたことで防水コネクタハウジング78に円滑に挿入できるとともに、その接続に係る防水性も確保できる。
【0058】
(7)本実施形態では、ドアハンドル20内において第1送信アンテナ21及びドア解錠用センサ22を重畳し、アーム8(導出孔8a)から各端部を導出することでこれら第1送信アンテナ21及びドア解錠用センサ22を組み付けることができるため、当該作業を円滑に行うことができる。
【0059】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、自動車用ハーネス74をドアハンドル20の長手方向に沿うメアンダ形状に屈曲(曲成)した電極形状74aを有し、自動車用ハーネス74の2つの端部が導出孔8aからドアハンドル20の外側へと導出されるドア解錠用センサ22を採用した。これに対して、図6(a)に示されるように、自動車用ハーネス81をドアハンドル20の長手方向に沿うメアンダ形状に屈曲した電極形状81aを有し、自動車用ハーネス81の一方の端部が導出孔8aからドアハンドル20の外側へと導出されるドア解錠用センサ82を採用してもよい。すなわち、このドア解錠用センサ82は、自動車用ハーネス81の一方の端部にのみ前記防水コネクタハウジング78に挿入される防水コネクタ端子83aがカシメられている。そして、ドアハンドル20内に配置される自動車用ハーネス81の他方の端部は、封止材83bにて封止されて電極形状81aを形成している。この場合、ドアハンドル20内に配置される自動車用ハーネス81の他方の端部の被水等が封止材83bにて防止される。なお、封止材83bに代えて、例えば熱収縮チューブを装着して当該端部を封止してもよい。
【0060】
また、図6(b)に示されるように自動車用ハーネス84をドアハンドル20の幅方向に沿うメアンダ形状に屈曲(曲成)した電極形状84aを有するドア解錠用センサ85を採用してもよい。また、図6(c)に示されるように自動車用ハーネス86をスパイラル形状に曲成した電極形状86aを有するドア解錠用センサ87を採用してもよい。あるいは、自動車用ハーネスをクランク形状に曲成した電極形状を有するドア解錠用センサを採用してもよい。これらいずれの形状であっても、自動車用ハーネス84,86の一方の端部にのみ上記防水コネクタハウジング78に挿入される防水コネクタ端子83aをカシメ、自動車用ハーネス81の他方の端部を封止部材としての封止材83b(若しくは熱収縮チューブ)にて封止する。
【0061】
・前記実施形態において、ドア施錠用スイッチ23を容量変化を検出するドア解錠用センサに準じた形状のスイッチ(センサ)に変えてもよい。すなわち、図7に示されるように、ドア施錠用スイッチ23に代えてドア解錠用センサ22,82,85,87のいずれかの電極形状74a,81a,84a,86aを有するドア施錠用スイッチ88にする。そして、例えばドアハンドル20内(中空部20a)においてドア施錠用スイッチ88を第1送信アンテナ21のハンドルカバー25側に重畳する。そして、第1送信アンテナ21及びドア解錠用センサ22と同様に、ドア施錠用スイッチ88もハンドル本体24及びハンドルカバー25間に一方向組付けで配設する。
【0062】
・前記実施形態において、ドアハンドル20内における第1送信アンテナ21、ドア解錠用センサ22、ドア施錠用スイッチ23の配置は一例であって適宜変更してもよい。
【0063】
・前記実施形態においては、第1送信アンテナ21から送信要求信号を送信するようにしたが、例えば携帯機60から送信要求信号を送信するようにして、第1送信アンテナ21からこれに対する応答信号を送信するようにしてもよい。
【0064】
次に、以上の実施形態から把握することができる技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
(イ)車両用ドアの外側に配置されるドアハンドルと、該ドアハンドル内に収容された送信アンテナと、該ドアハンドル内に収容され容量変化に基づき人体近接を検出するセンサとを備えた車両用ドアハンドル装置において、前記送信アンテナ及びセンサは、前記ドアハンドル内において電気的な接続部を有することなくそれぞれ一方向に組付け可能に構成されたことを特徴とする車両用ドアハンドル装置。同構成によれば、送信アンテナ及びセンサは、ドアハンドル内において電気的な接続部を有することなく構成される。従って、これら送信アンテナ及びセンサは、例えばドアハンドル内が浸水状態になっても電気的な接続部が被水等することがないため、特別な防水構造を設けなくてもその電気的な特性を損なうことがない。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至3に記載の発明によれば、ドアハンドル内に収容される送信アンテナ、容量変化に基づき人体近接を検出するセンサ、若しくはドアロック操作を行うためのスイッチの劣悪な環境下での動作保証を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図。
【図2】同実施形態を示す分解図。
【図3】車両用ドアを示す斜視図。
【図4】スマートエントリーシステムを示すブロック図。
【図5】携帯機を示すブロック図。
【図6】同実施形態の別例を示す平面図。
【図7】同実施形態の別例を示す側面図。
【符号の説明】
6 車両用ドア
20 ドアハンドル
21 第1送信アンテナ
22,82,85,87 ドア解錠用センサ
23 ドア施錠用スイッチ
71 フェライト
72,74,76,77 自動車用ハーネス
78 防水コネクタハウジング
73a,73b,75a,75b,76a,77a 防水コネクタ端子
83b 封止材
Claims (3)
- 車両用ドアの外側に配置されるドアハンドルと、該ドアハンドル内に収容された送信アンテナとを備えた車両用ドアハンドル装置において、
前記ドアハンドルは、ハンドル本体およびハンドルカバー間の閉空間によって中空部を形成しており、その中空部には、前記送信アンテナと、該送信アンテナに対して対向配置され人体近接を検出するセンサとが収容されており、
前記送信アンテナは、単一の被覆ワイヤがフェライトに巻回されたループアンテナ形状を有し、前記センサは、単一の被覆ワイヤが前記ドアハンドルの長手方向に沿うメアンダ形状に屈曲された電極形状を有するものであって、
前記送信アンテナおよび前記センサから延在する前記各単一の被覆ワイヤは、前記ドアハンドル内において電気的な接続部を有することなく、前記中空部に連通する導出孔から前記ドアハンドルの外側へと車両用ドア内に引き込まれるよう導出されていることを特徴とする車両用ドアハンドル装置。 - 請求項1に記載の車両用ドアハンドル装置において、
前記ドアハンドルの外側へと導出された各被覆ワイヤの端部は、共通の防水コネクタハウジングに接続されていることを特徴とする車両用ドアハンドル装置。 - 請求項2に記載の車両用ドアハンドル装置において、
前記ドアハンドルの外側の意匠面に露出して該ドアハンドル内に収容された、ドアロック操作を行うためのスイッチをさらに備え、
前記スイッチの被覆ワイヤの端部は、前記防水コネクタハウジングに接続されていることを特徴とする車両用ドアハンドル装置。
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