JP3826455B2 - グラビア塗布装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリントメディア用インクリボンのインク塗料をグラビア塗布方式によりベタでパターン印刷し、連続走行する支持体上に塗膜を形成するグラビア塗布装置及びその製造方法に係り、特にグラビアロールの構造を改良したグラビア塗布装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、塗料をベタでパターン印刷し連続走行する支持体上に塗膜を形成する装置として、グラビア塗布装置が知られている。このグラビア塗布装置は、グラビアロールの表面の任意の部分に、図5に示すような凹部状のセル1を形成し、このセル1に塗料を付着保持させて、これをベースフィルム等の支持体上に転写することによって塗膜を形成するものである。
【0003】
グラビアロールの表面に凹部状のセル1を形成する製版工程を行う際、一般的にセル1が塗料を保持できるようにするため、さらにドクターがセル1内に落ち込まないようにするために、セル1,1間にドテ部2が設けられている。そして、このようなドテ部2の存在は、相隣接するセル1同士の塗料のつながりの妨げとなり、各セル1から転写される塗料のレベリングが良好に行えないので、通常はドテ部2の幅を狭く形成することにより上記欠点を補い、脱落部分のないベタ塗膜を得るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、グラビア塗布装置が使用される分野では、生産性の向上を図るため、塗布スピードの高速化が要求されている。ところが、従来のグラビア塗布装置にあっては、塗料を転写する際には、セル内塗料の表面に支持体が接触し転写していくが、塗布スピードを高速化することにより支持体との接触が不充分となり、セルから塗料を引きずり出すことができず、転写不良が発生する。そして、充分なレベリングが行われず、塗膜の脱落やスジ状の塗膜ムラが発生するという問題があった。
【0005】
さらに、プリントメディア用のインクリボンのインク層塗布のように、転写後のスムージング装置を装備していないパターン印刷においては、転写時に発生する不良はそのまま製品の塗膜欠陥として残存し、製品品質を阻害する致命的な欠陥になるという問題があった。このような致命的欠陥を防止する対策として、インク層の二度塗りが一般に行われているが、二度塗りを施さなくとも致命的欠陥を防止することができる塗布装置の開発が望まれていた。
【0006】
この発明は、上記課題を解消するためになされたものであって、ベタのパターン印刷において塗布スピードを高速化しても転写不良が発生することが無く、優れたレベリング性能を有しており、支持体上に良好な塗膜を形成することができるグラビア塗布装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、この発明によれば、グラビアロールの表面に形成されたセルに塗料を付着保持し、これに接触して回転するバックロールとの間を連続走行する支持体上に、ベタでパターン印刷して塗膜を形成するグラビア塗布装置において、前記セル間に形成された中間部の表面のみを凹凸状粗面に形成することにより達成される。
【0008】
上記構成によれば、グラビアロールの表面に形成されたセルの中間部の表面のみを凹凸状粗面に形成し、中間部にも塗料の保持機能を付与しているので、セル間の塗料につながりを持たせてレベリング性能を改善することができる。また、支持体が塗料と接触する面積を増加させることにより、転写性能をも改善することができる。
また、上記構成によれば、グラビアロールのセルの中間部の表面のみを凹凸状粗面に形成することによって、セルの塗料を保持する力が増大せず、セルから支持媒体に対する塗料の転写性が良好となる。これにより、上記構成によれば、塗膜の脱落やスジ状の塗膜むら等の欠陥がなく、レベリング性能の良好な塗膜面を転写速度が速くても形成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の参考例について添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、参考例のグラビア塗布装置の構成を示す概略図である。このグラビア塗布装置11には、塗料12を収容する塗料槽13と、この塗料槽13内の塗料12に浸漬されて、その表面に形成されたセル15に塗料を付着保持するグラビアロール14と、このグラビアロール14に接触して余剰分の塗料12を掻き取るドクター17と、グラビアロール14に圧接され、このグラビアロール14の回転に伴って回転するバックロール16とが備えられている。そして、グラビアロール14とバックロール16との間には、塗膜を形成する支持体としてのベースフィルム18が連続供給される。
【0011】
このベースフィルム18上に塗膜を形成するには、先ず、グラビアロール14を図示矢印の方向に回転させ、セル15に塗料12を充填すると共に、余剰分の塗料12をドクター17によって掻き取る。次に、グラビアロール14とバックロール16との間で連続走行しているベースフィルム18上に、バックロール16の圧接によりグラビアロール14のセル15に充填された塗料12を転写する。
【0012】
グラビアロール14の表面には、図2に示すように、部分的に複数のセル15が形成されている。各セル15は凹部として形成され、相隣接するセル15,15間には隆起した中間部であるドテ部19が形成されている。尚、図2において、セル15は矩形状の凹部として形成されているが、これに限るものではなく、後述するようにハニーカム状の凹部に形成しても良い。
【0013】
次に、この参考例のグラビア塗布装置の製造方法について説明する。先ず、グラビアロール14の表面に、例えばエッチングにより複数のセル15を形成する製版工程を行う。
この製版工程の後、研磨剤(#70〜#220)を回転しているグラビアロール14に液体とともに吹き付け、ドテ部19の表面に、図2に示したような凹凸状粗面20を形成する液体ホーニング工程を行う。そして、グラビアロール14の表面の磨耗防止を図るために、その表面にメッキ層を形成するクロムメッキ工程を行う。このグラビア塗布装置の製造方法では、セル15を形成する製版工程の後に、凹凸状粗面20を形成する液体ホーニング工程を行っているので、グラビアロール14のセル15の内面及びドテ部19の表面に凹凸状粗面20が形成される。
【0014】
尚、このグラビア塗布装置の製造方法では、液体ホーニング工程及びクロムメッキ工程を順に行っているが、これに限るものではなく、例えばクロムメッキ工程の後に液体ホーニング工程を行っても良い。さらに、これらの工程の後、突起部を平滑化するために、超仕上げ工程を行っても良い。但し、この場合には、ドテ部19の表面に形成した凹凸状粗面20を損なわないように、柔らかい砥石(#3000〜#5000)を使用することが望ましい。
【0015】
上述した参考例のグラビア塗布装置で塗膜を形成し、塗膜形成状況の確認実験を行った。塗膜形成状況の確認実験は、下記表1に示す条件で行った。尚、サンプル1及びサンプル2は、液体ホーニング処理を行っていないグラビアロールを用いたものであり、図6はその表面状態を示す顕微鏡写真である。サンプル3〜サンプル8は、液体ホーニング処理を行ったグラビアロールを用いたものであり、図3はその表面状態を示す顕微鏡写真である。
【0016】
また、サンプル1及びサンプル3,4,5では、セル形状がハニーカム形状であり、線数133L/inch、版深40μm、ドテ幅15μm、スクリーン角度90度のグラビアロールを用いた。サンプル2及びサンプル6,7,8では、セル形状がハニーカム形状であり、線数133L/inch、版深40μm、ドテ幅30μm、スクリーン角度90度のグラビアロールを用いた。
【0017】
さらに、塗膜は単層塗布で形成し、塗膜形成用として以下の組成のインクリボン用塗料を調整した。
染料(スチリル系染料) 5重量部
ポリビニルブチラール 5重量部
メチルエチルケトン 45重量部
トルエン 45重量部
【0018】
下記表1に確認実験の結果を示しており、実施結果は塗膜を目視で観察することにより評価した。この評価において、塗布欠陥が発生した場合は×で表し、問題がない場合は○で表した。
【表1】
【0019】
表1に示すように、サンプル1では、ドテ部の表面がほぼ平滑なものを対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。サンプル2でも、ドテ部の表面がほぼ平滑なものを対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minおよび180m/minの双方において、1.0μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。
【0020】
サンプル3では、十点平均表面粗さで2μm〜3μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。サンプル4では、十点平均表面粗さで3μm〜10μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minおよび180m/minの双方において、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。
【0021】
サンプル5では、十点平均表面粗さで10μm〜13μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.1μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.1μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。尚、双方の速度において、ドクターにキズが入っているのが確認された。サンプル6では、サンプル3と同様に、十点平均表面粗さで2μm〜3μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。
【0022】
サンプル7では、サンプル4と同様に、十点平均表面粗さで3μm〜10μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minおよび180m/minの双方において、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。サンプル8では、サンプル5と同様に、十点平均表面粗さで10μm〜13μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.1μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.1μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。尚、双方の速度において、ドクターにキズが入っているのが確認された。
【0023】
以上のように、セルの内面及びドテ部の表面に凹凸状粗面を形成したサンプル3〜サンプル8では、凹凸状粗面の処理を行っていないサンプル1〜サンプル2のよりの極めて良好な塗膜形成を行うことができた。特に、十点平均表面粗さが3μm〜10μmの範囲の凹凸状粗面では、塗布速度を180m/minに高速化しても良好な塗膜を形成することができた。
【0024】
上述した参考例では、上述したグラビアロール14の製版後にドテ部19の凹凸状粗面20の形成のための液体ホーニング工程を行っているため、ドテ部19のみならずセル15にまで研削力が及び、セル15の形状崩れや内面の粗面化される。通常、セル15の形状は、使用される塗料の性状や要求される塗膜の状態に応じて最適に形成されており、またセル15の内面は、粗面過ぎると塗料の保持力が増大して転移性が悪化するため、ある程度滑らかな面に形成される方がよい。セル15の形状崩れや内面の粗面化が発生すると、塗料の転写性が悪化して本来の効果を減少させることになる。
【0025】
そこで、本発明では、グラビアロールのセルの内面まで凹凸状粗面を形成せず、ドテ部の表面のみに凹凸状粗面を形成する。以下に、本発明のグラビア塗布装置及びグラビア塗布装置の製造方法について説明する。尚、以下に述べる実施の形態は、この本発明の好適な形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
本発明のグラビア塗布装置は、上述した参考例のグラビア塗布装置11の構成と同じであり、図2を参照して、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
本発明のグラビア塗布装置11の製造方法は、先ず、グラビアロール14の表面に、メッキ層を形成する銅メッキ工程を行い、その後に凹凸状粗面20を形成する液体ホーニング工程を行う。この液体ホーニング工程の後、製版工程を行い、クロムメッキ工程を行う。これにより、図4に示したようにドテ部19のみに凹凸状粗面20を形成することができ、セル15の形状崩れや内面の粗面化を防止することができる。
【0026】
尚、本発明のグラビア塗布装置の製造方法では、銅メッキ工程の後に液体ホーニング工程を行っているが、これに限るものではなく、製版工程の直前であればいつ行っても良い。さらに、これらの工程の後、突起部を平滑化するために、超仕上げ工程を行っても良い。但し、この場合には、ドテ部19の表面に形成した凹凸状粗面20を損なわないように、柔らかい砥石(#3000〜#5000)を使用することが望ましい。
【0027】
上述した本発明のグラビア塗布装置で塗膜を形成し、塗膜形成状況の確認実験を行った。塗膜形成状況の確認実験は、下記表2に示す条件で行った。尚、比較例1は液体ホーニング処理を行っていないグラビアロールを用いたものであり、比較例2,3,4は製版処理の後に液体ホーニング処理を行ったグラビアロールを用いたものである。一方、各実施例は、製版処理の前に液体ホーニング処理を行ったグラビアロールを用いたものである。
【0028】
また、各比較例及び各実施例では、セル形状がハニーカム形状であり、線数133L/inch、版深40μm、ドテ幅15μm、スクリーン角度90度のグラビアロールを用いた。さらに、塗膜は単層塗布で形成し、塗膜形成用として以下の組成のインクリボン用塗料を調整した。
染料(スチリル系染料) 5重量部
ポリビニルブチラール 5重量部
メチルエチルケトン 45重量部
トルエン 45重量部
【0029】
下記表2に確認実験の結果を示しており、実施結果は塗膜を目視で観察することにより評価した。この評価において、塗布欠陥が発生した場合は×で表し、問題がない場合は○で表した。
【表2】
【0030】
表2に示すように、比較例1では、ドテ部の表面がほぼ平滑なものを対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。比較例2では、十点平均表面粗さで2μm〜3μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。
【0031】
比較例3では、十点平均表面粗さで3μm〜10μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/min及び180m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度210m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。比較例4では、十点平均表面粗さで10μm〜13μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.1μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.1μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。尚、双方の速度において、ドクターにキズが入っているのが確認された。
【0032】
これに対し、実施例1では、十点平均表面粗さで2μm〜3μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.0μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。実施例2では、十点平均表面粗さで3μm〜10μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/min、180m/min及び210m/minにおいて、1.0μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。
【0033】
実施例3では、十点平均表面粗さで10μm〜13μmの凹凸状粗面を対象として塗膜形成を行った。塗布速度100m/minでは、1.1μmの塗膜が形成され、目視結果は良好であった。一方、塗布速度180m/minでは、1.1μmの塗膜が形成され、目視で欠陥の発生が確認された。尚、双方の速度において、ドクターにキズが入っているのが確認された。以上のように、ドテ部の表面のみに凹凸状粗面を形成した各実施例においては、極めて良好な塗膜形成を行うことができた。特に、十点平均表面粗さが3μm〜10μmの範囲の凹凸状粗面では、塗布速度を210m/minにさらに高速化しても良好な塗膜を形成することができた。
【0034】
尚、セル15の形成方法としては、エッチングの他に機械彫刻を採用することができる。また、凹凸状粗面20の形成方法としては、液体ホーニングの他に、例えばサンドブラストやショットブラスト等を採用することができる。以上述べたように、グラビアロール14の表面に形成されたセル15,15間に位置するドテ部19の表面のみに凹凸状粗面20に形成し、ドテ部19にも塗料12の保持機能を付与することにより、セル15,15間の塗料12につながりを持たせてレベリング性能を改善することができる。また、ベースフィルム18の塗料12と接触する面積が増加するので、転写性能を改善することができる。
【0035】
即ち、本発明のグラビアロール14を使用することにより、塗膜の脱落やスジ状の塗膜ムラ等の欠陥が無く、レベリング性能の良好な塗膜面を得ることができる。また、ドテ部19に塗料12の保持機能があることから、ドテ部19の幅が多少広くなる等の製版精度にも影響されることなく、ベタのパターン印刷において、転写性能を向上させることができ、塗布の高速化を図ることができる。また、本発明のグラビアロール14は、ドテ部19のみに凹凸状粗面20を形成しているため、セル15の内面及びドテ部19の表面に凹凸状粗面20を形成した参考例よりも、セル15からベースフィルム18に対する塗料12の転写性が良くなり、塗膜の脱落やスジ状の塗膜ムラ等の欠陥が無く、転写速度が高速であってもレベリング性能の良好な塗膜面を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、グラビアロールのセルの中間部の表面のみを凹凸状粗面に形成することによって、セルの塗料を保持する力が増大せず、セルから支持媒体に対する塗料の転写性が良好となるため、ベタのパターン印刷において塗布スピードを高速化しても転写不良が発生することが無く、優れたレベリング性能を有しており、支持体上に良好な塗膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例のグラビア塗布装置の実施形態の構成を示す概略図。
【図2】図1に示すグラビアロールのセルを拡大して示す第1の一部破断斜視図。
【図3】図2に示すグラビアロールのセルの表面状態を示す顕微鏡写真。
【図4】本発明のグラビアロールのセルを拡大して示す第2の一部破断斜視図。
【図5】従来のグラビアロールのセルを拡大して示す一部破断斜視図。
【図6】従来のグラビアロールのセルの表面状態を示す顕微鏡写真。
【符号の説明】
11・・・グラビア塗布装置、12・・・塗料、13・・・塗料槽、14・・・グラビアロール、15・・・セル、16・・・バックロール、17・・・ドクター、18・・・支持体(ベースフィルム)、19・・・ドテ部、20・・・凹凸状粗面
Claims (5)
- グラビアロールの表面に形成されたセルに塗料を付着保持し、これに接触して回転するバックロールとの間を連続走行する支持体上に、ベタでパターン印刷して塗膜を形成するグラビア塗布装置において、
前記セル間に形成された中間部の表面のみを凹凸状粗面に形成したことを特徴とするグラビア塗布装置。 - 前記中間部の表面粗度が、十点平均表面粗さで3μm〜10μmの凹凸である請求項1に記載のグラビア塗布装置。
- グラビアロールの表面に形成されたセルに塗料を付着保持し、これに接触して回転するバックロールとの間を連続走行する支持体上に、ベタでパターン印刷して塗膜を形成するグラビア塗布装置の製造方法において、
前記グラビアロールの表面に凹部状のセルを形成する製版工程の前に、前記グラビアロールの表面に凹凸状粗面を形成する工程を行い、前記セル間に形成された中間部のみを凹凸状粗面に形成することを特徴とするグラビア塗布装置の製造方法。 - 前記グラビアロールの表面粗度が、十点平均表面粗さで3μm〜10μmの凹凸である請求項3に記載のグラビア塗布装置の製造方法。
- 前記凹凸状粗面の形成工程が、液体ホーニング工程である請求項3又は請求項4に記載のグラビア塗布装置の製造方法。
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