JP3825171B2 - 配電系統制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、配電系統の各部の電圧及び無効電力を制御する配電系統制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に配電系統は、変電所に設置された配電用変圧器につながる母線と、該母線に接続された複数の高圧配電線とを備えており、各高圧配電線には電圧降下を補償するための電圧調整器がローカル装置として接続されている。
【0003】
従来の配電系統では、系統の各部に設定した検出点で検出した電圧情報及び電流情報を全て監視装置に集めて、系統の各部の情報の表示を行い、各部の状態に基づいて人為的に電圧の調整を行うか否か、また調整値の値の決定を行い、その結果を用いて、配電用変圧器のタップを選択していた。また各高圧配電線に接続された電圧調整器には、配電系統の構成に基づいて予め定められた整定値を手動設定しておき、各電圧調整器の設置箇所で検出した高圧配電線の電圧を整定値に保つように電圧調整器を制御していた。
【0004】
近年の分散電源の連系要請の高まり等に伴い、配電系統での電力品質の管理は、従来のような固定した一方向の潮流やその緩慢な変動だけを想定した制御システムでは、十分に対応できなくなることが予想される。また、地球温暖化の面より、従来にも増して省エネルギ−の観点から系統の電力損失最小が要求されている。すなわち、現状での配電系統の電圧調整は、主として配電用変電所での負荷時電圧調整変圧器(以下、LRT(Load Ratio Transformer)という。)により行われており、長距離配電線の場合には、さらに線路途上に電圧降下補償用のステップ電圧レギュレータ(以下、SVR(Step Voltage Regulator)という。)を付加している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LRTは、バンク単位で一括の電圧調整となり、配電線毎の負荷特性等の影響で、また、SVRが付加された配電線でも、SVRの調整タップ幅の粗さ等から、系統各部の電圧は必ずしも最適値になっているとは限らない。また、逆方向の潮流となる場合には制御できない。一方、電力潮流に関しては、現状での無効電力調整は、主に高圧需要家の静的なキャパシタ(SC(Static Capasitor)によるところが多く、軽負荷時にフェランチ効果による電圧過昇を招くとともに、電力損失増加要因にもなっている。
【0006】
上述のような、今後問題となることが予想される要求に対応するためには、これまで以上に高度な制御と系統全体の状態を把握した制御が必要となる。このような目的から系統を最適状態に維持するためには、少くとも1配電線全体を対象として、状態変動に応じてその都度最適状態を求める必要がある。従って、これは、大規模状態変数の最適組み合わせを求める問題であり、高速に解を求める必要がある。
【0007】
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、配電系統の電圧分布及び無効電力分布を、電力損失が最小になるように、従来例に比較して効率的に制御することができる配電系統制御システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の配電系統制御システムは、配電用変圧器に接続された母線と上記母線に接続された高圧配電線とを有する配電系統の高圧配電線の電圧を制御する配電系統制御システムにおいて、
上記配電系統を統括してその動作を制御する中央装置と、
上記高圧配電線に設けられ、上記中央装置からの制御信号に基づいて、上記高圧配電線の電圧値及び無効電力値をそれぞれ所定の調整量で調整するローカル装置と、
上記高圧配電線のローカル装置の設置箇所から離れて設けられ、上記高圧配電線の電圧及び電流をそれぞれ検出して上記中央装置に送信する検出装置とを備え、
上記中央装置は、
上記検出装置によって検出された上記高圧配電線の電圧及び電流に基づいて、所定のニューラルネットワークを用いて上記高圧配電線の潮流計算を行い、かつ遺伝的アルゴリズムを用いて上記ローカル装置の最適な調整量の組み合わせを計算して設定するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る請求項2記載の配電系統制御システムは、配電用変圧器に接続された母線と上記母線に接続された複数の高圧配電線とを有する配電系統の各高圧配電線の電圧の変動幅を設定範囲に収めるように制御する配電系統制御システムにおいて、
上記配電系統を統括してその動作を制御する中央装置と、
上記各高圧配電線に対して少なくとも1つ設けられ、上記中央装置からの制御信号に基づいて、上記各高圧配電線の電圧値及び無効電力値をそれぞれ所定の調整量で調整するローカル装置と、
上記各高圧配電線のローカル装置の設置箇所から離れた少なくとも1つの検出位置で上記高圧配電線の電圧及び電流をそれぞれ検出する電圧センサ及び電流センサを備え、検出された電圧値及び電流値の検出データを上記中央装置に送信する検出装置とを備え、
上記中央装置は、
遺伝的アルゴリズムを用いて上記各ローカル装置における電圧値及び無効電力値の調整量を初期ストリングとしてランダムに発生する発生手段と、
入力層と、少なくとも1層の中間層と、出力層を備え、予め所定の教師データに基づいて学習され、上記各ローカル装置の電圧調整量及び位相調整量と、上記各検出装置間の区間における所定の負荷有効電力及び負荷無効電力と、上記配電用変圧器からの送出電圧及び送出位相とを入力して、上記各検出位置における電圧値及び無効電力値を出力することにより潮流計算を行うニューラルネットワークを用いて、上記発生手段によって発生された初期ストリングの調整量と、上記各検出装置間の区間における所定の負荷有効電力及び負荷無効電力と、上記配電用変圧器からの送出電圧及び送出位相とに基づいて、上記各検出位置における電圧値及び無効電力値を発生した後、上記配電系統の電圧の最適化及び無効電力の最小化を目的とし関数値が最小値で上記目的を達成する所定の目的関数を用いて、その目的関数の関数値を計算する計算手段と、
上記計算手段によって計算された上記目的関数の関数値の逆数を計算し、適応度を示すその逆数値のより大きい複数の調整量のストリングを選択することにより選択淘汰処理を実行する選択手段と、
上記選択手段によって選択された複数の調整量のストリングから、ランダムに交叉点を決定して淘汰された所定の個数分の修正ストリングを新たに生成し、生成された修正ストリングの集団の中の上記適応度のより低い複数のストリングの中のストリング内でビット反転を行うことにより突然変異処理を実行する処理手段と、
上記処理手段の処理の後に上記計算手段を実行し、上記計算手段によって計算された上記目的関数の関数値に基づいて所定の終了条件を満たすか否かを判断し、満たさないとき上記選択手段の処理を実行する一方、満たすときに上記計算手段によって計算された電圧と無効電力の調整量から算出した目標電圧と目標無効電力とを上記ローカル装置に送信した後、設定するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項3記載の配電系統制御システムは、請求項2記載の配電系統制御システムにおいて、上記目的関数は、電圧の目的関数と、無効電力の目的関数との、重み係数による線形結合で表され、上記電圧の目的関数は、所定の目標値からの上記中央装置のニューラルネットワークによる電圧予測値の差の2乗値を、所定の目標値からの上記検出装置による電圧検出値の差の2乗値で除算してなり、上記無効電力の目的関数は、上記中央装置のニューラルネットワークによる無効電力予測値の2乗値を、上記検出装置による無効電力検出値の2乗値で除算してなることを特徴とする。
さらに、請求項4記載の配電系統制御システムは、請求項2又は3記載の配電系統制御システムにおいて、上記検出データは、所定の時間における平均値データであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る一実施形態である配電系統制御システムの構成を示すブロック図である。図1において、SSは配電用変電所に設置された配電用変圧器であり、Bは変圧器SSの二次側に接続された母線であり、F1、F2、…は母線Bに接続された高圧配電線である。図示してないが、高圧配電線F1、F2、…にはそれぞれ変圧器を介して図示しない低圧配電線が接続されている。
【0012】
1は配電系統を統括する中央装置で、この中央装置1は例えば配電用変電所に設けられている。本実施形態においては、高圧配電線F1、F2、…のそれぞれの電圧調整と無効電力の調整とを行うためにローカル装置2が各高圧配電線に対して少なくとも1つ設けられている。各高圧配電線F1、F2、…にはまた、ローカル装置2から離れた少なくとも1つの箇所に設定された検出点で高圧配電線の3相の電圧及び電流を検出する検出装置3が設けられている。また、中央装置1と各ローカル装置2及び検出装置3との間で通信を行うために、データ通信回線4が設けられている。中央装置1側には、各ローカル装置2及び検出装置3から中央装置1に送信されてくるデータの受信と中央装置1から各ローカル装置2へのデータの送信とを行うデータ送受信装置5が設けられている。
【0013】
各ローカル装置2は、電圧調整器及び無効電力調整器を備えたローカル機器2Aと、ローカル機器2Aの設置箇所の近傍に設定された検出点で対応する高圧配電線F1,F2の電圧及び電流をそれぞれ検出する内部電圧センサ2B及び内部電流センサ2Cと、ローカル機器2Aを構成する電圧調整器及び無効電力調整器を制御する機器制御装置2Dと、電圧調整器及び無効電力調整器の制御目標値の設定処理と中央装置1との間の通信とを行う通信制御及び制御目標設定装置2Eとを備えている。内部電圧センサ2Bは例えば計器用変圧器からなり、内部電流センサ2Cは変流器からなる。
【0014】
ここで、ローカル機器2Aの電圧調整器としては周知の負荷時電圧調整器(LRT)を用いることができる。また、無効電力調整器としては、分路リアクトルや電力用コンデンサをスイッチを介して線路に選択的に接続するようにしたものや、同期調相機などを用いることができる。通信制御及び制御目標設定装置2Eは、内部電圧センサ2B及び内部電流センサ2Cがそれぞれ検出した電圧情報及び電流情報とローカル装置2の状態を示す状態情報とを、データ通信回線4を介して中央装置1に送信する送信機と、中央装置1から送信されてくる信号を受信する受信機とを備えた通信装置と、対応する高圧配電線の電圧及び無効電力のそれぞれの制御目標値である電圧制御目標値及び無効電力制御目標値を設定する制御目標設定装置とを備える。また、機器制御装置2Dは、対応する高圧配電線の各部の電圧及び無効電力をそれぞれ制御目標設定装置が設定した電圧制御目標値及び無効電力制御目標値に保つように電圧調整器及び無効電力調整器を制御する。
【0015】
検出装置3は、その設置箇所における高圧配電線の電圧及び電流をそれぞれ検出する電圧センサ3A及び電流センサ3Bと、これらのセンサ3A及び3Bがそれぞれ検出した電圧情報及び電流情報をデータ通信回線4を介して中央装置1のデータ送受信装置5に送出する通信子局3Cとを備える。電圧センサ3Aは例えば計器用変圧器からなり、電流センサ3Bは変流器からなる。
【0016】
中央装置1は、以下の処理を実行する。
(a)配電系統の系統情報(検出機器のアドレス及び接続、VSの入切、ローカル装置の種類)を把握する。
(b)ローカル装置2及び検出装置3からの検出データをもとに、各検出位置での負荷電流等の予測を行い、インピーダンスマップと検出情報から各検出位置の電圧を算出する。
(c)ローカル装置2及び検出装置3に対するポーリングによりそれらの装置2,3から検出データを収集し、電圧逸脱、無効電力の増加等のチェックを行う。
(d)詳細後述する遺伝的アルゴリズム及びニューラルネットワークを用いて、最適状態にするためのローカル装置2の決定、及び調整量の算出を行う。
(e)検出データ及び系統情報に基づいて、インピーダンスマップを作成する。
(f)インピーダンスマップと検出情報を使用して潮流計算を行い、各ローカル装置2の位置での電圧と無効電力の各目標値を算出する。
(g)インピーダンスマップを使用して潮流計算を行い、算出した調整量の確認後、ローカル装置2に対してマクロ指令を出す。
【0017】
また、ローカル装置2の通信制御及び制御目標設定装置2Eは、以下の処理を実行する。
(1)自己の電圧センサ3A及び電流センサ3Bから線間電圧及び相電流を入力し、入力された検出情報を平均化して所定の時間での時間的な平均値を計算する。
(2)中央装置1からのポーリングに対して、現時点で平均化している最新の情報(電圧、電流、無効電力)と現在の調整量を応答として返信する。
(3)現在の調整量を常時監視し、調整幅に対して裕度があるかどうかの判定を行い、ポーリング応答で中央装置1に返信する。
(4)中央装置1からのマクロ指令(目標値)に対して調整量を算出し、対応の可否の判定を行う。
(5)ローカル機器2Aの設定目標値を決定して、機器制御装置2Dに検出情報とともに渡す。
【0018】
さらに、検出装置3の通信用子局3Cは、以下の処理を実行する。
(1)自己の電圧センサ3A及び電流センサ3Bから線間電圧及び相電流を入力し、入力された検出情報を平均化して所定の時間での時間的な平均値を計算する。
(2)中央装置1からのポーリングに対して、現時点で平均化している最新の情報(電圧、電流、無効電力)を応答として返信する。
【0019】
次いで、当該配電系統制御システムの具体例について説明する。このシステムは、配電自動化システムにより系統各部の状態を把握し、それに基づき系統各部に分散配置した線路調整装置を制御するものである。検討対象となる中央装置部を含むシステムの概念を図2に示す。当該システムは、全体の制御を司る中央装置1、変電所のLRT目標補正部90と、配電線に施設する線路調整機器としてのインバータ制御されたレギュレータ(以下、ICR(Inverter Controlled Regulator)という。)91と、サイリスタ制御されたリアクトル(以下、TCR(Thyristor Controlled Reactor)という。)92及び配電線の要所に施設し電圧及び電流及び力率情報を逐次取り込むセンサ93により構成され、これらは配電自動化伝送路94で連携されている。本構成において、LRT目標補正部90は電圧調整継電器95によって制御されているLRT96の出力電圧を適宜増減するバンク一括の電圧制御機能を有する。また、ICR91は設置点における電圧調整機能および電源側線路の無効電力補償機能を有し、TCR92は主としてSCによる過補償を改善するための遅れ無効電力注入機能を有する。なお、これらの機器91,92,96は中央装置1から制御目標値(LRT目標補正部90は電圧補正目標値、ICR91は電圧及び無効電力制御目標値、TCR92は無効電力制御目標値)を受信し、この目標値に追随するよう自身でフィ−ドバック制御が行われるものである。従って、中央装置1では、配電系として最適な電圧及び無効電力制御を実現させるための目標値を生成し、ICR91やTCR92等の個々のロ−カル機器2に対して指令することが重要な役割となる。
【0020】
次いで、電圧及び無効電力制御方法について説明する。電圧及び無効電力制御の最適化は組み合わせ最適化問題となる。本実施形態では、遺伝的アルゴリズム(以下、GAという。)とニューラルネットワーク(以下、NNという。)とを用いて、当該配電系統における電圧及び無効電力制御の最適最適解を高速で求める。
【0021】
図3及び図4は、図1の中央装置1によって実行される中央装置処理を示すフローチャートである。図3において、まず、ステップS1において、系統情報及び、ローカル装置2及び検出装置3からの対象系統の検出データの入力及び保存を行う。次いで、ステップS2において入力した検出データよりローカル装置2の調整裕度、規定電圧幅を逸脱している箇所の有無を確認する。さらに、ステップS3において上記データで裕度無し又は逸脱箇所有りか否かが判断され、YESのときステップS7に進む一方、NOのときステップS4に進む。ステップS4において各検出位置での無効電力が増加し、又は電圧が下限値でないかが判断され、NOのとき調整する必要がないのでステップS1に戻る一方、YESのときステップS5に進む。ステップS5において目標とする電圧、無効電力に対する現状の状態の適正度を判断し、ステップS6において不適正であるか否かが判断され、不適正でないとき(NO)調整する必要がないのでステップS1に戻る一方、不適正であるとき(YES)ステップS7において対象ローカル装置2の指定を行う。すなわち、系統構成より制御対象となるローカル装置2を決定(GAにおけるストリング数を決定)して、図4のステップS11に進む。
【0022】
図4の中央装置処理において、ステップS11からステップS15まではGA及びNNを用いた調整量決定のための制御処理であり、特に、ステップS12においてNNを用いる。図4のステップS11において初期ストリング(調整量)集団の生成処理を行い、潮流計算用のデータ群を生成し、すなわち、対象ローカル装置2の各調整量を調整幅内でランダムに発生させ、調整量集団を規定数生成する。次いで、ステップS12において適応度計算処理を実行し、対象系統のローカル装置2が与えられた調整量で動作した場合の各検出位置での電圧V及び無効電力Qを潮流計算により算出(すなわち、規定数の組み合わせデータが算出)し、算出された電圧V及び無効電力Qに基づいて後述する総合的な目的関数(又は評価関数)f(x)の関数値を計算する。ここでは、調整量と潮流分布の関係を予めNNに対して学習させておき、調整量をNNを用いて推論方法で高速で求める。そして、ステップS13において終了条件を満足するか否かが判断され、満足するときは(YES)ステップS16に進む一方、満足しないときは(NO)ステップS14において選択淘汰処理を実行して、求められた各目的関数f(x)の逆数を算出し、適応度を示すその逆数値の大きい順に選択され、そのときの所定の複数の調整量を適応度の高いストリングとして選択する。次いで、ステップS15において交叉及び突然変異処理を実行し、選択された調整量からランダムに交叉点を決め淘汰された所定の個数分の調整量集団(修正ストリング)を新たに生成する。そして、生成された集団の中の適応度の低い所定の複数のストリングの中のストリング内でビット反転を行い、突然変異処理を行った後、ステップS12に戻って、適応度計算処理を実行する。
【0023】
ステップS13で所定の終了条件を満足するならば、ステップS16において対象ローカル装置2の各調整量を決定し、ステップS17においてGA及びNNで求めた機器ごとの調整量を元に従来の潮流計算で算出した目標電圧と目標無効電力とを、ロ−カル機器の目標値として送信してよいか従来の潮流計算法(厳密解を求める方法)を用い最終確認することにより、配電系統のマクロシミュレーションで調整量の妥当性を確認した後、ステップS18では、上記ステップS16で決定した調整量を含むマクロ指令をデータ通信回線4を介してローカル装置2の通信制御及び制御目標設定装置2Eに送信した後、図3のステップS1に戻る。
【0024】
図7は、図1の中央装置1によって実行される中央装置割り込み処理を示すフローチャートである。図7において、まず、ステップS41において当該配電系統での系統変更があるか否かが判断され、ステップS42においてローカル装置2及び検出装置3からの新たな検出データがあるか否かが判断される。ステップS41でYESであるときは、ステップS51からステップS58までの処理を実行する一方、ステップS42でYESであるときは、ステップS61からステップS66までの処理を実行する。
【0025】
ステップS51において系統情報を入力し、ステップS52において開閉器の入/切情報を入力し、ステップS53において検出データを入力する。次いで、ステップS54において上記の情報をもとにインピーダンスマップを作成する。そして、ステップS55においてインピーダンスマップ及び検出データに基づいて潮流計算を行い、学習データを作成して、ステップS56において学習データに基づいてNNを学習して更新した後、ステップS41に戻る。
【0026】
また、ステップS61において系統情報を入力し、ステップS62において開閉器の入/切情報を入力し、ステップS63において検出データを入力する。次いで、ステップS64において上記の情報をもとにインピーダンスマップを作成し、ステップS65においてインピーダンスマップ及び検出データに基づいて潮流計算を行い、学習データを作成する。さらに、ステップS66において作成された学習データに基づいてNN500の学習を行ってNN500を更新した後、ステップS41に戻る。なお、ステップS61からS66までの処理は、例えば、周期的に新たな検出データが入力される毎に実行するように構成してもよい。
【0027】
次いで、ステップS54及びS64におけるインピーダンスマップの作成処理について説明する。この処理は、入力した系統情報、及び各検出位置からの検出データ(電圧、電流、無効電力)に基づいて、検出位置間のインピーダンスを算出し、潮流計算に使用する。ここで、インピーダンスマップの作成は、系統変更情報入力時、検出データ入力時に算出する。また、インピーダンスマップは系統情報より検出機器の位置関係を認識し、それから入力した検出データを元に各検出機器間のインピーダンスを算出する。
【0028】
さらに、ステップS57及びS65における潮流計算によるニューラルネットワークの学習データ作成処理について述べる。この処理では、検出データ入力時にインピーダンスマップを作成し、そのインピーダンスマップと検出データを使用して潮流計算を行い、各検出位置での電圧、無効電力を算出する。
【0029】
次いで、検出データとして入力した各ローカル装置2の調整量(入力)と潮流計算で算出した電圧、無効電力(出力において教師データ)を元にネットワークの追加学習を行う。
【0030】
次いで、電圧及び無効電力の最適化問題の定式化について述べる。配電用変電所のバンク単位での電圧及び無効電力の最適化の実現を図る問題は、調整量の組み合わせ最適化問題として考えられ、以下のように定式化できる。すなわち、系統電圧の最適化及び無効電力の最小化を目的とし、電圧の目的関数と無効電力の目的関数とからなる次式で定義される総合的な目的関数f(x)を用いる。
【0031】
【数1】
【0032】
ここで、mはバンク当たりの配電線数、a及びbは重み係数、V(x)は電圧の目的関数、Q(x)は無効電力の目的関数である。このうち、重み係数a、bは配電線の事情を勘案して配電線ごとに決定されるべき性格のものであるが、本実施形態では、検出情報から配電線の状態を把握して、重み係数a,bの値を図8のように自動的に選択する。
【0033】
図8中の重み係数の選択は以下のようにしている。
(I)検出点で1箇所でも電圧逸脱があれば電圧逸脱時の重み係数とする。及び全検出点が「通常時状態」であっても、状態ST1及びST3の傾向にあれば電圧と無効電力を調整すべき状態と考えられるので、重み係数a及びbとも0.5を採用する。また、電圧の目的関数V(x)は次式のように定義した。
【0034】
【数2】
【0035】
ここで、Viはロ−カル機器2の動作前の各検出電圧、Vcは中央装置1のNNで算出したロ−カル機器2が動作した場合の検出点の電圧予測値である。Voは配電線単位で決めるべき目標値(固定値)であるが、本実施形態では、各検出電圧が6300〜6900Vの範囲を逸脱している場合には6600Vとし、逸脱していない場合には6400Vとしている。また、無効電力の目的関数Q(x)は次式のように定義した。
【0036】
【数3】
【0037】
ここで、iは1配電線の検出数、Qiはロ−カル機器2の動作前の各検出無効電力、Qcは中央装置1のNNで算出したロ−カル機器2が動作した場合の検出点の無効電力予測値である。
【0038】
次いで、制約条件について述べる。まず、電圧上下限値の制約条件では、配電線の送出電圧と検出箇所の電圧は各々次式を満たさなければならない。ここで、送出電圧はLRTのタップ調整範囲内、検出箇所の電圧は需要家の端子電圧を101±6Vとする電圧でなければならない。
【0039】
【数4】
Vfmin≦Vf≦Vfmax
【数5】
Vsmin≦Vs≦Vsmax
【0040】
ここで、Vfは高圧配電線(フィーダ)の電圧、Vfmaxは当該電圧の最大値、Vfminは当該電圧の最小値である。また、Vsは検出電圧、Vsmaxは当該検出電圧の最大値、Vsminは当該検出電圧の最小値である。
【0041】
次いで、ICR91の調整量の制約条件では、電圧調整量及び無効電力調整量は各々次式のように、ICR91の仕様から決まる調整能力の範囲を越えてはならない。
【0042】
【数6】
VICRmin≦VICR≦VICRmax
【数7】
QICRmin≦QICR≦QICRmax
【0043】
ここで、VICRはICR91の電圧調整値、VICRmaxはその上限値、VICRminはその下限値である。また、QICRはICR91の無効電力(位相)調整値、QICRmaxはその上限値、QICRminはその下限値である。
【0044】
さらに、TCR92の調整量の制約条件では、無効電力調整量は次式のように、TCR92の仕様から決まる調整能力の範囲を越えてはならない。
【0045】
【数8】
QTCR≦QTCRmax
【0046】
ここで、QTCRはTCR92の無効電力調整値、QTCRmaxはその上限値である。
【0047】
次いで、GAとNN500との組み合わせによる定式化について述べる。遺伝的アルゴリズム(GA)では、ストリング長が短く、ストリング操作によって死滅ストリングを生成しにくい方法が求められる。一方、ICR91は電圧調整と位相調整を行い、TCR92の無効電力調整は実際的にはTCR91の設置点の力率角を調整することから、位相調整を行うことになるので、本実施形態では、上記条件を満足するストリング表現として、以下に示す電圧調整量のストリング表現と位相調整量のストリング表現を用いる。
【0048】
電圧調整量のストリング表現において、ICR91の制御可能電圧調整量は±330Vであることより、最小制御可能電圧幅を5V/ステップとして、5Vを1ビットとして表現すると、330Vは2進数で1000010となり7ビットで表される。ここで、±の符号を1ビットとして考えると調整量の変化を図9のようにストリング表現できる。この場合、電圧調整幅は最大330Vであるため、これを越えるようなストリングは致死遺伝子とする。
【0049】
また、位相調整量のストリング表現において、ICR91とTCR92の制御可能位相調整量は±5度とし、最小制御可能位相幅を0.1度/ステップとすれば、0.1度を1ビットとして表現すると、5度は2進数で110010となり6ビットで表される。ここで、±の符号を1ビットとして考えると調整量の変化を図10のようにストリング表現できる。この場合、位相調整幅は最大5度であるため、これを越えるようなストリングは致死遺伝子とする。
【0050】
さらに、ストリング長について説明する。ストリングの生成は配電線単位で実施する。この場合、当該配電線のロ−カル機器2の台数によりストリング長が異なることになる。このため、ロ−カル機器2の最大台数を設定しておき、対象となる機器の種類及び台数によってストリング長を変える方法を採用した。図11にICR3台、TCR3台の場合のストリング長の例を示す。
【0051】
初期ストリングの生成方法においては、各ロ−カル機器2の調整量の各ビットに対して、ランダムに2進数の0又は1を割り振る。調整幅を超えるような致死遺伝子が生成された場合には、再度割り振りを行いN個のストリングを生成する。なお、現在運用されている調整量は最適解ではないものの、準最適解と考えられることから初期ストリング集団の1つに入れておくこととした。
【0052】
次いで、適用するニューラルネットワーク(NN)500の構成について説明する。ストリング(調整量)情報とGAでは対象としない情報(各検出点での有効電力及び無効電力、送出電圧、送出位相)をNN500の処理部へ送り、あらかじめ対象配電線の環境を学習(覚え)させたネットワ−クを持つNN500の処理部で確率的潮流計算(通常の潮流計算と同レベルの出力を短時間に推論する方法)を実施し、その演算結果(各検出点での電圧及び無効電力)をGA処理部に出力させることとしている。NN500には学習機能を有するバックプロパゲ−ションモデルを用い、中間層数は1層とし配電線ごとに1つのネットワ−クを構成し、中間ユニット数は後述の検証結果により決定することとした。ICR、TCR各3台を設置した8区間配電線でのNN500の構成例を図15に示す。なお、本実施形態では、中間層200を1層としているが、本発明はこれに限らず、複数層設けてもよい。
【0053】
図15のNN500において、NN500は、入力層100と中間層200と出力層300とを備えて構成される。入力層100は、27個の入力層ユニット101−1乃至101−27を備え、中間層200は、複数M個の中間層ユニット201−1乃至201−Mを備え、出力層300は、28個の出力層ユニット301−1乃至301−28を備える。ここで、各入力層ユニット101−1乃至101−27には、下記のデータが入力される。
(a)ICRV1乃至ICRV3:3台のICR91の電圧調整量、
(b)ICRQ1乃至ICRQ3:3台のICR91の無効電力(位相)調整量、
(c)TCRQ1乃至TCRQ3:3台のICR91の無効電力(位相)調整量、
(d)P1乃至P8:各検出装置3間の区間における負荷有効電力(固定値)、
(e)Q1乃至Q8:各検出装置3間の区間における負荷無効電力(固定値)、
(f)Vs:配電用変電所からの送出電圧(中央装置により検出される。)、及び
(g)θs:配電用変電所からの送出位相(中央装置により検出される。)。
【0054】
次いで、入力層ユニット101−1乃至101−17はそれぞれ入力されたデータをM分配して各中間層ユニット201−1乃至201−Mに出力する。そして、中間層ユニット201−1乃至201−Mはそれぞれ、入力される27個のデータに対して所定の重み係数で線形結合で重み付けされたデータを28分配して出力層ユニット301−1乃至301−28に出力する。さらに、出力層ユニット301−1乃至301−28はそれぞれ入力されるM個のデータを加算して下記のデータを出力する。
(a)VC1乃至VC14:各検出位置における電圧値、及び
(b)QC1乃至QC14:各検出位置における無効電力値。
【0055】
ここで、各中間層ユニット201−1乃至201−Mの出力yは、応答関数をa(x)、リンク荷重をwiとすると次式で表わすことができる。
【0056】
【数9】
【0057】
次いで、適応度関数について述べる。NN500からの出力データ(各検出位置における電圧値及び無効電力値)に基づいて、数1を用いて、目的関数f(x)を求め、GAでの評価は次式による適応度関数g(x)を用いて行う。
【0058】
【数10】
g(x)=1/f(x)
【0059】
さらに、GAでは、世代を重ねるにつれ評価値の上昇が飽和する特性を持っているため、次のいずれかの条件が成立した場合に終了とする。
(条件1)設定された計算時間に達した場合。
(条件2)最大評価値が規定する世代数にわたって更新されなかった場合。
【0060】
また、GAの選択淘汰処理においては、前世代集団中で適応度の高いストリングを次世代に規定個数残し、そのうちの数個はエリ−トとして突然変異禁止のフラグを立てる。この場合、適応度の高いストリングが無条件で次世代に残る反面、エリ−トストリングが集団中に急速に広まり局所解に陥る可能性があるので、後述の突然変異処理でこれを回避している。すなわち、エリート保存戦略をとり、集団中でもっとも適応度の高い個体をそのまま次世代に残す方法を採用している。適応度の高い個体が無条件で次の世代に残る反面、そのエリート個体が集団中に急速に広まり局所解に陥る恐れが出てくる。実際のエリート保存戦略は、エリート個体に対する突然変異は禁止であるが。本実施形態では、任意に設定された個体以外は突然変異を可能にする。
【0061】
また、GAの交叉処理においては、選択されたストリングの中からランダムに2つのストリング選び、電圧及び位相調整量ごとに交叉点をランダムに決め、各々1点交叉を行い生成されたストリングのうち致死遺伝子を除外して規定個数のストリングを生成する。交叉の例を図12に示す。また、図14は、GAにおけるストリングの多点交叉の一例を示す図であり、図14に示すように、各ローカル装置2の各調整量ごとに1点交叉を行う。
【0062】
さらに、GAの突然変異処理において、突然変異は各ストリング位置の数値の変換である。このため、電圧及び位相調整量ごとに突然変異を起こす任意のロ−カル機器2をランダムに選び、調整量の任意のビットをビット反転させる方法をとる。図13に突然変異の例を示す。
【0063】
次いで、遺伝的アルゴリズム(GA)の適用方法について説明する。以下のような入力データに対して、GAにより目的関数f(x)が最小となるようなローカル装置2の調整量を算出し(NN500は、GA処理内部の適応度計算処理で使用する。)最適な調整量を出力する。
(A)GAの入力データ
(a)対象ローカル装置2:最適化を行う対象ローカル装置2である。
但し、ICR91の場合,電圧調整量のみ最適化するのか、位相調整も行うのかの情報を含む。
(b)目的関数の重み係数:目的関数f(x)の重み係数a,bである。
(c)目標電圧:目的関数f(x)を求める際の目標電圧である。
ここで、以下の入力情報は、同一時間におけるデータでなければならない。
(a)各ローカル装置2の調整量の初期値:各ローカル装置2の現在における調整量である。
(b)インピーダンスマップ:各検出装置3間の区間における現在のインピーダンスである。
(c)第1の検出装置3のV、I、Q:現在の第1の検出装置3における電流、電圧、無効電力の測定値である。
(2)出力データ
(a)最適化を行ったローカル装置2の調整量:入力されたデータにおける最適な各ローカル装置2に対する調整量である。
【0064】
本実施形態のGAにおいては、以下のように先験情報を利用している。規定電圧を逸脱していない場合、現在運用されている各ローカル装置2の調整量は最適解ではないものの、ある程度良い解であるといえ、最適解もその調整量の付近にあるはずである。これを利用して、初期生成個体に現在運用されている各ローカル装置2の調整量を反映させて探索空間を絞り込み計算時間を短縮する方法を用いる。なお、規定電圧を逸脱している場合には以下の手法を用いない。
【0065】
ここで、初期生成方法(初期状態の反映)においては、初期生成個体のうちの1つに、調整量の初期値(現在運用されている調整量)をそのまま反映した個体を入れる。現在運用されている調整量は最適解ではないものの、ある程度良い解であるといえるため(規定電圧幅を逸脱していない場合)、初期生成に反映させることにより効率の良い探索をすることをできるという利点を有する。
【0066】
図5は、図4のサブルーチンである適応度計算処理(ステップS12)を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、ステップS21においてパラメータnに1を代入し、ステップS22においてn番目の個体の遺伝子内容から各ローカル装置2の調整量を求める。次いで、ステップS23においてその調整量における各検出位置での電圧値V及び無効電力値Qをニューラルネットワーク500を用いて求める。そして、ステップS24において目的関数f(x)の算出するとともに、適応度関数を算出する。さらに、ステップS25においてパラメータnが個体数に達したか否かが判断され、達していないときは(NO)ステップS26においてパラメータnを1だけインクリメントしてステップS22に戻って上記の処理を繰り返す。一方、ステップS25でnが個体数に達しているときは(YES)元のメインルーチンに戻る。
【0067】
図6は、図4のサブルーチンである選択淘汰処理(ステップS14)を示フローチャートである。図6に示すように、選択淘汰処理においては、ステップS31において前世代の集団の中から、適応度の高い個体を規定個選択する。次いで、ステップS32においてエリート個体として、適応度の高い数個体に対し、突然変異禁止のフラグを立てる。そして、元のメインルーチンに戻る。
【0068】
GAの終了判定においては、上記目的関数f(x)の逆数g(x)=1/f(x)を適応度を示す目的関数として用い、予め設定された計算終了時間に達したら計算を終了する。また以下の条件を終了時間前に満たした場合、その時点で終了する。GAで計算をすると、世代を重ねるにつれて指数関数に反比例するように目的関数の評価値の上昇の度合いが鈍くなってゆき、最終的には何世代計算させようとも評価値が変化しなくなってくる。これを利用して、「最大評価値が規定世代更新されなかったら」、最適解に達したものとして計算を終了する。なお、最適解が規定電圧幅を越えていても致死遺伝子とはしない。計算結果として、対象ローカル装置2の調整量を出力する。
【0069】
次いで、初期のNN500の学習方法について説明する。まず、インピーダンスマップの作成を行う。図16は、図1の配電系統制御システムで用いるある負荷状態におけるインピーダンスマップの生成処理を示すブロック図である。図16に示すように、当該生成処理では、検出データと、各ローカル装置2の調整量から現在の負荷状態におけるインピーダンスマップを作成する。ここで、1日、数回の検出を行い、数パターンかのインピーダンスマップを作成する。次いで、各インピーダンスマップにおける学習データを作成する。図17は、図1の配電系統制御システムで用いる各調整量におけるセンサにおける電圧値V及び無効電力値Qの計算処理を示すブロック図である。図17に示すように、各インピーダンスマップに対して、各ローカル装置2を一様になるようなパターンで変化させたときの、各検出装置3における電圧値V及び無効電力値QをNN500で構成された従来技術の潮流シミュレータで求める。この電圧値V及び無効電力値Qを学習データとして用いる。以上説明したように、調整量が一様になるようパターンを設定し、出力された電圧値V及び無効電力値Qを学習データとする。
【0070】
従来技術の潮流シミュレータは、NN500と同様の入力データに基づいて、公知の電気回路の解析法であるアドミッタンス行列に基づくニュートンラプソン法を用いて潮流計算を行って、NN500と同様の出力データを計算する装置である。この潮流シミュレータは、NN500の学習のときに用いるのみならず、図4のステップS17の処理において用いる。
【0071】
図18は、図15のニューラルネットワーク(NN)500の学習方法を示すブロック図である。上記で作成された学習データを基に学習を行う。なお、NN500の学習は高圧配電線単位で別々に行うものとする。また、NN500の追加学習では、初期学習で学習させたNN500だけでは、負荷の変動などに対処できないため最新の学習データをNN500に反映させる必要がある。従って、追加学習を行っている(図7のステップS58及びS66参照。)。
【0072】
図19は、図15のニューラルネットワーク(NN)500への学習データの取り入れ方法を示すブロック図である。図19に示すように、入力層100の各入力層ユニット101−1乃至101−27に接続されたシフトレジスタ401と、出力層300の各出力層ユニット301−1乃至301−28に接続されたシフトレジスタ402を用いて、最新の学習データ(作成方法は初期学習と同じである。)を取り入れ、逐次ネットワークを学習させる方法を用いる。このとき、時間が経つにつれて学習データが雪だるま式に増えていくので、古いデータから順番に学習データから破棄するようにする。ここで、学習データ数は一定に保つ。なお、新規の学習データは、ローカル装置2の調整量を変化させた5〜10データで1組となっている。また、各入力データと、教師データは一対になっている。
【0073】
次いで、規定電圧幅を短期間内に逸脱することの確認処理について説明する。この処理では、以下のように、電圧逸脱の確認を行う。
(1)各高圧配電線毎にインピーダンスマップ(各検出装置3間の線路インピーダンス。)を確認する。
(2)各高圧配電線毎に、送出電圧(予測値)、線路インピーダンス、及び負荷電流(予測値)より、各検出位置での電圧を図20に示すように算出する。
【0074】
(計算例)
(a)線路インピーダンスのみの場合
【数11】
V2=V1:アドレス1の検出位置での電圧予測値
(b)負荷有り(線路インピーダンス:Z1)の場合
【数12】
V2=V1−I1Z1
【数13】
Z1=(r12+X12)1/2:アドレス1の検出位置での電圧予測値
【0075】
(3)上記計算により算出した各検出位置での電圧値から、規定電圧幅を逸脱しているものはないか確認する。
(4)全アドレス(全検出位置)確認後、逸脱箇所有りと認識した高圧配電線がある場合、その対象高圧配電線とアドレス、及び予測値(電圧、電流、インピーダンス:負荷Zは無効電力の予測値と合わせて算出する。)をもって、マクロシミュレーション処理(図4のステップS17)に進む。
【0076】
次いで、図3のステップS7の対象ローカル装置2又はLRT96の選定処理について説明する。この処理は(a)検出データ及び予測より算出したデータから電圧、無効電力値をチェックした結果、ローカル装置2の調整量を算出する場合と、(b)ローカル装置2の調整量の算出処理において、ローカル装置2の選定見直し要の場合の2通りが考えられる。
(A)初期設定の場合:初期設定においても、電圧逸脱是正の場合とその他(裕度無し、又は無効電力増加、又は電圧下限)の場合の2通りが考えられる。
(I)電圧逸脱是正の場合は、朝の就業開始、昼休み、夕方の就業停止等に着目して、そのような比較的短時間の負荷変動に対しても対応することを考えて早急に是正するために、予め対象とするローカル装置2を限定する。まず、電圧逸脱点をアドレスより認識し、その逸脱点より上位にある電圧調整機能を持つICR91を対象ローカル装置2として各高圧配電線毎に限定する。電圧逸脱点より上位にICR91がある場合、その高圧配電線についてはLRT96選定として次の処理に進む。
(II)電圧逸脱是正以外の場合は、各高圧配電線毎にすべてのローカル装置2を対象として認識する。
【0077】
(B)初期設定以外の場合
(a)この処理は、一度、電圧逸脱是正のため、あるローカル装置2を限定して調整量を求めて電圧逸脱是正を行おうとしたが、限定したローカル装置2のみでは是正できないため、ローカル装置2を再選定する必要がある場合で、電圧逸脱是正の場合に限定される。
(b)電圧逸脱是正のため、限定しているICR91より上位にあるICR91を対象ローカル装置2として当該高圧配電線に追加する。現在限定しているICR91より上位にICR91がない場合、その高圧配電線はLRT96選定として次の処理に進む。
【0078】
次いで、目的関数が最小となるローカル装置2の調整量を求める処理について説明する。この処理は、前処理から各高圧配電線毎に目的関数及び対象ローカル装置2が決定され、その条件下で、目的関数が最小となるローカル装置2の調整量を求めるものである。
(1)各対象高圧配電線毎に目的関数を最小とするローカル装置2の調整量を求める。
(2)対象ローカル装置2としてLRT96が選定されていない場合は、対象ローカル装置2の調整量をランダムに設定し、その調整量での各検出位置の電圧と無効電力をNN500を用いて求める。上記値より目的関数f(x)を算出し、終了条件を満足するまでローカル装置2の調整量の更新を行って目的関数f(x)を算出する。終了条件を満足した時点で、その時のローカル装置調整量をf(x)をGAによる最小とする解とする。
(3)目的関数f(x)を最小とするローカル装置2の調整量が求まった時点で、その時の各検出位置での電圧を確認し、規定電圧幅を逸脱している部分がないかチェックする。ここで電圧逸脱がない場合は、対象高圧配電線における対象ローカル装置2の調整量を決定する。電圧逸脱がある場合は、対象ローカル装置2の見直しを行うためローカル装置2の選定処理に進む。
(4)対象ローカル装置2としてLRT96が選定されている場合は、補正電圧を算出し、その補正電圧で補正した場合の送出電圧を求め、送出電圧が現状よりどれだけ変化するか認識する。それより、そのLRT96に接続されている高圧配電線の各検出電圧がどう変化するか算出する。そこで、電圧逸脱箇所が新たに発生しないか確認する。発生しない場合は、制約条件(送出電圧)を変更し、マクロシミュレーション処理を行う。発生する場合は、現状問題の無い高圧配電線を悪くすることになるため、LRT96の補正は行わず、制御不能箇所(電圧逸脱を回避できない区間)として認識して、上記(1)及び(2)の処理を実施する。そして、電圧逸脱区間が制御不能箇所であれば、そのまま対象ローカル装置2の調整量を決定する。
【0079】
さらに、簡素化した系統で潮流計算し、求めた調整量でローカル装置2が動作した場合の各検出位置での電圧、無効電力を求め、そのデータは改善されているか否かを確認する処理(図4のステップS17)について説明する。
(1)この処理では、前処理で決定した対象高圧配電線毎のローカル装置2の調整量と、先に作成している対象高圧配電線の系統図(インピーダンスマップ)をもとに潮流計算を行い、各検出位置での電圧及び無効電力を算出する。
(2)この結果と検出データより、下記の目的関数(改善率の平均)を算出し、電圧及び無効電力の改善率が50%以下の場合データは改善されていると判断する。改善率がどちらか一方でも50%を越えている場合は、改善率の悪い方を認識して、再度調整量の計算をやり直す。
(I)電圧の目的関数fv(x):
【0080】
【数14】
【0081】
ここで、
Vi:各検出位置での検出データ(電圧)、
Vf:潮流計算で算出した各検出位置での電圧、
Vo:目標電圧、
n:検出数。
(II)無効電力の目的関数fq(x):
【0082】
【数15】
【0083】
ここで、
Qi:各検出位置での検出データ(無効電力値)、
Qf:潮流計算で算出した各検出位置での無効電力値、
Qo:目標無効電力、
n:検出数。
【0084】
図21は、図1の配電系統制御システムで用いる平均化処理における特異データの処理方法を示すグラフである。本実施形態の配電系統制御システムにおいて、中央装置1は各ローカル装置2及び検出装置3のセンサ(以下、センサという。)からデータを取り込み、その内容を把握しながら系統の最適化制御を行うが、高圧配電線F1,F2に点在するローカル装置2及び検出装置3から同時にデータを入力することができないため、入力時に時間差が発生する。この時間差をどう扱うかについて説明する。具体的には、中央装置1からのポーリングにて各センサのデータを収集する際、最初に収集した検出データと、最後に収集した検出データとでは、時間差があるため、単純に同一として扱うことはできない。従って、本実施形態では、この検出データを同時間に収集したと見なせるよう時間的な平均化処理を行う。例えば、収集した検出データを同時間のデータと見なすために、収集時間誤差を1%以下にすると仮定した場合、ポーリング周期の100倍の時間で、各検出機器にて検出データを平均し、その平均値のデータを収集することにより、同時間(時間誤差1%以内)の検出データとして扱う。ただし、検出したデータが、前回検出データより一定幅を越えた場合は、特異データとし、そのデータは破棄する。
【0085】
さらに、図3のステップS5及びS6の処理について説明する。遠隔監視機能より最適化処理要求があった場合にも、NN500の誤差の影響で現状より悪くする可能性があるため、以下の適正条件(電圧の適正条件と無効電力の適正条件)が成立する場合には、現状がほぼ最適であると判断し、最適化処理、すなわち、図3のステップS7以降の処理を実行しない(ステップS6でNO)ことを確認する。
【0086】
【数16】
【数17】
【0087】
ここで、
60:NN500が有する各検出点での電圧の誤差(V)、
100:NN500が有する各検出点での無効電力の誤差(kVar)、
Vi:現状の各検出位置での電圧Vo、
Vo:目標電圧,
Qi:現状の各検出位置での無効電力、
n:検出数。
すなわち、数16及び数17によって示される適正条件は、各検出装置3によって検出された現在の上記各検出位置における電圧値又は無効電力値と、その所定の目標値との差の総和が所定のしきい値以上であることである。
【0088】
【実施例】
以上のように構成された図1の配電系統制御システムの動作の検証を行うため、本発明者は以下のシミュレーションを行った。
【0089】
まず、NN500による潮流計算機能の単体検証について説明する。NN500ではそのネットワ−クの構造により、目的関数の算出精度が大きく左右されるため、ネットワ−クの構造をいかに決定するかが問題となる。このため、中間ユニット数をパラメ−タとして構造についての検討及び検証を実施した。
【0090】
図22は、図1の配電系統制御システムのシミュレーションを行う検証用配電系統の構成を示すブロック図である。検証用配電系統は図22に示すとおりで、ユニット数は入力層35、出力層24である。中間ユニット数は30、40、50の3種類とした。また、学習デ−タと評価デ−タについては、送出電圧は6900Vとし、各区間負荷は25〜50Aの範囲で1Aステップ、負荷力率は0.4〜0.9のの範囲で0.01ステップ、ICR91の電圧調整量は±330Vの範囲で5Vステップ、ICR91及びTCR92の位相調整量は±5度の範囲で0.1度ステップで各々乱数による値を求めた。これらのデ−タを入力値として従来の潮流計算を実行し、得られた各検出位置での電圧及び無効電力値を学習デ−タとし、学習回数は100、200、400の3パタ−ンとした。また、評価デ−タ(従来の潮流計算で求めたデ−タ)も学習デ−タと同様の方法で生成した。
【0091】
NN500の評価は、従来の潮流計算結果による評価デ−タを真値とし、NN500で算出した各検出位置での電圧及び無効電力と従来の潮流計算結果による評価デ−タとの誤差によった。電圧の許容誤差は6600Vの1%相当の60Vであり、無効電力の許容誤差は評価デ−タの作成条件下で発生する最大無効電力の10%相当の300kvarとした。
【0092】
また、NN500の学習打ち切り誤差の決定においては、NN500による潮流計算機能の単体検証に先駆け、学習打ち切り誤差を事前に決定するため、中間ユニット数30、学習デ−タ数100での逐次学習法による学習開始後の平均二乗誤差を求めた。この場合、平均二乗誤差は次式に示す定義とした。
【0093】
【数18】
【0094】
図23は、図1の配電系統制御システムのシミュレーション結果におけるニューラルネットワーク(NN)500の学習曲線を示すグラフである。学習開始後の平均二乗誤差は、図23に示すとおりで、学習打ち切り誤差は進行が緩慢となる15分相当(学習回数6000回)の0.0002に設定した。
【0095】
次いで、単体検証結果について説明する、NN500と従来の潮流計算に異なるデ−タを96個入力し、それぞれが算出した各検出位置での電圧及び無効電力の差を上述の評価基準を使用して評価した。学習回数100、200の場合には、中間ユニット数30、40、50の全てにおいて評価基準値に達せず、両者とも機能が満足できないことが判明した。しかし、学習回数200の場合は、100の場合に対して電圧及び無効電力の両算出精度とも向上した。学習回数400の場合には、中間ユニット数30、40、50の全てにおいて評価基準値をほぼ達成するが、中間ユニット数30の場合が40、50の場合に比べ良好な結果となっている。
【0096】
図24は、図1の配電系統制御システムのシミュレーション結果であって、中間ユニット数が30であるときの単体検証結果である電圧の誤差範囲に対するデータ数を示すグラフであり、図25は、図1の配電系統制御システムのシミュレーション結果であって、中間ユニット数が30であるときの単体検証結果である無効電力の誤差範囲に対するデータ数を示すグラフである。また、図26は、図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける実験の入力条件を示す表である。
【0097】
すなわち、図24及び図25に中間ユニット数30での単体検証結果の例を示す。また、図26のように入力条件を同一とした場合、従来の潮流計算の出力値とNN潮流計算の出力値との比較は図27に示す。図27に示すように、NN500による潮流計算機能が実用可能レベルであることがわかる。さらに、従来の潮流計算手法で、ICR91の機能を付加すれば1配電線当たり1回の処理速度は約30sであるのに対し、NN500では10ms以下と高速に算出できることも確認できた。従って、実質的にリアルタイムな動作を行うことができる。
【0098】
次いで、GA機能の検証について説明する。GAのパラメ−タとして1配電線当たりのストリング数を100及び200の2種類とし、選択淘汰率を50%として、世代による目的関数の値と収束度から適切なストリング数を選択することとした。図28及び図29はそれぞれ、図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける検証配線系統のうちの配電系統FF1,FF2を示すブロック図である。すなわち、検証用配電系統は図28及び図29に示すとおりで、配電線当たりのICR設置数は配電系統1の場合が2台、配電系統2の場合が3台とし、各点の負荷は図30に示すとおりとした。また、この検証を行うにあたって、図4のステップS12におけるNN500による適応度計算処理においても図30の固定負荷値を用い、ロ−カル機器2の調整量のみを乱数にて作成し学習デ−タ数400で事前学習を行わせた。
【0099】
図28及び図29に示す配電系統FF1及びFF2を対象に、ストリング数100および200で100世代まで実施した目的関数の変化は図31のとおりである。図31から明らかなように、目的関数の最終収束値は両者とも同一であるが、ストリング数200の場合の方が100の場合に比べ収束する世代数が少ないことから、ストリング数は200を選定することとした。また、配電系統FF1及びFF2ともに全ての検出位置において、電圧及び無効電力とも現状より改善された。なお、ストリング数は200での配電系統FF1の電圧の目的関数の平均値は0.47、無効電力の目的関数の平均値は0.92、配電系統FF2の電圧の目的関数の平均値は0.49、無効電力の目的関数の平均値は0.48であった。
【0100】
さらに、GA及びNN機能の総合検証について説明する。GA及びNN機能の総合検証は、GA及びNN機能を搭載した中央装置1と模擬ロ−カル機器2とをデータ通信回線4を介して回線接続して、中央装置1からのポ−リングフレ−ム及び目標値指令フレ−ムに対して、模擬ロ−カル機器2からの計測フレ−ムを返信させ、これらのデ−タの送受信によりGA及びNN機能を確認した。
【0101】
このときの検証条件としては、配電系統は、図29の検証用配電系統FF2に対応させ、負荷パタ−ンは図30の検証用配電系統FF2のものを使用した。この場合の初期条件は、「検出位置で電圧が下限値を逸脱」とした。また、目標電圧は6650V、電圧下限許容値は6300Vとし、GAの終了条件は非更新世代数300とした。
【0102】
図32は、図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける検証前後の電圧の改善効果を示すグラフであり、図33は、図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける検証前後の無効電力の改善効果を示すグラフである。図32及び図33から明らかなように、検証前後の各検出位置での電圧および無効電力を示している。電圧及び無効電力ともにGA及びNNの最適化機能が効果的に働いており、システムの妥当性が確認できた。
【0103】
以上説明したように、本実施形態によれば、NN500とGAを用いて配電系統制御システムを構成したので、数ケ所の検出データに基づいて配電系統全体の電圧及び無効電力を、従来例に比較して、効率的にかつ適応的でより高精度で、しかも高速でリアルタイムに調整することができ、これによって、系統全体の電力損失を最小にすることができる。また、NN500とGAを用いて得られた調整量の結果に基づいて、従来の確定的潮流計算方法により制御の確実性を確認した後、各ローカル装置2を制御しているので、より高精度で確実に配電系統の制御を行うことができる。さらに、各ローカル装置2及び検出装置3のセンサからの検出データは一定時間の平均データを使用して、これに基づいてNN500とGAによる配電系統制御を行うので、各センサ間、並びに中央装置1と各センサ間の時間的誤差を小さくすることができ、より高精度で確実に配電系統の制御を行うことができる。
【0104】
また、本実施形態によれば、NN500を用いて当該配電系統の潮流計算を実行しているので、複雑な配電系統の相互影響の潮流シミュレーションを実現することができ、従来例に比較して、より高精度で、しかも高速でリアルタイムに実行することができ、これによって、系統全体の電力損失を最小にすることができる。さらに、本実施形態によれば、NN500とGAによる調整量の計算の前に、現在の配電系統が所定の適正条件を満足しているときに、NN500とGAによる調整量の計算を行わずに、現状を維持するように構成したので、NN500による誤差による影響を最小限にして、現状の配電系統の状態を悪化させる処理を回避することにより、誤制御を防止し、制御効率を向上させることができる。
【0105】
なお、本装置は配電系統だけでなく、もちろん種々の制御装置を有するあらゆる回路網の潮流計算又は状態計算に適用できるものである。
【0106】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る請求項1記載の配電系統制御システムによれば、配電用変圧器に接続された母線と上記母線に接続された高圧配電線とを有する配電系統の高圧配電線の電圧を制御する配電系統制御システムにおいて、
上記配電系統を統括してその動作を制御する中央装置と、
上記高圧配電線に設けられ、上記中央装置からの制御信号に基づいて、上記高圧配電線の電圧値及び無効電力値をそれぞれ所定の調整量で調整するローカル装置と、
上記高圧配電線のローカル装置の設置箇所から離れて設けられ、上記高圧配電線の電圧及び電流をそれぞれ検出して上記中央装置に送信する検出装置とを備え、
上記中央装置は、
上記検出装置によって検出された上記高圧配電線の電圧及び電流に基づいて、所定のニューラルネットワークを用いて上記高圧配電線の潮流計算を行い、かつ遺伝的アルゴリズムを用いて上記ローカル装置の最適な調整量の組み合わせを計算して設定するように制御する制御手段を備える。
従って、検出データに基づいて配電系統全体の電圧及び無効電力を、従来例に比較して、効率的にかつ適応的でより高精度で、しかも高速でリアルタイムに調整することができ、これによって、系統全体の電力損失を最小にすることができる。
【0107】
また、本発明に係る請求項2記載の配電系統制御システムによれば、配電用変圧器に接続された母線と上記母線に接続された複数の高圧配電線とを有する配電系統の各高圧配電線の電圧の変動幅を設定範囲に収めるように制御する配電系統制御システムにおいて、
上記配電系統を統括してその動作を制御する中央装置と、
上記各高圧配電線に対して少なくとも1つ設けられ、上記中央装置からの制御信号に基づいて、上記各高圧配電線の電圧値及び無効電力値をそれぞれ所定の調整量で調整するローカル装置と、
上記各高圧配電線のローカル装置の設置箇所から離れた少なくとも1つの検出位置で上記高圧配電線の電圧及び電流をそれぞれ検出する電圧センサ及び電流センサを備え、検出された電圧値及び電流値の検出データを上記中央装置に送信する検出装置とを備え、
上記中央装置は、
遺伝的アルゴリズムを用いて上記各ローカル装置における電圧値及び無効電力値の調整量を初期ストリングとしてランダムに発生する発生手段と、
入力層と、少なくとも1層の中間層と、出力層を備え、予め所定の教師データに基づいて学習され、上記各ローカル装置の電圧調整量及び位相調整量と、上記各検出装置間の区間における所定の負荷有効電力及び負荷無効電力と、上記配電用変圧器からの送出電圧及び送出位相とを入力して、上記各検出位置における電圧値及び無効電力値を出力することにより潮流計算を行うニューラルネットワークを用いて、上記発生手段によって発生された初期ストリングの調整量と、上記各検出装置間の区間における所定の負荷有効電力及び負荷無効電力と、上記配電用変圧器からの送出電圧及び送出位相とに基づいて、上記各検出位置における電圧値及び無効電力値を発生した後、上記配電系統の電圧の最適化及び無効電力の最小化を目的とし関数値が最小値で上記目的を達成する所定の目的関数を用いて、その目的関数の関数値を計算する計算手段と、
上記計算手段によって計算された上記目的関数の関数値の逆数を計算し、適応度を示すその逆数値のより大きい複数の調整量のストリングを選択することにより選択淘汰処理を実行する選択手段と、
上記選択手段によって選択された複数の調整量のストリングから、ランダムに交叉点を決定して淘汰された所定の個数分の修正ストリングを新たに生成し、生成された修正ストリングの集団の中の上記適応度のより低い複数のストリングの中のストリング内でビット反転を行うことにより突然変異処理を実行する処理手段と、
上記処理手段の処理の後に上記計算手段を実行し、上記計算手段によって計算された上記目的関数の関数値に基づいて所定の終了条件を満たすか否かを判断し、満たさないとき上記選択手段の処理を実行する一方、満たすときに上記計算手段によって計算された電圧と無効電力の調整量から算出した目標電圧と目標無効電力とを上記ローカル装置に送信した後、設定するように制御する制御手段とを備える。
従って、数ケ所の検出データに基づいて配電系統全体の電圧及び無効電力を、従来例に比較して、効率的にかつ適応的でより高精度で、しかも高速でリアルタイムに調整することができ、これによって、系統全体の電力損失を最小にすることができる。
【0108】
また、請求項3記載の配電系統制御システムによれば、請求項2記載の配電系統制御システムにおいて、上記目的関数は、電圧の目的関数と、無効電力の目的関数との、重み係数による線形結合で表され、上記電圧の目的関数は、所定の目標値からの上記中央装置のニューラルネットワークによる電圧予測値の差の2乗値を、所定の目標値からの上記検出装置による電圧検出値の差の2乗値で除算してなり、上記無効電力の目的関数は、上記中央装置のニューラルネットワークによる無効電力予測値の2乗値を、上記検出装置による無効電力検出値の2乗値で除算してなる。
従って、数ケ所の検出データに基づいて配電系統全体の電圧及び無効電力を、従来例に比較して、効率的にかつ適応的でより高精度で、しかも高速でリアルタイムに調整することができ、これによって、系統全体の電力損失を最小にすることができる。また、上記目的関数をより簡単な形式で表現しているので、目的関数の計算も簡単になる。
【0109】
さらに、請求項4記載の配電系統制御システムによれば、請求項2又は3記載の配電系統制御システムにおいて、上記検出データは、所定の時間における平均値データである。
従って、数ケ所の検出データに基づいて配電系統全体の電圧及び無効電力を、従来例に比較して、効率的にかつ適応的でより高精度で、しかも高速でリアルタイムに調整することができ、これによって、系統全体の電力損失を最小にすることができる。また、上記検出データとして平均値データを用いることにより、各検出装置間、並びに中央装置と各検出装置間の時間的誤差を小さくすることができ、より高精度で確実に配電系統の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態である配電系統制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の配電系統制御システムの具体例の一例を示すブロック図である。
【図3】 図1の中央装置1によって実行される中央装置処理の第1の部分を示すフローチャートである。
【図4】 図1の中央装置1によって実行される中央装置処理の第2の部分を示すフローチャートである。
【図5】 図4のサブルーチンである適応度計算処理を示すフローチャートである。
【図6】 図4のサブルーチンである選択淘汰処理を示すフローチャートである。
【図7】 図1の中央装置1によって実行される中央装置割り込み処理を示すフローチャートである。
【図8】 図1の配電系統制御システムで用いる目的関数における重み係数の設定表を示す図である。
【図9】 図1の配電系統制御システムで用いる電圧調整量のストリング表現の一例を示す図である。
【図10】 図1の配電系統制御システムで用いる位相調整量のストリング表現の一例を示す図である。
【図11】 図1の配電系統制御システムで用いるストリングの個体の一例を示す図である。
【図12】 図1の配電系統制御システムで用いるストリングの交叉の一例を示す図である。
【図13】 図1の配電系統制御システムで用いるストリングの突然変異の一例を示す図である。
【図14】 図1の配電系統制御システムで用いるストリングの多点交叉の一例を示す図である。
【図15】 図1の配電系統制御システムで用いるニューラルネットワーク(NN)500の構成を示すブロック図である。
【図16】 図1の配電系統制御システムで用いるある負荷状態におけるインピーダンスマップの生成処理を示すブロック図である。
【図17】 図1の配電系統制御システムで用いる各調整量におけるセンサにおける電圧値V及び無効電力値Qの計算処理を示すブロック図である。
【図18】 図15のニューラルネットワーク(NN)500の学習方法を示すブロック図である。
【図19】 図15のニューラルネットワーク(NN)500への学習データの取り入れ方法を示すブロック図である。
【図20】 図1の配電系統制御システムにおける負荷予測からの電圧算出例を示す図である。
【図21】 図1の配電系統制御システムで用いる平均化処理における特異データの処理方法を示すグラフである。
【図22】 図1の配電系統制御システムのシミュレーションを行う検証用配電系統の構成を示すブロック図である。
【図23】 図1の配電系統制御システムのシミュレーション結果におけるニューラルネットワーク(NN)500の学習曲線を示すグラフである。
【図24】 図1の配電系統制御システムのシミュレーション結果であって、中間ユニット数が30であるときの単体検証結果である電圧の誤差範囲に対するデータ数を示すグラフである。
【図25】 図1の配電系統制御システムのシミュレーション結果であって、中間ユニット数が30であるときの単体検証結果である無効電力の誤差範囲に対するデータ数を示すグラフである。
【図26】 図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける実験の入力条件を示す表である。
【図27】 図1の配電系統制御システムのシミュレーション結果であって、配電系統亘長に対する電圧及び無効電力を示すグラフである。
【図28】 図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける検証配線系統のうちの配電系統FF1を示すブロック図である。
【図29】 図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける検証配線系統のうちの配電系統FF2を示すブロック図である。
【図30】 図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける検証配線系統のうちの配電系統FF1及びFF2における各負荷点の負荷値を示す表である。
【図31】 図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおけるストリング数の評価曲線を示すグラフである。
【図32】 図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける検証前後の電圧の改善効果を示すグラフである。
【図33】 図1の配電系統制御システムのシミュレーションにおける検証前後の無効電力の改善効果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…中央装置、
2…ローカル装置、
2A…ローカル機器、
2B…電圧センサ、
2C…電流センサ、
2D…機器制御装置、
2E…通信制御及び制御目標設定装置、
3…検出装置、
3A…電圧センサ、
3B…電流センサ、
3C…通信子局、
4…データ通信回線、
5…データ送受信装置、
90…LRT目標補正部、
91…ICR、
92…TCR、
93…センサ、
94…配電自動化用伝送路、
95…電圧調整継電器、
96…LRT,
100…入力層、
101−1乃至101−27…入力層ユニット、
200…中間層、
201−1乃至201−M…中間層ユニット、
300…出力層、
301−1乃至301−28…出力層ユニット、
401,402…シフトレジスタ、
SS…配電用変圧器、
B…母線、
F1,F2…高圧配電線。
Claims (4)
- 配電用変圧器に接続された母線と上記母線に接続された高圧配電線とを有する配電系統の高圧配電線の電圧を制御する配電系統制御システムにおいて、
上記配電系統を統括してその動作を制御する中央装置と、
上記高圧配電線に設けられ、上記中央装置からの制御信号に基づいて、上記高圧配電線の電圧値及び無効電力値をそれぞれ所定の調整量で調整するローカル装置と、
上記高圧配電線のローカル装置の設置箇所から離れて設けられ、上記高圧配電線の電圧及び電流をそれぞれ検出して上記中央装置に送信する検出装置とを備え、
上記中央装置は、
上記検出装置によって検出された上記高圧配電線の電圧及び電流に基づいて、所定のニューラルネットワークを用いて上記高圧配電線の潮流計算を行い、かつ遺伝的アルゴリズムを用いて上記ローカル装置の最適な調整量の組み合わせを計算して設定するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする配電系統制御システム。 - 配電用変圧器に接続された母線と上記母線に接続された複数の高圧配電線とを有する配電系統の各高圧配電線の電圧の変動幅を設定範囲に収めるように制御する配電系統制御システムにおいて、
上記配電系統を統括してその動作を制御する中央装置と、
上記各高圧配電線に対して少なくとも1つ設けられ、上記中央装置からの制御信号に基づいて、上記各高圧配電線の電圧値及び無効電力値をそれぞれ所定の調整量で調整するローカル装置と、
上記各高圧配電線のローカル装置の設置箇所から離れた少なくとも1つの検出位置で上記高圧配電線の電圧及び電流をそれぞれ検出する電圧センサ及び電流センサを備え、検出された電圧値及び電流値の検出データを上記中央装置に送信する検出装置とを備え、
上記中央装置は、
遺伝的アルゴリズムを用いて上記各ローカル装置における電圧値及び無効電力値の調整量を初期ストリングとしてランダムに発生する発生手段と、
入力層と、少なくとも1層の中間層と、出力層を備え、予め所定の教師データに基づいて学習され、上記各ローカル装置の電圧調整量及び位相調整量と、上記各検出装置間の区間における所定の負荷有効電力及び負荷無効電力と、上記配電用変圧器からの送出電圧及び送出位相とを入力して、上記各検出位置における電圧値及び無効電力値を出力することにより潮流計算を行うニューラルネットワークを用いて、上記発生手段によって発生された初期ストリングの調整量と、上記各検出装置間の区間における所定の負荷有効電力及び負荷無効電力と、上記配電用変圧器からの送出電圧及び送出位相とに基づいて、上記各検出位置における電圧値及び無効電力値を発生した後、上記配電系統の電圧の最適化及び無効電力の最小化を目的とし関数値が最小値で上記目的を達成する所定の目的関数を用いて、その目的関数の関数値を計算する計算手段と、
上記計算手段によって計算された上記目的関数の関数値の逆数を計算し、適応度を示すその逆数値のより大きい複数の調整量のストリングを選択することにより選択淘汰処理を実行する選択手段と、
上記選択手段によって選択された複数の調整量のストリングから、ランダムに交叉点を決定して淘汰された所定の個数分の修正ストリングを新たに生成し、生成された修正ストリングの集団の中の上記適応度のより低い複数のストリングの中のストリング内でビット反転を行うことにより突然変異処理を実行する処理手段と、
上記処理手段の処理の後に上記計算手段を実行し、上記計算手段によって計算された上記目的関数の関数値に基づいて所定の終了条件を満たすか否かを判断し、満たさないとき上記選択手段の処理を実行する一方、満たすときに上記計算手段によって計算された電圧と無効電力の調整量から算出した目標電圧と目標無効電力とを上記ローカル装置に送信した後、設定するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする配電系統制御システム。 - 上記目的関数は、電圧の目的関数と、無効電力の目的関数との、重み係数による線形結合で表され、上記電圧の目的関数は、所定の目標値からの上記中央装置のニューラルネットワークによる電圧予測値の差の2乗値を、所定の目標値からの上記検出装置による電圧検出値の差の2乗値で除算してなり、上記無効電力の目的関数は、上記中央装置のニューラルネットワークによる無効電力予測値の2乗値を、上記検出装置による無効電力検出値の2乗値で除算してなることを特徴とする請求項2記載の配電系統制御システム。
- 上記検出データは、所定の時間における平均値データであることを特徴とする請求項2又は3記載の配電系統制御システム。
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