[go: up one dir, main page]

JP3823825B2 - 高分子光導波路の製造方法 - Google Patents

高分子光導波路の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3823825B2
JP3823825B2 JP2001398109A JP2001398109A JP3823825B2 JP 3823825 B2 JP3823825 B2 JP 3823825B2 JP 2001398109 A JP2001398109 A JP 2001398109A JP 2001398109 A JP2001398109 A JP 2001398109A JP 3823825 B2 JP3823825 B2 JP 3823825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical waveguide
blanket
polymer optical
polymer
waveguide material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001398109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003195078A (ja
Inventor
淳 佐々木
守 石崎
健人 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2001398109A priority Critical patent/JP3823825B2/ja
Publication of JP2003195078A publication Critical patent/JP2003195078A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3823825B2 publication Critical patent/JP3823825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光電気複合実装基板に用いられる高分子光導波路の製造方法に関し、より詳しくは、量産性に優れ製造コストが低く、且つ高精度なコアとクラッドからなる高分子光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子計算機のLSIクロック周波数は益々増大する傾向にあり、現在では1GHzオーダーのものが出現するに至っている。この結果、従来のボード内やシステム内の電気伝送のままでは、速度制限を受けてしまい、システム性能を阻害する原因となっていた。こうした速度制限は電気伝送による高周波減衰、インピーダンスの不整合、クロストーク、グランド雑音などの影響により生じていた。更に、テラビット/秒の性能が求められてくると、電気伝送の場合、誘電損失と表皮効果に起因する高周波減衰のため、高速化と共にボード内での許容伝送距離が短くなる課題もあった。
【0003】
このような問題を解決するために、プリント基板の銅による電気配線の一部を光ファイバー又は光導波路に置き換え電気信号の変わりに光信号を利用することが行われ始めている。なぜなら、光伝送ではインピーダンスの不整合といった上記の悪影響を無視でき、又許容伝送距離が伝送速度に依存しないからである。
【0004】
プリント基板内での光通信を実現するために用いられる光導波路は、通常光信号の通過するコア部が該コア部よりも屈折率の低いクラッドの中に埋め込んだ構造とし、一般にプリント基板上面に設けられ、レーザダイオードやフォトダイオードといった送受信光デバイスによって光伝送が行われる。
【0005】
光ファイバで実証済みのように石英は透明性が極めて良好であるため、プリント基板に光導波路として用いた場合も波長1.3μmにおいて0.1dB/cm以下の低損失を達成している。しかし、その光導波路の作成には長時間を必要とすることや、作成時に高温が必要である、大面積化が困難であるなどの製造上の問題点がある。
【0006】
これに対して高分子光導波路は低い温度で形成が可能であり、ポリイミドなどの耐熱性の高い材料を用いることも可能になってきている。ポリイミドを光学材料として適用していくには透明性が優れ、屈折率が自由に制御できることが重要である。これに対応する材料として特開平7−239422号公報で示されているフッ素化ポリイミドが開発されている。これらのポリイミドに代表される高分子光導波路の製造方法は導波路(主にコア)パターン形成時に反応性イオンエッチングを用いるのが主流であるが、こうした作成工程は複雑で高分子材の使用という、低コスト化へのメリットを生かしきれない欠点があった。従って、高分子材料特有の性質を活かした簡便な光導波路の製造方法が望まれていた。
【0007】
特開平8−118777号公報では溝の形成された凹版に対しブランケットの回転する方向を傾け、通常ブランケットの回転する方向と溝の方向が一致している場合に比べて、左右の形状を非対称に変化させる方式を示している。しかし、このままでは光導波路として用いることは出来ず、印刷転移工程後に、光導波路として必要な加工を行っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で示したように高分子導波路の作製における課題を解決した、加工性に優れ安価な高分子光導波路の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成する高分子導波路の製造方法に関するもので、請求項1に記載の発明は、コアとクラッドを基板表面に設ける高分子光導波路の製造方法であって、凹版表面の凹部に充填された紫外線硬化型光導波路材をブランケットの表面に転移させるとともに、前記高分子光導波路材に紫外線を照射し、次いでこの高分子光導波路材をブランケットから基板表面に転移させ光配線を形成することを特徴とする高分子光導波路の製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、紫外線を前記ブランケットおよび/または凹版の裏面から照射することを特徴とする請求項1記載の高分子光導波路の製造方法である。
また、請求項3に記載の発明は、凹版表面の凹部に充填された紫外線硬化型導波路材をブランケットの表面に転移させる第一工程と、前記高分子光導波路材をブランケットから基板の表面に転移させる第二工程からなり、第一転移工程がブランケットを凹版の表面に接触させた状態で回転させ、また第二転移工程が前記ブランケットを基板表面に接触させた状態で回転させることを特徴とする請求項1乃至2記載の高分子光導波路の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明の高分子光導波路の製造方法において、紫外線が照射されるタイミングは凹版の凹部に充填された紫外線硬化型導波路材がブランケットの表面に転移されたと同時である。
【0011】
紫外線を照射する方法としては、例えば図1に示すように、ブランケット胴21の内部に設置された光源22からブランケット胴21およびブランケット23を通じて高分子光導波路材11に対して紫外線を照射する方法があげられる。この場合、ブランケット胴21には紫外線を透過させる材質を使用する必要がある。図1中、白矢印は紫外線の照射方向を示し、符号24は紫外線を遮断するカバーを示す。この場合、高分子光導波路材11の硬化はブランケット23との界面から進行するため、ブランケット23から基板への第二転移工程において高分子光導波路材11がブランケット23の表面から剥離し易く、印刷工程を高速化しても、該光導波路材の凝集を阻止してその形状を保持できる。
【0012】
また、例えば図2に示すように、凹版25の裏面側に設置された光源22から凹版25を通じて高分子光導波路材11に紫外線を照射する方法であってもよい。この場合、ブランケット23に転移された高分子光導波路材11の表面で硬化が進行するため、高分子光導波路材11が凹版の凹部をはなれてから高分子光導波路材11表面の硬化が進行するまでの時間が短く、該光導波路材の凝集を阻止してその形状を保持する効果がより優れている。
【0013】
図1または図2に示す光源22は、ブランケット23が凹版25から高分子光導波路材11を受理する位置にのみ紫外線を照射することができるように設定されている。すなわち、図1に示す場合、光源22から照射される紫外線を遮断するためのカバー24は、ブランケット23が凹版25から高分子光導波路材11を受理する位置にのみ紫外線が照射されるように、その開口部の大きさおよび向きが調節されている。また、図2に示す場合、上記と同様にカバー24の開口部の大きさおよび向きが調節されていると共に、図2中に黒矢印で示す方向にブランケット23が回転するのに伴って、凹版25及び基板10がブランケット23と同じ方向に移動できるように設定する。
【0014】
なお、本発明において、紫外線の照射方法としては、図1および図2に示す方法を併用することも可能である。紫外線の照射条件は使用する紫外線硬化型の高分子光導波路材の種類や高分子光導波路材の厚さ等によって異なるものの、前述した導波路材の硬化の程度に応じて設定される。
【0015】
例えば、ブランケットの裏面から紫外線を照射する場合には、高分子光導波路材とブランケットとの界面における紫外線の露光量(積算光量)を、通常50〜1000mJ/cm2、好ましくは100〜500mJ/cm2とするのが適当である。露光量が上記範囲を越えると、高分子光導波路材とブランケット表面との界面の近傍だけでなく、高分子光導波路材全体で硬化が進行してしまい、高分子光導波路材の粘着性が低下してしまうことから、第二転移工程となる基板への高分子光導波路材の転移が不十分になるおそれがある。逆に、露光量が上記範囲を下回ると、高分子光導波路材の形状の変化を防止するという本発明の効果が得られなくなるおそれがある。
【0016】
一方、凹版の裏面から紫外線を照射する場合には、ブランケットに転移された高分子光導波路材の表面における露光量を、通常50〜1000mJ/cm2、好ましくは100〜500mJ/cm2とするのが適当である。露光量が上記範囲を超えると、インキの表面部分の粘着性が低下しすぎて、第二転移工程となる基板表面への高分子光導波路材の転移が不十分になり、工程後に高分子光導波路材11がブランケット23の表面に残存するいわゆるパイリングが起こるおそれがある。逆に、露光量が上記範囲を下回ると、高分子光導波路材の形状の変化を防止するという本発明の効果が得られなくなるおそれがある。
【0017】
次に、本発明に用いられる凹版、ブランケット、基板、高分子光導波路材等について詳細に説明する。本発明に用いられる、凹版には、例えばフッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリメタクリル樹脂等の樹脂、或いはステンレス、銅、低膨張合金アンバー等の金属やソーダライムガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス、低アルカリガラス等のガラスなどが用いられる。なかでも、ソーダライムガラス等の軟質ガラスを得るのが、微細パターンを高精度で再現するうえで好ましい。
【0018】
紫外線の照射を凹版の裏面から行う場合には、紫外線の透過性が高いことが要求される。具体的には、上記凹版の紫外線透過率は50%以上であるのが好ましい。前記紫外線透過率は200〜400nmの紫外線領域の全般にわたって上記範囲を満たす必要はなく、照射される紫外線の波長領域において上記範囲を満たしていればよい。
【0019】
上記凹版の凹部は、光導波路のパターンに応じて作製されたものである。凹部の深さは5〜70μmの範囲でコア或いはクラッドの厚みに応じて設定される。凹部の深さが前記範囲を下回ると、コア或いはクラッドに必要とされる高分子光導波路の厚みが1回の印刷で得られなくなるため好ましくない。一方、凹部の深さが前記範囲を超えると、形成される高分子光導波路が厚くなり、微細パターンを高精度で再現し難くなる傾向がある。
【0020】
前記のパターンは通常コアが矩形状のストライプ線路として形成され、線路の幅即ち凹部の幅は、コアの場合5〜70μmが好ましい。一方、クラッドの場合はコアの線路数により凹部の幅が広がるが、例えば、1mm〜100mmの範囲で設定できる。また、ブランケットの表面ゴム層にシリコーンゴムを用いたときは、シリコーンゴムの表面張力が通常15〜25dyn/cmと低く、凹版からの高分子光導波路材を受理しにくいことから、凹版の凹部に表面処理を施して凹部の表面張力を5〜20dyn/cm程度にまで低下させて、前記導波路材を転移させやすくしておくことも有効である。この為の、表面処理としては、例えば、シリコーンゴム等のシリコン系コーティング層や四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニリデン等からなるフッ素系樹脂等のコーティング層を凹部の表面に形成する方法が一例として挙げられる。
【0021】
上記凹版の凹部に高分子光導波路材を充填する方法としては、ドクターブレードを用いてスキージする方法、ディスペンサーで注入する方法、バブルジェット(登録商標)によって注入する方法、スクリーン印刷を用いる方法などが挙げられる。
【0022】
本発明に用いられるブランケットとしては、例えば、プラスチックフィルム等の支持体の表面にシリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴムからなるゴム層を担持させたものが使用できる。該ブランケットはコア或いはクラッドの表面の平坦性をより向上させるため、表面ゴム層が平滑なものであるのが好ましい。また、表面ゴム層として硬度(JIS A)が20〜80であるシリコーンゴムを用いたときには、第二転移工程となる光導波路材の基板表面への転移を線路パターンのエッジがシャープ状態で良好に行う事ができる。
【0023】
紫外線の照射をブランケットの裏面から行う場合、ブランケットを構成する表面ゴム層と支持体、更にブランケットを巻き付けるブランケット胴とには、紫外線の透過率の高い事が要求される。具体的には上記表面ゴム層と支持体の紫外線透過率は50%以上であるのが好ましい。前記紫外線透過率は200〜400nmの紫外線領域の全般にわたって上記範囲を満たす必要はなく、照射される紫外線の波長領域において上記条件を満たしていればよい。
【0024】
紫外線透過率が上記範囲を満たすゴムとしては、例えば、シリカなどの充填剤を含まないシリコーンゴム、ミラブルシリコーンゴム、RTV(室温硬化)シリコーンゴム、電子線硬化型シリコーンゴムなどが挙げられる。紫外線透過率が上記範囲を満たす支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリル酸メチル等のアクリル樹脂といったプラスチックフィルムが挙げられる。
【0025】
ブランケットを巻き付けるためのブランケット胴には、通常、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属が用いられるが、上記のように、ブランケット胴に紫外線の透過性が要求されるときには、例えばソーダライムガラスや、メタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂といった硬質プラスチックフィルムなどからなるブランケット胴を用いれば良い。
【0026】
第二転移工程によりブランケットから高分子導波路材を転移させる基板としては電気配線の形成されるガラスエポキシ基板、フィルム状のフレキシブルなポリイミド基板、或いはソーダガラス、硼珪酸ガラス、シリコンウェハーを用いることができる。
【0027】
本発明に用いられる高分子光導波路材は紫外線照射により反応硬化するワニス状の樹脂である。この紫外線硬化型高分子光導波路材は例えば光重合型のオリゴマー(UVプレポリマー)、光重合性型モノマー(UVモノマー)、光重合開始剤から構成されているものが挙げられる。UVプレポリマーとしては、例えばエポキシアクリレート、脂肪族環状エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、臭化エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、アルキドアクリレート等が使用可能である。UVモノマーとしては、例えば単官能アクリレート、2官能アクリレート、3官能アクリレート、4官能アクリレート等のアクリルモノマーが使用可能である。光重合開始剤としては、例えばベンゾイン系、アセトフェノン系、パーオキサイド系、チオキサントン系、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートといった芳香族ジアゾニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族スルホニウム塩などが挙げられる。これらの組成を構成要素としてなる紫外線硬化型の樹脂で構成されてなることを特徴とする。
【0028】
光導波路に於ける光伝送損失は赤外振動吸収の高調波や密度・濃度ゆらぎによるレイリー散乱による散乱損失といった物質固有の要因が影響を及ぼしている。このうち、熱運動による固体内のゆらぎを抑えるためには、線形高分子よりも紫外線等により三次元硬化する上記樹脂の方が好ましい。また、紫外線硬化する高分子光導波路の屈折率は、分子構造や組成を変えることにより自由に制御可能である。こうして、光導波路のコア材とクラッド材は光伝送の波長に適した屈折率差になるように設定する。
【0029】
本発明の光導波路の構造は、反応性イオンエッチング等の公知の方法でパターニングされ作製される光導波路と同様でよく、例えばスラブ型、リッジ型、埋め込み型等がある。
【0030】
本発明に於ける紫外線の光源としては、照射する紫外線の波長、強度などの紫外線の照射条件に応じて選択され、通常は水銀灯、ハロゲンランプなどを使用することができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0032】
(実施例1)
凹版25の凹部26に下部クラッドとしての高分子光導波路材11を充填した後、ブランケット23の表面に転移させると共に、図1に示すようにブランケット胴21内に設置された紫外線の光源22からブランケット23およびブランケット胴21を通じて前記高分子光導波路材11に紫外線(低圧水銀ランプ、波長254nm、照度1500mW/cm2)を照射した。次いで、前記導波路材11をブランケット23から基板10の表面に転移させることにより、下部クラットの印刷を行った。
【0033】
凹版25の基板にはソーダライムガラス(縦100×横100mm)を使用した。凹版25の表面に形成された凹部は深さ30μm、幅10mm、長さ50mmである。ブランケット23には、厚さ0.3mmのポリエチレンフィルムからなる支持体上に硬度60度のシリコーンゴムをコーティングして、総厚み1.0mmとしたものを使用した。基板10にはガラスエポキシ基板(縦100mm×横100mm)を使用した。
【0034】
高分子光導波路材11には次の紫外線硬化型の樹脂を用いた。
フェノールノボラック型エポキシアクリレート分子量5000;新中村化学工業(株)製・・・16.25重量部
光重合性モノマー;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート・・・13.75重量部
光重合開始剤;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1・・・4.0重量部
4,4−ジエチルチオキサントン・・・0.75重量部
2,4ジエチルチオキサントン・・・0.25重量部
エチレングリコールモノブチルエーテル・・・65重量部
を十分に混合して本発明の紫外線硬化型下部クラッド用高分子導波路材の組成物を得た。
【0035】
上記の印刷において高分子光導波路材11とブランケット23との界面における紫外線の露光量は200mJ/cm2であった。下部クラッドが印刷形成された後、200℃、10分の乾燥を行い、下部クラッド12とした。屈折率は1.5125であった(図3(a))。
【0036】
下部クラッドが形成されたガラスエポキシ上に、前記工程と同様に凹版25の凹部26にコアとしての高分子光導波路材11を充填した後、ブランケット23の表面に転移させると共に、図1に示すようにブランケット銅21内に設置された紫外線の光源22からブランケット23およびブランケット銅21を通じて前記高分子光導波路材11に紫外線(低圧水銀ランプ、波長254nm、照度1500mW/cm2)を照射した。次いで、前記光導波路材11をブランケット23からガラスエポキシ基板10の表面に転移形成した下部クラッド12上に転移させコア13を形成した。
【0037】
上記凹版25には凹部に深さ40μm、幅40μm、長さ50mmが形成されたソーダライムガラスを用いた。コア材としての高分子導波路材は次の紫外線硬化樹脂を用いた。
【0038】
ビスフェノールA型エポキシアクリレート分子量5000;昭和高分子(株)製・・・18.25重量部
光重合性モノマー;ビスフェノールA EO変性(n=2)ジアクリレート・・・13.75重量部
光重合開始剤;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン1・・・4.0重量部
4,4−ジエチルチオキサントン・・・0.75重量部
2,4ジエチルチオキサントン・・・0.25重量部
シクロヘキサノン・・・63重量部
【0039】
を十分に混合して本発明の紫外線硬化型コア用高分子導波路材の組成物を得た。上記の印刷において高分子光導波路材11とブランケット23との界面における紫外線の露光量は200mJ/cm2であった。コアが印刷形成された後、200℃、10分の乾燥を行いコア13形成を完了させた(図3(b))。屈折率は1.5331であった。
【0040】
下部クラッドパターン、コアパターンが順次形成された電気配線基板上に前記工程と同様に凹版25の凹部26に下部クラットとして用いた高分子光導波路材11を充填した後、ブランケット23の表面に転移させると共にブランケット銅21に設置された紫外線の光源22からブランケット23およびブランケット銅21を通じて前記高分子光導波路材11に紫外線(低圧水銀ランプ、波長254nm、照度1500mW/cm2)を照射した。次いで、前記導波路材11をブランケット23から下部クラット12、コア13が順次形成されたパターン上に重ねて転移させ、上部クラッド14として印刷を行った。
【0041】
凹版25の表面に形成された凹部は深さ30μm、幅10mm、長さ50mmである。また、高分子光導波路材11には、前記下部クラットとして用いた紫外線硬化型の高分子導波路材組成物を用いた。上部クラッドが印刷形成された後、100℃、10分の乾燥を行い、上部クラッド層の加熱乾燥を行う事により上部クラッド14の形成を完了させ、埋め込み型の高分子光導波路を作製した(図3(c))。
【0042】
上記実施例について印刷初期と10,000回連続印刷後との高分子光導波路の線幅の変化率を電子顕微鏡で観察した。また基板に印刷された高分子光導波路の位置と、当該高分子光導波路に対応する凹版の凹部の位置との誤差(印刷精度)の最大値を求めた所、高分子光導波路材の変化率(%)は±0.1%以下および印刷精度は3μmであった。
【0043】
こうして作製した高分子光導波路を波長633nmのHe−Neレーザ光を用い、伝送損失を調べたところ0.3dB/cmで低損失であった。また、高分子光導波路表面は完全に平滑であり膜中に凝集物などが認められなかった。
【0044】
(実施例2)
凹版25の凹部26に実施例1で用いた高分子光導波路材11を充填したのち、ブランケット23の表面に転移させるとももに、図2に示すように凹版25の裏面側に設置された紫外線の光源22から凹版25を通じて前記高分子光導波路材11に紫外線を照射した。次いで、この高分子光導波路材11をブランケット23からガラスエポキシ基板10の表面に転移させることを繰り返し(図2)、埋め込み型の高分子光導波路を作製した。
【0045】
上記に使用した凹版25、高分子光導波路材11、ブランケット23、は何れも実施例1と同じである。紫外線の光源22には低圧水銀ランプ(波長254nm、照度1000mW/cm2)を使用した。なお、上記、転移工程においてブランケット23に転移された高分子光導波路材11の表面における紫外線の積算光量は、何れも80mJ/cm2であった。
【0046】
下部クラッド12、コア13、上部クラッド14の転移工程ごと、実施例1と同様に加熱を行うことにより高分子光導波路を完成させた。
【0047】
上記実施例について印刷初期と10,000回連続印刷後との高分子導波路の線幅の変化率を電子顕微鏡で観察した。また基板に印刷された高分子導波路の位置と、当該高分子導波路に対応する凹版の凹部の位置との誤差(印刷精度)の最大値を求めた所、高分子導波路材の変化率(%)は±0.1%以下および印刷精度は3μmであった。
【0048】
こうして作製した高分子光導波路を波長633nmのHe−Neレーザ光を用い、伝送損失を調べたところ0.3dB/cmで低損失であった。
【0049】
また、高分子光導波路表面は完全に平滑であり膜中に凝集物などが認められなかった。
【0050】
(比較例1)
実施例1と同じ凹版25の凹部26に高分子光導波路材11を充填した後、前記高分子光導波路材11を凹版25の凹部26からブランケット23の表面に移転させ、次いで、紫外線による露光を行わなず、その後、高分子光導波路材11をブランケット23からガラスエポキシ基板10に転移させることにより、高分子導波路の下部クラッドの印刷を行った。
【0051】
上記凹版25は実施例1で用いたソーダライムガラス(縦100×横100mm)である。凹版25の表面に形成された凹部のパターンは実施例1と同様とした。ブランケット23には厚さ0.3mmのPETフィルムからなる支持体上に硬度50度のシリコーンゴムをコーティングして総厚み1.0mmとしたものを用いた。基板は実施例1で使用したもガラスエポキシ基板を使用した。
【0052】
高分子光導波路材11としては、フッ素化ポリアミドをジメチルアセトアミドに固形分比25%に溶解し、粘度77dPa・s(日立化成製 OPI N3305−7H25)に調整したものを用いた。
【0053】
(比較例2)
高分子光導波路の作製において、高分子光導波路材、ブランケット、凹版、基板等は実施例1と同じものを用い、紫外線による露光工程を行わずに高分子光導波路を作製した。上記比較例1乃至2について高分子光導波路材11の転移を10,000回行い、転移初期と10,000回連続転移後との高分子導波路の線幅の変化率を電子顕微鏡で観察した。また、電気配線板に印刷されたパターンの位置との誤差(印刷精度)の最大値を求めた。
【0054】
上記高分子導波路材の線幅の変化率(%)および印刷精度(μm)の結果を表1に示す。インキの線幅の変化率における符号+および−は前回と同じである。
【0055】
【表1】
Figure 0003823825
【0056】
表1より明らかなように、実施例1及び2では10,000回連続印刷後においても高分子光導波路材の線幅の変化率が極めて小さく、印刷ラインのエッジがシャープで高分子導波路としての平坦性に優れているなど、印刷品質でもって印刷精度の優れた高分子導波路を作製することが出来た。
【0057】
これに対してブランケットの表面に転移された高分子導波路材に紫外線を照射しなかった比較例1乃至2では10,000回連続印刷後における高分子導波路材の線幅の変化率が極めて大きくなった。また、ブランケットからガラスエポキシ基板への高分子導波路材の転移が不十分で、高分子導波路材がローラー上で堆積し転写しなくれるパイリングが生じたため、高分子導波路材の形状が乱れたり、ラインの直線性が悪くなった。こうして作製した高分子光導波路を波長633nmのHe−Neレーザ光を用い、伝送損失を調べたところ転移初期の時点でも6.0〜8.0dB/cmと損失が大幅に増加していた。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外線硬化タイプの高分子導波路材を転移工程に伴う形状の変化を防止でき、優れた印刷品質で光導波路形成ができる。また、印刷を繰り返しても優れた品質を維持することができる。従って、高分子光導波路の量産が容易となり、低コストでの提供を実現できる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子光導波路の製造方法の工程を示す模式図である。
【図2】本発明の高分子光導波路の製造方法の工程を示す模式図である。
【図3】本発明の高分子光導波路の製造方法によって形成される光導波路の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10・・・基板
11・・・高分子導波路材
12・・・下部クラッド
13・・・コア
14・・・上部クラッド
21・・・ブランケット胴
22・・・光源
23・・・ブランケット
24・・・紫外線遮断カバー
25・・・凹版
26・・・凹部

Claims (3)

  1. コアまたはクラッドを基板表面に形成する高分子光導波路の製造方法であって、凹版表面の凹部に充填された紫外線硬化型光導波路材をブランケットの表面に転移させると同時に、前記高分子光導波路材に紫外線を照射し、次いでこの高分子光導波路材をブランケットから基板表面に転移させ光配線を形成することを特徴とする高分子光導波路の製造方法。
  2. 紫外線を前記ブランケットおよび/または凹版の裏面から照射することを特徴とする請求項1記載の高分子光導波路の製造方法。
  3. 凹版表面の凹部に充填された紫外線硬化型導波路材をブランケットの表面に転移させる第一工程と、前記高分子光導波路材をブランケットから基板の表面に転移させる第二工程からなり、第一転移工程がブランケットを凹版の表面に接触させた状態で回転させ、また第二転移工程が前記ブランケットを基板表面に接触させた状態で回転させることを特徴とする請求項1または2記載の高分子光導波路の製造方法。
JP2001398109A 2001-12-27 2001-12-27 高分子光導波路の製造方法 Expired - Fee Related JP3823825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001398109A JP3823825B2 (ja) 2001-12-27 2001-12-27 高分子光導波路の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001398109A JP3823825B2 (ja) 2001-12-27 2001-12-27 高分子光導波路の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003195078A JP2003195078A (ja) 2003-07-09
JP3823825B2 true JP3823825B2 (ja) 2006-09-20

Family

ID=27603671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001398109A Expired - Fee Related JP3823825B2 (ja) 2001-12-27 2001-12-27 高分子光導波路の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3823825B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005274664A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Jsr Corp 光導波路形成用感光性樹脂組成物および光導波路
JP2006023376A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Bridgestone Corp 光デバイスの製造方法
KR101367583B1 (ko) 2004-10-07 2014-02-25 히타치가세이가부시끼가이샤 광학재료용 수지 조성물, 광학재료용 수지필름 및 이것을이용한 광도파로
JP5211423B2 (ja) * 2004-10-07 2013-06-12 日立化成株式会社 光学材料用樹脂組成物、光学材料用樹脂フィルム及びこれを用いた光導波路
CN101592759B (zh) * 2004-10-07 2013-06-12 日立化成株式会社 光学材料用树脂组合物、光学材料用树脂薄膜及使用其的光导
JP4810956B2 (ja) * 2004-12-13 2011-11-09 日立化成工業株式会社 光学材料用樹脂組成物、光学材料用樹脂フィルム及びこれらを用いた光導波路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003195078A (ja) 2003-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8155493B2 (en) Flexible optical waveguide and process for its production
US9008480B2 (en) Method of manufacturing optical waveguide core, method of manufacturing optical waveguide, optical waveguide, and optoelectric composite wiring board
KR100944841B1 (ko) 광 도파로의 제조 방법
JP2001519044A (ja) 光学素子を製造する方法およびそれから得る光学素子
KR20010066843A (ko) 광도파로용 재료, 및 광도파로 및 그의 제조 방법
JPWO2007102431A1 (ja) フレキシブル光導波路およびその製造方法ならびに光モジュール
JP5468744B2 (ja) 光導波路の製造方法
JP3823825B2 (ja) 高分子光導波路の製造方法
US20050158003A1 (en) Method of producing polymer optical waveguide
CN105121494A (zh) 感光性环氧树脂组合物和光波导芯层形成用固化性薄膜、以及使用了它们的光波导、光/电传输用混载挠性印刷电路板
CN110073258B (zh) 光波导形成用感光性环氧树脂组合物、光波导形成用固化性薄膜及使用其的光波导、光/电传输用混载挠性印刷电路板
JP4604385B2 (ja) 光導波路の製造方法
JP3063903B2 (ja) 光導波路
JPH09318804A (ja) 液晶カラーフィルタの製造方法
TWI653286B (zh) Photocurable resin composition for optical waveguide, photocurable thin film for forming optical waveguide core layer, optical waveguide using the same, and hybrid flexible printed wiring board for photoelectric transmission
JP5130671B2 (ja) 有機高分子組成物及び光導波路並びに光導波路の製造方法
JP3794331B2 (ja) 光導波路の製造方法
JP2002277663A (ja) 光導波路製造方法
JP2002341169A (ja) プラスチック光導波路の製造方法
JP4282070B2 (ja) 光導波路およびその製造方法
JP2006023376A (ja) 光デバイスの製造方法
JP2006139149A (ja) 光導波路およびその製造方法
JP2006139148A (ja) 光導波路およびその製造方法
EP1778462B1 (en) Method for manufacturing optical devices
JP2006003622A (ja) 光デバイスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060619

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140707

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees