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JP3820280B2 - 定着ローラ及び定着装置 - Google Patents

定着ローラ及び定着装置 Download PDF

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JP3820280B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置において、記録紙上に転写されたトナー像を定着させるために用いられる直接加熱型の定着ローラ及び定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の画像形成装置では、記録紙上に転写されたトナー像を、そのトナー粒子を記録紙の繊維に絡ませることにより記録紙に熱定着させる必要がある。このため、定着装置の定着ローラはヒートローラとして構成されることが多い。
【0003】
このようなヒートローラ(定着ローラ)としては、赤外線ランプやハロゲンランプ等の熱源を熱伝導性のよい金属製スリーブの軸心位置に内挿させた間接加熱型が一般的である。しかし、間接加熱型の定着ローラの場合、高価な細管状ランプが必要な上、間接加熱によるため迅速に昇温させることができない、等の問題がある。
【0004】
このようなことから、最近では、間接加熱型に代わって、直接加熱型の定着ローラが普及し始めている。直接加熱型の定着ローラの代表的なものでは、円筒状の絶縁体表面に導電性材料による発熱層を塗布して発熱体を形成し、この発熱体の両端部の外周面に帯片状の摺動片を接触させて、回転する発熱体に対して摺動片を通じて給電するようにしている。しかし、摺動片を用いて給電するものでは、摺動片により発熱体表面が削られる上に接触部において火花が飛ぶ問題がある。また、筒状発熱部の両端中空部に金属端子を密嵌する方法もあるが、金属端子の熱膨張率が大きいので、熱膨張した金属端子がセラミックス製の発熱体を破壊してしまうおそれがある。
【0005】
このような問題点に対する解決策が実開平4−114062号公報に開示されている。同公報によれば、図20(a)に示すように円柱形状で切込み21が入った導電性で弾性を有する金属製の導通端子22や、図20(b)に示すように円筒形状で2本のスリット23が形成された導電性で弾性を有する金属製の導通端子24や、図20(c)に示すように円筒形状で4本のスリット23が形成された導電性で弾性を有する金属製の導通端子25を用意し、これらの導通端子22,24又は25を、図21に示すようにセラミックス等の絶縁体で形成されて内周面に発熱層が形成されたロール体26の端部に切込み21やスリット23側から密嵌するようにしている。即ち、ロール体26の中空部に径方向に弾性拡縮する導通端子22,24又は25を密嵌し、中空部の内周面に押し付けるようにしている。この状態でロール体26が回転駆動されるとき、導通端子22,24又は25も一体となって回転する。このように回転する導通端子22,24又は25に給電ブラシ27を押し付けることにより、両者の接触部が摺動電極となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実開平4−114062号公報に示されるような導通端子を用いた場合、ロール体内周面の発熱体と導通端子との接触が柔軟性のない面同士の面接触によるため不安定である。この結果、導通端子を通じた発熱体への給電において、給電不良を引き起こし、加熱不足となって、トナーの定着性が悪化してしまう可能性がある。定着性が悪いと、記録紙上のトナーがユーザの手や衣類に付着して汚してしまうおそれがあり、好ましくない。
【0007】
また、実開平4−114062号公報に示されるような導通端子を用いた場合、導通端子が径方向に弾性拡縮する特性を有するのでロール体の内周面に押圧接触し得るものの、回り止め効果は有しない。この結果、ロール体の回転に伴い、内周面を滑る可能性を持ち、ロール体(発熱体)との接触部を傷付けることもある。よって、上記の場合と同様に給電不良に伴う弊害を生ずることがある。
【0008】
そこで、本発明は、絶縁性のロール体の内周面に発熱部を形成した直接加熱型の定着ローラに関して、摺動電極を形成する導通端子と発熱部との接触を安定させて、給電部材から発熱部への給電を安定して行える定着ローラを提供することを第1の目的とする。
【0009】
また、本発明は、絶縁性のロール体の内周面に発熱部を形成した直接加熱型の定着ローラに関して、摺動電極を形成する導通端子に回り止め効果を持たせることができる定着ローラを提供することを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の定着ローラは、中空円筒状に形成されて回転駆動される絶縁性のロール体と、このロール体の内周面に全域的に形成された発熱部と、前記ロール体の前記内周面の径よりも大きい外径を有して、前記発熱部の一部に接するように前記ロール体の内周面端部に挿入密嵌された導電性のコイルスプリングと、このコイルスプリングに摺動接触する給電部材と、を備え、前記コイルスプリングが、ロール体の内周面に密嵌される挿入部と、挿入前のフリー状態において、該状態の前記挿入部の径より大きな外形の外径変化部を有し前記ロール体の端部より外部にはみ出させるはみ出し部とを有し、前記給電部材は、前記挿入部が前記ローラ本体に挿入され前記はみ出し部が前記ロール体の端部より外部にはみ出すように挿入密嵌された状態の前記コイルスプリングの前記はみ出し部の外周面に押圧接触している。
従って、ロール体の内周面端部に密嵌されたコイルスプリングはほぼ均一に拡がる性質を有しており、内周面に対して螺旋状に連続して線接触するため、コイルスプリングと発熱部との電気的な接触状態は安定する。これにより、給電部材、コイルスプリングを経て発熱部への給電が良好に行われることになる。また、コイルスプリングが、ロール体の内周面に密嵌された挿入部とロール体の端部より外部にはみ出たはみ出し部とを有し、給電部材が、コイルスプリングのはみ出し部の外周面に押圧接触している。従って、給電部材をコイルスプリングの内周面に挿入して接触させるような不便さがなく、コイルスプリングに対する給電部材の組付けが容易となり、組付けの自動化も可能となる。また、コイルスプリングのはみ出し部に、挿入部の径より大きくなる外径変化部を有するので、コイルスプリングをロール体の内周面端部に挿入して密嵌させる際の適切なる挿入深さを外径変化部によって規制することができ、コイルスプリングが発熱部に接触しないとかコイルスプリングがロール体から抜け落ちてしまう、といった不都合を生ずることがない。
また、請求項2記載の定着ローラは、中空円筒状に形成されて回転駆動される絶縁性のロール体と、このロール体の内周面に全域的に形成された発熱部と、前記ロール体の前記内周面の径よりも大きい外径を有して、前記発熱部の一部に接するように前記ロール体の内周面端部に密嵌された導電性のコイルスプリングと、このコイルスプリングに摺動接触する給電部材と、を備え、前記コイルスプリングが、ロール体の内周面に密嵌された挿入部と前記ロール体の端部より外部にはみ出たはみ出し部とを有し、給電部材が、前記コイルスプリングの前記はみ出し部の外周面に押圧接触し、前記コイルスプリングのはみ出し部に、挿入部の径より大きくなる外径変化部を有し、前記外径変化部が、ロール体の中心軸線に略垂直な突当面として形成されている。
従って、定着ローラが軸受や駆動伝達手段を端部付近に備えている場合に、軸受又は駆動伝達手段の端面を突当面に突き当てることにより、ロール体や駆動伝達手段の軸方向のストッパの役目を持たせることができる。また、突当面がロール体の中心軸線に略垂直であるので、はみ出し部の倒れも防止され、給電部材との電気的接触が良好に維持される。
また、請求項3記載の定着ローラは、中空円筒状に形成されて回転駆動される絶縁性のロール体と、このロール体の内周面に全域的に形成された発熱部と、前記ロール体の前記内周面の径よりも大きい外径を有して、前記発熱部の一部に接するように前記ロール体の内周面端部に密嵌された導電性のコイルスプリングと、このコイルスプリングに摺動接触する給電部材と、を備え、前記コイルスプリングが、ロール体の内周面に密嵌された挿入部と前記ロール体の端部より外部にはみ出たはみ出し部とを有し、給電部材が、前記コイルスプリングの前記はみ出し部の外周面に押圧接触し、コイルスプリングのロール体の内周面に密嵌される挿入部の内、前記ロール体の最端部寄り部分の外径が内部寄り部分の外径より小径に形成されている。
従って、挿入部側を縮径させてロール体の内周面に密嵌させても、最端部寄り部分の小径に形成された部分を緩衝部としてはみ出し部には形状変化をもたらさないので、はみ出し部に偏心を生ぜずロール体の回転時に回転振れを生ずることがなく、給電部材とコイルスプリングとの接触が安定し、良好なる給電状態が維持される
【0013】
さらに、請求項記載の発明では、請求項3記載の定着ローラに関して、ロール体の両端の内周面端部に、巻き方向を異ならせたコイルスプリングを各々密嵌させている。従って、ロール体が1方向に回転した時、両端のコイルスプリングに対してその外径がともに拡がる方向のねじりの力を作用させることで、両端において回り止め効果を働かせることができ、発熱部を傷付けることなく安定した電気的な接触状態が得られる。
【0014】
請求項記載の発明では、請求項3記載の定着ローラに関して、コイルスプリングの少なくとも一端が、コイルスプリングの半径方向内側に向けて曲げられている。従って、コイルスプリングをロール体の内周面端部に密嵌させる際には、外径が縮まる方向にねじるが、コイルスプリングの一端が内側に曲げられているので、この部分を組付け治具等に引っ掛けることにより容易にねじることができ、コイルスプリングを密嵌させるための組付け性が向上する。
【0018】
請求項記載の発明では、請求項1又は2記載の定着ローラに関して、コイルスプリングの少なくとも給電部材が摺動接触する領域部分の巻きが、密着巻きである。従って、隙間巻き部分に対する摺動接触の場合と異なり、ロール体の回転時でも給電部材とコイルスプリングとの接触が安定し、良好なる給電状態が維持される。
【0019】
請求項記載の発明では、請求項1ないしの何れか一記載の定着ローラに関して、コイルスプリングのロール体内部の内周面に密嵌される領域部分の少なくとも一部の巻きが、隙間巻きである。従って、コイルスプリングを縮径させてロール体に密嵌させる際に、隙間巻き部分を有するためにそのねじり角が小さくても容易に密嵌させることができ、組付けが容易となる。
【0021】
請求項記載の発明では、請求項1ないし3の何れか一記載の定着ローラに関して、コイルスプリングが、少なくとも給電部材が摺動接触する領域部分に導電性低融点材料が溶着されている。従って、給電部材の摺動接触を受ける領域部分がコイルスプリングによる螺旋状の凹凸面ではなく導電性低融点材料による溶着面として滑らかな面となっており、ロール体の回転時でも給電部材とコイルスプリングとの接触が安定し、良好なる給電状態が維持される。
【0023】
請求項記載の発明では、請求項3記載の定着ローラに関して、コイルスプリングのロール体の端部より外部にはみ出たはみ出し部が内周面に密嵌されて外周面に給電部材が押圧接触する導電性リングを設けた。従って、低コストの導電性リングを用いるだけで、ロール体の回転時でも給電部材とこの導電性リングを介したコイルスプリングとの接触が安定し、良好なる給電状態が維持される。
【0024】
請求項1記載の発明では、請求項1ないしの何れか一記載の定着ローラに関して、コイルスプリングが、ステンレス製である。従って、コイルスプリングが発熱部の熱による熱なましを受ける環境であってもステンレス製であるので熱なましを防止でき、コイルスプリングの機能を維持させることができる。
【0025】
請求項1記載の定着装置は、請求項1ないし1の何れか一記載の定着ローラと、この定着ローラに押圧接触する加圧ローラと、前記定着ローラの給電部材に対する通電手段とを備えている。従って、給電不良を生じにくくした定着ローラを備えているので、定着ローラに加熱不足を生ずることがなく、定着性が良好に維持される。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の前提的構成例を図1及び図2に基づいて説明する。本前提的構成例は、直接加熱型の定着ローラ1に関するものである。この定着ローラ1はガラス等の絶縁体により中空円筒状に形成されたロール体2をベースとして構成されている。このロール体2の内周面には発熱部3が全長に渡って全域的に形成されている。この発熱部3は、前記ロール体2の内周面にシート状(又は、シームレス円筒形状)の発熱体が層状に印刷された発熱体層3aと、この発熱体層3aとつながった状態で前記ロール体2の内周面端部に形成された導電層3bとにより形成されている。もっとも、発熱部3としては、発熱線又は発熱リボンが螺旋状に巻かれ、その拡がり力をもって、或いは、接着剤によりロール体2の内周面に密着させるように設けた発熱体により全域的に形成してもよい。或いは、図3に示すように、導電層3bに代えて、ロール体2の端部近くまで発熱体層3aで形成した発熱部3としてもよい。また、発熱体層3aに対応するロール体2の外周面には耐熱樹脂等による絶縁保護層4が形成されている。
【0027】
このようなロール体2をベースとする定着ローラ1は、両端部外周が軸受5により回転自在に保持されており、駆動ギヤ等の駆動伝達手段を介して回転駆動される。
【0028】
さらに、前記ロール体2の両端の内周面端部には導電性を有するコイルスプリング6が前記導電層3bに接するように密嵌されている。このコイルスプリング6はフリー状態ではロール体2(導電層3b)の内周面の径よりも大きな巻き径(外径)を有しており、巻き径を縮める方向にねじりながら前記ロール体2の内周面端部に挿入させることにより密嵌される構造とされている。また、前記ロール体2の内周面端部に密嵌された前記コイルスプリング6の内周面の一部に押圧接触させた給電ブラシ等の給電部材7が設けられている。即ち、給電部材7は位置固定的に設けられており、前記コイルスプリング6が前記ロール体2と一体で回転することにより、この給電部材7が前記コイルスプリング6に対して相対的に摺動接触する構造とされている。ここに、給電部材7は電源等の通電手段(図示せず)に接続されており、コイルスプリング6においてこのような給電部材7による摺動接触を受ける部分が摺動電極ないしは摺動端子として機能する。
【0029】
このような構成において、通電手段から給電部材7を介してコイルスプリング6に電圧が印加されることにより、コイルスプリング6が接触している導電層3bを介して発熱体層3aに通電され、この発熱体層3aが発熱することによりロール体3、従って、定着ローラ1が加熱される。
【0030】
ここに、本前提的構成例によれば、縮径させた状態でロール体3の内周面端部に密嵌されたコイルスプリング6がほぼ均一に径が拡がる性質を有してロール体3の内周面の導電層3bに接触し、かつ、その接触が線接触であるので、安定した接触状態となる。よって、このコイルスプリング6から発熱部3への給電動作に不良を生ずることはない。また、このようなコイルスプリング6はその径を縮める方向にねじりながらロール体2の内周面端部に挿入して密嵌させることで組付ければよく、組付けも容易である。
【0031】
ところで、コイルスプリング6は、給電部材7との接触によってコイルスプリング外径が拡がる方向の力を受けるようにロール体2に対する密嵌方向が設定されている。即ち、コイルスプリング6はロール体2に対して回り止め効果を発揮するように密嵌されている。ここに、ロール体2の内周面に密嵌されたコイルスプリング6がその外径が拡がってロール体2との接触状態が締まるか、その外径が縮んでロール体2との接触状態が弛むかは、コイルスプリング6の巻き方向と、ロール体2の回転方向と、コイルスプリング6に対する給電部材7の接触位置との3つの関係で決定される。例えば、図2に示すような巻き方向のコイルスプリング6に関して、ロール体2が矢印A方向に回転するものとすれば、コイルスプリング6の外部側部分にて給電部材7Aを押圧接触させれば、コイルスプリング6には外径が拡がるように作用する。ロール体2の回転方向が矢印B方向であれば、コイルスプリング6の内部側部分にて給電部材7Bを押圧接触させれば、コイルスプリング6には外径が拡がるように作用する。コイルスプリング6の巻き方向が逆であれば、逆の関係となる。何れにしても、給電部材7がコイルスプリング6に対してこのコイルスプリング外径が拡がる方向に接触し、コイルスプリング6がロール体2に対して回り止め効果を発揮するように設定されているので、ロール体2の内周面とコイルスプリング6との接触状態が締まっており、ロール体2が回転する際に両者間に滑りを生ずることがない。よって、ロール体2の内周面、即ち、導電層3bをコイルスプリング6によって傷付けることがなく、この面からも給電不良の発生を防止できる。
【0032】
また、本前提的構成例のコイルスプリング6の材質は、ステンレス製とされている(以下の前提的構成例や実施の形態でも同様である)。即ち、コイルスプリング6は加熱されるロール体2の内周面に密嵌されるので、熱的影響を受けて熱なましされ、ロール体2を締め付ける力(径が拡がる力)が弛むことで、コイルスプリング6とロール体2の内周面との間に滑りを生ずることが考えられるが、ステンレス製としておくことにより、熱なましが防止される。これにより、コイルスプリング6はその機能を長期に渡って維持することになり、ロール体2の内周面を傷付けることなく、発熱部3に対する給電動作が安定して行われる。
【0033】
本発明の第二の前提的構成例を図4に基づいて説明する。図1ないし図3で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、その説明も省略する(以下の前提的構成例や実施の形態でも同様とする)。本前提的構成例では、ロール体2の両端の内周面端部に密嵌される2つのコイルスプリング6A,6Bに関し、コイルスプリング6Aとコイルスプリング6Bとでは巻き方向が逆に形成されている。これらのコイルスプリング6A,6Bの巻き方向は、ロール体2の回転方向との関係で、何れのコイルスプリング6A,6Bも径が拡がる方向に機能し、ロール体2の内周面との接触状態が締まるように設定される。即ち、2つのコイルスプリングを用いる場合、その巻き方向が同一であると、ロール体が1方向に回転する際に一方のコイルスプリングは径が拡がる方向の力を受けるが他方のコイルスプリングは径が縮まる方向の力を受けることになり、少なくとも一方のコイルスプリング側では回り止め効果がなくロール体の内周面との間に滑りを生じて傷付ける等の給電不良の原因を生じてしまう不都合がある。この点、本前提的構成例によれば、2つのコイルスプリング6A,6Bが巻き方向が異なり、ロール体2の回転に対してともに径が拡がる方向の力を受けるように設定されているので、コイルスプリング6A,6Bに関して共に回り止め効果が生じ、安定した給電動作を行わせることができる。
【0034】
本発明のの第三の前提的構成例を図5に基づいて説明する。本前提的構成例では、コイルスプリング6の一部がロール体2の端部よりも外部にはみ出すようにしてロール体2の内周面端部に密嵌されている。即ち、コイルスプリング6は、ロール体2の内周面端部内に密嵌されている挿入部6aと、ロール体2の端部よりもはみ出しているはみ出し部6bとを有している。また、コイルスプリング6の内部側の一端6cはコイルスプリング6の半径方向内側に向けて曲げられ、コイルスプリング6の外部側の一端6dもコイルスプリング6の半径方向内側に向けて曲げられている(もっとも、図6に示すように、一端6dをコイルスプリング6の半径方向外側に向けて曲げるようにしてもよい)。さらに、給電部材7はコイルスプリング6に対してはみ出し部6bの外周面に押圧接触するように設けられている。
【0035】
近年では、定着ローラ1に関しても小径化が進んでおり、ロール体2の径が小さくなる程、コイルスプリング6も小径となるのでコイルスプリング6の内周面に給電部材7を押圧接触するように組付けるには困難を伴う場合がある。この点、本前提的構成例においては、コイルスプリング6の一部をロール体2の端部からはみ出させ、このはみ出し部6bの外周面に給電部材7を押し付けるように組付ければよいので、給電部材7の組付けが極めて容易となり、その自動化も可能となる。また、コイルスプリング6の内部側の一端6cが半径方向内側に向けて曲げられているので、コイルスプリング6をロール体2に挿入する際には、この一端6cを組付け治具等に引っ掛けて巻き方向にねじれば巻き径が小さくなるので、ロール体2の内周面端部に挿入する作業を容易に行うことができる。また、内部側の一端6cが内側に曲げ処理されているので、この一端6cがロール体2の内周面(導電層3b)を傷付けることもない。
【0036】
なお、図6に示したように、コイルスプリング6の外部側の一端を外側に曲げ処理しておけば、コイルスプリング6をねじるための治具等が簡単な構造のもので済む、という利点がある。
【0037】
本発明の実施の第の形態を図7に基づいて説明する。本実施の形態では、挿入部6aとはみ出し部6bとを有するコイルスプリング6に関して、そのはみ出し部6bに挿入部6aの外径よりも径が連続的に大きくなる外径変化部6eが形成されている。
【0038】
本実施の形態によれば、コイルスプリング6をロール体2の内周面端部に挿入する際、外径変化部6eがロール体2の端面に突き当るまで挿入させることによりコイルスプリング6の挿入深さを決めることができる。即ち、外径変化部6eが挿入深さを決めるストッパとして機能し、コイルスプリング6のロール体2の内周面端部への挿入深さのバラツキをなくすことができる。ちなみに、外径変化部6e等のストッパがないとコイルスプリング6の挿入深さが一定に定まらず、コイルスプリング6と導電層3bや給電部材7との接触位置が不安定となったりコイルスプリング6がロール体2の端部から抜け落ちてしまう可能性がある。
【0039】
図8は変形例を示し、外径変化部6fを局部的に絞った形状に形成したものである。これによれば、給電部材7が接触する部分のコイルスプリング6の径を小さくすることができ(回転中心に近付けることができ)、省スペース化を図ることができる。
【0040】
本発明の実施の第の形態を図9ないし図11に基づいて説明する。本実施の形態では、挿入部6aとはみ出し部6bとを有するコイルスプリング6に関して、そのはみ出し部6bにロール体2の回転中心線に対して略垂直となるように渦巻状で径が大きくなる突当面が外径変化部6gとして形成されている。図9では、給電部材7が接するはみ出し部6bの外周面はロール体2の径と同程度とされている。図10、図11では外径変化部6gの径がより大きくされている。
【0041】
本実施の形態によれば、図7及び図8で説明した場合と同様に、外径変化部6gがロール体2の端面に突き当るようにコイルスプリング6をロール体2の内周面端部に挿入することによりその挿入深さを一定に規制できる。特に、図10に示すように渦巻状に形成された外径変化部6gの径を大きめとして、軸受5の外側側面に突き当てるように構成することにより、ロール体2の軸方向の位置決め機能を持たせることもできる。また、図11に示すようにロール体2の端部に駆動伝達手段、例えば駆動ギヤ8がコイルスプリング9等で回転方向に固定されているような場合に、渦巻状に形成された外径変化部6gをこの駆動ギヤ8の外側側面に突き当てるように構成することにより、駆動ギヤ8の軸方向の位置決め機能を持たせることができる。ちなみに、図11において駆動ギヤ8の内側側面は軸受5によって位置決めされている。また、図9ないし図11に示す何れのケースにおいても、外径変化部6gがロール体2の回転中心線に対して略垂直な面として形成されてロール体2の端面に突き当てられているので、コイルスプリング6のはみ出し部6bの倒れを防止できる。よって、コイルスプリング6の回転振れを小さくすることができ、給電部材7との接触も安定する。
【0042】
本発明の実施の第の形態を図12に基づいて説明する。本実施の形態では、例えば、図9に示した構造のコイルスプリング6に関して、内側に曲げられた外部側の一端6dがさらに半径方向中心側に向けて延設され、ロール体2の回転中心軸線上で外方に突出させた屈曲部6hが折り返し形成されている。
【0043】
本実施の形態によれば、ロール体2の内周面端部に密嵌されたコイルスプリング6の外部に突出している屈曲部6hを、ロール体2の軸方向のストッパとして筐体等の側面10に突き当て可能に配置することにより、ロール体2が軸方向にずれてきた場合には、屈曲部6hが側面10に突き当ることによりそのずれが規制される。また、屈曲部6hが側面10に突き当っている時はロール体2の回転中心軸近傍で摺動するので、摺動負荷は小さく、駆動源に必要な出力トルクを低減させることができ、脱調やコストアップを防ぐことができる。
【0044】
図13は変形例を示し、屈曲部6iの曲げ形状が屈曲部6hよりも単純化されており、曲げ数が少なくされている。
【0045】
図14は異なる変形例を示し、屈曲部6iを有する一端6dがコイルスプリング6における半径方向の他端側まで延出するように形成されている。よって、屈曲部6iを側面10等に突き当てた場合の屈曲部6iの強度が増し、容易には押し曲げられないので、ロール体2の軸方向の位置決めがより安定して行われるように構成されている。
【0046】
本発明の実施の第の形態を図15に基づいて説明する。本実施の形態では、コイルスプリング6に関して、挿入部6aが隙間巻きとされ、はみ出し部6bが密着巻きとされている。即ち、ロール体2の内周面端部に密嵌される部分なる挿入部6aはコイル間に間隔のある状態で隙間巻きされているが、ロール体2の端部より外部にはみ出て給電部材7の摺動接触を受けるはみ出し部6bはコイル間を密にした密着巻き構造とされている(はみ出し部6bの密着巻きに関しては、記述した図4ないし図14に示した構成でもこの条件を満たしている)。
【0047】
本実施の形態によれば、給電部材7の摺動接触を受けるコイルスプリング6のはみ出し部6bが密着巻きとされているので、ロール体2の回転時(従って、コイルスプリング6の回転時)でも、給電部材7とはみ出し部6bとの接触状態が安定する。よって、接触が不安定な場合に生ずるノイズの発生や、給電不良を生ずることがなく、安定した定着性が得られる。ちなみに、はみ出し部6bが隙間巻きであると、回転時に給電部材7との摺動接触状態が不安定になり、ノイズを発生したり給電不良を生ずるおそれがある。
【0048】
また、本実施の形態によれば、ロール体2内部の内周面に密嵌されるコイルスプリング6の挿入部6aが隙間巻きとされているので、コイルスプリング6をロール体2内部に密嵌させる際に、挿入部6aを縮径させるようにねじるときにそのねじり角が小さくても容易に縮径させることができるので、組付け性が向上する。ちなみに、コイルスプリング6の挿入部6aが全て密着巻きであると、巻数が多くなりロール体2内部に密嵌させるために縮径させる際には、そのねじり角を大きくしなければならず、組付け性が阻害される場合がある。
【0049】
本発明の実施の第の形態を図16に基づいて説明する。本実施の形態では、コイルスプリング6に関して、ロール体2への挿入前のフリー状態において、図16(b)に示すように、ロール体2内部の内周面に密嵌される挿入部6aの領域Eaとロール体2の端部からはみ出るはみ出し部6bの領域Ebとに区分した場合、領域Ea中、ロール体2の最端部寄り部分となる領域Ea1 の外径がこの領域Ea1 よりも内部寄りとなる部分の外径よりも小径なる関係を満たすように構成されている。より具体的には、領域Ea1 部分の外径はロール体2の内径と同じ又はほぼ同径とされ、領域Ea中でこの領域Ea1 を除く部分の外径はロール体2の内径よりも大径で密嵌時には縮径されるように設定されている。はみ出し部6bの領域Ebの外径に関しては、ロール体2の内径と同程度或いは小径でもよいが、本実施の形態でははみ出し部6bに図7等に示したコイルスプリング6の挿入位置決めの機能も持たせるため、ロール体2の内径よりも大きめの外径に設定されている。
【0050】
このような構成において、コイルスプリング6をロール体2の端部に密嵌させると、図16(a)に示すような状態となる。即ち、挿入部6aを縮径させながらロール体2の端部に挿入することによりその端部内周面に密嵌させるため、領域Ea1 よりも内部寄りの部分は縮径されており拡径方向の変形力を持つが、最端部よりの領域Ea1 に関してはロール体2の内径と同程度であり縮径されておらず拡径方向の変形力を持たない。よって、最端部寄りの領域Ea1 部分より外側に位置するはみ出し部6bにはこの領域Ea1 が緩衝部となって形状変化が生じないので、巻き中心が維持され、給電部材7の摺動接触を受けるはみ出し部6bに偏心を生ずることがない。これにより、ロール体2の回転時(従って、コイルスプリング6の回転時)にはみ出し部6bに回転振れを生ずることがなく、給電部材7とコイルスプリング6のはみ出し部6bとの接触が安定し、給電状態が安定に維持される。
【0051】
ちなみに、コイルスプリング6がそのフリー状態で挿入部6aからはみ出し部6bに渡ってロール体2の内径よりも大径なる均一径で形成されている場合、ロール体2内に位置して拡径しようとする部分とロール体2外に位置してフリー状態を維持しようとする部分との境目が不安定な径状態を示し、特に、はみ出し部6bに関しては給電部材7による押圧を受ける側と受けない側とでずれを生じて、その巻き中心がロール体2内部の巻き中心に対して偏心するため、はみ出し部6bに偏心を生じやすい。この結果、ロール体2の回転時にはみ出し部6bに回転振れを生じ、給電部材7とはみ出し部6bとの接触が不安定になる可能性がある。
【0052】
ところで、本実施の形態においては、コイルスプリング6のはみ出し部6bの表面には導電性低融点材料(例えば、半田)を溶着させることにより、螺旋状の凹凸部による凹部が埋められて、滑らかな溶着面(図示せず)が形成されている。このような滑らかな溶着面にて給電部材7がはみ出し部6bに摺動接触するので、コイルだけによる螺旋状の凹凸面に直接接触する場合よりも、その接触状態が安定する。よって、安定した給電状態が確保される。
【0053】
本発明の実施の第の形態を図17に基づいて説明する。本実施の形態では、コイルスプリングに関して、前述したような断面丸状の線状材よりなるコイルスプリング6に代えて、断面多角形状、ここでは、四角形状の線状材よりなるコイルスプリング15が用いられ、ロール体2内部の内周面に密嵌される挿入部15aとロール体2の外部にはみ出るはみ出し部15bとの内、給電部材7の摺動接触を受けるはみ出し部15bの表面には導電性低融点材料(例えば、半田)を溶着させることにより、螺旋状の凹凸部による凹部が埋められて、滑らかな溶着面(図示せず)が形成されている。
【0054】
本実施の形態による場合も、このような滑らかな溶着面にて給電部材7がはみ出し部15bに摺動接触するので、コイルだけによる螺旋状の凹凸面に直接接触する場合よりも、その接触状態が安定する。よって、安定した給電状態が確保される。特に、本実施の形態においては、コイルスプリング15を構成する線状材が断面四角形状であり、隣合う線状材間の凹凸の深さが比較的浅くなるので、凹凸の深さが深めとなる断面丸状の場合に比して、導電性低融点材を溶着させることにより表面をより滑らかにするのが容易かつ効果的に行うことができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、コイルスプリング15を構成する線状材の断面形状を四角形なる多角形状としたが、四角形に限らず、要は、隣接する線状材間が極力面接触し得るような多角形状であれば、適宜形状であってもよい。
【0056】
本発明の実施の第の形態を図18に基づいて説明する。本実施の形態においては、コイルスプリング6のロール体2の端部より外部にはみ出たはみ出し部6bが内周面に密嵌されて外周面に給電部材7が押圧接触する導電性リング16が設けられている。ここに、導電性リング16の内径はフリー状態におけるはみ出し部6bの外径よりも小さく設定されている。即ち、挿入部6aとロール体2の内周面との関係と同様に、はみ出し部6bに関しても縮径させることによりその外周面上に導電性リング16が密嵌され、拡径しようとする力が作用することで、はみ出し部6bと導電性リング16との電気的導通状態は常に良好に維持される。給電部材7はこのような導電性リング16の全面的に滑らかな外周面に摺動接触するので、凹凸等の影響は全くなく、給電部材7‐導電性リング16‐コイルスプリング6‐発熱部3への安定した給電状態が確保される。このためにも、単純形状で安価な導電性リング16を付加すればよいので、導電性低融点材を溶着させて滑らかな溶着面を形成する場合の加工時間、加工コストよりも有利となる。
【0057】
本発明の実施の第の形態を図19に基づいて説明する。本実施の形態は、定着装置11に関するものである。この定着装置11は、前述した各実施の形態に例示されるような構成とした直接加熱型の定着ローラ1と、この定着ローラ1に押圧接触させた加圧ローラ12とのローラ対を主として構成されており、これらのローラ1,12のニップ部に転写紙13を通紙させることにより、転写紙13上のトナー像を定着させる。ここに、定着ローラ1の両端に密嵌させたコイルスプリング6に摺動接触させた給電部材7に対して電圧を印加することにより通電する通電手段14も設けられている。
【0058】
本実施の形態の定着装置11によれば、前述したように給電不良を生じにくくした定着ローラ1を備えているので、この定着ローラ1に加熱不足を生ずることがなく、転写紙13上のトナー像に対する定着動作が安定して行われる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、中空円筒状に形成された絶縁性のロール体の内周面の径よりも大きい外径を有して、内周面の発熱部の一部に接するようにロール体の内周面端部に密嵌された導電性のコイルスプリングを導通端子として有するので、コイルスプリングがほぼ均一に拡がる性質を有しており、内周面に対して螺旋状に連続して線接触するため、コイルスプリングと発熱部との電気的な接触状態を常に安定させることができ、これにより、給電部材、コイルスプリングを経て発熱部への給電を良好に行わせることができる。また、給電部材がコイルスプリングのロール体端部からはみ出たはみ出し部の外周面に押圧接触させたので、給電部材をコイルスプリングの内周面に挿入して接触させるような不便さがなく、ロール体が小径化された場合であってもコイルスプリングに対する給電部材の組付けを容易なものとすることができ、組付けの自動化も図れる。さらに、コイルスプリングのはみ出し部に、挿入前のフリー状態において、該状態の前記挿入部の径より大きな外形の外径変化部を有するので、コイルスプリングをロール体の内周面端部に挿入して密嵌させる際の適切なる挿入深さを外径変化部によって規制することができ、コイルスプリングが発熱部に接触しないとかコイルスプリングがロール体から抜け落ちてしまう、といった不都合を回避することができる。
請求項2の発明によれば、外径変化部がロール体の中心軸線に略垂直な突当面として形成されているので、定着ローラが軸受や駆動伝達手段を端部付近に備えている場合に、軸受は駆動伝達手段の端面をこの突当面による外径変化部に突き当てることにより、ロール体や駆動伝達手段の軸方向のストッパの役目を持たせることができ、また、突当面がロール体の中心軸線に略垂直であるので、はみ出し部の倒れも防止でき、給電部材との電気的接触を良好に維持することができる。
請求項3の発明によれば、コイルスプリングのロール体の内周面に密嵌される挿入部の内、前記ロール体の最端部寄り部分の外径を内部寄り部分の外径より小径に形成したので、挿入部側を縮径させてロール体の内周面に密嵌させても、最端部寄り部分の小径に形成された部分を緩衝部としてはみ出し部には形状変化をもたらさないので、はみ出し部に偏心を生ぜずロール体の回転時に回転振れを生ずることがなく、よって、給電部材とコイルスプリングとの接触を安定させることができ、良好なる給電状態を維持することができる
【0062】
さらに、請求項記載の発明によれば、ロール体の両端の内周面端部に、巻き方向を異ならせたコイルスプリングを各々密嵌させたので、ロール体が1方向に回転した時、両端のコイルスプリングに対してその外径がともに拡がる方向のねじりの力を作用させることができ、よって、両端において回り止め効果を生じさせることができ、発熱部を傷付けることなく安定した電気的な接触状態を維持させることができる。
【0063】
請求項記載の発明によれば、コイルスプリングの少なくとも一端が、コイルスプリングの半径方向内側に向けて曲げられているので、コイルスプリングをロール体の内周面端部に密嵌させる際には、外径が縮まる方向にねじるが、内側に曲げられた一端を組付け治具等に引っ掛けることにより容易にねじることができ、コイルスプリングを密嵌させるための組付け性を向上させることができる。
【0067】
請求項記載の発明によれば、コイルスプリングの少なくとも給電部材が摺動接触する領域部分の巻きが、密着巻きとされているので、隙間巻き部分に対する摺動接触の場合と異なり、ロール体の回転時でも給電部材とコイルスプリングとの接触を安定させることができ、よって、良好なる給電状態を維持することができる。
【0068】
請求項記載の発明によれば、コイルスプリングのロール体内部の内周面に密嵌される領域部分の少なくとも一部の巻きが、隙間巻きとされているので、コイルスプリングを縮径させてロール体に密嵌させる際に、隙間巻き部分を有するためにそのねじり角が小さくても容易に縮径させて密嵌させることができ、組付け性を向上させることができる。
【0070】
請求項記載の発明によれば、コイルスプリングが、少なくとも給電部材が摺動接触する領域部分に導電性低融点材料を溶着したので、給電部材の摺動接触を受ける領域部分をコイルスプリングによる螺旋状の凹凸面ではなく導電性低融点材料による溶着面として滑らかな面とすることができ、よって、ロール体の回転時でも給電部材とコイルスプリングとの接触を安定させることができ、良好なる給電状態を維持することができる。
【0072】
請求項記載の発明によれば、コイルスプリングのロール体の端部より外部にはみ出たはみ出し部が内周面に密嵌されて外周面に給電部材が押圧接触する導電性リングを設けたので、低コストで表面が全面的に滑らかな導電性リングを用いるだけで、ロール体の回転時でも給電部材とこの導電性リングを介したコイルスプリングとの接触をより安定させることができ、良好なる給電状態を維持することができる。
【0073】
請求項1記載の発明によれば、コイルスプリングをステンレス製としているので、コイルスプリングが発熱部の熱による熱なましを受ける環境であっても熱なましの発生を防止でき、コイルスプリングの機能を維持させることができる。
【0074】
請求項1記載の発明によれば、給電不良を生じにくくした請求項1ないし1の何れか一記載の定着ローラを備えて定着装置が構成されているので、定着ローラに加熱不足を生ずることがなく、定着性が良好に維持され、転写紙に対するトナー像の定着を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の前提的構成例を示す要部の断面図である。
【図2】 コイルスプリングの巻き方向とロール体の回転方向と給電部材の位置との関係を示す斜視図である。
【図3】 変形例を示す要部の断面図である。
【図4】 本発明の第二の前提的構成例を示す断面図である。
【図5】 本発明の第三の前提的構成例を示す断面図である。
【図6】 変形例を示す要部の断面図である。
【図7】 本発明の実施の第の形態を示す断面図である。
【図8】 変形例を示す要部の断面図である。
【図9】 本発明の実施の第の形態を示す断面図である。
【図10】 変形例を示す要部の断面図である。
【図11】 異なる変形例を示す要部の断面図である。
【図12】 本発明の実施の第の形態を示す断面図である。
【図13】 変形例を示す要部の断面図である。
【図14】 異なる変形例を示す要部の断面図である。
【図15】 本発明の実施の第の形態を示す要部の断面図である。
【図16】 本発明の実施の第の形態を示し、(a)はコイルスプリング取付け状態の断面図、(b)はコイルスプリング単体の断面図である。
【図17】 本発明の実施の第の形態を示す断面図である。
【図18】 本発明の実施の第の形態を示し、(a)は導電性リング取付け状態の断面図、(b)は導電性リング単体の斜視図である。
【図19】 本発明の実施の第の形態を示す概略斜視図である。
【図20】 従来の導通端子例を示す斜視図である。
【図21】ロール体への密嵌状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ
2 ロール体
3 発熱部
6 コイルスプリング
6a 挿入部
6b はみ出し部
6c,6d 一端
6e,6f,6g 外径変化部
6h 屈曲部
12 加圧ローラ
14 通電手段
15 コイルスプリング
15a 挿入部
15b はみ出し部
16 導電性リング

Claims (11)

  1. 中空円筒状に形成されて回転駆動される絶縁性のロール体と、
    このロール体の内周面に全域的に形成された発熱部と、
    前記ロール体の前記内周面の径よりも大きい外径を有して、前記発熱部の一部に接するように前記ロール体の内周面端部に挿入密嵌された導電性のコイルスプリングと、
    このコイルスプリングに摺動接触する給電部材と、
    を備え、
    前記コイルスプリングが、ロール体の内周面に密嵌される挿入部と、挿入前のフリー状態において、該状態の前記挿入部の径より大きな外形の外径変化部を有し前記ロール体の端部より外部にはみ出させるはみ出し部とを有し、
    前記給電部材は、前記挿入部が前記ローラ本体に挿入され前記はみ出し部が前記ロール体の端部より外部にはみ出すように挿入密嵌された状態の前記コイルスプリングの前記はみ出し部の外周面に押圧接触していることを特徴とする定着ローラ。
  2. 中空円筒状に形成されて回転駆動される絶縁性のロール体と、
    このロール体の内周面に全域的に形成された発熱部と、
    前記ロール体の前記内周面の径よりも大きい外径を有して、前記発熱部の一部に接するように前記ロール体の内周面端部に密嵌された導電性のコイルスプリングと、
    このコイルスプリングに摺動接触する給電部材と、
    を備え、
    前記コイルスプリングが、ロール体の内周面に密嵌された挿入部と前記ロール体の端部より外部にはみ出たはみ出し部とを有し、
    給電部材が、前記コイルスプリングの前記はみ出し部の外周面に押圧接触し、
    前記コイルスプリングのはみ出し部に、挿入部の径より大きくなる外径変化部を有し、
    前記外径変化部が、ロール体の中心軸線に略垂直な突当面として形成されていることを特徴とする定着ローラ。
  3. 中空円筒状に形成されて回転駆動される絶縁性のロール体と、
    このロール体の内周面に全域的に形成された発熱部と、
    前記ロール体の前記内周面の径よりも大きい外径を有して、前記発熱部の一部に接するように前記ロール体の内周面端部に密嵌された導電性のコイルスプリングと、
    このコイルスプリングに摺動接触する給電部材と、
    を備え、
    前記コイルスプリングが、ロール体の内周面に密嵌された挿入部と前記ロール体の端部より外部にはみ出たはみ出し部とを有し、
    給電部材が、前記コイルスプリングの前記はみ出し部の外周面に押圧接触し、
    コイルスプリングのロール体の内周面に密嵌される挿入部の内、前記ロール体の最端部寄り部分の外径が内部寄り部分の外径より小径に形成されていることを特徴とする定着ローラ
  4. ロール体の両端の内周面端部に、巻き方向を異ならせたコイルスプリングを各々密嵌させたことを特徴とする請求項3記載の定着ローラ。
  5. コイルスプリングの少なくとも一端が、コイルスプリングの半径方向内側に向けて曲げられていることを特徴とする請求項3記載の定着ローラ
  6. コイルスプリングの少なくとも給電部材が摺動接触する領域部分の巻きが、密着巻きであることを特徴とする請求項1又は2記載の定着ローラ。
  7. コイルスプリングのロール体内部の内周面に密嵌される領域部分の少なくとも一部の巻きが、隙間巻きであることを特徴とする請求項1ないしの何れか一記載の定着ローラ。
  8. コイルスプリングが、少なくとも給電部材が摺動接触する領域部分に導電性低融点材料が溶着されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の定着ローラ
  9. コイルスプリングのロール体の端部より外部にはみ出たはみ出し部が内周面に密嵌されて外周面に給電部材が押圧接触する導電性リングを設けたことを特徴とする請求項3記載の定着ローラ。
  10. コイルスプリングが、ステンレス製であることを特徴とする請求項1ないしの何れか一記載の定着ローラ。
  11. 請求項1ないし1の何れか一記載の定着ローラと、この定着ローラに押圧接触する加圧ローラと、前記定着ローラの給電部材に対する通電手段と、を備えることを特徴とする定着装置。
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