JP3812493B2 - 排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 - Google Patents
排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3812493B2 JP3812493B2 JP2002140406A JP2002140406A JP3812493B2 JP 3812493 B2 JP3812493 B2 JP 3812493B2 JP 2002140406 A JP2002140406 A JP 2002140406A JP 2002140406 A JP2002140406 A JP 2002140406A JP 3812493 B2 JP3812493 B2 JP 3812493B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nox
- exhaust gas
- nox storage
- temperature
- storage agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Exhaust Gas After Treatment (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガスを浄化する技術に関し、特に、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去する手段を有する排気ガス浄化装置及び排気ガス中の窒素酸化物を除去する手段を用いた排気ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等に搭載される筒内噴射型の内燃機関、例えばディーゼル機関では、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を除去することが要求されており、このような要求に対し、NOx吸蔵剤を内燃機関の排気ガス通路に配置するようにした装置及び方法が提案されている。
【0003】
このように用いられるNOx吸蔵剤は、排気ガス中のNOxを吸着及び吸収する作用を有し、この作用を利用して排気ガス中のNOxが除去される。ここで、「NOxを吸着する」とは、主にNOx吸蔵剤の表面等にNOxをNOまたはNO2等の形で吸着することを言い、「NOxを吸収する」とは主にNOx吸蔵剤の内部にNOxを硝酸塩等の形で蓄積することを言うものとする。そして、このようなNOxを吸着する能力(以下、「NOx吸着能力」という)とNOxを吸収する能力(以下、「NOx吸収能力」という)とを合わせた能力が、NOx吸蔵剤のNOxを吸蔵する能力(以下、「NOx吸蔵能力」という)ということになる(すなわち、本明細書において「吸蔵」という語は「吸収」及び「吸着」の両方の意味を含むものとして用いる。)。
【0004】
このうちNOx吸着能力は、NOx吸蔵剤の温度が低い時にも発揮されるが、吸着できるNOx量(NOx吸着容量)は吸収できるNOx量(NOx吸収容量)に比べて少ないため、NOxの吸蔵を開始してから比較的短時間で大きな能力低下が生じてしまう。このため実際には、大部分のNOxはNOx吸蔵剤に吸収されることになるが、NOx吸収能力は主にNOx吸蔵剤が活性化状態となった時に発揮されるため、NOxをNOx吸蔵剤に十分に吸収させるためには、NOx吸蔵剤をNOx吸蔵剤が活性化状態となる温度に昇温する必要がある。
【0005】
なお、実際にNOx吸蔵剤を昇温した場合、NOx吸蔵剤がある温度に達すると活性化が開始されてNOx吸蔵能力(この場合、主にはNOx吸収能力)が急激に上昇し始める。以下では特に断らない限り、この活性化が開始される温度を活性化温度と称することとする。
【0006】
以上のようなことから、上記のようなNOx吸蔵剤を内燃機関、例えばディーゼル機関の排気ガス通路に配置して排気ガス中のNOxを除去する目的で使用する場合、機関始動後にNOx吸蔵剤を昇温させる昇温制御が行われ、NOx吸蔵剤が活性化温度以上に昇温される。これは、上述したようにNOx吸蔵剤によるNOxの吸収が主にNOx吸蔵剤の温度が活性化温度以上になった時に行われる一方、特にディーゼル機関の場合には排気ガス温度が低く、通常運転状態ではNOx吸蔵剤を活性化温度以上にすることが困難なためである。
【0007】
一方、NOx吸蔵剤によるNOxの吸着は、上述したようにNOx吸蔵剤の温度が活性化温度以下でも行われるため、機関始動後しばらくの間(すなわちNOx吸着容量がある間)は、NOx吸着剤の温度が活性化温度以下であっても排気ガス中のNOxが外部へ放出されることはない。
このため、上記昇温制御を機関始動直後に行う必要はなく、実際には上記昇温制御は、機関始動から一定時間経ってから、もしくは機関が高負荷運転状態になった時等NOx吸蔵剤を効率よく昇温させることができる時まで待って行われる。こうすることによって、昇温制御を行うことによる燃費悪化を抑制しつつ、NOxの外部への放出を抑制することができる。
【0008】
しかしながら、NOx吸蔵剤が長期に渡って使用されて劣化してくると、機関始動後に同じように上記昇温制御を実施するようにしてもNOxがNOx吸蔵剤に吸蔵されず外部へ放出されてしまう場合がある。そしてこれは、NOx吸蔵剤の劣化によるNOx吸着容量の低下と活性化温度の上昇によるものと考えられる。
【0009】
すなわち、NOx吸蔵剤が長期に渡って使用されると、NOx吸蔵剤中の貴金属等の凝集が進んでその表面積が少なくなり、NOx吸着容量が低下する。また、NOx吸蔵剤が劣化すると、その活性化温度が次第に高くなることがわかっている。NOx吸着容量が低下すると排気ガス中のNOx量が同じであってもより早く容量が飽和状態に近づいてNOx吸蔵能力(この場合、主にはNOx吸着能力)が低下してしまい、その後NOx吸蔵剤の温度が活性化温度に達してNOxの吸収が行われるようになるまで十分なNOxの吸蔵を行うことができなくなってしまう。一方、劣化後においては活性化温度が高くなるため、同様な昇温制御を行っても劣化後の活性化温度に達するまでの時間は長くなる。このようなことから、NOx吸蔵剤が新品である時と同様に機関始動後の昇温制御を実施するようにしてもNOxがNOx吸蔵剤に吸蔵されず外部へ放出されてしまう場合があると考えられる。
【0010】
これに対し、NOx吸蔵剤が劣化した時のことを考えて、例えば機関始動直後に昇温制御を開始するようにすると、NOx吸蔵剤が新品の時には不必要な昇温制御が行われることになり、燃費の悪化を招いてしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、NOx吸蔵剤の劣化の度合に応じて適切な時期に昇温を開始することによって、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止する排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法を提供する。
1番目の発明は、排気ガス中のNOxを吸蔵する機能を有するNOx吸蔵剤を内燃機関から排出される排気ガスが通る排気ガス通路に配置した排気ガス浄化装置において、上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力を維持又は向上するために上記NOx吸蔵剤を昇温する昇温手段と、上記NOx吸蔵剤の劣化の度合を判断する劣化判断手段とを備えていて、上記内燃機関の始動から上記昇温手段による上記NOx吸蔵剤の昇温が開始されるまでの待ち時間が上記NOx吸蔵剤の劣化の度合に応じて決定されることを特徴とする排気ガス浄化装置を提供する。
【0013】
NOx吸蔵剤が低温(例えば200℃未満)の時のNOx吸蔵能力は、NOx吸蔵剤の劣化の度合によって大きく変化する。また、この低温時のNOx吸蔵能力を利用してNOx吸蔵剤の昇温開始時期を遅らせることで燃費悪化を抑制することができる。1番目の発明によれば、NOx吸蔵剤の劣化の度合に応じて、すなわち低温時のNOx吸蔵能力に応じて、NOx吸蔵剤の昇温が開始されるまでの待ち時間が決定されるので、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止するために適切な時期に昇温を開始することが可能となる。
【0014】
2番目の発明では1番目の発明において、上記内燃機関の始動から上記昇温手段による上記NOx吸蔵剤の昇温が開始されるまでの待ち時間が、上記NOx吸蔵剤の劣化の度合が高いほど短く設定される。
NOx吸蔵剤が低温(例えば200℃未満)の時のNOx吸蔵能力は、NOx吸蔵剤の劣化の度合が高いほど早期に低下する。この発明によれば、上記NOx吸蔵剤の昇温が開始されるまでの待ち時間が、上記NOx吸蔵剤の劣化の度合が高いほど短く設定されるので、NOxの外部への放出を防止するために適切な時期に昇温を開始することが可能となる。
【0015】
3番目の発明では1番目または2番目の発明において、上記劣化判断手段は、上記内燃機関の始動から上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力が予め定めた値よりも小さくなるまでの経過時間が短いほど、上記NOx吸蔵剤の劣化の度合が高いと判断する。
上述したように、NOx吸蔵剤が低温(例えば200℃未満)の時のNOx吸蔵能力は、NOx吸蔵剤の劣化の度合が高いほど早期に低下する。本発明では、このことを利用してNOx吸蔵剤の劣化の度合が判断される。本発明によっても1番目の発明とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【0016】
4番目の発明では3番目の発明において、上記劣化判断手段が上記NOx吸蔵剤の下流において排気ガスのNOx濃度を推定するNOx濃度推定手段を含んでいて、上記NOx濃度が予め定めた濃度を超えた時に上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力が予め定めた値よりも小さくなったものとする。
この発明によれば、簡単な方法でNOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力の変化を推定することができる。
【0017】
5番目の発明では1番目から4番目の何れかの発明において、上記劣化判断手段が上記NOx吸蔵剤の下流において排気ガスのNOx濃度を推定するNOx濃度推定手段を含んでいて、上記待ち時間が、上記内燃機関の始動から上記NOx濃度が上記NOx吸蔵剤の劣化の度合に応じて予め定められるNOx濃度に達するまでとされる。
本発明によっても1番目の発明とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【0018】
6番目の発明では1番目から5番目の何れかの発明において、更に、上記待ち時間が、機関始動から所定の判断時までの機関排出NOx積算量が多いほど短く、少ないほど長く補正される。
7番目の発明では1番目から6番目の何れかの発明において、更に、上記待ち時間が、機関始動から所定の判断時まで平均排気ガス温度が高いほど長く、低いほど短く補正される。
【0019】
NOx吸蔵能力の機関始動からの経時変化(低下の仕方)は、NOx吸蔵剤の劣化度合以外に、機関排出NOx積算量や排気ガス温度(すなわち、それに影響を受けるNOx吸蔵剤温度)等、機関始動からの機関運転状態の履歴によって決定される要因にも影響を受ける。6番目及び7番目の発明によれば、これら劣化度合以外の要因に対応して上記待ち時間が補正されるので、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止するためにより適切な時期に昇温を開始することが可能となる。
【0020】
8番目の発明では、排気ガス中のNOxを吸蔵する機能を有するNOx吸蔵剤を内燃機関から排出される排気ガスが通る排気ガス通路に配置して行う排気ガス浄化方法であって、機関始動から予め定められた待ち時間が経過した時に上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力を維持又は向上するために上記NOx吸蔵剤の昇温が行われる排気ガス浄化方法において、機関始動後、上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力が予め定めた値よりも小さくなるまでの経過時間が短いほど、次回以降の機関始動時における上記待ち時間が短く設定されることを特徴とする、排気ガス浄化方法を提供する。
【0021】
この発明によれば、始動の度に次回以降の始動の際の適切な上記待ち時間が決定され、1番目の発明と同様、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止することができる。
9番目の発明では8番目の発明において、上記待ち時間が、機関始動から所定の判断時までの機関排出NOx積算量及び機関始動から所定の判断時まで平均排気ガス温度の少なくとも一方に応じて補正される。
本発明によっても6番目及び7番目の発明とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面において、同一または類似の構成要素には共通の参照番号を付す。
図1は本発明を筒内噴射型の圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。なお、本発明は火花点火式内燃機関に適用することもできる。
【0023】
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートをそれぞれ示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレッサ15に連結される。吸気ダクト13内にはステップモータ16により駆動されるスロットル弁17が配置され、更に吸気ダクト13周りには吸気ダクト13内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置18が配置される。図1に示される実施形態では機関冷却水が冷却装置18内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。
【0024】
一方、排気ポート10は排気マニホルド19及び排気管20を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン21に連結され、排気タービン21の出口は、パティキュレートフィルタ22を内蔵したケーシング23に連結される。後述するようにこのパティキュレートフィルタ22にはNOx吸蔵剤46が担持されている。また、パティキュレートフィルタ22(NOx吸蔵剤46)の下流側には、排気ガス中のNOx濃度を測定するNOx濃度センサ44が設けられている。
【0025】
排気マニホルド19とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路24を介して互いに連結され、EGR通路24内には電気制御式EGR制御弁25が配置される。また、EGR通路24周りにはEGR通路24内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置26が配置される。図1に示される実施形態では機関冷却水が冷却装置26内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール27に連結される。このコモンレール27内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ28から燃料が供給され、コモンレール27内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール27にはコモンレール27内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ29が取付けられ、燃料圧センサ29の出力信号に基づいてコモンレール27内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ28の吐出量が制御される。
【0026】
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35及び出力ポート36を具備する。燃料圧センサ29及びNOx濃度センサ44の出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁6、スロットル弁駆動用ステップモータ16、EGR制御弁25、及び燃料ポンプ28に接続される。
【0027】
図2にパティキュレートフィルタ22の拡大断面図を示す。図2を参照すると、パティキュレートフィルタ22は多孔質セラミックから成り、排気ガスは矢印で示されるように図中左から右に向かって流れる。パティキュレートフィルタ22内には、上流側に栓48が施された第1通路50と下流側に栓52が施された第2通路54とが交互に配置されハニカム状をなしている。排気ガスが図中左から右に向かって流れると、排気ガスは第2通路54から多孔質セラミックの隔壁を通過して第1通路50に流入し、下流側に流れる。この時、排気ガス中の排気微粒子(パティキュレート)は多孔質セラミックによって捕集されて排気ガス中から除去され、排気微粒子の大気への放出が防止される。
【0028】
第1通路50及び第2通路54の隔壁の表面及び内部の細孔内にはNOx吸蔵剤46が担持されている。NOx吸蔵剤46は、例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とから成る。このようなNOx吸蔵剤46は流入排気ガスの空燃比がリーンの時にはNOxを吸蔵し、流入排気ガスの空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存在していれば吸蔵していたNOxを放出または脱離して還元浄化する作用(NOx吸蔵還元浄化作用)を有する。
【0029】
図1に示されるような圧縮着火式内燃機関では、通常時の排気ガス空燃比はリーンでありNOx吸蔵剤46は排気ガス中のNOxの吸蔵を行う。そして一定期間使用してNOx吸蔵剤の吸蔵効率が低下した時または低下する前にNOx吸蔵剤に還元剤(例えば燃料)を供給する等のNOx還元浄化制御を行い、NOx吸蔵剤に吸蔵したNOxを放出または脱離させ、還元浄化するようにしている。
【0030】
ところで、上述のようなNOxの吸蔵は、NOx吸蔵剤の表面等にNOxをNOまたはNO2等の形で吸着すること(NOxの吸着)と、NOx吸蔵剤の内部にNOxを硝酸塩等の形で蓄積すること(NOxの吸収)とによって行われるものと考えられる。そして、このうちのNOxの吸着はNOx吸蔵剤の温度が低い時(例えば200℃未満の時)にも行われるが、NOxの吸収については主にNOx吸蔵剤の温度が活性化温度以上(例えば200℃以上)となった時に行われる。
【0031】
このため、排気ガス通路にNOx吸蔵剤を配置した内燃機関、特に本実施形態のようなディーゼル機関においては、機関を始動した後、しばらくしてからNOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力を維持又は向上するためにNOx吸蔵剤を昇温させる昇温制御が行われる。これは、機関始動後しばらくの間はNOxを吸着により吸蔵し、NOx吸蔵剤のNOx吸着容量が飽和状態になる頃までにNOx吸蔵剤を活性化温度に昇温するようにして、そこからは主に吸収によってNOxを吸蔵しようとするものである。そして、このように昇温制御の開始時期、すなわち昇温を開始する時期を遅らせることによって、燃費悪化を抑制することができる。
【0032】
ところが、NOx吸蔵剤が長期に渡って使用されて劣化してくると、機関始動後に同じように上記昇温制御を実施するようにしてもNOxがNOx吸蔵剤に吸蔵されず外部へ放出されてしまう場合がある。そしてこれは、NOx吸蔵剤の劣化によるNOx吸着容量の低下と活性化温度の上昇によるものと考えられる。
すなわち、NOx吸蔵剤が長期に渡って使用されると、NOx吸蔵剤中の貴金属等の凝集が進んでその表面積が少なくなり、NOx吸着容量が低下すると共にNOx吸着能力も低下するようになる。また、NOx吸蔵剤が劣化すると、その活性化温度が次第に高くなることがわかっている。このため、NOx吸蔵剤が劣化すると、特に低温領域(例えば200℃未満)においてNOx吸蔵能力が低下する(図3)。
【0033】
NOx吸着容量が低下すると排気ガス中のNOx量が同じであってもより早く容量が飽和状態に近づいてNOx吸蔵能力(この場合、主にはNOx吸着能力)が急速に低下してしまい、その後NOx吸蔵剤の温度が活性化温度に達してNOxの吸収が行われるようになるまで十分なNOxの吸蔵を行うことができなくなってしまう。一方、劣化後においては活性化温度が高くなるため、同様な昇温制御を行っても劣化後の活性化温度に達するまでの時間は長くなる。このようなことから、NOx吸蔵剤が新品である時と同様に機関始動後の昇温制御を実施するようにしてもNOxがNOx吸蔵剤に吸蔵されず外部へ放出されてしまう場合があると考えられる。
【0034】
これに対し、NOx吸蔵剤が劣化した時のことを考えて、例えば機関始動直後に昇温制御を開始するようにすると、NOx吸蔵剤が新品の時には不必要な昇温制御が行われることになり、燃費の悪化を招いてしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、NOx吸蔵剤の劣化の度合に応じて適切な時期に昇温制御を開始することによって、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止しようとするものである。
【0035】
次に、図1に示した構成において実施し得る、上記目的を達成するための方法の一例について、図4を参照しつつ説明する。図4は、この方法を実施するための制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンはECU30により機関の始動と同時にスタートする。
本制御ルーチンがスタートすると、すなわち機関が始動されるとステップ100においてタイマが作動し始め機関始動からの経過時間の測定が開始される。またそれと同時に、ステップ102においてNOx濃度センサ44によるNOx吸蔵剤46(パティキュレートフィルタ22)下流におけるNOx濃度Cnの測定が開始される。
【0036】
続くステップ104においては、機関始動からの経過時間が昇温制御待ち時間Pに達したか否かが判定される。この昇温制御待ち時間Pとしては、機関の始動が2回目以降の時には、前回の機関始動時において後述するステップ112で設定された待ち時間Pが用いられるが、最初に機関を始動する時には予め定め、ROM32に記憶しておいた初期値(初期待ち時間)P0が用いられる。この初期待ち時間P0としては、例えば新品のNOx吸蔵剤46に適応した昇温制御待ち時間を設定するようにしてもよい。
【0037】
ステップ104において機関始動からの経過時間が昇温制御待ち時間Pに達していないと判定された場合にはステップ100へ戻り、そこからの制御が繰り返される。すなわち、機関始動からの経過時間の測定及びNOx吸蔵剤46(パティキュレートフィルタ22)下流におけるNOx濃度Cnの測定が継続される。
一方、ステップ104において機関始動からの経過時間が昇温制御待ち時間Pに達したと判定された場合にはステップ106に進み、NOx吸蔵剤46を活性化温度以上とするための昇温制御が実施される。
【0038】
この昇温制御は種々の方法で実施することが可能であるが、本実施形態の説明では、燃料噴射弁6のシリンダ内への燃料噴射を制御することによって排気ガスを昇温する等してNOx吸蔵剤46を昇温する方法を例にとって説明する。
すなわち、ステップ106の昇温制御で行い得る排気ガス昇温方法(NOx吸蔵剤昇温方法)として有効な方法の一つは、燃料噴射時期を圧縮上死点以後まで遅角させる方法である。すなわち、通常主燃料Qm は図5において(I)に示されるように圧縮上死点付近で噴射される。この場合、図5の(II)に示されるように主燃料Qm の噴射時期が遅角されると後燃え期間が長くなり、斯くして排気ガス温度が上昇する。
【0039】
また、燃焼室5から排出される排気ガスの温度を上昇させるために図5の(III)に示されるように主燃料Qm に加え、吸気上死点付近において補助燃料Qv を噴射することもできる。このように補助燃料Qv を追加的に噴射すると補助燃料Qv 分だけ燃焼せしめられる燃料が増えるために排気ガス温度が上昇する。
一方、このように吸気上死点付近において補助燃料Qv を噴射すると圧縮行程中に圧縮熱によってこの補助燃料Qv からアルデヒド、ケトン、パーオキサイド、一酸化炭素等の中間生成物が生成され、これら中間生成物によって主燃料Qm の反応が加速される。したがってこの場合には図5の(III)に示されるように主燃料Qm の噴射時期を大巾に遅らせても失火を生ずることなく良好な燃焼が得られる。すなわち、このように主燃料Qm の噴射時期を大巾に遅らせることができるので排気ガス温度をすみやかに上昇させることができる。
【0040】
また、図5の(IV)に示されるように主燃料Qmに加え、膨張行程中または排気工程中に補助燃料Qpを噴射することもできる。この場合、大部分の補助燃料Qp は燃焼することなく未燃HCの形で排気通路内に排出される。この未燃HCはNOx吸蔵剤46(パティキュレートフィルタ22)上において過剰酸素により酸化され、この時発生する酸化反応熱によってNOx吸蔵剤46の温度が上昇せしめられる。
【0041】
ステップ106において、上述の何れかの方法によってNOx吸蔵剤46の活性化温度以上への昇温が図られると、続くステップ108において、機関の始動からその時までにNOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えることがあったかどうかが判定される。この予め定めた濃度Cnbは、例えば外部へ放出可能なNOx濃度の上限値とする。
【0042】
これまでの説明からも明らかなように、本制御ルーチンがスタートしてから、すなわち機関が始動されてから、ステップ106での昇温制御によってNOx吸蔵剤46の温度が活性化温度以上に昇温されるまでは、排気ガス中のNOxは主にNOx吸蔵剤46によるNOxの吸着によって除去されている。そして、ステップ106の昇温制御によってNOx吸蔵剤46の温度が活性化温度以上になると、排気ガス中のNOxは、今度は主にNOx吸蔵剤46によるNOxの吸収によって除去されるようになる。
【0043】
したがって、ステップ108において、機関の始動からその時までにNOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えることがあった場合は、すなわち、NOx吸蔵剤46のNOx吸着能力が低下してNOxが十分に吸着できなくなる時期とNOx吸蔵剤46が活性化温度に達してNOxを十分に吸収できるようになる時期との関係において、昇温制御待ち時間Pが不適切であったために(より詳細には長過ぎたために)、NOxが十分に除去できない期間が存在し、NOx濃度が予め定めた濃度Cnbを超えた排気ガスが外部へ放出されてしまった場合である。したがって、この場合には昇温制御待ち時間Pを短く設定し直し、NOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが常に予め定めた濃度Cnb以下となるようにする必要がある。そのため、この場合には制御はステップ110へ進む。
【0044】
一方、ステップ108において、機関の始動からその時までにNOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えることが無かった場合には、上述したNOx吸蔵剤46のNOx吸着能力が低下してNOxが十分に吸着できなくなる時期とNOx吸蔵剤46が活性化温度に達してNOxを十分に吸収できるようになる時期との関係において、昇温制御待ち時間Pが適切であったことになるため、昇温制御待ち時間Pの再設定は行われず、そのまま制御は終了する。この場合、次回の機関始動時においても今回用いられた昇温制御待ち時間Pが用いられる。
ステップ110に進むと、NOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えた時期、すなわち機関の始動からNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えるまでの経過時間が求められ、NOx吸蔵剤46の劣化の度合が判断される。
【0045】
すなわち、上述したようにNOx吸蔵剤が長期間に渡って使用されて劣化すると、NOx吸蔵剤中の貴金属等の凝集が進んでその表面積が少なくなり、NOx吸着容量が低下する。このため、NOx吸蔵剤の劣化が進むと、機関始動からより短い時間でNOx吸着容量が飽和状態に近づいて排気ガス中のNOxを十分に吸着できなくなり、そのために機関始動からより短い時間でNOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えることとなる。したがって、NOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えた時期、すなわち機関の始動後、NOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えるまでの経過時間を測定することによってNOx吸蔵剤46の劣化の度合を判断することができる。
【0046】
ステップ110においてNOx吸蔵剤46の劣化の度合、すなわちNOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えた時期が求められると、続くステップ112において、これに応じた新たな昇温制御待ち時間Pが設定され、ROM32へ記憶される。
この新たな昇温制御待ち時間Pは、昇温制御によってNOx吸蔵剤46の温度が活性化温度になる時期がステップ110において求められたNOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超える時期となるように、もしくはそれよりも早くなるように設定される。こうすることによって、NOx吸蔵能力が不足してNOxが十分に除去できない期間が生じることを防ぎ、NOx濃度が予め定めた濃度Cnbを超えた排気ガスが外部へ放出されてしまうことが防止される。
【0047】
そしてこの新たな昇温制御待ち時間Pの設定の際には、劣化によるNOx吸蔵剤46の活性化温度の上昇に留意する必要がある。すなわち、上述したようにNOx吸蔵剤が劣化すると、その活性化温度は次第に高くなる。このため、上述した新たな昇温制御待ち時間Pの設定の際には、昇温制御によってNOx吸蔵剤46の温度が劣化後の活性化温度になる時期がステップ110において求められたNOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超える時期となるように、もしくはそれよりも早くなるように設定する必要がある。
【0048】
NOx吸蔵剤46が各劣化度合の時の活性化温度は実験等によって求めることができる。また、NOx吸蔵剤46の劣化の度合は、上述したようにステップ110で求められるNOx吸蔵剤46の下流のNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えた時期、すなわち機関の始動からNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えるまでの経過時間によって判断できる。したがってステップ110で求められる上記時期もしくは上記経過時間で示される劣化度合とその劣化度合に対応する活性化温度との関係を予め求め、ROM32に記憶させておけば、ステップ110で上記時期もしくは上記経過時間を求めることにより、その時のNOx吸蔵剤46の劣化度合に対応した活性化温度を求めることができる。
【0049】
そして、機関始動から昇温制御が行われるまでのNOx吸蔵剤46の温度の経時変化(すなわち、温度上昇の仕方)及び昇温制御開始後のNOx吸蔵剤46の温度の経時変化(すなわち、温度上昇の仕方)について標準的なものを予め求めて設定しておくことにより、ステップ110で求められた上記時期までに、もしくは上記経過時間が過ぎるまでに、NOx吸蔵剤46をその時のNOx吸蔵剤46の劣化度合に対応した活性化温度に上昇させるようにする昇温制御開始時期、すなわち新たな昇温制御待ち時間Pを求めることができる。
ステップ112においては、このようにして新たな昇温制御待ち時間Pが設定されてROM32へ記憶され、制御が終了する。そして、次の機関始動の際に本制御ルーチンが実行される時、この新たな昇温制御待ち時間Pが用いられる。
【0050】
図6は、機関の始動後に昇温制御待ち時間Pを経て昇温制御が開始されるという上述したような制御を行った場合に関し、NOx吸蔵剤46の温度Tの経時変化と、それに対応するNOx吸蔵剤46のNOx吸蔵能力K及びNOx吸蔵剤46の下流におけるNOx濃度Cnの経時変化について一例を示したものである。
図6においてNOx吸蔵能力Kを示す部分(上段)、NOx濃度Cnを示す部分(中段)及びNOx吸蔵剤46の温度Tを示す部分(下段)の各部分に示されている各曲線AはNOx吸蔵剤46が劣化する前であって昇温制御待ち時間PがPaに設定されている場合について示し、各曲線BはNOx吸蔵剤46が劣化した後であって上述した方法により昇温制御待ち時間PがPbに再設定された場合について示している。
【0051】
NOx吸蔵能力Kを示す部分(上段)及びNOx濃度Cnを示す部分(中段)に示されている各曲線C(点線)は、NOx吸蔵剤46が劣化した後であって昇温制御待ち時間Pが劣化前と同じPaに設定されている場合について示している。なお、当然のことながら、実際にはNOx吸蔵剤46の劣化の程度には様々な状態があるが、ここでは説明を簡単にするために劣化していない状態(すなわち、劣化前の状態)と劣化した状態(すなわち、劣化後の状態)という二つの状態を想定して説明する。
【0052】
まず、NOx吸蔵剤46が劣化していない場合について、すなわち各曲線Aで示される場合について説明する。この場合、NOx吸蔵剤46の温度Tが以下のように制御され、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出防止が図られる。すなわち、この場合、図6に示された例では昇温制御待ち時間PはPaに設定されており、この昇温制御待ち時間Paが経過するまではNOx吸蔵剤46の温度Tは緩やかに上昇する。そしてこの昇温制御待ち時間Paが経過したところで昇温制御が開始され、NOx吸蔵剤46の温度Tは急速に上昇せしめられ、始動後の経過時間がPyとなった時に、この場合の、すなわち劣化前のNOx吸蔵剤46の活性化温度(より詳細には活性化が開始する温度)Taに達するようにされる。
【0053】
このようなNOx吸蔵剤46の温度制御は、上述したように、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出防止を図るために、NOx吸蔵剤46が劣化していない場合において、昇温制御の開始時期を遅らせると共に外部へ放出される排気ガスのNOx濃度である濃度Cnを予め定めた濃度Cnb以下に維持しようとするものであり、この温度制御に対応して、NOx吸蔵能力K及びNOx濃度Cnは次のように変化する。
【0054】
つまり、この機関の始動からNOx吸蔵剤46の温度TがTaに達するまでの間、すなわち、始動後の経過時間がPyになるまでの間は、NOx吸蔵剤46が活性化していないので、排気ガス中のNOxは主に吸着により除去される。上述したように、NOx吸蔵剤46が劣化していない場合には、吸着によるNOx吸蔵能力Kがしばらくの間は高く維持されるので、図6に示された例では、始動後の経過時間がPyになるまでの間はNOx吸蔵能力Kが必要NOx吸蔵能力Kbを上回り、NOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnb(例えば外部へ放出可能なNOx濃度の上限値)を超えることはない(図6の上段及び中段に示された曲線Aを参照)。
【0055】
そして、時間が経過して次第にNOxの吸着によるNOx吸蔵能力Kが低下してくると、始動後の経過時間がPaとなった時に昇温制御が始まってNOx吸蔵剤46の温度Tが上昇し、NOx吸蔵能力KがKb未満となる時またはKb未満となる前に、すなわちNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超える時または超える前に温度Tが劣化前のNOx吸蔵剤46の活性化温度Taに達する。これによってNOx吸蔵能力Kは上昇し、外部へ放出される排気ガスのNOx濃度Cnは予め定めた濃度Cnb以下に維持される。
【0056】
以上の説明から明らかなようにこの場合、始動後の経過時間Pyにおいて、NOx吸蔵能力Kの経時変化を示す曲線Aは極小値をとり、NOx濃度Cnの経時変化を示す曲線Aは極大値をとる。
次に、NOx吸蔵剤46が劣化した後であって昇温制御待ち時間Pが劣化前と同じPaに設定されている場合、すなわち各曲線Cで示される場合について説明する。この場合、昇温制御待ち時間Pが劣化前と同じPaに設定されており、NOx吸蔵剤46の温度制御は上述した劣化前の場合と同じであるので、NOx吸蔵剤46の温度Tの経時変化については、曲線A(図6のNOx吸蔵剤46の温度Tの経時変化を示す部分(下段)の曲線A)で示される。
【0057】
この温度制御に対応して、NOx吸蔵能力K及びNOx濃度Cnは次のように変化する。
すなわち、この場合においても機関の始動からNOx吸蔵剤46の温度Tが活性化温度に達するまでの間は、NOx吸蔵剤46が活性化していないので、排気ガス中のNOxは主に吸着により除去する必要がある。そしてこの場合、NOx吸蔵剤46が劣化しているので、その活性化温度は劣化前の活性化温度Taよりも高いTbとなる。そして、NOx吸蔵剤46の温度Tの経時変化は劣化前と同じであるので、NOx吸蔵剤46の温度Tが活性化温度Tbに達するのは始動後の経過時間がPyよりも長いPzになった時である。
【0058】
したがって、始動後の経過時間がPzになるまでの間は、排気ガス中のNOxは主に吸着により除去する必要があるのであるが、NOx吸蔵剤46が劣化している場合には、上述したようにNOx吸蔵剤46のNOx吸着容量が低下しているために、吸着によるNOx吸蔵能力Kは排出されるNOx量が同じであるとすると劣化していない場合に比べて早期に急速に低下する(図6の上段に示された曲線C(曲線Bが一部重なっている)を参照)。このため、図6に示された例では、始動後の経過時間がPxとなった時にNOx吸蔵能力Kが必要NOx吸蔵能力Kb未満となり、NOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えてしまっている(図6の上段及び中段に示された曲線Cを参照)。
【0059】
その後も、始動後の経過時間がPaとなった時に昇温制御が始まってNOx吸蔵剤46の温度Tが上昇せしめられ、NOx吸蔵剤46の温度Tが活性化温度Tbに達する時(すなわち、経過時間がPzとなる時)まではNOx吸蔵能力Kは低下を続け、NOx濃度Cnは上昇し続ける。そして、NOx吸蔵剤46の温度Tが活性化温度Tbに達した時、すなわち始動後の経過時間がPzとなった時にNOx吸蔵能力Kは上昇を始め、NOx濃度Cnは低下を始める。
【0060】
このように、NOx吸蔵剤46が劣化した後においても劣化する前と同様の昇温制御待ち時間Paを用いた場合には、NOx吸蔵剤46の昇温が間に合わず、外部へ放出される排気ガスのNOx濃度Cnを予め定めた濃度Cnb以下に維持することができない。
次に説明する各曲線Bで示される場合は、NOx吸蔵剤46が劣化した後において、図4のフローチャートを参照して説明した方法により昇温制御待ち時間PがPbに再設定された場合であり、昇温制御待ち時間Pを短く設定し直すことで外部へ放出される排気ガスのNOx濃度Cnを予め定めた濃度Cnb以下に維持するようにしたものである。
【0061】
NOx吸蔵剤46が劣化しているにもかかわらず昇温制御待ち時間Pが劣化前と同じPaに設定されている場合には、機関が始動されて図4のフローチャートに示された制御ルーチンが実施されると、ステップ104及びステップ105において昇温制御待ち時間Paが経過した時に昇温制御が開始されることになるが、上述した各曲線Cで示された場合のように、NOx吸蔵剤46の昇温が間に合わず、外部へ放出される排気ガスのNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnbを超えてしまうことになるため、制御はステップ108からステップ110へ進むことになる。このステップ110で求められる時期は、ここで説明する図6の例では始動後の経過時間がPxの時である。
【0062】
そして、この経過時間Pxで示されるNOx吸蔵剤46の劣化度合に応じて、予め求めておいた関係に基づいてその時の劣化度合のNOx吸蔵剤46の活性化温度Tbが求められる。次いで、始動後の経過時間がPxの時にNOx吸蔵剤46の温度TがTbとなるような昇温制御待ち時間Pbが求められる。
こうして求められた昇温制御待ち時間PbがROM32に記憶され、次の機関始動の際に図4のフローチャートに示された制御ルーチンが実行される時に用いられる。
この場合、NOx吸蔵剤46の温度T、NOx吸蔵能力K及びNOx濃度Cnは図6の各曲線Bで示されたように変化し、外部へ放出される排気ガスのNOx濃度Cnが予め定めた濃度Cnb以下に維持される。
【0063】
つまり、機関の始動からの経過時間がPxに達すると吸着によるNOx吸蔵能力Kが不足し始めるが、その時にはNOx吸蔵剤46の温度Tが活性化温度Tbになっており、吸収によってNOxが吸蔵されるようになるため、NOx吸蔵能力Kが必要NOx吸蔵能力Kbより小さくなることはなく、外部へ放出される排気ガスのNOx濃度Cnは予め定めた濃度Cnb以下に維持される。そしてこの場合においても、機関始動からの経過時間がPbになるまでは昇温制御が行われないので、NOx吸蔵剤46の劣化に対応するために機関始動直後から昇温制御が開始される場合に比べ、燃費悪化を抑制することができる。
【0064】
以上のように、図4のフローチャートを参照して説明した方法により、NOx吸蔵剤46の劣化度合に応じて昇温制御を開始する時期を設定することによって、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、NOx吸蔵剤の劣化度合の判断方法やNOx吸蔵剤を昇温する昇温制御の方法として、他の方法を用いてもよい。
【0065】
例えば、劣化度合を判断する方法として車両走行距離や熱劣化履歴を用いてもよい。また、図7に示したように、NOx吸蔵剤46の上流側に燃料添加ノズル41、下流側に排気ガス中の空燃比を測定する空燃比センサ43を設け、上記ノズル41でパルス状に燃料添加を行った時の上記空燃比センサ43の出力からNOx吸蔵剤46の劣化度合を判断する公知の劣化判断方法を用いてよい。
【0066】
一方、NOx吸蔵剤を昇温する昇温制御の方法としては、例えばヒータを用いてNOx吸蔵剤を直接昇温するようにしてもよい。あるいは、NOx吸蔵剤の上流側に燃料添加ノズルを設け、燃料添加を行って添加された燃料の反応によってNOx吸蔵剤を昇温するようにしてもよい。
更に、いわゆる低温燃焼を利用してNOx吸蔵剤を昇温するようにしてもよい。低温燃焼は、内燃機関の排気側から吸気側へ極めて大量の排気ガスを再循環させ、この再循環ガス(EGRガス)の吸熱作用によって燃料及びその周囲のガス温を比較的低温に保った状態で燃焼を行わせ、スモークの発生を抑えるというものであるが、このような低温燃焼が行われると、排気ガス中に還元剤(HC、CO等)が多く含まれるようになり、その反応によって排気ガス通路内に配置されたNOx吸蔵剤を昇温することができる。
【0067】
また、図4のフローチャートを参照して説明した方法においては、昇温制御を開始する時期、すなわち昇温制御待ち時間Pの基準として、機関始動からの経過時間を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、機関冷却水温度、排気ガス温度、NOx吸蔵剤温度等を基準として用いてもよい。すなわち、これらの温度がNOx吸蔵剤の劣化度に応じて予め定められる温度に達した時に昇温制御が開始されるようにする。
また、NOx吸蔵剤の下流におけるNOx濃度を基準として用いることも可能である。この場合には、このNOx濃度がNOx吸蔵剤の劣化度に応じて予め定められるNOx濃度に達した時に昇温制御が開始される。
【0068】
あるいは、機関が始動された時からの機関排出NOx量の経時変化(もしくは機関排出NOx積算量)を推定または実測し、その値からNOx吸蔵剤に吸蔵されたNOx吸蔵量を推定するようにして、その推定NOx吸蔵量を昇温制御を開始する時期、すなわち昇温制御待ち時間Pの基準としてもよい。すなわち、上記の機関排出NOx量の経時変化(もしくは機関排出NOx積算量)は、始動からの機関運転状態(機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機関回転数N)及び機関回転数N)の履歴等から推定可能であるので、その時のNOx吸蔵剤の劣化度合に応じたNOx吸蔵能力(NOx浄化率)を用いることによって、もしくはNOx吸蔵剤の下流にNOx濃度センサを設けてNOx濃度の経時変化を求めておくことによって、その時までにNOx吸蔵剤に吸蔵された(主には吸着された)NOx吸蔵量は推定できる。そして、この推定NOx吸蔵量がNOx吸蔵剤の劣化度合に応じて予め定められるNOx吸蔵量に達した時に昇温制御が開始されるようにする。すなわち、この場合、昇温制御待ち時間Pが、機関の始動から推定NOx吸蔵量がNOx吸蔵剤の劣化の度合に応じて予め定められるNOx吸蔵量に達するまでとされる。
【0069】
この方法によれば、実際にNOx吸蔵剤に吸蔵されているNOx吸蔵量が推定されるので、NOx吸蔵剤の吸蔵能力の低下を他の方法よりも正確に推定することが可能であり、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止するためにより適切な時期に昇温制御開始時期を設定することができる。
なお、上記説明からも明らかなように、このような推定NOx吸蔵量を用いた制御を行う場合には、機関始動時のNOx吸蔵量(特にNOx吸着量)を推定しておく必要があるが、これは例えば前回のNOx還元浄化制御実施後の車両走行距離や運転状態履歴に基づいて推定することができる。そしてこの機関始動時の推定NOx吸蔵量に、上述したように推定した始動からのNOx吸蔵量を加えてその時の推定NOx吸蔵量が求められる。
【0070】
また、上述した方法の原理を応用し、昇温制御の開始時期、すなわち昇温制御待ち時間Pを始動からの機関運転状態履歴に応じて補正するようにしてもよい。すなわち、例えば機関始動後の運転が予め定めた標準的な運転状態よりも機関排出NOx量の少ない運転状態で続けられた場合には、予め定めた標準的な運転状態履歴を想定して設定した昇温制御の開始時期よりも昇温制御の開始時期を遅らせるように補正する(すなわち、昇温制御待ち時間Pを長くするように補正する)。つまり、この場合、上記昇温制御待ち時間Pが、機関始動から所定の判断時までの機関排出NOx積算量が多いほど短く、少ないほど長く補正される。
この方法によれば、NOx吸蔵剤のNOx吸蔵状態が推定され、それによって、NOx吸着容量が飽和状態になる時期がより正確に把握されることになるので、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止するためにより適切な時期に昇温制御開始時期が設定され得る。
【0071】
更に、機関始動からの運転状態履歴に基づいてNOx吸蔵剤の温度の経時変化(温度上昇の仕方)について推定し、これによって昇温制御の開始時期、すなわち昇温制御待ち時間Pを補正するようにしてもよい。すなわち、図4のフローチャートを参照して説明した方法においては、標準的なNOx吸蔵剤の温度の経時変化(温度上昇の仕方)を予め求めて設定しておき、それに基づいて昇温制御の開始時期(すなわち昇温制御待ち時間P)を求めるようにしたが、この標準的な温度の経時変化に基づいて求めた昇温制御開始時期を、その時の機関運転状態履歴から推定されるNOx吸蔵剤の温度の経時変化に基づいて補正を行うようにする。例えば、機関始動後すぐに高負荷運転状態となってそれが続けられた場合等、上記の標準的なNOx吸蔵剤の温度の経時変化よりもNOx吸蔵剤の温度が高めになることが推定される場合には、上記の標準的なNOx吸蔵剤の温度の経時変化を想定して設定した昇温制御の開始時期よりも昇温制御の開始時期を遅らせるように補正する(すなわち、昇温制御待ち時間Pを長くするように補正する)。また、例えば、NOx吸蔵剤の温度を排気ガス温度から推定する場合では、上記昇温制御待ち時間Pが、機関始動から所定の判断時までの平均排気ガス温度が高いほど長く、低いほど短く補正される。
これらの方法によれば、NOx吸蔵剤の温度が推定され、それによって、NOx吸蔵剤を活性化温度にするまでに必要な昇温温度がより正確に把握されることになるので、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止するためにより適切な時期に昇温制御開始時期が設定され得る。
【0072】
なお、上述したような昇温制御を開始する時期の各基準、NOx吸蔵剤の劣化度合の各判断方法及びNOx吸蔵剤を昇温する昇温制御の各方法は、様々に組合せることが可能であり、例えば、昇温制御を開始する時期の基準として機関冷却水温度を用い、車両走行距離によってNOx吸蔵剤の劣化度合を判断し、ヒータによって昇温制御を行うようにしてもよい。この場合、例えば、車両走行距離が大きくなるにつれて、ヒータによる昇温制御を開始する機関冷却水温度を低くするようにする。具体的には例えば、車両走行距離がまだ10kmの頃は機関冷却水温度が50℃になった時にヒータによる昇温制御が開始されるが、車両走行距離が10000kmの頃になると機関冷却水温度が40℃になった時にヒータによる昇温制御が開始されるようにする。
【0073】
なお、当然のことながら、上述のような昇温制御を開始する時期の各基準、NOx吸蔵剤の劣化度合の各判断方法及びNOx吸蔵剤を昇温する昇温制御の各方法を組合せて用いる場合には、その組合せにおいて用いられる劣化度合の判断方法で得られる劣化度合と、それに対応する適切な昇温制御開始時期(すなわち、昇温制御待ち時間P)との関係を予め求めておく必要がある。この適切な昇温制御開始時期は、その組合せで用いる昇温制御の方法を使用した場合に、外部へ放出される排気ガスのNOx濃度Cnを予め定めた濃度Cnb以下に維持することを可能にする昇温制御開始時期を、その組合せで用いられる昇温制御開始時期の基準で表したものである。上述の例では車両走行距離10000kmの劣化度合の時には機関冷却水温度が40℃となった時が適切な昇温制御開始時期であり、昇温制御待ち時間Pが経過する時であるとしている。
【0074】
また、図4のフローチャートに示された制御ルーチンによる方法では、上述したように、先の始動の際にNOx吸蔵剤の劣化度合を判断し、その判断結果に応じた昇温制御待ち時間Pは次の始動の際に用いるようにされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、NOx吸蔵剤の劣化度合を判断する方法により可能であれば、同じ一回の始動の際に、劣化度合の判断をし、その判断結果に応じた昇温制御待ち時間Pを設定して用いるようにしてもよい。例えば、NOx吸蔵剤の劣化度合を車両走行距離によって判断する場合には、その機関始動時における車両走行距離に応じて昇温制御待ち時間Pを設定し、その同じ機関始動の際においてその昇温制御待ち時間Pを用いることができる。
なお、上述した実施形態においては、NOx吸蔵剤をパティキュレートフィルタに担持させているが、NOx吸蔵剤とパティキュレートフィルタとは別個に独立させてもよい。また、上述した実施形態においては、本発明を筒内噴射型の圧縮着火式内燃機関に適用したが、本発明は火花点火式内燃機関に適用することもできる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、NOx吸蔵剤の劣化の度合に応じて適切な時期に昇温を開始することが可能となり、燃費悪化を抑制しつつNOxの外部への放出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を筒内噴射型の圧縮着火式内燃機関に適用した場合の実施形態を示す図である。
【図2】図2は、NOx吸蔵剤が担持されたパティキュレートフィルタの拡大断面図である。
【図3】図3は、NOx吸蔵剤の劣化前後におけるNOx吸蔵能力と温度との関係を示す図である。
【図4】図4は、図1に示した構成を用いて実施される制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図5は、筒内噴射制御を説明するための図である。
【図6】図6は、機関の始動後に昇温制御待ち時間を経て昇温制御が開始されるという図4の制御ルーチンで示される制御が実施された場合に関し、NOx吸蔵剤の温度の経時変化と、それに対応するNOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力及びNOx吸蔵剤の下流におけるNOx濃度の経時変化について一例を示したものである。
【図7】図7は、本発明を筒内噴射型の圧縮着火式内燃機関に適用した場合の別の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1…機関本体
5…燃焼室
6…電気制御式燃料噴射弁
22…パティキュレートフィルタ
30…電子制御ユニット
44…NOx濃度センサ
46…NOx吸蔵剤
Claims (9)
- 排気ガス中のNOxを吸蔵する機能を有するNOx吸蔵剤を内燃機関から排出される排気ガスが通る排気ガス通路に配置した排気ガス浄化装置において、
上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力を維持又は向上するために上記NOx吸蔵剤を昇温する昇温手段と、
上記NOx吸蔵剤の劣化の度合を判断する劣化判断手段とを備えていて、
上記内燃機関の始動から上記昇温手段による上記NOx吸蔵剤の昇温が開始されるまでの待ち時間が上記NOx吸蔵剤の劣化の度合に応じて決定されることを特徴とする排気ガス浄化装置。 - 上記内燃機関の始動から上記昇温手段による上記NOx吸蔵剤の昇温が開始されるまでの待ち時間が、上記NOx吸蔵剤の劣化の度合が高いほど短く設定されることを特徴とする、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記劣化判断手段は、上記内燃機関の始動から上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力が予め定めた値よりも小さくなるまでの経過時間が短いほど、上記NOx吸蔵剤の劣化の度合が高いと判断することを特徴とする、請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記劣化判断手段が上記NOx吸蔵剤の下流において排気ガスのNOx濃度を推定するNOx濃度推定手段を含んでいて、上記NOx濃度が予め定めた濃度を超えた時に上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力が予め定めた値よりも小さくなったものとすることを特徴とする、請求項3に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記劣化判断手段が上記NOx吸蔵剤の下流において排気ガスのNOx濃度を推定するNOx濃度推定手段を含んでいて、
上記待ち時間が、上記内燃機関の始動から上記NOx濃度が上記NOx吸蔵剤の劣化の度合に応じて予め定められるNOx濃度に達するまでとされることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。 - 更に、上記待ち時間が、機関始動から所定の判断時までの機関排出NOx積算量が多いほど短く、少ないほど長く補正されることを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
- 更に、上記待ち時間が、機関始動から所定の判断時まで平均排気ガス温度が高いほど長く、低いほど短く補正されることを特徴とする、請求項1から6に記載の排気ガス浄化装置。
- 排気ガス中のNOxを吸蔵する機能を有するNOx吸蔵剤を内燃機関から排出される排気ガスが通る排気ガス通路に配置して行う排気ガス浄化方法であって、機関始動から予め定められた待ち時間が経過した時に上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力を維持又は向上するために上記NOx吸蔵剤の昇温が行われる排気ガス浄化方法において、
機関始動後、上記NOx吸蔵剤のNOx吸蔵能力が予め定めた値よりも小さくなるまでの経過時間が短いほど、次回以降の機関始動時における上記待ち時間が短く設定されることを特徴とする、排気ガス浄化方法。 - 上記待ち時間が、機関始動から所定の判断時までの機関排出NOx積算量及び機関始動から所定の判断時まで平均排気ガス温度の少なくとも一方に応じて補正されることを特徴とする、請求項8に記載の排気ガス浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002140406A JP3812493B2 (ja) | 2002-05-15 | 2002-05-15 | 排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002140406A JP3812493B2 (ja) | 2002-05-15 | 2002-05-15 | 排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003328730A JP2003328730A (ja) | 2003-11-19 |
JP3812493B2 true JP3812493B2 (ja) | 2006-08-23 |
Family
ID=29701299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002140406A Expired - Lifetime JP3812493B2 (ja) | 2002-05-15 | 2002-05-15 | 排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3812493B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8763365B2 (en) | 2009-08-26 | 2014-07-01 | Nissan Motor Co., Ltd. | Exhaust emission control device for internal combustion engine and NOx purification catalyst deterioration determination method |
-
2002
- 2002-05-15 JP JP2002140406A patent/JP3812493B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003328730A (ja) | 2003-11-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6502391B1 (en) | Exhaust emission control device of internal combustion engine | |
US6976356B2 (en) | Exhaust gas purifier for use in internal combustion engine | |
JP4158697B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置および排気浄化方法 | |
JP2004068700A (ja) | 排気ガス浄化方法 | |
JP4039349B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP5056725B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5376048B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化システム | |
KR100662312B1 (ko) | 내연기관의 배기 정화 장치 및 배기 정화 방법 | |
JP2005273573A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2007231918A (ja) | 圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置 | |
JP3858779B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP4311169B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP4556364B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP4357918B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP3812493B2 (ja) | 排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 | |
JP4357917B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP4285105B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化方法 | |
JP3536739B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2009293572A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP4032760B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP3551757B2 (ja) | 圧縮着火式内燃機関 | |
JP4019891B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP4003730B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP3896856B2 (ja) | 排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 | |
JP2010106813A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050426 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060419 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060509 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060522 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3812493 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609 Year of fee payment: 7 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |