JP3811316B2 - 電気接続箱のシール構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体パネル及び電気接続箱間をシールする電気接続箱のシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車用の電気接続箱として、エンジンルームと車室との間の隔壁に電気接続箱を取り付け、隔壁に形成された透孔を介して電気接続箱の電装品装着部を車室内に露出するようにしたものが知られている。この従来構成においては、隔壁上の透孔の開口周縁に接合するように、電気接続箱の外面に環状のパッキンが装着されている。このパッキンと電気接続箱との密着性及びパッキンと隔壁との密着性を向上させるために、電気接続箱と隔壁とによりパッキンを挟着するように所定の圧力を印加させている。そして、このパッキンにより電気接続箱と隔壁との間がシールされて、エンジンルームから透孔を介して車室に水が侵入するのを防止するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の電気接続箱においては、パッキンが断面ほぼ四角形状に形成され、単に平坦状の接合面が透孔の開口周縁の隔壁面に接合することによって、電気接続箱と隔壁との間がシールされるようになっている。パッキンは印加された圧力により弾性変形するが、印加された圧力はパッキン全体にかかるために、弾性変形によって発生した力を逃がす空間の余裕がほとんどなく、この力がパッキンの一部分に集中したりして、パッキンと電気接続箱との間、又はパッキンと隔壁との間に隙間を生じる可能性がある。このため、電気接続箱と隔壁との間が十分にシールされず、エンジンルームから車室への水の浸入を確実に防止することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その主たる目的は、エンジンルーム側に設けた電気接続箱と隔壁との間を十分にシールすることができて、エンジンルームから車室への水の浸入を確実に防止することができる電気接続箱のシール構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、エンジンルーム側においてエンジンルームと車室との間の隔壁に電気接続箱を取り付け、前記隔壁に形成された透孔を介して前記電気接続箱の電装品装着部を車室内に露出するようにした電気接続箱において、前記電気接続箱の外面には、隔壁上の透孔の開口周縁と接合するようにパッキンを装着し、そのパッキンの隔壁に対する接合面には、長手方向に延びかつ前記接合面に対して傾斜したリップ部を形成し、前記パッキンのリップ部は一対設けられ、両リップ部は先端部側が拡開するように対称状に傾斜しており、前記パッキンの隔壁に対する前記接合面には、電気接続箱と隔壁との間で挟着されるラップ部を形成し、該ラップ部は先端部側が拡開した状態のリップ部における幅方向の両側に位置していることを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、パッキンの接合面が隔壁に接合されたとき、その接合面の両側のラップ部が電気接続箱及び隔壁間で挟着されるため、電気接続箱及び隔壁間のシール効果を高めることができる。
【0015】
また、パッキンの接合面が隔壁に接合されたとき、両リップ部が接合面に沿って離間するように撓むことによって、両リップ部間には重なり部分が形成されることもなく、接合面の接触面積が一層増加するため、電気接続箱と隔壁との間がより効果的にシールされる。
【0017】
さらに、接合面上に形成されたリップ部が接合面に沿うように撓むことによって、隔壁に対する接合面の接触面積が拡張されるため、電気接続箱と隔壁との間が十分にシールされる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を具体化した電気接続箱のシール構造の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、車体パネルとしての隔壁11は自動車のエンジンルーム12と車室13とを区画するように配設されている。隔壁11の一部には透孔14が車室13側に向かって突出するように形成され、その上下両側部には4つのボルト挿通孔15が形成されている。エンジンルーム12側において透孔14に対応するように、隔壁11に対向して電気接続箱16が配設されている。
【0020】
前記電気接続箱16は、ほぼ箱型のケース18と、そのケース18の開口部に被覆装着されたカバー19とを備え、ケース18の上下両側には4つのボルト20が埋設されている。電気接続箱16内には回路基板21が配設され、この回路基板21上にはリレー22等を接続するための複数の接続部23が設けられている。
【0021】
前記ケース18の外面には環状をなす防水リブ24が形成され、隔壁11の透孔14に嵌合されるようになっている。防水リブ24内には電装品装着部としての複数のコネクタハウジング25が形成され、透孔14を介してこれらのコネクタハウジング25が車室13内に露出するようになっている。そして、これらのコネクタハウジング25に対して車室13側からワイヤハーネス26の端部に設けられたコネクタ27が接続されるようになっている。
【0022】
前記防水リブ24を取り巻くように、ケース18の外面には環状の取付溝29が形成され、この取付溝29内には四角環状のパッキン30が嵌着されている。そして、このパッキン30が隔壁11のエンジンルーム12側から透孔14の開口周縁に接合されることにより、電気接続箱16と隔壁11との間がシールされている。
【0023】
そして、図2に示すように、前記電気接続箱16の各ボルト20を各ボルト挿通孔15に挿通して車室13側において4つのナット31で締め付けられている。これにより、電気接続箱16が隔壁11に固定されている。
【0024】
次に、前記パッキン30の構成について詳細に説明する。
図3,図4に示すように、パッキン30は合成ゴム等の弾性材料により形成され、断面ほぼ四角形状をなす本体部33の取付溝29側には断面三角形状の3つの突条34が形成されている。図5,図6に示すように本体部33の4つのコーナー部には前記ボルト20用の挿通孔39が形成されるとともに、本体部33の取付溝29側には前記挿通孔39を挟むようにそれぞれ2つの突条34が形成されている。
【0025】
前記パッキン30の隔壁11に対する接合面30Aには、一対のリップ部35,36が長手方向に延びるように並設形成されている。両リップ部35,36はそれらの先端部側が拡開するように接合面30Aに対して対称状に傾斜している。そして、図4,図6に示すように、パッキン30の接合面30Aが透孔14の開口周縁の隔壁11面に接合されたとき、両リップ部35,36が接合面30Aに沿って離間するように撓むことによって、両リップ部35,36間には重なり部分が形成されることもなく、隔壁11に対する接合面30Aの接触面積が増大されるようになっている。
【0026】
前記パッキン30における接合面30Aの幅方向の両側には、一対のラップ部37,38が突出形成されている。そして、図4,図6に示すように、パッキン30の接合面30Aが透孔14の開口周縁の隔壁11面に接合されたとき、これらのラップ部37,38が電気接続箱16と隔壁11との間で挟着されるようになっている。
【0027】
以上のように、この電気接続箱においては、隔壁11の透孔14に対応して、電気接続箱16の外面に四角環状のパッキン30が装着され、このパッキン30の接合面30Aが透孔14の開口周縁に接合されている。そして、この接合面30Aの接合状態においては、接合面30A上に形成された両リップ部35,36が接合面30Aに沿って離間するように撓むことによって、両リップ部35,36間には重なり部分が形成されることもなく、隔壁11に対する接合面30Aの接触面積が増大されている。また、接合面30Aの両側に突設されたラップ部37,38が、電気接続箱16と隔壁11との間に挟着されている。
【0028】
従って、隔壁11上の透孔14の開口周縁に沿って、電気接続箱16と隔壁11との間を、パッキン30により十分にシールすることができ、エンジンルーム12から透孔14を介して車室13に水が侵入するおそれを確実に防止することができる。
【0029】
前記の実施形態によって期待できる効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態のパッキン30においては、近接して配置される一対の部材の一方に装着され、対向する他方の部材に対する接合面30Aに、長手方向に延びかつ接合面30Aに対して傾斜するようにリップ部35,36が形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが対向部材に接合されたとき、リップ部35,36がパッキン30に印加される所定圧力を受ける部分となるとともに、リップ部35,36が接合面30Aに沿って弾性変形する(撓む)ことができる空間がある。従って、リップ部35,36の弾性変形によって発生した力がパッキン30の一部分に集中せず、パッキン30と隔壁11との間に隙間が生じることはないばかりでなく、リップ部35,36が撓むことによって接触面積を増大させることができ、近接配置される一対の部材間を効果的にシールすることができる。
【0030】
・ 本実施形態のパッキン30においては、接合面30Aの幅方向の両側に、両部材間で挟着されるラップ部37,38が形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが対向部材に接合されたとき、その接合面30Aの両側においてラップ部37,38が両部材間で挟着され、近接配置される一対の部材間のシール効果を一層高めることができる。
【0031】
・ 本実施形態のパッキン30においては、接合面30Aに一対のリップ部35,36が長手方向に延びかつそれらの先端部側が拡開するように接合面30Aに対して対称状に傾斜して形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが対向部材に接合されたとき、両リップ部35,36が接合面30Aに沿って離間するように撓むことによって、両リップ部35,36間には重なり部分が形成されることもなく、接合面30Aの接触面積を一層増大させることができ、近接配置される一対の部材間をより効果的にシールすることができる。
【0032】
・ 本実施形態の電気接続箱16のシール構造においては、エンジンルーム12側において電気接続箱16がエンジンルーム12と車室13との間の隔壁11に固定されている。電気接続箱16の外面には、隔壁11上の透孔14の開口周縁と接合するようにパッキン30が装着されている。パッキン30の隔壁11に対する接合面30Aには、長手方向に延びかつ先端部側が拡開するように接合面30Aに対して対称状に傾斜した一対のリップ部35,36が形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが隔壁11に接合されたとき、両リップ部35,36が接合面30Aに沿って離間するように撓むことによって、両リップ部35,36間には重なり部分が形成されることもなく、接合面30Aの接触面積が一層増大する。従って、電気接続箱16と隔壁11との間を十分にシールすることができて、エンジンルーム12から車室13への水の浸入を確実に防止することができる。
【0033】
・ 本実施形態の電気接続箱16のシール構造においては、パッキン30の隔壁11に対する接合面30Aの幅方向の両側に、電気接続箱16と隔壁11との間で挟着されるラップ部37,38が形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが隔壁11に接合されたとき、その接合面30Aの両側においてラップ部37,38が電気接続箱16と隔壁11との間で挟着される。従って、電気接続箱16と隔壁11との間のシール効果を高めることができて、エンジンルーム12から車室13への水の浸入を一層確実に防止することができる。
【0034】
なお、実施の形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 上記実施形態ではパッキン30の接合面30Aに、2つのリップ部35,36を形成したが、1つまたは3つ以上のリップ部を形成してもよい。
【0035】
・ 上記実施形態ではパッキン30はボルト20の埋設部分を通過する形状にしたが、4つのボルト20の内側部分を通過する形状に形成してもよい。この場合には、取付溝29も同様の形状にすればよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
【0039】
請求項1に記載の発明によれば、電気接続箱と隔壁との間を十分にシールすることができて、エンジンルームから車室への水の浸入を確実に防止することができる。
【0040】
また、パッキンの接合面が隔壁に接合されたとき、両リップ部が接合面に沿って離間するように撓むことによって、両リップ部間には重なり部分が形成されることもなく、接合面の接触面積が一層増加し、電気接続箱と隔壁との間をより効果的にシールすることができる。
【0041】
さらに、ラップ部が電気接続箱と隔壁との間で挟着されて、電気接続箱と隔壁との間のシール効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した電気接続箱の一実施形態を示す断面図。
【図2】電気接続箱及び隔壁を示す斜視図。
【図3】電気接続箱のシール構造の組み付け過程を示す断面図。
【図4】同じくシール構造の組み付け状態を示す断面図。
【図5】電気接続箱のシール構造の組み付け過程を示す断面図。
【図6】同じくシール構造の組み付け状態を示す断面図。
【符号の説明】
11…隔壁、12…エンジンルーム、13…車室、14…透孔、16…電気接続箱、25…電装品装着部としてのコネクタハウジング、30…パッキン、30A…接合面、35,36…リップ部、37,38…ラップ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体パネル及び電気接続箱間をシールする電気接続箱のシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車用の電気接続箱として、エンジンルームと車室との間の隔壁に電気接続箱を取り付け、隔壁に形成された透孔を介して電気接続箱の電装品装着部を車室内に露出するようにしたものが知られている。この従来構成においては、隔壁上の透孔の開口周縁に接合するように、電気接続箱の外面に環状のパッキンが装着されている。このパッキンと電気接続箱との密着性及びパッキンと隔壁との密着性を向上させるために、電気接続箱と隔壁とによりパッキンを挟着するように所定の圧力を印加させている。そして、このパッキンにより電気接続箱と隔壁との間がシールされて、エンジンルームから透孔を介して車室に水が侵入するのを防止するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の電気接続箱においては、パッキンが断面ほぼ四角形状に形成され、単に平坦状の接合面が透孔の開口周縁の隔壁面に接合することによって、電気接続箱と隔壁との間がシールされるようになっている。パッキンは印加された圧力により弾性変形するが、印加された圧力はパッキン全体にかかるために、弾性変形によって発生した力を逃がす空間の余裕がほとんどなく、この力がパッキンの一部分に集中したりして、パッキンと電気接続箱との間、又はパッキンと隔壁との間に隙間を生じる可能性がある。このため、電気接続箱と隔壁との間が十分にシールされず、エンジンルームから車室への水の浸入を確実に防止することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その主たる目的は、エンジンルーム側に設けた電気接続箱と隔壁との間を十分にシールすることができて、エンジンルームから車室への水の浸入を確実に防止することができる電気接続箱のシール構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、エンジンルーム側においてエンジンルームと車室との間の隔壁に電気接続箱を取り付け、前記隔壁に形成された透孔を介して前記電気接続箱の電装品装着部を車室内に露出するようにした電気接続箱において、前記電気接続箱の外面には、隔壁上の透孔の開口周縁と接合するようにパッキンを装着し、そのパッキンの隔壁に対する接合面には、長手方向に延びかつ前記接合面に対して傾斜したリップ部を形成し、前記パッキンのリップ部は一対設けられ、両リップ部は先端部側が拡開するように対称状に傾斜しており、前記パッキンの隔壁に対する前記接合面には、電気接続箱と隔壁との間で挟着されるラップ部を形成し、該ラップ部は先端部側が拡開した状態のリップ部における幅方向の両側に位置していることを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、パッキンの接合面が隔壁に接合されたとき、その接合面の両側のラップ部が電気接続箱及び隔壁間で挟着されるため、電気接続箱及び隔壁間のシール効果を高めることができる。
【0015】
また、パッキンの接合面が隔壁に接合されたとき、両リップ部が接合面に沿って離間するように撓むことによって、両リップ部間には重なり部分が形成されることもなく、接合面の接触面積が一層増加するため、電気接続箱と隔壁との間がより効果的にシールされる。
【0017】
さらに、接合面上に形成されたリップ部が接合面に沿うように撓むことによって、隔壁に対する接合面の接触面積が拡張されるため、電気接続箱と隔壁との間が十分にシールされる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を具体化した電気接続箱のシール構造の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、車体パネルとしての隔壁11は自動車のエンジンルーム12と車室13とを区画するように配設されている。隔壁11の一部には透孔14が車室13側に向かって突出するように形成され、その上下両側部には4つのボルト挿通孔15が形成されている。エンジンルーム12側において透孔14に対応するように、隔壁11に対向して電気接続箱16が配設されている。
【0020】
前記電気接続箱16は、ほぼ箱型のケース18と、そのケース18の開口部に被覆装着されたカバー19とを備え、ケース18の上下両側には4つのボルト20が埋設されている。電気接続箱16内には回路基板21が配設され、この回路基板21上にはリレー22等を接続するための複数の接続部23が設けられている。
【0021】
前記ケース18の外面には環状をなす防水リブ24が形成され、隔壁11の透孔14に嵌合されるようになっている。防水リブ24内には電装品装着部としての複数のコネクタハウジング25が形成され、透孔14を介してこれらのコネクタハウジング25が車室13内に露出するようになっている。そして、これらのコネクタハウジング25に対して車室13側からワイヤハーネス26の端部に設けられたコネクタ27が接続されるようになっている。
【0022】
前記防水リブ24を取り巻くように、ケース18の外面には環状の取付溝29が形成され、この取付溝29内には四角環状のパッキン30が嵌着されている。そして、このパッキン30が隔壁11のエンジンルーム12側から透孔14の開口周縁に接合されることにより、電気接続箱16と隔壁11との間がシールされている。
【0023】
そして、図2に示すように、前記電気接続箱16の各ボルト20を各ボルト挿通孔15に挿通して車室13側において4つのナット31で締め付けられている。これにより、電気接続箱16が隔壁11に固定されている。
【0024】
次に、前記パッキン30の構成について詳細に説明する。
図3,図4に示すように、パッキン30は合成ゴム等の弾性材料により形成され、断面ほぼ四角形状をなす本体部33の取付溝29側には断面三角形状の3つの突条34が形成されている。図5,図6に示すように本体部33の4つのコーナー部には前記ボルト20用の挿通孔39が形成されるとともに、本体部33の取付溝29側には前記挿通孔39を挟むようにそれぞれ2つの突条34が形成されている。
【0025】
前記パッキン30の隔壁11に対する接合面30Aには、一対のリップ部35,36が長手方向に延びるように並設形成されている。両リップ部35,36はそれらの先端部側が拡開するように接合面30Aに対して対称状に傾斜している。そして、図4,図6に示すように、パッキン30の接合面30Aが透孔14の開口周縁の隔壁11面に接合されたとき、両リップ部35,36が接合面30Aに沿って離間するように撓むことによって、両リップ部35,36間には重なり部分が形成されることもなく、隔壁11に対する接合面30Aの接触面積が増大されるようになっている。
【0026】
前記パッキン30における接合面30Aの幅方向の両側には、一対のラップ部37,38が突出形成されている。そして、図4,図6に示すように、パッキン30の接合面30Aが透孔14の開口周縁の隔壁11面に接合されたとき、これらのラップ部37,38が電気接続箱16と隔壁11との間で挟着されるようになっている。
【0027】
以上のように、この電気接続箱においては、隔壁11の透孔14に対応して、電気接続箱16の外面に四角環状のパッキン30が装着され、このパッキン30の接合面30Aが透孔14の開口周縁に接合されている。そして、この接合面30Aの接合状態においては、接合面30A上に形成された両リップ部35,36が接合面30Aに沿って離間するように撓むことによって、両リップ部35,36間には重なり部分が形成されることもなく、隔壁11に対する接合面30Aの接触面積が増大されている。また、接合面30Aの両側に突設されたラップ部37,38が、電気接続箱16と隔壁11との間に挟着されている。
【0028】
従って、隔壁11上の透孔14の開口周縁に沿って、電気接続箱16と隔壁11との間を、パッキン30により十分にシールすることができ、エンジンルーム12から透孔14を介して車室13に水が侵入するおそれを確実に防止することができる。
【0029】
前記の実施形態によって期待できる効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態のパッキン30においては、近接して配置される一対の部材の一方に装着され、対向する他方の部材に対する接合面30Aに、長手方向に延びかつ接合面30Aに対して傾斜するようにリップ部35,36が形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが対向部材に接合されたとき、リップ部35,36がパッキン30に印加される所定圧力を受ける部分となるとともに、リップ部35,36が接合面30Aに沿って弾性変形する(撓む)ことができる空間がある。従って、リップ部35,36の弾性変形によって発生した力がパッキン30の一部分に集中せず、パッキン30と隔壁11との間に隙間が生じることはないばかりでなく、リップ部35,36が撓むことによって接触面積を増大させることができ、近接配置される一対の部材間を効果的にシールすることができる。
【0030】
・ 本実施形態のパッキン30においては、接合面30Aの幅方向の両側に、両部材間で挟着されるラップ部37,38が形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが対向部材に接合されたとき、その接合面30Aの両側においてラップ部37,38が両部材間で挟着され、近接配置される一対の部材間のシール効果を一層高めることができる。
【0031】
・ 本実施形態のパッキン30においては、接合面30Aに一対のリップ部35,36が長手方向に延びかつそれらの先端部側が拡開するように接合面30Aに対して対称状に傾斜して形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが対向部材に接合されたとき、両リップ部35,36が接合面30Aに沿って離間するように撓むことによって、両リップ部35,36間には重なり部分が形成されることもなく、接合面30Aの接触面積を一層増大させることができ、近接配置される一対の部材間をより効果的にシールすることができる。
【0032】
・ 本実施形態の電気接続箱16のシール構造においては、エンジンルーム12側において電気接続箱16がエンジンルーム12と車室13との間の隔壁11に固定されている。電気接続箱16の外面には、隔壁11上の透孔14の開口周縁と接合するようにパッキン30が装着されている。パッキン30の隔壁11に対する接合面30Aには、長手方向に延びかつ先端部側が拡開するように接合面30Aに対して対称状に傾斜した一対のリップ部35,36が形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが隔壁11に接合されたとき、両リップ部35,36が接合面30Aに沿って離間するように撓むことによって、両リップ部35,36間には重なり部分が形成されることもなく、接合面30Aの接触面積が一層増大する。従って、電気接続箱16と隔壁11との間を十分にシールすることができて、エンジンルーム12から車室13への水の浸入を確実に防止することができる。
【0033】
・ 本実施形態の電気接続箱16のシール構造においては、パッキン30の隔壁11に対する接合面30Aの幅方向の両側に、電気接続箱16と隔壁11との間で挟着されるラップ部37,38が形成されている。このため、パッキン30の接合面30Aが隔壁11に接合されたとき、その接合面30Aの両側においてラップ部37,38が電気接続箱16と隔壁11との間で挟着される。従って、電気接続箱16と隔壁11との間のシール効果を高めることができて、エンジンルーム12から車室13への水の浸入を一層確実に防止することができる。
【0034】
なお、実施の形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 上記実施形態ではパッキン30の接合面30Aに、2つのリップ部35,36を形成したが、1つまたは3つ以上のリップ部を形成してもよい。
【0035】
・ 上記実施形態ではパッキン30はボルト20の埋設部分を通過する形状にしたが、4つのボルト20の内側部分を通過する形状に形成してもよい。この場合には、取付溝29も同様の形状にすればよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
【0039】
請求項1に記載の発明によれば、電気接続箱と隔壁との間を十分にシールすることができて、エンジンルームから車室への水の浸入を確実に防止することができる。
【0040】
また、パッキンの接合面が隔壁に接合されたとき、両リップ部が接合面に沿って離間するように撓むことによって、両リップ部間には重なり部分が形成されることもなく、接合面の接触面積が一層増加し、電気接続箱と隔壁との間をより効果的にシールすることができる。
【0041】
さらに、ラップ部が電気接続箱と隔壁との間で挟着されて、電気接続箱と隔壁との間のシール効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した電気接続箱の一実施形態を示す断面図。
【図2】電気接続箱及び隔壁を示す斜視図。
【図3】電気接続箱のシール構造の組み付け過程を示す断面図。
【図4】同じくシール構造の組み付け状態を示す断面図。
【図5】電気接続箱のシール構造の組み付け過程を示す断面図。
【図6】同じくシール構造の組み付け状態を示す断面図。
【符号の説明】
11…隔壁、12…エンジンルーム、13…車室、14…透孔、16…電気接続箱、25…電装品装着部としてのコネクタハウジング、30…パッキン、30A…接合面、35,36…リップ部、37,38…ラップ部。
Claims (1)
- エンジンルーム側においてエンジンルームと車室との間の隔壁に電気接続箱を取り付け、前記隔壁に形成された透孔を介して前記電気接続箱の電装品装着部を車室内に露出するようにした電気接続箱において、
前記電気接続箱の外面には、隔壁上の透孔の開口周縁と接合するようにパッキンを装着し、そのパッキンの隔壁に対する接合面には、長手方向に延びかつ前記接合面に対して傾斜したリップ部を形成し、
前記パッキンのリップ部は一対設けられ、両リップ部は先端部側が拡開するように対称状に傾斜しており、
前記パッキンの隔壁に対する前記接合面には、電気接続箱と隔壁との間で挟着されるラップ部を形成し、該ラップ部は先端部側が拡開した状態のリップ部における幅方向の両側に位置している電気接続箱のシール構造。
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