しかしながら、複数宛先が設定されていることや同報送信の設定であることが表示される従来のファクシミリ装置では、ユーザは、設定されている宛先が単一か複数かを確認することはできるが、具体的に設定した宛先が正しいかどうかを確認することができない。その結果、複数の宛先の中に誤って選択した宛先が含まれている場合は宛先を誤って選択したことに気づかずにそのデータを送信する場合があるという課題があった。一方、相手先電話番号に対応した相手先情報が表示されるファクシミリ装置では、個々の相手先を確認することはできるが、表示された相手先情報が多くなればなるほど、確認の負担が大きくなるので、個々の宛先に対する確認精度が低下し、その結果、宛先を誤って選択したことに気づかずにそのデータを送信する場合があるという課題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、誤って無関係の相手にデータを送信することを防止することができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、ネットワークを介して宛先に画像データを送信する装置である。この画像処理装置は、前記の宛先に前記の画像データを送信する送信手段と、少なくとも1つの前記の宛先を設定する宛先設定手段と、設定された前記の宛先に前記の画像データを送信するか否かをその宛先の属性に基づいて判断する第1の判断手段と、その第1の判断手段によって前記の画像データを送信すると判断された第1の宛先と送信しないと判断された第2の宛先を区別して表示する表示手段とを備える。以下、この画像処理装置を、第1の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第1の画像処理装置は、さらに、少なくとも1つの第1の属性を設定する属性設定手段を備える。前記の第1の判断手段は、設定された前記の宛先の属性が前記の第1の属性の少なくとも1つに一致するか否かに応じて、その宛先に前記の画像データを送信するか否かを判断する。以下、この画像処理装置を、第2の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第1の画像処理装置は、さらに、予め決められた少なくとも1つの第1の属性を記憶する第1の記憶手段を備える。前記の第1の判断手段は、設定された前記の宛先の属性が前記の第1の属性の少なくとも1つに一致するか否かに応じて、その宛先に前記の画像データを送信するか否かを判断する。以下、この画像処理装置を、第3の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第3の画像処理装置は、さらに、少なくとも1つの第2の属性を追加して設定する属性追加設定手段を備える。前記の第1の判断手段は、設定された前記の宛先の属性が前記の第1及び第2の各属性の少なくとも1つに一致するか否かに応じて、その宛先に前記の画像データを送信するか否かを判断する。以下、この画像処理装置を、第4の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第3の画像処理装置は、さらに、少なくとも1つの第2の属性を追加して設定する属性追加設定手段を備える。前記の第1の判断手段は、設定された前記の宛先の属性が前記の第1及び第2の各属性の両方に含まれるか否かに応じて、その宛先に前記の画像データを送信するか否かを判断する。以下、この画像処理装置を、第5の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第2又は第3の画像処理装置において、前記の第1の判断手段は、宛先とその宛先の属性との関係を示したテーブルを用いて、設定された前記の宛先の第3の属性を判断する第2の判断手段と、前記の第1の属性と第3の属性とを比較する比較手段と、前記の第3の属性が、前記の第1の属性の少なくとも1つに一致する場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信すると判断し、前記の第3の属性が、前記の第1の属性のいずれにも一致しない場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信しないと判断する第3の判断手段とを備える。以下、この画像処理装置を、第6の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第4の画像処理装置において、前記の第1の判断手段は、宛先とその宛先の属性との関係を示したテーブルを用いて、設定された前記の宛先の第3の属性を判断する第2の判断手段と、前記の第1及び第2の各属性と前記の第3の属性とを比較する比較手段と、前記の第3の属性が、前記の第1及び第2の各属性の少なくとも1つに一致する場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信すると判断し、前記の第3の属性が、前記の第1又は第2の各属性のどちらにも一致しない場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信しないと判断する第3の判断手段とを備える。以下、この画像処理装置を、第7の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第5の画像処理装置において、前記の第1の判断手段は、宛先とその宛先の属性との関係を示したテーブルを用いて、設定された前記の宛先の第3の属性を判断する第2の判断手段と、前記の第1及び第2の各属性と前記の第3の属性とを比較する比較手段と、前記の第3の属性が、前記の第1及び第2の各属性の両方に含まれる場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信すると判断し、前記の第3の属性が、前記の第1及び第2の各属性の少なくとも一方に含まれない場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信しないと判断する第3の判断手段とを備える。以下、この画像処理装置を、第8の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第6から第8のいずれかの画像処理装置は、さらに、前記のテーブルを記憶する第2の記憶手段を備える。以下、この画像処理装置を、第9の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第2、第3、及び第6のいずれかの画像処理装置において、前記の第1の属性は複数であり、前記の表示手段は、前記の画像データを送信すると判断された前記の第1の宛先を、その宛先の属性が一致する前記の第1の属性毎に区別して表示する。以下、この画像処理装置を、第10の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第1の画像処理装置において、前記の第1の判断手段は、設定された前記の宛先の属性毎に、設定された前記の宛先の総数に対するその属性の宛先数の第1の割合を求め、前記の第1の割合が所定の割合以上である第1の属性と、前記の第1の割合が前記の所定の割合未満である第2の属性とが両方存在する場合に、その第1の属性の宛先を、前記の画像データを送信する宛先と判断し、前記の第2の属性の宛先を、前記の画像データを送信しない宛先と判断する。以下、この画像処理装置を、第11の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第11の画像処理装置は、さらに、前記の所定の割合を記憶する第1の記憶手段と、設定された前記の宛先の総数をカウントするカウント手段とを備える。前記の第1の判断手段は、宛先とその宛先の属性との関係を示したテーブルを用いて、設定された前記の宛先の属性を判断する第2の判断手段と、設定された前記の宛先の属性毎に、前記の総数に対するその属性の宛先数の前記の第1の割合を算出する算出手段と、前記の宛先の属性毎に、その第1の割合と前記の所定の割合とを比較する比較手段と、前記の第1の割合が前記の所定の割合以上である前記の第1の属性と、前記の第1の割合が前記の所定の割合未満である前記の第2の属性が存在する場合に、その第1の属性の宛先を、前記の画像データを送信する宛先と判断し、前記の第2の属性の宛先を、前記の画像データを送信しない宛先と判断する第3の判断手段とを備える。以下、この画像処理装置を、第12の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第12の画像処理装置は、さらに、前記のテーブルを記憶する第2の記憶手段を備える。以下、この画像処理装置を、第13の画像処理装置という。
好ましくは、前記の第11から13のいずれかの画像処理装置は、さらに、所定の数を記憶する第3の記憶手段を備える。前記の第1の判断手段は、前記の総数がその所定の数以上である場合に動作する。
好ましくは、前記の第1から14のいずれかの画像処理装置において、前記の表示手段は、前記の第2の宛先とともに、前記の第2の宛先の属性を表示する。
好ましくは、前記の第1から15のいずれかの画像処理装置は、外部から所定の第1の制御信号が入力された場合に、前記の表示手段によって表示された前記の第2の宛先を消去する消去手段を備える。前記の送信手段は、外部から所定の第2の制御信号が入力された場合に、前記の表示手段によって表示されている宛先に前記の画像データを送信する。
本発明による画像処理方法は、ネットワークを介して宛先に画像データを送信する画像処理装置において、前記の宛先にその画像データを送信する前に行われる方法である。この画像処理方法は、少なくとも1つの前記の宛先を取得する第1の取得ステップと、取得した前記の宛先に前記の画像データを送信するか否かをその宛先の属性に基づいて判断する第1の判断ステップと、その第1の判断ステップにおいて前記の画像データを送信すると判断された第1の宛先と送信しないと判断された第2の宛先を区別して表示する表示ステップとを含む。以下、この画像処理方法を、第1の画像処理方法という。
好ましくは、第1の画像処理方法は、さらに、少なくとも1つの第1の属性を取得する第2の取得ステップを含む。前記の第1の判断ステップは、取得した前記の宛先の属性が前記の第1の属性の少なくとも1つに一致するか否かに応じて、その宛先に前記の画像データを送信するか否かを判断するステップである。以下、この画像処理方法を、第2の画像処理方法という。
好ましくは、第1の画像処理方法は、さらに、予め決められた少なくとも1つの第1の属性を記憶する第1の記憶ステップを含む。前記の第1の判断ステップは、取得した前記の宛先の属性が前記の第1の属性の少なくとも1つに一致するか否かに応じて、その宛先に前記の画像データを送信するか否かを判断するステップである。以下、この画像処理方法を、第3の画像処理方法という。
好ましくは、第3の画像処理方法は、さらに、少なくとも1つの第2の属性を追加して取得する追加取得ステップを含む。前記の第1の判断ステップは、取得した前記の宛先の属性が前記の第1及び第2の各属性の少なくとも1つに一致するか否かに応じて、その宛先に前記の画像データを送信するか否かを判断するステップである。以下、この画像処理方法を、第4の画像処理方法という。
好ましくは、第3の画像処理方法は、さらに、少なくとも1つの第2の属性を追加して取得する追加取得ステップを含み、前記の第1の判断ステップは、取得した前記の宛先の属性が前記の第1及び第2の各属性の両方に含まれるか否かに応じて、その宛先に前記の画像データを送信するか否かを判断するステップである。以下、この画像処理方法を、第5の画像処理方法という。
好ましくは、第2又は第3の画像処理方法において、前記の第1の判断ステップは、宛先とその宛先の属性との関係を示したテーブルを用いて、取得した前記の宛先の第3の属性を判断する第2の判断ステップと、前記の第1の属性と第3の属性とを比較する比較ステップと、前記の第3の属性が、前記の第1の属性の少なくとも1つに一致する場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信すると判断し、前記の第3の属性が、前記の第1の属性のいずれにも一致しない場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信しないと判断する第3の判断ステップとを含む。以下、この画像処理方法を、第6の画像処理方法という。
好ましくは、第4の画像処理方法において、前記の第1の判断ステップは、宛先とその宛先の属性との関係を示したテーブルを用いて、取得した前記の宛先の第3の属性を判断する第2の判断ステップと、前記の第1及び第2の各属性と第3の属性とを比較する比較ステップと、前記の第3の属性が、前記の第1及び第2の各属性の少なくとも1つに一致する場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信すると判断し、前記の第3の属性が、前記の第1又は第2の各属性のどちらにも一致しない場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信しないと判断する第3の判断ステップとを含む。以下、この画像処理方法を、第7の画像処理方法という。
好ましくは、第5の画像処理方法において、前記の第1の判断ステップは、宛先とその宛先の属性との関係を示したテーブルを用いて、設定された前記の宛先の第3の属性を判断する第2の判断ステップと、前記の第1及び第2の各属性と前記の第3の属性とを比較する比較ステップと、前記の第3の属性が、前記の第1及び第2の各属性の両方に含まれる場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信すると判断し、前記の第3の属性が、前記の第1及び第2の各属性の少なくとも一方に含まれない場合は、その第3の属性の宛先に前記の画像データを送信しないと判断する第3の判断ステップとを含む。以下、この画像処理方法を、第8の画像処理方法という。
好ましくは、第6から第8のいずれかの画像処理方法は、さらに、前記のテーブルを記憶する第2の記憶ステップを含む。以下、この画像処理方法を、第9の画像処理方法という。
好ましくは、第2、第3、及び第6のいずれかの画像処理方法において、前記の第1の属性は複数であり、前記の表示ステップにおいて、前記の画像データを送信すると判断された前記の第1の宛先を、その宛先の属性が一致する前記の第1の属性毎に区別して表示する。以下、この画像処理方法を、第10の画像処理方法という。
好ましくは、第1の画像処理方法において、前記の第1の判断ステップは、取得した前記の宛先の属性毎に、取得した前記の宛先の総数に対するその属性の宛先数の第1の割合を求め、前記の第1の割合が所定の割合以上である第1の属性と、前記の第1の割合が前記の所定の割合未満である第2の属性とが両方存在する場合に、その第1の属性の宛先を、前記の画像データを送信する宛先と判断し、前記の第2の属性の宛先を、前記の画像データを送信しない宛先と判断するステップである。以下、この画像処理方法を、第11の画像処理方法という。
好ましくは、第11の画像処理方法は、さらに、前記の所定の割合を記憶する第1の記憶ステップと、取得した前記の宛先の総数をカウントするカウントステップとを含む。前記の第1の判断ステップは、宛先とその宛先の属性との関係を示したテーブルを用いて、取得した前記の宛先の属性を判断する第2の判断ステップと、取得した前記の宛先の属性毎に、前記の総数に対するその属性の宛先数の前記の第1の割合を算出する算出ステップと、前記の宛先の属性毎に、その第1の割合と前記の所定の割合とを比較する比較ステップと、前記の第1の割合が前記の所定の割合以上である前記の第1の属性と、前記の第1の割合が前記の所定の割合未満である前記の第2の属性が存在する場合に、その第1の属性の宛先を、前記の画像データを送信する宛先と判断し、前記の第2の属性の宛先を、前記の画像データを送信しない宛先と判断する第3の判断ステップとを含む。以下、この画像処理方法を、第12の画像処理方法という。
好ましくは、第12の画像処理方法は、さらに、前記のテーブルを記憶する第2の記憶ステップを含む。以下、この画像処理方法を、第13の画像処理方法という。
好ましくは、第11から第13のいずれかの画像処理方法は、さらに、所定の数を記憶する第3の記憶ステップを含む。前記の第1の判断ステップは、前記の総数がその所定の数以上である場合に行われる。以下、この画像処理方法を、第14の画像処理方法という。
好ましくは、第1から第14のいずれかの画像処理方法において、前記の表示ステップは、前記の第2の宛先とともに、前記の第2の宛先の属性を表示するステップである。以下、この画像処理方法を、第15の画像処理方法という。
好ましくは、第1から第15のいずれかの画像処理方法は、さらに、外部から所定の第1の制御信号が入力された場合に、前記の表示手段によって表示された前記の第2の宛先を消去する消去ステップを含む。前記の送信ステップにおいて、外部から所定の第2の制御信号が入力された場合に、前記の表示手段によって表示されている宛先に前記の画像データを送信する。
本発明による画像処理装置によれば、宛先に画像データを送信する送信手段と、少なくとも1つの宛先を設定する宛先設定手段と、設定された宛先に画像データを送信するか否かをその宛先の属性に基づいて判断する第1の判断手段と、その第1の判断手段によって画像データを送信すると判断された第1の宛先と送信しないと判断された第2の宛先を区別して表示する表示手段とを備えるので、設定した宛先に誤りがないかどうかを容易に確認することができ、無関係の相手に誤ってデータを送信することを防止することができる。
本発明による画像処理方法によれば、少なくとも1つの宛先を取得する第1の取得ステップと、取得した宛先に画像データを送信するか否かをその宛先の属性に基づいて判断する第1の判断ステップと、その第1の判断ステップにおいて画像データを送信すると判断された第1の宛先と送信しないと判断された第2の宛先を区別して表示する表示ステップとを含むので、設定した宛先に誤りがないかどうかを容易に確認することができ、無関係の相手に誤ってデータを送信することを防止することができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
本発明による画像処理装置は、ユーザによって設定された宛先に対して、その宛先の属性に基づいて、その宛先に画像データを送信する否かを判断し、送信すると判断した宛先と送信しないと判断した宛先とを区別して表示する。ユーザは、そのように区別して表示された宛先を見ることにより、画像処理装置が送信しないと判断した宛先を、誤りがないか特に注意して確認することができるので、画像データが誤って無関係の相手に送られる回数が大幅に低減される。
実施の形態1による画像処理装置は、例えばその画像処理装置の管理者等によって予め設定された宛先の属性を記憶している。そして、ユーザ、すなわち送信者によって設定された宛先の属性とその予め記憶された宛先の属性とを比較し、それらが一致する場合は、その設定された宛先に画像データを送信すると判断し、それらが異なる場合は、その設定された宛先に画像データを送信しないと判断する。
図1は、本発明の実施の形態1による画像処理装置を備えた画像処理システムの構成例を示すブロック図である。図1に示されるように、画像処理システム1は、LAN等のネットワーク2を介して接続された少なくとも1つの画像処理装置3と、少なくとも1つの端末装置4とを備える。なお、以下では、例として、この画像処理システムを社内の画像処理システムとし、ネットワーク2をLANとする。画像処理装置3としては、例えば、MFPがあり、端末装置4としては、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)がある。
図2は、本実施の形態1による画像処理装置3の構成例を示すブロック図である。図2に示されるように、画像処理装置3は、ROM11、RAM12、CPU13、ネットワークインタフェースカード(Network Interface Card 以下、「NIC」という。)14、操作パネル15、ハードディスク16、スキャナ部17、及びプリンタ部18を備える。NIC14は、画像処理装置3をネットワーク2に接続する装置である。操作パネル15は、ユーザがログイン及びログアウトの操作や、宛先の設定等を行うパネルである。ハードディスク16は、各画像処理装置3に対応するアドレス帳や各種プログラムを記憶する。CPU13は、ROM11及びハードディスク16にそれぞれ格納されたプログラムに従って、画像処理装置3の各構成要素を制御する。
図3は、操作パネル15の平面図である。図3に示されるように、操作パネル15は、基本画面操作部21とボタン操作部22とを有する。基本画面操作部21は、表示画面であり、この画面に触れる、すなわちタッチすることにより所定の設定を行うことができる。ボタン操作部22は、スタートボタン23、テンキーボタン24、及び複数のモードボタン25を有する。各モードボタン25は、コピーモード、スキャナモード、及びプリンタモードにそれぞれ対応する。ユーザは、このモードボタン25を押すことによって、画像形成装置3の機能を、その押したボタンに対応する機能、すなわちコピー、スキャナ又はプリンタのいずれかの機能に切り替えることができる。
以下に、操作パネル15において設定された宛先にネットワーク2を介して画像データを送信する場合の画像処理装置3の動作を説明する。図4は、予め記憶された属性と異なる属性の宛先が設定された場合に、その宛先が他の宛先と異なる色で表示されるときのCPU13の制御フローを示すフローチャートである。まず、画像処理装置3に対して、例えば、画像処理装置3の管理者等により、アドレス帳、そのアドレス帳に登録された宛先とその宛先の属性との関係を示すテーブル、及び宛先に関する1つの属性が予め設定される。具体的には、図4に示されるように、まず、CPU13は、予め、ハードディスク(図4では、「HD」と記載する。)16に、アドレス帳及びそのアドレス帳に登録された宛先とその宛先の属性との関係を示すテーブルを記憶させる(ステップS10)。さらに、画像処理装置3の管理者等により、操作パネル15から宛先の属性が設定されると、CPU13は、設定されたその宛先の属性をハードディスク16に記憶させる(ステップS11)。次に、ユーザによって操作パネル15のログインボタンが押され、パスワード等が入力されると(ステップS12)、CPU13は、操作パネル15に初期設定画面を表示させる。ユーザによって、その初期設定画面、若しくは、その初期設定画面から少なくとも1回画面を切り替えることによって表示された所定の宛先設定画面における所定の宛先設定ボタンが押されると、CPU13は、ハードディスク16に記憶されているアドレス帳を読み出し、そのアドレス帳を操作パネル15に表示させる。ユーザはそのアドレス帳の画面から宛先を選択することによって宛先を設定する。
図5は、上述の宛先設定画面の一例を示す。また、図6は、上述のアドレス帳の画面の一例を示す。図5に示されるように、この宛先設定画面31は、データ送信ボタン32、宛先設定ボタン33、宛先クリアボタン34、及び宛先表示部35を有する。ユーザは、この宛先設定画面31を用いて、宛先設定から、宛先クリア、データの送信指示まで行う。ユーザが宛先設定ボタン33を押すと、操作パネル15における画面が、図6に示されるようなアドレス帳の画面41に切り替わる。アドレス帳の画面41が表示されると、ユーザは、表示されたアドレス帳の中から宛先を選択することにより、宛先を設定することができる。ユーザがアドレス帳の画面41において1つ宛先を選択すると、操作パネル15の画面は再び宛先設定画面31に切り替わり、選択された宛先が、設定済み宛先表示部35に表示される。ユーザは、さらに宛先を追加して設定するときは、宛先設定ボタン33を押す。なお、ここでは、アドレス帳の中から宛先を選択することにより宛先を設定したが、宛先の設定方法は、これに限らない。
図4において、CPU13は、操作パネル15から宛先を1つ取得する毎に(ステップS13)、ハードディスク16に記憶されたテーブルを参照して、設定された宛先の属性を判断する(ステップS14)。さらに、CPU13は、ハードディスク16に予め記憶されている宛先の属性を読み出し、ステップS14で得られた宛先の属性と、ハードディスク16に予め記憶されている宛先の属性とを比較する(ステップS15)。それらの属性が一致している場合、CPU13は、ユーザによって設定された宛先に画像データを送信すると判断し(ステップS15でYES)、操作パネル15に、そのユーザによって設定された宛先を、設定済み宛先表示部35(図4)に字の色を変えずに、すなわち黒色で表示させる(ステップS16)。一方、それらの属性が一致していない場合、CPU13は、ユーザによって設定されたその宛先に画像データを送信しないと判断し(ステップS15でNO)、操作パネル15に、そのユーザによって設定された宛先を、設定済み宛先表示部35に字の色を変えて、例えば赤色で表示させる(ステップS17)。これにより、ユーザは、設定した宛先の属性が、例えば画像処理装置3の管理者によって予め限定された属性と異なっていることを知ることができる。
ユーザは、設定済み宛先表示部35に表示された宛先を見て、その宛先に誤りがないかどうか再度確認する。この際、赤色で表示された宛先を、特に注意して確認することができる。ユーザは、宛先を確認した後、宛先設定画面31に表示された3つのボタン32〜34のうちいずれか1つを押す。ユーザが、各ボタン32〜34のいずれかを押すと、そのボタン32〜34の種類に応じて制御信号が生成される。CPU13は、その生成された制御信号に応じてユーザがどのボタンを押したかを検知する(ステップS18)。CPU13は、ユーザによって宛先設定ボタン33が押されると(ステップS18で「宛先設定」)、操作パネル15に再びアドレス帳の画面41を表示させる。また、ユーザによって宛先クリアボタン34が押されると(ステップS18で「宛先クリア」)、操作パネル15にその直前に設定された、すなわち最後に表示された宛先を消去させて、その消去された宛先を表示させる(ステップS19)。また、ユーザによってデータ送信ボタン32が押されると(ステップS18で「データ送信」)、NIC14に、設定済み宛先表示部35に表示された全ての宛先へ画像データを送信させ(ステップS20)、処理を終了する。
例えば、画像処理装置3の管理者が予め設定した宛先の属性は「社内」であるとする。この場合に、ユーザが、宛先として「社内」の属性である宛先1及び宛先2を設定すると、図5に示されるように、それらの宛先は、設定済み宛先表示部35において黒色で表示される。また、ユーザが、宛先として「社外」の属性である宛先3を設定すると、その宛先3は、設定済み宛先表示部35において赤色で(図5では、下線が付されて)表示される。これにより、ユーザに「社外」の宛先が設定されたことを知らせることができ、ユーザは、属性の異なる宛先を設定したことを容易に知ることができる。よって、その設定した宛先が誤りである場合に、ユーザは、その誤りを容易に知ることができ、データが送信される前に設定した宛先の誤りを訂正することが可能となる。なお、表示される宛先の色の組み合わせは、予め設定された属性に一致する属性の宛先と一致しない属性の宛先とを区別できれば、黒色と赤色以外の別の組み合わせでもよいことは明らかである。また、それらの宛先を、表示される色ではなく、表示される字の大きさや書体等で区別してもよい。
なお、上述したように、画像処理装置が行った送信するか否かの判断は、その宛先が画面に表示される場合にどのように表示されるかを定めるものであり、実際にその宛先に画像データを送信するか否かを定めるものではない。その宛先に実際に画像データが送信されるか否かは、ユーザが「送信ボタン」が押すか否かによって定められる。よって、画像処理装置が送信しないと判断した宛先でもユーザがその宛先をクリアせずに送信ボタンを押すならば、その宛先に画像データが送信され、反対に、画像処理装置が送信すると判断した場合であっても、ユーザがその宛先をクリアすれば、その宛先に画像データは送信されない。
なお、画像処理装置3の管理者等によって予め設定された宛先の属性に、ユーザが新たに宛先の属性を追加することができる。図7及び図8は、予め限定された属性にユーザが新たに属性を追加する場合のCPU13の制御フローを示すフローチャートである。図7に示されるように、まず、CPU13は、予め、ハードディスク(図7では、「HD」と記載する。)16に、アドレス帳及びそのアドレス帳に登録された宛先とその宛先の属性との関係を示すテーブルを記憶させる(ステップS30)。さらに、画像処理装置3の管理者等により、操作パネル15から宛先の属性が設定されると、CPU13は、設定されたその宛先の属性を予めハードディスク16に記憶させる(ステップS31)。次に、ユーザによって操作パネル15のログインボタンが押され、パスワード等が入力されると(ステップS32)、CPU13は、操作パネル15に初期設定画面を表示させる(ステップS33)。
図9は、図7のステップS33において表示される初期設定画面の一例を示す。図9に示されるように、初期設定画面51は、宛先設定ボタン52と宛先属性限定条件追加ボタン53とを備える。ユーザは、HD16に記憶され、ユーザによって設定された宛先と比較される宛先の属性、すなわち宛先の属性限定条件が、画像処理装置3の管理者等によって予め設定された条件でよい場合は、宛先設定ボタン52を押し、宛先設定を行う。一方、予め設定された宛先の属性限定条件に新たに条件を追加したい場合は、ユーザは、宛先属性限定条件追加ボタン53を押し、宛先属性限定条件の追加設定を行う。
図7に示されるように、ユーザが初期設定画面51における宛先属性限定条件追加ボタン53を押すと(ステップS34で「宛先属性限定条件追加」)、CPU13は、操作パネル13に、宛先属性限定の条件追加画面を表示させる(ステップS35)。ユーザは、その条件追加画面を用いて、宛先属性限定の条件を追加する。以下に、この宛先属性限定の追加処理について説明する。
図10は、上述の条件追加画面の一例を示す。図10に示されるように、条件追加画面61では、予め画像処理装置の管理者3が設定したデフォルトの条件、すなわちユーザが変更することができない条件62と、「AND」又は「OR」の選択肢63と、追加可能な宛先属性限定条件のリスト64とが表示される。ユーザは、宛先属性限定条件を追加するとき、選択肢63のうち「AND」又は「OR」を選択し、リスト64から追加する宛先属性限定条件を選択する。図10に示された例では、デフォルトの属性が「社内」で、ユーザは追加の属性として「部長」を設定している。この場合、ユーザが設定する宛先の属性は、「社内の部長」に限定される。ユーザが、この条件追加画面61において、1つ条件を追加すると、CPU13は、再び、操作パネル15に、初期設定画面51を表示させる。ユーザは、さらに条件を追加する場合は、宛先属性限定条件追加ボタン53を押し、追加しない場合は、宛先設定ボタン52を押す。ユーザが、宛先属性限定条件を追加すると、CPU13は、設定された宛先属性限定条件をHD16に記憶させる(ステップS36)。
ユーザが、初期設定画面51において宛先設定ボタン52を押すと(ステップS34で「宛先設定」)、CPU13は、操作パネル15に、宛先設定画面31を表示させる。それ以降の処理は、図4を参照して説明した内容と同様である。ユーザが宛先設定ボタン33を押すと、CPU13は、操作パネル15に、その画面を、図6に示されるようなアドレス帳の画面41に切り替えさせる。アドレス帳の画面41が表示されると、ユーザは、表示されたアドレス帳の中から宛先を選択して、宛先を設定する。ユーザがアドレス帳の画面41において1つ宛先を選択すると、CPU13は、操作パネル15に、その画面を再び宛先設定画面31に切り替えさせ、選択された宛先を、設定済み宛先表示部35に表示させる。ユーザは、さらに宛先を追加して設定するときは、宛先設定ボタン33を押す。
図8において、CPU13は、操作パネル15から宛先を1つ取得する毎に(ステップS37)、ハードディスク16に記憶されたテーブルを参照して、設定された宛先の属性を判断する(ステップS38)。さらに、CPU13は、HD16に記憶された宛先限定条件によって、ユーザが条件追加画面61の選択肢63において、「AND」及び「OR」のどちらを選択したかを判断し(ステップS39)、ユーザが「AND」を選択したと判断した場合(ステップS39において「AND」)、CPU13は、ハードディスク16に記憶されている宛先の属性を読み出し、ステップS38で得られた宛先の属性と、ハードディスク16に記憶されている宛先の属性とを比較する(ステップS40)。ここで、ハードディスク16に記憶されている宛先の属性とは、HD16に予め記憶されていた属性、及びユーザがログイン後に追加した宛先の属性である。設定された宛先の属性がHD16に記憶されている全ての宛先の属性に含まれる場合、CPU13は、ユーザによって設定された宛先に画像データを送信すると判断し(ステップS40でYES)、操作パネル15に、そのユーザによって設定された宛先を、設定済み宛先表示部35に字の色を変えずに、すなわち黒色で表示させる(ステップS41)。また、設定された宛先の属性がHD16に記憶されている宛先の属性の少なくとも1つに含まれない場合、CPU13は、ユーザによって設定されたその宛先に画像データを送信しないと判断し(ステップS40でNO)、操作パネル15に、そのユーザによって設定された宛先を、設定済み宛先表示部35に字の色を変えて、例えば赤色で表示させるとともに、その宛先の属性を表示させる(ステップS42)。
一方、ユーザが条件追加画面61の選択肢63において、「AND」及び「OR」のどちらを選択したかを判断し(ステップS39)、ユーザが「OR」を選択したと判断した場合(ステップS39において「OR」)、CPU13は、ハードディスク16に記憶されている宛先の属性を読み出し、ステップS38で得られた宛先の属性と、ハードディスク16に記憶されている宛先の属性とを比較する(ステップS43)。ここで、ハードディスク16に記憶されている宛先の属性とは、HD16に予め記憶されていた属性、及びユーザがログイン後に追加した宛先の属性である。設定された宛先の属性がHD16に記憶されている予め記憶されていた属性及びユーザがログイン後に追加した宛先の属性のいずれか一方に一致する場合、CPU13は、ユーザによって設定された宛先に画像データを送信すると判断し(ステップS43でYES)、操作パネル15に、そのユーザによって設定された宛先を、設定済み宛先表示部35に字の色を変えずに、すなわち黒色で表示させる(ステップS41)。また、設定された宛先の属性がHD16に記憶されている、予め記憶されていた属性又はユーザがログイン後に追加した宛先の属性のどちらにも一致しない場合、CPU13は、ユーザによって設定されたその宛先に画像データを送信しないと判断し(ステップS43でNO)、操作パネル15に、そのユーザによって設定された宛先を、設定済み宛先表示部35に字の色を変えて、例えば赤色で表示させるとともに、その宛先の属性を表示させる(ステップS42)。これにより、ユーザは、設定した宛先の属性が、宛先の属性限定条件と異なっていることを知ることができる。それ以降の処理であるステップS44〜46は、図4で示されたステップS18〜20と同一であるので、説明を省略する。
図11は、ステップS41,42により、ユーザによって設定された全ての宛先が設定済み宛先表示部35に表示された場合の宛先設定画面31を示す図である。図11に示された宛先設定画面31では、画像処理装置3が画像データを送信しないと判断した宛先と送信すると判断した宛先が区別して表示されると共に、画像処理装置3が画像データを送信しないと判断した宛先については、その属性が表示される。例えば、予め設定された宛先属性限定条件が「社内」であり、ユーザが、選択肢63のうち「AND」、リスト64から「部長」をそれぞれ選択した場合、すなわち宛先属性限定条件として「社内の部長」を追加した場合、ユーザが、宛先として「社外」の属性である宛先1を設定すると、設定済み宛先表示部35では、その宛先1が赤色で表示されると共に、宛先1の属性も表示される。また、ユーザが宛先として「社内の部長」の属性である宛先2を設定すると、設定済み宛先表示部35では、宛先2が黒色で表示される。さらに、ユーザが宛先として「社内の主任」の属性である宛先3を設定すると、設定済み宛先表示部35では、宛先3が赤色で表示されるとともに、宛先3の属性が表示される。これにより、予め限定された属性「社内の部長」以外の宛先が設定されたことをユーザに知らせることができる。ユーザは、その表示を見ることにより、「社内の部長」以外の宛先が設定されたことを知ることができるので、データの送信前に、その「社内の部長」以外の宛先を消去することができ、宛先の設定ミスを防ぐことができる。
さらに、宛先の属性を画像処理装置3の管理者等が予め設定するのではなく、ユーザがログインした後で設定することもできる。図12は、ユーザが、ログイン後、宛先の属性を初期設定する場合のCPU13の制御フローを示すフローチャートである。この場合は、予め画像処理装置3の管理者が宛先の属性を限定する必要はない。画像処理装置3の管理者等は、画像処理装置3に対して、アドレス帳、そのアドレス帳に登録された宛先とその宛先の属性との関係を示すテーブルを設定する。図12に示されるように、CPU13は、予め、ハードディスク(図4では、「HD」と記載する。)16に、アドレス帳及びそのアドレス帳に登録された宛先とその宛先の属性との関係を示すテーブルを記憶させておく(ステップS50)。CPU13は、ユーザによって操作パネル15のログインボタンが押され、パスワード等が入力されると(ステップS51)、操作パネル15に宛先属性限定モード画面を表示させる(ステップS52)。
図13は、上述の宛先属性限定モード画面の一例を示す。図13に示されるように、宛先属性限定モード画面71は、管理職モードボタン71と社内モードボタン73とを有する。ユーザは、表示されたいずれかのモードボタンを押すことにより、宛先の属性を設定することができる。例えば、管理職モードボタン72を押した場合、ユーザが設定する宛先の属性は、「管理職」に限定される。なお、この宛先属性限定モード画面71は一例であり、表示されるモードボタンの数、及び各モードボタンによって限定される宛先の属性の種類はこれに限らない。
図12に示されるように、ユーザによっていずれかの宛先属性限定モードボタンが押されると、CPU13は、設定された宛先属性限定条件をHD16に記憶させる(ステップS53)。そして、CPU13は、操作パネル15に宛先設定画面31を表示させる。以降の処理は、図4を参照して説明した内容と同様である。ユーザが宛先設定ボタン33を押すと、操作パネル15における画面が、図6に示されるようなアドレス帳の画面41に切り替わる。アドレス帳の画面41が表示されると、ユーザは、表示されたアドレス帳の中から宛先を選択することにより、宛先を設定することができる。ユーザがアドレス帳の画面41において1つ宛先を選択すると、操作パネル15の画面は再び宛先設定画面31に切り替わり、選択された宛先が、設定済み宛先表示部35に表示される。ユーザは、さらに宛先を追加して設定するときは、宛先設定ボタン33を押す。
図12において、CPU13は、操作パネル15から宛先を1つ取得する毎に(ステップS54)、ハードディスク16に記憶されたテーブルを参照して、設定された宛先の属性を判断する(ステップS55)。さらに、CPU13は、ハードディスク16に記憶されている宛先の属性、すなわちユーザが予め設定した宛先属性限定条件を読み出し、ステップS55で求めた宛先の属性と、ハードディスク16に記憶されているその宛先の属性とを比較する(ステップS56)。それらの属性が一致している場合、CPU13は、ユーザによって設定された宛先、すなわちステップS54で取得した宛先に画像データを送信すると判断し(ステップS56でYES)、操作パネル15に、そのステップS54で取得した宛先を、設定済み宛先表示部35に字の色を変えずに、すなわち黒色で表示させる(ステップS57)。一方、それらの属性が一致していない場合、CPU13は、ステップS54で取得した宛先に画像データを送信しないと判断し(ステップS56でNO)、操作パネル15に、そのステップS54で取得した宛先を、設定済み宛先表示部35に字の色を変えて、例えば赤色で表示させるとともに、その宛先の属性を表示させる(ステップS58)。これにより、ユーザは、設定した宛先の属性が、ユーザ自身が予め設定した属性と異なっていることを知ることができる。それ以降の処理であるステップS59〜61は、図4で示されたステップS18〜20と同一であるので、説明を省略する。
図14は、ステップS57,58により、ユーザによって設定された全ての宛先が設定済み宛先表示部35に表示された場合の宛先設定画面31を示す図である。図12に示された宛先属性限定モード画面71において管理職モードボタンを押し、宛先の属性を「管理職」に限定した場合、ユーザが、画像データを送信する宛先として「管理職」の属性である宛先1及び宛先2を設定すると、それらの宛先1及び宛先2は、設定済み宛先表示部35においてそれぞれ黒色で表示される。ユーザが、画像データを送信する宛先として「管理職外」の属性である宛先3を設定すると、その宛先3が設定済み宛先表示部35において赤色で(図13では、下線が付されて)表示されると共に、宛先3の属性も表示される。これにより、予め限定された属性「管理職」以外の宛先が設定されたことをユーザに知らせることができる。ユーザは、その表示を見ることにより、「管理職」以外の宛先を設定したことを知ることができるので、データの送信前に、その「管理職」以外の宛先を消去することができ、宛先の設定ミスを防ぐことができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2による画像処理装置について説明する。本実施の形態2による画像処理装置、及びその画像処理装置を備えた画像処理システムの構成は、実施の形態1による画像処理装置、及びその画像処理装置を備えた画像処理システムの構成と同様であるので説明を省略する。本実施の形態2による画像処理装置が、実施の形態1による画像処理装置と異なる点は、画像処理装置3の管理者等によって予め設定された宛先の属性が1つではなく複数個であり、ユーザによって設定された宛先がその複数個の属性のいずれかに一致する場合は、ユーザによって設定された宛先をその宛先の属性毎に区別して表示する点である。
図15及び図16は、予め設定された宛先の属性が複数個であり、さらに、設定された宛先が予め設定された複数個の宛先のいずれかである場合に、その設定された宛先が属性毎に色を変えて表示される場合のCPU13の制御フローを示すフローチャートである。まず、画像処理装置3に対して、画像処理装置3の管理者等により、アドレス帳、そのアドレス帳に登録された宛先とその宛先の属性との関係を示す第1のテーブル、及び宛先の属性とその属性の宛先を表示する色との関係を示す第2のテーブルが予め設定される。具体的には、図15に示されるように、CPU13は、ハードディスク(図15では、「HD」と記載する。)16に、アドレス帳及びそのアドレス帳に登録された宛先とその宛先の属性との関係を示す第1のテーブルを記憶させる(ステップS70)。さらに、画像処理装置3の管理者等により、操作パネル15を用いて、宛先の属性とその属性の宛先を表示する色が設定されると、CPU13は、設定された宛先の属性とその属性に対応する色とを、宛先の属性とその属性の宛先を表示する色との関係を示す第2のテーブルとして、ハードディスク16に記憶させる(ステップS71)。次に、ユーザによって操作パネル15のログインボタンが押され、パスワード等が入力されると(ステップS72)、CPU13は、操作パネル15に初期設定画面を表示させる。ユーザは、操作パネル15においてアドレス帳から宛先を選択する等により宛先を設定する。
CPU13は、図4のステップS13と同様に、宛先を1つ取得すると(ステップS73)、ハードディスク16に記憶された第1のテーブルを参照し、その設定された宛先の属性を判断する(ステップS74)。さらに、CPU13は、ハードディスク16に予め記憶されている、宛先の属性とその属性に対応する色を示す第2のテーブルの中から、ユーザによって設定された宛先の属性を検索する(ステップS75)。そして、CPU13は、ユーザによって設定された宛先の属性が、第2のテーブルに存在すると判断した場合は(ステップS75でYES)、その第2のテーブルを用いて、設定された宛先に対応する色を求める(ステップS76)。例えば、第2のテーブルにおいて、「A」という属性及び「B」という属性に対してそれぞれ赤色及び青色が定められているなら、CPU13は、ユーザによって設定された宛先の属性を判断し、それが「A」である場合に(ステップS76で「属性A」)、操作パネル15に、その設定された宛先を、設定済み宛先表示部35に赤色で表示させる(ステップS77)。同様に、ユーザによって設定された宛先の属性を判断し、それが「B」である場合は(ステップS76で「属性B」)、CPU13は、操作パネル15に、その設定された宛先を、設定済み宛先表示部35に青色で表示させる(ステップS78)。一方、CPU13は、ユーザによって設定された宛先の属性が第2のテーブルに存在しないと判断した場合(ステップS75でNO)、すなわち、ユーザによって設定された宛先の属性が「A」及び「B」のどちらの属性でもないと判断した場合、操作パネル15に、その設定された宛先を、設定済み宛先表示部35に黒色で表示させる(ステップS79)。
ユーザは、設定済み宛先表示部35に表示された宛先を見て、その宛先に誤りがないかどうか再度確認する。この際、黒色で表示された宛先は、画像処理装置3がその宛先に画像データを送信しないと判断した宛先であり、ユーザはそれを特に注意して確認することができる。さらに、黒色以外で表示された宛先、すなわち画像処理装置3が画像データを送信すると判断した宛先であっても、宛先の属性毎に色が異なるため、ユーザは、それらの宛先の中にも誤りがないかどうかを容易に確認することができる。
ユーザは、宛先を確認した後、宛先設定画面31に表示された3つのボタン32〜34のうちいずれか1つを押す。図16に示されるように、ユーザによって宛先設定ボタン33が押されると(ステップS80で「宛先設定」)、CPU13は、操作パネル15に再びアドレス帳の画面41を表示させ、宛先を取得して(ステップS73)、それ以降は上述した処理と同様の処理を行う。また、ユーザによって宛先クリアボタン39が押されると(ステップS80で「宛先クリア」)、操作パネル15にその直前に設定された、すなわち最後に表示された宛先を消去させて、その消去された宛先を表示させる(ステップS81)。また、ユーザによってデータ送信ボタン32が押されると(ステップS80で「データ送信」)、NIC14に、設定済み宛先表示部35に表示された全ての宛先へ画像データを送信させ(ステップS82)、処理を終了する。
図17は、図15及び図16のフローチャートに従って処理が行われた場合に表示される宛先設定画面31の一例を示す。ここで、画像処理装置3の管理者が、予め、宛先の属性とその属性の宛先を表示する色を、「東京支社は青」、「大阪支社は緑」、「社外は赤」のようにそれぞれ設定したとする。このとき、ユーザが、宛先として「東京支社」の属性である宛先1を設定すると、設定済み宛先表示部35に青字で(図17では、下線が付されて)表示される。また、第2のテーブルに存在しない「その他」の属性である宛先2を設定すると、設定済み宛先表示部35において黒字で表示される。「社外」の属性である宛先3を設定すると、宛先3は赤字で表示される(図8では、実線で囲まれる)。「大阪支社」の属性である宛先4を設定すると、宛先4は緑字で表示される(図8では、点線で囲まれる)。以上のように宛先が属性毎に区別して表示されるので、ユーザは、宛先ごとの属性を容易に知ることができ、宛先設定の誤りを容易に見つけることができる。すなわち、ユーザは、データが送信される前に宛先設定の誤りを訂正することが可能になる。
なお、本実施の形態2による画像処理装置においては、第2のテーブルを予め画像処理装置の管理者等が設定したが、実施の形態1で説明したように、ユーザがログイン後に設定することも可能である。また、予め管理者等によって設定された第2のテーブルに、ユーザが、新たに宛先の属性とその属性の宛先を表示する色の関係を追加することも可能である。
(実施の形態3)
実施の形態3による画像処理装置は、ユーザによって複数の宛先が設定された場合に、その設定された全ての宛先の属性を判断し、その属性毎に、設定された宛先の総数に対するその属性の宛先数の割合を求める。そして、その割合が、あらかじめ設定された割合以上である第1の属性と、あらかじめ設定された割合未満である第2の属性とが両方存在する場合に、その第1の属性の宛先を、画像データを送信する宛先であると判断し、第2の属性の宛先を、画像データを送信しない宛先であると判断する。
図18は、本発明の実施の形態3による画像処理装置を備えた画像処理システムの構成例を示すブロック図である。図18において、図1の画像処理システム1と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。図18の画像処理システム75が、図1の画像処理システム1と異なる点は、ネットワーク2に新たにLight weight directory access protolサーバ(以下、「LDAPサーバ」という。)76が接続されている点である。
図19及び図20は、ユーザによって設定された複数の宛先が全て妥当であるかどうかを判断するときのCPU13の制御フローを示すフローチャートである。図21及び図22は、図19のステップS100の宛先妥当性判断ルーチンを示すフローチャートである。まず、画像処理装置3の管理者等により、画像処理装置3に対して、操作パネル15を用いて設定された宛先の妥当性を判断するための2つの設定値、すなわち設定宛先数と妥当性判断割合が予め設定される。具体的には、図19に示されるように、画像処理装置3の管理者により、操作パネル15から設定宛先数と妥当性判断割合が入力されると、CPU13は、設定宛先数及び妥当性判断割合を、それぞれハードディスク(図19では、「HD」と記載される)16に記憶させる(ステップS90,S91)。次に、ユーザによって操作パネル15のログインボタンが押され、パスワード等が入力されると(ステップS92)、CPU13は、操作パネル15に第1の宛先設定画面を表示させる(ステップS94)。
図23は、上述の第1の宛先設定画面の一例を示す。図23に示されるように、この第1の宛先設定画面81は、設定完了ボタン82、宛先設定ボタン83、宛先クリアボタン34、及び設定済み宛先表示部85を有する。ユーザは、第1の宛先設定画面81を用いて、宛先設定から、宛先クリア、宛先設定完了指示まで行う。ユーザによって、宛先設定ボタン83が押されると、操作パネル15の画面が、図6に示されるアドレス帳の画面41に切り替わり、ユーザはそのアドレス帳の中から宛先を選択する。アドレス帳から宛先が選択されると、操作パネル15の画面が第1の宛先設定画面81に切り替わり、アドレス帳の画面41で選択された宛先が、設定済み宛先表示部85に表示される。ユーザによって設定完了ボタン82が押されると、後述する以降の処理が行われる。宛先クリアボタン84が押されると、設定済み宛先表示部85に表示された宛先から最後に設定された宛先が1つ消去される。
図19において、CPU13が、第1の宛先設定画面81を表示させると(ステップS94)、ユーザは、設定完了ボタン82、宛先設定ボタン83、宛先クリアボタン84、及び宛先表示部85のいずれかのボタンを選択する。ユーザによって宛先設定ボタン83が押されると(ステップS95で「宛先設定」)、対応する所定の制御信号が生成され、CPU13はその制御信号を検知することにより、操作パネル15に、アドレス帳の画面41を表示させる。CPU13は、再びステップS93から処理を行う。また、ユーザによって宛先クリアボタン82が押されると(ステップS95で「宛先クリア」)、対応する所定の制御信号が生成され、CPU13はその制御信号を検知することにより、操作パネル15にその直前に設定された宛先を消去させて、その消去された宛先を表示させる(ステップS96)。設定完了ボタン82が押されると(ステップS95で「設定完了」)、対応する所定の制御信号が生成され、CPU13はその制御信号を検知することにより、次のステップS97に進む。
CPU13は、ステップS97において、ユーザによって設定された、すなわちCPU13が取得した宛先の数をカウントする(ステップS97)。そして、そのカウントした宛先取得数と、ハードディスク16に記憶させた設定宛先数とを比較する(ステップS98)。カウントした宛先取得数が、その設定宛先数未満の場合は(ステップS98においてNO)、CPU13は、操作パネル15に、取得した全ての宛先を黒色で表示させる(ステップS99)。一方、宛先取得数が設定宛先数以上である場合は(ステップS98においてYES)、宛先妥当性判断ルーチンに入り、設定された宛先が全て妥当かどうかを判断する(ステップS100)。
CPU13は、宛先妥当性判断ルーチンにおいて全ての宛先が妥当である、すなわち妥当でない宛先が存在しないと判断した場合(ステップS101でNO)、操作パネル15に、その画面を、第1の宛先設定画面81から第2の宛先設定画面に切り替えさせて、その第2の宛先設定画面に、全ての宛先を、色を変えずに、すなわち黒色で表示させる(ステップS99)。一方、宛先妥当性判断ルーチンで、妥当でない宛先が存在すると判断した場合(ステップS101でYES)、CPU13は、操作パネル15に、第1の宛先設定画面81から第2の宛先設定画面に画面を切り替えさせて、その第2の宛先設定画面に、全ての宛先を表示させるが、そのとき妥当でないと判断された宛先を、色を変えて、例えば赤色等で表示させる(ステップS102)。これにより、ユーザが設定した複数の宛先の中に属性が不自然に異なる宛先が存在することをユーザに知らせることができる。
図24は、上述の第2の宛先設定画面の一例を示す。図24(a)は、全ての宛先が妥当であると判断された場合に表示される画面であり、図24(b)は、妥当でない宛先が存在する場合に表示される画面である。図24に示されるように、第2の宛先設定画面86は、データ送信ボタン87、宛先設定ボタン88、宛先クリアボタン89、及び設定済み宛先表示部90を有する。図19のステップS101において全ての宛先が妥当であると判断された場合は、図24(a)に示されるように、設定済み宛先表示部90において全ての宛先が黒字で表示される。一方、妥当でない宛先が存在すると判断された場合は、図24(b)に示されるように、設定済み宛先表示部90において、妥当でないと判断された宛先が色を変えて(図24(b)では、下線が付されて)表示されるとともに、その妥当でないと判断された宛先の設定をクリアするか否かをユーザに選択させるクリア選択部91の画面が表示される。クリア選択部91では、その妥当でないと判断された宛先と、その宛先の属性が表示される。ユーザがそのクリア選択部91において「はい」のボタンを押す、すなわち宛先設定をクリアすることを選択すると、色を変えて表示された宛先が全て消去される。選択部91において「いいえ」のボタンを押す、すなわち宛先設定をクリアしないことを選択すると、そのクリア選択部91は第2の宛先設定画面から消去されるが、色を変えて表示された宛先は、そのまま設定済み宛先表示部90に表示されたままとなる。
上述したように、宛先妥当性判断ルーチンで、妥当でない宛先が存在すると判断すると(ステップS101でYES)、CPU13は、操作パネル15に、図24(b)に示される第2の宛先設定画面86を表示させる。この第2の宛先設定画面86では、妥当でないと判断された宛先が赤色等で表示されるとともに、クリア選択部91の画面が表示される(ステップS102)。ユーザは、クリア選択部91において、妥当でないと判断された宛先を消去するか否かを選択する。ここで、ユーザによって「はい」のボタンが押されると(ステップS103でYES)、CPU13は、操作パネル15に、妥当でないと判断された宛先を消去させ(ステップS104)、次のステップS105へ進む。ユーザによって「いいえ」のボタンが押されると(ステップS103でNO)、宛先の表示はそのままで、次のステップS105に進む。
ユーザは、第2の設定画面86の設定済み宛先表示部90を見て、データ送信ボタン87、宛先設定ボタン88、及び宛先クリアボタン89のいずれかのボタンを選択する。ユーザによって宛先設定ボタン88が押されると(ステップS105で「宛先設定」)、CPU13は、操作パネル15にアドレス帳の画面41を表示させる。ユーザは、再び宛先を入力するので、CPU13は、ステップS93から処理をやり直す。宛先クリアボタン88が押されると(ステップS105で「宛先クリア」)、CPU13は、操作パネル14に、設定済み宛先表示部90において、最後に設定された宛先を1つ消去させる(ステップS106)。ユーザによってデータ送信ボタン87が押されると(ステップS105で「データ送信」)、NIC14に、設定済み宛先表示部90に表示された全ての宛先へ画像データを送信させ(ステップS107)、処理を終了する。
次に、宛先妥当性ルーチンについて詳細に説明する。図21及び図22に示された宛先妥当性ルーチンにおいて、CPU13は、まず、取得した全ての宛先の属性を、LDAPサーバ76に記憶されたテーブルを用いて判断する(ステップS121)。次に、設定された宛先の部門の属性毎に、その部門の属性の宛先の数をカウントして、取得した全宛先数に対する各部門の属性の宛先数の割合(以下、「部門属性割合」という。)をそれぞれ算出する(ステップS122)。次に、CPU13は、部門の属性毎に、その部門属性割合と、画像処理装置3の管理者によって設定された妥当性判断割合とを比較する(ステップS123)。ここで、部門属性割合が妥当性判断割合以上である部門の属性、及び部門属性割合が妥当性判断割合未満である部門の属性が両方存在する場合(ステップS124でYES)、CPU13は、部門属性割合が妥当性判断割合未満である部門の属性の宛先を妥当でないと判断し(ステップS125)、宛先妥当性ルーチンを終了する。部門属性割合が妥当性判断割合以上の部門の属性、及び部門属性割合が妥当性判断割合未満である部門の属性が両方存在しない場合、すなわちいずれか一方のみが存在する場合は(ステップS124でNO)、CPU13は、設定された宛先の階層の属性毎に、その階層の属性の宛先の数をカウントして、取得した全宛先数に対する各階層の属性の宛先数の割合(以下、「階層属性割合」という。)をそれぞれ算出する(ステップS126)。次に、CPU13は、全ての階層の属性毎に、その階層属性割合と、画像処理装置3の管理者によって設定された妥当性判断割合とを比較する(ステップS127)。ここで、階層属性割合が妥当性判断割合以上である階層の属性、及び階層属性割合が妥当性判断割合未満である階層の属性が両方存在する場合(ステップS128でYES)、CPU13は、階層属性割合が妥当性判断割合未満である階層の属性の宛先を妥当でないと判断し(ステップS129)、宛先妥当性ルーチンを終了する。一方、階層属性割合が妥当性判断割合以上の階層の属性、及び階層属性割合が妥当性判断割合未満である階層の属性が両方存在しない場合、すなわちいずれか一方がしない場合は(ステップS128でNO)、取得した全宛先を妥当であると判断し(ステップS130)、宛先妥当性判断ルーチンを終了する。
例えば、図24(b)に示されるように、ユーザが宛先1〜宛先nを設定し、宛先3の属性のみ「総務部」で、他の宛先の属性は「開発部」であった場合、設定済み宛先表示部90において宛先3のみが赤色で(図24(b)では、下線が付されて)表示される。また、第2の宛先設定画面86に、宛先3の属性と、設定をクリアするかどうかユーザに選択させる画面91が表示される。ユーザがその画面91において「はい」を選択すると、宛先3は設定済み宛先表示部90から消去される。ユーザがその画面91において「いいえ」を選択すると、宛先3はそのまま表示される。以上により、ユーザが宛先を複数設定し、例えば設定した宛先の中に1つだけ属性の異なる宛先が存在する場合には、その1つだけ属性の異なる宛先が他の宛先と区別して表示されるので、ユーザは、1つだけ誤って宛先を設定した場合に容易にその誤りに気づくことができる。これにより、本実施の形態3による画像処理装置は、ユーザの宛先設定ミスにより、関係の無い宛先にデータを送信されてしまうのを防ぐことが可能になる。なお、設定された全ての宛先の属性が同一の場合には、図22のステップS124においてNO、ステップS128においてNOが選択されるので、全宛先が妥当であると判断される(ステップS130)。ここでは妥当性を判断する属性として、部門と階層を用いて判断しているが、それ以外の属性(社内外、勤務地など)を用いて判断してもよい。
以下に、図19におけるステップS90,91において、予め画像処理装置3の管理者が設定する2つの設定値、すなわち設定宛先数及び妥当性判断割合について説明する。
(1)設定宛先数
設定宛先数は、ハードディスク16に記憶され、CPU13が、宛先妥当性判断ルーチンに入るかどうかを判断するときに使用する値である。CPU13は、ユーザにより設定された宛先の数が、この設定宛先数以上である場合、宛先妥当性判断ルーチンに入り、それ以外、すなわち設定宛先数未満である場合は、宛先妥当性判断ルーチンには入らない。ここで、アドレス帳として記憶されている宛先の数が多い場合、似ている宛先の数も多いことが予想されるので、ユーザが宛先をアドレス帳から選択する際に選択を誤る可能性が高くなる。そこで、アドレス帳として記憶されている宛先数が多い場合には、例えば5個のように設定宛先数を低めに設定しておく必要がある。逆に、アドレス帳に記憶されている宛先数が少ない場合は、例えば10個のように設定宛先数を高めに設定しておくとよい。
(2)妥当性判断割合
妥当性判断割合は、ハードディスク16に記憶され、CPU13が、宛先妥当性判断ルーチンで設定された妥当の中に妥当でないものが有るかどうかを判断するときに使用する値である。例えば、妥当性判断割合を8割と設定した場合、図22のステップS124において、同じ部門の属性を持つ宛先数が、設定された全宛先数の8割以上である部門の属性と、8割未満である部門の属性が両方存在する場合は、YESと判断され、それ以外はNOと判断される。
なお、本実施の形態3による画像処理装置3は、取得した全ての宛先の属性を、LDAPサーバ76に記憶されたテーブルを用いて判断したが(ステップS121)、そのテーブルを、画像処理装置3のハードディスク16に予め記憶しておき、その記憶されたテーブルを用いて判断してもよい。さらに、実施の形態1及び2の画像処理装置3は、宛先とその宛先の属性の関係を示すテーブルを予め記憶しておき、ユーザによって設定された宛先の属性をその予め記憶したテーブルを用いて判断したが、そのようなテーブルをLDAPサーバ76に記憶させておき、そのLDAPサーバ76に記憶されたテーブルを参照することによって、宛先の属性を判断してもよい。