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JP3805092B2 - 弾性係合構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、開閉する部材等を係合させる弾性係合構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の装置において、部材の固定や開閉する蓋の固定等に弾性係合(スナップフィット)構造体が採られている。弾性係合は実に色々な部分で使用されており、特に、近年はプラスチック樹脂を用いた装置が多いため、係合にプラスチック自体の弾性を利用している場合がほとんどである。この方法は係合部が簡単に構成できるために非常に安価な構成を採ることができる。
【0003】
プラスチック樹脂の弾性を利用した係合方法の代表的なものには、以下のものがある。
(1) 腕部の一部に爪部が設けられ、爪部を相手方の引っかけ部に腕部を撓ませながら侵入させ、爪部が相手方の引っかけ部の所定位置に収まり、腕部の撓みが全部あるいは一部解除された位置において係合するもの、
(2) 一方の部材に設けられた爪部を相手方の引っかけ部に係合させるが、(1)のものとは異なり、爪部が腕部に設けられておらず、爪が設けられた部材あるいは相手方の部材が全体的に撓み係合するもの、および
(3) 一方の部材に所定量撓むことができる梁形状を設け、相手方の部材の引っかけ部が梁部を撓ませて侵入し、梁部の撓みが全部あるいは一部解除された位置において係合するもの、である。このタイプのものでは、多くの場合、梁部分が部材の両端に支持された構造であり、梁部分の強度を保っている。
【0004】
【発明が解決しよとする課題】
(1)のタイプは、例えば、ケース部材に構造物を固定するなど、比較的強固に固定する場合多く用いられ、形状的にも種々のものがあり、最も一般に使用されるタイプである。図9はこのタイプの代表的な例を示す図である。
【0005】
図9において、蓋部材105に爪部材101が突出するように設けられている。爪部材101は、腕部101aとその腕部の先端に設けられた爪部101bから成り、相手方の外装部材104に爪部101bが係合する。係合は次のように行われる。矢印Aで示すように、蓋部材105を上方から押し下げると、爪部101bの斜面が外装部材104に当接し、その結果、爪部101bに外装部材104とは反対方向に向かう力が働き、腕部101aが矢印Bで示す方向に撓み、爪部101bの先端101b’が外装部材104の下端を越えると、腕部101aの撓みが解消し、爪部101bがが矢印Cで示す方向に移動して外装部材に係合し、蓋部材105が外装部材104に固定される。
【0006】
しかしながら、腕部を持つ爪部材はそれが設けられた面から突出し、外的力が加わると破損し易い。また、通常腕部は片持ちで支持されているため、予期せぬ外力が加わると、際限なく撓み破損することがある。また、繰り返し係合と解除が行われる場合、例えば、筐体の蓋部材等に適用するときなどは、蓋の開閉の操作力と係合したときの固定力および繰り返し動作による腕部の疲労のバランスがとりにくく、耐久性が劣るものであった。
【0007】
また、腕部は面に対して垂直に設けられることが多く、それを受ける相手側の引っかけ部も同様であるため、かなりのスペースを必要とした。適当な操作力、固定力を得るためには、腕部101aの長さを比較的大きくとることが必要であり、この長さがとれないと設計の自由度が小さくなり、特に、ノート型プリンタなど、薄型の装置における蓋部材の係合においては、このような面に対する垂直な部材を設置するスペースに乏しく、適用しにくかった。
【0008】
(2)の方法は、比較的小さい装置、例えば、電卓の電池の蓋等に用いられている。しかし、この方法は、係合する部材が小さく、全体的に撓むことができるものに限定される。この場合も蓋の開閉の操作力と係合したときの固定力および繰り返しによる疲労のバランスが取りにくく、耐久性が劣るものであった。
【0009】
(3)の方法は、図10、図11に示すように、部材104に設けられた梁部(または梁部材)102は両端で支持されており、蓋部材105には、爪部材103が設けられおり、蓋部材105を矢印Dで示すように上方から押し下げると、爪部材103の爪部の円弧部分103aが、矢印Eで示すように、梁部102を内方に撓ませ、爪部の先端103a’が梁部102の下端を越えると、矢印Fで示すように、撓みが解消し、部材104に対して蓋部材105が固定されるものである。
【0010】
この方法では、撓みに対する強度は、(1)の方法と比べると、改善されるが、両端で支持されているため、撓み量の自由度が小さく、大きな撓み量を必要とする場合には、梁部102を細くするか、もしくは両端支持部の間の距離を大きくとる必要があった。
【0011】
ところが、そのような形状にすると、梁部の強度が低下し、予期せぬ外的な力に対し破損する場合が多かった。特に、プラスチック樹脂一体で梁部を形成している場合、プラスチック樹脂の材質が脆い材質(例えば、ガラス繊維やカーボン繊維などで強化した材質)だと、細長い梁部は極めて簡単に破損し、この方法を採ることはできなかった。回避策として、POMやPP等の変形しやすく、破損しにくい材質を用いた別部材で梁部を構成することがあったが、別材料を用意するためコストアップとなっていた。
【0012】
したがって、本発明の目的は、特に装置の例えば蓋部材の開閉等における部材同士の固定のために、極めて簡単な方法で安定した操作力を得ることができ、しかも操作の繰り返しが多い場合でも十分な耐久性を備え、さらに予期せぬ外的な力に対しても破損しないような弾性係合構造体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、本発明の弾性係合構造体は以下の構成を持つものである。
複数の部材において互いに係合する係合部が設けられ、少なくとも1つの部材は板状部を有し、該部材の係合部は該板状部の一部が切り欠かれることによって得られる該板状部の厚み方向と垂直方向に撓んで変位する両持ち梁状の弾性係合部を形成しており、該弾性係合部に隣接して該弾性係合部の板状部厚み方向への変位を規制する部材が設けられている。
このとき、前記両持ち梁状の弾性係合部の両端部の間の長さaと、前記両持ち梁状弾性係合部の長手方向および前記板状部の板厚方向の長さbとの比a/bが5以上であることが望ましい。
さらに、前記長さbと前記両持ち梁状弾性係合部の板厚方向の長さcの比b/cを0.5以上にすることができる。
また、前記弾性係合部を有する部材はプラスチック樹脂であってもよく、前記プラスチック樹脂はASBもしくはABS/PCアロイもしくはPSであってもよい。さらに、前記プラスチック樹脂はガラス繊維、カーボン繊維等の強化充填材を含有していてもよい。
また、前記弾性係合部に隣接して該弾性係合部の板状部の厚み方向への変位を規制する部材は、金属部材であるのが望ましい。
【0014】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。図1は本発明の弾性係合(スナップフィット)構造物を適用した装置の一例を示す斜視図である。ここでは、装置をノート型インクジェットプリンタを例にとって説明する。図1において、1は外装部材であり、ほぼ装置全体を覆っている部材である。3は蓋部材であり、例えば、インクジェットプリンタにおけるインクジェット記録ヘッドの交換等のために開閉される部材である。
【0015】
図2は、蓋部材を開いた状態で示す装置の斜視図であり、図3は外装部材と蓋部材を図面上省略した内部構造部材の斜視図である。図3において、2はシャーシであり、記録部、記録材搬送部等の機構部品を支持している構造部材である。図1において、蓋部材3は閉じた状態であり、この状態では蓋部材3は外装部材1に係合し固定されている。外装部材1の弾性係合部1c(詳細には後述する)に蓋部材3の非弾性係合部材3a(詳細には後述する)が係合している(図2参照)。
【0016】
この実施例では、係合部がそれぞれ2か所設けられているが、2か所に限られるものではなく、1か所でも3か所以上でもよい。3aはここでは非弾性係合部として説明するが、弾性を持った係合部でも良い。
【0017】
図4は外装部材の弾性係合部を含む部分を拡大して示す斜視図である。図4において、外装部材1は板状をなしており、その端部1’は直角に切り欠かれて薄く形成され、その端部1’には長孔状の切り欠き1aが形成されている。この結果、切り欠き1aより外方の部分は両端で支持された両持ちの梁部1dとなっている。この梁部1dは、外装部材1の材質、切り欠き1aの長さa、梁部1dの幅b、梁部1dの板厚cを適切に選ぶことにより、適切な弾性を持った弾性梁部として形成されている。
【0018】
このため、図5bに示すように、梁部1dに対して矢印の方向の力が加わると、容易に撓むようになっている。ここで、弾性梁部(以下、単に、梁部ということもある)1dの最大の撓み量は切り欠き1aの幅d(図5a参照)によって規制することができる。なお、ここで、図5aは梁部に力が加わってなく、梁部に撓みが生じていない状態を示す平面図であり、図5bは梁部に力が加わって、梁部に撓みが生じている状態を示す平面図である。
【0019】
梁部1dのほぼ中央には、弾性係合部1cが設けられており、この弾性係合部1cに蓋部材の非弾性係合部3cが係合する(弾性係合部および非弾性係合部の形状の詳細は、図6を参照して後述する)。
【0020】
図6は弾性係合部と非弾性係合部が係合する状態を説明するための断面図であり、そのうち、図6aは係合前の状態を示し、図6bは係合後の状態を示す。図6a、図6bに示すように、弾性係合部1cは、梁部1dのほぼ中央において(図4も参照)、梁部1dの下側部分がほぼ半分ほど切り欠かれ、外方側に円弧部分1c’が形成されたものである。
【0021】
この弾性係合部1cに係合する非弾性係合部3aは、図6bに示すように、蓋部材3からほぼ直立して突出するように設けられた突出部から蓋部材3の面にほぼ平行に突出した部分であり、図6で見て、その先端下部と先端上部に開閉操作(固定および解除動作)を助けるための円弧部分3a’と3a”が形成されている。
【0022】
蓋部材3を矢印Aで示すように上方から閉じると、非弾性係合部3aの先端下部円弧部分3a’が弾性係合部1cの上部先端(この上部先端にはRまたは面取りがあってもよい)に当接し、非弾性係合部3aが下方に移動するにつれて弾性係合部1cに対して水平方向の力(水平方向の分力)を働かせる。弾性係合部1cは撓みが生じる(図5b参照)梁部1dに形成されているので、弾性係合部1cは、図6で見て、矢印Eで示すように右方に変位し、その結果、非弾性係合部3aが弾性係合部1cの下側に潜り込む。このため、弾性係合部1cに加わる力がなくなり、梁部1dの撓みが解消し、弾性係合部1cが矢印Fで示すように変位して初期位置に戻る。この状態では(図6bで示す状態)、弾性係合部1cが非弾性係合部3aの上に位置しているので、非弾性係合部3aは上方への抜け止めがなされて蓋部材3は固定されることになる。
【0023】
ここで、図3に示した装置に設けられたシャーシ2の説明に戻ると、シャーシ2は、例えば板金部材であり、図6、図7、図8に示すように、シャーシ自体の強度を確保するために曲げが施され、曲げた一端(水平部分)は、外装部材1の板状部と平行であり、さらに詳細には、外装部材1の薄い板厚の端部1’のほぼ下方に位置するように配置されている。
【0024】
図7は、外装部材1とシャーシ2とを理解し易いように離隔して描いた斜視図である。実際には、シャーシ2は、例えば、図6、図8に示すように外装部材1に接近して配置されている。シャーシ2は、図7に示すように、本体部分2aと、本体部分2aから間隔を置いて水平方向に突出する2つの突出部分2bから成り、このため、2つの突出部分2bの間には切り欠き部2cが形成されている。
【0025】
そして、シャーシ2は、その切り欠き部2cが梁部1dに設けられた弾性係合部1cの下方に位置し、その突出部分2bが梁部1dの弾性係合部1cの両側の下方に位置するように配置されている。2つの突出部分2bは、前述のように非弾性係合部3aが弾性係合部1cに当接して梁部1dを撓ませる際、梁部1dには下方への力も働くので、梁部1dが下側に撓むのを防止するサポート部分として働く。また、切り欠き部2cは、弾性係合部1cの下方にスペースを設けるので、非弾性係合部3aが弾性係合部1cの下側に侵入する際の逃げ部として機能する。しかし、非弾性係合部の形状によっては(例えば、非弾性係合部3cの形状が小さい場合には)、2つの突出部分2bは、切り欠き部2cを形成することなく、連続した1つの突出部分であってもよい。
【0026】
実施例のように構成されずに、シャーシ2がこの位置に配置されていないと仮定すると、弾性係合部1cと梁部1dは下側に撓み、梁部1dは、図6で見て、右方に変位しにくくなる。最悪の場合には、係合がなされず、蓋部材3が外装部材1の上に載っただけとなることがある。また、同様にシャーシ2が配置されていないで、梁部の強度が小さい場合には、、ユーザが不用意に梁部に力をかけたとき、容易に破損するため、梁部の強度を持たせるため梁部の断面を大きくする必要があり、その結果、梁部の撓みによる変位量の許容値が小さくなり、所望の操作力や固定力を得ることができないことになる。一方、材質的により弾性の富んだものを使用して弾性梁部を構成することもできるが、外装部材全体をそのような材質で構成することは一般にコスト高となり、合理的でない。
【0027】
実施例のように弾性梁部の必要のない方向(下方向)への撓みを規制するサポート部(この実施例では、シャーシ)を弾性梁部に隣接して設けることによって前述の諸問題は一掃される。この実施例のように構成すれば、弾性梁部の図6で見て下方向への撓みが規制され、これは同時にユーザの不用意な操作による弾性梁部の破損を防止する。その結果、弾性梁部の強度は弱くてすみ、図5bの矢印E方向の力、変位を自由に設定することができる。
【0028】
梁部の撓みによる係合時の操作力(梁部の弾性値)は、主に、図4に示す長さa、幅b、厚みcに基づいて決定されるが、シャーシ等のサポートがあると破損しやすい方向、即ち、図6で見て、下方向の力はシャーシが受けるので、長さaを極めて長く設定できる。これは、長さaと幅bの比で表すことができ、比a/b=5程度になると、弾性梁部は強度的にかなり弱いものになるが、この実施例では十分にそれ以上の比をとっても差支えない。従来では、a/bを大きくとるためには、厚みcを大きくとる必要があったが、厚みcが大きければ大きいほど、撓みに要する力も大きくなり、弾性梁部として機能を果たしにくくなる。
【0029】
また、従来では、幅bと厚みcの比b/c=0.5以下、即ち、厚みを幅の2倍以上にして強度を持たせていたが、この実施例では、b/c=0.5以上であっても十分破損が防止される。
【0030】
このように、この実施例では、従来不用意な力に対する破損防止に起因して設計の自由度が小さい弾性係合部を極めて高い自由度で設計できる。弾性梁部をより細長くでき、また、弾性梁部のばね定数を小さくすることができる。従来では、大量生産することによる寸法のバラツキによって蓋部材を閉じる際の弾性梁部の撓みのバラツキによって蓋部材がすぐ開いてしまったり、あるいは開けにくかったりすることがあったが、この実施例では、この点も解消しており、弾性梁部に隣接するサポート部を設けることにより弾性梁部のばね定数を小さくでき、寸法のバラツキによる弾性梁部の撓み量がばらついたとしても操作力をほぼ一定に保つことができる。
【0031】
このことは弾性梁部の繰り返し撓みに対する耐久性においても効果を発揮する。弾性係合部は従来耐久性に乏しいものが多く、極端な場合、1回の係合で樹脂の白化やクラックの発生が起こり、それ以上使用できなくなる場合がある。これに反して、本発明では、弾性梁部のばね定数が小さくできるため、撓み部分への応力も小さくでき、優秀な繰り返し耐久性が得られる。
【0032】
また、通常、外装部材の材質としては、ABS、ABS/PCアロイ、PS等を用いることが多く、本発明でもこのような材質で威力を発揮する。これらの材質に加えて、比較的脆い材質、例えば、ガラス繊維やカーボン繊維などで強化された樹脂を用いて場合には、従来例ではこのような細い弾性梁部を構成すると、破損し易いが、本発明では、破損に至るまでの変位量は長孔状の切り欠き部1aの幅等で規制すればよく、図6で見て下方向の変位をシャーシで受けるので、極めて細い弾性梁部を構成することができ、比較的脆い材質を使用する場合にも、弾性に富んだ別部材を用いる必要がなく、コストが安くてすむ。もちろん別部材を用いて構成することもできる。
【0033】
また、このように強度の弱い弾性梁部を採用することにより、装置を小型化することができる。特に、実施例のようなノート型インクジェットプリンタでは高さ方向の寸法が小さく、従来のようなスペースを必要とする係合手段を用いるとそれだけで高さが増してしまうような場合、本発明を適用することは極めて小さいスペースで所定の係合性能を得ることができ、スペース上に有利である。
【0034】
さらに、この実施例のように弾性梁部をサポートする部材として金属を用いると、強度的にも有利であるほか、切り欠き部1aから金属部を外部に露出することができるので、装置への静電気対策を兼ねることもできる。従来例では、インクジェット記録ヘッドを扱う際、蓋部材を開けるので、手に静電気を帯びていると、静電気がヘッドに印加しヘッドを破損させる場合があった。この実施例では蓋部材を開けた際金属が外装部材の切り欠きから臨むのでユーザの手に帯電した静電気はこの切り欠きから金属部(シャーシ)に放電するから、ヘッドを破損することがない。
【0035】
また、図8は蓋部材を外装部材との係合から解除するときの状態を示す断面図である。蓋部材3を外装部材1に対して開くとき、シャーシは弾性梁部の下にのみ設けられているので、上へ持ち上げられるときには弾性梁部の上への変位を規制しない。したがって、図8に示すように、弾性梁部は点1eを中心に時計方向に回転することになる。この回転と、弾性係合部1cの円弧部分に対する非弾性係合部3aの円弧部分3a”の摺動によって、蓋部材を開ける動作がより滑らかになるという効果を得ることができる。上方向の力は弾性梁部の下にシャーシがあることによりユーザの不用意な操作による力がかかることがないため、このような構成で破損に対しても十分な効果が得られ、しかも上述のような滑らかな操作感という効果も得ることができる。もちろん弾性梁部の上下の両方にサポート部材を設け、撓み方向を規制してもよく、破損防止等の効果を同様に得ることができる。
【0036】
本発明を外装における蓋部材に関連して説明してきたが、もちろんこれに限定されるものではなく、装置内部の部品の固定など種々の用途に適用できる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の部材に互いに係合する係合部が設けられ、少なくとも1つの部材は板状部を有し、該部材の係合部は該板状部の一部が切り欠かれることによって得られた該板状部の厚み方向と該厚み方向に垂直な方向に撓んで変位する両持ち梁状の弾性係合部を形成しており、該弾性係合部に隣接して該弾性係合部の板状部厚み方向への変位を規制する部材を設けることにより、従来、強度と操作感、繰り返し耐久性の両立が難しかった弾性係合において、弾性部の強度が小さくても破損を防止することができるので、操作感の自由度を大きくとりながら破損を防止し、繰り返し耐久性に優れ、寸法のバラツキに対する許容範囲を大きくとれ、しかも安価な優秀な弾性係合構造体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の弾性係合(スナップフィット)構造物を適用した装置の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、蓋部材を開いた状態で示す装置の斜視図である。
【図3】図3は外装部材と蓋部材を図面上省略した内部構造部材の斜視図である。
【図4】図4は外装部材の弾性係合部を含む部分を拡大して示す斜視図である。
【図5】図5は、梁部の撓みを説明するための平面図であり、そのうち、図5aは梁部に力が加わってなく、梁部に撓みが生じていない状態を示す平面図であり、図5bは梁部に力が加わって、梁部に撓みが生じている状態を示す平面図である。
【図6】図6は弾性係合部と非弾性係合部が係合する状態を説明するための断面図であり、そのうち、図6aは係合前の状態を示し、図6bは係合後の状態を示す。
【図7】図7は、外装部材とシャーシとを理解し易いように離隔して描いた斜視図である。
【図8】図8は蓋部材を外装部材との係合から解除するときの状態を示す断面図である。
【図9】図9は、従来例の弾性係合構造体の断面図である。
【図10】図10は、他の従来例の弾性係合構造体の斜視図である。
【図11】図11は、他の従来例の弾性係合構造体の断面図である。
【符号の説明】
1 外装部材
2 シャーシ
3 蓋部材
1a 長孔状の切り欠き
1c 弾性係合部
1d 弾性梁部
3a 非弾性係合部

Claims (16)

  1. 複数の部材に互いに係合する係合部が設けられ、少なくとも1つの部材は板状部を有し、該部材の係合部は該板状部の一部が切り欠かれることによって得られた該板状部の厚み方向と該厚み方向に垂直な方向に撓んで変位する両持ち梁状の弾性係合部を形成しており、該弾性係合部に隣接して該弾性係合部の板状部厚み方向への変位を規制する部材を設けてなることを特徴とする弾性整合構造体。
  2. 請求項記載の弾性係合構造体において、前記両持ち梁状の弾性係合部の両端部の間の長さaと、前記両持ち梁状弾性係合部の長手方向および前記板状部の板厚方向と垂直な方向の長さbとの比(a/b)が5以上であることを特徴とする弾性係合構造体。
  3. 請求項記載の弾性係合構造体において、前記両持ち梁状の弾性係合部の両端部の間の長さaと、前記両持ち梁状弾性係合部の長手方向および前記板状部の板厚方向と垂直な方向の長さbとの比(a/b)が5以上であり、かつ前記長さbと前記両持ち梁状弾性係合部の板厚方向長さcとの比(b/c)が0.5以上であることを特徴とする弾性係合構造体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の弾性係合構造体において、前記弾性係合部を有する部材はプラスチック樹脂から成ることを特徴とする弾性係合構造体。
  5. 請求項記載の弾性結合構造体において、前記プラスチック樹脂はASB、ASB/PCアロイもしくはPSであることを特徴とする弾性係合構造体。
  6. 請求項記載の弾性係合構造体において、前記プラスチック樹脂はガラス繊維、カーボン繊維等の強化充填材を含有していることを特徴とする弾性係合構造体。
  7. 電子機器等の筐体およびその一部を蓋するように構成された蓋部材に互いに係合する係合部が設けられ、双方の少なくとも一方は板状部を有し、該部材の係合部は該板状部の一部が切り欠かれることによって得られた該板状の厚み方向と垂直の方向に撓んで変位する両持ち梁状の弾性係合部を形成しており、該弾性係合部に隣接して該弾性係合部の板状部厚み方向への変位を規制する部材を設けてなることを特徴とする弾性係合構造体。
  8. 請求項記載の弾性係合構造体において、前記弾性係合部に隣接して該弾性係合部の板状部厚み方向への変位を規制する部材は前記筐体内に配置された金属部材であることを特徴とする弾性係合構造体。
  9. 請求項7または8記載の弾性係合構造体において、前記両持ち梁状の弾性係合部の両端部の間の長さaと、前記両持ち梁状弾性係合部の長手方向および前記板状部の板厚方向と垂直な方向の長さbとの比(a/b)が5以上であることを特徴とする弾性係合構造体。
  10. 請求項7または8記載の弾性係合構造体において、前記両持ち梁状の弾性係合部の両端部の間の長さaと、前記両持ち梁状弾性係合部の長手方向および前記板状部の板厚方向と垂直な方向の長さbとの比(a/b)が5以上であり、かつ前記長さbと前記両持ち梁状弾性係合部の板厚方向長さcとの比(b/c)が0.5以上であることを特徴とする弾性係合構造体。
  11. 請求項7〜10のいずれか1つに記載の弾性係合構造体において、前記弾性係合部を有する部材はプラスチック樹脂から成ることを特徴とする弾性係合構造体。
  12. 請求項11記載の弾性結合構造体において、前記プラスチック樹脂はASB、ASB/PCアロイもしくはPSであることを特徴とする弾性係合構造体。
  13. 請求項11記載の弾性係合構造体において、前記プラスチック樹脂はガラス繊維、カーボン繊維等の強化充填材を含有していることを特徴とする弾性係合構造体。
  14. 2つの部材が係合および分離可能に構成された係合部をそれぞれ持つ弾性係合構造体において、
    板状部にその端縁部に沿って形成された長孔状の切り欠きと、前記端縁部と長孔状の切り欠きの間に形成され、外力が作用したときに板厚方向と該板厚方向と垂直な方向(長孔状の切り欠きに向かった方向)に撓む両持ち弾性梁部と、を有する第1係合部と、
    係合時および分離時に、該第1係合部の前記弾性梁部に対してほぼ板厚方向と該板厚方向と垂直な方向に力を及ぼすように構成され、配置された第2係合部と、
    係合時に第2係合部が最初に第1係合部に当接する側とは反対側の第1係合部の少なくとも弾性梁部の一部を支持するように配置され、係合時の第1係合部の弾性梁部の板厚方向の撓みを規制して板厚方向と垂直な方向にのみの撓みを可能にする規制部材と、
    を有することを特徴とする弾性係合構造体。
  15. 請求項14記載の弾性係合構造体において、前記弾性梁部はその一部に板厚方向に短くなるように切り欠かれた弾性係合部が形成されており、前記規制部材は前記切り欠かれた弾性係合部を除いて前記弾性梁部を支持する形状であることを特徴とする弾性係合構造体。
  16. 請求項15記載の弾性係合構造体において、前記第2係合部は前記弾性係合部にのみ係合するように前記2つ部材のうちの1つの部材に配置されており、かつ前記弾性梁部の板厚方向に形成される弾性梁部と前記規制部材とのスペースに収まる寸法であることを特徴とする弾性係合構造体。
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