JP3804712B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄熱装置を有するヒートポンプ式空気調和機に係り、特に電子膨張弁とバイパス回路の開閉弁の開度を制御する制御装置を改良した空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5はこの種の従来の空気調和機の冷凍サイクル図である。この従来の空気調和機は圧縮機1、四方弁2、室内ファン3を備えた室内熱交換器4、減圧器である電子膨張弁5、室外ファン6を備えた室外熱交換器7を、冷媒配管により順次連通させて、冷媒を循環させる閉じた冷凍サイクルを構成している。
【0003】
そして、この冷凍サイクルは室内熱交換器4と電子膨張弁5との中間から分岐されて、圧縮機1の吸込部へバイパスするバイパス回路8を設け、このバイパス回路8には開閉弁9、キャピラリチューブ等の絞り装置10、第3の熱交換器11を内蔵した蓄熱装置12をそれぞれ介在させ、この蓄熱装置12には蓄熱装置12の温度を計測する温度検出器13を設けている。なお、図4中14は逆止弁、15は室内ユニット、16は室外ユニットである。
【0004】
この空気調和機の通常の暖房運転時では、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、四方弁2により室内熱交換器4に案内され、ここで放熱して室内ファン3により温風として吹き出されて暖房する。この室内熱交換器4で放熱して凝縮した液冷媒はさらに開閉弁9が閉じているので、バイパス回路8には分流されずに電子膨張弁5、室外熱交換器7内に流入して、ここで蒸発してから再び圧縮機1に戻る。
【0005】
一方、このような暖房運転起動時に開閉弁9を開ける運転の場合は、室内熱交換器4からの冷媒がバイパス回路8にも分流され、蓄熱装置12に具備された第3の熱交換器11で吸熱して圧縮機1に戻るサイクルが形成される。これを以下「吸熱運転」と称する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このバイパス回路8に設ける蓄熱装置12は、暖房起動運転における暖房能力向上を目的とした装置であるが、次のような課題があった。
【0007】
すなわち、室外気温が低い場合は、冷媒が冷凍サイクルの最も低い低温部へ溜まる、いわゆる「冷媒の寝込み」現象が発生し、その多くは室外熱交換器7で寝込む。したがって、この状態で暖房起動運転を行なうと共に、開閉弁9を開いて蓄熱装置12側に冷媒を流す「吸熱運転」を行なうと、バイパス回路8の方が室外熱交換器7側よりも圧力損失が小さいので、殆どがバイパス回路8側に流れる経路が形成される。このために、室外熱交換器7側で寝込んだ冷媒が冷凍サイクル内を循環せず、ガス欠気味な運転を行なってしまい、図6のα部に示すように温風が吹き出すまでの温風吹出し時間が長くかかるという課題があった。
【0008】
また、「吸熱運転」終了時には開閉弁9を閉じて通常の暖房サイクルに移行させるが、このときに、電子膨張弁5での流量が少な過ぎると、蒸発温度が急激に低下し、図6のβ部に示すように吹出し温度の低下(落込み)が大きく、快適性を低下させる原因となる。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は暖房運転起動時における温風吹出し時間を短縮すると共に、蓄熱槽で冷媒に吸熱させる運転の終了時の温風吹出し温度の急激な低下を防止ないし低減して快適性を向上させることができる空気調和機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の空気調和機は、圧縮機、四方弁、室内熱交換器、減圧器、室外熱交換器を順次連通してなる冷凍サイクルと、この冷凍サイクル中の上記室内熱交換器と上記減圧器との中間から分岐され、上記圧縮機の吸込部へバイパスするバイパス回路と、このバイパス回路に介設された開閉弁、絞り装置、熱交換器を備えた蓄熱装置と、この蓄熱装置の温度を検出する温度検出器と、を有する空気調和機において、暖房運転開始時に、少なくとも上記温度検出器の検出値が、所定値以上のときに上記開閉弁を開くとともに、上記開閉弁を開いた後、上記減圧器の流量を所定期間強制的に絞り、その後は上記温度検出値の温度に応じた所定の制御アルゴリズムにより上記減圧器の開度を開くように制御し、少なくとも上記温度検出器の検出値が、所定値未満となった場合、上記開閉弁を閉じるとともに上記開閉弁を閉じた後、上記減圧器の流量を所定期間強制的に増大させ、その後は、上記蓄熱装置を介さない通常の暖房運転における所定の制御アルゴリズムにより上記減圧器の開度制御を行なうようにした制御手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、蓄熱装置を有するバイパス回路の開閉弁の開閉動作に応じて電子膨張弁等の減圧器の流量を制御手段により制御するので、例えば室外気温が低いときに、暖房運転を起動する場合は、制御手段により開閉弁を開いて冷媒を蓄熱装置に通して吸熱させる吸熱運転を開始させることにより暖房能力を向上させることができる。また、この吸熱運転の開始時に減圧器の流量設定値を所定時間絞るように制御することにより、室外熱交換器へ流入する冷媒の流入流量を減少させ、あるいは阻止することができる。このために、室外熱交換器に溜っている冷媒を圧縮機へ吸い込ませて一旦回収することができるので、圧縮機へ戻る冷媒流量を増大させることができる。このために、冷凍サイクルを循環する冷媒流量を増大させることができるので、さらに暖房能力を向上させることができる。このために、低外気温時においても、暖房運転の起動から温風吹出しまでの時間を短縮し、暖房運転の立上げを早めることができる。
【0012】
一方、暖房運転中に吸熱運転を終了させて通常の暖房サイクル運転に移行させる場合は、制御手段により開閉弁を閉じるのに応じて、減圧器の流量を所定時間増大させることにより、室外熱交換器に流入する冷媒の流入量を増大させることができる。このために、この冷媒流入量の減少による室外熱交換器における冷媒の蒸発温度の急激な低下を防止することができるので、吸熱運転終了時の冷媒蒸発温度の急激な低下による凝縮温度の急激な低下、つまり温風吹出し温度の急激な低下を抑制して快適性を向上させることができる。
【0014】
また、上述したように例えば暖房運転起動時に、制御手段により開閉弁を開いて吸熱運転を開始させることができる。このために、室内熱交換器で放熱して凝縮した液冷媒の殆どを開弁中の開閉弁を通して蓄熱装置に導入し、ここで、蓄熱材から吸熱させて気化させて、高温のガス状冷媒を圧縮機に戻して与熱させるので、圧縮機自体の温度を昇温させることができる。したがって、暖房能力を向上させることができる。
【0015】
そして、この吸熱運転の開始時に、減圧器の流量設定値を所定時間強制的に絞るので、室外熱交換器へ分流される液冷媒の流量を絞り、あるいは阻止させるので、室外熱交換器に溜っている冷媒を一旦圧縮機へ吸い込ませて回収することができる。このために、圧縮機へ戻される冷媒流量を増大させることができるので、冷凍サイクルを循環する冷媒の循環流量を増大させることができる。したがって、さらに暖房能力を向上させることができるので、低外気温時においても暖房運転の起動から温風吹出しまでの時間を短縮し、暖房運転の立上げを早めることができる。
【0017】
さらに、上述したように暖房運転中に吸熱運転を終了させて通常の暖房サイクル運転に移行させる場合は、制御手段により開閉弁を閉じて吸熱運転を終了させるのに応じて、減圧器の流量を所定時間増大させることにより、室外熱交換器に流入する冷媒の流入量の急激な減少を防止することができる。このために、この冷媒流入量の減少による室外熱交換器における冷媒の蒸発温度の急激な低下を防止することができる。したがって、吸熱運転終了時の冷媒蒸発温度の急激な低下による凝縮温度の急激な低下、つまり、温風吹出し温度の急激な低下を抑制して快適性を向上させることができる。
【0019】
また、蓄熱装置の温度を検出する温度検出器の温度検出値が所定値以上のときには、制御手段により、蓄熱装置が使用するのに十分に昇温しているものと判断して、開閉弁を開弁するので、その開弁した開閉弁により、例えば室内熱交換器からの液冷媒を所定温度以上の蓄熱装置に導入し、ここで吸熱させて気化させることができる。つまり、確実に蓄熱運転を行なうことができる。
【0021】
さらに、蓄熱装置の温度を検出する温度検出器の温度検出値が所定値以下のときには、制御手段により開閉弁を閉じるので、暖房運転時、室内熱交換器からの全液冷媒を蓄熱装置に導入せずに、室外熱交換器へ導入し、ここで蒸発させてから圧縮機へ戻すので、液バックを防止し、あるいは低減して圧縮機自体の信頼性を向上させることができる。また、液バックによる圧縮機自体の温度が低下するのことも防止することができるので、吸熱運転時の吹出し温度の低下も防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、これらの図中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0026】
図1は本発明の第1の実施形態に係る空気調和機20の冷凍サイクル図である。この空気調和機20は圧縮機21、四方弁22、室内ファン23を備えた室内熱交換器24、減圧器である電子膨張弁25、室外ファン26を備えた室外熱交換器27を、冷媒配管28により順次連通させて、冷媒を循環させる閉じた冷凍サイクルを構成している。
【0027】
そして、この冷凍サイクルは室内熱交換器24と電子膨張弁25との中間から分岐されて、圧縮機21の吸込部へバイパスするバイパス回路29を設け、このバイパス回路29には開閉弁30、キャピラリチューブ等の絞り装置31、第3の熱交換器32を内蔵した蓄熱装置33をそれぞれ介在させ、この蓄熱装置33には蓄熱装置33の温度を計測する温度検出器34を設けている。なお、図1中35は逆止弁、36は室内ユニット、37は室外ユニットである。
【0028】
そして、制御手段である制御装置38には図中点線で示すコードにより四方弁22、電子膨張弁25、電磁弁である開閉弁30、蓄熱装置33の温度を検出する温度検出器34をそれぞれ電気的に接続している。
【0029】
制御装置38は図示しないリモコン等からの制御指令信号を受けて、四方弁22を切換操作して冷媒を図中破線矢印方向に冷凍サイクルを循環させることにより冷房運転し、図中実線矢印方向に冷凍サイクルを循環させることにより暖房運転するようになっている。
【0030】
図2は制御装置38により暖房運転する場合の制御プログラムのフローチャートであり、図中S1〜S13はフローチャートの各ステップを示す。
【0031】
すなわち、制御装置38は、S1で図示しないリモコン等からの制御指令信号を受けて、四方弁22を暖房運転側に切り換え暖房運転を開始させると、次のS2で、温度検出器34により検出した蓄熱装置33の温度検出値Ttを読み込み、この温度検出値Ttが吸熱運転を開始させる温度、つまりオン所定値Ttx以上であるか否か、つまりTt≧Ttxが成立するか否か判断し、No、つまり温度検出値Ttがオン所定値Ttx未満であるときには蓄熱装置33の温度がまだ十分に昇温していないものと判断して、S3で開閉弁30を閉じたままの状態で保持し、S4で吸熱運転を併用しない通常の暖房運転を継続させる。
【0032】
これにより、圧縮機21から吐出された高温高圧のガス状冷媒は四方弁22により案内されて、室内熱交換器24に流入し、ここで放熱して加熱された周囲の空気は室内ファン23により温風として吹き出されて、暖房する。
【0033】
一方、この室内熱交換器24で放熱して凝縮した液冷媒は閉弁中の開閉弁30と開弁中の電子膨張弁25により案内されて室外熱交換器27に流入し、ここで気化してから再び圧縮機21へ戻される。
【0034】
一方、S2でYesの場合、つまり、温度検出値Tt≧オン所定値Ttxが成立するときには、蓄熱装置33の温度が十分に昇温しているものと判断して、S5で開閉弁30を開き、吸熱運転を開始させる。
【0035】
次にS6で、減圧器である電子膨張弁25の開度を所定時間T1 絞り、あるいは全閉する。これにより、室外熱交換器24で放熱して凝縮した液状冷媒の殆どが閉弁中の電子膨張弁25により阻止されて開弁中の開閉弁30に案内され、バイパス回路29へ流入して吸熱運転が開始される。
【0036】
つまり、バイパス回路29へ流入した液冷媒はキャピラリチューブ等の絞り装置10で減圧されてから、蓄熱装置33内の熱交換器32内に流入し、ここで既に所定値Ttx以上に昇温している蓄熱材から吸熱して気化し、高温ガス状態で再び圧縮機21の吸込側に戻され、圧縮機21を与熱して圧縮機21自体を昇温させる。
【0037】
一方、このとき、電子膨張弁25の開度が絞られ、あるいは全閉されているので、室外熱交換器27への液冷媒の流入が絞られ、あるいは阻止されている。このために、室外熱交換器27内に溜っている冷媒は圧縮機21の吸込圧により圧縮機21に吸い込まれて回収されるので、冷凍サイクルを循環する冷媒の循環流量を増大させることができる。これにより、温風吹出し温度の昇温を逸早く立ち上げることができる。
【0038】
つまり、図3(A)に示すように、電子膨張弁25の開度を絞り、あるいは全閉した後、温風吹出し温度の変化を示す実曲線BのB1部に示すように温風吹出し温度の昇温の立上げを、破線で示す従来例CのC1部よりも早めることができる。
【0039】
また、図3に示すように、このような吸熱運転を継続していると、蓄熱装置33の蓄熱が熱交換器32を介して冷媒に吸熱されるので、蓄熱装置33は次第に降温する。
【0040】
そこで、次のS7で、蓄熱装置33の温度を検出する温度検出器34の温度検出値Ttが吸熱運転を終了させる所定温度、つまりオフ所定値Tty未満であるか否か、すなわちTt<Ttyが成立するか否か判断し、Noの場合はS8へ進み、Yesの場合はS9へ分岐する。
【0041】
つまり、蓄熱装置33の温度検出値Ttがオフ所定値Tty以上(Tt>Tty)であるときには、S8で暖房運転起動から電子膨張弁25の所定の閉弁時間T1 が経過したか否か繰り返し判断し、Yes、つまり所定の閉弁時間T1 が経過したときには、S10で、電子膨張弁25の開度制御を吸熱運転中の所定の制御アルゴリズムに戻し、以後、吸熱運転を終了させる条件を満足させるまで、S7,S8,S10の各ステップを繰り返す。なお、S10の所定の制御アルゴリズムとしてはスーパーヒート制御や蓄熱装置33の温度に応じた開度制御等がある。
【0042】
一方、S7で、蓄熱装置33の温度検出値Tt<オフ所定値Ttyが成立したときは、S9で開閉弁30を閉じて吸熱運転を終了させる。
【0043】
しかし、この時点で電子膨張弁25の開度を絞らずに、S11で所定の開度+αというある程度開いた開度で所定時間T2 (図3参照)保持する。ここで「+α」とは所定の絶対開度の許容範囲を示す。
【0044】
このように電子膨張弁25を絞らずに所定開度で所定時間T2 開弁して室外熱交換器27に流入する冷媒流量の減少を防止するので、室外熱交換器27に流入した冷媒流量が少量のときに、冷媒の蒸発温度が急激に低下するのを防止することができる。このために吸熱運転終了後に凝縮温度が急激に低下し、ひいては温風吹出し温度が図3の従来例CのC2部で示すように急激に大きく低下するのを防止して、B2部のように温風吹出し温度の低下を小さく、かつなだらかに抑制することができる。
【0045】
次に、S12で吸熱運転終了から所定時間T2 が経過したか否か、繰り返し判断し、Yesの場合はS13で電子膨張弁25の開度を上記した所定の制御アルゴリズムに戻してから、S4で吸熱運転をしない通常の暖房運転に戻す。
【0046】
したがって、この空気調和機20によれば、暖房運転起動時に、制御装置38により開閉弁30を開いて吸熱運転を開始させることができる。このために、室内熱交換器24で放熱して凝縮した液冷媒の殆どを開弁中の開閉弁30を通して蓄熱装置33に導入し、ここで、蓄熱材から吸熱させて気化させて、高温のガス状冷媒を圧縮機に戻して与熱させるので、圧縮機21自体の温度を昇温させることができる。このために、暖房能力を向上させることができる。
【0047】
そして、この吸熱運転の開始時に、電子膨張弁25の開度を所定時間強制的に絞るので、室外熱交換器27へ分流される液冷媒の流量を絞り、あるいは阻止させるので、室外熱交換器27に溜っている冷媒を一旦圧縮機21へ吸い込ませて回収することができる。このために、圧縮機21へ戻される冷媒流量を増大させることができるので、冷凍サイクルを循環する冷媒の循環流量を増大させることができる。したがって、さらに暖房能力を向上させることができるので、低外気温時においても暖房運転の起動から温風吹出しまでの時間を短縮し、暖房運転の立上げを早めることができる。
【0048】
また、暖房運転中に吸熱運転を終了させて通常の暖房サイクル運転に移行させる場合は、制御装置38により開閉弁30を閉じて吸熱運転を終了させるのに応じて、電子膨張弁25の開度を所定時間増大させることにより、室外熱交換器27に流入する冷媒の流入量の急激な減少を防止することができる。このために、この冷媒流入量の減少による室外熱交換器27における冷媒の蒸発温度の急激な低下を防止することができる。したがって、吸熱運転終了時の冷媒蒸発温度の急激な低下による凝縮温度の急激な低下、つまり、温風吹出し温度の急激な低下を抑制して快適性を向上させることができる。
【0049】
さらに、蓄熱装置33の温度を検出する温度検出器34の温度検出値が所定値以上のときには、制御装置38により、蓄熱装置33が使用するのに十分に昇温しているものと判断して、開閉弁30を開弁するので、その開弁した開閉弁30により、例えば室内熱交換器24からの液冷媒を所定温度以上の蓄熱装置33に導入し、ここで吸熱させて気化させることができる。つまり、確実に蓄熱運転を行なうことができる。
【0050】
そして、蓄熱装置33の温度を検出する温度検出器34の温度検出値が所定値以下のときには、制御装置38により開閉弁30を閉じるので、暖房運転時、室内熱交換器24からの全液冷媒を蓄熱装置33に導入せずに、室外熱交換器27へ導入し、ここで蒸発させてから圧縮機21へ戻すので、液バックを防止し、あるいは低減して圧縮機21自体の信頼性を向上させることができる。また、液バックによる圧縮機21自体の温度が低下するのことも防止することができるので、吸熱運転時の吹出し温度の低下も防止することができる。
【0051】
図4は本発明の第2実施形態の冷凍サイクル図であり、これは上記した空気調和機20の圧縮機21の吸込部と、蓄熱装置33との間のバイパス回路29の途中に、冷媒の気液を分離するリキッドタンク39を介設した点に特徴がある。
【0052】
したがって、吸熱運転の開始時等において、蓄熱装置33の熱交換器32で冷媒が十分に吸熱できずに、若干の液分を含有する場合でも、その冷媒液分をリキッドタンク39により分離して除去するので、液分が圧縮機21に戻る液バックを防止ないし低減することができる。このために、圧縮機21自体の信頼性を向上させることができるうえに、液冷媒の蒸発潜熱による圧縮機21自体の温度低下を防止することができる。その結果、吸熱運転時の温風吹出し温度の低下をも防止することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、蓄熱装置を有するバイパス回路の開閉弁の開閉動作に応じて電子膨張弁等の減圧器の流量設定値を制御手段により可変するので、例えば室外気温が低いときに、暖房運転を起動する場合は、制御手段により開閉弁を開いて冷媒を蓄熱装置に通して吸熱させる吸熱運転を開始させることにより暖房能力を向上させることができる。また、この吸熱運転の開始時に減圧器の流量を所定時間絞るように制御することにより、室外熱交換器へ流入する冷媒の流入流量を減少させ、あるいは阻止することができる。このために、室外熱交換器に溜っている冷媒を圧縮機へ吸い込ませて一旦回収することができるので、圧縮機へ戻る冷媒流量を増大させることができる。このために、冷凍サイクルを循環する冷媒流量を増大させることができるので、さらに暖房能力を向上させることができる。このために、低外気温時においても、暖房運転の起動から温風吹出しまでの時間を短縮し、暖房運転の立上げを早めることができる。
【0054】
一方、暖房運転中に吸熱運転を終了させて通常の暖房サイクル運転に移行させる場合は、制御手段により開閉弁を閉じるのに応じて、減圧器の流量を所定時間増大させることにより、室外熱交換器に流入する冷媒の流入量を増大させることができる。このために、この冷媒流入量の減少による室外熱交換器における冷媒の蒸発温度の急激な低下を防止することができるので、吸熱運転終了時の冷媒蒸発温度の急激な低下による凝縮温度の急激な低下、つまり温風吹出し温度の急激な低下を抑制して快適性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る空気調和機の冷凍サイクル図。
【図2】図1で示す制御装置の制御プログラムのフローチャート。
【図3】図1で示す空気調和機における温風吹出し温度の変化と、開閉弁の開閉と、電子膨張弁の開閉と、蓄熱装置の温度変化との相関関係をそれぞれ示すタイミングチャート。
【図4】本発明の第2実施形態に係る空気調和機の冷凍サイクル図。
【図5】従来の空気調和機の冷凍サイクル図。
【図6】図5で示す従来の空気調和機の温風吹出し温度の変化を一部省略して示すグラフ。
【符号の説明】
20 空気調和機
21 圧縮機
22 四方弁
24 室内熱交換器
25 電子膨張弁
27 室外熱交換器
29 バイパス回路
30 開閉弁
32 熱交換器
33 蓄熱装置
34 温度検出器
38 制御装置
Claims (1)
- 圧縮機、四方弁、室内熱交換器、減圧器、室外熱交換器を順次連通してなる冷凍サイクルと、この冷凍サイクル中の上記室内熱交換器と上記減圧器との中間から分岐され、上記圧縮機の吸込部へバイパスするバイパス回路と、このバイパス回路に介設された開閉弁、絞り装置、熱交換器を備えた蓄熱装置と、この蓄熱装置の温度を検出する温度検出器と、を有する空気調和機において、
暖房運転開始時に、少なくとも上記温度検出器の検出値が、所定値以上のときに上記開閉弁を開くとともに、上記開閉弁を開いた後、上記減圧器の流量を所定期間強制的に絞り、その後は上記温度検出値の温度に応じた所定の制御アルゴリズムにより上記減圧器の開度を開くように制御し、少なくとも上記温度検出器の検出値が、所定値未満となった場合、上記開閉弁を閉じるとともに上記開閉弁を閉じた後、上記減圧器の流量を所定期間強制的に増大させ、その後は、上記蓄熱装置を介さない通常の暖房運転における所定の制御アルゴリズムにより上記減圧器の開度制御を行なうようにした制御手段を設けたことを特徴とする空気調和機。
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