[go: up one dir, main page]

JP3802763B2 - 不揮発性半導体メモリ装置およびその消去方法 - Google Patents

不揮発性半導体メモリ装置およびその消去方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3802763B2
JP3802763B2 JP2001019894A JP2001019894A JP3802763B2 JP 3802763 B2 JP3802763 B2 JP 3802763B2 JP 2001019894 A JP2001019894 A JP 2001019894A JP 2001019894 A JP2001019894 A JP 2001019894A JP 3802763 B2 JP3802763 B2 JP 3802763B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
erase
erasing
semiconductor memory
memory device
floating gate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001019894A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002230981A (ja
Inventor
恭章 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2001019894A priority Critical patent/JP3802763B2/ja
Priority to US10/056,061 priority patent/US6542410B2/en
Publication of JP2002230981A publication Critical patent/JP2002230981A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3802763B2 publication Critical patent/JP3802763B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C16/00Erasable programmable read-only memories
    • G11C16/02Erasable programmable read-only memories electrically programmable
    • G11C16/06Auxiliary circuits, e.g. for writing into memory
    • G11C16/10Programming or data input circuits
    • G11C16/107Programming all cells in an array, sector or block to the same state prior to flash erasing
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C16/00Erasable programmable read-only memories
    • G11C16/02Erasable programmable read-only memories electrically programmable
    • G11C16/06Auxiliary circuits, e.g. for writing into memory
    • G11C16/34Determination of programming status, e.g. threshold voltage, overprogramming or underprogramming, retention
    • G11C16/3436Arrangements for verifying correct programming or erasure
    • G11C16/344Arrangements for verifying correct erasure or for detecting overerased cells
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C16/00Erasable programmable read-only memories
    • G11C16/02Erasable programmable read-only memories electrically programmable
    • G11C16/06Auxiliary circuits, e.g. for writing into memory
    • G11C16/34Determination of programming status, e.g. threshold voltage, overprogramming or underprogramming, retention
    • G11C16/3436Arrangements for verifying correct programming or erasure
    • G11C16/3468Prevention of overerasure or overprogramming, e.g. by verifying whilst erasing or writing
    • G11C16/3472Circuits or methods to verify correct erasure of nonvolatile memory cells whilst erasing is in progress, e.g. by detecting onset or cessation of current flow in cells and using the detector output to terminate erasure

Landscapes

  • Read Only Memory (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、チャネルホットエレクトロンを用いて書き込みを行う不揮発性半導体メモリ装置、および、その消去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、最も一般的に用いられているフラッシュメモリ(一括消去型メモリ)として、ETOX(EPROM THIN OXIDE:インテル社の商標)がある。このETOX型フラッシュメモリセルの模式的な断面図を図12に示す。図12から分るように、ソース1とドレイン2とソース‐ドレイン間の基板(ウェル)3との上に、トンネル酸化膜4を介してフローティングゲート5が形成されている。さらに、上記フローティングゲート5の上に、層間絶縁膜6を介してコントロールゲート7が形成されている。
【0003】
上記ETOX型フラッシュメモリの動作原理について述べる。表1に示すように、書き込み時には、上記コントロールゲート7に電圧Vpp(例えば10V)を印加し、ソース1に基準電圧Vss(例えば0V)を印加し、ドレイン2に6Vの電圧を印加する。これによって、チャネル層には多くの電流が流れ、ドレイン2側の電界が高い部分でチャネルホットエレクトロンが発生し、フローティングゲート5に電子が注入される。その結果、メモリセル8の閾値電圧が上昇してメモリセル8への書き込みが行われる。図13は、書き込み状態と消去状態とにおける閾値電圧分布を示す。図13に示すように、書き込まれたメモリセルの閾値電圧は5V以上となる。
表1
Figure 0003802763
【0004】
また、消去時は、上記コントロールゲート7に電圧Vnn(例えば−9V)を印加し、ソース1に電圧Vpe(例えば6V)を印加し、ドレイン2をオープンにすることによって、ソース1側とフローティングゲート5との間のトンネル酸化膜4に強い電解が発生する。そして、ファウラーノーデハイム(FN)トンネル現象によって、フローティングゲート5からソース1側に電子を引き抜いてメモリセル8の閾値電圧を低下させるのである。その結果、図13に示すように、消去されたメモリセル8の閾値電圧は1.5V〜3Vとなる。
【0005】
また、読み出し時には、上記ドレイン2に電圧1Vを印加し、コントロールゲート7に電圧5Vを印加する。ここで、当該メモリセル8が消去状態で閾値電圧が低い場合は、当該メモリセル8に電流が流れて状態「1」と判定される。一方、当該メモリセル8が書き込み状態で閾値電圧が高い場合は、当該メモリセルに電流が流れず状態「0」と判定される。
【0006】
このような動作原理に基づいて、上記メモリセル8に対して書き込み,消去および読み出しが行なわれるのである。ところで、実際の不揮発性半導体メモリ装置における消去時には、例えば64kBと比較的大きなブロック単位で一括消去される。その場合、その消去されるべきブロック内のメモリセルの閾値電圧は、書き込み状態(図13において閾値電圧が5V以上)のものもあれば消去状態(図13において閾値電圧が1.5V〜3V)のものもあり、混在している。そして、消去すべき全メモリセル8の閾値電圧を所定の閾値電圧分布(例えば1.5V〜3V)内に収めるために、一括消去には複雑なアルゴリズムを用いている。
【0007】
消去時においては、元々閾値電圧が低いメモリセルに対する消去パルスの印加や、消去特性のバラツキによって閾値電圧の低下が早いメモリセルに対する消去パルスの印加によって、閾値電圧が0V以下となるオーバーイレース(過剰消去)状態のメモリセルの出現を防止することがポイントとなる。
【0008】
上記オーバーイレース状態のメモリセルが出現すると、例えば、書き込みベリファイや消去ベリファイ時において、選択メモリセルのコントロールゲート7に接続されているワード線には所定の電圧(例えば、消去ベリファイ時の場合であれば3.0V)を印加する一方、非選択メモリセルのコントロールゲート7に接続されているワード線の電圧を0Vにして、上記選択メモリセルに流れるセル電流の有無によってベリファイを実施しようとしても、非選択メモリセルの中に存在するオーバーイレース状態のメモリセルにもセル電流が流れるため、選択メモリセルにおけるセル電流の有無を正しく検証することができなくなる。つまり、閾値電圧の検証ができなくなるために書き込みおよび消去を正常に行うことができなくなるのである。したがって、上記オーバーイレース状態のメモリセルが出現すると、不揮発性半導体メモリ装置の信頼性が損なわれることになるのである。
【0009】
図14に、上記オーバーイレース状態のメモリセルの出現を防止するような消去アルゴリズムの一例を示す。図14において消去動作が開始されると、先ずステップS1で、オーバーイレースを防止するための消去前書き込みが、全メモリセルに対して行われる。この消去前書き込みの動作は、先に説明した通常の書き込み動作と同じであり、次のように行われる。すなわち、消去対象ブロックにおける総てのメモリセルのソース1および基板(ウェル)3に、表1に示す電圧が印加される。そして、メモリセルが順次選択されてコントロールゲートとドレインとに表1に示す電圧が印加される。
【0010】
ステップS2で、書き込みベリファイが実行される。すなわち、各メモリセルの閾値電圧値が検証されるのである。ステップS3で、ベリファイ結果が可であるか否であるか、即ち全メモリセルの閾値電圧値が書き込み状態である所定の値(5.0V)以上あるか否かが判別される。その結果、否であれば上記ステップS1に戻って消去前書き込みを繰り返す一方、可であればステップS4に進む。ここで、上記書き込みベリファイの動作は、表1における読み出し動作とコントロールゲート7ヘの印加電圧5.0Vが異なるだけで、ドレイン2,ソース1および基板(ウェル)3への印加電圧は同じである。こうして、書き込みベリファイを行う選択メモリセルのコントロールゲート7にワード線を介して5.0Vを印加する一方、非選択メモリセルのコントロールゲート7には0Vを印加して、選択メモリセルにセル電流が流れるか否かを判定する。そして、選択メモリセルにセル電流が流れなければ、選択メモリセルの閾値電圧は5.0V以上あり、書き込み状態になったと判定するのである。これに対して、セル電流が流れれば、選択メモリセルの閾値電圧は5.0Vよりも低いと判定して、再度消去前書き込みを実施するのである。以後、これを繰り返して消去すべき総てのメモリセルの閾値電圧が5.0V以上になると消去前書き込みを終了するのである。
【0011】
ステップS4で、消去パルスの印加が行われる。その場合における消去パルスのパルス幅は、消去特性のバラツキに起因して閾値電圧の低下が早いメモリセルの多くがオーバーイレース状態にならないように、書き込み状態を消去状態に変更するのに必要な消去時間より短い時間、例えば10msに設定される。そして、消去対象メモリセルのドレイン2をオープン状態にし、基板(ウェル)3を0Vにし、コントロールゲート7には−9Vの消去パルスを印加し、ソース1には6Vの消去パルスを印加して、ブロック単位の消去を実施するのである。
【0012】
ステップS5で、消去ベリファイが実行されて、消去メモリセルの閾値電圧が所定の値になっているかが検証される。消去ベリファイの動作は、表1における読み出し動作とコントロールゲート7ヘの印加電圧3.0Vが異なるだけで、他のドレイン2,ソース1および基板(ウェル)3への印加電圧は同じである。こうして、消去ベリファイを行う選択メモリセルのコントロールゲート7にワード線を介して3.0Vを印加する一方、非選択メモリセルのコントロールゲート7には0Vを印加して、選択メモリセルにセル電流が流れるか否かが判定されるのである。そして、選択メモリセルにセル電流が流れれば、選択メモリセルの閾値電圧は3.0V以下あり、消去状態になったと判定される。これに対して、セル電流が流れなければ選択メモリセルの閾値電圧は3.0Vより高いと判定される。
【0013】
ステップS6で、ベリファイ結果が可であるか否であるか、即ち全メモリセルの閾値電圧が消去状態である所定の値(3.0V)以下あるか否かが判別される。その結果、否であれば上記ステップS4に戻って消去パルスの印加が繰り返される一方、可であればステップS7に進む。こうして、上記パルス幅の消去パルスの印加と、消去ベリファイによる閾値電圧の検証とを交互に行いながら、消去対象ブロック内の総てのメモリセルの閾値電圧を3.0V以下にするのである。
【0014】
ここで、上記メモリセル8の消去特性例として、消去パルス印加時間に対する閾値電圧の変化の一例を図15に示す。図15において、消去パルスを300msだけ印加した場合、消去特性のバラツキによって、閾値電圧Vtの低下が最も早いメモリセル(ファーストセル)の閾値電圧Vtは1.5Vであり、閾値電圧Vtの低下の最も遅いメモリセル(スローセル)の閾値電圧Vtは3.0Vである。
【0015】
このような消去特性を持つメモリセルの場合には、消去すべき全メモリセルが消去ベリファイで閾値電圧Vtが3.0V以下(スローセルの閾値電圧Vtは3.0V)であると判定される一方、消去パルス印加が終了すればファーストセルの閾値電圧Vtは1.5Vになるため、消去状態における全メモリセル閾値電圧Vtの分布は1.5V〜3.0Vに収まることになる。
【0016】
ステップS7で、オーバーイレース状態のメモリセルが在るか否かを検証するオーバーイレースベリファイが実行される。このオーバーイレースベリファイの動作は、表1における読み出し動作とコントロールゲート7ヘの印加電圧0Vが異なるだけで、ソース1および基板(ウェル)3への印加電圧は同じである。こうして、総てのコントロールゲート7には0Vを印加する一方、オーバーイレースベリファイを行う選択メモリセルのドレイン2にはビット線を介して1Vを印加して、ビット線端にセル電流が流れるか否かを判定するのである。そして、セル電流が流れなければ、そのビット線にドレインが接続されている複数のメモリセルの中にはオーバーイレース状態のメモリセルはないと判定する。そして、次のビット線に1Vを印加して、そのビット線に関するメモリセルのオーバーイレースベリファイを行う。これに対して、セル電流が流れれば、そのビット線にドレインが接続されている複数のメモリセルの中にオーバーイレース状態のメモリセルが存在していると判定する。
【0017】
ステップS8で、ベリファイ結果が可であるか否であるかが判別される。その結果、オーバーイレース状態のメモリセルが1個でも検出されればステップS9に進み、無ければ消去処理動作を終了する。ステップS9で、オーバーイレース状態のメモリセルに対して、ソフト書き込み(軽度な書き込み)が実行される。このソフト書き込みの動作は、表1における書き込み動作と同様にメモリセルのソース1および基板(ウェル)3に電圧を印加する。そして、ドレイン2には表1における書き込み動作と同じ電圧を、コントロールゲートには6Vを、順次印加することによって行われる。そして、再度オーバーイレースベリファイを行い、そのビット線でセル電流の流れが検出されなければオーバーイレース状態のメモリセルは無くなったと判断する。一方、セル電流の流れが検出されれば、再度ソフト書き込みを実施する。こうして、セル電流が検出されなくなるまでソフト書き込みとオーバーイレースベリファイとを交互に続けるのである。そして、上記ステップS8においてセル電流が検出されなくなると、消去処理動作を終了するのである。
【0018】
基本的には、通常、初期状態の不揮発性半導体メモリ装置は、図13における消去状態の閾値電圧分布を取るために、次のオーバーイレースベリファイによって閾値電圧の検証を行っても、実際にはオーバーイレース状態のメモリセルが発見されてオーバーイレース状態を消去状態に戻すためのソフト書き込みが行われることはない。但し、オーバーイレースベリファイを実施した結果、閾値電圧Vtが0V以下のメモリセルが発見された場合には、上記ソフト書き込みが実行されることになる。
【0019】
以上が、図14に示すオーバーイレース状態のメモリセルの出現を防止する消去アルゴリズムの基本的な一例である。
【0020】
次に、図14に示す消去動作に要する消去総時間を見積り、そのうちの消去前書き込み時間が総消去時間に占める割合を求めてみる。ここで、上記消去前書き込み動作は、上述したように表1に示す通常の書き込み動作に従って行われる。また、不揮発性半導体メモリ装置の電源電圧Vccが5Vである場合、この5Vに基づいて内部に設置されている昇圧用チャージポンプ回路によって書き込みパルス(例えば、コントロールゲート7に印加される10Vのパルス)を生成されるのであるが、その場合に上記昇圧用チャージポンプ回路等の出力能力から、1バイト分の8個のメモリセルを同時に書き込みを行うことが可能である。
【0021】
ここで、1個のメモリセルヘの書き込み時間を2μsとすると、1ブロック64kBに対する消去前書き込みに要する時間は式(1)で表される。
2μs×64k×8÷8
=2μs×64×1024=131ms …(1)
さらに、消去前書き込み後に行われる書き込みベリファイに必要な時間は、約90msである。
【0022】
次に、上記消去ベリファイを行いながら消去パルス(パルス幅:10ms)を印加するのであるが、その場合における総パルス印加時間は約300msであり、総消去ベリファイ時間は約180msである。最後に、オーバーイレースベリファイに要する時間は約90msである。
【0023】
また、ソフト書き込みについては、上述したように、通常の不揮発性半導体メモリ装置における消去特性のバラツキは図15に示すようであるため、ソフト書き込みは行われないことが多い。したがって、ここでは、ソフト書き込みに要する時間は見積もらないことにする。因みに、ソフト書き込みに要する時間は、オーバーイレース状態のメモリセルの個数により決定される。
【0024】
したがって、消去総時間は、消去前書き込み時間(131ms)と、書き込みベリファイ時間(約90ms)と、総パルス印加時間(約300ms)と、総消去ベリファイ時間(約180ms)と、オーバーイレースベリファイ時間(約90ms)との合計であり、約791msとなる。また、消去前書き込み時間は131msであるため、消去総時間に占める割合は16%程度となる。
【0025】
ここで、上記消去前書き込みは、通常書き込みと同じ動作であるため書き込み速度は速い。しかしながら、チャネルホットエレクトロンを用いて電子をドレインサイドからフローティングゲート5に注入することによって閾値電圧を上昇させて書き込み状態にするために、消費電流が多い。そのために、不揮発性半導体メモリ装置の電源電圧Vccが、例えば3.0Vや2.4Vさらには1.8Vと低電圧化されると、この消去前書き込み時間が増加するのである。
【0026】
この状況を図16に示す。図16から、不揮発性半導体メモリ装置の電源電圧Vccが低電圧化すると、それに伴って同時に消去前書き込みを行うことができるメモリセル数(ビット数)が減少すると共に、64kB分のメモリセルに対する消去前書き込みに要する時間が増加することが分かる。
【0027】
これは、チャネルホットエレクトロンを用いる消去前書き込みの場合には、この消去前書き込み時に消費される電流がメモリセル1個(1ビット)当たり、500μAと非常に大きい。そのために、電源電圧Vccが低電圧化すると、この電源電圧Vccから昇圧して各書き込みパルス生成する昇圧チャージポンプ回路の電流供給能力が低下するので、それに伴って一度に書き込めるメモリセル数が減少するためである。
【0028】
図16に示すように、電源電圧Vcc=5Vの場合には、同時に8個のメモリセルに消去前書き込みを行うことが可能である。ところが、電源電圧Vcc=1.8Vの場合は、メモリセル1個にしか同時に書き込みを行うことができなくなる。その結果、1ブロック64kB分のメモリセルに対する消去前書き込み時間は、Vcc=5Vでは上述のごとく131msであるが、Vcc=1.8Vになると1048msと長くなるのである。このため、Vcc=1.8Vの場合における消去総時間は1708msとなり、消去前書き込み時間が消去総時間に占める割合は約61%にも上ることになるのである。
【0029】
以上のことから、今後予想される不揮発性半導体メモリ装置の低電圧化並びに高集積化に向けて、消去総時間を短縮するには消去前書き込み時間の低減が重要な要素となってきている。
【0030】
上記消去前書き込み時間を短縮するフラッシュ消去型不揮発性メモリおよびその消去方法が提案されている(特開平10‐64288号公報)。図17に回路ブロック図を示し、消去前書き込み処理動作のフローチャートを図18に示す。図17に示すフラッシュ消去型不揮発性メモリにおいては、入出力信号IOによって消去モードが指定されると、内部シーケンス制御部11からの消去前書き込み・ベリファイ期間信号WVPが立ち上がり、内部アドレス発生回路12によってメモリセルアレイ14のアドレスの初期値が最下位アドレスに設定され(ステップS11)、デコード部13によってデコードされる。そして、内部シーケンス制御部11からの消去前書き込み制御信号PWが活性化レベルになって、書き込み回路15によってメモリセルアレイ14における最下位アドレスに対する消去前書き込みが実行される。以下、順次アドレスIADをインクリメントしながら消去前書き込みが実行され(ステップS12〜S14)、最上位アドレスに対する消去前書き込みが終了すると、内部アドレス発生回路12から最終アドレス検知信号EADが出力される。そうすると、一回目書き込み認識回路16からの一回目消去前書き込み終了信号FWEが活性レベルとなって、内部シーケンス制御部11からのベリファイ制御信号VFが活性レベルになる。こうして、ベリファイ回路17によって、最下位アドレスから順次ベリファイが行われるのである(ステップS15,S16,S19,S20)。そして、その結果が不良であれば消去前書き込み制御信号PWが活性化レベルになって、書き込み回路15によって再書込みが実行される(ステップS17,S18)ようになっている。
【0031】
こうして、消去前書き込みが終了すると、上記内部アドレス発生回路12と消去回路18とによって、消去パルス印加が開始される。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の消去前書き込み時間を短縮するフラッシュ消去型不揮発性メモリおよびその消去方法には、以下のような問題がある。すなわち、フラッシュ消去型不揮発性メモリにおいては、一回目書き込み認識回路16を設けて、先ず最初の一回目の消去前書き込みを全メモリセルに対して行い、次いでベリファイを行う過程で見つかった書き込み不良のメモリセルにのみ再度書き込みを行うようにしている。こうすることによって、1バイト単位で消去前書き込みとベリファイとを繰り返して行う図14に示す消去アルゴリズムに比して、消去前書き込み時間の短縮を図ることはできる。
【0033】
しかしながら、上記消去前書き込み時に消費される電流が500μAと非常に大きいことに変りはない。したがって、電源電圧Vccが低電圧化すると、この電源電圧Vccから昇圧して各書き込みパルス生成する昇圧チャージポンプ回路の電流供給能力が低下するので、一度に書き込めるメモリセル数が減少し、1ブロック64kB分のメモリセルに対する消去前書き込み時間が長くなるという問題に対しては、何ら解決されてはいないのである。
【0034】
そこで、この発明の目的は、低電圧化が進むにつれて増加する消去前書き込み時間を低減し、結果として消去時間を短縮することができる不揮発性半導体メモリ装置、および、その消去方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の発明は、
制御ゲート,浮遊ゲート,ドレインおよびソースを有して電気的に情報の書き込みおよび消去が可能な浮遊ゲート電界効果トランジスタが基板あるいはウェル上にマトリクス状に配置され、行方向に配列された各浮遊ゲート電界効果トランジスタの制御ゲートに接続された複数の行線と、列方向に配列された各浮遊ゲート電界効果トランジスタのドレインに接続された複数の列線を有すると共に、ブロックを構成する各浮遊ゲート電界効果トランジスタのソースが共通ソース線に接続された不揮発性半導体メモリ装置であって、
一括消去の対象となる消去対象区画に属する浮遊ゲート電界効果トランジスタは、n(正の整数)個の領域に分割されており、
上記各消去対象区画毎に、
上記消去対象区画に対する消去前書き込み , 消去パルス印加およびオーバーイレースベリファイを含む一連の消去動作の回数を記憶する消去動作回数記憶手段と、
上記消去動作回数記憶手段の記憶内容に基づいて、上記消去対象区画における消去前書き込みを行う領域のアドレスを設定するアドレス設定手段と、
上記消去対象区画に対する上記消去動作の回数がn回になる毎に、上記消去動作の回数がn回になったことを表すフラグ情報が格納されるフラグ手段と、
上記フラグ手段に上記フラグ情報が格納されている場合に、上記消去動作回数記憶手段の記憶内容をリセットする消去動作回数リセット手段を備え
上記nは、上記浮遊ゲート電界効果トランジスタの閾値電圧が負になるまでの消去パルス印加時間に応じて、消去前書き込みが行われない浮遊ゲート電界効果トランジスタにオーバーイレース状態が発生しないように設定されており、
上記消去対象区画を構成するn個の領域の夫々を、領域0乃至領域 ( n−1 ) とし、第 ( n・k ( 0を含む正の整数 ) +1 ) 回目の消去動作時には領域0に対してのみ消去前書き込みを行ない、第 ( n・k+2 ) 回目の消去動作時には領域1に対してのみ消去前書き込みを行ない、以下、第 ( n・k+n ) 回目までの消去動作時に、順次領域 ( n−1 ) まで消去前書き込みを行ない、
上記消去対象区画には、上記消去動作が1回実行される毎に上記消去前書き込みが1回 実行されるようになっている
ことを特徴としている。
【0036】
上記第1の発明の構成によれば、任意の消去対象区画に対して一連の消去動作が行われるに際して、当該消去対象区画に対応する消去動作回数記憶手段に消去動作の回数が記憶される。そして、アドレス設定手段によって、上記消去動作回数記憶手段の記憶内容に基づいて、消去前書き込みを行う領域のアドレスが設定され、当該消去対象区画に対応する消去時に上記設定領域に対して消去前書き込みが行われる。以下、この動作が繰り返され、当該消去対象区画に対する消去動作の回数がn回になるとフラグ手段にフラグ情報が格納され、消去動作回数リセット手段によって上記消去動作回数記憶手段の記憶内容がリセットされる。
【0037】
したがって、当該消去対象区画に対応する1回の消去動作毎に、当該消去対象区画の1/nの浮遊ゲート電界効果トランジスタに対してのみ、消去前書き込みが行われることになる。その結果、1回の消去動作時における消去前書き込み時間が従来の1/nになり、結果的に消去動作総時間が短縮される。こうして、低電圧化に伴う消去時間の増加が防止される。
【0038】
また、第1の実施例は、第1の発明の不揮発性半導体メモリ装置において、上記消去対象区画は上記ブロックであることを特徴としている。
【0039】
この実施例によれば、低電圧化に伴う消去時間の増加防止が、ブロック消去方式の不揮発性半導体メモリ装置に対して適用される。
【0040】
また、第2の実施例は、第1の発明の不揮発性半導体メモリ装置において、上記消去対象区画は,上記マトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタで成るメモリセルアレイであり、上記消去対象区画に対するn個の領域への分割は上記ブロックの単位で行なわれていることを特徴としている。
【0041】
この実施例によれば、低電圧化に伴う消去時間の増加防止が、フルチップ消去方式の不揮発性半導体メモリ装置に対して適用される。
【0042】
また、第3の実施例は、第1の発明の不揮発性半導体メモリ装置において、上記消去動作回数記憶手段は、(n−1)個の不揮発性半導体メモリで構成されていることを特徴としている。
【0043】
また、第4の実施例は、上記第3の実施例の不揮発性半導体メモリ装置において、上記消去動作回数記憶手段を構成する不揮発性半導体メモリは、上記マトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタと同じ構造を有していることを特徴としている。
【0044】
これらの実施例によれば、上記消去動作回数リセット手段によるリセットは、上記マトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタに消去パルスが印加される際に、同時に、上記消去動作回数記憶手段を構成する不揮発性半導体メモリに消去パルスを印加することによって、上記浮遊ゲート電界効果トランジスタの消去と同時に行うことが可能となる。つまり、上記消去動作回数リセット手段を、上記マトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタ用の消去回路で兼用することが可能になるのである。
【0045】
また、第5の実施例は、上記第3の実施例または第4の実施例の不揮発性半導体メモリ装置において、上記消去動作が開始されると、当該消去動作に係る上記消去対象区画に対応する消去動作回数記憶手段を構成する(n−1)個の不揮発性半導体メモリを読み出し、書き込まれていない不揮発性半導体メモリが存在する場合には未書き込み不揮発性半導体メモリの1つに書き込みを行なう一方、総ての不揮発性半導体メモリが書き込み状態である場合には、上記フラグ手段に上記フラグ情報を格納させる消去制御手段を備えたことを特徴としている。
【0046】
この実施例によれば、消去制御手段によって、上記消去動作回数記憶手段に対して的確に該当する消去対象区画の消去動作の回数が記憶される。さらに、当該消去対象区画の消去動作の回数がn回になる毎に、上記フラグ手段に対して的確に上記フラグ情報が格納される。
【0047】
また、第2の発明は、
制御ゲート,浮遊ゲート,ドレインおよびソースを有して電気的に情報の書き込みおよび消去が可能な浮遊ゲート電界効果トランジスタが基板あるいはウェル上にマトリクス状に配置され、行方向に配列された各浮遊ゲート電界効果トランジスタの制御ゲートに接続された複数の行線と、列方向に配列された各浮遊ゲート電界効果トランジスタのドレインに接続された複数の列線を有すると共に、ブロックを構成する各浮遊ゲート電界効果トランジスタのソースが共通ソース線に接続された不揮発性半導体メモリ装置の消去方法であって、
一括消去の対象となる消去対象区画に属する浮遊ゲート電界効果トランジスタの1/nの浮遊ゲート電界効果トランジスタに対してのみ消去前書き込みを行ない、
上記nは、上記浮遊ゲート電界効果トランジスタの閾値電圧が負になるまでの消去パルス印加時間に応じて、消去前書き込みが行われない浮遊ゲート電界効果トランジスタにオーバーイレース状態が発生しないように設定されており、
上記消去対象区画を構成するn個の領域の夫々を、領域0乃至領域 ( n−1 ) とし、第 ( n・k ( 0を含む正の整数 ) +1 ) 回目の消去動作時には領域0に対してのみ消去前書き込みを行ない、第 ( n・k+2 ) 回目の消去動作時には領域1に対してのみ消去前書き込みを行ない、以下、第 ( n・k+n ) 回目までの消去動作時に、順次領域 ( n−1 ) まで消去前書き込みを行ない、
上記消去対象区画には、上記消去動作が1回実行される毎に上記消去前書き込みが1回実行されるようになっており、
上記消去動作は、上記消去対象区画に対する消去前書き込み , 消去パルス印加およびオーバーイレースベリファイを含む一連の消去動作である
ことを特徴としている。
【0048】
上記第2の発明の構成によれば、任意の消去対象区画に対応する1回の消去動作毎に、当該消去対象区画の1/nの浮遊ゲート電界効果トランジスタに対してのみ、消去前書き込みが行われる。したがって、1回の消去動作時における消去前書き込み時間が従来の1/nになり、結果的に消去動作総時間が短縮される。こうして、低電圧化に伴う消去時間の増加が防止される。
【0049】
また、第6の実施例は、上記第2の発明の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法において、上記消去対象区画は上記ブロックであることを特徴としている。
【0050】
この実施例によれば、低電圧化に伴う消去時間の増加防止が、ブロック消去方法に対して適用される。
【0051】
また、第7の実施例は、上記第2の発明の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法において、上記消去対象区画は,上記マトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタで成るメモリセルアレイであり、上記消去前書き込みを行なう浮遊ゲート電界効果トランジスタは,上記ブロックの単位で設定されることを特徴としている。
【0052】
この実施例によれば、低電圧化に伴う消去時間の増加防止が、フルチップ消去方法に対して適用される。
【0053】
また、第8の実施例は、上記第2の発明の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法において、上記1/nの浮遊ゲート電界効果トランジスタは上記消去対象区画をn個の領域に分割することによって設定され、上記消去動作に際して,上記消去対象区画を構成するn個の領域のうち1つの領域に対してのみ上記消去前書き込みを行なうことを特徴としている。
【0054】
この実施例によれば、上記消去対象区画に属する浮遊ゲート電界効果トランジスタの1/nに対する消去前書き込みが、当該消去対象区画をn個に分割してなる領域を単位として行われる。
【0055】
また、第9の実施例は、上記第8の実施例の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法において、上記各消去動作毎に、上記消去対象区画を構成するn個の領域のうち1つの領域に対して順次上記消去前書き込みを行なうことを特徴としている。
【0056】
この実施例によれば、任意の消去対象区画に対して消去動作が行われる毎に、当該消去対象区画を分割してなるn個の領域に順次消去前書き込みが行われる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
<第1実施の形態>
図1は、本実施の形態の不揮発性半導体メモリ装置における消去動作を制御する消去制御回路のブロック図である。図1から分るように、本消去制御回路は、内部シーケンス制御部21,内部アドレス発生回路22,消去回路23,書き込み回路24,ベリファイ回路25,デコード部26,メモリセルアレイ27,フラグ28および消去回数記憶メモリ29から構成されている。
【0058】
尚、上記メモリセルアレイ27はフラッシュメモリで構成されており、各フラッシュメモリセルの構成は、図12に示す構成と同じである。また、上記メモリセルアレイ27に対する書き込み,消去および読み出しの各基本動作は、従来のフラッシュメモリセルに対する書き込み,消去および読み出しの各動作と同じである。但し、本実施の形態における消去制御回路が従来の消去制御回路と大きく異なる点は、消去動作における消去前書き込み動作である。
【0059】
図1に示す消去制御回路は、上記フラグ28および消去回数記憶メモリ29を除く概略構成は、図17に示す従来の消去制御回路と同じである。消去回数記憶メモリ29は、メインのメモリセルアレイ27と同一のフラッシュメモリ(この場合にはETOX型のフラッシュメモリ)で構成されており、消去回数が記憶される。尚、この消去回数記憶用のメモリセルはメモリセルアレイ27の各ブロックに対応付けられている。したがって、この消去回数記憶メモリ29には、メモリセルアレイ27と同様に、書き込み及び消去を行なうことが可能なのである。本実施の形態においては、消去回数記憶メモリ29におけるメモリセル数は3ビットである場合を例に説明する。フラグ28は、例えばインバータ2個から構成させるラッチ回路であり、消去回数記憶メモリ29における消去回数記憶用のメモリセルの総てが書き込み状態である場合に「1」をラッチする。
【0060】
図2は、図1に示す消去制御回路によって行われる消去前書き込みアルゴリズムのフローチャートである。以下、図1及び図2に従って、メモリセルアレイ27の1ブロックに対して消去前書き込み処理動作を行う場合について説明する。消去動作が開始されて消去前書き込みがスタートすると、先ずステップS21で、内部シーケンス制御部21によって、消去回数記憶メモリ29の状態(3ビットのメモリセルM1,M2,M3の状態)がリードされ、その結果をIとする。図3に、3ビットのメモリセルの状態とIとの値の関係を示す。但し、状態「1」は消去状態を表わし、状態「0」は書き込み状態を表わす。図3から分るようにように、例えば、1回目の消去である場合には、消去回数記憶メモリ29の状態は(M3,M2,M1)=(1,1,1)であり、3ビットのメモリセルM1,M2,M3の状態は総て消去状態である。したがって、上記フラグ28の内容は「0」であり、その場合におけるIの値は0である。
【0061】
また、2回目の消去である場合は、上記消去回数記憶メモリ29の状態は(M3,M2,M1)=(1,1,0)であり、2つのメモリセルM2,M3の状態は消去状態で、1つのメモリセルM1の状態は書き込み状態である。したがって、フラグ28の内容は「0」であり、その場合におけるIの値は1である。さらに、3回目の消去である場合は、消去回数記憶メモリ29の状態は(1,0,0)であり、メモリセルM3の状態は消去状態で、メモリセルM1,M2の状態は書き込み状態である。したがって、フラグ28の内容は「0」であり、その場合におけるIの値は2である。さらに、4回目の消去である場合は、消去回数記憶メモリ29の状態は(0,0,0)であり、メモリセルM1,M2,M3の状態は総て書き込み状態である。したがって、フラグ28の内容は「1」であり、その場合におけるIの値は3である。このとき、フラグ28の内容が「1」となるため、メモリセルアレイ27が消去されると同時に、消去回数記憶メモリ29の各メモリセルM1,M2,M3も消去される。結果として、5回目の消去の場合では1回目の消去の場合に戻り、消去回数記憶メモリ29の状態は(1,1,1)となり、フラグ28の内容は「0」となり、Iの値は0となる。続いて、6回目の消去の場合では、消去回数記憶メモリ29の状態は(1,1,0)となり、フラグ28の内容は「0」となり、Iの値は1となる。すなわち、4の倍数回目の消去毎に上記1回目の状態が繰り返されるのである。
【0062】
上記メモリセルアレイ27に対する消去回数を表すIの値(I=0〜3)は、図4に示すように、64kBの1つのブロックを領域0から領域3までの4つの領域に分割したうちの一つをも指定している。尚、従来の不揮発性半導体メモリ装置では、図5に示すように、64kBの1ブロックを一括して消去前書き込みの対象としていた。
【0063】
図4に示すように、64kBの1つのブロックは、WL0〜WL1023の計1024本のワード線にコントロールゲートが接続される一方、BL0〜BL511の計512本のビット線にドレインが接続されている(1024×512)個のメモリセルから成るメモリセルアレイで構成されている。このメモリセルアレイを、領域0(ワード線WL0〜WL255)、領域1(ワード線WL256〜WL511)、領域2(ワード線WL512〜WL767)、領域3(ワード線WL768〜WL1023)のように、ワード線単位で4つのグループに分割している。そして、I=0の場合には領域0を指定し、I=1の場合には領域1を指定し、I=2の場合には領域2を指定し、I=3の場合には領域3を指定するのである。
【0064】
さらに、1ブロック64kBのメモリセルを指定するアドレスIAD(バイト単位)を0〜65535(64×1024バイト)とし、上記4つに分割された各領域をこのアドレスIADで表すと、I=0の場合にはIAD=0〜16383、I=1の場合にはIAD=16384〜32767、I=2の場合にはIAD=32768〜49151、I=3の場合にはIAD=49152〜65535となる。
【0065】
本ステップにおいては、上記消去回数記憶メモリ29の状態(3ビットのメモリセルM1,M2,M3の状態)のリード結果に従ってIの値が決定されると、消去前書き込みを行う領域の開始アドレスであるNの値が次式
N=I×16384
によって計算される一方、上記消去前書き込みを行う領域の最終アドレスIAD(end)が次式
IAD(end)=N+16383
によって計算される。
【0066】
ステップS22で、上記内部シーケンス制御部21によって、I=3であるか否かが判別される。そして、I=3であればステップS23に進み、そうでなければステップS24に進む。ステップS23で、内部シーケンス制御部21によって、フラグ28に「1」がセットされる。そうした後、ステップS25に進む。尚、I=0,1,2の場合には、フラグ28の内容は「0」のままである。こうして、I=3の場合には、フラグ28の内容に「1」がセットされることによって、消去前書き込み動作が終了した後に上記メモリセルアレイ27ヘの消去パルス印加が行われる際に、消去回数記憶メモリ29の消去も同時に行われるのである。
【0067】
ステップS24で、上記内部シーケンス制御部21によって、消去回数記憶メモリ29の各メモリセル(M1,M2,M3)の状態が次のIの状態に書き換えられる。すなわち、現在がI=0である場合には、メモリセルM1に書き込みを行って消去回数記憶メモリ29の状態を(1,1,0)に書き換える。同様に、現在がI=1である場合には、メモリセルM2に書き込みを行って消去回数記憶メモリ29の状態を(1,0,0)に書き換える。現在がI=2である場合には、メモリセルM3に書き込みを行って消去回数記憶メモリ29の状態を(0,0,0)に書き換えるのである。
【0068】
ステップS25で、上記内部アドレス発生回路22によって、消去前書き込みを行うアドレスIADが初期値「N」に設定される。例えば、I=0の場合には、アドレスIAD=0から消去前書き込みが開始される。ステップS26で、書き込み回路24によって、アドレスIADに従って、「I」の値に応じた領域内の1バイト分のメモリセルに対して消去前書き込みが実行される。ステップS27で、内部シーケンス制御部21によって、アドレスIADは最終アドレスIAD(end)であるか否かが判別される。その結果、最終アドレスIAD(end)であればステップS29に進み、そうでなければステップS28に進む。ステップS28で、内部アドレス発生回路22によって、アドレスIADの内容がインクリメントされ、上記ステップS26に戻って次のアドレスIADのメモリセルに対する消去前書き込みに移行する。以後、順次アドレスIADを更新しながら消去前書き込みが行われて、最終アドレスIAD(end)に対する消去前書き込みが終了すると上記ステップS29に進む。すなわち、I=0の場合には、アドレスIAD=0から最終アドレスIAD(end)=16383まで消去前書き込みが行われて、図4におけるワード線WL0〜WL255に接続された全メモリセルに対して消去前書き込みが行われるのである。
【0069】
ステップS29で、上記内部アドレス発生回路22によって、書き込みベリファイを行うアドレスIADが初期値「N」に設定される。ステップS30で、上記ベリファイ回路25によって、アドレスIADに従って、「I」の値に応じた領域内の1バイト分のメモリセルに対して書き込みベリファイが実行される。尚、書き込みベリファイの動作は、従来の技術において説明した通りである。ステップS31で、内部シーケンス制御部21によって、上記ベリファイの結果が良であるか否であるかが判別される。その結果、各メモリセルの閾値電圧が5.0V以上であって良と判定されれば、消去前書き込みが完了したと判断されてステップS33に進む。一方、閾値電圧が5.0Vよりも低ければ書き込み不足と判定されてステップS32に進む。ステップS32で、書き込み回路24によって、再書込みが行われ、上記ステップS30に戻って再度書き込みベリファイが行われる。こうして、当該アドレスに該当する全メモリセルの閾値電圧が5.0V以上になるまで再書込みと書き込みベリファイとが繰り返される。そして、上記全メモリセルの閾値電圧が5.0V以上になるとステップS33に進む。
【0070】
ステップS33で、上記内部シーケンス制御部21によって、アドレスIADは最終アドレスIAD(end)であるか否かが判別される。その結果、最終アドレスIAD(end)であれば消去前書き込み動作を終了して、消去パルスの印加が開始される。一方、最終アドレスIAD(end)でなければステップS34に進む。ステップS34で、内部アドレス発生回路22によって、アドレスIADの内容がインクリメントされ、上記ステップS30に戻って次のアドレスIADのメモリセルに対する書き込みベリファイに移行する。以後、順次アドレスIADを換えながら書き込みベリファイが行われ、最終アドレスIAD(end)に対する書き込みベリファイが終了すると、消去前書き込み動作を終了して、消去パルスの印加が開始される。
【0071】
以上のごとく、上記ステップS21からステップS34までの動作が実行されることによって、例えば、I=0の場合には、領域0における先頭アドレスIAD=0からの最終アドレスIAD(end)=16383までの消去前書き込み動作と書き込みベリファイ動作とが行われる。そして、引き続いて、図14に示す消去アルゴリズムにおけるステップS4以降と同様に、64kBの1ブロック全体に対する消去パルスの印加,消去ベリファイおよびオーバーイレースベリファイによる一連の消去動作が実行されるのである。
【0072】
上述したように、本実施の形態による消去前書き込み処理動作は、領域1,領域2あるいは領域3の場合でも同様であり、夫々の領域のみに対して消去前書き込みが行われるのである。したがって、図2に示す本実施の形態における消去前書き込みを含む一連の消去動作が開始されると、消去すべきブロック中のある領域(例えば、領域0)のメモリセルのみに対して消去前書き込みおよび書き込みベリファイが実行される。そうした後、引き続いて、当該ブロック中の総てのメモリセルに対して、消去パルスの印加と消去ベリファイの実行とオーバーイレースベリファイの実行とが行われて、消去動作を終了するのである。
【0073】
そして、当該ブロックに対して次の消去動作が行われる場合には、消去回数記憶メモリ29の状態に応じて、当該ブロック中の前回の消去動作時に消去前書き込みが行われた領域の次の領域(例えば、領域1)のメモリセルに対して消去前書き込みが実行され、その後当該ブロック中の総てのメモリセルに対して消去パルスの印加と消去ベリファイの実行とオーバーイレースベリファイの実行とが行われるのである。以下、同様である。
【0074】
したがって、本実施の形態においては、ある領域(例えば、領域0)に注目すれば、注目領域が存在するブロックに対して、上記一連の消去動作が4回実施される毎に消去前書き込みが1回実施されることになる。他の領域でも同じである。
【0075】
すなわち、本実施の形態によれば、上記メモリセルアレイ27における1ブロックを4つの領域に分割し、各消去動作毎に1つの領域(1ブロックの1/4)のみに対して消去前書き込みを行なうので、消去前書き込みパルス印加時間および書き込みベリファイ時間が、従来の各消去動作毎に1ブロック全体に対して消去前書き込みおよび書き込みベリファイを行なう不揮発性半導体メモリ装置の場合よりも短縮することが可能なのである。
【0076】
例えば、上記電源電圧Vcc=1.8Vであって、同時に1個のメモリセルにしか書き込みができない場合において、1ブロックが64kB分のメモリセルに対する消去前書き込み時間は式(2)で表わされる。
2μs×64×1024×8÷4=262ms …(2)
さらに、消去前書き込み後に行われる書き込みベリファイに必要な時間は、1ブロックが64kB分の全メモリセルに対する書き込みベリファイ時間は約90msであるから、
約90÷4=23ms …(3)
である。
【0077】
さらに、上記消去パルス印加を行う際の総消去パルス印加時間は、1ブロック一括消去であるため従来の不揮発性半導体メモリ装置の場合と同じ約300msであり、総消去ベリファイ時間も従来と同じく約180msである。また、オーバーイレースベリファイも1ブロック一括して行われるため従来と同じく約90msである。
【0078】
したがって、消去総時間は、消去前書き込み時間262msと、書き込みベリファイ時間約23msと、総パルス印加時間約300msと、総消去ベリファイ時間約180msと、オーバーイレースベリファイ時間約90msとの合計であり、約855msとなる。したがって、上述した従来の不揮発性半導体メモリ装置における電源電圧Vcc=1.8Vである場合における消去総時間1708msに比して約50%程度低減される。また、消去前書き込みを行うメモリセル数が上述した従来の不揮発性半導体メモリ装置の1/4になるため、消去前書き込み時の消費電流も減少するのである。
【0079】
さらに、本実施の形態の場合には、消去すべきブロックにおける1回の消去動作において4つの領域中の3つの領域では消去前書き込みが行われないため、消去パルス印加直前の当該ブロックには、閾値電圧が低い消去状態のメモリセルも混在していることなる。一般的に、消去パルス印加時に、メモリセルにおけるフローティングゲートとソース領域との間の電位差が大きい程、つまり、上記フローティングゲートに注入されている電子の量が多くてメモリセルの閾値電圧が高い程、この電位差によってフローティングゲート下の領域で空乏化が生ずる。したがって、BTBT電流(Band to Band Tunneling電流)によってメモリセルのソース領域から基板(ウェル)へのリーク電流が多く発生し易くなり、その結果、消費電流が増加することになる。したがって、消去パルス印加時に、閾値電圧が低い消去状態のメモリセルが混在することは、BTBT電流を減少させて消費電流の削減につながるのである。
【0080】
一方においては、上記消去パルス印加時に、閾値電圧の低いメモリセルが存在する場合には、消去パルスの印加によって当該閾値電圧の低いメモリセルの閾値電圧が更に下げられることになり、オーバーイレース状態になり易い。したがって、本実施の形態においては、従来の不揮発性半導体メモリ装置の場合よりもオーバーイレースが多く発生する可能性がある。以下、この点について検証する。
【0081】
図15に、本実施の形態において用いられるフラッシュメモリセルの消去特性の一例を示し、最も消去速度が遅いスローセルと最も消去速度が速いファーストセルとを示している。スローセルは消去パルスの印加に対して閾値電圧の低下が最も遅いメモリセルであり、上記消去パルス印加時には、このメモリセルの閾値電圧が3V以下になるまで消去パルスが印加し続けられるのである。
【0082】
一方、上記ファーストセルは消去パルスの印加に対して閾値電圧の低下が最も速いメモリセルであり、上記消去パルス印加時には、このメモリセルの閾値電圧がオーバーイレース状態にならないように、消去前書き込みを何回かの消去動作毎に実施したり、そのためにメモリセルアレイ27を幾つかの領域に分割したり等の考慮が必要である。
【0083】
上記メモリセルの消去特性のバラツキによる閾値電圧の分布は、図15に示すように、消去パルスの総印加時間が300msとなって、スローセルの閾値電圧が3.0Vに到達した際に、ファーストセルの閾値電圧はそれよりも1.5V程低い値にまで低下している。したがって、ファーストセルの閾値電圧は1.5V程度となり、消去特性のバラツキによる閾値電圧の分布は1.5V〜3.0Vの範囲に収まるのである。
【0084】
上述したように、本実施の形態においては、上記メモリセルアレイ27の1ブロック中における1つの領域は、4回の消去動作において1回のみ消去前書き込みが実行される。ここで、上記消去動作とは、消去前書き込み , 消去パルス印加 , 消去ベリファイ , 消去ベリファイ不可時の消去パルスの再印加 , オーバーイレースベリファイおよびオーバーイレースベリファイ不可時のソフト書き込みを含む一連の消去動作である。したがって、1つの領域中のメモリセルには、情報データによる書き込み(プログラム)がなければ、最長1.2sec(=300ms×4回)間消去パルスのみが印加されるものもある。この場合、図15から分かるように、ファーストセルの閾値電圧は0.6Vにまで低下するが、0V以下までには低下していない。そのために、以後オーバーイレースベリファイを行ってもオーバーイレース状態ではないため、ソフト書き込みが実施されることはないのである。
【0085】
尚、オーバーイレース状態のメモリセルが出現すれば、ソフト書き込みによって閾値電圧の上昇を図る必要があるが、上述の説明によって、本実施の形態における一連の消去動作におけるオーバーイレース状態のメモリセルの出現率は従来の不揮発性半導体メモリ装置に比較して増加することはないものと予測される。したがって、消去前書き込み時間の短縮はそのまま、一連の消去動作時間における総時間の短縮につながるのである。
【0086】
以上のように、本実施の形態においては、上記メモリセルアレイ27に用いられるメモリセルの消去時における閾値電圧の分布は、図15に示すように、ファーストセルは、300ms間の消去パルス印加を4回行ってもオーバーイレース状態にはならない。そこで、このことを利用して、メモリセルアレイ27における1ブロックを4つの領域に分割し、3ビットの消去回数記憶用のメモリセル(M1,M2,M3)を有する消去回数記憶メモリ29を設けて、各領域の消去前書き込み状態を書き込むようにしている。そして、消去回数記憶メモリ29の内容を参照して、1つのブロックに対して、4回の消去動作毎に1つの領域に対して順次消去前書き込みと書き込みベリファイとを行うようにしている。
【0087】
こうして、1回の消去動作時において実行される消去前書き込みおよび書き込みベリファイの領域を、従来の不揮発性半導体メモリ装置の場合の1/4にすることによって、消去前書き込みパルス印加時間および書き込みベリファイ時間を従来の不揮発性半導体メモリ装置の場合よりも1/4に短縮することが可能になり、結果として消去総時間を短縮することができる。したがって、電源電圧Vcc=1.8Vであるために同時に1個のメモリセルにしか書き込みができない場合における消去総時間を、約855msと、従来の不揮発性半導体メモリ装置における1708msに比して約50%程度低減することができるのである。
【0088】
すなわち、本実施の形態によれば、低電圧化に伴う消去前書き込み時間の増加を低減できるのである。さらに、消去前書き込みを行うメモリセル数が従来の不揮発性半導体メモリ装置の場合の1/4になるため、消去前書き込み時における消費電流を減少することもできるのである。
【0089】
その際に、上述したように、上記メモリセルアレイ27における1領域中のメモリセルは、最長1.2sec(=300ms×4回)間消去パルスのみが印加されるものがあったとしても、ファーストセルはオーバーイレース状態にはならないのである。
【0090】
<第2実施の形態>
上記第1実施の形態においては、上記メモリセルアレイ27をブロック単位で一括消去するブロック消去の場合について述べた。本実施の形態においては、メモリセルアレイの全体を一括消去するフルチップ消去の場合について述べる。
【0091】
図6は、本実施の形態の不揮発性半導体メモリ装置における消去動作を制御する消去制御回路のブロック図である。図6から分るように、本消去制御回路は、図1に示す消去制御回路と基本構成は同じであり、内部シーケンス制御部31,内部アドレス発生回路32,消去回路33,書き込み回路34,ベリファイ回路35,デコード部36,メモリセルアレイ37,フラグ38およびフルチップ消去回数記憶メモリ39から構成されている。
【0092】
図6に示す消去制御回路は、上記フラグ38およびフルチップ消去回数記憶メモリ39を除く概略構成は、図17に示す従来の消去制御回路と同じである。上記フルチップ消去回数記憶メモリ39は、メインのメモリセルアレイ37と同一のフラッシュメモリ(この場合にはETOX型のフラッシュメモリ)で構成されており、フルチップ消去の消去回数を記憶する。本実施の形態においては、フルチップ消去回数記憶メモリ39におけるメモリセル数は、3ビットである場合を例に説明する。フラグ38はラッチ回路であり、フルチップ消去回数記憶メモリ39におけるフルチップ消去回数記憶用のメモリセルの総てが書き込み状態である場合に「1」をラッチする。
【0093】
図7は、16Mのメモリセルアレイ37における消去ブロックの構成の一例を示す。図から分るように、上記消去ブロックは、1ブロック64kB(512kビット)で32ブロック存在する。一方、ETOX型フラッシュメモリのフルチップ消去は、消去時に使用する内部の昇圧用チャージポンプの能力の関係から、1ブロックずつの消去動作を32ブロック分繰り返すことになる。
【0094】
従来の不揮発性半導体メモリ装置におけるフルチップ消去処理動作のフローチャートを図11に示す。図11において、フルチップ消去のコマンドが入力されると、最初にブロック0から消去前書き込み,書き込みベリファイ,消去パルス印加,消去ベリファイおよびオーバーイレースベリファイの順に処理が行われ、必要に応じてソフト書き込みが行なわれる。そして、ブロック0について上記処理動作が終了すると引き続いてブロック1の処理が行われ、以下順次各ブロックの処理が行われる。そして、最終的にブロック31の処理が行われてフルチップ消去が終了することになる。したがって、電源電圧Vccが1.8Vとなった場合には、フルチップ消去時間は54.7秒(=1208ms×32ブロック)になるのである。
【0095】
図8に、本実施の形態におけるフルチップ消去アルゴリズムのコンセプトを示す。本実施の形態においては、フルチップ消去を行なう場合、1回目のフルチップ消去動作時には、図8(a)に示すように、ブロック0,ブロック4,…,ブロック28のごとく4の倍数ブロックに対して消去前書き込みを行う。さらに、2回目のフルチップ消去動作時には、図8(b)に示すように、ブロック1,ブロック5,…,ブロック29のごとく(4の倍数+1)のブロックに対して消去前書き込みを行う。同様に、3回目,4回目のフルチップ消去動作時には、図8(c),図8(d)に示すように、(4の倍数+2),(4の倍数+3)のブロックに対して消去前書き込みを行う。さらに、5回目のフルチップ消去動作時には、1回目の場合と同様に4の倍数ブロックに対して消去前書き込みを行うのである。
【0096】
図9は、図6に示す消去制御回路によって行われるフルチップ消去アルゴリズムのフローチャートである。以下、図6および図9に従って、メモリセルアレイ37の全ブロックに対するフルチップ消去動作について説明する。フルチップ消去動作がスタートすると、先ずステップS51で、内部シーケンス制御部31によって、フルチップ消去回数記憶メモリ39の状態(3ビットのメモリセルM1,M2,M3の状態)がリードされて、その結果をIとする。また、消去前書き込みおよび書き込みベリファイの最終アドレスBA(end)が次式
BA(end)=28+I
によって求められる。尚、フルチップ消去回数記憶メモリ39内のメモリセル構造、各メモリセルの状態と「I」との関係、各メモリセルの書き込み方法、フラグ38の設定等は、上記第1実施の形態と変わらないため、説明は省略する。
【0097】
ステップS52で、上記内部シーケンス制御部31によって、I=3であるか否かが判別される。そして、I=3であればステップS53に進み、そうでなければステップS54に進む。ステップS53で、内部シーケンス制御部31によって、フラグ38に「1」がセットされる。そうした後に、ステップS55に進む。ステップS54で、内部シーケンス制御部31によって、フルチップ消去回数記憶メモリ39の各メモリセル(M1,M2,M3)の状態が次のIの状態に書き換えられる。すなわち、例えば、現在がI=0である場合には、メモリセルM1に書き込みを行って消去回数記憶メモリ29の状態を(1,1,0)に書き換えるのである。
【0098】
ステップS55で、上記内部アドレス発生回路32によって、消去前書き込みを行うアドレスBAが初期値「I」に設定される。ステップS56で、書き込み回路34によって、アドレスBAに従って、「I」の値に応じたブロック内のメモリセルに対して消去前書き込みが実行される。ステップS57で、ベリファイ回路35によって消去前書き込みが実行された当該ブロックのメモリセルに対して書き込みベリファイが実行され、内部シーケンス制御部31によって上記ベリファイの結果が良であるか否であるかが判別される。その結果、各メモリセルの閾値電圧が5.0V以上であって良と判定されればステップS58に進む。一方、閾値電圧が5.0Vよりも低ければ書き込み不足と判定され、上記ステップS56に戻って再度消去前書き込みが実行される。ステップS58で、内部シーケンス制御部31によって、アドレスBAは最終アドレスBA(end)であるか否かが判別される。その結果、最終アドレスBA(end)であればステップS60に進み、そうでなければステップS59に進む。ステップS59で、内部アドレス発生回路32によって、アドレスBAの内容に4が加算される。そうした後、上記ステップS56に戻って次のアドレスのブロックに対する消去前書き込みおよび書き込みベリファイに移行する。以後、順次アドレスBAを換えながら消去前書き込みおよび書き込みベリファイが行われ、上記最終アドレスBA(end)に対する消去前書き込みおよび書き込みベリファイが終了すると上記ステップS60に進む。
【0099】
ステップS60で、上記内部アドレス発生回路32によって、アドレスBAが初期値「0」に設定される。ステップS61で、消去回路33によって、アドレスBAに該当するブロックのメモリセルに対して消去パルス印加が実行される。尚、消去パルス印加の動作は、従来の技術において説明した通りである。ステップS62で、ベリファイ回路35によって当該ブロックのメモリセルに対して消去ベリファイが行われ、内部シーケンス制御部31によってその結果が良であるか否であるかが判別される。その結果、全メモリセルの閾値電圧が3.0V以下であって良と判定されればステップS63に進む一方、そうでなければ上記ステップS61に戻って再度消去パルス印加および消去ベリファイが行われる。そして、当該アドレスに該当する全メモリセルの閾値電圧が3.0V以下になると上記ステップS63に進む。
【0100】
ステップS63で、上記ベリファイ回路35によってオーバーイレースベリファイが行われ、内部シーケンス制御部31によってその結果が良であるか否であるかが判別される。その結果、当該ブロックの全メモリセルの閾値電圧が0V以下であって良と判定されればステップS65に進む。一方、そうでなければステップS64に進む。ステップS64で、書き込み回路34によってソフト書き込みが行われる。そうした後、上記ステップS63に戻って再度オーバーイレースベリファイが行われる。こうして、当該アドレスに該当する全メモリセルの閾値電圧が0V以上になれば上記ステップS65に進む。
【0101】
ステップS65で、上記内部シーケンス制御部31によって、アドレスBAは最終ブロックのアドレス「31」であるか否かが判別される。その結果、最終ブロック31であればフルチップ消去処理動作を終了する。一方、最終ブロック31でなければステップS66に進む。ステップS66で、内部アドレス発生回路32によって、アドレスBAの内容がインクリメントされる。そうした後、上記ステップS61に戻って次のアドレスに該当するブロックのメモリセルに対する消去パルス印加,消去ベリファイ,オーバーイレースベリファイに移行する。以後、順次アドレスBAを換えながら消去パルス印加,消去ベリファイ,オーバーイレースベリファイが行われ、最終ブロック「31」のメモリセルに対する消去パルス印加,消去ベリファイ,オーバーイレースベリファイが終了すると、フルチップ消去処理動作を終了する。
【0102】
尚、上記Iが「3」であるため上記ステップS53においてフラグ38に「1」がセットされた場合には、上記ステップS61においてブロック0のメモリセルに消去パルスを印加する際に、フルチップ消去回数記憶メモリ39内の3ビットのメモリセルに対しても同時に消去パルスを印加し、閾値電圧を低下させて消去するようになっている。
【0103】
本実施の形態において、64kB×32ブロックで構成された16Mビットのメモリセルアレイ37に対するフルチップ消去に要する時間は、電源電圧Vccが1.8Vであって、メモリセルに対して同時に一個(1ビット)ずつ消去前書き込みを行う場合には、
(1)8ブロックへの消去前書き込みに要する時間
2μs×64×1024×8×8=8.4sec
(2)8ブロックへの書き込みベリファイに要する時間
約90ms×8=0.72sec
(3)32ブロックへの消去パルス印加に要する総消去パルス印加時間
約300ms×32=9.6sec
(4)32ブロックへの消去ベリファイに要する時間
約180ms×32=5.76sec
(5)32ブロックへのオーバーイレースベリファイに要する時間
約90ms×32=2.88sec
であるから、一連のフルチップ消去動作に要する時間は(1)〜(5)の合計時間である27.4secとなる。これは、従来のフルチップ消去方法で要した時間54.7secと比較して、約50%程度と消去時間を大きく短縮することができる。
【0104】
上述したように、本実施の形態においては、上記メモリセルアレイ37を32ブロックに分割し、1回のフルチップ消去動作において8ブロックに対して消去前書き込みを行っている。したがって、1つのブロックは、4回のフルチップ消去動作において1回のみ消去前書き込みが実行される。そのために、1つのブロック中のメモリセルには、情報データによる書き込みがなければ、最長1.2sec(=300ms×4回)間消去パルスのみが印加されるものも存在する。この場合、図15から分かるように、上記ファーストセルの閾値電圧は0.6Vにまで低下するが、0V以下までには低下していない。そのために、オーバーイレース状態にはならないのである。
【0105】
本実施の形態における一連のフルチップ消去動作におけるオーバーイレース状態のメモリセルの出現率は従来の不揮発性半導体メモリ装置に比較して増加することはないものと予測される。したがって、消去前書き込み時間の短縮はそのまま、一連のフルチップ消去動作時間における総時間の短縮につながるのである。また、1回のフルチップ消去動作に消去前の書き込みを行うメモリセルの数が、従来の不揮発性半導体メモリ装置の場合の1/4に減少することによって、消去前書き込み時の消費電流が減少する。さらに、消去前の書き込みを行うメモリセルの数が従来の不揮発性半導体メモリ装置よりも減少しているため、消去パルス印加直前のメモリセルアレイ37には、閾値電圧が低い消去状態のメモリセルも混在していることなる。したがって、上記BTBT電流が減少して消費電流が低減される。
【0106】
以下、上記メモリセルアレイ27,37およびその周辺の構成について、図10に示すの模式図に従って簡単に説明する。尚、図10は、ソース共通型のメモリセルアレイを複数のブロックに分割した構成の一例を示す。
【0107】
図10に示す構成はコラム側を分割した例であり、一本のワード線WLに接続されているメモリセルMCをi個毎にまとめて、k個のブロックに分割した例である。第1ブロックにおける第1列目のメモリセルMCx1(x=1〜m)のドレインはビット線BL11に共通に接続され、ビット線BL11を介してコラムデコーダ41に接続されている。同様に、メモリセルMCx2のドレインはビット線BL12に共通に接続されてコラムデコーダ41に接続されている。以下、同様に接続され、メモリセルMCxiのドレインはビット線BL1iに共通に接続されてコラムデコーダ41に接続されている。ここで、第2ブロック〜第kブロックに属するメモリセルMCのドレインも同様に接続されている。
【0108】
また、各ブロック内における全メモリセルMCのソースは共通ソース線SLに共通に接続されて、夫々消去回路42に接続されている。そして、消去回路42は消去信号Eによって選択されて、消去時に、消去すべきブロックの共通ソース線SLに所定の消去電圧を供給し、当該ブロック内の全メモリセルMCのソースに印加する。
【0109】
ワードデコーダ43には、上位アドレス信号A(y+1)〜Az(例えば、z=16)が入力される。そして、このワードデコーダ43でアドレス信号をデコードすることによって、所望のワード線WLが1本選択される。一方、コラムデコーダ41にはデータ(例えば、8ビットであればD0〜D7)と下位アドレス信号A0〜Ay(例えば、y=5)が入力される。そして、このコラムデコーダ41でアドレス信号をデコードすることによって所望のビット線BLが選択され、書き込み時はデータD0〜D7が選択ビット線BLに出力され、読み出し時には選択ビット線BLに1Vを印加すると共にビット線BLの電位をセンス回路(図示せず)によって検出してデータを読み出す。また、消去動作時には、コラムデコーダ41の出力をハイインピーダンスにしてビット線BLをオープン状態にする。尚、上記センス回路は、コラムデコーダ41内に含まれる。
【0110】
メモリセルアレイ44は、上記ワード線WL1,WL2,…,WLm(例えば、m=1024)を有し、各ワード線WLにはn個(例えば、n=512)のメモリセルMCのコントロールゲートが接続されている。これらのメモリセルMCmnが上述のようにk個(例えば、k=32)のブロックに分割されているのである。したがって、例えば、m=1024,n=512,k=32とすると、1ブロックのビット線BLの数iはi=16となる。
【0111】
ここで、上記メモリセルアレイ44は上記各実施の形態におけるメモリセルアレイ27,37に相当し、コラムデコーダ41およびワードデコーダ43は上記各実施の形態におけるデコード部26,36に相当し、消去回路42は上記各実施の形態における消去回路23,33に相当するものである。
【0112】
尚、図10においては上記ビット線BL毎にブロック化(コラム側を分割)した例を上げたが、ワード線WL毎にブロック化(ロウ側を分割)してもよい。また、ビット線BL毎のブロック化とワード線WL毎のブロック化とを組み合わせでも良い。
【0113】
【発明の効果】
以上より明らかなように、第1の発明の不揮発性半導体メモリ装置は、一括消去の対象となる消去対象区画に属する浮遊ゲート電界効果トランジスタをn(正の整数)個の領域に分割し、任意の消去対象区画に対して一連の消去動作が行われるに際して、当該消去対象区画に対応する消去動作回数記憶手段に消去動作の回数を記憶し、アドレス設定手段によって上記消去動作回数記憶手段の記憶内容に基づいて消去前書き込みを行う領域のアドレスを設定し、当該消去対象区画に対する消去動作の回数がn回になるとフラグ手段にフラグ情報を格納し、消去動作回数リセット手段によって上記消去動作回数記憶手段の記憶内容をリセットするので、当該消去対象区画に対応する1回の消去動作毎に、当該消去対象区画の1/nの浮遊ゲート電界効果トランジスタに対してのみ消去前書き込みが行われる。
【0114】
したがって、1回の消去動作時における消去前書き込み時間が従来の1/nになり、結果的に消去動作総時間を短縮できる。すなわち、この発明によれば、低電圧化に伴う消去時間の増加を防止することができるのである。
【0115】
その際に、上記浮遊ゲート電界効果トランジスタの閾値電圧は、ファーストイレースの浮遊ゲート電界効果トランジスタであっても数秒間の消去パルス印加に対して負になることは無い、したがって、ファーストイレースの浮遊ゲート電界効果トランジスタの閾値電圧が負になるまでの消去パルス印加時間に応じて、上記消去対象区画の分割数nを設定すれば、消去前書き込みが行われる浮遊ゲート電界効果トランジスタ数の減少に伴ってオーバーイレース状態の浮遊ゲート電界効果トランジスタが発生しないようにできる。
【0116】
さらに、同時に消去前の書き込みを行う浮遊ゲート電界効果トランジスタが減少するために、消去前書き込み時の消費電流を減少できる。さらに、同時に消去前の書き込みを行う浮遊ゲート電界効果トランジスタが減少するために、上記消去前の書き込みに引き続いて消去パルスを印加する際に、閾値電圧の高い浮遊ゲート電界効果トランジスタが減少する。したがって、上記消去パルス印加時に発生するBTBT電流が減少し、結果として消去動作時の消費電流を低減できる。
【0117】
また、第1の実施例の不揮発性半導体メモリ装置は、上記消去対象区画を上記浮遊ゲート電界効果トランジスタのブロックとしたので、低電圧化に伴う消去時間の増加防止をブロック消去方式の不揮発性半導体メモリ装置に対して適用できる。
【0118】
また、第2の実施例の不揮発性半導体メモリ装置は、上記消去対象区画をマトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタで成るメモリセルアレイとし、上記消去対象区画に対するn個の領域への分割を上記浮遊ゲート電界効果トランジスタのブロック単位で行うので、低電圧化に伴う消去時間の増加防止をフルチップ消去方式の不揮発性半導体メモリ装置に対して適用できる。
【0119】
また、第3の実施例の不揮発性半導体メモリ装置は、上記消去動作回数記憶手段を(n−1)個の不揮発性半導体メモリで構成し、第4の実施例の不揮発性半導体メモリ装置は、上記消去動作回数記憶手段を構成する不揮発性半導体メモリを上記浮遊ゲート電界効果トランジスタと同じ構造を有するように成したので、上記浮遊ゲート電界効果トランジスタに消去パルスを印加する際に、同時に、上記消去動作回数記憶手段を構成する不揮発性半導体メモリにも消去パルスを印加して、一動作で上記浮遊ゲート電界効果トランジスタの消去と上記消去動作回数記憶手段のリセットとを行うことができる。したがって、上記消去動作回数リセット手段を、上記浮遊ゲート電界効果トランジスタ用の消去回路で兼用することができる。
【0120】
また、第5の実施例の不揮発性半導体メモリ装置は、消去動作時に、消去制御手段によって、上記消去動作回数記憶手段を構成する(n−1)個の不揮発性半導体メモリに未書き込み不揮発性半導体メモリが存在する場合にはその1つに書き込みを行なう一方、総ての不揮発性半導体メモリが書き込み状態である場合には、上記フラグ手段に上記フラグ情報を格納させるので、上記消去動作回数記憶手段に的確に消去回数を記憶することができる。さらに、消去動作の回数がn回になる毎に上記フラグ手段に対して的確に上記フラグ情報を格納することができる。
【0121】
また、第2の発明の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法は、一括消去の対象となる消去対象区画に属する浮遊ゲート電界効果トランジスタの1/nの浮遊ゲート電界効果トランジスタに対してのみ消去前書き込みを行なうので、1回の消去動作時における消去前書き込み時間が従来の1/nになり、結果的に消去動作総時間を短縮できる。すなわち、この発明によれば、低電圧化に伴う消去時間の増加を防止することができるのである。
【0122】
また、第6の実施例の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法は、上記消去対象区画を上記浮遊ゲート電界効果トランジスタのブロックとしたので、低電圧化に伴う消去時間の増加防止をブロック消去方法に適用できる。
【0123】
また、第7の実施例の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法は、上記消去対象区画をマトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタで成るメモリセルアレイとし、上記消去前書き込みを行なう浮遊ゲート電界効果トランジスタを上記浮遊ゲート電界効果トランジスタのブロック単位で設定するので、低電圧化に伴う消去時間の増加防止をフルチップ消去方法に適用できる。
【0124】
また、第8の実施例の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法は、上記1/nの浮遊ゲート電界効果トランジスタを上記消去対象区画をn個の領域に分割することによって設定し、上記消去対象区画に対する1回の消去動作に際して上記n個の領域のうち1つに対してのみ上記消去前書き込みを行なうので、上記消去前書き込みを、上記消去対象区画をn個に分割してなる領域を単位として行うことができる。
【0125】
また、第9の実施例の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法は、上各消去動作毎に、上記消去対象区画を構成するn個の領域のうち1つの領域に対して順次上記消去前書き込みを行なうので、任意の消去対象区画に対して消去動作を行う毎に、当該消去対象区画を分割してなるn個の領域に順次消去前書き込みを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の不揮発性半導体メモリ装置における消去制御回路のブロック図である。
【図2】 図1に示す消去制御回路によって行われる消去前書き込みアルゴリズムのフローチャートである。
【図3】 図1における消去回数記憶メモリの状態とI値とフラグの内容との関係を示す図である。
【図4】 1ブロックに対する4つの領域への分割例を示す図である。
【図5】 1ブロックを一括して消去の対象とする従来のメモリセルアレイを示す図である。
【図6】 図1とは異なる消去制御回路のブロック図である。
【図7】 16Mのメモリセルアレイにおける消去ブロックの構成例を示す図である。
【図8】 図7に示すメモリセルアレイに対するフルチップ消去時における消去前書き込み順序の説明図である。
【図9】 図6に示す消去制御回路によって行われるフルチップ消去アルゴリズムのフローチャートである。
【図10】 メモリセルアレイおよびその周辺の構成を示す図である。
【図11】 従来のフルチップ消去処理動作のフローチャートである。
【図12】 ETOX型フラッシュメモリセルの断面図である。
【図13】 ETOX型フラッシュメモリセルに対する書き込み状態と消去状態とにおける閾値電圧分布を示す図である。
【図14】 オーバーイレース状態のメモリセルの出現を防止する従来の消去アルゴリズムのフローチャートである。
【図15】 メモリセルの消去パルス印加時間に対する閾値電圧の変化の一例を示す図である。
【図16】 電源電圧Vccと消去前書き込み時間との関係を示す図である。
【図17】 消去前書き込み時間を短縮する従来のフラッシュ消去型不揮発性メモリにおける消去制御回路のブロック図である。
【図18】 図17に示す消去制御回路による消去前書き込み処理動作のフローチャートである。
【符号の説明】
21,31…内部シーケンス制御部、
22,32…内部アドレス発生回路、
23,33…消去回路、
24,34…書き込み回路、
25,35…ベリファイ回路、
26,36…デコード部、
27,37…メモリセルアレイ、
28,38…フラグ、
29…消去回数記憶メモリ、
39…フルチップ消去回数記憶メモリ。

Claims (12)

  1. 制御ゲート,浮遊ゲート,ドレインおよびソースを有して電気的に情報の書き込みおよび消去が可能な浮遊ゲート電界効果トランジスタが基板あるいはウェル上にマトリクス状に配置され、行方向に配列された各浮遊ゲート電界効果トランジスタの制御ゲートに接続された複数の行線と、列方向に配列された各浮遊ゲート電界効果トランジスタのドレインに接続された複数の列線を有すると共に、ブロックを構成する各浮遊ゲート電界効果トランジスタのソースが共通ソース線に接続された不揮発性半導体メモリ装置であって、
    一括消去の対象となる消去対象区画に属する浮遊ゲート電界効果トランジスタは、n(正の整数)個の領域に分割されており、
    上記各消去対象区画毎に、
    上記消去対象区画に対する消去前書き込み , 消去パルス印加およびオーバーイレースベリファイを含む一連の消去動作の回数を記憶する消去動作回数記憶手段と、
    上記消去動作回数記憶手段の記憶内容に基づいて、上記消去対象区画における消去前書き込みを行う領域のアドレスを設定するアドレス設定手段と、
    上記消去対象区画に対する上記消去動作の回数がn回になる毎に、上記消去動作の回数がn回になったことを表すフラグ情報が格納されるフラグ手段と、
    上記フラグ手段に上記フラグ情報が格納されている場合に、上記消去動作回数記憶手段の記憶内容をリセットする消去動作回数リセット手段を備え
    上記nは、上記浮遊ゲート電界効果トランジスタの閾値電圧が負になるまでの消去パルス印加時間に応じて、消去前書き込みが行われない浮遊ゲート電界効果トランジスタにオーバーイレース状態が発生しないように設定されており、
    上記消去対象区画を構成するn個の領域の夫々を、領域0乃至領域 ( n−1 ) とし、第 ( n・k ( 0を含む正の整数 ) +1 ) 回目の消去動作時には領域0に対してのみ消去前書き込みを行ない、第 ( n・k+2 ) 回目の消去動作時には領域1に対してのみ消去前書き込みを行ない、以下、第 ( n・k+n ) 回目までの消去動作時に、順次領域 ( n−1 ) まで消去前書き込みを行ない、
    上記消去対象区画には、上記消去動作が1回実行される毎に上記消去前書き込みが1回実行されるようになっている
    ことを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  2. 請求項1に記載の不揮発性半導体メモリ装置において、
    上記消去対象区画は、上記ブロックであることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  3. 請求項1に記載の不揮発性半導体メモリ装置において、
    上記消去対象区画は、上記マトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタで成るメモリセルアレイであり、
    上記消去対象区画に対するn個の領域への分割は、上記ブロックの単位で行なわれていることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の不揮発性半導体メモリ装置において、
    上記消去動作回数記憶手段は、(n−1)個の不揮発性半導体メモリで構成されていることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  5. 請求項4に記載の不揮発性半導体メモリ装置において、
    上記消去動作回数記憶手段を構成する不揮発性半導体メモリは、上記マトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタと同じ構造を有していることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  6. 請求項4あるいは請求項5に記載の不揮発性半導体メモリ装置において、
    上記消去動作が開始されると、当該消去動作に係る上記消去対象区画に対応する消去動作回数記憶手段を構成する(n−1)個の不揮発性半導体メモリを読み出し、書き込まれていない不揮発性半導体メモリが存在する場合には未書き込み不揮発性半導体メモリの1つに書き込みを行なう一方、総ての不揮発性半導体メモリが書き込み状態である場合には、上記フラグ手段に上記フラグ情報を格納させる消去制御手段を備えたことを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  7. 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の不揮発性半導体メモリ装置において、
    上記フラグ手段は、ラッチ回路で構成されていることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  8. 制御ゲート,浮遊ゲート,ドレインおよびソースを有して電気的に情報の書き込みおよび消去が可能な浮遊ゲート電界効果トランジスタが基板あるいはウェル上にマトリクス状に配置され、行方向に配列された各浮遊ゲート電界効果トランジスタの制御ゲートに接続された複数の行線と、列方向に配列された各浮遊ゲート電界効果トランジスタのドレインに接続された複数の列線を有すると共に、ブロックを構成する各浮遊ゲート電界効果トランジスタのソースが共通ソース線に接続された不揮発性半導体メモリ装置の消去方法であって、
    一括消去の対象となる消去対象区画に属する浮遊ゲート電界効果トランジスタの1/nの浮遊ゲート電界効果トランジスタに対してのみ消去前書き込みを行ない、
    上記nは、上記浮遊ゲート電界効果トランジスタの閾値電圧が負になるまでの消去パルス印加時間に応じて、消去前書き込みが行われない浮遊ゲート電界効果トランジスタにオーバーイレース状態が発生しないように設定されており、
    上記消去対象区画を構成するn個の領域の夫々を、領域0乃至領域 ( n−1 ) とし、第 ( n・k ( 0を含む正の整数 ) +1 ) 回目の消去動作時には領域0に対してのみ消去前書き込みを行ない、第 ( n・k+2 ) 回目の消去動作時には領域1に対してのみ消去前書き込みを行ない、以下、第 ( n・k+n ) 回目までの消去動作時に、順次領域 ( n−1 ) まで消去前書き込みを行ない、
    上記消去対象区画には、上記消去動作が1回実行される毎に上記消去前書き込みが1回実行されるようになっており、
    上記消去動作は、上記消去対象区画に対する消去前書き込み , 消去パルス印加およびオーバーイレースベリファイを含む一連の消去動作である
    ことを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置の消去方法。
  9. 請求項8に記載の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法において、
    上記消去対象区画は、上記ブロックであることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置の消去方法。
  10. 請求項8に記載の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法において、
    上記消去対象区画は、上記マトリクス状に配置された浮遊ゲート電界効果トランジスタで成るメモリセルアレイであり、
    上記消去前書き込みを行なう浮遊ゲート電界効果トランジスタは、上記ブロックの単位で設定されることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置の消去方法。
  11. 請求項8乃至請求項10の何れか一つに記載の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法において、
    上記1/nの浮遊ゲート電界効果トランジスタは、上記消去対象区画をn個の領域に分割することによって設定され、
    記消去動作に際して、上記消去対象区画を構成するn個の領域のうち1つの領域に対してのみ上記消去前書き込みを行なうことを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置の消去方法。
  12. 請求項11に記載の不揮発性半導体メモリ装置の消去方法において、
    上記各消去動作毎に、上記消去対象区画を構成するn個の領域のうち1つの領域に対し て順次上記消去前書き込みを行なうことを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置の消去方法。
JP2001019894A 2001-01-29 2001-01-29 不揮発性半導体メモリ装置およびその消去方法 Expired - Fee Related JP3802763B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001019894A JP3802763B2 (ja) 2001-01-29 2001-01-29 不揮発性半導体メモリ装置およびその消去方法
US10/056,061 US6542410B2 (en) 2001-01-29 2002-01-28 Nonvolatile semiconductor memory device capable of reducing pre-erase write time and erase method therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001019894A JP3802763B2 (ja) 2001-01-29 2001-01-29 不揮発性半導体メモリ装置およびその消去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002230981A JP2002230981A (ja) 2002-08-16
JP3802763B2 true JP3802763B2 (ja) 2006-07-26

Family

ID=18885693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001019894A Expired - Fee Related JP3802763B2 (ja) 2001-01-29 2001-01-29 不揮発性半導体メモリ装置およびその消去方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6542410B2 (ja)
JP (1) JP3802763B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITVA20020016A1 (it) * 2002-02-21 2003-08-21 St Microelectronics Srl Metodo di scrittura di un insieme di bytes di dati in una memoria standard e relativo dispositivo di memoria
JP4124635B2 (ja) * 2002-12-05 2008-07-23 シャープ株式会社 半導体記憶装置及びメモリセルアレイの消去方法
JP4270496B2 (ja) * 2003-06-12 2009-06-03 シャープ株式会社 不揮発性半導体メモリ装置およびその消去制御方法
JP3767588B2 (ja) * 2003-08-29 2006-04-19 セイコーエプソン株式会社 不揮発性半導体記憶装置及びその制御方法
JP4315767B2 (ja) * 2003-09-04 2009-08-19 株式会社ルネサステクノロジ 不揮発性半導体記憶装置
KR100672938B1 (ko) * 2004-07-21 2007-01-24 삼성전자주식회사 플래시 메모리를 위한 선택적 소거 방법
US7415646B1 (en) * 2004-09-22 2008-08-19 Spansion Llc Page—EXE erase algorithm for flash memory
JP2006164408A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Toshiba Corp 不揮発性半導体記憶装置及びそのデータ消去方法。
US7233528B2 (en) * 2005-07-25 2007-06-19 Atmel Corporation Reduction of programming time in electrically programmable devices
KR100769771B1 (ko) * 2006-09-29 2007-10-23 주식회사 하이닉스반도체 플래시 메모리 장치 및 그 소거 방법
US7649782B2 (en) 2007-07-31 2010-01-19 Freescale Semiconductor, Inc. Non-volatile memory having a dynamically adjustable soft program verify voltage level and method therefor
US7916543B2 (en) * 2007-10-22 2011-03-29 Micron Technology, Inc. Memory cell operation
KR100948468B1 (ko) * 2007-12-24 2010-03-17 주식회사 하이닉스반도체 불휘발성 메모리 장치의 플래그 상태 결정 방법.
JP5383517B2 (ja) * 2010-01-07 2014-01-08 シチズンホールディングス株式会社 不揮発性記憶装置
JP2014059930A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Toshiba Corp 不揮発性半導体記憶装置
US9728278B2 (en) 2014-10-24 2017-08-08 Micron Technology, Inc. Threshold voltage margin analysis
CN115312108B (zh) * 2022-09-30 2022-12-16 芯天下技术股份有限公司 一种存储芯片的读写方法、电子设备及存储介质

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1064288A (ja) 1996-08-23 1998-03-06 Nec Ic Microcomput Syst Ltd フラッシュ消去型不揮発性メモリ及びその消去方法
JPH1145588A (ja) * 1997-07-25 1999-02-16 Nec Corp 不揮発性半導体記憶装置
US6407944B1 (en) * 1998-12-29 2002-06-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Method for protecting an over-erasure of redundant memory cells during test for high-density nonvolatile memory semiconductor devices
US6452837B2 (en) * 1999-12-27 2002-09-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Nonvolatile semiconductor memory and threshold voltage control method therefor
KR100414146B1 (ko) * 2000-06-27 2004-01-13 주식회사 하이닉스반도체 플래쉬 메모리 소자의 소거 방법

Also Published As

Publication number Publication date
US20020154547A1 (en) 2002-10-24
JP2002230981A (ja) 2002-08-16
US6542410B2 (en) 2003-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4050555B2 (ja) 不揮発性半導体記憶装置およびそのデータ書き込み方法
US9508442B2 (en) Non-volatile semiconductor storage device
US6937524B2 (en) Nonvolatile semiconductor memory device having a write control circuit
US6330192B1 (en) Nonvolatile semiconductor memory device and method of erasing data of nonvolatile semiconductor memory device
US5991201A (en) Non-volatile memory with over-program protection and method therefor
JP3886673B2 (ja) 不揮発性半導体記憶装置
US7808829B2 (en) Flash memory device capable of overcoming fast program/slow erase phenomenon and erase method thereof
US7372754B2 (en) Method and apparatus for controlling slope of word line voltage in nonvolatile memory device
US5831905A (en) Method for controlling erasure of nonvolatile semiconductor memory
US6515908B2 (en) Nonvolatile semiconductor memory device having reduced erase time and method of erasing data of the same
JP3802763B2 (ja) 不揮発性半導体メモリ装置およびその消去方法
US5801991A (en) Deselected word line that floats during MLC programming of a flash memory
US6438037B1 (en) Threshold voltage compacting for non-volatile semiconductor memory designs
JP2011018397A (ja) Nand型フラッシュメモリ
KR100888616B1 (ko) 소거 동작 전에 프리 프로그램 동작을 수행하는 낸드플래시 메모리 및 그것의 소거 방법
JP3974778B2 (ja) 不揮発性半導体メモリ装置およびそのデータ消去方法
US6781882B2 (en) Nonvolatile semiconductor storage device having a shortened time required for a data erasing operation and data erasing method thereof
JP2004171686A (ja) 不揮発性半導体記憶装置およびそのデータ消去方法
JP4698605B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の制御方法
JP4672673B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の制御方法
KR100648249B1 (ko) 소거 시간을 단축시킬 수 있는 불 휘발성 메모리 장치의소거 방법
KR100967010B1 (ko) 불휘발성 메모리 장치 및 그 프로그램 방법
JP2007188547A (ja) 不揮発性半導体記憶装置
US6198664B1 (en) APDE scheme for flash memory application
KR100784864B1 (ko) 소거 동작 후에 포스트 프로그램 동작을 수행하는 낸드플래시 메모리 및 그것의 소거 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3802763

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100512

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110512

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110512

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120512

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120512

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130512

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees