JP3798260B2 - 電気電子部品用銅合金及び電気電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気電子部品用銅合金及び電気電子部品に関する技術分野に属し、特には、半導体用リードフレーム、端子、コネクター、ブスバー等の電気電子部品用の銅合金であって、加工性に優れた電気電子部品用銅合金に関する技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器に用いられる半導体装置の大容量化、小型化、高機能化に伴い、半導体装置に使用されるリードフレームの小断面積化が進み、より一層の強度、導電性、熱伝導性が要求されている。
【0003】
半導体用リードフレーム等の電気電子部品材料としては、種々のFe含有銅合金(Feを含有する銅合金)が用いられている。即ち、銅母相中にFe又はFe−P、Fe−Si、Fe−Ti等の金属間化合物を析出させると、導電率および強度に優れる銅合金が比較的簡単に得られるため、C19400(Cu−2.35Fe−0.03P−0.12Zn)、C19500(Cu−1.5Fe−0.8Co−0.1P−0.6Sn)、C19700(Cu−0.6Fe−0.2P−0.05Mg)、Cu−Fe−Si、Cu−Fe−Ti等の多種のFe含有銅合金が半導体用リードフレーム、端子、コネクター等の電気、電子部品材料として大量に用いられている。
【0004】
しかし、これらの電気電子部品材料(Fe含有銅合金)を加工、成形する場合において、冷間圧延における板の波打ちや蛇行、残留応力の不均一、スリッターした条の蛇行、スタンピング加工における曲がりやバリの発生、リード曲げ加工部の肌荒れや割れ、製品での強度低下等の問題が発生することがあり、これが製品の歩留まりや加工時の生産性を低下させていた。
【0005】
従来、電気電子部品材料としては前記のようなFe含有銅合金が用いられているが、これらのFe含有銅合金の特性の制御はFe、P、Zn等の主成分の量の調整およびその他のSn、Mg等の微量添加元素による制御が主であった。しかし、近年では、リードフレーム用銅合金に対する更なる高品質化、特性向上が要求されており、単なる成分制御だけでは、かかる要求を満たすことができないことから、内部組織や析出状態の制御による方法が提案され、開示されている。例えば、特開平10−265873号公報には、圧延表面の板幅方向の平均結晶粒径が3〜60μm で、且つ、その値の80〜120%の寸法の結晶粒の数が全結晶粒の70%以上である電気電子部品用銅合金、即ち、このように結晶粒径、混粒組織を制御することにより、加工性を制御した電気電子部品用銅合金が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上よりわかる如く、従来の電気電子部品用銅合金での特性の制御は、銅母相中にFe及び/又はFe系金属間化合物を析出させること及び/又は再結晶粒の制御によるものである。
【0007】
このような制御は、析出挙動や再結晶挙動の厳密な管理によって達成されていたが、その挙動を安定的に制御することが難しく、特に、コイル内の加工性がばらつき易いといった問題が生じる。
【0008】
また、近年の益々の軽薄短小化に伴い、従来の組織や析出物の制御では充分な加工性を満足させることはできない。
【0009】
そのため、加工性を更に安定的に向上させるためには、加工性、成形性の観点から、これらを支配する組織的因子を本質的に解明し、別の観点での改善が必要となっている。
【0010】
そこで、本発明者らは、Fe含有銅合金の加工性を支配する組織的因子について、鋭意検討を重ねた。その結果、成形性の悪いものでは、その原因は集合組織が十分に制御されていなかったことにあることを見出した。即ち、結晶方位の違いにより、板材の塑性異方性が変化し、プレス成形性が影響を受けることを見出し、これまで集合組織(ある特定の結晶方位が集合した組織)が制御されていなかったために、安定的な加工性が得られなかったことがわかった。その集合組織の発達度合により板材の部位による変形能の相違が大きくなり、前記の如き冷間圧延における板の波打ちや蛇行、残留応力の不均一、スリッターした条の蛇行、スタンピング加工における曲がりやバリの発生、リード曲げ加工部の肌荒れや割れ、製品での強度低下等の問題が発生することがわかった。
【0011】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであって、その目的は、前記従来の電気電子部品用銅合金(Fe含有銅合金)が有する問題点を解消し、加工性に優れた電気電子部品用銅合金および品質に優れた電気電子部品を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電気電子部品用銅合金および電気電子部品は、請求項1〜3記載の電気電子部品用銅合金、請求項4記載の電気電子部品としており、それは次のような構成としたものである。
【0013】
即ち、請求項1記載の電気電子部品用銅合金は、Fe:0.01〜4.0質量%を含有すると共に、P:0.0001〜0.7質量%、Si:0.001〜1.0質量%、Ti:0.001〜1.0質量%の1種以上を含有し、更に、Zn:0.02〜5.0質量%、Sn:0.01〜3.0質量%、Co:0.01〜3.0質量%、Mg:0.01〜3.0質量%、Mn:0.01〜1.5質量%の1種以上を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる電気電子部品用銅合金であって、(200)面のX線回折強度:I(200)と(220)面のX線回折強度:I(220)との比:I(200)/I(220)が0.5以上10以下であり、Cube方位の方位密度:D(Cube方位)が1以上50以下であることを特徴とする電気電子部品用銅合金である(第1発明)。
【0014】
請求項2記載の電気電子部品用銅合金は、更に、Al:0.005質量%以下、Cr:0.001質量%以下、Ca:0.0003質量%以下、Ni:0.002質量%以下を含有する請求項1記載の電気電子部品用銅合金である(第2発明)。
【0015】
請求項3記載の電気電子部品用銅合金は、Cube方位の方位密度:D(Cube方位)とS方位の方位密度:D(S方位)との比:D(Cube方位)/D(S方位)が0.1以上5以下である請求項1または2記載の電気電子部品用銅合金である(第3発明)。
【0016】
請求項4記載の電気電子部品は、請求項1〜3のいずれかに記載の電気電子部品用銅合金からなる電気電子部品である(第4発明)。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えば次のような形態で実施する。
Fe含有銅合金(Feを含有する銅合金)よりなる鋳塊を面削加工してスラブにし、これを加熱して熱間圧延した後、面削加工し、しかる後、冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して、電気電子部品用の板材を得る。このとき、特に冷間圧延での加工率と中間焼鈍条件を調整することにより、得られる板材の(200)面のX線回折強度:I(200)と(220)面のX線回折強度:I(220)との比:I(200)/I(220)が0.5以上10以下となるようにする。Cube方位の方位密度:D(Cube方位)が1以上50以下となるようにする。そうすると、本発明に係る電気電子部品用銅合金が得られる。
【0018】
かかる形態で本発明に係る電気電子部品用銅合金が得られる。そして、この電気電子部品用銅合金を加工することにより、本発明に係る電気電子部品が得られる。
【0019】
以下、本発明について主にその作用効果を説明する。
【0020】
通常の銅合金板の場合、主に、以下に示す如きCube方位、Goss方位、Brass 方位(以下、B方位ともいう)、Copper方位(以下、Cu方位ともいう)、S方位等と呼ばれる集合組織を形成し、それらに応じた結晶面が存在する。これらの集合組織のでき方は同じ結晶系の場合でも加工、熱処理方法によって異なり、圧延による板材の集合組織の場合は、圧延面と圧延方向で表されており、圧延面は{ABC}で表現され、圧延方向は<DEF>で表現される。かかる表現に基づき、各方位は下記の如く表現される。
【0021】
Cube方位 {001}<100>
Goss方位 {011}<100>
Rotated-Goss方位 {011}<011>
Brass 方位(B方位) {011}<211>
Copper方位(Cu方位) {112}<111>
(若しくはD方位{4 4 11}<11 11 8 >
S方位 {123}<634>
B/G方位 {011}<511>
B/S方位 {168}<211>
P方位 {011}<111>
【0022】
本発明においては、基本的に、これらの結晶面から±10°以内のずれのものは同一の結晶面に属するものとする。ここで、B方位〜Cu方位〜S方位は各方位間で連続的に変化するファイバー集合組織(β-fiber)で存在している。
【0023】
これらの集合組織の評価、方位分布密度(Orientation Density)の測定は、通常のX線回折法を用いて行うことができる。X線回折強度比は、回折面の強度、即ち(200) 面、(220) 面、(110) 面のX線回折強度から求めることができる。更に、各方位の方位密度は、(100) 、(110) 、(111) の完全極点図又は不完全極点図(Pole Figure)を測定し、それから、結晶方位分布関数(Orientation Distribution Function : ODF )を用いて、各方位の強度ピーク値の合計に対する各方位の強度ピークの割合を計算することによって求められる(例えば、長島晋一編著「集合組織」,丸善株式会社刊,1984,P8-44 や、金属学会セミナー「集合組織」,日本金属学会編,1981,P3-7等)。あるいは、TEM による電子線回折法、又は、SEM(Scanning Electron Microscopy)-ECP(Electron Chaneling Pattern) 法、或いは、SEM-EBSP〔Electron Back Scattering(Scattered) Pattern 、若しくはEBSD(Diffraction) ともいう〕を用いて測定したデータを基に結晶方位分布関数を用いて方位密度を求めることができる。これらの方位分布は板厚方向に変化しているため、板厚方向に何点か任意にとって平均をとることによって求める方が好ましい。但し、リードフレーム等の半導体用材料に用いられる銅合金板の場合、板厚が0.1 〜0.3mmw程度であるため、そのままの板厚で測定した値でも評価できる。
【0024】
通常の銅合金板の集合組織は、上述のように、かなり多くの方位因子からなるが、これらの構成比率が変化すると板材の塑性異方性が変化し、加工性が変化することが判明した。そして、その中でも、特にCube方位の方位密度〔以下、D(Cube)ともいう〕を適正範囲に制御することにより、加工性の向上と安定化とを達成し得ることがわかった。
【0025】
スタンピング加工等の加工の際、変形中に均一変形することが望ましいが、Cube方位が強く発達し過ぎ、D(Cube)が上記適正範囲よりも高くなると、板面内の塑性異方性が強くなり、部分的に変形し易い個所と変形し難い個所が発生し、前述の如きスタンピング加工での曲がりやバリの発生等の問題が発生し易くなる。一方、Cube方位が少なく、D(Cube)が上記適正範囲よりも低くなると、これは他の結晶方位の発達が強くなることを意味し、別の面内異方性により、上記と同様の問題が発生する。このため、Cube方位粒の制御が重要である。
【0026】
上記D(Cube)の適正範囲は、1以上55以下である。(200) 面のX線回折強度:I(200) と(220) 面のX線回折強度:I(220) との比:I(200) /I(220) が0.5以上10以下であるとき、ほぼD(Cube)は1以上55以下となっている。ただし、I(200) /I(220) の値はCube方位以外の方位である(110) 面の強度によっても変化するので、I(200) /I(220) の値が本発明の範囲内であっても、D(Cube)の値が本発明の範囲外になることもある(逆の場合も同様である)。
【0027】
そこで、本発明に係る電気電子部品用銅合金は、Feを含有する電気電子部品用銅合金であって、(200) 面のX線回折強度:I(200) と(220) 面のX線回折強度:I(220) との比:I(200) /I(220) が0.5以上10以下であることとしている(第1発明)。この電気電子部品用銅合金は、前記知見よりわかる如く、加工性に優れている。ここで、I(200) /I(220) が0.5以上10以下であることとしているのは、0.5未満の場合にはCube方位以外の特定の結晶方位の発達が強くなり、異方性が強くなり、ひいては加工性が低下して不充分となり、10超の場合にはCube方位が強く発達し過ぎ、板面内の塑性異方性が強くなり、ひいては加工性が低下して不充分となるからである。
【0028】
上記I(200) /I(220) のより好ましい範囲は0.6以上9以下である。この場合、より高水準の加工性を有するものとなる。
【0029】
また、前記D(Cube)のより好ましい範囲は1以上50以下であり、この場合、D(Cube):1以上55以下の場合よりも、より高水準の加工性を有するものとなることから、本発明に係る電気電子部品用銅合金は、Feを含有する電気電子部品用銅合金であって、Cube方位の方位密度:D(Cube)が1以上50以下であることとしている(第1発明)。この電気電子部品用銅合金は、前記知見よりわかる如く、加工性に優れている。ここで、D(Cube)が1以上50以下であることとしているのは、1未満の場合にはCube方位以外の特定の結晶方位の発達が強くなり、異方性が強くなり、ひいては加工性が低下して不充分となり、50超の場合にはCube方位が強く発達し、板面内の塑性異方性が強くなり、ひいては加工性が低下して不充分となるからである。
【0030】
前記Cube方位の方位密度:D(Cube 方位) とS方位の方位密度:D(S方位)との比:D(Cube方位) /D(S方位)が0.1以上5以下である場合には、より好ましい高水準の加工性を有するものとなる(第3発明)。即ち、前述のことからわかる如く板材の塑性異方性は各集合組織成分のバランスと深い関わりがあり、特に、Cube方位とS方位の方位密度の割合を制御することで、より好ましい加工性を得ることができ、D(Cube方位) /D(S方位)を0.1〜5とすることにより高水準の加工性を有するものとなる。ここで、D(Cube方位) /D(S方位)を0.1未満にすると、Cube方位よりS方位が相対的に強くなり、D(Cube方位) /D(S方位)を5超にすると、S方位よりCube方位が相対的に強くなり、いずれの場合も異方性が強くなり、加工性が低下する。更に、上記D(Cube方位) /D(S方位)を0.2〜4.5とした場合には、より一層高水準の加工性を有するものとなる。
【0031】
本発明において、電気電子部品用銅合金はFeを含有するが、その銅合金の成分や組成については特には限定されない。しかし、本発明の効果をより一層発揮させるため、あるいは、各種特性の点から、好ましい成分組成の範囲が存在する。かかる成分組成の範囲について、以下に説明する。尚、各成分の含有量の単位に関し質量%(重量%)は%と略して表示する。
【0032】
Fe量(含有量)が0.01%未満であると、Fe又はFe基金属間化合物の析出量が少ないため、リードフレーム、端子、コネクター等に要求される最近の高強度化に十分には応えることができず、また、特殊な加熱条件を設定しなくても整粒組織が得ることができるようにするため、Fe量は0.01%以上とすることが望ましい。一方、Fe量が4.0 %を超えると粗大なFeの晶出物が多量に発生し、これらの晶出物は強度向上に殆ど寄与せず、かえって曲げ加工性を劣化させ、プレス打抜き時に金型を摩耗させるため、Fe量は4.0 %以下とすることが望ましい。従って、Fe量は0.01〜4.0 %とすることが望ましい。この範囲の中で、より好ましい範囲は0.05〜3.0 %である。
【0033】
P,Si,TiはFeと安定な金属間化合物を形成し、Cuの母相に析出して銅合金の耐力、耐熱性を向上させる。金属間化合物を形成させるためにP,Si,Tiを添加する場合は、これらの一種以上を用いる。PはFeとFe2P又はFe3Pを形成し、SiはFeとFe3Si, Fe5Si3 又はFeSiを形成し、TiはFeとFe2Ti 又はFeTiを形成する。これらの含有量は、Pは0.0001〜0.7 %、Siは0.001 〜1.0 %、Tiは0.001 〜1.0 %とすることが好ましく、それぞれ下限値より少ないと、耐力、耐熱性が向上せず、上限値を超すと導電率が低下し、鋳造が難しくなり、熱延や冷延時に割れが発生しやすくなる。
【0034】
Zn,Sn,Co,Mg,Mnは強度を向上させる。Znはプレス加工性の向上(金型摩耗の低減)、マイグレーションの防止、錫めっき及びはんだの耐熱剥離防止等の効果を有する。Zn量が0.02%未満ではその効果が充分でなく、5.0 %を超えると、はんだ濡れ性が低下するので、Zn量は0.02〜5.0 %とすることが好ましい。Snはバネ限界値を向上させる。Sn量が0.01%未満ではその効果が充分でなく、3.0 %を超えると導電率が低下するので、Sn量は0.01〜3.0 %とすることが好ましい。Coは耐熱性を向上させる。Co量が0.01%未満ではその効果が充分でなく、3.0 %を超えると導電率が低下するので、Co量は0.01〜3.0 %とすることが好ましい。Mgはバネ限界値及びプレス加工性(金型摩耗)を改善し、マイグレーションを防止する他、Sと化合してMgS を形成し、鋳塊の熱間加工性を改善する。Mgが0.01%未満ではそれらの効果が充分でなく、3.0 %を超えて含有されると導電率を低下させ、鋳造が難しくなるので、Mg量は0.01〜3.0 %とすることが好ましい。Mnは耐熱性、鋳塊の熱間加工性を向上させる。Mn量が0.01%未満ではそれらの効果が充分でなく、1.5 %を超えると、はんだ濡れ性及び導電率が低下し、鋳造が難しくなるので、Mn量は0.01〜1.5 %とすることが好ましい。なお、上記元素中、Co,MnはそれぞれP,Siと化合物を形成するが、Fe−P、Fe−Si化合物以外に、Co,Mnのりん化物又は/及び珪化物が形成されても本発明に係る銅合金の効果を害するものではない。
【0035】
他の微量元素 Sn ,Pb,Ni,Mn,Cr,Al,Mg,Ca,Be,Si,Zr,In,Ag,Se,Te,Sb,Bi,S等についても、他の主特性である強度、導電率、めっき性等を改善する目的で、1種類又は2種類以上を添加することがあり、これらの添加は製品の特性を阻害しない限り許容される。
【0036】
従来の電気電子部品用銅合金の製造条件についての考え方は、成分設計と最適焼鈍条件の組み合わせによる制御であった。これは加工性と強度の観点で、析出物制御、結晶粒径の制御である。具体的な製造方法は、焼鈍条件の制御だけであった。これに対し、本発明は塑性異方性の改善という観点を集合組織の制御の観点から検討を行い、それ等に基づきなされたものである。集合組織の形成は、成分、加工条件、熱処理条件の単独の条件だけで決まるものではなく、それらの組み合わせで変化し、形成されるものである。特に、本発明者らは、加工の前工程での組織状態の影響を大きく受けることを見出したため、従来の方法では実現できなかった、組み合わせの条件により特性に影響を及ぼすCube方位の制御を可能とし、加工性の向上を実現することができた。
【0037】
本発明に係る電気電子部品用銅合金は、通常は鋳造、均質化熱処理、熱間圧延及び冷間圧延と焼鈍の繰り返しによる工程を経て製造されるが、化学成分や各工程の設定条件により、得られる集合組織は変わるので、一連の製造工程として、総合的に条件を選択する必要がある。目的とする集合組織が得られればよく、製造方法は特には限定されるものではないが、熱間圧延及び冷間圧延における製造条件の制御が特に重要である。
【0038】
本発明に係る電気電子部品用銅合金の製造に際し、好ましい製造条件や重要な事項等について、以下に具体的に説明する。
【0039】
鋳造方法としては一般にCu系合金で採用されている鋳造方法であればよく、連続鋳造が一般的である。鋳造後の均質化熱処理は、鋳塊内に生じたマクロ偏析を均質化する目的で行うため、900 〜1000℃程度の高温で行うのが一般的である。但し、本発明においては、ここでの固溶状態、析出物形態を所望の形態に制御することが重要である。それは、ここで生じる析出物または完全固溶せず残存した金属間化合物は、以降の熱処理過程での再結晶方位の優先核生成サイトとして働き、どのような集合組織が形成されるかを支配するからである。また、これらの析出物状態は、結晶粒径をも支配する。添加元素によって、Cu母相中への各金属間化合物の固溶温度は異なるため、最適均質化熱処理条件は添加元素に応じて適宜選択することが望ましい。
【0040】
均質化熱処理後の熱間圧延や冷間圧延の最適条件は、均質化熱処理後に形成される固溶状態、金属間化合物の分散状態によって変化するので、これらに応じて適宜選択することが望ましい。
【0041】
集合組織が形成される理由は、結晶には最もすべりやすい結晶面が存在するため、圧延加工により、ある特定の結晶方位に配向するからであり、その後の焼鈍によって更に特定の方位が発達するからである。本発明に係る銅合金の集合組織は、下記の如き圧延と焼鈍の組み合わせによる厳密な制御によって得ることができる。
【0042】
熱間圧延については、その総加工率を80%以上とすると共にパス数を5パス以上とすることが望ましい。熱間圧延の総加工率が80%未満の場合には、充分な集合組織が発達せず、また、板厚方向にも集合組織の不均一が生じ易く、特性ばらつきの面で好ましくない。パス数は熱間加工のパス間で生じる回復・再結晶挙動によってCube方位を制御する効果があり、5パス未満では充分ではない。
【0043】
熱間圧延後の冷間圧延については、冷間加工率50%以上の冷間圧延を行い、第1熱処理工程を施し、この後、冷間加工率90%以下(0%を含む)の冷間圧延を行い、第2熱処理工程を施した後、冷間加工率50%以上95%以下の最終冷間圧延を行うことが望ましい。途中の熱処理工程での熱処理温度は、合金成分における析出相によって変化させることが好ましい。上記の如く冷間加工率と熱処理(焼鈍)との組み合わせを制御することによって、本発明に係る銅合金の集合組織に制御することができる。
【0044】
尚、各冷間圧延工程での冷間加工率が上記冷間加工率の下限値になる場合は、Cube方位の方位密度がコイル内で部分的に高くなり、特性にばらつきが生じ易くなって好ましくない。一方、上記冷間加工率の上限値を超える場合は、Cube方位の発達が充分ではなく、他の圧延方位の発達が強くなり、塑性異方性が生じ易くなって好ましくない。
【0045】
上記第1熱処理工程及び第2熱処理工程は、基本的には、微細な析出物を出現させ、製品強度、導電率のレベルを制御する効果があり、添加元素、析出相の種類により、その析出温度は変化するため、熱処理条件は一律に限定されるものではない。但し、微細な析出物が多いほど、その後の冷間圧延工程で圧延集合組織成分(S方位、B方位、Cu方位等)の発達が強くなり、相対的にCube方位の量が低くなるため、最適に集合組織を得るためには、熱処理工程と冷間圧延工程の組み合わせにより制御することが重要である。
【0046】
本発明に係る電気電子部品用銅合金は、前記の如く加工性に優れているので、半導体用リードフレーム、端子、コネクター、ブスバー等の電気電子部品の材料として好適に用いることができ、それにより得られる電気電子部品は品質特性に優れ、電子機器用半導体装置の更なる大容量化、小型化、高機能化に寄与することができる(第4発明)。
【0047】
【実施例】
本発明の実施例及び比較例を以下説明する。尚、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0048】
表1に示す化学成分を有するFe含有銅合金をコアレス炉にて溶解し、種々の厚さの鋳塊を半連続鋳造法にて造塊した。次に、これらの鋳塊について表面面削量を調整して面削加工し、種々の厚さのスラブ(厚さ10mm〜300mm ×幅500mm ×長さ1000mm)スラブを得、これらのスラブを900 〜1000℃で1時間加熱した後、熱間圧延にて厚さ1〜20mmまで圧延した。このとき、熱間圧延の入り側の厚さ(スラブの厚さ)を鋳塊サイズ及び面削加工により調整し、熱間圧延で得る最終板の板厚を制御することにより、総圧下率(加工率)及びパス数を表2に示す如く変化させた。
【0049】
このようにして得られた熱間圧延板を面削加工した後、冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して、厚さ:約0.25mmのリードフレーム用銅合金を製造した。このときの製造条件(初回冷間圧延での加工率、第1熱処理条件、第1熱処理後の冷間圧延での加工率、第2熱処理条件、第2熱処理後の最終冷間圧延での加工率)を表2に示す。得られた銅合金はコイル状のものである。
【0050】
このようにして得られたコイル状の銅合金について、コイル内から任意に試験材を採取し、下記の試験を行った。また、コイル内から任意に50mm角の板材を採取し、この4つ角それぞれの硬さの測定を行った。
【0051】
(X線回折強度、集合組織の測定)
前記コイルから採取された試験材について、通常のX線回折法により、ターゲットにCuを用い、管電圧50KV、管電流200mA の条件で測定した。X線回折強度については、リガク製X線回折装置を用いて、(200) 面〔=(100) 面〕、(220) 面〔=(110) 面〕の回折強度を測定し、それより、(200) 面/(220) 面のX線回折強度比を求めた。また、Cube方位の方位密度:D(Cube)等の各方位密度は、(100) 、(110) 、(111) の完全極点図を測定し、それから、結晶方位分布関数を用いて、各方位の強度ピーク値の合計に対する各方位の強度ピークの割合を計算することによって求めた。ここで、理想の面指数から±10°以内の方位のずれのものは同一の結晶面に属するものとした。
【0052】
(導電率の測定)
前記コイルから採取された試験材をミーリング加工によって短冊状の試験片に加工し、この試験片についてダブルブリッジ式抵抗測定装置により導電率を測定した。
【0053】
(プレス性の評価試験)
前記コイルから採取された試験材について機械式プレスにより0.3mm 幅のリードを打ち抜き、打ち抜いたリードのばり高さを測定し、プレス性を評価した。このとき、ばり高さは、10個のリードのばり面を走査型電子顕微鏡で観察する方法により測定し、各最大ばり高さの平均値で示した。
【0054】
(曲げ加工性の評価試験)
前記コイルから採取された試験材について0.25mmRで90°曲げを行い、曲げ部の外面側を光学顕微鏡で観察し、肌荒れの有無及びクラックの有無で評価した。
【0055】
(50mm角の板材の4つ角の硬さの測定)
前記コイルから採取された50mm角の板材について、ビッカース硬度計を用い、荷重500 gで4つ角それぞれの硬さの測定を行った。そして、4つ角それぞれの硬さ測定値の中で、最高値と最低値の差でもって硬さのばらつきを評価した。
【0056】
上記試験の結果を表3に示す。No.6〜13のものは比較例に該当し、(200) 面/(220) 面のX線回折強度比:I(200) /I(220) が0.5 未満あるいは10超であると共に、Cube方位の方位密度:D(Cube)が1未満あるいは55超であり、このため、プレス性の評価試験でのばり高さのコイル内での差が大きく、プレス加工性のばらつきが大きい。これは、コイル内の加工性がばらつき易く、安定していないことを示している。更に、この比較例の中には、曲げ加工性の評価試験で肌荒れ又は/及びクラックが発生するものがあり、これらは曲げ加工性が悪い。
【0057】
これに対し、No.4〜5のものは本発明の実施例に該当し、I(200) /I(220) が0.5 〜10の範囲内の値であると共に、D(Cube)が1〜55の範囲内の値であり、このため、プレス性の評価試験でのばり高さのコイル内での差が極めて小さく、プレス加工性のばらつきが著しく小さい。これは、コイル内の加工性がばらつき難く、安定していることを示している。更に、曲げ加工性の評価試験で肌荒れもクラックも発生せず、曲げ加工性に極めて優れている。
【0058】
No.1〜3のものは本発明の中の第3発明の実施例に該当し、I(200) /I(220) が0.5 〜10の範囲内の値であると共に、D(Cube)が1〜50の範囲内の値であり、更にD(Cube)/D(S方位)が0.1 〜5の範囲内の値である。このため、前記No.4〜5の場合よりも、プレス性の評価試験でのばり高さのコイル内での差が極めて小さい。これは、前記No.4〜5の場合よりも、さらにコイル内の加工性がばらつき難く、安定していることを示している。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係る電気電子部品用銅合金は、以上のように加工性に優れており、このため、電気電子部品用銅合金として好適に用いることができ、電気電子部品製造の際の製品歩留まりおよび加工時の生産性を向上させることができるという顕著な作用効果を奏する。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
Claims (4)
- Fe:0.01〜4.0質量%を含有すると共に、P:0.0001〜0.7質量%、Si:0.001〜1.0質量%、Ti:0.001〜1.0質量%の1種以上を含有し、更に、Zn:0.02〜5.0質量%、Sn:0.01〜3.0質量%、Co:0.01〜3.0質量%、Mg:0.01〜3.0質量%、Mn:0.01〜1.5質量%の1種以上を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる電気電子部品用銅合金であって、(200)面のX線回折強度:I(200)と(220)面のX線回折強度:I(220)との比:I(200)/I(220)が0.5以上10以下であり、Cube方位の方位密度:D(Cube方位)が1以上50以下であることを特徴とする電気電子部品用銅合金。
- 更に、Al:0.005質量%以下、Cr:0.001質量%以下、Ca:0.0003質量%以下、Ni:0.002質量%以下を含有する請求項1記載の電気電子部品用銅合金。
- Cube方位の方位密度:D(Cube方位)とS方位の方位密度:D(S方位)との比:D(Cube方位)/D(S方位)が0.1以上5以下である請求項1または2記載の電気電子部品用銅合金。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電気電子部品用銅合金からなる電気電子部品。
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