JP3794295B2 - トロイダル型無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
トロイダル型無段変速機の変速制御装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トロイダル型無段変速機(以下、TCVT)の動特性に含まれる非線形特性を補償して、目標変速比から変速比への動特性が線形な特性となる従来例としては、特開2000−18373号公報が知られている。
【0003】
この従来例では、傾転角度をφ、パワーローラ変位(トラニオンの軸方向変位)をy、出力ディスク回転数をωcoとして、ステップモータ変位uから変速比GへのTCVTの動特性を図21のブロック図のように表現している。
【0004】
このブロック図の内容を式に直すと、次の(1)式から(3)式のようになる。
【0005】
【数1】
上記(3)式で示す傾転角度φと変速比Gとの関係は非線形である。
【0006】
ここで、上記係数fは傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoとに依存し、これらの関係は次の(4)式で表される。
【0007】
【数2】
ここで、添字付きのcはTCVTの構造から決まる定数であり、上記(2)式のa1、a2はプリセスカムとリンク比により決まる定数であり、gはスプール位置xをパワーローラ速度に変換するバルブゲインである。
【0008】
プリセスカムはトラニオンの1つに取り付けられており、傾転角度φと、トラニオン軸方向のパワーローラ変位yとが機械的リンク機構で油圧制御弁のスプール位置xに負帰還される。
【0009】
上記(4)式に示したfは、傾転角度φや出力ディスク回転数ωcoに依存するので時変である。
【0010】
そして、上記(1)式から(4)式を見れば明らかなように、ステップモータ変位uから変速比Gへの動特性は非線形である。
【0011】
まず。上記(3)式を2階時間微分してから、上記(1)式と(2)式とを代入すると、変速比Gの2階微分導関数は次の(5)式で表される。
【0012】
【数3】
ここで、
【0013】
【数4】
とおいて、制御則を導いている。
【0014】
上記(6)式と(7)式とが成り立てば、目標変速比G*から変速比Gへの伝達関数W(s)は、次の(8)式で表される。
【0015】
【数5】
ここで、sはラプラス演算子を表す。
【0016】
このW(s)が安定になるように定数k2、k1、k0を求めることで、目標変速比G*から変速比Gへの応答が安定な線形システムとなる。
【0017】
また、W(s)が実数の極を持つようにk2、k1、k0を選ぶことで、目標変速比G*に対する変速比Gのステップ応答において、オーバーシュートを防止しようとするものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、上記(8)式で、上記(6)式と(7)式の仮定により、変速過渡時の速度成分を無視(=0)して制御系を設計することになる。
【0019】
つまり、上記fは(4)式に示すように時変であり、しかも傾転角度φに対し非線形である。このため、上記(6)式や(7)式の仮定が成り立たない場合、上記従来技術によると制御出力vに対する変速比Gの応答を線形にすることができない。
【0020】
例えば、図22に示すように、目標変速比をG0からG1へ変化させた場合のステップ応答は、図中波線で示した線形系W(s)の応答と比較すると、W(s)の応答に比べて、従来技術の制御を行ったときの変速比の応答は、変速の初期に速く、後半は遅くなる。
【0021】
逆に、変速比が低ギア比G1から高ギア比G0へ変速する場合、線形応答に比べて、従来例の応答は後半に速くなる。
【0022】
このように、同じ目標変速比の変化に対して、実際の変速比の応答が運転状態によって変わると、変速の違和感を感じることになる。これは上記(6)式と(7)式とを仮定して、変速過渡時の速度成分を無視したためであり、変速が速くなるほど、この仮定が成り立たない場合が多くなり、変速に違和感が出ることが多くなるという問題があった。
【0023】
変速の過渡期において、(6)式及び(7)式のように零と仮定してしまうと、その速度成分がそのまま制御系の外乱になる。
【0024】
この速度成分は、変速が速くなるほど大きくなるので、変速が遅いときには、速度成分を無視したことによる変速比のずれは小さいが、変速が速いときには、速度成分が無視できない大きさとなり、目標変速比と実変速比との間にずれを生じ、変速が速くなるほど、外乱が大きくなって、運転者に変速の違和感を与えてしまう。
【0025】
さらに、これらh、fが非線形であるため、変速位置や変速幅(変速量)などの変速状態に応じてd(∂h/∂φ)/dtとdf/dtとが変化するため、同じ目標変速比への変化に対しても変速状態毎に変速比の応答が異なり、変速の違和感となるわけである。
【0026】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、制御ゲインを補正することにより、外乱を取り除いて変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、入出力ディスクに挟持押圧されて摩擦係合により前記入出力ディスク間で駆動力の伝達を行うパワーローラと、前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、トラニオンを駆動する油圧アクチュエータへの油圧を制御する変速制御弁と、前記トラニオンおよび前記変速制御弁に連結され、トラニオンの軸方向変位とパワーローラの傾転角度を変速制御弁にフィードバックするメカニカルフィードバック機構と、この変速制御弁を駆動する変速アクチュエータと、前記出力ディスクまたは車速を検出する出力ディスク回転数検出手段と、
アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、前記出力ディスク回転数検出手段の出力とアクセル操作量とから、制御量の目標値を算出する目標値生成手段と、パワーローラの傾転角度を推定または検出する傾転角度検出手段と、トラニオンの軸方向変位を推定または検出する変位検出手段と、前記傾転角度とパワーローラ変位と出力ディスク回転数と制御量目標値とを用いて、制御量が目標値へ追従するように制御を行う変速制御手段と、を備えたトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、
前記変速制御手段は、トロイダル変速部の形状と出力ディスク回転数と傾転角度とに応じて決まり、パワーローラ変位と傾転角速度との関係を表す時変な係数fを算出する係数算出部と、この係数fとパワーローラ変位と傾転角度と出力ディスク回転数とを用いて、係数fの時間微分値を算出する係数微分値算出部と、
前記目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を係数fの時間微分値を用いて演算するゲイン補正部と、制御ゲインの補正量と係数fと制御量目標値とパワーローラ変位と傾転角度とを用いて、変速アクチュエータの指令値を演算する指令値演算部とを有する。
【0028】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記前記変速制御手段は、傾転角度φと制御量zとの関係を示す関数h(φ)の傾転角度に関する1階偏微分導関数∂h/∂φと1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtを算出する偏微分導関数算出部を有し、
前記ゲイン補正部が、前記目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を、係数fの時間微分値と前記時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとに基づいて演算する。
【0029】
また、第3の発明は、前記第2の発明において、前記指令値演算部は、1階偏微分導関数∂h/∂φと係数fとパワーローラ変位とから制御量zの時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、目標制御量と制御量と制御量時間微分値を入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と、制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、この制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、目標制御量の微分値を算出する目標制御量微分値算出部と、目標制御量微分値と制御量時間微分値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fと1階偏微分導関数∂h/∂φとから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、前記偏微分導関数算出部と、前記係数微分値算出部との出力により、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを、係数fの時間微分値と1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtに基づいて補正する。
【0030】
また、第4の発明は、前記第1の発明において、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度とを入力し、予め設定した線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、前記誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、目標傾転角速度を算出する目標傾転角速度算出部と、目標傾転角速度と傾転角速度とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、前記係数微分値算出部の出力に基づいて、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正する。
【0031】
また、第5の発明は、前記第2の発明において、前記指令値演算部は、目標制御量と制御量とから、目標制御量に対する制御量の特性が予め設定した線形特性であるときの制御量2階時間微分目標値を算出する制御量2階微分目標値算出部と、この制御量2階時間微分目標値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fと1階偏微分導関数∂h/∂φとから、目標制御量に対する制御量の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部との出力に基づいて、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値と、1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正する。
【0032】
また、第6の発明は、前記第1の発明において、前記指令値演算部は、目標傾転角度と傾転角度とから、目標傾転角度に対する傾転角度の特性が予め設定した線形特性であるときの傾転角加速度を算出する傾転角加速度目標値算出部と、傾転角加速度目標値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、目標傾転角度に対する傾転角度の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部の出力に基づいて、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正する。
【0033】
また、第7の発明は、前記第2の発明において、前記変速制御手段は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位と1階偏微分導関数∂h/∂φとから制御量時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位と1階偏微分導関数∂h/∂φとから制御量2階時間微分値を算出する制御量2階微分値算出部と、目標制御量と制御量と制御量時間微分値と制御量2階時間微分値とを入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、この制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部とに基づいて、制御量2階微分値算出過程におけるパワーローラ変位の係数を、係数fの時間微分値と、1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正する。
【0034】
また、第8の発明は、前記第1の発明において、前記変速制御手段は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位とから傾転角加速度を算出する傾転角加速度算出部と、目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度と傾転角加速度を入力し、予め設定した線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、この制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部の出力に基づいて、傾転角加速度算出過程におけるパワーローラ変位の係数を、係数fの時間微分値で補正する。
【0035】
【発明の効果】
したがって、第1の発明は、傾転角度を推定または検出する傾転角度検出手段と、中立点からのパワーローラ変位を推定または検出する変位検出手段と、出力ディスク回転数または車速を検出する出力ディスク回転数検出手段と、制御量の目標値を算出する目標値生成手段と、制御量が目標値に追従するように制御を行う変速制御手段とを備えるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、時変な係数fを算出する係数算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と出力ディスク回転数とを用いて係数fを算出し、目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を、係数fに基づいて演算するゲイン補正部と、を備える構成とした。
【0036】
これにより、前記従来例で仮定している上記(7)式とが成り立たない場合(変速が速いとき等)、この仮定により無視していた速度成分を、ゲイン補正部が変速制御手段の制御ゲインを補正して制御に利用するので、目標値に対する制御量の目標線形特性とのずれが補償されて、制御量の応答が運転状態によって変わることによる変速の違和感を抑制することができ、トロイダル型無段変速機の変速過渡特性を向上させることが可能となるのである。
【0037】
また、第2の発明は、時変な係数fを算出する係数算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と出力ディスク回転数とを用いて係数fまたは1階偏微分導関数∂h/∂φの時間微分値d(∂h/∂φ)/dtを算出し、目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を、係数fまたは時間微分値d(∂h/∂φ)/dtを用いて演算するゲイン補正部と、を備える構成とした。
【0038】
これにより、前記従来例で仮定している上記(7)式が成り立たない場合(変速が速いとき等)、この仮定により無視していた速度成分を、ゲイン補正部が変速制御手段の制御ゲインを補正して制御に利用するので、目標値に対する制御量の目標線形特性とのずれが補償されて、制御量の応答が運転状態によって変わることによる変速の違和感を抑制することができ、トロイダル型無段変速機の変速過渡特性を向上させることが可能となるのである。
【0039】
また、第3の発明は、指令値演算部は、1階偏微分導関数∂h/∂φと係数fとパワーローラ変位とから制御量時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、目標制御量と制御量と制御量時間微分値を入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、目標制御量微分値を算出する目標制御量微分値算出部と、目標制御量微分値と制御量時間微分値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fと1階偏微分導関数とから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、前記偏微分導関数算出部と、前記係数微分値算出部との出力に基づいて、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値と1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正する構成とした。これにより、等価入力が、制御誤差を一定に保つように制御を行い、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うので、目標制御量に対する制御量の応答をより確実に線形化できる。
【0040】
また、第4の発明は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度とを入力し、予め設定した線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、目標傾転角速度を算出する目標傾転角速度算出部と、目標傾転角速度と傾転角速度とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、前記係数微分値算出部を有し、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正する構成とした。これにより、等価入力が、前記制御誤差を一定に保つように制御を行い、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うので、目標傾転角度に対する傾転角度の応答をより確実に線形化できると共に、傾転角度を目標値とすることで、1階偏微分導関数∂h/∂φを使用することなく等価入力が、制御誤差を一定に保つように制御を行い、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うので、制御装置の演算負荷を低減しながら目標制御量に対する制御量の応答をより確実に線形化できる。
【0041】
また、第5の発明は、指令値演算部は、目標制御量と制御量とから、目標制御量に対する制御量の特性が予め設定した線形特性である時の制御量2階時間微分目標値を算出する制御量2階微分目標値算出部と、制御量2階時間微分目標値とパワーローラ変位と傾転角度とfと1階偏微分導関数∂h/∂φとから、目標制御量に対する制御量の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部の出力に基づいて、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値と1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正する構成とした。これにより、制御量2階時間微分目標値に対する制御量の特性を2次の積分特性とすることができると共に、この2次の積分特性に対して、さまざまな線形なコントローラを用いて線形な制御系を施すことができるため、設計の自由度を高めることが可能となる。
【0042】
また、第6の発明は、指令値演算部は、目標傾転角度と傾転角度とから、目標傾転角度に対する傾転角度の特性が予め設定した線形特性である時の傾転角加速度を算出する傾転角加速度目標値算出部と、傾転角加速度目標値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、目標傾転角度に対する傾転角度の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部を有し、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正する構成とした。これにより、傾転角加速度目標値に対する傾転角度の特性を2次の積分特性とすることができると共に、この2次の積分特性に対して、さまざまな線形なコントローラを用いて線形な制御系を施すことができるため、設計の自由度を高めることができ、さらに、傾転角度を目標値とすることで、1階偏微分導関数∂h/∂φを使用する必要が無くなって、制御装置で行う演算の負荷を低減させることができる。
【0043】
また、第7の発明は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位と1階偏微分導関数∂h/∂φから制御量時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位とから制御量2階時間微分値を算出する制御量2階微分値算出部と、目標制御量と制御量と制御量時間微分値と制御量2階時間微分値とを入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部の出力に基づいて制御量2階微分値算出過程におけるパワーローラ変位の係数を係数fの時間微分値と1階偏微分導関数の時間微分値とで補正する構成とした。これにより、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うときに、変速アクチュエータの駆動速度限界を考慮した指令値とすることができるので、目標制御量に対する制御量の特性を、より確実に線形化できる。
【0044】
また、第8の発明は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位とから傾転角加速度を算出する傾転角加速度算出部と、目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度と傾転角加速度を入力し、所望の線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部を有し、傾転角加速度算出過程におけるパワーローラ変位の係数を係数fの時間微分値で補正する構成とした。これにより、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うときに、変速アクチュエータの駆動速度限界を考慮した指令値とすることができるので、目標傾転角度に対する傾転角度の特性を、より確実に線形化できると共に、傾転角度を目標値とすることで、1階偏微分導関数∂h/∂φを使用する必要が無くなるので、制御装置で行う演算の負荷を低減させることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0046】
図1は本発明に適用するトロイダル型無段変速機を示し、図2は、その要部断面、および変速制御系の概略構成を示したものである。
【0047】
図1において、トロイダル型無段変速機(TCVT)10は、図中上側に設けられる動力源としてのエンジン(図示せず)の回転が、トルクコンバータ12を介してトロイダル型無段変速機10に入力されるようになっている。
【0048】
トルクコンバータ12は一般に良く知られているように、ポンプインペラ12a、タービンランナ12bおよびステータ12cを備え、特にトルクコンバータ12ではロックアップクラッチ12dが設けられている。
【0049】
そして、トロイダル型無段変速機10は、トルクコンバータ12の出力回転軸14と同軸上に配置されるトルク伝達軸16が設けられ、トルク伝達軸16に第一トロイダル変速部18と第二トロイダル変速部20とがタンデム配置されている。
【0050】
トルク伝達軸16は中空に形成されるとともに、ハウジング22に対し軸方向の若干の移動が可能に取付けられている。上記第一及び第二トロイダル変速部18、20は、それぞれの対向面がトロイダル曲面に形成される一対の第一入力ディスク18a、第一出力ディスク18bおよび第二入力ディスク20a、第二出力ディスク20bと、それぞれの対向面間で摩擦接触するパワーローラ18c、18d、および20c、20dとによって構成される。
【0051】
第一トロイダル変速部18は、上記トルク伝達軸16の図中上方に配置されるとともに、第二トロイダル変速部20は該トルク伝達軸16の図中下方に配置され、かつ、それぞれの第一入力ディスク18aおよび第二入力ディスク20aは互いに外側に配置されるとともに、第一出力ディスク18bおよび第二出力ディスク20bは互いに内側に配置されている。そして、上記第一、第二入力ディスク18a、20aはボールスプライン24、26を介して上記トルク伝達軸16に、回転方向に係止されかつ軸方向の滑らかな移動が可能に取付けられている。
【0052】
一方、上記第一、第二出力ディスク18b、20bは、トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合された出力ギア28にスプライン嵌合され、第一、第二出力ディスク18b、20bに伝達された回転力は、出力ギア28と歯合する入力ギア30aを介してカウンターシャフト30に伝達され、更に、回転力出力経路を介して出力軸に伝達される。
【0053】
ここで、上記第一入力ディスク18aの外側にはローディングカム装置34が設けられ、ローディングカム装置34には、回転力入力経路を介して伝達されるエンジン回転が入力され、この入力トルクに応じた押圧力がローディングカム装置34によって発生される。
【0054】
ローディングカム装置34のローディングカム34aは、上記トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合するとともに、スラストベアリング36を介してトルク伝達軸16に係止される。
【0055】
また、第二入力ディスク20aとトルク伝達軸16の図中下方端部との間には皿バネ38が設けられている。
【0056】
したがって、ローディングカム装置34で発生される押圧力は、第一入力ディスク18aに作用するとともに、上記トルク伝達軸16および上記皿バネ38を介して第二入力ディスク20aにも作用し、かつ、皿バネ38によって発生される予圧力は、第二入力ディスク20aに作用するとともに、トルク伝達軸16およびローディングカム装置34を介して第一入力ディスク18aにも作用するようになっている。
【0057】
ところで、ローディングカム装置34とトルクコンバータ12との間の回転力入力経路には、車両の前進時と後進時の回転方向を切り換える前後進切換装置40が設けられる。
【0058】
前後進切換装置40は、ダブルプラネタリ方式の遊星歯車機構42と、該遊星歯車機構42のキャリア42aを上記出力回転軸Hに締結可能なフォワードクラッチ44と、遊星歯車機構42のリングギア42bを上記ハウジング22に締結可能なリバースブレーキ46とによって構成される。
【0059】
そして、前後進切換装置40では、フォワードクラッチ44を締結するとともに、リバースブレーキ46を開放することにより、エンジン回転と同方向の回転が上記ローディングカム装置に入力され、かつ、フォワードクラッチ44を開放してリバースブレーキ46を締結することにより、逆方向の回転が入力されるようになっている。なお、上記遊星歯車機構42で、42cはサンギア、42d、42eは互いに噛み合いされるプラネタリギアである。
【0060】
ところで、第一トロイダル変速部18および第二トロイダル変速部20に設けられたパワーローラ18c、18dおよび20c、20dは、中心線(軸線)cに対して対称に配置され、それぞれのパワーローラは変速制御装置としての変速制御弁56および油圧アクチュエータ50を介して、車両の運転条件に応じて傾斜(傾転)され、これにより第一、第二入力ディスク18a、20aの回転を無段階に変速して第一、第二出力ディスク18b、20bへ伝達するようになっている。
【0061】
図2は、TCVT10の変速を制御する油圧系の機械的構成図である。
【0062】
パワーローラ20cはトラニオン23で背面から支えられている。トラニオン23は、油圧サーボシリンダ50のサーボピストンと連結しており、油圧サーボシリンダ50a内の油圧と50b内の油圧の差圧で変位する。
【0063】
シリンダ50a、50bは、それぞれシフトコントロールバルブ56のHi側ポート56HiとLow側ポート56Lowに繋がっており、シフトコントロールバルブ56はバルブ内のスプール56Sが変位することにより、ライン圧の油をHi側ポート56HiまたはLow側ポート56Lowに流し、他方のポートからドレーン56Dへ油を流出させることで油圧サーボ内の差圧を変化させる。
【0064】
スプール56Sは、ステップモータ52と後述するプリセスカム55及びリンク構造を介して連結している。
【0065】
プリセスカム55は、4つのトラニオンのうち1体に取り付けられており、パワーローラの上下方向変位とパワーローラの傾転角度をリンクの変位に変換する。
【0066】
スプール56Sの変位は、ステップモータ変位とプリセスカム55で伝えられる変位により決まる。
【0067】
TCVT10の変速は、トラニオン23を平衡点から上下に変位させることにより行い、この変位によりパワーローラ20cと両ディスク20aの回転方向ベクトルに差違が発生してパワーローフ20cは傾転ずる。
【0068】
変速の定常時には、パワーローラ20cおよびトラニオン23の軸方向変位yは平衡点(パワーローラの軸と入出力ディスクの軸線が一致する位置)に戻っており、スプール56Sの変位も中立点でバルブが閉じた状態であるので、このときパワーローラの傾転角度は、プリセスカム比とリンク比で決まるステップモータ52の変位に対応した位置となる。なお、この中立点は、トラニオンの軸方向で、パワーローラ20cの回転軸と入出力ディスクの回転軸が交差する位置を示す。
【0069】
プリセスカム55は、パワーローラ20cの傾転角度をスプール56Sの変位に負帰還して傾転角度の目標値とのずれを補償しながら、パワーローラ20cおよびトラニオン23の平衡点からの変位もスプール56Sの変位に負帰還して過渡状態においてダンピングの効果を与えて、変速のハンチングを抑える。
【0070】
すなわち、変速の到達点はステップモータ52の変位で決まり、一連の変速の過程を示すと、ステップモータ変位を変化させることでスプール56Sが変位してバルブが開き、サーボピストンの差圧が変化してパワーローラが平衡点から変位することで傾転し、パワーローラの傾転角度がステップモータ変位に対応した点でスプール56Sは中立点に戻り変速が終了する。
【0071】
図3は制御装置を含んだTCVT10の概略構成図である。
【0072】
マイクロコンピュータを主体に構成された制御装置80には、入力ディスク18a、20aの何れか1つの回転数ωciを検出する入力回転数センサ84からの出力、出力ディスク18b、20bの何れか1つの回転数ωcoを検出する出力回転数センサ83からの出力、パワーローラ18c、18d、20c、20cの何れか1つの回転数ωprを検出するパワーローラ回転数センサ83からの出力、傾転角度(=トラニオンの回転角)φを検出する傾転角度センサ85からの出力、中立点からのパワーローラ変位(=トラニオン軸方向変位)yを検出する変位センサ86からの出力、アクセルペダルの踏み込み量APSを検出するアクセル操作量センサ81からの出力、ライン圧Plを検出する圧力センサ87からの出力がそれぞれ入力され、ステップモータ52へ指令値を出力する。
【0073】
図4は、TCVT10を含めた制御装置80で演算する変速制御の一例を示すブロック図である。
【0074】
TCVT10のステップモータ変位uに対する傾転角度φの動特性は、上記従来技術と同様で、上記(1)式と(2)式とで表され、ブロック図では、図21として表される。
【0075】
ここで、モデルパラメータa1、a2、gは、ライン圧Plに依存して変化するので、予め同定実験等で得たマップを使って演算する。
【0076】
図4において、係数算出部101は、傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoとから上記(4)式を用いて、パワーローラ変位yと傾転角速度との関係を表す時変な係数fを算出する。なお、この時変な係数fは、トロイダル変速部の形状(寸法など)と出力ディスク回転数と傾転角度とに応じて決まり、パワーローラ変位と傾転角速度との関係を表す時変な係数である。
【0077】
ここで、傾転角度φは、傾転角度センサ85の出力を直接使用するか、オブザーバ等を用いて推定するか、あるいは、次の(9)式を用いてTCVT入出力軸回転数ωci、ωcoから求められるTCVT変速比Gから、上記(3)式と図5とに示すTCVT変速比Gと傾転角度φとの関係を使って求める。
【0078】
【数6】
偏微分導関数算出部104では、偏微分導関数∂h/∂φと、その時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとを求める。ここで、制御量zをTCVT変速比とすると、制御量zは上記(3)式より、次の(10)式で表される。
【0079】
【数7】
∂h/∂φは、次の(11)式となる。
【0080】
【数8】
上記∂h/∂φは、次の(11)式を直接計算するか、予め(11)式を基に作成した図示しないマップを用いて、傾転角度φから求める。そして、さらに、∂h/∂φを時間微分すると、
【0081】
【数9】
となる。よって、上記(1)式と(12)式とから、次の(13)式を得る。
【0082】
【数10】
この、(13)式を用いて、d(∂h/∂φ)/dtを算出する。
【0083】
ここで、偏微分導関数∂2h/∂φ2は、(11)式に示した∂h/∂φを傾転角度φに関して偏微分することで、次の(14)式となる。
【0084】
【数11】
∂2h/∂φ2は、(14)式を直接計算するか、予め(14)式を基に作成した、図示しないマップを用いて傾転角度φより演算する。
【0085】
係数微分値算出部105では、fと傾転角度φとパワーローラ変位yと出力ディスク回転数ωcoとから、fの時間微分値を次の(15)式で算出する。なお、上記(4)式で示したように、fは傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoとの関数であるので、次の(15)式のように表される。
【0086】
【数12】
この(15)式において、上記(1)式の関係を用いると、次の(16)式を得る。
【0087】
【数13】
この(16)式を用いてfの時間微分値を算出する。ここで、偏微分導関数∂f/∂φは、上記(4)式に示したfから次の(17)式となる。
【0088】
【数14】
∂f/∂φは、この(17)式を直接計算するか、予め(17)式を基に作成した、図示しないマップを用いて傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoより演算する。次に、∂f/∂ωcoは、上記(4)式より、次の(18)式となる。
【0089】
【数15】
∂f/∂ωcoは、この(18)式を直接計算するか、予め(18)式を基に作成した、図示しないマップを用いて傾転角度φより演算する。
【0090】
ωcoの時間微分値は、出力ディスク回転数微分値であり、出力ディスク回転数ωcoを差分や擬似微分器で微分して求める。ただし、出力ディスクには車両の慣性があるので時間変化は小さい。出力ディスク回転数ωcoの微分値は他の傾転角度gなどの変化に比べ小さく、後述の(30)式において、出力ディスク回転数微分値をゼロにしても影響が少ないことが、実験やシミュレーションで確認済である。
【0091】
次に、制御量微分値算出部102では、パワーローラ変位yとfと∂h/∂φとから、制御量zの微分値を求める。制御量zは、傾転角度φの関数であるので、次の(19)式で表される。
【0092】
【数16】
この(19)式と上記(1)式とから、次の(20)式を得る。
【0093】
【数17】
zの微分値は、この(20)式を用いて算出する。
【0094】
次に、目標値生成手段109では、アクセル踏み込み量APSと出力ディスク回転数ωcoとから、目標制御量z*を求める。
【0095】
まず、車速VSPを出力ディスク回転数ωcoに所定の定数kvを乗じて算出する。VSPとωcoとkvとの関係を次の(21)式に示す。
【0096】
【数18】
ここで、kvは車両のファイナルギア比やタイヤ半径等から決まる定数である。
【0097】
次に、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0098】
そして、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから次の(22)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0099】
【数19】
最後に、到達制御量tzにローパスフィルタを掛けて、目標制御量z*を求める。このローパスフィルタにおいて、目標制御量z*と到達制御量tzとの関係を次の(23)式とする。
【0100】
【数20】
ここで、ctはローパスフィルタのカットオフ周波数である。
【0101】
次に、制御誤差算出部103では、制御量zと制御量微分値と目標制御量z*とを入力し、後述する制御誤差σを求める。制御誤差σと制御量zと制御量微分値と目標制御量z*との関係は、次の(24)式のように設計する。
【0102】
【数21】
ここで、制御量zであるTCVT変速比Gは、ロータリーエンコーダ等を用いて計測する傾転角度φから上記(10)式を使って演算するか、エンコーダや周期計測で検出する出力ディスク回転数ωcoとTCVT入力軸回転数ωciから、上記(9)式で表される関係を用いて直接算出してもよい。制御誤差σをゼロとすると、制御量zと制御量微分値と目標制御量z*との関係は、次の(25)式となる。
【0103】
【数22】
このように制御誤差σがゼロの場合、制御量zは目標制御量z*に対し、固有値c0の1次遅れの応答となる。
【0104】
次に、制御誤差補償量算出部110では、制御誤差σから、制御誤差補償量uswを演算する。制御誤差σと制御誤差補償量uswとの関係は、次の(26)式とする。
【0105】
【数23】
ここで、kはスイッチングゲインであり、kを十分に大きくすると、制御誤差σは有限時間でゼロに収束する。
【0106】
目標制御量微分値算出部108では、目標制御量z*を入力し、目標制御量微分値を算出する。目標制御量微分値は、目標制御量z*を擬似微分器等を用いて微分して求めるか、上記(23)式の中間変数を使用する。
【0107】
等価入力算出部106では、傾転角度φとパワーローラ変位yと目標制御量微分値とfとを入力し、制御誤差σが一定となるときのアクチュエータ指令値と等価である等価入力ueqを求める。
【0108】
まず、上記(24)式を両辺微分して(27)式を得る。
【0109】
【数24】
制御誤差σが一定と仮定するので、制御誤差微分値をゼロとすると、上記(27)式から次の(28)式を得る。
【0110】
【数25】
この制御量zの2階微分値は、上記(20)式を両辺微分することで、次の(29)式となる。
【0111】
【数26】
よって、上記(2)式と(20)式、(28)式及び(29)式をまとめて、uについて解くと、次の(30)式を得る。
【0112】
【数27】
このuを等価入力ueqとする。
【0113】
上記(30)式では、従来例でゼロと仮定していたfの微分値とd(∂h/∂φ)/dtとを用いて、パワーローラ変位yのフィードバックゲインを補正している。
【0114】
この補正は、図4のゲイン補正部107が行う。
【0115】
上記(30)式による等価入力ueqは、外乱やパラメータ誤差がなければ、制御誤差微分値をゼロに保つことができるもので、換言すれば、初期状態でσ=0ならば、等価入力ueqにより制御誤差σはゼロに保たれるので、制御量zと目標制御量z*との関係は、上記(25)式の状態に保たれる。
【0116】
次に、変位演算部111では、制御誤差補償量uswと等価入力ueqとの和をステップモータ変位指令値uとして出力する。
【0117】
ここで、もし外乱やパラメータ誤差があると、等価入力ueqのみでは制御誤差σはゼロに保たれない。このとき、制御誤差補償量uswが外乱やパラメータ誤差に対し十分大きいならば、制御誤差σはゼロに保たれる。
【0118】
したがって、制御誤差σがゼロに保たれることは、制御量zと目標制御量z*との関係が上記(25)式の状態に保たれるということであるので、目標制御量z*から制御量zの動特性は(25)式の線形な特性となるのである。
【0119】
次に、制御装置80で行われる変速制御の一例を、図7と図8に示すフローチャートを用いて詳述する。この変速制御処理は、ある所定の制御周期、例えば20msec毎に実行される。
【0120】
なお、制御量zはTCVT変速比Gとして以下のフローチャートの説明を行う。そして、最後に制御量zが異なる場合の変更点を述べる。
【0121】
まず、ステップS1では、各種センサの検出値を運転状態として読込む。ここで読み込む運転状態は、上記図3で示した、傾転角度φ、中立点からのパワーローラ変位y、アクセルペダルの踏み込み量APS、出力ディスク回転数ωco、TCVT入力軸回転数ωci、ライン圧Plである。
【0122】
TCVT出力回転数ωcoと、パワーローラ回転数ωpr、TCVT入力回転数ωciとの間には、次の(31)式と(32)式で表される関係がある。
【0123】
【数28】
ここで、cg0、cg1、cg2はトロイダルの形状、寸法で決まる定数である。
【0124】
このように、出力ディスク回転数ωcoとパワーローラ回転数ωpr、TCVT入力軸回転数ωciと傾転角度φとのうちで2つがわかれば、残りの2つは上記(31)式と(32)式とで表される関係を用いて算出できる。
【0125】
ステップS2では、上記(21)式に示したように出力ディスク回転数ωcoに所定の定数kvを乗じて車速VSPを求める。
【0126】
ステップS3では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示した変速マップを用いて到達人力回転数tωiを求める。
【0127】
ステップS4では、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから、上記(22)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0128】
ステップS5では、この到達制御量tzに変速の味付けに応じて決まる時定数のローパスフィルタを掛けて、上記(23)式を用いて目標制御量z*を求める。
【0129】
ステップS6では、目標制御量微分値を目標制御量z*の前回値との差分、若しくは擬似微分器を用いて微分して求めるか、上記(23)式の中間変数を使用して求める。
【0130】
ステップS7では、TCVT入力軸回転数ωciと出力ディスク回転数ωcoとから上記(9)式で示した関係を用いて制御量zを求める。
【0131】
ステップS8では、出力ディスク回転角加速度を出力ディスク回転数ωcoの前回値との差分、若しくは擬似微分器やオブザーバを用いて算出する。ここでは簡単に次の(33)式で表す差分を用いることとする。
【0132】
【数29】
ここで、Tは制御周期であり、T=0.02である。ωco(n)はステップSlで求めた出力ディスク回転数であり、ωco(n−1)は出力ディスク回転数の前回値である。
【0133】
ステップS9では、傾転角度φから、∂h/∂φを(11)式で、d(∂h/∂φ)/dtを(13)式で演算し、傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoから、∂f/∂φを(17)式で、∂f/∂ωcoを(18)式で演算する。あるいは、予め準備しておいたマップを用いて求める。
【0134】
ステップS10では、出力ディスク回転数ωcoと傾転角度φとから、上記(4)式を用いてfを演算し、fの微分値を、∂f/∂ωcoと∂f/∂φと出力ディスク回転数ωcoの微分値とfとパワーローラ変位から、上記(16)式を用いて算出する。
【0135】
ステップS11では、∂h/∂φの値とfとパワーローラ変位yとから、上記(20)式を用いて制御量zの微分値を演算する。
【0136】
ステップS12で、制御量微分値と制御量zと目標制御量z*とから、(24)式を用いて制御誤差σを演算する。
【0137】
ステップS13からS17は、上記(26)式をロジック化したものであり制御誤差補償量uswの算出を示す、
ステップS13において、制御誤差σがゼロより小さいならば、ステップS14に進み、そうでなければステップS15に進む。
【0138】
ステップS15において、制御誤差σがゼロより大きいならば、ステップS16に進み、そうでなければステップSf7に進む。ステップS14では制御誤差補償量uswを次の(34)式で設定する。
【0139】
【数30】
ここで、kは例えば、ステップモータ52の最大ステップモータ変位とする。
【0140】
ステップS16では制御誤差補償量uswを(35)式に設定する。
【0141】
【数31】
ステップS17では制御誤差補償量uswを(36)式に設定する。
【0142】
【数32】
ステップS18では、ライン圧Plから、図9に示すマップを用いてa1、a2、gを求める。
【0143】
ステップS19では、ステップモータ52への等価入力ueqを、上記(30)式を用いて求める。ただし、出力ディスク回転数ωcoの時間変化は小さいので、TCVT出力回転角加速度はゼロとしてもよい。
【0144】
ステップS20では、制御誤差補償量uswと等価入力ueqとの和を、ステップモータ52の指令値uとして出力する。
【0145】
以上の処理により、目標制御量z*から制御量zまでの動特性が線形化されるのである。
【0146】
したがって、制御ゲインを補正して変速過渡時の違和感を抑制するに当たり、変速位置や変速幅(変速量)などの変速状態にかかわらず、同じ目標変速比への変化に対してはほぼ一定の変速の応答を得ることができ、変速過渡時の違和感の抑制を効果的にできるのである。
【0147】
次に、無段変速機構をギアードニュートラル方式の変速比無限大無段変速機(以下、IVT)としたときの例を図10に示す。
【0148】
IVTはTCVT2と遊星歯車機構6と第1、第2の断続手段(クラッチ)9、7を主体に構成される。
【0149】
図10は、IVTの機械的構成を示す概略図である。
【0150】
IVTは平行に配置されたIVT入力軸1aとIVT出力軸5を有し、IVT入力軸1a上にはTCVT2が、IVT出力軸上には遊星歯車機構6が備わる。
【0151】
遊星歯車のサンギア62aは第2断続手段7の片方とつながっており、TCVT2の出力が一定減速ギア4aを介して入力される。
【0152】
遊星歯車のリングギア62cは、IVT出力軸5と第2断続手段の他方とに連結されている。
【0153】
遊星歯車機構6のキャリアは第1断続手段9の片方とつながっており、第1断続手段9の他方は、一定減速ギア3を介してTCVT2の入力軸1aに連結される。
【0154】
第1断続手段9を締結して第2断続手段7を解放している状態を動力循環モードと呼び、第2断続手段を締結して第1断続手段を解放している状態を直結モードと呼ぶ。
【0155】
第1断続手段9の締結力は第1の油圧サーボ92へ第1ソレノイドバルブ91から供給される油圧で決まり、第2断続手段の締結力は第2の油圧サーボ102へ第2ソレノイドバルブ101から供給される油圧で決まる。
【0156】
IVTは、ステップモータ変位uから傾転角度φまでの動特性は上記したTCVTと同じであり、上記(1)式から(2)式で表される。
【0157】
動力循環モードにおける、IVT変速比iは次の(37)式で表す。
【0158】
【数33】
ここで、添字付きのcはIVTの構造から決まる定数である。また、直結モードにおいて、IVTは単にTCVT2として動作するため、IVT変速比は上記(3)式のGと同じである。
【0159】
このようにIVTでは、動力循環モードと直結モードで(37)式と(3)式を切りかえる。
【0160】
以下に、制御量zが、IVT変速比iとするときと、IVT変速比の逆数iiとするときの制御装置80の演算の変更点を示す。もちろん、これに伴い制御量zの傾転角度φに関する偏微分導関数も異なるが、制御量zを傾転角度φに関して偏微分することで容易に求められるため、偏微分導関数は記述しない。
【0161】
[制御量zをIVT変速比iiとする場合]
制御量zは、動力循環モードでは、次の上記(37)式で表される関係とする。
【0162】
【数34】
直結モードでは上記(10)式で表される関係と同じとする。
【0163】
図4に示す目標値生成手段109で、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωi伽を求める。そして、到達入力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωioとから次の(39)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0164】
【数35】
[制御量zをIVT変速比の逆数iiとする場合]
IVT変速比の逆数iiを用いる場合では、制御量zは、動力循環モードにおいて、次の(40)式で表される関係とする。
【0165】
【数36】
一方、直結モードでは次の(41)式で表される関係とする。
【0166】
【数37】
図4において、目標値生成手段109では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。そして、到達入力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωioとから次の(42)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0167】
【数38】
以上により、IVTにおいても、TCVTと同様に、制御ゲインを補正することにより、外乱を取り除いて変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することが可能となるのである。
【0168】
上記第1実施形態をまとめると、次のようになる。
【0169】
傾転角度φを推定または検出する傾転角度検出手段と、中立点からのパワーローラ変位yを推定または検出する変位検出手段と、出力ディスク回転数ωco(または車速VSP)を検出する出力ディスク回転数検出手段と、制御量zの目標値z*を算出する目標値生成手段109と、制御量zが目標値z*に追従するように制御を行う変速制御手段とを備えるTCVTの制御装置において、時変な係数fを算出する係数算出部101と、係数fとパワーローラ変位yと傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoとを用いて係数fとd(∂h/∂φ)/dtとを算出し、目標値z*に対して制御量zが線形応答する制御ゲインの補正量を、係数fとd(∂h/∂φ)/dtとを用いて演算するゲイン補正部と、を備える構成としたので、前記従来技術で仮定している上記(6)式と(7)式が成り立たない場合(変速が速い場合)、この仮定により無視していた成分(速度成分)を、図4のゲイン補正部107が制御ゲインを補正して制御を行うようにしたので、目標値z*に対する制御量zの目標線形特性とのずれが補償されて、制御量zの応答が運転状態によって変わることによる変速の違和感を抑制し、変速速度に関わらず変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することが可能となるのである。
【0170】
特に、本発明は、図4のゲイン補正部107によって、制御ゲインをdf/dtとd(∂h/∂φ)/dtとで補正することが特徴であって、制御則が異なっても、ゲイン補正部107によって補正する制御ゲインは、パワーローラ変位yのフィードバックゲインであり、このフィードバックゲインをkyとすると、目標値z*の取り方によって補正が変わり、フィードバックゲインkyと補正量の関係は、次のように集約することができる。
【0171】
目標値が変速比などの場合は、フィードバックゲインkyと補正量の関係が次の(100)式で表される。
【0172】
【数39】
この場合では、∂h/∂φを含む項とfの微分値/fgの項とを補正すればよい。なお、ここで、a2は、プリセスカム55とメカニカルフィードバック機構のリンク比に応じて決まる定数であり、gはバルブゲイン、cは所定の定数である。
【0173】
また、目標値が傾転角度の場合は、後述の第2実施形態のように、フィードバックゲインkyと補正量の関係は次の(100)式で表される。
【0174】
【数40】
そして、上記(101)式において、係数fの微分値/fgの項を補正すればよい。
【0175】
図11は第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の制御量zを、次の(43)式で示すように傾転角度φとした場合の、制御装置80の制御ブロック図を示す。
【0176】
【数41】
なお、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0177】
図11において、TCVT10のステップモータ変位uに対する傾転角度の動特性は、前記従来技術と同様に(1)式と(2)式で表され、ブロック図では、図21(a)と表される。ここで、モデルパラメータa1、a2、gは、ライン圧Plに依存して変化するので、予め同定実験等で得たマップを使い求める。
【0178】
図11の、係数算出部201と係数微分値算出部204とは、それぞれ前述した図4の係数算出部101と係数微分値算出部105と同じであるため説明は省略する。
【0179】
目標値生成手段208では、上記(21)式を用いて、アクセル踏み込み量APSと出力ディスク回転数ωcoとから、目標傾転角度φ*を求める。
【0180】
まず、車速VSPを、出力ディスク回転数ωcoから、上述の(21)式に示す関係を用いて算出する。
【0181】
次に、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0182】
そして、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから上記(22)式を用いて到達変速比tGを求め、上記(3)式と図5とに示すTCVT変速比Gと傾転角度φとの関係を使って、到達変速比tGから到達傾転角度tφを求める。
【0183】
最後に、次の(44)式に示す関係を用いて、到達傾転角度tφから目標傾転角度φ*を求める。
【0184】
【数42】
ここで、ctはローパスフィルタのカットオフ周波数である。
【0185】
傾転角速度算出部202では、パワーローラ変位yとfとを入力し、上記(1)式を用いて傾転角速度(傾転角度φの微分値)を求める。
【0186】
制御誤差算出部203は、傾転角度φと傾転角速度と目標傾転角度φ*とを入力し、後述する制御誤差σを求める。制御誤差σと、傾転角度φと傾転角速度と目標傾転角度φ*との関係は、前記第1実施形態と同様に、次の(45)式のように設計する。
【0187】
【数43】
制御誤差σをゼロとすると、傾転角度φと傾転角速度と目標傾転角度φ*との関係は、次の(46)式となる。
【0188】
【数44】
このように、制御誤差σがゼロの場合、傾転角度φは目標傾転角度φ*に対し、固有値c0の1次遅れの応答となる。
【0189】
制御誤差補償量算出部209では、制御誤差σから制御誤差補償量uswを演算する。
【0190】
制御誤差σと制御誤差補償量uswとの関係は、前記第1実施形態と同じ(26)式とする。
【0191】
等価入力算出部205では、傾転角度φとパワーローラ変位yとfと目標傾転角速度φ*とを入力し、制御誤差σが一定となるときのアクチュエータ指令値と等価である等価入力ueqを求める。
【0192】
傾転角加速度は、上記(1)式を両辺微分することで、次の(47)式となる。
【0193】
【数45】
この(47)式において、上記(2)式の関係を用いると、次の(48)式を得る。
【0194】
【数46】
制御誤差σが一定と仮定するので、制御誤差微分値をゼロとして求めた(28)式において、(20)式と(48)式との関係を用いて、uについて解くと次の(49)式を得る。
【0195】
【数47】
このuを等価入力ueqとする。(30)式では、前記従来例でゼロと仮定しているfの微分値を用いてパワーローラ変位yのフィードバックゲインを補正している。この補正は、ゲイン補正部206が行うものとする。
【0196】
変位演算部210では、制御誤差補償量uswと等価入力ueqとの和をステップモータ変位指令値uとして出力する。
【0197】
次に、前記第1実施形態の図7と図8に示すフローチャートを用いて、制御量zを傾転角度φとした場合の制御について詳述する。
【0198】
まず、ステップS1からS3は前記第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0199】
ステップS4では、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから上記(22)式を用いて到達変速比tGを求め、図5に示す傾転角度φとTCVT変速比Gとの関係のマップを用いて、到達変速比tGから到達傾転角度tφを求める。
【0200】
ステップS5では、この到達傾転角度tφに変速の味付けで決まる時定数のローパスフィルタを掛けて、上記(44)式を用いて目標制御量φ*を求める。
【0201】
ステップS6では、目標傾転角速度を目標傾転角度φ*の前回値との差分、若しくは擬似微分器を用いて微分して求めるか、上記(44)式の中間変数(目標傾転角度の微分値)を用いて求める。
【0202】
ステップS7では、制御量となる傾転角度φを、ロータリーエンコーダ等を用いて直接計測するか、エンコーダや周期計測で検出する出力ディスク回転数ωcoとTCVT入力軸回転数ωciとから、上記(9)式で表される関係を用いてTCVT変速比を算出し、図5に示す傾転角度φとTCVT変速比Gとの関係のマップを用いて、TCVT変速比Gから求める。
【0203】
ステップS8は、前記第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0204】
ステップS9では、傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoから、∂f/∂φを上記(17)式で、∂f/∂ωcoを上記(18)式で演算する。あるいは、予め準備しておいたマップを用いて求める。
【0205】
ステップS10は前記第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0206】
ステップS11では、fとパワーローラ変位yから、上記(1)式を使い傾転角速度を演算する。
【0207】
ステップS12からS18は前記第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0208】
ステップS19では、ステップモータヘの第2指令値uswを上記(49)式を用いて求める。ただし、出力ディスク回転数の時間変化は小さいので、TCVT出力回転角加速度はゼロとしてもよい。
【0209】
ステップS20では、第1指令値uswと第2指令値ueqとの和をステップモータの指令値uとして出力する。
【0210】
以上の処理により、制御量を傾転角度とした場合においても、目標制御量から制御量までの動特性は線形化され、前記第1実施形態と同様に、外乱を取り除いて変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することが可能となるのである。
【0211】
図12は、第3の実施形態を示し、前記第1実施形態と同様のTCVTの制御装置80で行われる制御のブロック図を示す。
【0212】
TCVT10のステップモータ変位uに対する傾転角度φの動特性は、前記従来技術と同様に(1)式と(2)式とで表され、この制御ブロック図は、図21(a)で表される。ここで、モデルパラメータa1、a2、gは、ライン圧Plに依存して変化するので、予め同定実験等で得たマップを使い求める。
【0213】
図12において、係数算出部301と偏微分導関数算出部302と係数微分値算出部303と目標値生成手段307とは、それぞれ前記第1実施形態の図4に示した係数算出部101、偏微分導関数算出部104、係数微分値算出部105及び目標値生成部109と同一であるため説明は省略する。
【0214】
変位演算部304では、傾転角度φとパワーローラ変位yとfと∂h/∂φと後述する制御量2階微分目標値算出部306で求める制御量2階微分目標値vとから、ステップモータ変位指令値uを演算する。
【0215】
制御量zの2階微分導関数は、前記第1実施形態で示した上記(29)式と同一となる。この(29)式に上記(2)式で表される関係を代入すると、次の(50)式を得る。
【0216】
【数48】
制御量2階微分目標値vを仮想的に入力として、
【0217】
【数49】
とすると、(50)式と(51)式から次の(52)式を得る。
【0218】
【数50】
上記(51)式で表す線形系になるように、(52)式をuについて解くと、
【0219】
【数51】
となる。
【0220】
この(53)式では、前記従来例でゼロと仮定しているfの微分値とd(∂h/∂φ)/dtとを用いてパワーローラ変位yのフィードバックゲインを補正している。この補正は、ゲイン補正部305が行うものとする。
【0221】
上記(53)式は、図13(a)式の非線形関数演算を表す式であり、これにより、目標制御量加速度vと制御量zの2階微分値の関係は図13(b)のブロック図で表されるように線形化される。
【0222】
図12において、制御量2階微分目標値算出部136では、目標制御量z*と制御量zから制御量2階微分目標値vを演算する。
【0223】
前述したように、目標制御量加速度vと制御量zの2階微分値の関係は、上記(51)式および図13(b)式のブロック図で表される。
【0224】
これに対し、図13(c)式に示すように、線形なコントローラKを用いて目標制御量z*に対し制御量zが線形応答となる閉ループ系を設計する。
【0225】
例えば、線形なコントローラとしてPD(比例、微分)制御器を用いる。PD制御器は、次の(54)式で設計する。
【0226】
【数52】
ここで制御量微分値は、上記(20)式を用いて演算する。これにより、(51)式と(51)式とから次の(55)式を得る。
【0227】
【数53】
したがって、目標制御量z*から制御量zへの動特性は、(55)式で表される線形な特性となる。PD制御器の制御定数kP、kDは、(55)式が安定で所望の特性となるように設計する。
【0228】
次に、制御装置80で行われる変速制御の一例について、図14のフローチャートを参照しながら以下に詳述する。この変速制御演算は、ある所定の制御周期例えば20msecごとに実行される。なお、制御量zはTCVT変速比Gとして以下の説明を行う。そして、最後に制御量zが異なる場合の変更点を述べる。
【0229】
まず、ステップS30では、各種センサの検出値を運転状態として読込む。ここで読み込む運転状態は、図3で示した、傾転角度φ、中立点からのパワーローラ変位y、アクセルペダルの踏み込み量APS、出力ディスク回転数ωco、TCVT入力軸回転数ωci、ライン圧Plである。
【0230】
TCVT出力回転数ωcoと、パワーローラ回転数ωpr、TCVT入力回転数ωciとの関係は上記(31)式と(32)式で表される。このように、出力ディスク回転数ωco、パワーローラ回転数ωpr、TCVT入力軸回転数ωciと傾転角度φのうちで2つがわかれば、残りの2つは上記(31)式と(32)式との関係を用いて算出できる。
【0231】
ステップS31では、出力ディスク回転数ωcoに所定の定数kvを乗じて車速VSPを求める。ここでkvは、車両のファイナルギア比やタイヤ半径等から決まる定数である。
【0232】
ステップS32では、アクセル踏み込み重APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0233】
ステップS33では、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから、上記(22)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0234】
ステップS34では、この到達制御量tzに変速の味付けで決まる時定数のローパスフィルタを掛けて、上記(23)式を用いて目標制御量z*を求める。
【0235】
ステップS35では、TCVT入力軸回転数ωciと出力ディスク回転数ωcoとから上記(9)式で表される関係を用いて、制御量zを求める。
【0236】
ステップS36では、出力ディスク回転角加速度(ωcoの微分値)を出力ディスク回転数ωcoの前回値との差分、若しくは擬似微分器やオブザーバを用いて算出する。ここでは簡単に上記(33)式で表される差分を用いることとする。
【0237】
ステップS37では、傾転角度φから、∂h/∂φを上記(11)式で、∂2h/∂φ2を(14)式で、∂f/∂φを(17)式で、∂f/∂ωcoを(18)式でそれぞれ演算する。あるいは、予め準備しておいたマップを用いて求めてもよい。
【0238】
ステップS38では、出力ディスク回転数ωcoと傾転角度φとから、上記(4)式を用いてfを演算し、fの微分値を、∂f/∂ωcoと∂f/∂φと出力ディスク回転数ωcoの微分値とfとパワーローラ変位yから、上記(16)式を用いて算出する。
【0239】
ステップS39では、∂h/∂φの値とfとパワーローラ変位yから、上記(20)式を使って制御量速度(zの微分値)を演算する。
【0240】
ステップS40では、目標制御量z*と制御量zの偏差eを次の(56)式で求める。
【0241】
【数54】
ステップS41では、目標制御量加速度vを、次の(57)式で求める。
【0242】
【数55】
この、kP、kDは、上記(55)式の極が安定で、目標制御量z*に対する制御量zの応答が所望の応答になるように選ぶ。
【0243】
ステップS42では、ライン圧Plから、図9に示すマップを用いてゲインa1、a2、gを求める。
【0244】
ステップS43では、ステップモータヘの指令値uを、上記(53)式を用いて求める`
以上の操作により、目標制御量z*から制御量zまでの動特性は、上記(50)式で示すように線形化され、変速過渡時の外乱を抑制できるのである。
【0245】
次に、制御量zを、IVT変速比iとするときと、IVT変速比の逆数iiとするときの制御装置80の演算の変更点を示す。もちろん、これに伴い制御量zの傾転角度φに関する偏微分導関数も異なるが、制御量zを傾転角度φに関して偏微分することで容易に求められるため、偏微分導関数については詳述しない。なお、IVTの構成も前記第1実施形態と同様である。
【0246】
[制御量zをIVT変速比iとする場合]
制御重zは、動力循環モードでは前記第1実施形態と同じ(38)式で表される関係とする。直結モードでも(10)式で表される関係と同じとする。
【0247】
図12において、目標値生成手段307では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0248】
そして、到達入力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωcoから前記第1実施形態と同じ(39)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0249】
[制御量zをIVT変速比の逆数iiとする場合]
制御量zは、動力循環モードでは前記第1実施形態と同じ(40)式で表される関係とする。直結モードでも前記第1実施形態と同じ(41)式で表される関係とする。
【0250】
図12において、目標値生成手段307では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。そして、到達入力回転数伽とIVT出力軸回転数ωcoから前記第1実施形態と同じ(42)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0251】
以上により、IVTにおいても、TCVTと同様に、制御ゲインを補正することにより、外乱を取り除いて変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することが可能となるのである。
【0252】
図15は、第4の実施形態を示し、前記第3実施形態の制御量zを第2実施形態実施例2と同じ(43)式に示したように傾転角度φとしたものであり、その他の構成は前記第3実施形態と同様である。
【0253】
図15は、TCVTを含めた制御装置80で行われる制御の一例を示すブロック図である。
【0254】
TCVTのステップモータ変位uに対する傾転角度φの動特性は、従来技術と同様に(1)式と(2)式とで表される。
【0255】
図15において、係数算出部401と係数微分値算出部402と目標値生成手段409は、それぞ前記第1実施形態の係数算出部101と係数微分値算出部105と目標値生成手段208と同じであるため説明は省略する。
【0256】
傾転角加速度(φの2回微分値)は前記第2実施形態で示した(48)式となる。ここで、傾転角加速度と制御量2階微分目標値vとの関係を前記第3実施形態と同様に(58)式とする。
【0257】
【数56】
よって(48)式と(58)式から次の(59)式を得る。
【0258】
【数57】
この(59)式をステップモータ変位指令値uについて解くと、次の(60)式を得る。
【0259】
【数58】
この(60)式では、前記従来例でゼロと仮定しているfの微分値を用いてパワーローラ変位yのフィードバックゲインを補正している。この補正は、ゲイン補正部404が行うものとする。
【0260】
これにより、前記第3実施形態と同様に目標制御量加速度vと傾転角加速度の関係は前記図13(b)のブロック図で表されるように線形化される。
【0261】
次に、図15の目標傾転角加速度算出部405では、目標傾転角度φ*と傾転角度φから目標傾転角加速度(φの2回微分値)を演算する。前述したように傾転角加速度と目標制御量加速度vとの関係は、前記第3実施形態3と同様に(51)式および図13(b)式のブロック図で表される。
【0262】
これに対し、前記第3実施形態と同様に、図13(c)で示したような線形なコントローラを用いて目標傾転角度φ*に対し傾転角度φが線形応答となる閉ループ系を設計する。
【0263】
例えば、線形なコントローラKとしてPD制御器を用いる。PD制御器は前記第3実施形態と同様にして、次の(61)式で設計する。
【0264】
【数59】
ここで傾転角速度は、上記(1)式を用いて演算する。よって、(61)式と(58)式から次の(62)式を得る。
【0265】
【数60】
これにより、目標傾転角度φ*から傾転角度φへの動特性は、この(62)式で表される線形な特性となる。PD制御器の制御定数kP、kDは、(62)式が安定で所望の特性となるように設計する
上記制御を制御装置80で行う場合のフローチャートの一例は、前記図14と同様である。
【0266】
すなわち、ステップS30からS32は前記第3実施形態と同様に処理を行う。
【0267】
ステップS33からS34は、前記第2実施形態のステップS4からS5と同様に処理を行う。
【0268】
ステップS34は、前記第3実施形態と同一である。
【0269】
ステップS35は、前記第2実施形態のステップS7と同じである。
【0270】
ステップS36は、前記第3実施形態と同じである。
【0271】
ステップS37は、前記第2実施形態のステップS9と同じである。
【0272】
ステップS38は、前記第1実施形態のステップS10と同じである。
【0273】
ステップS39は、前記第2実施形態のステップS11と同じである。
【0274】
ステップS40からS43は実施形態3と同じである。
【0275】
以上の処理により、前記第3実施形態と同様にして、目標制御量から制御量までの動特性が線形化される。
【0276】
図16、図17は、第5の実施形態を示し、図16はステップモータ速度指令値uppsに応じて制御量zが変化するTCVTの動特性を、ブロック図で表したものである。
【0277】
前記第1実施形態から実施形態4との違いは、ステップモータの動特性を制御に利用する点である。ステップモータ52はステップモータステップ速度uppsを積分してステップ数u0にする作用があり、ステップ数に比例したステップモータ変位uを出力する。
【0278】
ステップモータステップ速度uppsとステップモータステップ数u0の関係は、次の(63)式で表される。
【0279】
【数61】
ステップモータステップ数u0とステップモータ変位uの関係は、次の(64)式で表される。
【0280】
【数62】
ここで、bはステップモータ52のカムリードで決まる定数である。
【0281】
ステップモータ変位uに応じて傾転角度φが変化する動特性は、前記従来技術の(1)式から(2)式と同じである。よって、TCVTは(63)式と(64)式と(1)式と(2)式とを合わせて、次に示す(65)式から(67)式で示す動特性で表現できる。
【0282】
【数63】
ここで、モデルパラメータa1、a2、gは、ライン圧Plに依存して変化するので、予め同定実験等で得たマップに基づいて算出する。
【0283】
図17のブロック図に、制御装置80で行われる制御の一例を示す。
【0284】
係数算出部501と制御量微分値算出部502、偏微分導関数算出部503、係数微分値算出部504、目標値生成手段508は、それぞれ前記第1実施形態の係数算出部101、制御量微分値算出部102、偏微分導関数算出部10、と係数微分値算出部105、目標値生成手段109と同じであるため説明は省略する。
【0285】
制御量2階微分値算出部505は、傾転角度φとパワーローラ変位yとステップモータステップ数u0、出力ディスク回転数ωco、偏微分導関数算出503で求めた偏微分導関数を入力し、制御量2階微分値(zの2階微分値)を求める。制御量2階微分値を表す上記(29)式に、上記(65)式から(67)式に示す関係を代入して、次の(68)式を得る。
【0286】
【数64】
制御量2階微分値は(68)式で演算する。
【0287】
ここで、ステップモータステップ数u0はオブザーバを用いて推定するか、ステップモータステップ速度指令値uppsを積分して推定するか、直接検出してもよい。
【0288】
上記(68)式では、前記従来例でゼロと仮定しているfの微分値とd(∂h/∂φ)/dtとを用いてパワーローラ変位yの係数を補正している。この補正は、ゲイン補正部506が行うものである。
【0289】
制御誤差算出部507は、制御量zと制御量微分値と制御量2階微分値と目標制御量z*とを入力し、制御誤差σを求める。
【0290】
制御誤差σと、制御量zと制御量微分値2と目標制御量z*との関係は、次の(69)式のように設計する。
【0291】
【数65】
ここで、制御量zは、ロータリーエンコーダ等を用いて計測する傾転角度φから上記(10)式を用いて演算するか、エンコーダや周期計測で検出する出力ディスク回転数ωcoとTCVT入力軸回転数ωciから、(9)式で表される関係を用いて直接算出してもよい。
【0292】
ここで、制御誤差σをゼロとすると、制御量zと制御量微分値と目標制御量z*との関係は、次の(70)式となる。
【0293】
【数66】
このように制御誤差σがゼロの場合、制御量zは目標制御重z*に対し、自然周波数ωn、減衰係数ζの2次遅れの応答となる。
【0294】
速度演算部509では、制御誤差σから指令値uppsを演算する。制御誤差σと指令値uppsの関係は、次の(71)式とする。
【0295】
【数67】
ここで、kはスイッチングゲインであり、kは十分に大きな値とし、例えばステップモータの最大駆動速度とする。
【0296】
このとき制御誤差σは有限時間でゼロとなる。制御誤差σがゼロに保たれるとき、目標制御量z*から制御量zの動特性は、上記(70)式で表される線形な特性となる。
【0297】
次に、制御装置80で行われる上記制御の一例を、図18と図19に示すフローチャートを参照しながら詳述する。この制御は、ある所定の制御周期、例えば20ms毎に実行される。なお、制御量zはTCVT変速比Gとして以下のフローチャートの説明を行う。
【0298】
まず、図18のステップS50では、各種センサの検出値を運転状態として読込むここで読み込む運転状態は、図3で示した、傾転角度φ、中立点からのパワーローラ変位y、アクセルペダルの踏み込み量APS、出力ディスク回転数ωco、TCVT入力軸回転数ωci、ライン圧Plである。
【0299】
TCVT出力回転数ωcoと、パワーローラ回転数ωpr、TCVT入力回転数ωciとの関係は上記(31)式と(32)式とで表される。
【0300】
ステップS51では、出力ディスク回転数ωcoに所定の定数kvを乗じて車速VSPを求める。ここで定数kvは、車両のファイナルギア比やタイヤ半径等から決まる定数である。
【0301】
ステップS52では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0302】
ステップS53では、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから、上記(22)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0303】
ステップS54では、この到達制御量tzにローパスフィルタを掛けて、(23)式を用いて目標制御量z*を求める。ステップS55では、目標制御量微分値を目標制御量z*の前回値との差分、若しくは擬似微分器を用いて微分して求めるか、上記(23)式の中間変数を使用する。
【0304】
ステップS56では、TCVT入力軸回転数ωiと出力ディスク回転数ωcoとから(9)式で表される関係を用いて制御量zを求める。
【0305】
ステップS57では、出力ディスク回転角加速度(ωcoの微分値)を出力ディスク回転数ωcoの前回値との差分、若しくは擬似微分器やオブザーバを用いて算出する。ここでは簡単に(33)式で表す差分を用いることとする。
【0306】
ステップS58では、傾転角度φから、∂h/∂φを上記(H)式で、∂2h/∂φ2を(14)式で、∂f/∂ωcoを(18)式でそれぞれ演算し、傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoから、∂f/∂φを上記(17)式で演算する。あるいは、予め準備しておいたマップを用いて求めてもよい。
【0307】
ステップS59では、出力ディスク回転数ωcoと傾転角度φとから、上記(4)式を用いてfを演算し、fの微分値を、∂f/∂ωcoと∂f/∂φと出力ディスク回転数ωcoの微分値とfとパワーローラ変位yから、上記(16)式を用いて算出する。
【0308】
ステップS60では、∂h/∂φの値とfとパワーローラ変位yとから、上記(20)式を使い制御量速度を演算する。
【0309】
次に図19のステップS61では、ライン圧Plから、図9に示すマップを用いてa1、a2、gを求める。
【0310】
ステップS62では、傾転角度φとパワーローラ変位yとステップモータステップ数u0と出力ディスク回転数ωcoと偏微分導関数とから、上記(68)式を用いて制御量2階微分値を演算する。
【0311】
ステップS63で、制御量2階微分値と制御量微分値と制御量zと目標制御量z*とから、上記(69)式を用いて制御誤差σを演算する。
【0312】
ステップS64からS68は上記(71)式をロジック化したものであり指令値uppsの算出である。
【0313】
ステップS64において、制御誤差σがゼロより小さいならば、ステップS65に進み、そうでなければステップS66に進む。
【0314】
ステップS66において、制御誤差σがゼロより大きいならば、ステップS67に進み、そうでなければステップS68に進む。
【0315】
ステップS65ではステップモータ速度指令値uppsを、次の(72)式に設定する。
【0316】
【数68】
ここで、kSはステップモータの最大駆動速度とする。
【0317】
ステップS67では指令値uppsを次の(73)式に設定する。
【0318】
【数69】
ステップS68では指令値uppsを次の(74)式に設定する。
【0319】
【数70】
ステップS69では、次の(75)式でステップモータ速度指令値uppsを積分してステップモータステップ数u0を演算する。
【0320】
ここで、Tは制御周期である。
【0321】
以上の制御により、目標制御量z*から制御量zまでの動特性は線形化され、前記実施形態と同様に、変速位置や変速幅(変速量)などの変速状態にかかわらず、同じ目標変速比への変化に対してはほぼ一定の変速の応答を得ることができ、変速過渡時の違和感を抑制できるのである。
【0322】
以下に、制御量zが、IVT変速比iとするときと、IVT変速比の逆数iiとするときの制御装置80の演算の変更点を示す。もちろん、これに伴い制御量zの傾転角度φに関する偏微分導関数も異なるが、制御量zを傾転角度φに関して偏微分することで容易に求められるため、この偏微分導関数は詳述しない。
【0323】
[制御量zをIVT変速比iとする場合]
制御量zは、動力循環モードでは前記第1実施形態と同じ(38)式で表される関係とする。
【0324】
直結モードでも上記(10)式で表される関係と同じとする。
【0325】
図17において、目標値生成手段508では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示した変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0326】
そして、到達人力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωcoとから前記第1実施形態と同じ(39)式を用いて到達制御量tzを求めればよい。
【0327】
[制御量zをIVT変速比の逆数iiとする場合]
制御量zは、動力循環モードでは前記第1実施形態と同じ(40)式で表される関係とする。直結モードでも前記第1実施形態と同じ(41)式で表される関係とする。
【0328】
図17において、目標値生成手段508では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示した変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0329】
そして、到達入力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωcoとから前記第1実施形態と同じ(42)式を用いて到達制御量tzを求めればよい。
【0330】
図20は、第6の実施形態を示し、前記第5実施形態の制御量zを実施形態2と同じ(43)式に示すように傾転角度φとしたものである。その他の構成は前記第5実施形態と同様である。
【0331】
TCVT10の動特性は、前記第5実施形態と同様に上記(65)式から(67)式で表される。
【0332】
図20のブロック図に、制御装置80で行われる制御の一例を示す。
【0333】
図20において、係数算出部601と傾転角速度算出部602、係数微分値算出部603、目標値生成手段607は、それぞれ前述した係数算出部101、傾転角速度算出部202、係数微分値算出部105、目標値生成手段208と同じであるため説明は省略する。
【0334】
傾転角加速度算出部604は、傾転角度φとパワーローラ変位yとステップモータステップ数u0とfとを入力し、傾転角加速度を求める。傾転角加速度φを表す上記(47)式に、(67)式に示す関係を代入して、次の(76)式を得る。
【0335】
【数71】
傾転角加速度は(76)式で演算する。
【0336】
ここで、ステップモータステップ数u0はオブザーバを用いて推定するか、ステップモータステップ速度指令値uppsを積分して推定する。上記(76)式では、従来例でゼロと仮定しているfの微分値を用いてパワーローラ変位yの係数を補正している。この補正は、ゲイン補正部605が行うものとする。
【0337】
制御誤差算出部606は、傾転角度φと傾転角速度と傾転角加速度と目標傾転角度φ*とを入力し、制御誤差σを求める。
【0338】
制御誤差σと、傾転角度φと傾転角速度と傾転角加速度と目標傾転角度φ*との関係は、前記第5実施形態と同様に、次の(77)式で設計する。
【0339】
【数72】
ここで、傾転角度φは、ロータリーエンコーダ等を用いて直接計測するか、エンコーダや周期計測で検出する出力ディスク回転数ωcoとTCVT入力軸回転数ωciとから、上記(9)式で表される関係を用いてTCVT変速比Gを算出し、図5に示す傾転角度φとTCVT変速比Gとの関係のマップを用いて、TCVT変速比Gから求める。
【0340】
制御誤差σをゼロとすると、傾転角度φと傾転角速度と目標傾転角度φ*との関係は、次の(78)式で表される関係となる。
【0341】
【数73】
このように制御誤差σがゼロの場合、傾転角度φは目標傾転角度φ*に対し、自然周波数ωn、減衰係数ζの2次遅れの応答となる。
【0342】
速度演算部608では、制御誤差σから指令値tωiを演算する。
【0343】
制御誤差σと指令値uppsとの関係は、前記第5実施形態と同じ(71)式とする。制御誤差σがゼロに保たれるとき、目標傾転角度φ*から傾転角度φへの動特性は、次の(78)式で表されるように線形な特性となる。
【0344】
【数74】
次に、制御装置80で行われる変速制御の一例を、前述の図18と図19に示すフローチャートを使い説明する。この変速制御演算は、ある所定の制御周期、例えば20msec毎に実行される。
【0345】
ステップS50からS52は前記第5実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0346】
ステップS53からS56は、前記第2実施形態のステップS4からS7と同じであるので説明は省略する。
【0347】
ステップS57は前記第5実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0348】
ステップS58は、前記第2実施形態のステップS9と同じであるので説明は省略する。
【0349】
ステップS59は前記第5実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0350】
ステップS60は、前記第2実施形態のステップS11と同じであるので説明は省略する。
【0351】
ステップS61では、ライン圧Plから、図9に示すマップを用いてa1、a2、gを求める。
【0352】
ステップS62では、傾転角度φとパワーローラ変位yとステップモータステップ数u0と出力ディスク回転数ωcoと偏微分導関数とから、上記(76)式を使い制御量2階微分値を演算する。
【0353】
ステップS63からS69は前記第5実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0354】
以上の制御により、目標制御量から制御量までの動特性は線形化され、変速位置や変速幅に関わらず、均一の変速応答が得られ、変速過渡時に運転者へ違和感を与えることがなくなり、より滑らかな変速を行うことができる。
【0355】
なお、上記実施形態においては、傾転角度(=トラニオンの回転角)φを傾転角度センサ85によって直接検出する例を示したが、オブザーバなどを用いて推定しても良い。また、中立点からのパワーローラ変位(=トラニオン軸方向変位)yを変位センサ86で直接検出する例を示したが、オブザーバなどを用いて推定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すトロイダル型無段変速機の概略構成図。
【図2】同じく変速機構の概略断面図。
【図3】制御装置を含んだ変速制御系の概略図。
【図4】制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図5】傾転角度と変速比の関係を示すマップ。
【図6】車速VSPと到達入力回転数(目標入力回転数)とアクセル操作量の関係を示すマップ。
【図7】制御装置で行われる変速制御の一例を示すフローチャートで、その前半部。
【図8】同じくフローチャートの後半部。
【図9】ライン圧と各制御係数の関係を示すマップ。
【図10】無段変速機の他の一例を示し、変速比無限大無段変速機の概略図。
【図11】第2実施形態を示し、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図12】第3実施形態を示し、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図13】無段変速機の動特性を示すブロック図で、(a)は非線形特性を、(b)は目標制御量加速度vと制御量zの2階微分値の線形関係を、(c)は線形なコントローラKの一例をそれぞれ示す。
【図14】同じく、制御装置で行われる変速制御の一例を示すフローチャート。
【図15】第4実施形態を示し、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図16】第5の実施形態を示し、無段変速機の動特性を示すブロック図。
【図17】同じく、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図18】同じく、制御装置で行われる変速制御の一例を示すフローチャートでその前半部。
【図19】同じく、フローチャートの後半部。
【図20】第6実施形態を示し、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図21】無段変速機の動特性を示すブロック図で、従来例を示す。
【図22】変速応答を示すグラフで、無段変速機の変速比と時間の関係を示し、線形応答を図中波線で、従来例を実線で示す。
【符号の説明】
10 トロイダル型無段変速機
50 油圧サーボ
52 ステップモータ
53 Iリンク
54 Lリンク
55 プリセスカム
56 変速制御弁
80 制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トロイダル型無段変速機(以下、TCVT)の動特性に含まれる非線形特性を補償して、目標変速比から変速比への動特性が線形な特性となる従来例としては、特開2000−18373号公報が知られている。
【0003】
この従来例では、傾転角度をφ、パワーローラ変位(トラニオンの軸方向変位)をy、出力ディスク回転数をωcoとして、ステップモータ変位uから変速比GへのTCVTの動特性を図21のブロック図のように表現している。
【0004】
このブロック図の内容を式に直すと、次の(1)式から(3)式のようになる。
【0005】
【数1】
上記(3)式で示す傾転角度φと変速比Gとの関係は非線形である。
【0006】
ここで、上記係数fは傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoとに依存し、これらの関係は次の(4)式で表される。
【0007】
【数2】
ここで、添字付きのcはTCVTの構造から決まる定数であり、上記(2)式のa1、a2はプリセスカムとリンク比により決まる定数であり、gはスプール位置xをパワーローラ速度に変換するバルブゲインである。
【0008】
プリセスカムはトラニオンの1つに取り付けられており、傾転角度φと、トラニオン軸方向のパワーローラ変位yとが機械的リンク機構で油圧制御弁のスプール位置xに負帰還される。
【0009】
上記(4)式に示したfは、傾転角度φや出力ディスク回転数ωcoに依存するので時変である。
【0010】
そして、上記(1)式から(4)式を見れば明らかなように、ステップモータ変位uから変速比Gへの動特性は非線形である。
【0011】
まず。上記(3)式を2階時間微分してから、上記(1)式と(2)式とを代入すると、変速比Gの2階微分導関数は次の(5)式で表される。
【0012】
【数3】
ここで、
【0013】
【数4】
とおいて、制御則を導いている。
【0014】
上記(6)式と(7)式とが成り立てば、目標変速比G*から変速比Gへの伝達関数W(s)は、次の(8)式で表される。
【0015】
【数5】
ここで、sはラプラス演算子を表す。
【0016】
このW(s)が安定になるように定数k2、k1、k0を求めることで、目標変速比G*から変速比Gへの応答が安定な線形システムとなる。
【0017】
また、W(s)が実数の極を持つようにk2、k1、k0を選ぶことで、目標変速比G*に対する変速比Gのステップ応答において、オーバーシュートを防止しようとするものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、上記(8)式で、上記(6)式と(7)式の仮定により、変速過渡時の速度成分を無視(=0)して制御系を設計することになる。
【0019】
つまり、上記fは(4)式に示すように時変であり、しかも傾転角度φに対し非線形である。このため、上記(6)式や(7)式の仮定が成り立たない場合、上記従来技術によると制御出力vに対する変速比Gの応答を線形にすることができない。
【0020】
例えば、図22に示すように、目標変速比をG0からG1へ変化させた場合のステップ応答は、図中波線で示した線形系W(s)の応答と比較すると、W(s)の応答に比べて、従来技術の制御を行ったときの変速比の応答は、変速の初期に速く、後半は遅くなる。
【0021】
逆に、変速比が低ギア比G1から高ギア比G0へ変速する場合、線形応答に比べて、従来例の応答は後半に速くなる。
【0022】
このように、同じ目標変速比の変化に対して、実際の変速比の応答が運転状態によって変わると、変速の違和感を感じることになる。これは上記(6)式と(7)式とを仮定して、変速過渡時の速度成分を無視したためであり、変速が速くなるほど、この仮定が成り立たない場合が多くなり、変速に違和感が出ることが多くなるという問題があった。
【0023】
変速の過渡期において、(6)式及び(7)式のように零と仮定してしまうと、その速度成分がそのまま制御系の外乱になる。
【0024】
この速度成分は、変速が速くなるほど大きくなるので、変速が遅いときには、速度成分を無視したことによる変速比のずれは小さいが、変速が速いときには、速度成分が無視できない大きさとなり、目標変速比と実変速比との間にずれを生じ、変速が速くなるほど、外乱が大きくなって、運転者に変速の違和感を与えてしまう。
【0025】
さらに、これらh、fが非線形であるため、変速位置や変速幅(変速量)などの変速状態に応じてd(∂h/∂φ)/dtとdf/dtとが変化するため、同じ目標変速比への変化に対しても変速状態毎に変速比の応答が異なり、変速の違和感となるわけである。
【0026】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、制御ゲインを補正することにより、外乱を取り除いて変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、入出力ディスクに挟持押圧されて摩擦係合により前記入出力ディスク間で駆動力の伝達を行うパワーローラと、前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、トラニオンを駆動する油圧アクチュエータへの油圧を制御する変速制御弁と、前記トラニオンおよび前記変速制御弁に連結され、トラニオンの軸方向変位とパワーローラの傾転角度を変速制御弁にフィードバックするメカニカルフィードバック機構と、この変速制御弁を駆動する変速アクチュエータと、前記出力ディスクまたは車速を検出する出力ディスク回転数検出手段と、
アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、前記出力ディスク回転数検出手段の出力とアクセル操作量とから、制御量の目標値を算出する目標値生成手段と、パワーローラの傾転角度を推定または検出する傾転角度検出手段と、トラニオンの軸方向変位を推定または検出する変位検出手段と、前記傾転角度とパワーローラ変位と出力ディスク回転数と制御量目標値とを用いて、制御量が目標値へ追従するように制御を行う変速制御手段と、を備えたトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、
前記変速制御手段は、トロイダル変速部の形状と出力ディスク回転数と傾転角度とに応じて決まり、パワーローラ変位と傾転角速度との関係を表す時変な係数fを算出する係数算出部と、この係数fとパワーローラ変位と傾転角度と出力ディスク回転数とを用いて、係数fの時間微分値を算出する係数微分値算出部と、
前記目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を係数fの時間微分値を用いて演算するゲイン補正部と、制御ゲインの補正量と係数fと制御量目標値とパワーローラ変位と傾転角度とを用いて、変速アクチュエータの指令値を演算する指令値演算部とを有する。
【0028】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記前記変速制御手段は、傾転角度φと制御量zとの関係を示す関数h(φ)の傾転角度に関する1階偏微分導関数∂h/∂φと1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtを算出する偏微分導関数算出部を有し、
前記ゲイン補正部が、前記目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を、係数fの時間微分値と前記時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとに基づいて演算する。
【0029】
また、第3の発明は、前記第2の発明において、前記指令値演算部は、1階偏微分導関数∂h/∂φと係数fとパワーローラ変位とから制御量zの時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、目標制御量と制御量と制御量時間微分値を入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と、制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、この制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、目標制御量の微分値を算出する目標制御量微分値算出部と、目標制御量微分値と制御量時間微分値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fと1階偏微分導関数∂h/∂φとから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、前記偏微分導関数算出部と、前記係数微分値算出部との出力により、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを、係数fの時間微分値と1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtに基づいて補正する。
【0030】
また、第4の発明は、前記第1の発明において、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度とを入力し、予め設定した線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、前記誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、目標傾転角速度を算出する目標傾転角速度算出部と、目標傾転角速度と傾転角速度とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、前記係数微分値算出部の出力に基づいて、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正する。
【0031】
また、第5の発明は、前記第2の発明において、前記指令値演算部は、目標制御量と制御量とから、目標制御量に対する制御量の特性が予め設定した線形特性であるときの制御量2階時間微分目標値を算出する制御量2階微分目標値算出部と、この制御量2階時間微分目標値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fと1階偏微分導関数∂h/∂φとから、目標制御量に対する制御量の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部との出力に基づいて、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値と、1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正する。
【0032】
また、第6の発明は、前記第1の発明において、前記指令値演算部は、目標傾転角度と傾転角度とから、目標傾転角度に対する傾転角度の特性が予め設定した線形特性であるときの傾転角加速度を算出する傾転角加速度目標値算出部と、傾転角加速度目標値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、目標傾転角度に対する傾転角度の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部の出力に基づいて、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正する。
【0033】
また、第7の発明は、前記第2の発明において、前記変速制御手段は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位と1階偏微分導関数∂h/∂φとから制御量時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位と1階偏微分導関数∂h/∂φとから制御量2階時間微分値を算出する制御量2階微分値算出部と、目標制御量と制御量と制御量時間微分値と制御量2階時間微分値とを入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、この制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部とに基づいて、制御量2階微分値算出過程におけるパワーローラ変位の係数を、係数fの時間微分値と、1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正する。
【0034】
また、第8の発明は、前記第1の発明において、前記変速制御手段は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位とから傾転角加速度を算出する傾転角加速度算出部と、目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度と傾転角加速度を入力し、予め設定した線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、この制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部の出力に基づいて、傾転角加速度算出過程におけるパワーローラ変位の係数を、係数fの時間微分値で補正する。
【0035】
【発明の効果】
したがって、第1の発明は、傾転角度を推定または検出する傾転角度検出手段と、中立点からのパワーローラ変位を推定または検出する変位検出手段と、出力ディスク回転数または車速を検出する出力ディスク回転数検出手段と、制御量の目標値を算出する目標値生成手段と、制御量が目標値に追従するように制御を行う変速制御手段とを備えるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、時変な係数fを算出する係数算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と出力ディスク回転数とを用いて係数fを算出し、目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を、係数fに基づいて演算するゲイン補正部と、を備える構成とした。
【0036】
これにより、前記従来例で仮定している上記(7)式とが成り立たない場合(変速が速いとき等)、この仮定により無視していた速度成分を、ゲイン補正部が変速制御手段の制御ゲインを補正して制御に利用するので、目標値に対する制御量の目標線形特性とのずれが補償されて、制御量の応答が運転状態によって変わることによる変速の違和感を抑制することができ、トロイダル型無段変速機の変速過渡特性を向上させることが可能となるのである。
【0037】
また、第2の発明は、時変な係数fを算出する係数算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と出力ディスク回転数とを用いて係数fまたは1階偏微分導関数∂h/∂φの時間微分値d(∂h/∂φ)/dtを算出し、目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を、係数fまたは時間微分値d(∂h/∂φ)/dtを用いて演算するゲイン補正部と、を備える構成とした。
【0038】
これにより、前記従来例で仮定している上記(7)式が成り立たない場合(変速が速いとき等)、この仮定により無視していた速度成分を、ゲイン補正部が変速制御手段の制御ゲインを補正して制御に利用するので、目標値に対する制御量の目標線形特性とのずれが補償されて、制御量の応答が運転状態によって変わることによる変速の違和感を抑制することができ、トロイダル型無段変速機の変速過渡特性を向上させることが可能となるのである。
【0039】
また、第3の発明は、指令値演算部は、1階偏微分導関数∂h/∂φと係数fとパワーローラ変位とから制御量時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、目標制御量と制御量と制御量時間微分値を入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、目標制御量微分値を算出する目標制御量微分値算出部と、目標制御量微分値と制御量時間微分値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fと1階偏微分導関数とから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、前記偏微分導関数算出部と、前記係数微分値算出部との出力に基づいて、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値と1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正する構成とした。これにより、等価入力が、制御誤差を一定に保つように制御を行い、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うので、目標制御量に対する制御量の応答をより確実に線形化できる。
【0040】
また、第4の発明は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度とを入力し、予め設定した線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、目標傾転角速度を算出する目標傾転角速度算出部と、目標傾転角速度と傾転角速度とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、前記係数微分値算出部を有し、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正する構成とした。これにより、等価入力が、前記制御誤差を一定に保つように制御を行い、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うので、目標傾転角度に対する傾転角度の応答をより確実に線形化できると共に、傾転角度を目標値とすることで、1階偏微分導関数∂h/∂φを使用することなく等価入力が、制御誤差を一定に保つように制御を行い、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うので、制御装置の演算負荷を低減しながら目標制御量に対する制御量の応答をより確実に線形化できる。
【0041】
また、第5の発明は、指令値演算部は、目標制御量と制御量とから、目標制御量に対する制御量の特性が予め設定した線形特性である時の制御量2階時間微分目標値を算出する制御量2階微分目標値算出部と、制御量2階時間微分目標値とパワーローラ変位と傾転角度とfと1階偏微分導関数∂h/∂φとから、目標制御量に対する制御量の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部の出力に基づいて、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値と1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正する構成とした。これにより、制御量2階時間微分目標値に対する制御量の特性を2次の積分特性とすることができると共に、この2次の積分特性に対して、さまざまな線形なコントローラを用いて線形な制御系を施すことができるため、設計の自由度を高めることが可能となる。
【0042】
また、第6の発明は、指令値演算部は、目標傾転角度と傾転角度とから、目標傾転角度に対する傾転角度の特性が予め設定した線形特性である時の傾転角加速度を算出する傾転角加速度目標値算出部と、傾転角加速度目標値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、目標傾転角度に対する傾転角度の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部を有し、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正する構成とした。これにより、傾転角加速度目標値に対する傾転角度の特性を2次の積分特性とすることができると共に、この2次の積分特性に対して、さまざまな線形なコントローラを用いて線形な制御系を施すことができるため、設計の自由度を高めることができ、さらに、傾転角度を目標値とすることで、1階偏微分導関数∂h/∂φを使用する必要が無くなって、制御装置で行う演算の負荷を低減させることができる。
【0043】
また、第7の発明は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位と1階偏微分導関数∂h/∂φから制御量時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位とから制御量2階時間微分値を算出する制御量2階微分値算出部と、目標制御量と制御量と制御量時間微分値と制御量2階時間微分値とを入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部の出力に基づいて制御量2階微分値算出過程におけるパワーローラ変位の係数を係数fの時間微分値と1階偏微分導関数の時間微分値とで補正する構成とした。これにより、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うときに、変速アクチュエータの駆動速度限界を考慮した指令値とすることができるので、目標制御量に対する制御量の特性を、より確実に線形化できる。
【0044】
また、第8の発明は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位とから傾転角加速度を算出する傾転角加速度算出部と、目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度と傾転角加速度を入力し、所望の線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部を有し、傾転角加速度算出過程におけるパワーローラ変位の係数を係数fの時間微分値で補正する構成とした。これにより、制御誤差補償量が前記制御誤差をゼロにするように制御を行うときに、変速アクチュエータの駆動速度限界を考慮した指令値とすることができるので、目標傾転角度に対する傾転角度の特性を、より確実に線形化できると共に、傾転角度を目標値とすることで、1階偏微分導関数∂h/∂φを使用する必要が無くなるので、制御装置で行う演算の負荷を低減させることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0046】
図1は本発明に適用するトロイダル型無段変速機を示し、図2は、その要部断面、および変速制御系の概略構成を示したものである。
【0047】
図1において、トロイダル型無段変速機(TCVT)10は、図中上側に設けられる動力源としてのエンジン(図示せず)の回転が、トルクコンバータ12を介してトロイダル型無段変速機10に入力されるようになっている。
【0048】
トルクコンバータ12は一般に良く知られているように、ポンプインペラ12a、タービンランナ12bおよびステータ12cを備え、特にトルクコンバータ12ではロックアップクラッチ12dが設けられている。
【0049】
そして、トロイダル型無段変速機10は、トルクコンバータ12の出力回転軸14と同軸上に配置されるトルク伝達軸16が設けられ、トルク伝達軸16に第一トロイダル変速部18と第二トロイダル変速部20とがタンデム配置されている。
【0050】
トルク伝達軸16は中空に形成されるとともに、ハウジング22に対し軸方向の若干の移動が可能に取付けられている。上記第一及び第二トロイダル変速部18、20は、それぞれの対向面がトロイダル曲面に形成される一対の第一入力ディスク18a、第一出力ディスク18bおよび第二入力ディスク20a、第二出力ディスク20bと、それぞれの対向面間で摩擦接触するパワーローラ18c、18d、および20c、20dとによって構成される。
【0051】
第一トロイダル変速部18は、上記トルク伝達軸16の図中上方に配置されるとともに、第二トロイダル変速部20は該トルク伝達軸16の図中下方に配置され、かつ、それぞれの第一入力ディスク18aおよび第二入力ディスク20aは互いに外側に配置されるとともに、第一出力ディスク18bおよび第二出力ディスク20bは互いに内側に配置されている。そして、上記第一、第二入力ディスク18a、20aはボールスプライン24、26を介して上記トルク伝達軸16に、回転方向に係止されかつ軸方向の滑らかな移動が可能に取付けられている。
【0052】
一方、上記第一、第二出力ディスク18b、20bは、トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合された出力ギア28にスプライン嵌合され、第一、第二出力ディスク18b、20bに伝達された回転力は、出力ギア28と歯合する入力ギア30aを介してカウンターシャフト30に伝達され、更に、回転力出力経路を介して出力軸に伝達される。
【0053】
ここで、上記第一入力ディスク18aの外側にはローディングカム装置34が設けられ、ローディングカム装置34には、回転力入力経路を介して伝達されるエンジン回転が入力され、この入力トルクに応じた押圧力がローディングカム装置34によって発生される。
【0054】
ローディングカム装置34のローディングカム34aは、上記トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合するとともに、スラストベアリング36を介してトルク伝達軸16に係止される。
【0055】
また、第二入力ディスク20aとトルク伝達軸16の図中下方端部との間には皿バネ38が設けられている。
【0056】
したがって、ローディングカム装置34で発生される押圧力は、第一入力ディスク18aに作用するとともに、上記トルク伝達軸16および上記皿バネ38を介して第二入力ディスク20aにも作用し、かつ、皿バネ38によって発生される予圧力は、第二入力ディスク20aに作用するとともに、トルク伝達軸16およびローディングカム装置34を介して第一入力ディスク18aにも作用するようになっている。
【0057】
ところで、ローディングカム装置34とトルクコンバータ12との間の回転力入力経路には、車両の前進時と後進時の回転方向を切り換える前後進切換装置40が設けられる。
【0058】
前後進切換装置40は、ダブルプラネタリ方式の遊星歯車機構42と、該遊星歯車機構42のキャリア42aを上記出力回転軸Hに締結可能なフォワードクラッチ44と、遊星歯車機構42のリングギア42bを上記ハウジング22に締結可能なリバースブレーキ46とによって構成される。
【0059】
そして、前後進切換装置40では、フォワードクラッチ44を締結するとともに、リバースブレーキ46を開放することにより、エンジン回転と同方向の回転が上記ローディングカム装置に入力され、かつ、フォワードクラッチ44を開放してリバースブレーキ46を締結することにより、逆方向の回転が入力されるようになっている。なお、上記遊星歯車機構42で、42cはサンギア、42d、42eは互いに噛み合いされるプラネタリギアである。
【0060】
ところで、第一トロイダル変速部18および第二トロイダル変速部20に設けられたパワーローラ18c、18dおよび20c、20dは、中心線(軸線)cに対して対称に配置され、それぞれのパワーローラは変速制御装置としての変速制御弁56および油圧アクチュエータ50を介して、車両の運転条件に応じて傾斜(傾転)され、これにより第一、第二入力ディスク18a、20aの回転を無段階に変速して第一、第二出力ディスク18b、20bへ伝達するようになっている。
【0061】
図2は、TCVT10の変速を制御する油圧系の機械的構成図である。
【0062】
パワーローラ20cはトラニオン23で背面から支えられている。トラニオン23は、油圧サーボシリンダ50のサーボピストンと連結しており、油圧サーボシリンダ50a内の油圧と50b内の油圧の差圧で変位する。
【0063】
シリンダ50a、50bは、それぞれシフトコントロールバルブ56のHi側ポート56HiとLow側ポート56Lowに繋がっており、シフトコントロールバルブ56はバルブ内のスプール56Sが変位することにより、ライン圧の油をHi側ポート56HiまたはLow側ポート56Lowに流し、他方のポートからドレーン56Dへ油を流出させることで油圧サーボ内の差圧を変化させる。
【0064】
スプール56Sは、ステップモータ52と後述するプリセスカム55及びリンク構造を介して連結している。
【0065】
プリセスカム55は、4つのトラニオンのうち1体に取り付けられており、パワーローラの上下方向変位とパワーローラの傾転角度をリンクの変位に変換する。
【0066】
スプール56Sの変位は、ステップモータ変位とプリセスカム55で伝えられる変位により決まる。
【0067】
TCVT10の変速は、トラニオン23を平衡点から上下に変位させることにより行い、この変位によりパワーローラ20cと両ディスク20aの回転方向ベクトルに差違が発生してパワーローフ20cは傾転ずる。
【0068】
変速の定常時には、パワーローラ20cおよびトラニオン23の軸方向変位yは平衡点(パワーローラの軸と入出力ディスクの軸線が一致する位置)に戻っており、スプール56Sの変位も中立点でバルブが閉じた状態であるので、このときパワーローラの傾転角度は、プリセスカム比とリンク比で決まるステップモータ52の変位に対応した位置となる。なお、この中立点は、トラニオンの軸方向で、パワーローラ20cの回転軸と入出力ディスクの回転軸が交差する位置を示す。
【0069】
プリセスカム55は、パワーローラ20cの傾転角度をスプール56Sの変位に負帰還して傾転角度の目標値とのずれを補償しながら、パワーローラ20cおよびトラニオン23の平衡点からの変位もスプール56Sの変位に負帰還して過渡状態においてダンピングの効果を与えて、変速のハンチングを抑える。
【0070】
すなわち、変速の到達点はステップモータ52の変位で決まり、一連の変速の過程を示すと、ステップモータ変位を変化させることでスプール56Sが変位してバルブが開き、サーボピストンの差圧が変化してパワーローラが平衡点から変位することで傾転し、パワーローラの傾転角度がステップモータ変位に対応した点でスプール56Sは中立点に戻り変速が終了する。
【0071】
図3は制御装置を含んだTCVT10の概略構成図である。
【0072】
マイクロコンピュータを主体に構成された制御装置80には、入力ディスク18a、20aの何れか1つの回転数ωciを検出する入力回転数センサ84からの出力、出力ディスク18b、20bの何れか1つの回転数ωcoを検出する出力回転数センサ83からの出力、パワーローラ18c、18d、20c、20cの何れか1つの回転数ωprを検出するパワーローラ回転数センサ83からの出力、傾転角度(=トラニオンの回転角)φを検出する傾転角度センサ85からの出力、中立点からのパワーローラ変位(=トラニオン軸方向変位)yを検出する変位センサ86からの出力、アクセルペダルの踏み込み量APSを検出するアクセル操作量センサ81からの出力、ライン圧Plを検出する圧力センサ87からの出力がそれぞれ入力され、ステップモータ52へ指令値を出力する。
【0073】
図4は、TCVT10を含めた制御装置80で演算する変速制御の一例を示すブロック図である。
【0074】
TCVT10のステップモータ変位uに対する傾転角度φの動特性は、上記従来技術と同様で、上記(1)式と(2)式とで表され、ブロック図では、図21として表される。
【0075】
ここで、モデルパラメータa1、a2、gは、ライン圧Plに依存して変化するので、予め同定実験等で得たマップを使って演算する。
【0076】
図4において、係数算出部101は、傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoとから上記(4)式を用いて、パワーローラ変位yと傾転角速度との関係を表す時変な係数fを算出する。なお、この時変な係数fは、トロイダル変速部の形状(寸法など)と出力ディスク回転数と傾転角度とに応じて決まり、パワーローラ変位と傾転角速度との関係を表す時変な係数である。
【0077】
ここで、傾転角度φは、傾転角度センサ85の出力を直接使用するか、オブザーバ等を用いて推定するか、あるいは、次の(9)式を用いてTCVT入出力軸回転数ωci、ωcoから求められるTCVT変速比Gから、上記(3)式と図5とに示すTCVT変速比Gと傾転角度φとの関係を使って求める。
【0078】
【数6】
偏微分導関数算出部104では、偏微分導関数∂h/∂φと、その時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとを求める。ここで、制御量zをTCVT変速比とすると、制御量zは上記(3)式より、次の(10)式で表される。
【0079】
【数7】
∂h/∂φは、次の(11)式となる。
【0080】
【数8】
上記∂h/∂φは、次の(11)式を直接計算するか、予め(11)式を基に作成した図示しないマップを用いて、傾転角度φから求める。そして、さらに、∂h/∂φを時間微分すると、
【0081】
【数9】
となる。よって、上記(1)式と(12)式とから、次の(13)式を得る。
【0082】
【数10】
この、(13)式を用いて、d(∂h/∂φ)/dtを算出する。
【0083】
ここで、偏微分導関数∂2h/∂φ2は、(11)式に示した∂h/∂φを傾転角度φに関して偏微分することで、次の(14)式となる。
【0084】
【数11】
∂2h/∂φ2は、(14)式を直接計算するか、予め(14)式を基に作成した、図示しないマップを用いて傾転角度φより演算する。
【0085】
係数微分値算出部105では、fと傾転角度φとパワーローラ変位yと出力ディスク回転数ωcoとから、fの時間微分値を次の(15)式で算出する。なお、上記(4)式で示したように、fは傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoとの関数であるので、次の(15)式のように表される。
【0086】
【数12】
この(15)式において、上記(1)式の関係を用いると、次の(16)式を得る。
【0087】
【数13】
この(16)式を用いてfの時間微分値を算出する。ここで、偏微分導関数∂f/∂φは、上記(4)式に示したfから次の(17)式となる。
【0088】
【数14】
∂f/∂φは、この(17)式を直接計算するか、予め(17)式を基に作成した、図示しないマップを用いて傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoより演算する。次に、∂f/∂ωcoは、上記(4)式より、次の(18)式となる。
【0089】
【数15】
∂f/∂ωcoは、この(18)式を直接計算するか、予め(18)式を基に作成した、図示しないマップを用いて傾転角度φより演算する。
【0090】
ωcoの時間微分値は、出力ディスク回転数微分値であり、出力ディスク回転数ωcoを差分や擬似微分器で微分して求める。ただし、出力ディスクには車両の慣性があるので時間変化は小さい。出力ディスク回転数ωcoの微分値は他の傾転角度gなどの変化に比べ小さく、後述の(30)式において、出力ディスク回転数微分値をゼロにしても影響が少ないことが、実験やシミュレーションで確認済である。
【0091】
次に、制御量微分値算出部102では、パワーローラ変位yとfと∂h/∂φとから、制御量zの微分値を求める。制御量zは、傾転角度φの関数であるので、次の(19)式で表される。
【0092】
【数16】
この(19)式と上記(1)式とから、次の(20)式を得る。
【0093】
【数17】
zの微分値は、この(20)式を用いて算出する。
【0094】
次に、目標値生成手段109では、アクセル踏み込み量APSと出力ディスク回転数ωcoとから、目標制御量z*を求める。
【0095】
まず、車速VSPを出力ディスク回転数ωcoに所定の定数kvを乗じて算出する。VSPとωcoとkvとの関係を次の(21)式に示す。
【0096】
【数18】
ここで、kvは車両のファイナルギア比やタイヤ半径等から決まる定数である。
【0097】
次に、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0098】
そして、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから次の(22)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0099】
【数19】
最後に、到達制御量tzにローパスフィルタを掛けて、目標制御量z*を求める。このローパスフィルタにおいて、目標制御量z*と到達制御量tzとの関係を次の(23)式とする。
【0100】
【数20】
ここで、ctはローパスフィルタのカットオフ周波数である。
【0101】
次に、制御誤差算出部103では、制御量zと制御量微分値と目標制御量z*とを入力し、後述する制御誤差σを求める。制御誤差σと制御量zと制御量微分値と目標制御量z*との関係は、次の(24)式のように設計する。
【0102】
【数21】
ここで、制御量zであるTCVT変速比Gは、ロータリーエンコーダ等を用いて計測する傾転角度φから上記(10)式を使って演算するか、エンコーダや周期計測で検出する出力ディスク回転数ωcoとTCVT入力軸回転数ωciから、上記(9)式で表される関係を用いて直接算出してもよい。制御誤差σをゼロとすると、制御量zと制御量微分値と目標制御量z*との関係は、次の(25)式となる。
【0103】
【数22】
このように制御誤差σがゼロの場合、制御量zは目標制御量z*に対し、固有値c0の1次遅れの応答となる。
【0104】
次に、制御誤差補償量算出部110では、制御誤差σから、制御誤差補償量uswを演算する。制御誤差σと制御誤差補償量uswとの関係は、次の(26)式とする。
【0105】
【数23】
ここで、kはスイッチングゲインであり、kを十分に大きくすると、制御誤差σは有限時間でゼロに収束する。
【0106】
目標制御量微分値算出部108では、目標制御量z*を入力し、目標制御量微分値を算出する。目標制御量微分値は、目標制御量z*を擬似微分器等を用いて微分して求めるか、上記(23)式の中間変数を使用する。
【0107】
等価入力算出部106では、傾転角度φとパワーローラ変位yと目標制御量微分値とfとを入力し、制御誤差σが一定となるときのアクチュエータ指令値と等価である等価入力ueqを求める。
【0108】
まず、上記(24)式を両辺微分して(27)式を得る。
【0109】
【数24】
制御誤差σが一定と仮定するので、制御誤差微分値をゼロとすると、上記(27)式から次の(28)式を得る。
【0110】
【数25】
この制御量zの2階微分値は、上記(20)式を両辺微分することで、次の(29)式となる。
【0111】
【数26】
よって、上記(2)式と(20)式、(28)式及び(29)式をまとめて、uについて解くと、次の(30)式を得る。
【0112】
【数27】
このuを等価入力ueqとする。
【0113】
上記(30)式では、従来例でゼロと仮定していたfの微分値とd(∂h/∂φ)/dtとを用いて、パワーローラ変位yのフィードバックゲインを補正している。
【0114】
この補正は、図4のゲイン補正部107が行う。
【0115】
上記(30)式による等価入力ueqは、外乱やパラメータ誤差がなければ、制御誤差微分値をゼロに保つことができるもので、換言すれば、初期状態でσ=0ならば、等価入力ueqにより制御誤差σはゼロに保たれるので、制御量zと目標制御量z*との関係は、上記(25)式の状態に保たれる。
【0116】
次に、変位演算部111では、制御誤差補償量uswと等価入力ueqとの和をステップモータ変位指令値uとして出力する。
【0117】
ここで、もし外乱やパラメータ誤差があると、等価入力ueqのみでは制御誤差σはゼロに保たれない。このとき、制御誤差補償量uswが外乱やパラメータ誤差に対し十分大きいならば、制御誤差σはゼロに保たれる。
【0118】
したがって、制御誤差σがゼロに保たれることは、制御量zと目標制御量z*との関係が上記(25)式の状態に保たれるということであるので、目標制御量z*から制御量zの動特性は(25)式の線形な特性となるのである。
【0119】
次に、制御装置80で行われる変速制御の一例を、図7と図8に示すフローチャートを用いて詳述する。この変速制御処理は、ある所定の制御周期、例えば20msec毎に実行される。
【0120】
なお、制御量zはTCVT変速比Gとして以下のフローチャートの説明を行う。そして、最後に制御量zが異なる場合の変更点を述べる。
【0121】
まず、ステップS1では、各種センサの検出値を運転状態として読込む。ここで読み込む運転状態は、上記図3で示した、傾転角度φ、中立点からのパワーローラ変位y、アクセルペダルの踏み込み量APS、出力ディスク回転数ωco、TCVT入力軸回転数ωci、ライン圧Plである。
【0122】
TCVT出力回転数ωcoと、パワーローラ回転数ωpr、TCVT入力回転数ωciとの間には、次の(31)式と(32)式で表される関係がある。
【0123】
【数28】
ここで、cg0、cg1、cg2はトロイダルの形状、寸法で決まる定数である。
【0124】
このように、出力ディスク回転数ωcoとパワーローラ回転数ωpr、TCVT入力軸回転数ωciと傾転角度φとのうちで2つがわかれば、残りの2つは上記(31)式と(32)式とで表される関係を用いて算出できる。
【0125】
ステップS2では、上記(21)式に示したように出力ディスク回転数ωcoに所定の定数kvを乗じて車速VSPを求める。
【0126】
ステップS3では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示した変速マップを用いて到達人力回転数tωiを求める。
【0127】
ステップS4では、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから、上記(22)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0128】
ステップS5では、この到達制御量tzに変速の味付けに応じて決まる時定数のローパスフィルタを掛けて、上記(23)式を用いて目標制御量z*を求める。
【0129】
ステップS6では、目標制御量微分値を目標制御量z*の前回値との差分、若しくは擬似微分器を用いて微分して求めるか、上記(23)式の中間変数を使用して求める。
【0130】
ステップS7では、TCVT入力軸回転数ωciと出力ディスク回転数ωcoとから上記(9)式で示した関係を用いて制御量zを求める。
【0131】
ステップS8では、出力ディスク回転角加速度を出力ディスク回転数ωcoの前回値との差分、若しくは擬似微分器やオブザーバを用いて算出する。ここでは簡単に次の(33)式で表す差分を用いることとする。
【0132】
【数29】
ここで、Tは制御周期であり、T=0.02である。ωco(n)はステップSlで求めた出力ディスク回転数であり、ωco(n−1)は出力ディスク回転数の前回値である。
【0133】
ステップS9では、傾転角度φから、∂h/∂φを(11)式で、d(∂h/∂φ)/dtを(13)式で演算し、傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoから、∂f/∂φを(17)式で、∂f/∂ωcoを(18)式で演算する。あるいは、予め準備しておいたマップを用いて求める。
【0134】
ステップS10では、出力ディスク回転数ωcoと傾転角度φとから、上記(4)式を用いてfを演算し、fの微分値を、∂f/∂ωcoと∂f/∂φと出力ディスク回転数ωcoの微分値とfとパワーローラ変位から、上記(16)式を用いて算出する。
【0135】
ステップS11では、∂h/∂φの値とfとパワーローラ変位yとから、上記(20)式を用いて制御量zの微分値を演算する。
【0136】
ステップS12で、制御量微分値と制御量zと目標制御量z*とから、(24)式を用いて制御誤差σを演算する。
【0137】
ステップS13からS17は、上記(26)式をロジック化したものであり制御誤差補償量uswの算出を示す、
ステップS13において、制御誤差σがゼロより小さいならば、ステップS14に進み、そうでなければステップS15に進む。
【0138】
ステップS15において、制御誤差σがゼロより大きいならば、ステップS16に進み、そうでなければステップSf7に進む。ステップS14では制御誤差補償量uswを次の(34)式で設定する。
【0139】
【数30】
ここで、kは例えば、ステップモータ52の最大ステップモータ変位とする。
【0140】
ステップS16では制御誤差補償量uswを(35)式に設定する。
【0141】
【数31】
ステップS17では制御誤差補償量uswを(36)式に設定する。
【0142】
【数32】
ステップS18では、ライン圧Plから、図9に示すマップを用いてa1、a2、gを求める。
【0143】
ステップS19では、ステップモータ52への等価入力ueqを、上記(30)式を用いて求める。ただし、出力ディスク回転数ωcoの時間変化は小さいので、TCVT出力回転角加速度はゼロとしてもよい。
【0144】
ステップS20では、制御誤差補償量uswと等価入力ueqとの和を、ステップモータ52の指令値uとして出力する。
【0145】
以上の処理により、目標制御量z*から制御量zまでの動特性が線形化されるのである。
【0146】
したがって、制御ゲインを補正して変速過渡時の違和感を抑制するに当たり、変速位置や変速幅(変速量)などの変速状態にかかわらず、同じ目標変速比への変化に対してはほぼ一定の変速の応答を得ることができ、変速過渡時の違和感の抑制を効果的にできるのである。
【0147】
次に、無段変速機構をギアードニュートラル方式の変速比無限大無段変速機(以下、IVT)としたときの例を図10に示す。
【0148】
IVTはTCVT2と遊星歯車機構6と第1、第2の断続手段(クラッチ)9、7を主体に構成される。
【0149】
図10は、IVTの機械的構成を示す概略図である。
【0150】
IVTは平行に配置されたIVT入力軸1aとIVT出力軸5を有し、IVT入力軸1a上にはTCVT2が、IVT出力軸上には遊星歯車機構6が備わる。
【0151】
遊星歯車のサンギア62aは第2断続手段7の片方とつながっており、TCVT2の出力が一定減速ギア4aを介して入力される。
【0152】
遊星歯車のリングギア62cは、IVT出力軸5と第2断続手段の他方とに連結されている。
【0153】
遊星歯車機構6のキャリアは第1断続手段9の片方とつながっており、第1断続手段9の他方は、一定減速ギア3を介してTCVT2の入力軸1aに連結される。
【0154】
第1断続手段9を締結して第2断続手段7を解放している状態を動力循環モードと呼び、第2断続手段を締結して第1断続手段を解放している状態を直結モードと呼ぶ。
【0155】
第1断続手段9の締結力は第1の油圧サーボ92へ第1ソレノイドバルブ91から供給される油圧で決まり、第2断続手段の締結力は第2の油圧サーボ102へ第2ソレノイドバルブ101から供給される油圧で決まる。
【0156】
IVTは、ステップモータ変位uから傾転角度φまでの動特性は上記したTCVTと同じであり、上記(1)式から(2)式で表される。
【0157】
動力循環モードにおける、IVT変速比iは次の(37)式で表す。
【0158】
【数33】
ここで、添字付きのcはIVTの構造から決まる定数である。また、直結モードにおいて、IVTは単にTCVT2として動作するため、IVT変速比は上記(3)式のGと同じである。
【0159】
このようにIVTでは、動力循環モードと直結モードで(37)式と(3)式を切りかえる。
【0160】
以下に、制御量zが、IVT変速比iとするときと、IVT変速比の逆数iiとするときの制御装置80の演算の変更点を示す。もちろん、これに伴い制御量zの傾転角度φに関する偏微分導関数も異なるが、制御量zを傾転角度φに関して偏微分することで容易に求められるため、偏微分導関数は記述しない。
【0161】
[制御量zをIVT変速比iiとする場合]
制御量zは、動力循環モードでは、次の上記(37)式で表される関係とする。
【0162】
【数34】
直結モードでは上記(10)式で表される関係と同じとする。
【0163】
図4に示す目標値生成手段109で、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωi伽を求める。そして、到達入力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωioとから次の(39)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0164】
【数35】
[制御量zをIVT変速比の逆数iiとする場合]
IVT変速比の逆数iiを用いる場合では、制御量zは、動力循環モードにおいて、次の(40)式で表される関係とする。
【0165】
【数36】
一方、直結モードでは次の(41)式で表される関係とする。
【0166】
【数37】
図4において、目標値生成手段109では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。そして、到達入力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωioとから次の(42)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0167】
【数38】
以上により、IVTにおいても、TCVTと同様に、制御ゲインを補正することにより、外乱を取り除いて変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することが可能となるのである。
【0168】
上記第1実施形態をまとめると、次のようになる。
【0169】
傾転角度φを推定または検出する傾転角度検出手段と、中立点からのパワーローラ変位yを推定または検出する変位検出手段と、出力ディスク回転数ωco(または車速VSP)を検出する出力ディスク回転数検出手段と、制御量zの目標値z*を算出する目標値生成手段109と、制御量zが目標値z*に追従するように制御を行う変速制御手段とを備えるTCVTの制御装置において、時変な係数fを算出する係数算出部101と、係数fとパワーローラ変位yと傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoとを用いて係数fとd(∂h/∂φ)/dtとを算出し、目標値z*に対して制御量zが線形応答する制御ゲインの補正量を、係数fとd(∂h/∂φ)/dtとを用いて演算するゲイン補正部と、を備える構成としたので、前記従来技術で仮定している上記(6)式と(7)式が成り立たない場合(変速が速い場合)、この仮定により無視していた成分(速度成分)を、図4のゲイン補正部107が制御ゲインを補正して制御を行うようにしたので、目標値z*に対する制御量zの目標線形特性とのずれが補償されて、制御量zの応答が運転状態によって変わることによる変速の違和感を抑制し、変速速度に関わらず変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することが可能となるのである。
【0170】
特に、本発明は、図4のゲイン補正部107によって、制御ゲインをdf/dtとd(∂h/∂φ)/dtとで補正することが特徴であって、制御則が異なっても、ゲイン補正部107によって補正する制御ゲインは、パワーローラ変位yのフィードバックゲインであり、このフィードバックゲインをkyとすると、目標値z*の取り方によって補正が変わり、フィードバックゲインkyと補正量の関係は、次のように集約することができる。
【0171】
目標値が変速比などの場合は、フィードバックゲインkyと補正量の関係が次の(100)式で表される。
【0172】
【数39】
この場合では、∂h/∂φを含む項とfの微分値/fgの項とを補正すればよい。なお、ここで、a2は、プリセスカム55とメカニカルフィードバック機構のリンク比に応じて決まる定数であり、gはバルブゲイン、cは所定の定数である。
【0173】
また、目標値が傾転角度の場合は、後述の第2実施形態のように、フィードバックゲインkyと補正量の関係は次の(100)式で表される。
【0174】
【数40】
そして、上記(101)式において、係数fの微分値/fgの項を補正すればよい。
【0175】
図11は第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の制御量zを、次の(43)式で示すように傾転角度φとした場合の、制御装置80の制御ブロック図を示す。
【0176】
【数41】
なお、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0177】
図11において、TCVT10のステップモータ変位uに対する傾転角度の動特性は、前記従来技術と同様に(1)式と(2)式で表され、ブロック図では、図21(a)と表される。ここで、モデルパラメータa1、a2、gは、ライン圧Plに依存して変化するので、予め同定実験等で得たマップを使い求める。
【0178】
図11の、係数算出部201と係数微分値算出部204とは、それぞれ前述した図4の係数算出部101と係数微分値算出部105と同じであるため説明は省略する。
【0179】
目標値生成手段208では、上記(21)式を用いて、アクセル踏み込み量APSと出力ディスク回転数ωcoとから、目標傾転角度φ*を求める。
【0180】
まず、車速VSPを、出力ディスク回転数ωcoから、上述の(21)式に示す関係を用いて算出する。
【0181】
次に、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0182】
そして、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから上記(22)式を用いて到達変速比tGを求め、上記(3)式と図5とに示すTCVT変速比Gと傾転角度φとの関係を使って、到達変速比tGから到達傾転角度tφを求める。
【0183】
最後に、次の(44)式に示す関係を用いて、到達傾転角度tφから目標傾転角度φ*を求める。
【0184】
【数42】
ここで、ctはローパスフィルタのカットオフ周波数である。
【0185】
傾転角速度算出部202では、パワーローラ変位yとfとを入力し、上記(1)式を用いて傾転角速度(傾転角度φの微分値)を求める。
【0186】
制御誤差算出部203は、傾転角度φと傾転角速度と目標傾転角度φ*とを入力し、後述する制御誤差σを求める。制御誤差σと、傾転角度φと傾転角速度と目標傾転角度φ*との関係は、前記第1実施形態と同様に、次の(45)式のように設計する。
【0187】
【数43】
制御誤差σをゼロとすると、傾転角度φと傾転角速度と目標傾転角度φ*との関係は、次の(46)式となる。
【0188】
【数44】
このように、制御誤差σがゼロの場合、傾転角度φは目標傾転角度φ*に対し、固有値c0の1次遅れの応答となる。
【0189】
制御誤差補償量算出部209では、制御誤差σから制御誤差補償量uswを演算する。
【0190】
制御誤差σと制御誤差補償量uswとの関係は、前記第1実施形態と同じ(26)式とする。
【0191】
等価入力算出部205では、傾転角度φとパワーローラ変位yとfと目標傾転角速度φ*とを入力し、制御誤差σが一定となるときのアクチュエータ指令値と等価である等価入力ueqを求める。
【0192】
傾転角加速度は、上記(1)式を両辺微分することで、次の(47)式となる。
【0193】
【数45】
この(47)式において、上記(2)式の関係を用いると、次の(48)式を得る。
【0194】
【数46】
制御誤差σが一定と仮定するので、制御誤差微分値をゼロとして求めた(28)式において、(20)式と(48)式との関係を用いて、uについて解くと次の(49)式を得る。
【0195】
【数47】
このuを等価入力ueqとする。(30)式では、前記従来例でゼロと仮定しているfの微分値を用いてパワーローラ変位yのフィードバックゲインを補正している。この補正は、ゲイン補正部206が行うものとする。
【0196】
変位演算部210では、制御誤差補償量uswと等価入力ueqとの和をステップモータ変位指令値uとして出力する。
【0197】
次に、前記第1実施形態の図7と図8に示すフローチャートを用いて、制御量zを傾転角度φとした場合の制御について詳述する。
【0198】
まず、ステップS1からS3は前記第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0199】
ステップS4では、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから上記(22)式を用いて到達変速比tGを求め、図5に示す傾転角度φとTCVT変速比Gとの関係のマップを用いて、到達変速比tGから到達傾転角度tφを求める。
【0200】
ステップS5では、この到達傾転角度tφに変速の味付けで決まる時定数のローパスフィルタを掛けて、上記(44)式を用いて目標制御量φ*を求める。
【0201】
ステップS6では、目標傾転角速度を目標傾転角度φ*の前回値との差分、若しくは擬似微分器を用いて微分して求めるか、上記(44)式の中間変数(目標傾転角度の微分値)を用いて求める。
【0202】
ステップS7では、制御量となる傾転角度φを、ロータリーエンコーダ等を用いて直接計測するか、エンコーダや周期計測で検出する出力ディスク回転数ωcoとTCVT入力軸回転数ωciとから、上記(9)式で表される関係を用いてTCVT変速比を算出し、図5に示す傾転角度φとTCVT変速比Gとの関係のマップを用いて、TCVT変速比Gから求める。
【0203】
ステップS8は、前記第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0204】
ステップS9では、傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoから、∂f/∂φを上記(17)式で、∂f/∂ωcoを上記(18)式で演算する。あるいは、予め準備しておいたマップを用いて求める。
【0205】
ステップS10は前記第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0206】
ステップS11では、fとパワーローラ変位yから、上記(1)式を使い傾転角速度を演算する。
【0207】
ステップS12からS18は前記第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0208】
ステップS19では、ステップモータヘの第2指令値uswを上記(49)式を用いて求める。ただし、出力ディスク回転数の時間変化は小さいので、TCVT出力回転角加速度はゼロとしてもよい。
【0209】
ステップS20では、第1指令値uswと第2指令値ueqとの和をステップモータの指令値uとして出力する。
【0210】
以上の処理により、制御量を傾転角度とした場合においても、目標制御量から制御量までの動特性は線形化され、前記第1実施形態と同様に、外乱を取り除いて変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することが可能となるのである。
【0211】
図12は、第3の実施形態を示し、前記第1実施形態と同様のTCVTの制御装置80で行われる制御のブロック図を示す。
【0212】
TCVT10のステップモータ変位uに対する傾転角度φの動特性は、前記従来技術と同様に(1)式と(2)式とで表され、この制御ブロック図は、図21(a)で表される。ここで、モデルパラメータa1、a2、gは、ライン圧Plに依存して変化するので、予め同定実験等で得たマップを使い求める。
【0213】
図12において、係数算出部301と偏微分導関数算出部302と係数微分値算出部303と目標値生成手段307とは、それぞれ前記第1実施形態の図4に示した係数算出部101、偏微分導関数算出部104、係数微分値算出部105及び目標値生成部109と同一であるため説明は省略する。
【0214】
変位演算部304では、傾転角度φとパワーローラ変位yとfと∂h/∂φと後述する制御量2階微分目標値算出部306で求める制御量2階微分目標値vとから、ステップモータ変位指令値uを演算する。
【0215】
制御量zの2階微分導関数は、前記第1実施形態で示した上記(29)式と同一となる。この(29)式に上記(2)式で表される関係を代入すると、次の(50)式を得る。
【0216】
【数48】
制御量2階微分目標値vを仮想的に入力として、
【0217】
【数49】
とすると、(50)式と(51)式から次の(52)式を得る。
【0218】
【数50】
上記(51)式で表す線形系になるように、(52)式をuについて解くと、
【0219】
【数51】
となる。
【0220】
この(53)式では、前記従来例でゼロと仮定しているfの微分値とd(∂h/∂φ)/dtとを用いてパワーローラ変位yのフィードバックゲインを補正している。この補正は、ゲイン補正部305が行うものとする。
【0221】
上記(53)式は、図13(a)式の非線形関数演算を表す式であり、これにより、目標制御量加速度vと制御量zの2階微分値の関係は図13(b)のブロック図で表されるように線形化される。
【0222】
図12において、制御量2階微分目標値算出部136では、目標制御量z*と制御量zから制御量2階微分目標値vを演算する。
【0223】
前述したように、目標制御量加速度vと制御量zの2階微分値の関係は、上記(51)式および図13(b)式のブロック図で表される。
【0224】
これに対し、図13(c)式に示すように、線形なコントローラKを用いて目標制御量z*に対し制御量zが線形応答となる閉ループ系を設計する。
【0225】
例えば、線形なコントローラとしてPD(比例、微分)制御器を用いる。PD制御器は、次の(54)式で設計する。
【0226】
【数52】
ここで制御量微分値は、上記(20)式を用いて演算する。これにより、(51)式と(51)式とから次の(55)式を得る。
【0227】
【数53】
したがって、目標制御量z*から制御量zへの動特性は、(55)式で表される線形な特性となる。PD制御器の制御定数kP、kDは、(55)式が安定で所望の特性となるように設計する。
【0228】
次に、制御装置80で行われる変速制御の一例について、図14のフローチャートを参照しながら以下に詳述する。この変速制御演算は、ある所定の制御周期例えば20msecごとに実行される。なお、制御量zはTCVT変速比Gとして以下の説明を行う。そして、最後に制御量zが異なる場合の変更点を述べる。
【0229】
まず、ステップS30では、各種センサの検出値を運転状態として読込む。ここで読み込む運転状態は、図3で示した、傾転角度φ、中立点からのパワーローラ変位y、アクセルペダルの踏み込み量APS、出力ディスク回転数ωco、TCVT入力軸回転数ωci、ライン圧Plである。
【0230】
TCVT出力回転数ωcoと、パワーローラ回転数ωpr、TCVT入力回転数ωciとの関係は上記(31)式と(32)式で表される。このように、出力ディスク回転数ωco、パワーローラ回転数ωpr、TCVT入力軸回転数ωciと傾転角度φのうちで2つがわかれば、残りの2つは上記(31)式と(32)式との関係を用いて算出できる。
【0231】
ステップS31では、出力ディスク回転数ωcoに所定の定数kvを乗じて車速VSPを求める。ここでkvは、車両のファイナルギア比やタイヤ半径等から決まる定数である。
【0232】
ステップS32では、アクセル踏み込み重APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0233】
ステップS33では、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから、上記(22)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0234】
ステップS34では、この到達制御量tzに変速の味付けで決まる時定数のローパスフィルタを掛けて、上記(23)式を用いて目標制御量z*を求める。
【0235】
ステップS35では、TCVT入力軸回転数ωciと出力ディスク回転数ωcoとから上記(9)式で表される関係を用いて、制御量zを求める。
【0236】
ステップS36では、出力ディスク回転角加速度(ωcoの微分値)を出力ディスク回転数ωcoの前回値との差分、若しくは擬似微分器やオブザーバを用いて算出する。ここでは簡単に上記(33)式で表される差分を用いることとする。
【0237】
ステップS37では、傾転角度φから、∂h/∂φを上記(11)式で、∂2h/∂φ2を(14)式で、∂f/∂φを(17)式で、∂f/∂ωcoを(18)式でそれぞれ演算する。あるいは、予め準備しておいたマップを用いて求めてもよい。
【0238】
ステップS38では、出力ディスク回転数ωcoと傾転角度φとから、上記(4)式を用いてfを演算し、fの微分値を、∂f/∂ωcoと∂f/∂φと出力ディスク回転数ωcoの微分値とfとパワーローラ変位yから、上記(16)式を用いて算出する。
【0239】
ステップS39では、∂h/∂φの値とfとパワーローラ変位yから、上記(20)式を使って制御量速度(zの微分値)を演算する。
【0240】
ステップS40では、目標制御量z*と制御量zの偏差eを次の(56)式で求める。
【0241】
【数54】
ステップS41では、目標制御量加速度vを、次の(57)式で求める。
【0242】
【数55】
この、kP、kDは、上記(55)式の極が安定で、目標制御量z*に対する制御量zの応答が所望の応答になるように選ぶ。
【0243】
ステップS42では、ライン圧Plから、図9に示すマップを用いてゲインa1、a2、gを求める。
【0244】
ステップS43では、ステップモータヘの指令値uを、上記(53)式を用いて求める`
以上の操作により、目標制御量z*から制御量zまでの動特性は、上記(50)式で示すように線形化され、変速過渡時の外乱を抑制できるのである。
【0245】
次に、制御量zを、IVT変速比iとするときと、IVT変速比の逆数iiとするときの制御装置80の演算の変更点を示す。もちろん、これに伴い制御量zの傾転角度φに関する偏微分導関数も異なるが、制御量zを傾転角度φに関して偏微分することで容易に求められるため、偏微分導関数については詳述しない。なお、IVTの構成も前記第1実施形態と同様である。
【0246】
[制御量zをIVT変速比iとする場合]
制御重zは、動力循環モードでは前記第1実施形態と同じ(38)式で表される関係とする。直結モードでも(10)式で表される関係と同じとする。
【0247】
図12において、目標値生成手段307では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0248】
そして、到達入力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωcoから前記第1実施形態と同じ(39)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0249】
[制御量zをIVT変速比の逆数iiとする場合]
制御量zは、動力循環モードでは前記第1実施形態と同じ(40)式で表される関係とする。直結モードでも前記第1実施形態と同じ(41)式で表される関係とする。
【0250】
図12において、目標値生成手段307では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。そして、到達入力回転数伽とIVT出力軸回転数ωcoから前記第1実施形態と同じ(42)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0251】
以上により、IVTにおいても、TCVTと同様に、制御ゲインを補正することにより、外乱を取り除いて変速比のずれを補償し、変速過渡時の違和感を抑制することが可能となるのである。
【0252】
図15は、第4の実施形態を示し、前記第3実施形態の制御量zを第2実施形態実施例2と同じ(43)式に示したように傾転角度φとしたものであり、その他の構成は前記第3実施形態と同様である。
【0253】
図15は、TCVTを含めた制御装置80で行われる制御の一例を示すブロック図である。
【0254】
TCVTのステップモータ変位uに対する傾転角度φの動特性は、従来技術と同様に(1)式と(2)式とで表される。
【0255】
図15において、係数算出部401と係数微分値算出部402と目標値生成手段409は、それぞ前記第1実施形態の係数算出部101と係数微分値算出部105と目標値生成手段208と同じであるため説明は省略する。
【0256】
傾転角加速度(φの2回微分値)は前記第2実施形態で示した(48)式となる。ここで、傾転角加速度と制御量2階微分目標値vとの関係を前記第3実施形態と同様に(58)式とする。
【0257】
【数56】
よって(48)式と(58)式から次の(59)式を得る。
【0258】
【数57】
この(59)式をステップモータ変位指令値uについて解くと、次の(60)式を得る。
【0259】
【数58】
この(60)式では、前記従来例でゼロと仮定しているfの微分値を用いてパワーローラ変位yのフィードバックゲインを補正している。この補正は、ゲイン補正部404が行うものとする。
【0260】
これにより、前記第3実施形態と同様に目標制御量加速度vと傾転角加速度の関係は前記図13(b)のブロック図で表されるように線形化される。
【0261】
次に、図15の目標傾転角加速度算出部405では、目標傾転角度φ*と傾転角度φから目標傾転角加速度(φの2回微分値)を演算する。前述したように傾転角加速度と目標制御量加速度vとの関係は、前記第3実施形態3と同様に(51)式および図13(b)式のブロック図で表される。
【0262】
これに対し、前記第3実施形態と同様に、図13(c)で示したような線形なコントローラを用いて目標傾転角度φ*に対し傾転角度φが線形応答となる閉ループ系を設計する。
【0263】
例えば、線形なコントローラKとしてPD制御器を用いる。PD制御器は前記第3実施形態と同様にして、次の(61)式で設計する。
【0264】
【数59】
ここで傾転角速度は、上記(1)式を用いて演算する。よって、(61)式と(58)式から次の(62)式を得る。
【0265】
【数60】
これにより、目標傾転角度φ*から傾転角度φへの動特性は、この(62)式で表される線形な特性となる。PD制御器の制御定数kP、kDは、(62)式が安定で所望の特性となるように設計する
上記制御を制御装置80で行う場合のフローチャートの一例は、前記図14と同様である。
【0266】
すなわち、ステップS30からS32は前記第3実施形態と同様に処理を行う。
【0267】
ステップS33からS34は、前記第2実施形態のステップS4からS5と同様に処理を行う。
【0268】
ステップS34は、前記第3実施形態と同一である。
【0269】
ステップS35は、前記第2実施形態のステップS7と同じである。
【0270】
ステップS36は、前記第3実施形態と同じである。
【0271】
ステップS37は、前記第2実施形態のステップS9と同じである。
【0272】
ステップS38は、前記第1実施形態のステップS10と同じである。
【0273】
ステップS39は、前記第2実施形態のステップS11と同じである。
【0274】
ステップS40からS43は実施形態3と同じである。
【0275】
以上の処理により、前記第3実施形態と同様にして、目標制御量から制御量までの動特性が線形化される。
【0276】
図16、図17は、第5の実施形態を示し、図16はステップモータ速度指令値uppsに応じて制御量zが変化するTCVTの動特性を、ブロック図で表したものである。
【0277】
前記第1実施形態から実施形態4との違いは、ステップモータの動特性を制御に利用する点である。ステップモータ52はステップモータステップ速度uppsを積分してステップ数u0にする作用があり、ステップ数に比例したステップモータ変位uを出力する。
【0278】
ステップモータステップ速度uppsとステップモータステップ数u0の関係は、次の(63)式で表される。
【0279】
【数61】
ステップモータステップ数u0とステップモータ変位uの関係は、次の(64)式で表される。
【0280】
【数62】
ここで、bはステップモータ52のカムリードで決まる定数である。
【0281】
ステップモータ変位uに応じて傾転角度φが変化する動特性は、前記従来技術の(1)式から(2)式と同じである。よって、TCVTは(63)式と(64)式と(1)式と(2)式とを合わせて、次に示す(65)式から(67)式で示す動特性で表現できる。
【0282】
【数63】
ここで、モデルパラメータa1、a2、gは、ライン圧Plに依存して変化するので、予め同定実験等で得たマップに基づいて算出する。
【0283】
図17のブロック図に、制御装置80で行われる制御の一例を示す。
【0284】
係数算出部501と制御量微分値算出部502、偏微分導関数算出部503、係数微分値算出部504、目標値生成手段508は、それぞれ前記第1実施形態の係数算出部101、制御量微分値算出部102、偏微分導関数算出部10、と係数微分値算出部105、目標値生成手段109と同じであるため説明は省略する。
【0285】
制御量2階微分値算出部505は、傾転角度φとパワーローラ変位yとステップモータステップ数u0、出力ディスク回転数ωco、偏微分導関数算出503で求めた偏微分導関数を入力し、制御量2階微分値(zの2階微分値)を求める。制御量2階微分値を表す上記(29)式に、上記(65)式から(67)式に示す関係を代入して、次の(68)式を得る。
【0286】
【数64】
制御量2階微分値は(68)式で演算する。
【0287】
ここで、ステップモータステップ数u0はオブザーバを用いて推定するか、ステップモータステップ速度指令値uppsを積分して推定するか、直接検出してもよい。
【0288】
上記(68)式では、前記従来例でゼロと仮定しているfの微分値とd(∂h/∂φ)/dtとを用いてパワーローラ変位yの係数を補正している。この補正は、ゲイン補正部506が行うものである。
【0289】
制御誤差算出部507は、制御量zと制御量微分値と制御量2階微分値と目標制御量z*とを入力し、制御誤差σを求める。
【0290】
制御誤差σと、制御量zと制御量微分値2と目標制御量z*との関係は、次の(69)式のように設計する。
【0291】
【数65】
ここで、制御量zは、ロータリーエンコーダ等を用いて計測する傾転角度φから上記(10)式を用いて演算するか、エンコーダや周期計測で検出する出力ディスク回転数ωcoとTCVT入力軸回転数ωciから、(9)式で表される関係を用いて直接算出してもよい。
【0292】
ここで、制御誤差σをゼロとすると、制御量zと制御量微分値と目標制御量z*との関係は、次の(70)式となる。
【0293】
【数66】
このように制御誤差σがゼロの場合、制御量zは目標制御重z*に対し、自然周波数ωn、減衰係数ζの2次遅れの応答となる。
【0294】
速度演算部509では、制御誤差σから指令値uppsを演算する。制御誤差σと指令値uppsの関係は、次の(71)式とする。
【0295】
【数67】
ここで、kはスイッチングゲインであり、kは十分に大きな値とし、例えばステップモータの最大駆動速度とする。
【0296】
このとき制御誤差σは有限時間でゼロとなる。制御誤差σがゼロに保たれるとき、目標制御量z*から制御量zの動特性は、上記(70)式で表される線形な特性となる。
【0297】
次に、制御装置80で行われる上記制御の一例を、図18と図19に示すフローチャートを参照しながら詳述する。この制御は、ある所定の制御周期、例えば20ms毎に実行される。なお、制御量zはTCVT変速比Gとして以下のフローチャートの説明を行う。
【0298】
まず、図18のステップS50では、各種センサの検出値を運転状態として読込むここで読み込む運転状態は、図3で示した、傾転角度φ、中立点からのパワーローラ変位y、アクセルペダルの踏み込み量APS、出力ディスク回転数ωco、TCVT入力軸回転数ωci、ライン圧Plである。
【0299】
TCVT出力回転数ωcoと、パワーローラ回転数ωpr、TCVT入力回転数ωciとの関係は上記(31)式と(32)式とで表される。
【0300】
ステップS51では、出力ディスク回転数ωcoに所定の定数kvを乗じて車速VSPを求める。ここで定数kvは、車両のファイナルギア比やタイヤ半径等から決まる定数である。
【0301】
ステップS52では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示す変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0302】
ステップS53では、到達入力回転数tωiと出力ディスク回転数ωcoとから、上記(22)式を用いて到達制御量tzを求める。
【0303】
ステップS54では、この到達制御量tzにローパスフィルタを掛けて、(23)式を用いて目標制御量z*を求める。ステップS55では、目標制御量微分値を目標制御量z*の前回値との差分、若しくは擬似微分器を用いて微分して求めるか、上記(23)式の中間変数を使用する。
【0304】
ステップS56では、TCVT入力軸回転数ωiと出力ディスク回転数ωcoとから(9)式で表される関係を用いて制御量zを求める。
【0305】
ステップS57では、出力ディスク回転角加速度(ωcoの微分値)を出力ディスク回転数ωcoの前回値との差分、若しくは擬似微分器やオブザーバを用いて算出する。ここでは簡単に(33)式で表す差分を用いることとする。
【0306】
ステップS58では、傾転角度φから、∂h/∂φを上記(H)式で、∂2h/∂φ2を(14)式で、∂f/∂ωcoを(18)式でそれぞれ演算し、傾転角度φと出力ディスク回転数ωcoから、∂f/∂φを上記(17)式で演算する。あるいは、予め準備しておいたマップを用いて求めてもよい。
【0307】
ステップS59では、出力ディスク回転数ωcoと傾転角度φとから、上記(4)式を用いてfを演算し、fの微分値を、∂f/∂ωcoと∂f/∂φと出力ディスク回転数ωcoの微分値とfとパワーローラ変位yから、上記(16)式を用いて算出する。
【0308】
ステップS60では、∂h/∂φの値とfとパワーローラ変位yとから、上記(20)式を使い制御量速度を演算する。
【0309】
次に図19のステップS61では、ライン圧Plから、図9に示すマップを用いてa1、a2、gを求める。
【0310】
ステップS62では、傾転角度φとパワーローラ変位yとステップモータステップ数u0と出力ディスク回転数ωcoと偏微分導関数とから、上記(68)式を用いて制御量2階微分値を演算する。
【0311】
ステップS63で、制御量2階微分値と制御量微分値と制御量zと目標制御量z*とから、上記(69)式を用いて制御誤差σを演算する。
【0312】
ステップS64からS68は上記(71)式をロジック化したものであり指令値uppsの算出である。
【0313】
ステップS64において、制御誤差σがゼロより小さいならば、ステップS65に進み、そうでなければステップS66に進む。
【0314】
ステップS66において、制御誤差σがゼロより大きいならば、ステップS67に進み、そうでなければステップS68に進む。
【0315】
ステップS65ではステップモータ速度指令値uppsを、次の(72)式に設定する。
【0316】
【数68】
ここで、kSはステップモータの最大駆動速度とする。
【0317】
ステップS67では指令値uppsを次の(73)式に設定する。
【0318】
【数69】
ステップS68では指令値uppsを次の(74)式に設定する。
【0319】
【数70】
ステップS69では、次の(75)式でステップモータ速度指令値uppsを積分してステップモータステップ数u0を演算する。
【0320】
ここで、Tは制御周期である。
【0321】
以上の制御により、目標制御量z*から制御量zまでの動特性は線形化され、前記実施形態と同様に、変速位置や変速幅(変速量)などの変速状態にかかわらず、同じ目標変速比への変化に対してはほぼ一定の変速の応答を得ることができ、変速過渡時の違和感を抑制できるのである。
【0322】
以下に、制御量zが、IVT変速比iとするときと、IVT変速比の逆数iiとするときの制御装置80の演算の変更点を示す。もちろん、これに伴い制御量zの傾転角度φに関する偏微分導関数も異なるが、制御量zを傾転角度φに関して偏微分することで容易に求められるため、この偏微分導関数は詳述しない。
【0323】
[制御量zをIVT変速比iとする場合]
制御量zは、動力循環モードでは前記第1実施形態と同じ(38)式で表される関係とする。
【0324】
直結モードでも上記(10)式で表される関係と同じとする。
【0325】
図17において、目標値生成手段508では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示した変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0326】
そして、到達人力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωcoとから前記第1実施形態と同じ(39)式を用いて到達制御量tzを求めればよい。
【0327】
[制御量zをIVT変速比の逆数iiとする場合]
制御量zは、動力循環モードでは前記第1実施形態と同じ(40)式で表される関係とする。直結モードでも前記第1実施形態と同じ(41)式で表される関係とする。
【0328】
図17において、目標値生成手段508では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPとから、図6に示した変速マップを用いて到達入力回転数tωiを求める。
【0329】
そして、到達入力回転数tωiとIVT出力軸回転数ωcoとから前記第1実施形態と同じ(42)式を用いて到達制御量tzを求めればよい。
【0330】
図20は、第6の実施形態を示し、前記第5実施形態の制御量zを実施形態2と同じ(43)式に示すように傾転角度φとしたものである。その他の構成は前記第5実施形態と同様である。
【0331】
TCVT10の動特性は、前記第5実施形態と同様に上記(65)式から(67)式で表される。
【0332】
図20のブロック図に、制御装置80で行われる制御の一例を示す。
【0333】
図20において、係数算出部601と傾転角速度算出部602、係数微分値算出部603、目標値生成手段607は、それぞれ前述した係数算出部101、傾転角速度算出部202、係数微分値算出部105、目標値生成手段208と同じであるため説明は省略する。
【0334】
傾転角加速度算出部604は、傾転角度φとパワーローラ変位yとステップモータステップ数u0とfとを入力し、傾転角加速度を求める。傾転角加速度φを表す上記(47)式に、(67)式に示す関係を代入して、次の(76)式を得る。
【0335】
【数71】
傾転角加速度は(76)式で演算する。
【0336】
ここで、ステップモータステップ数u0はオブザーバを用いて推定するか、ステップモータステップ速度指令値uppsを積分して推定する。上記(76)式では、従来例でゼロと仮定しているfの微分値を用いてパワーローラ変位yの係数を補正している。この補正は、ゲイン補正部605が行うものとする。
【0337】
制御誤差算出部606は、傾転角度φと傾転角速度と傾転角加速度と目標傾転角度φ*とを入力し、制御誤差σを求める。
【0338】
制御誤差σと、傾転角度φと傾転角速度と傾転角加速度と目標傾転角度φ*との関係は、前記第5実施形態と同様に、次の(77)式で設計する。
【0339】
【数72】
ここで、傾転角度φは、ロータリーエンコーダ等を用いて直接計測するか、エンコーダや周期計測で検出する出力ディスク回転数ωcoとTCVT入力軸回転数ωciとから、上記(9)式で表される関係を用いてTCVT変速比Gを算出し、図5に示す傾転角度φとTCVT変速比Gとの関係のマップを用いて、TCVT変速比Gから求める。
【0340】
制御誤差σをゼロとすると、傾転角度φと傾転角速度と目標傾転角度φ*との関係は、次の(78)式で表される関係となる。
【0341】
【数73】
このように制御誤差σがゼロの場合、傾転角度φは目標傾転角度φ*に対し、自然周波数ωn、減衰係数ζの2次遅れの応答となる。
【0342】
速度演算部608では、制御誤差σから指令値tωiを演算する。
【0343】
制御誤差σと指令値uppsとの関係は、前記第5実施形態と同じ(71)式とする。制御誤差σがゼロに保たれるとき、目標傾転角度φ*から傾転角度φへの動特性は、次の(78)式で表されるように線形な特性となる。
【0344】
【数74】
次に、制御装置80で行われる変速制御の一例を、前述の図18と図19に示すフローチャートを使い説明する。この変速制御演算は、ある所定の制御周期、例えば20msec毎に実行される。
【0345】
ステップS50からS52は前記第5実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0346】
ステップS53からS56は、前記第2実施形態のステップS4からS7と同じであるので説明は省略する。
【0347】
ステップS57は前記第5実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0348】
ステップS58は、前記第2実施形態のステップS9と同じであるので説明は省略する。
【0349】
ステップS59は前記第5実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0350】
ステップS60は、前記第2実施形態のステップS11と同じであるので説明は省略する。
【0351】
ステップS61では、ライン圧Plから、図9に示すマップを用いてa1、a2、gを求める。
【0352】
ステップS62では、傾転角度φとパワーローラ変位yとステップモータステップ数u0と出力ディスク回転数ωcoと偏微分導関数とから、上記(76)式を使い制御量2階微分値を演算する。
【0353】
ステップS63からS69は前記第5実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0354】
以上の制御により、目標制御量から制御量までの動特性は線形化され、変速位置や変速幅に関わらず、均一の変速応答が得られ、変速過渡時に運転者へ違和感を与えることがなくなり、より滑らかな変速を行うことができる。
【0355】
なお、上記実施形態においては、傾転角度(=トラニオンの回転角)φを傾転角度センサ85によって直接検出する例を示したが、オブザーバなどを用いて推定しても良い。また、中立点からのパワーローラ変位(=トラニオン軸方向変位)yを変位センサ86で直接検出する例を示したが、オブザーバなどを用いて推定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すトロイダル型無段変速機の概略構成図。
【図2】同じく変速機構の概略断面図。
【図3】制御装置を含んだ変速制御系の概略図。
【図4】制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図5】傾転角度と変速比の関係を示すマップ。
【図6】車速VSPと到達入力回転数(目標入力回転数)とアクセル操作量の関係を示すマップ。
【図7】制御装置で行われる変速制御の一例を示すフローチャートで、その前半部。
【図8】同じくフローチャートの後半部。
【図9】ライン圧と各制御係数の関係を示すマップ。
【図10】無段変速機の他の一例を示し、変速比無限大無段変速機の概略図。
【図11】第2実施形態を示し、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図12】第3実施形態を示し、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図13】無段変速機の動特性を示すブロック図で、(a)は非線形特性を、(b)は目標制御量加速度vと制御量zの2階微分値の線形関係を、(c)は線形なコントローラKの一例をそれぞれ示す。
【図14】同じく、制御装置で行われる変速制御の一例を示すフローチャート。
【図15】第4実施形態を示し、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図16】第5の実施形態を示し、無段変速機の動特性を示すブロック図。
【図17】同じく、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図18】同じく、制御装置で行われる変速制御の一例を示すフローチャートでその前半部。
【図19】同じく、フローチャートの後半部。
【図20】第6実施形態を示し、制御装置で行われる変速制御の一例を示すブロック図。
【図21】無段変速機の動特性を示すブロック図で、従来例を示す。
【図22】変速応答を示すグラフで、無段変速機の変速比と時間の関係を示し、線形応答を図中波線で、従来例を実線で示す。
【符号の説明】
10 トロイダル型無段変速機
50 油圧サーボ
52 ステップモータ
53 Iリンク
54 Lリンク
55 プリセスカム
56 変速制御弁
80 制御装置
Claims (8)
- 入出力ディスクに挟持押圧されて摩擦係合により前記入出力ディスク間で駆動力の伝達を行うパワーローラと、
前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、
トラニオンを駆動する油圧アクチュエータへの油圧を制御する変速制御弁と、
前記トラニオンおよび前記変速制御弁に連結され、トラニオンの軸方向変位とパワーローラの傾転角度を変速制御弁にフィードバックするメカニカルフィードバック機構と、
この変速制御弁を駆動する変速アクチュエータと、
前記出力ディスクまたは車速を検出する出力ディスク回転数検出手段と、
アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
前記出力ディスク回転数検出手段の出力とアクセル操作量とから、制御量の目標値を算出する目標値生成手段と、
パワーローラの傾転角度を推定または検出する傾転角度検出手段と、
トラニオンの軸方向変位を推定または検出する変位検出手段と、
前記傾転角度とパワーローラ変位と出力ディスク回転数と制御量目標値とを用いて、制御量が目標値へ追従するように制御を行う変速制御手段と、
を備えたトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、
前記変速制御手段は、
トロイダル変速部の形状と出力ディスク回転数と傾転角度とに応じて決まり、パワーローラ変位と傾転角速度との関係を表す時変な係数fを算出する係数算出部と、
この係数fとパワーローラ変位と傾転角度と出力ディスク回転数とを用いて、係数fの時間微分値を算出する係数微分値算出部と、
前記目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を係数fの時間微分値を用いて演算するゲイン補正部と、
制御ゲインの補正量と係数fと制御量目標値とパワーローラ変位と傾転角度とを用いて、変速アクチュエータの指令値を演算する指令値演算部とを有することを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 前記前記変速制御手段は、傾転角度φと制御量zとの関係を示す関数h(φ)の傾転角度に関する1階偏微分導関数∂h/∂φと1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtを算出する偏微分導関数算出部を有し、
前記ゲイン補正部が、前記目標値に対して制御量が線形応答する制御ゲインの補正量を、係数fの時間微分値と前記時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとに基づいて演算することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 前記指令値演算部は、1階偏微分導関数∂h/∂φと係数fとパワーローラ変位とから制御量zの時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、
目標制御量と制御量と制御量時間微分値を入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と、制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、
この制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、
目標制御量の微分値を算出する目標制御量微分値算出部と、
目標制御量微分値と制御量時間微分値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fと1階偏微分導関数∂h/∂φとから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、
制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、
前記ゲイン補正部は、前記偏微分導関数算出部と、前記係数微分値算出部との出力により、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを、係数fの時間微分値と1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtに基づいて補正することを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、
目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度とを入力し、予め設定した線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、
前記誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ変位指令値である制御誤差補償量を算出する制御誤差補償量算出部と、
目標傾転角速度を算出する目標傾転角速度算出部と、
目標傾転角速度と傾転角速度とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、前記制御誤差が一定となるときの変速アクチュエータ指令値と等価である等価入力を算出する等価入力算出部と、
制御誤差補償量と等価入力との和を、変速アクチュエータ変位の指令値とする変位演算部とを備え、
前記ゲイン補正部は、前記係数微分値算出部の出力に基づいて、等価入力算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 前記指令値演算部は、
目標制御量と制御量とから、目標制御量に対する制御量の特性が予め設定した線形特性であるときの制御量2階時間微分目標値を算出する制御量2階微分目標値算出部と、
この制御量2階時間微分目標値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fと1階偏微分導関数∂h/∂φとから、目標制御量に対する制御量の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、
前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部との出力に基づいて、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値と、1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正することを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 前記指令値演算部は、
目標傾転角度と傾転角度とから、目標傾転角度に対する傾転角度の特性が予め設定した線形特性であるときの傾転角加速度を算出する傾転角加速度目標値算出部と、
傾転角加速度目標値とパワーローラ変位と傾転角度と係数fとから、目標傾転角度に対する傾転角度の応答が目標線形特性となる変速アクチュエータ変位指令値を算出する変位演算部とを備え、
前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部の出力に基づいて、指令値算出過程におけるパワーローラ変位に関するフィードバックゲインを係数fの時間微分値で補正することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 前記変速制御手段は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、
前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位と1階偏微分導関数∂h/∂φとから制御量時間微分値を算出する制御量微分値算出部と、
係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位と1階偏微分導関数∂h/∂φとから制御量2階時間微分値を算出する制御量2階微分値算出部と、
目標制御量と制御量と制御量時間微分値と制御量2階時間微分値とを入力し、予め設定した線形特性で目標制御量に対して制御量が応答したときの応答と制御量の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、
この制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、
前記ゲイン補正部は、偏微分導関数算出部と係数微分値算出部とに基づいて、制御量2階微分値算出過程におけるパワーローラ変位の係数を、係数fの時間微分値と、1階偏微分導関数の時間微分値d(∂h/∂φ)/dtとで補正することを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 前記変速制御手段は、変速アクチュエータの変位を推定または検出する変速アクチュエータ変位検出手段を備え、
前記指令値演算部は、係数fとパワーローラ変位とから傾転角速度を算出する傾転角速度算出部と、
係数fとパワーローラ変位と傾転角度と変速アクチュエータ変位とから傾転角加速度を算出する傾転角加速度算出部と、
目標傾転角度と傾転角度と傾転角速度と傾転角加速度を入力し、予め設定した線形特性で目標傾転角度に対して傾転角度が応答したときの応答と傾転角度の応答とのずれである制御誤差を算出する制御誤差算出部と、
この制御誤差を入力し、制御誤差が小さくなる方向への変速アクチュエータ速度指令値を算出する速度演算部とを備え、
前記ゲイン補正部は、係数微分値算出部の出力に基づいて、傾転角加速度算出過程におけるパワーローラ変位の係数を、係数fの時間微分値で補正することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。
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