JP3793637B2 - Ofdm信号伝送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルデータ系列をOFDM信号によって無線伝送するOFDM信号伝送装置に関し、特にOFDM信号の瞬時最大電力を低減するOFDM信号伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、屋内あるいは屋外での高速無線データ通信システムが注目とされている。高速なデータ通信を実現する無線通信システムでは、送信された信号が建物などによる反射により様々な経路を通って受信されるマルチパス干渉の軽減が必要である。
【0003】
マルチパス干渉が生じると受信特性が大きく劣化してしまう。一般に耐マルチパス受信方式として等化器が用いられるが、高速無線通信システムに適用するには装置規模が大きく、小型化、低消費電力の点で極めて不利で現実的でない。
【0004】
そこで、マルチパス対策として、直交周波数分割多重(OFDM:Orthognal Frequency Division Multiplexing )方式を用いた無線通信システムが検討されている。OFDM方式は、お互いに直交する最小の間隔でサブキャリアを立てて情報を伝送するマルチキャリア伝送方式であり、マルチパスによるシンボル間干渉の影響を大きく緩和することができることから、マルチパスが生じても受信特性の劣化を抑制することができる伝送方式である。
【0005】
またOFDM方式を用いると、各サブキャリアの伝送レートを大幅に低下させることができ、ディジタル信号処理による一括処理(高速逆フーリエ変換及び高速フーリエ変換)によってマルチキャリア信号の変復調が可能となる。
【0006】
しかし、OFDM信号は、広帯域で互いに独立なデータ系列で変調されたサブキャリアで構成されるため、OFDM信号時間波形の振幅特性は、サブキャリア数が増えるほどガウス性(正規分布)となる。それゆえ、シングルキャリア伝送方式と異なり、振幅変動と最大振幅値が大きく、送受信装置に幅広いダイナミックレンジを必要とする。従って、送信電力増幅器のバックオフを小さく設定した場合には、電力増幅による非線形歪みが生じてしまう。OFDM信号は非線形歪みを受けると、サブキャリア間の直交性が崩れ、急激に伝送特性が劣化する。このため、特に送信電力増幅器のバックオフを大きく設定しなければならず、送信電力増幅器の低効率化を余儀なくされる。
【0007】
バックオフを小さく動作させるためのリニアライザの適用も検討されるが、装置規模の増大によって小型化、低消費電力化、低コスト化には不向きである。
【0008】
この問題の解決策として、OFDM伝送方式の単位時間波形(OFDMシンボル)ごとに最大瞬時電力を検出し、検出した最大瞬時電力に応じて送信OFDMシンボルの平均電力を制御する方法が検討されている。この方法では、OFDMシンボルの時間波形を最大瞬時電力で正規化することによって、全シンボルの最大瞬時電力を一定にする。最大瞬時電力が全シンボルで一定となるので、送信電力増幅器のバックオフ量を低減することが可能となる。
【0009】
しかしながら、この方法は、送信電力増幅器を高効率動作させることができる反面、送信されるOFDMシンボルごとに伝送品質が変化するという欠点を有する。
【0010】
そこで他の解決策として、OFDM信号を構成する情報ビット系列に冗長ビットを付加する方法が提案されている。この方法では、冗長ビットを付加することによって、1データ系列に対して複数のOFDMシンボルの時間波形を生成することができる。そして、OFDMシンボルの時間波形の全ての組合せの中から、最大瞬時電力が小さい時間波形を選択して元の情報ビット系列に割り当てることにより、最大瞬時電力を低減することができる。
【0011】
しかしながら、時間波形に情報ビット系列を割り当てるためには、送信側と受信側とにおいて送信情報と冗長情報との組み合わせテーブルを備えるか、又は、組み合わせを求めるための複雑な論理計算処理を必要とし、装置規模が増大してしまう。また、受信OFDMシンボルに誤りが生じた場合には、受信OFDMシンボルに対応する情報ビット系列がテーブルに存在しないことがあり、受信OFDMシンボル全体が誤る可能性がある。
【0012】
さらに、他の解決策として、OFDMのサブキャリア信号を複数のグループに分割し、各グループ毎に時間波形を生成する方法がある。各グループ毎に生成したOFDMシンボルの時間波形を対応した複数のアンテナから同時に送信するのである。この方法によれば、1つのアンテナで送信するサブキャリア信号数が減少するので、1つのアンテナで送信する時間波形の最大瞬時電力を低減することができる。
【0013】
しかしながら、送信機に、複数の時間波形生成手段、複数の電力増幅器及び複数のアンテナが必要となるので、装置規模が極めて大きくなってしまう。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来、OFDM伝送においては、特別大規模な装置無しで送信電力増幅器を効率よく動作させるために、OFDMシンボル毎に時間波形の最大振幅を正規化して送信する方法が採用されることがあるが、この方法では、送信OFDMシンボル毎に伝送品質が変化するので、伝播誤りが生じ易く、更に再送制御が可能なデータ伝送には不向きであるという問題点があった。また、OFDMシンボル毎の送信情報に冗長情報を付加して、OFDMシンボルの時間波形の最大振幅値を抑圧する方法が採用されることもあるが、この方法では、送信情報と冗長情報との組合せテーブルを送受信装置が備える必要があり装置規模が増大してしまうと共に、テーブルに存在しない系列を受信すると受信データ系列全てを廃棄しなければならなくなるという問題点があった。更に、OFDMサブキャリアを複数のグループに分けて処理する方法も考えられるが、この方法では、送信機が複数の時間波形生成手段、複数の電力増幅器及び複数のアンテナ等を必要とするので、装置規模が著しく増加するという問題がある。
【0015】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、装置規模を著しく増大させることなく、OFDM時間波形の最大瞬時電力を低減し、送信平均電力を向上させることによりデータ伝送時の伝送誤りを軽減することができるOFDM信号伝送装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るOFDM信号伝送装置は、情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号をOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する変換手段と、前記変換手段からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減させるための1つ以上の相互に異なる周波数の複素ベースバンド連続波を発生して、前記OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に付加する複素ベースバンド連続波付加手段とを具備したものであり、
本発明の請求項2に係るOFDM信号伝送装置は、複数の複素サブキャリア信号をOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する変換手段と、前記変換手段からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減させるための1本以上の複素冗長サブキャリア信号を発生して、情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号に付加して前記変換手段に与える複素冗長サブキャリア付加手段とを具備し、前記複素冗長サブキャリア信号は、直流成分であり、直流成分のU前記複素冗長サブキャリア信号/Uは、位相が前記情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号から生成される複素ベースバンド時間波形の振幅の最大値の位相と逆相であることを特徴とし、
本発明の請求項4に係るOFDM信号伝送装置は、複数の複素サブキャリア信号をOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する変換手段と、前記変換手段からの前記複素ベースバンド時間波形の時間サンプルのうち最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルを検出して検出結果を出力する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記変換手段からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減させるための複素直流サブキャリア信号を発生して、情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号に付加して前記変換手段に与える複素直流サブキャリア付加手段とを具備したものであり、
本発明の請求項10に係るOFDM信号伝送装置は、情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号をOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する変換手段と、前記複素ベースバンド時間波形の時間サンプルのうち最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルを検出して検出結果を出力する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記変換手段からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減させるための複素ベースバンド直流信号を発生して、前記OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に付加する複素ベースバンド直流信号付加手段とを具備したことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項1においては、複数の複素情報サブキャリア信号に複素冗長サブキャリア信号が付加されて変換手段に供給される。変換手段は入力された複素サブキャリア信号をOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する。複素冗長サブキャリア信号が複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減するように設定されているので、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅は比較的小さい。
【0019】
本発明の請求項3において、複数の複素情報サブキャリア信号は変換手段に供給されて、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換される。複素ベースバンド連続波付加手段は、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減するための複素ベースバンド連続波を発生してOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に付加する。こうして、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅が低減される。
【0020】
本発明の請求項9においては、先ず、複素情報サブキャリア信号が変換手段に供給される。検出手段によって変換手段からの複素ベースバンド時間波形の時間サンプルの最大振幅又は最大電力が検出され、検出結果が出力される。この検出結果に基づいて複素直流サブキャリア信号が生成され、複素情報サブキャリア信号に付加されて変換手段に供給される。変換手段は複素直流サブキャリア信号が付加された複素情報サブキャリア信号からOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形を生成する。これにより、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を小さくする。
【0021】
本発明の請求項15において、複数の複素情報サブキャリア信号は変換手段に供給されて、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換される。検出手段によって、複素ベースバンド時間波形の時間サンプルの最大振幅又は最大電力が検出され、検出結果が出力される。複素ベースバンド直流信号付加手段は、検出結果に基づく複素ベースバンド直流信号を発生して、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に付加する。こうして、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅が低減される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明に係るOFDM信号伝送装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【0023】
入力された情報ビット系列は変調部1に供給される。変調部1は所定の変調方式で情報ビット系列を変調して直列/並列変換部2に出力する。直列/並列変換部2は、直列に入力された情報ビット系列を所定ビット数の並列データに変換する。直列/並列変換部2からは複数の変調信号が複素情報サブキャリア信号として同時に出力される。これらの複素情報サブキャリア信号は、高速逆フーリエ変換部3に供給される。
【0024】
複素冗長サブキャリア信号生成部4は、後述する方法によって、高速逆フーリエ変換で得られるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減するための複素冗長サブキャリア信号を生成する。複素冗長サブキャリア信号生成部4が発生した複素冗長サブキャリア信号(図1では2本)は、高速逆フーリエ変換部3に供給される。
【0025】
高速逆フーリエ変換部3は、入力されたサブキャリア信号に対して高速逆フーリエ変換処理を施して、複素ベースバンド時間波形に変換して送信処理部5に出力するようになっている。
【0026】
送信処理部5は、生成された複素ベースバンド時間波形に対して、D/A変換処理、マルチパスによる遅延波成分を吸収するためのガードタイム付加処理、送信信号の増幅処理及び周波数変換処理等の送信処理を行うことによって送信信号を生成してアンテナ6に供給する。アンテナ6は送信信号を放射する。
【0027】
高速逆フーリエ変換部3からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形は、入力される各サブキャリア信号によって振幅変動及び最大振幅値が変化する。換言すると、高速逆フーリエ変換部3に入力される各サブキャリア信号の複素レベルを適宜設定することによって、OFDMシンボルの時間波形の振幅変動幅を制御することができる。この場合において、複素情報サブキャリア信号のレベルを変更せずに、複素冗長サブキャリアの周波数及びレベルのみを適宜設定することによって、生成されるOFDM信号に含まれる情報成分に影響を与えることなく、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の振幅変動を制御することができる。
【0028】
例えば、複素冗長サブキャリア信号生成部4は、高速逆フーリエ変換部3によって複素情報サブキャリア信号のみからOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形を生成した後、この時間波形に基づいて付加する複素冗長サブキャリア信号を算出することによって、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減するための複素冗長サブキャリア信号を生成することができる。
【0029】
また、例えば、複素冗長サブキャリア信号生成部4は、予め情報ビット系列毎にOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減するための複素冗長サブキャリア信号を求め、情報ビット系列と複素冗長サブキャリア信号とのテーブルを設けて、入力された情報ビット系列に対応する複素冗長サブキャリア信号を出力するようにしてもよい。この場合には、複素冗長サブキャリア信号は、複素情報サブキャリア信号と同時に高速逆フーリエ変換部3に入力され、複素ベースバンド時間波形に変換される。
【0030】
なお、図1では2本の複素冗長サブキャリア信号を発生する構成としたが、複素冗長サブキャリア信号数は、複素情報サブキャリア信号数との合計が高速逆フーリエ変換部3の入力ポイント数以下であれば、いくつであっても構わない。
【0031】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図2及び図3の説明図を参照して説明する。図2(a)は実軸と虚軸とによる複素平面において複素情報サブキャリア信号の信号点配置を示し、図2(b)は横軸に周波数をとって情報サブキャリア信号の周波数軸上の位置を示している。また、図3は横軸に実軸振幅レベルをとり縦軸に虚軸振幅レベルをとって、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形を複数のサンプル点iにおいてサンプリングした場合の各サンプル点における複素レベルを示している。
【0032】
入力された情報ビット系列は変調部1で変調された後、直列/並列変換部2に供給されて、並列な複素情報サブキャリア信号に変換される。この複素情報サブキャリア信号は、高速逆フーリエ変換部3に供給される。
【0033】
一方、複素冗長サブキャリア信号生成部4は、複素情報サブキャリア信号の高速逆フーリエ変換で得られるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減するための複素冗長サブキャリア信号を生成する。
【0034】
いま、高速逆フーリエ変換部3が16入力ポイント及び16出力ポイントで構成されているものとし、直列/並列変換部2から7本の複素情報サブキャリア信号が並列に出力されるものとして説明する。また、7本全ての複素情報サブキャリア信号の信号点が図2(a)に示すように、eのj乗で表される(但し、jは虚数単位を表す)ものとし、また、これらの複素情報サブキャリア信号の周波数が、OFDMシンボル長をTとして、図2(b)に示すように、夫々±2π/T、±4π/T、±6π/T、−8π/Tであるものとする。
【0035】
高速逆フーリエ変換部3は、並列に入力される7本の複素情報サブキャリア信号と2本の複素冗長サブキャリア信号について高速逆フーリエ変換を行って、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形を得る。この複素ベースバンド時間波形は、高速逆フーリエ変換の16出力ポイントから出力される16個のサンプルで構成される。
【0036】
いま、7本の複素情報サブキャリア信号のみに対する高速逆フーリエ変換処理によって生成されるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形を、i=1〜16の16個の各サンプル点における複素振幅レベルが図3の点によって表されるものとする。図3に示すように、高速逆フーリエ変換出力の離散時間波形のサンプル番号iが9の場合に、OFDMシンボルの振幅が最大となることが分かる。
【0037】
本実施の形態においては、振幅が最大となるサンプル番号iが9における離散時間波形の振幅を低減するように複素冗長サブキャリア信号を設定する。この場合には、複素冗長サブキャリア信号生成部4は、付加する複素冗長サブキャリア信号の周波数を既に複素情報サブキャリア信号が存在する周波数以外の周波数に設定する。即ち、複素冗長サブキャリア信号の周波数は、図2の例では、±2π/T、±4π/T、±6π/T、−8π/T以外の周波数に設定する。なお、複素冗長サブキャリア信号の周波数は、複素情報サブキャリア信号が存在しない周波数であれば、いずれの周波数に設定してもよく、また、一本であっても複数であっても構わない。
【0038】
上述したように、複素冗長サブキャリア信号生成部4からの複素冗長サブキャリア信号は、直列/並列変換部2からの複素情報サブキャリア信号と共に高速逆フーリエ変換部3に与えられる。高速逆フーリエ変換部3では、複素情報サブキャリア信号に複素冗長サブキャリア信号が付加された状態で、高速逆フーリエ変換処理によってOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形への変換が行われる。
【0039】
図3の破線に示す円は、i=9における離散時間波形の振幅と等しい振幅を表している。複素冗長サブキャリア信号を付加した結果、破線円内に全てのサンプル点iにおける複素ベースバンド時間波形のサンプルが配置されれば、振幅の最大値が低減されたことになる。
【0040】
例えば、i=9における複素ベースバンド時間波形のサンプルが、複素冗長サブキャリア信号の付加によって白丸の位置に移動した場合には、振幅の最大値が低減されたことになる。しかし、i=9の複素ベースバンド時間波形のサンプルの振幅が下がる一方で、他のサンプル点iの複素ベースバンド時間波形のサンプルが円外に移動してしまうと、振幅の最大値が逆に増加したことになってしまうので、全てのサンプル点における離散時間波形の振幅を考慮する必要がある。
【0041】
複素ベースバンド時間波形のレベルが所定の範囲内に低減されたOFDMシンボルは送信処理部5に供給される。送信処理部5によって、生成された複素ベースバンド時間波形には、D/A変換処理、マルチパスによる遅延波成分を吸収するためのガードタイム付加処理、送信信号の増幅処理及び周波数変換処理等の送信処理が施されて送信信号が生成される。この送信信号はアンテナ6から送出される。
【0042】
なお、複素情報サブキャリア信号のみから生成される複素ベースバンド時間波形の振幅が比較的大きくない場合には、複素冗長サブキャリア信号を付加する必要がないことは当然である。
【0043】
次に、図4及び図5を参照して付加する複素冗長サブキャリア信号とこれによるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の変化について詳細に説明する。図4は複素平面において冗長サブキャリア信号の信号点配置を示す説明図であり、図5は図3に対応した説明図である。
【0044】
いま、複素冗長サブキャリア信号生成部4において直流成分の複素冗長サブキャリア信号を発生するものとする。図4は直流成分の複素冗長サブキャリア信号を示す信号点配置の一例である。図4に示すように、eの-j3π/4乗であるものとする。この複素冗長サブキャリア信号によって、図2の複素情報サブキャリア信号から生成されるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形のサンプル点i=9における振幅の最大値を低減することができる。
【0045】
複素冗長サブキャリア信号は、周波数0の信号として高速逆フーリエ変換部3に入力される。複素冗長サブキャリア信号は、周波数が0であるので、複素ベースバンド時間波形に変換されると複素ベースバンド直流信号となる。従って、図4に示す複素冗長サブキャリア信号を付加すると、複素情報サブキャリア信号のみから生成された複素ベースバンド時間波形の信号が一定量シフトすることになる。
【0046】
図5は図3に示すOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に、図4の信号点に示す直流成分(周波数0)を複素冗長サブキャリア信号として付加した場合に、高速逆フーリエ変換部3から得られる複素ベースバンド時間波形を示している。
【0047】
図5に示す複素ベースバンド時間波形は、7本の複素情報サブキャリア信号から生成された図3の複素ベースバンド時間波形をシフトした波形となる。図5に示すように、サンプル点i=9における振幅は、図3のサンプル点i=9における振幅よりも小さくなることが分かる。
【0048】
また他のサンプル点iにおける振幅も図3のサンプル点i=9における最大振幅よりも小さいので、複素冗長サブキャリア信号として付加した直流成分によって、最大振幅が低減されることが分かる。これにより、最大瞬時電力が低減するので、送信電力増幅器のバックオフの低減が可能となる。しかも、複素冗長サブキャリア信号が直流成分であるので、複素冗長サブキャリア信号の位相及び振幅の設定が容易である。
【0049】
このように本実施の形態においては、複素情報サブキャリア信号が存在する周波数以外の周波数において、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の振幅を低減するための複素冗長サブキャリア信号を発生させ、複素情報サブキャリア信号に複素冗長サブキャリア信号を付加した後高速逆フーリエ変換を行ってOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形を生成しており、情報サブキャリア信号に影響を与えることなく、複素情報サブキャリア信号のみから生成されるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に比して最大振幅を低減させることができる。
【0050】
即ち、OFDM信号の最大瞬時電力が低下するので、送信電力増幅器のバックオフ量の低減が可能となる。しかも、従来のOFDM信号伝送装置に複素冗長サブキャリア信号生成部4を付加しただけの構成であるので、装置規模の増加は比較的小さい。また、付加する複素冗長サブキャリア信号は、変調部1の出力の固定の信号点配置に依存しないので、振幅及び位相を自由に設定することが可能であり、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の振幅制御の制御範囲が広い。
【0051】
なお、図4及び図5では付加する複素冗長サブキャリア信号を直流成分としたが、直流成分でなくてもよいことは明らかである。
【0052】
図6は本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。図6において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態は複素冗長サブキャリアを付加するのではなく、複素ベースバンド連続波を付加することによって、送信するOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の振幅を低減するようにしたものである。
【0053】
本実施の形態においては、複素冗長サブキャリア信号生成部4を削除し、連続波生成部7及び加算器8を設けた点が図1の実施の形態と異なる。即ち、高速逆フーリエ変換部3には直列/並列変換部2からの複素情報サブキャリア信号のみが供給される。
【0054】
高速逆フーリエ変換部3は、複素情報サブキャリア信号のみをOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する。高速逆フーリエ変換部3からの複素ベースバンド時間波形は加算器8を介して送信処理部5に供給されるようになっている。
【0055】
連続波生成部7は、複素情報サブキャリア信号が存在しない周波数の複素ベースバンド連続波を生成する。生成される複素ベースバンド連続波は、複素情報サブキャリア信号から生成される複素ベースバンド時間波形の振幅(電力)の最大値を低減することができる振幅及び位相を有している。
【0056】
図1の実施の形態と同様に、連続波生成部7は、振幅が最大となる複素ベースバンド時間波形のサンプルから複素ベースバンド連続波の振幅及び位相を算出することによって複素ベースバンド連続波を生成してもよく、また、予め情報ビット系列又は複素情報サブキャリア信号に対応する複素ベースバンド連続波をテーブルとして備えて、このテーブルを利用して複素ベースバンド連続波を発生させるようにしてもよい。
【0057】
加算器8は、高速逆フーリエ変換部3からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に連続波生成部7からの複素ベースバンド連続波を付加して送信処理部5に出力するようになっている。
【0058】
他の構成は図1の実施の形態と同様である。
【0059】
次に、このように構成された実施の形態の動作について説明する。
【0060】
情報ビット系列は、変調部1によって変調され、直列/並列変換部2で複素情報サブキャリア信号に変換される。複素情報サブキャリア信号は、高速逆フーリエ変換部3によって、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換される。
【0061】
一方、連続波生成部7は、複素情報サブキャリア信号から生成される複素ベースバンド時間波形の振幅(電力)の最大値を低減可能な振幅及び位相を有し、複素情報サブキャリア信号が存在しない周波数の複素ベースバンド連続波を生成する。高速逆フーリエ変換部3からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形と複素ベースバンド連続波とは加算器8において加算されて送信処理部5に供給される。
【0062】
複素ベースバンド連続波は、複素情報サブキャリア信号が存在しない周波数に設定されているので、加算器8の出力は、複素情報サブキャリアによる情報成分に影響を与えることなく、高速逆フーリエ変換部3からの複素ベースバンド時間波形の振幅の最大値を低減できる。
【0063】
送信処理部5は、加算器8の出力に対して所定の送信処理を施して、アンテナ6から送信させる。
【0064】
他の作用は図1の実施の形態と同様である。
【0065】
このように、本実施の形態においては、図1の形態において付加した複素冗長サブキャリア信号と同一の信号を、複素ベースバンド連続波として付加している。これにより、本実施の形態において図1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。即ち、複素ベースバンド連続波を付加することによって、複素情報サブキャリア信号のみから生成されるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減することができる。最大瞬時電力が低下するので、送信電力増幅器のバックオフ量を低減することが可能となる。
【0066】
なお、本実施の形態においても、複素情報サブキャリア信号のみから生成される複素ベースバンド時間波形の振幅が比較的大きくない場合には、複素ベースバンド連続波を付加する必要がないことは明らかである。
【0067】
また、本実施の形態においては、複素ベースバンド時間波形生成後に、付加すべき複素ベースバンド連続波の振幅及び位相を算出することができるので、図1の実施の形態に比して振幅及び位相の設定が簡単になるという利点がある。
【0068】
図7は本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。図7において図6と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態は複素ベースバンド連続波に代えて複素ベースバンド直流信号を付加するようにしたものである。
【0069】
本実施の形態は連続波生成部7に代えて直流信号生成部9を設けた点が図6の実施の形態と異なる。直流信号生成部9は、複素情報サブキャリア信号から生成される複素ベースバンド時間波形の振幅(電力)の最大値を低減することができる振幅及び位相を有した複素ベースバンド直流信号を生成して加算器8に出力するようになっている。直流信号生成部9における複素ベースバンド直流信号の生成方法は、連続波生成部7の複素ベースバンド連続波の生成方法と同様である。
【0070】
他の構成は図6の実施の形態と同様である。
【0071】
このように構成された実施の形態においては、直流信号生成部9によって、複素情報サブキャリア信号から生成される複素ベースバンド時間波形の振幅(電力)の最大値を低減することができる振幅及び位相を有した複素ベースバンド直流信号が生成される。加算器8は、高速逆フーリエ変換部3からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に直流信号生成部9からの複素ベースバンド直流信号を付加して送信処理部5に出力する。
【0072】
この場合、加算器8から出力される複素ベースバンド時間波形は、高速逆フーリエ変換部3からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅が低下する方向にシフトされたものとなる。
【0073】
他の作用は図6の実施の形態と同様である。
【0074】
このように、本実施の形態においても図6の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、複素ベースバンド直流成分を加算する構成となっているので、図6の実施の形態に比して複素ベースバンド直流信号の位相設定が容易であるという利点がある。
【0075】
なお、上記各実施の形態においては、付加する複素冗長サブキャリア信号、複素ベースバンド連続波又は複素ベースバンド直流成分によって、情報ビット系列を伝送する複素情報サブキャリア信号に影響を与えておらず、単に生成されるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大振幅を制御するのみである。従って、受信側において特別な装置は必要ではなく、通常の受信装置によって受信可能である。
【0076】
ところで、図6の実施の形態だけでなく図1の実施の形態においても直流成分の複素冗長サブキャリア信号を付加することによって、位相設定が容易となる。図8乃至図10を参照して、直流成分の複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド直流信号を付加する例について説明する。図8は複素平面において冗長サブキャリア信号の信号点配置を示す説明図であり、図9は図3に対応した説明図である。また、図10は横軸に時間サンプル点iをとり縦軸に電力レベルをとって直流成分の複素冗長サブキャリア信号付加前後における複素ベースバンド時間波形の電力レベルの変化を示すグラフである。
【0077】
複素ベースバンド時間波形の最大振幅を大きく低減するためには、振幅が最大となる複素ベースバンド時間波形のサンプルの位相と逆相にシフトするように設定すればよい。つまり、付加する直流成分の複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド直流信号の位相が、振幅が最大となる複素ベースバンド時間波形のサンプルの位相と逆相であればよい。
【0078】
いま、図3に示す複素情報サブキャリア信号に対して最大振幅を大きく低減する直流成分の複素冗長サブキャリア信号を付加するものとする。この場合には、図3の複素ベースバンド時間波形における振幅が最大となるサンプル点(i=9)の位相と逆相に複素冗長サブキャリア信号の信号点を設定すればよい。即ち、直流成分の複素冗長サブキャリア信号の位相は−π/2に設定する。
【0079】
また、直流成分の複素冗長サブキャリア信号の振幅は、シフト後の複素ベースバンド時間波形のサンプル点i=9以外の振幅が、シフト前の複素ベースバンド時間波形の最大振幅を越えないように設定する。ここでは、一例として振幅を2とする。従って、直流成分の複素冗長サブキャリア信号の信号点は図8のように設定される。
【0080】
図8に示す直流成分の複素冗長サブキャリア信号を複素情報サブキャリア信号に付加した場合において、高速逆フーリエ変換処理によって生成した複素ベースバンド時間波形は図9に示すものとなる。図3と図9との比較から明らかなように、サンプル点i=9における振幅の最大値が著しく低減されている。
【0081】
このように直流成分の複素冗長サブキャリア信号若しくは複素ベースバンド直流信号の信号点を、振幅が最大となる複素ベースバンド時間波形のサンプルと逆位相に設定することによって、振幅の最大値を効率よく低減することができる。また、逆相に設定するためには、振幅が最大となる複素ベースバンド時間波形のサンプルの位相を算出すればよいので、直流成分以外の成分を付加する場合に比して、直流成分の複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド直流信号の位相設定は簡単である。
【0082】
図10は複素情報サブキャリア信号のみから生成したOFDMシンボルの電力と、図8の直流成分の複素冗長サブキャリア信号付加後に生成したOFDMシンボルの電力を示している。図10に示すように、複素冗長サブキャリア信号を付加することによって、瞬時最大電力が約3dB低減されていることが分かる。このように、瞬時最大電力を低減することができるので、送信電力増幅器のバックオフ量を低減することが可能となる。
【0083】
ところで、上述したように、複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド連続波の位相及び振幅を、複素情報サブキャリア信号から生成した複素ベースバンド時間波形に基づいて算出してもよいが、情報ビット系列又は複素情報サブキャリア信号に対応する複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド連続波との関係を示すテーブルを予め備えておくことによって、瞬時に複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド連続波を設定することが可能となる。
【0084】
図11はこのようなテーブルの一例を示す説明図であり、2本の複素冗長サブキャリア信号を付加する場合の例を示している。
【0085】
図11においては、7ビットの情報ビット系列に基づく複素情報サブキャリア信号が生成される場合において、2本の複素冗長サブキャリア信号を発生させる場合の例を示している。即ち、各情報ビット系列毎に、複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減するための複素冗長サブキャリア信号1及び複素冗長サブキャリア信号2の振幅及び位相を示している。
【0086】
7ビットの情報ビットの組合せは128通りであるので、128通りの情報ビット系列に対して複素冗長サブキャリア信号1と複素冗長サブキャリア信号2との振幅及び位相を夫々予め算出し、設定しておく必要がある。複素冗長サブキャリア信号のテーブルを備えることによって、瞬時に複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド連続波等を設定することが可能となる。
【0087】
なお、受信側ではテーブルを用意する必要はなく、通常のOFDM信号の受信処理で複素情報サブキャリア信号を復調することができることは明らかである。
【0088】
ところで、必ずしも、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を最小に設定する必要はなく、所定の閾値以下にすればよい。図12はこの閾値を説明するための説明図である。図12は図3に対応したものである。
【0089】
送信するOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の振幅又は電力に閾値を設定し、閾値を越えた分だけ複素ベースバンド時間波形全体をシフトするように直流成分の複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド直流信号の振幅を設定するのである。
【0090】
いま、情報サブキャリア信号から生成されるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形が図3に示すものであるものとする。図12においては破線によって振幅の閾値を示しており、図12に示すように、図3の複素ベースバンド時間波形の最大振幅よりも小さい振幅が閾値として設定されている。
【0091】
この場合には、設定された振幅の閾値よりも複素情報サブキャリアに基づく複素ベースバンド時間波形の最大振幅が大きいので、複素ベースバンド時間波形の最大値が閾値内に納まるように、複素ベースバンド時間波形をシフトする。シフトの方向は、振幅が最大となる複素ベースバンド時間波形のサンプルの位相と逆相とし、シフト量は閾値を越えた分とする。
【0092】
つまり、付加する直流成分の複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド直流信号の位相は、振幅が最大となる複素ベースバンド時間波形のサンプルの逆相に設定し、振幅は閾値との差分の振幅に設定する。図12はこのようにして設定された直流成分の複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド直流信号を付加して得られる複素ベースバンド時間波形を示している。
【0093】
直流成分の複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド直流信号を付加すると、複素ベースバンド時間波形の全てのサンプル点iにおける振幅が閾値内の値となるので、複素ベースバンド時間波形の振幅の最大値は閾値内に制限され、最大瞬時電力の低減が可能となる。また、直流成分の複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド直流信号の振幅を簡単に算出することが可能である。
【0094】
なお、この場合においても、複素情報サブキャリア信号のみから生成される複素ベースバンド時間波形が全てのサンプルiにおいて振幅が閾値内に納まる場合には、複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド直流信号を付加する必要がないことは明らかである。
【0095】
次に、複素冗長サブキャリア信号又は複素ベースバンド連続波の位相及び振幅を、複素情報サブキャリア信号から生成した複素ベースバンド時間波形に基づいて算出する方法について、具体的に説明する。
【0096】
図13は図7の実施の形態において、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を最小にするための複素ベースバンド直流信号の算出を可能にした具体的な実施の形態を示すブロック図である。図13において図7と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0097】
高速逆フーリエ変換部3は高速逆フーリエ変換回路(以下、IFFTという)21及び並列/直列変換部22によって構成されている。IFFT21は入力された複素情報サブキャリア信号を出力ポイント数の時間サンプルに変換して並列/直列変換部22に出力する。並列/直列変換部22は、入力された並列データを直列に並べ換えてOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形を加算器8に出力する。加算器8は、高速逆フーリエ変換部3の出力に直流信号生成部24からの複素ベースバンド直流信号を加算して送信処理部5に出力する。
【0098】
本実施の形態においては、加算器8の出力は最大電力検出部23にも供給されるようになっている。最大電力検出部23は、入力された複素ベースバンド時間波形の電力(振幅)が最大となる時間サンプルを検出し、その時間サンプルの位相を直流信号生成部24に出力する。
【0099】
図14は図13中の最大電力検出部23の具体的な構成を示すブロック図である。
【0100】
最大電力検出部23は極座標変換部25及び選択部26によって構成されている。極座標変換部25はピタゴラスプロセッサ等によって構成されており、加算器8からの複素ベースバンド時間波形を極座標に変換して、その振幅及び位相を選択部26に出力する。選択部26は、入力された複素ベースバンド時間波形の各時間サンプルの振幅を比較し、振幅が最大となる時間サンプル、即ち電力が最大となる時間サンプルを選択する。選択部26は、選択した時間サンプルの位相θを、直流信号生成部24に出力するようになっている。
【0101】
直流信号生成部24は、複素情報サブキャリア信号から生成される複素ベースバンド時間波形の振幅(電力)の最大値を低減するように、最大電力検出部23からの位相θの逆相の複素ベースバンド直流信号を生成して加算器8に出力するようになっている。
【0102】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図15を参照して説明する。図15は図13の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【0103】
図15のステップS1 において、情報ビット系列から複素情報サブキャリア信号が生成される。即ち、情報ビット系列は変調部1によって変調された後、直列/並列変換部2によって並列データに変換される。次に、ステップS2 において、複素情報サブキャリア信号は高速逆フーリエ変換部3に与えられて、複素ベースバンド時間波形に変換される。
【0104】
高速逆フーリエ変換部3からの複素ベースバンド時間波形は加算器8を介して最大電力検出部23に供給される。なお、この時点では、直流信号生成部24は信号を加算器8に出力していなくてもよく、また、所定の初期値を出力するようにしていてもよい。ステップS3 において、最大電力検出部23は、生成されたOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大電力(振幅)を有する時間サンプルを選択し、選択した時間サンプルの位相θを検出する。
【0105】
この位相θの情報は直流信号生成部24に供給される。直流信号生成部24は、最大振幅もしくは最大電力を有する時間サンプルの逆相の複素ベースバンド直流信号(Aeの−jθ乗)を生成する。なお、Aは複素ベースバンド直流信号の振幅を示し、jは虚数単位である。
【0106】
直流信号生成部24において生成された複素ベースバンド直流信号は加算器8に与えられて、高速逆フーリエ変換部3からの複素ベースバンド時間波形の各時間サンプルに加算される(ステップS4 )。これにより、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力が低減される。
【0107】
次のステップS5 において、加算器8の出力は送信処理部5に供給されて、アンテナ6から送信される。
【0108】
このように、本実施の形態においては、複素情報サブキャリア信号のみから生成される複素ベースバンド時間波形の電力が最大となる時間サンプルを検出し、その時間サンプルの逆相の複素ベースバンド直流信号を複素情報サブキャリア信号に基づく複素ベースバンド時間波形に付加することによって、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力を低減している。これにより、送信電力増幅器のバックオフを小さくすることができ、高効率な電力増幅が可能となり、伝送装置の低消費電力化を実現できる。
【0109】
しかも、図13においては、最大電力検出部23、直流信号生成部24及び加算器8を付加しただけの構成であるので、装置規模の増加は比較的小さく、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時電力を低減できる。更に、付加する複素ベースバンド直流信号は、変調部1のマッピング方法に依存しないので、振幅及び位相を自由に設定することが可能である。
【0110】
なお、図13においては、並列/直列変換部22によって複素ベースバンド時間波形に変換した後に最大電力を検出する構成としたが、並列直列変換前の並列の時間サンプルを最大電力検出部23に供給する構成にしてもよい。また、直流信号生成部24から出力される複素ベースバンド直流信号を並列/直列変換後に加算器8で付加する構成としたが、直列変換前の並列の時間サンプル夫々に対して複素ベースバンド直流信号を付加する構成としてもよい。
【0111】
ところで、図15においては、複素ベースバンド直流信号を1回だけ付加することによって複素ベースバンド信号の瞬時最大電力を低減させている。しかし、複数回付加を繰り返すことによって、瞬時最大電力を一層効率的に低減させることができる。
【0112】
図16はこの場合の動作フローを示すフローチャートである。図16において図15と同一の手順には同一符号を付して説明を省略する。
【0113】
情報ビット系列に基づく複素ベースバンド時間波形が生成されるまでの動作は図15と同様である。図16では、ステップS13において付加回数nを0に初期化する。次のステップS14において、nが設定回数Nに到達したか否かを判断する。次のステップS15において、nをインクリメントしてステップS3 の処理に移行する。
【0114】
ステップS3 では、最大電力検出部23において、最大電力を有する時間サンプルの位相θが検出され、直流信号生成部24において、この位相θの逆相の複素ベースバンド直流信号が生成される。次のステップS4 では、加算器8において、情報ビット系列に基づく複素ベースバンド時間波形に直流信号生成部24からの複素ベースバンド直流信号が加算される。
【0115】
これにより、加算器8からの複素ベースバンド時間波形の最大振幅は低減される。次のステップS14において、nがNに到達したか否かが判断される。Nが2以上である場合には、2回目の付加処理のために再度ステップS15,S3 ,S4 の処理が繰返される。
【0116】
これにより、加算器8からの複素ベースバンド時間波形の最大振幅は一層低減される。ステップS3 ,S4 の処理がN回繰返されると、処理がステップS18に移行して、加算器8からの複素ベースバンド時間波形は、送信処理部5によって送信される。
【0117】
なお、Nが0に設定されている場合には、複素ベースバンド直流信号の付加を行うことなく、情報ビット系列に基づく複素ベースバンド時間波形をそのまま送信処理部5から送信する。
【0118】
このように、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大電力(振幅)を有する時間サンプルを検出し、その時間サンプルと逆相の複素ベースバンド直流信号を付加する処理を複数回行うことによって、複素ベースバンド直流信号の付加を一回のみ行う場合よりもOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力の低減効果を大きくすることができる。従って、送信電力増幅器のバックオフを図15の場合よりも一層低減することができ、高効率な電力増幅が可能となり、伝送装置の低消費電力化を実現できる。
【0119】
図17は本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。図17において図13と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態は、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を最小にするための直流成分の複素冗長サブキャリア信号(以下、複素直流サブキャリア信号という)の算出を可能にした例である。
【0120】
本実施の形態は加算器8を省略すると共に、直流信号生成部24に代えて複素直流サブキャリア信号生成部31を設けた点が図13の実施の形態と異なる。本実施の形態においては、最大電力検出部23は、高速逆フーリエ変換部3からのOFDMシンボルのベースバンド時間波形の電力(振幅)が最大となる時間サンプルを検出し、その位相θの情報を複素直流サブキャリア信号生成部31に供給するようになっている。
【0121】
複素直流サブキャリア信号生成部31は、電力(振幅)が最大となる時間サンプルの位相の逆相の複素直流サブキャリア信号を生成し、高速逆フーリエ変換部3に出力するようになっている。この生成された複素直流サブキャリア信号は、高速逆フーリエ変換部3に直流成分(周波数が0)として入力され、高速逆フーリエ変換部3によって、複素情報サブキャリア信号と共に複数の時間サンプルに変換される。
【0122】
他の構成は図13の実施の形態と同様である。
【0123】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図18を参照して説明する。図18は図17の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。図18において図15と同一の手順には同一符号を付して説明を省略する。
【0124】
図18のステップS1 において、情報ビット系列から複素情報サブキャリア信号が生成される。即ち、情報ビット系列は変調部1によって変調された後、直列/並列変換部2によって並列データに変換される。
【0125】
次に、ステップS2 において、複素情報サブキャリア信号は高速逆フーリエ変換部3に与えられて、複素ベースバンド時間波形に変換される。この時点では、複素情報サブキャリア信号のみを用いてOFDMの複素ベースバンド時間波形を得ている。
【0126】
高速逆フーリエ変換部3からの複素ベースバンド時間波形は最大電力検出部23に供給され、ステップS3 において、複素ベースバンド時間波形の最大電力(振幅)を有する時間サンプルが検出され、この時間サンプルの位相θの情報が複素直流サブキャリア信号生成部31に供給される。
【0127】
複素直流サブキャリア信号生成部31は、最大振幅もしくは最大電力を有する時間サンプルの逆相の複素直流サブキャリア信号(A′eの−jθ乗)を生成する。なお、Aは複素直流サブキャリア信号の振幅である。
【0128】
複素直流サブキャリア信号生成部31において生成された複素直流サブキャリア信号は、直流成分(周波数が0)として複素情報サブキャリア信号に付加されて高速逆フーリエ変換部3に与えられる(ステップS21)。
【0129】
高速逆フーリエ変換部3は、ステップS22において、複素情報サブキャリア信号及び冗長成分である複素直流サブキャリア信号から再度OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形を生成する。これにより、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力が低減される。
【0130】
次のステップS5 において、高速逆フーリエ変換部3の出力は送信処理部5に供給されて、アンテナ6から送信される。
【0131】
このように、本実施の形態においては、複素情報サブキャリア信号のみから生成されるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の電力(振幅)が最大となる時間サンプルを検出し、その時間サンプルの逆相の複素直流サブキャリア信号を複素情報サブキャリア信号に付加することによって、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力を低減する。瞬時最大電力の低減によって、送信電力増幅器のバックオフが低減されるため、高効率な電力増幅が可能となり、伝送装置の低消費電力化を実現できる。
【0132】
しかも、本実施の形態においては、最大電力検出部23、複素直流サブキャリア生成部31を付加しただけの構成であるので、装置規模を極端に増大させずにOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力を低減することができる。更に、付加する複素直流サブキャリア信号は、変調部1のマッピング方法に依存しないので、振幅及び位相を自由に設定することが可能である。
【0133】
また、本実施の形態においては、図13の実施の形態と同様に、高速逆フーリエ変換部3の出力を並列/直列変換部22によってOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換した後に最大電力を検出する構成としたが、並列/直列変換前の並列の時間サンプルを最大電力検出部23に入力する構成としてもよい。また、最大電力検出部23は、位相θの情報を複素直流サブキャリア信号生成部31に対して出力する以外には図14と同一構成で実現することができる。
【0134】
ところで、図18においては、複素直流サブキャリア信号を1回だけ付加することによって複素ベースバンド信号の瞬時最大電力を低減させている。しかし、複数回付加を繰り返すことによって、瞬時最大電力を一層効率的に低減させることができる。
【0135】
図19はこの場合の動作フローを示すフローチャートである。図19において図18と同一の手順には同一符号を付して説明を省略する。
【0136】
図19においては、先ず、ステップS25において付加回数nを0に初期化する。次のステップS1 ,S2 において、情報ビット系列に基づく複素ベースバンド時間波形が生成される動作は図18と同様である。
【0137】
次のステップS26では、nが所定の回数Nに到達したか否かを判断する。次のステップS27において、nをインクリメントしてステップS21の処理に移行する。
【0138】
ステップS21では、最大電力検出部23において、最大電力を有する時間サンプルの位相θが検出され、複素直流サブキャリア信号生成部31において、この位相θの逆相の複素直流サブキャリア信号が生成される。次のステップS22では、情報ビット系列に基づく複素ベースバンド時間波形に複素直流サブキャリア信号が加算されて、高速逆フーリエ変換部3に供給される。
【0139】
ステップS2 では、2回目の高速逆フーリエ変換処理が行われる。高速逆フーリエ変換部3からの複素ベースバンド時間波形の最大振幅は1回目よりも低減される。次のステップS26において、nがNに到達したか否かが判断される。Nが2以上である場合には、2回目の付加処理を行うために再度ステップS27,S21,S22の処理が繰返される。
【0140】
これにより、高速逆フーリエ変換部3からの複素ベースバンド時間波形の最大振幅は一層低減される。ステップS21,S22の処理がN回繰返されると、処理がステップS18に移行して、高速逆フーリエ変換部3からの複素ベースバンド時間波形は、送信処理部5によって送信される。
【0141】
なお、Nが0に設定されている場合には、複素ベースバンド直流信号の付加を行うことなく、情報ビット系列に基づく複素ベースバンド時間波形をそのまま送信処理部5から送信する。
【0142】
このように、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大電力(振幅)を有する時間サンプルを検出し、その時間サンプルと逆相の複素直流サブキャリア信号を付加する処理を複数回行うことによって、複素直流サブキャリア信号の付加を一回のみ行う場合よりもOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力の低減効果を大きくすることができる。従って、送信電力増幅器のバックオフを図18の場合よりも一層低減することができ、高効率な電力増幅が可能となり、伝送装置の低消費電力化を実現できる。
【0143】
ところで、図16及び図19においては、複素ベースバンド直流信号又は複素直流サブキャリア信号を複数回付加することによって、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力を十分に低減する例を説明したが、更に、付加する複素ベースバンド直流信号又は複素直流サブキャリア信号の振幅を付加回数nに応じて変動させると、少ない設定回数NでもOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力をより大きく低減することができる。
【0144】
即ち、n回目に付加する複素ベースバンド直流信号の振幅をAn とすると、特にAn <An-1 となるように振幅を変動させると、瞬時最大電力の発散又は振動を防いで、効率良く瞬時最大電力を最適値に収束させることが可能となる。
【0145】
図20はこの場合の動作フローを説明するためのフローチャートである。図20において図16と同一の手順に同一符号を付して説明を省略する。
【0146】
図20は複素ベースバンド直流信号の振幅をnに応じて変動させる場合について示している。なお、複素直流サブキャリア信号の振幅をnに応じて変動させる場合も同様の動作フローが考えられることは明らかである。
【0147】
図20においては、ステップS4 に代えてステップS31を設けた点が図16と異なる。
【0148】
ステップS31においては、直流信号生成部24が、振幅がAn の複素ベースバンド直流信号を発生し、加算器8がこの複素ベースバンド直流信号を高速逆フーリエ変換部3の出力に加算するようになっている。
【0149】
他の手順は図16と同様である。
【0150】
次に、図20のフローを採用した場合における複素ベースバンド時間波形の振幅低減効果について図21及び図22を参照して説明する。図21は横軸にピークファクタRをとり縦軸に累積分布関数(cdf)(F(R))をとって、複素ベースバンド時間波形の振幅低減効果を示すグラフである。また、図22は累積分布関数F(R)が0.99となる場合のピークファクタの最大値Rmax を示す図表である。
【0151】
いま、高速逆フーリエ変換部3が16入力ポイントで構成されており、7本の複素情報サブキャリア信号を入力するものとする。7本の複素情報サブキャリア信号の周波数は、OFDMシンボル長をTとして、夫々±2π/T,±4π/T,±6π/T,−8π/Tとする。
【0152】
図21は、この場合において生成された複素ベースバンド時間波形の最大振幅の分布を示している。即ち、図21は、振幅An を設定した場合の複素ベースバンド時間波形の瞬時最大振幅の累積分布関数(cdf)によって振幅低減効果を示している。なお、横軸は(Pave の平方根)で正規化した瞬時最大振幅(ピークファクタR)であり、縦軸はピークファクタRの累積分布関数F(R)を表している。
【0153】
図21中、実線は複素ベースバンド直流信号を付加しない例を示している。また、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の平均電力をPave として、図21中の実線に黒丸はAn がAn =(1/4)(Pave の平方根)の場合の例であり、実線に三角はAn がAn =(1/2)(Pave の平方根)の場合の例であり、実線に四角はAn がAn =(Pave の平方根)の場合の例である。即ち、これらの例は、付加する複素ベースバンド直流信号の振幅An がnに依らず一定の場合の例である。
【0154】
一方、図21中の実線に×印は、複素ベースバンド直流信号の振幅An が変動する場合の例であり、An がAn =(1/2)An-1 であって、初期値A1 がA1 =(Pave の平方根)の場合を示している。
【0155】
なお、複素ベースバンド直流信号付加の設定回数NはN=5とする。
【0156】
図21に示すように、An が一定の場合及びAn がnに応じて変動する場合の両者とも、複素ベースバンド直流信号の付加によって、複素ベースバンド直流信号付加前の元のOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形よりもピークファクタR、即ち瞬時最大振幅が低減されることが分かる。
【0157】
また、複素ベースバンド直流信号の振幅An がnに依らず一定の場合と、An がnに応じて変動する場合とを比較すると、An がnに応じて変動する場合の方が、An が一定のどの場合よりもピークファクタR(瞬時最大振幅)が大きく低減されることが分かる。
【0158】
図22は、図21の各場合について、累積分布関数F(R)の値が0.99となるときのピークファクタRの値をRmax として求めたものである。即ち、Rmax は、99%の複素ベースバンド時間波形のピークファクタRがRmax 以下となる値を表す。
【0159】
図22に示すように、複素ベースバンド直流信号を付加することによって、複素ベースバンド直流信号付加前の元の複素ベースバンド時間波形に比べて瞬時最大振幅が0.92〜0.83倍に低減されることが分かる。つまり電力は0.85〜0.69倍に低減されており、複素ベースバンド直流信号の付加によって瞬時最大電力が大きく低減されることが確認できる。特に、複素ベースバンド直流信号の振幅An がnに応じて変動する場合が、最も最大瞬時振幅(電力)を低減できることが分かる。
【0160】
このように、図21及び図22によって、同一振幅の複素ベースバンド直流信号を付加するよりも、振幅An をnに応じて変動させて付加した方が瞬時最大振幅(電力)を大きく低減できることが分かる。換言すると、振幅An をnに応じて変動させることによって、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大振幅(電力)を少ない回数で効率良く低減することができることになる。
【0161】
なお、図20乃至図22においては、複素ベースバンド直流信号を付加する例について説明したが、複素直流サブキャリア信号を付加する場合にも適用することができることは明らかである。
【0162】
ところで、図20に示すように、複素ベースバンド直流信号を複数回付加することによって、複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力(振幅)が大きく低減されるが、最大瞬時電力が比較的小さい場合には、複素ベースバンド直流信号又は複素直流サブキャリア信号の付加を予め定めた設定回数N回行うことなく、N回よりも少ない回数の付加で複素ベースバンド時間波形を送信処理部5に出力してもよい。また複素ベースバンド直流信号又は複素直流サブキャリア信号が付加される前に十分に瞬時最大電力が小さいならば、複素ベースバンド直流信号又は複素直流サブキャリア信号を付加しなくてもよい。
【0163】
図23は複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力が予め設定した閾値よりも小さくなったことを検出することにより、設定回数N回よりも少ない回数だけ複素ベースバンド直流信号又は複素直流サブキャリア信号を付加するようにした例を示すフローチャートである。図23において図20と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0164】
図23においては、ステップS41の手順を付加した点が図20と異なる。ステップS3 において複素ベースバンド時間波形の最大電力を有する時間サンプルを検出すると、次にステップS41に処理を移行する。ステップS41は最大電力が閾値以下であるか否かを判断する。最大電力が閾値以下でなければ、次のステップS31に処理を移行して、図20と同様に複素ベースバンド直流信号の付加を行う。
【0165】
最大電力が閾値以下である場合には、処理をステップS18に移行して、複素ベースバンド直流信号の付加処理を中止して、加算器8の出力を送信処理部5から送信させる。
【0166】
即ち、複素ベースバンド直流信号の付加回数nが予め設定した設定回数Nに達するか、又は複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力が予め設定した閾値以下となるまで、ステップS3 ,S31による複素ベースバンド直流信号の付加処理は繰返される。
【0167】
ステップS41の処理は、図14の最大電力検出部23によって実現することができる。最大電力検出部23は、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の電力が最大となる時間サンプルを選択する。このとき選択した時間サンプルの位相θを検出してもよいし、位相θは後のステップで検出してもよい。また、振幅An はnに依らず一定であってもよいし、nに応じて変動させてもよい。
【0168】
このように、十分に最大瞬時電力が小さい場合、複素ベースバンド直流信号又は複素直流サブキャリア信号をN回付加する前に途中で複素ベースバンド直流信号の付加処理を打ち切ることが可能となり、効率的な処理が可能となる。
【0169】
なお、図23ではOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の瞬時最大電力低減のために、複素ベースバンド直流信号を付加する例について説明したが、複素直流サブキャリア信号を付加するようにしても同様の効果が得られることは明らかである。
【0170】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の振幅を低減するための複素冗長サブキャリア又は複素ベースバンド連続波を付加するようになっているので、装置規模を著しく増大させることなく、OFDM時間波形の最大瞬時電力を低減し、送信平均電力を向上させることによりデータ伝送時の伝送誤りを軽減することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るOFDM信号伝送装置の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図3】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図4】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図5】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図6】本発明の他の実施の形態を示すブロック図。
【図7】本発明の他の実施の形態を示すブロック図。
【図8】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図9】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図10】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図11】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図12】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図13】実施の他の実施の形態を示すブロック図。
【図14】図13中の最大電力検出部23の具体的な構成を示すブロック図。
【図15】図13の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図16】図13の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図17】実施の他の実施の形態を示すブロック図。
【図18】図17の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図19】図17の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図20】変形例を示すフローチャート。
【図21】図20を説明するためのグラフ。
【図22】図20を説明するための図表。
【図23】変形例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…変調部、2…直列/並列変換部、3…高速逆フーリエ変換部、4…複素冗長サブキャリア信号生成部、5…送信処理部、7…連続波生成部、9…直流信号生成部
Claims (15)
- 情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号をOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する変換手段と、
前記変換手段からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減させるための1つ以上の相互に異なる周波数の複素ベースバンド連続波を発生して、前記OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に付加する複素ベースバンド連続波付加手段とを具備したことを特徴とするOFDM信号伝送装置。 - 複数の複素サブキャリア信号をOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する変換手段と、
前記変換手段からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減させるための1本以上の複素冗長サブキャリア信号を発生して、情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号に付加して前記変換手段に与える複素冗長サブキャリア付加手段とを具備し、
前記複素冗長サブキャリア信号は、直流成分であり、
直流成分の前記複素冗長サブキャリア信号は、位相が前記情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号から生成される複素ベースバンド時間波形の振幅の最大値の位相と逆相であることを特徴とするOFDM信号伝送装置。 - 前記直流成分の複素冗長サブキャリア信号は、前記情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号から生成されるOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の振幅の最大値が予め設定した閾値を越えた場合には、前記複素ベースバンド時間波形の振幅の最大値と前記閾値との差分の振幅に設定することを特徴とする請求項2に記載のOFDM信号伝送装置。
- 複数の複素サブキャリア信号をOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する変換手段と、
前記変換手段からの前記複素ベースバンド時間波形の時間サンプルのうち最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルを検出して検出結果を出力する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記変換手段からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減させるための複素直流サブキャリア信号を発生して、情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号に付加して前記変換手段に与える複素直流サブキャリア付加手段とを具備したことを特徴とするOFDM信号伝送装置。 - 前記検出手段は、検出結果として、最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルの位相の情報を出力することを特徴とする請求項4に記載のOFDM信号伝送装置。
- 複素直流サブキャリア付加手段による前記複素直流サブキャリア信号の付加処理は、1回以上繰返されることを特徴とする請求項4に記載のOFDM信号伝送装置。
- 前記検出手段の検出結果は、最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルの振幅及び位相の情報を出力し、
前記複素直流サブキャリア付加手段は、前記振幅の情報に基づいて付加する前記複素直流サブキャリア信号の振幅を変化させることを特徴とする請求項4に記載のOFDM信号伝送装置。 - 前記検出手段の検出結果は、最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルの振幅及び位相の情報を出力し、
前記複素直流サブキャリア付加手段は、付加回数に基づいて付加する前記複素直流サブキャリア信号の振幅を変化させることを特徴とする請求項4に記載のOFDM信号伝送装置。 - 複素直流サブキャリア付加手段は、前記検出手段の検出結果によって前記時間サンプルの最大振幅又は最大電力が所定の閾値以下になった場合には、前記複素直流サブキャリア信号の付加処理を終了させることを特徴とする請求項4に記載のOFDM信号伝送装置。
- 情報を伝送する複数の複素情報サブキャリア信号をOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に変換する変換手段と、
前記複素ベースバンド時間波形の時間サンプルのうち最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルを検出して検出結果を出力する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記変換手段からのOFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形の最大振幅を低減させるための複素ベースバンド直流信号を発生して、前記OFDMシンボルの複素ベースバンド時間波形に付加する複素ベースバンド直流信号付加手段とを具備したことを特徴とするOFDM信号伝送装置。 - 前記検出手段は、検出結果として、最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルの位相の情報を出力することを特徴とする請求項10に記載のOFDM信号伝送装置。
- 複素ベースバンド直流信号付加手段による前記複素ベースバンド直流信号の付加処理は、1回以上繰返されることを特徴とする請求項10に記載のOFDM信号伝送装置。
- 前記検出手段の検出結果は、最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルの振幅及び位相の情報を出力し、
前記複素ベースバンド直流信号付加手段は、前記振幅の情報に基づいて付加する前記複素ベースバンド直流信号の振幅を変化させることを特徴とする請求項10に記載のOFDM信号伝送装置。 - 前記検出手段の検出結果は、最大振幅又は最大電力を有する時間サンプルの振幅及び位相の情報を出力し、
前記複素ベースバンド直流信号付加手段は、付加回数に基づいて付加する前記複素ベースバンド直流信号の振幅を変化させることを特徴とする請求項10に記載のOFDM信号伝送装置。 - 複素ベースバンド直流信号付加手段は、前記検出手段の検出結果によって前記時間サンプルの最大振幅又は最大電力が所定の閾値以下になった場合には、前記複素ベースバンド直流信号の付加処理を終了させることを特徴とする請求項10に記載のOFDM信号伝送装置。
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