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JP3789200B2 - フレーム構造体、溶接接合フレーム及びその溶接方法 - Google Patents

フレーム構造体、溶接接合フレーム及びその溶接方法 Download PDF

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JP3789200B2 JP12268097A JP12268097A JP3789200B2 JP 3789200 B2 JP3789200 B2 JP 3789200B2 JP 12268097 A JP12268097 A JP 12268097A JP 12268097 A JP12268097 A JP 12268097A JP 3789200 B2 JP3789200 B2 JP 3789200B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、総称してアルミニウムという)からなる角筒状の形材を溶接してトラック等の自動車の車体フレーム等を構成するフレーム構造体、それに使用される溶接接合フレーム及びそのフレーム構造体を製造する溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トラック等の自動車及び輸送機等の車体は、成形した鋼板端部を重ねて、その部位を抵抗スポット溶接によって接合している。このようにして組立てられたモノコック構造がトラック等の一般的な車体構造である。
【0003】
しかし、この方法は、組立の自動化が容易であるという利点はあるものの、重ね部分が多く、構造形成上、無駄な部分がかなりあり、スリムでないことに加え、成形部材の形状が複雑で重量の増加も生じるという欠点がある。
【0004】
これに対し、アーク溶接又はビーム溶接等により、フレームを突き合せ溶接することにより車体を組立てれば、構造的にスリムになるものの、溶接前のフレームの突合せ精度が溶接品質に大きく影響する。例えば、フレーム間にギャップが生じると溶接品質が著しく低下する。このため、フレームを拘束して組立て状態に保持するための治具が必要であり、またフレーム自体も高精度の機械加工が必要である。従って、組立の自動化が困難である。
【0005】
また、近時、車体の軽量化のために、車体をアルミニウムで製作しようとする試みがなされている。この場合に、アルミニウムはスポット溶接性が低く、モノコック構造においては、数千点の溶接をする必要があるが、その場合に電極の消耗が大きいという難点がある。また、板材の成形性もアルミニウムは鋼よりも悪いという難点がある。
【0006】
そこで、トラック等の自動車及び輸送機等の車体に中空のパイプ状フレームを適用するスペースフレーム構造が提案されている。図8は一般のトラックに使用されるものとして提案されたスペースフレーム構造を示す模式図である。図8に示すように、角筒状のアルミニウム製形材51を、トラックのキャビンの形状に組立て、各角筒状形材51同士を溶接により接合して形材51同士が固着される。これにより、所謂スペースフレーム構造が形成され、このスペースフレーム50を覆うように構造板が取り付けられて自動車ボディが完成する。
【0007】
このスペースフレームを製造するためのアルミニウム製の押出成形によるフレーム同士を接合する方法としては、接合方法の特性及び継手部に対して要求される特性等を勘案して、アーク溶接法、抵抗スポット溶接法又は機械的接合方法等が実施されている。特に、強度が要求される接合部位には、輸送機分野等で実績のあるアーク溶接法、例えばAC・TIG(以下、TIGという)法又はDCEP・MIG(以下、MIGという)法が適用されている。
【0008】
アルミニウムにアーク溶接を施す場合、アルミニウムの熱伝導率が高い等のために、鋼等を溶接する場合と比して、多量の熱を急速に与える必要がある。また、溶接始終端部において、ブローホール、溶込み不良及び溶接割れ等の溶接欠陥が発生しやすいという難点がある。このため、アルミニウムの溶接は困難である。
【0009】
アルミニウム製のフレームとしては、主に隅部が直角であり、断面が口形又は田形の角筒状形材か、又は隅部に極めて小さな面取りがされている角筒状形材が使用されている。そして、この角筒状形材の寸法として肉厚が3mm程度で、1辺の長さが50mm程度のものが使用されている。
【0010】
図5は従来のフレームの開口部同士の突合せを示す斜視図である。また、図6(a)は従来の突合せ部の溶接方法の一例を示す図5の突合せ面の断面図であり、図6(b)は従来の突合せ部の溶接方法の他の一例を示す図5の突合せ面の断面図である。従来の溶接接合方法の一例として、図6(a)に示すように、先ず、辺61の一方の隅部65又はその近傍においてアークスタートし、矢印101にて示す周方向にバックステップ法等により辺61の他の隅部66又はその近傍まで溶接し、クレータ処理等を施して溶接を終了する。そして、同じ方法により矢印102乃至104に沿って辺62乃至64を溶接する。次に、隅部65近傍の辺64に形成された溶接ビード上においてアークスタートし、溶接施工の観点から溶接電流を下げて、矢印105に沿って隅部65にまわし溶接を施す。そして、辺61に形成された溶接ビード上で溶接を終了する。更に、隅部66乃至68についても矢印106乃至108に沿って同様に溶接することにより、形材81と82とを溶接接合している。
【0011】
また、他の溶接接合方法として、図6(b)に示すように、先ず、辺61の一方の隅部65又はその近傍においてアークスタートし、矢印111に沿って辺61を溶接し、隅部66において溶接電流を下げて隅部66をまわし溶接し、隅部66近傍の辺62で溶接を終了する。次に、辺63の一方の隅部68又はその近傍においてアークスタートし、矢印112に沿って辺63を溶接し、隅部67において溶接電流を下げて隅部67をまわし溶接し、隅部67近傍の辺62で溶接を終了する。そして、隅部66近傍の辺62に形成された溶接ビード上において溶接スタートし、矢印113に沿って隅部67近傍に形成された溶接ビード上まで溶接する。更に、隅部68近傍の辺63に形成された溶接ビード上において低電流で溶接スタートし、隅部68のまわし溶接終了後に本溶接電流で矢印114に沿って辺64の中央部付近まで溶接する。そして、隅部65も隅部68と同様の条件でまわし溶接し、矢印115に沿って辺64に形成された溶接ビードまで溶接することにより、形材81と82とを溶接接合している。
【0012】
なお、溶接欠陥が発生しやすい溶接始終端部の数を低減するためには、後者の溶接接合方法が好ましい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、隅部の肉厚は辺の部分のそれよりも厚いにもかかわらず、溶接施工の観点から溶接電流を下げて隅部を溶接している。図7は図6(a)及び(b)のD−D面を示す断面図である。このように、溶接電流を下げて溶接しているため、前述のいずれの従来技術においても、オーバーラップ71が生じ、溶込みが極めて小さい溶接ビードが形成される。このような溶接欠陥は溶接欠陥の中でも溶接割れと並んで、特に強度部材の継手強度を低下させる要因となるので、回避する必要がある。
【0014】
また、MIG溶接においては、TIG溶接と比して溶接速度が約4乃至6倍と極めて速く、溶接電流はワイヤの送給速度に相当し、また、溶接原理が異なり溶融部に多量の溶融金属が存在するため、小回りな動きが制約され、溶接方向の急激な変化には対応しづらい。更に、溶込みの量もTIG溶接と比して少なくなる。このため、MIG溶接は隅部でのまわし溶接には適さない。
【0015】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、溶接作業性を向上することができ、隅部において良好な溶込みを得ることができる溶接接合フレーム、その溶接方法及びそれにより構成されたフレーム構造体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るフレーム構造体は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状のフレームであって肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有するフレームを溶接接合した突合せ継手及び/又はT型継手により構成されたフレーム構造体において、前記フレームの各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、各隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、各隅部の内面の面取の半径が肉厚を超えていることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るフレーム構造体においては、隅部に適切な面取が設けられた溶接接合フレームを使用してフレーム構造体が構成されているので、溶接電流を一定にして溶接し組立てることが可能であり、隅部での溶接方向の変化を緩和できるので、溶接作業性が向上する。
【0018】
本発明に係る溶接接合フレームの溶接方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有する1対のフレームであって、その少なくとも1方はその各隅部の外面及び内面に面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えているものを、前記1端部同士で突合せ、前記隅部で溶接を停止することなく前記突合せ端部を溶接することを特徴とする。
【0019】
本発明に係る他の溶接接合フレームの溶接方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmである第1溶接接合フレームの側壁に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有し、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えている第2溶接接合フレームの前記端面を当接させ、前記第2溶接接合フレームの前記端面と前記第1溶接接合フレームの前記側壁とを、前記隅部で溶接を停止することなく溶接してT型継手を形成することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る更に他の溶接接合フレームの溶接方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えて8mm以下である第1溶接接合フレームの側壁に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有し、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えて8mm以下である第2溶接接合フレームの前記端面を当接させ、前記第2溶接接合フレームの前記端面と前記第1溶接接合フレームの前記側壁とを、前記隅部で溶接を停止することなくMIG溶接してT型継手を形成することを特徴とする。
【0021】
本発明に係る他の溶接接合フレームの溶接方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えて10mm以下である第1溶接接合フレームの側壁に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有し、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えて10mm以下である第2溶接接合フレームの前記端面を当接させ、前記第2溶接接合フレームの前記端面と前記第1溶接接合フレームの前記側壁とを、前記隅部で溶接を停止することなくTIG溶接してT型継手を形成することを特徴とする。
【0022】
本発明方法においては、隅部に適切な面取が設けられた溶接接合フレームを使用して溶接接合しているので、溶接電流を一定にして溶接することが可能であり、隅部での溶接方向の変化を緩和できる。このため、溶接トーチの狙いを定め直すことなく、また隅部で連続してまわし溶接を行うことができ、溶接作業性が向上する。更に、隅部でのまわし溶接が極めて容易となるので、隅部及びその近傍での溶接始終端部の処理を避けることができ良好な溶込みを得ることができる。また、適切な面取が設けられた1対の溶接接合フレーム同士を溶接接合する場合には、常に開先中心をトーチ狙いとして溶接できるので、更に溶接作業性が向上する。
【0023】
本発明に係る溶接接合フレームは、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有する突合せ継手用又はT型継手用の溶接接合フレームにおいて、その各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、各隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、各隅部の内面の面取の半径が肉厚を超えていることを特徴とする。なお、前記面取の半径は、10mm以下であることが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施例について、添付の図面を参照して詳しく説明する。図1(a)乃至(c)は本発明の第1の実施例に係る溶接方法を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)の溶接後のA−A面を示す断面図である。本実施例においては、先ず、角筒状の肉厚が2乃至4mmであるアルミニウム製形材1及び形材2を押出成形する。形材1及び形材2には隅部3の外面及び内面に面取が形成されている。そして、隅部3の肉厚は側壁部4のそれと等しく2乃至4mmであり、形材全体の肉厚は均一である。また、隅部3の内面の面取は、その半径をその肉厚を超えて設けられている。更に、形材1及び形材2の夫々少なくとも1方の端部にはその長手方向に垂直な端面が形成されている。次に、形材1及び形材2のその長手方向に垂直な端面同士を隅部同士が整合するように突合せ、溶接トーチを突合せ面5に沿って一周させ形材1と形材2とを溶接接合する。
【0025】
溶接接合フレームに関する数値限定理由について説明する。
【0026】
肉厚:2乃至4mm
肉厚が2mm未満であると、溶接構造材として十分な強度が得られない。一方、肉厚が4mmを超えると、十分な溶込みを確保するために溶接側に開先角度を設けて溶接する必要があり工程が増加する。従って、肉厚は2乃至4mmとする。
【0027】
内面の面取の半径:肉厚を超える
内面の面取の半径が肉厚以下であると、隅部の溶接の際に溶接方向を急激に変化させる必要があり溶接作業性が低下する。従って、内面の面取の半径は肉厚を超えるものとする。
【0028】
本実施例においては、隅部3に適切な面取が設けられた形材同士を溶接接合しているので、隅部を溶接する際に溶接電流を調節する必要がなくなると共に、溶接方向の変化が緩和される。そして、隅部3でのまわし溶接が極めて容易となるので、隅部3又はその近傍での溶接始終端部の処理が避けられる。このため、図1(c)に示すように、オーバーラップが生じず、良好な溶込み6を得ることができる。
【0029】
なお、突合される面は開口部を有する端面に制限されるものではない。図4(a)及び(b)は側壁同士を突合せた例を示す図であり、(a)は双方の形材に面取が施された場合を示す断面図であり、(b)は一方の形材のみに面取が施された場合を示す断面図である。図4(a)及び(b)に示すように、側壁同士を突合せ溶接接合した場合にも、良好な溶込み36が形成される。
【0030】
図2(a)乃至(c)は本発明の第2の実施例に係る溶接方法を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)の溶接後のB−B面を示す断面図である。本実施例においては、先ず、角筒状の肉厚が2乃至4mmであるアルミニウム製第1形材11及びアルミニウム製第2形材12を押出成形する。第1形材11の形状はその断面において、外面及び内面が正方形である。一方、第2形材12は形材1及び形材2と同様の形状を有する。次に、第1形材11の側壁に第2形材12のその長手方向に垂直な端面を当接させてT型継手の配置とし、溶接トーチを突合せ面15に沿って一周させることにより第1形材11と第2形材12とを溶接接合する。
【0031】
本実施例においては、各隅部に適切な面取が設けられた第2形材12を第1形材11の側壁に当接させてT型継手を形成し溶接接合しているので、図2(c)に示すように、フレア部においても第1の実施例と同様に良好な溶込み16を得ることができる。
【0032】
図3(a)乃至(c)は本発明の第3の実施例に係る溶接方法を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)の溶接後のC−C面を示す断面図である。本実施例においては、先ず、角筒状の肉厚が2乃至4mmであるアルミニウム製第1形材21及びアルミニウム製第2形材22を押出成形する。第1形材21及び第2形材22の肉厚は形材1及び形材2と同様であり、各隅部の内面の面取は、その半径をその肉厚を超えて8mm以下として設けられている。次に、第1形材21の側壁に第2形材22のその長手方向に垂直な端面を当接させT型継手とし、溶接トーチを突合せ面25に沿って一周させ第1形材21と第2形材22とを溶接接合する。
【0033】
T型継手に使用される双方の形材に面取が施されている場合、内面の面取の半径は肉厚よりも大きく10mm以下とする。内面の面取の半径が肉厚以下であると、隅部の溶接の際に溶接方向を急激に変化させる必要があり溶接作業性が低下する。一方、内面の面取の半径が10mmを超えると、ギャップが大きくなり溶接ビードの形成が困難となる。従って、T型継手に使用される双方の形材に面取が施されている場合、内面の面取の半径は肉厚よりも大きく10mm以下とする。
【0034】
本実施例においては、各隅部に適切な面取が設けられた第1形材21及び第2形材22を使用して、第2形材22を第1形材21の側壁に当接させてT型継手を形成し溶接接合しているので、図3(c)に示すように、ギャップにおいても第2の実施例と同様に良好な溶込み26を得ることができる。
【0035】
前述のような溶接接合フレーム同士を溶接接合してフレーム構造体を組立てることにより、溶接作業性が向上するので、良好な溶込みを有するフレーム構造体が得られる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、その特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。
【0037】
先ず、試験材としてA6N01S−T5材を使用して、側壁部の肉厚が3mmで表1に示す内面の面取半径Roを有し、断面における1辺の長さが50mmの角筒状押出形材を作製した。
【0038】
【表1】
Figure 0003789200
【0039】
第1実施例
本実施例においては、上記表1の角筒状押出形材において、下記表2に示す組み合わせで図1(a)に示すように開口部同士を突合せ、溶加材として直径が3.2mmのA5356BY及び線形径が1.2mmのA5356WYを使用して、手動のTIG溶接又は半自動のMIG溶接を行った。このとき、TIG溶接においては、溶接電流を120乃至150Aとし、溶接速度を10乃至30cm/分とした。また、MIG溶接においては、溶接電流を140乃至160Aとし、溶接電圧を20乃至22Vとし、溶接速度を50乃至80cm/分とした。
【0040】
【表2】
Figure 0003789200
【0041】
そして、溶接作業性を評価した。この結果を表3に示す。なお、表3において、◎は特に良好であることを示し、○は良好であることを示し、×は不良であることを示している。
【0042】
【表3】
Figure 0003789200
【0043】
上記表3に示すように、実施例1乃至12においては、本発明で規定した範囲内の面取が設けられた形材を使用して溶接しているので、溶接電流を下げずにまわし溶接することが可能となり、溶接作業性が優れている。特に、TIG溶接においては、Roが4mm以上の形材を使用した場合に、MIG溶接においては、Roが6mm以上の形材を使用した場合に極めて改善効果が高くなる。
【0044】
一方、比較例33においては、面取が施されていない形材を使用して溶接したので、溶接作業性が劣っている。
【0045】
第2実施例
本実施例においては、上記表1の角筒状押出形材において、第1形材としてRo0を使用し、第2形材として表4に示す押出形材を使用して図2(a)に示すようにT型継手を形成し、溶加材として直径が3.2mmのA5356BY及び線径が1.2mmのA5356WYを使用して、手動のTIG溶接又は半自動のMIG溶接を行った。このとき、TIG溶接においては、溶接電流を160乃至190Aとし、溶接速度を10乃至30cm/分とした。また、MIG溶接においては、溶接電流を140乃至190Aとし、溶接電圧を20乃至22Vとし、溶接速度を50乃至80cm/分とした。
【0046】
【表4】
Figure 0003789200
【0047】
そして、溶接作業性を評価した。この結果を表5に示す。なお、表5において、◎は特に良好であることを示し、○は良好であることを示し、×は不良であることを示している。
【0048】
【表5】
Figure 0003789200
【0049】
上記表5に示すように、実施例13乃至18においては、本発明で規定した範囲内の面取が設けられた形材を第2形材として使用して溶接しているので、溶接作業性が優れている。第1実施例と同様に、特に、TIG溶接においては、Roが4mm以上の形材を使用した場合に、MIG溶接においては、Roが6mm以上の形材を使用した場合に極めて改善効果が高くなる。
【0050】
一方、比較例34においては、面取が施されていない形材を第2形材として使用して溶接したので、溶接作業性が劣っている。
【0051】
第3実施例
本実施例においては、上記表1の角筒状押出形材において、下記表6に示す組み合わせで図3(a)に示すようにT型継手を形成し、溶加材として直径が3.2mmのA5356BY及び線径が1.2mmのA5356WYを使用して、手動のTIG溶接を行った。このとき、溶接電流を160乃至190Aとし、溶接速度を10乃至30cm/分とした。
【0052】
【表6】
Figure 0003789200
【0053】
そして、溶接作業性を評価した。この結果を表7に示す。なお、表7において、◎は特に良好であることを示し、○は良好であることを示し、×は不良であることを示している。
【0054】
【表7】
Figure 0003789200
【0055】
上記表7に示すように、実施例19乃至26においては、本発明で規定した範囲内の面取が設けられた形材を第1形材及び第2形材として使用して溶接しているので、溶接作業性が優れている。特に、Roが4mm乃至8mmの形材を使用した場合に、極めて改善効果が高くなる。
【0056】
一方、比較例35においては、本発明範囲から更に外れる面取が施された形材を使用して溶接しているので、溶接作業性が劣っている。
【0057】
比較例36においては、面取が施されていない形材を使用して溶接したので、溶接作業性が劣っている。
【0058】
第4実施例
本実施例においては、上記表1の角筒状押出形材において、下記表8に示す組み合わせで図3(a)に示すようにT型継手を形成し、溶加材として直径が3.2mmのA5356BY及び線径が1.2mmのA5356WYを使用して、半自動のMIG溶接を行った。このとき、溶接電流を140乃至190Aとし、溶接電圧を20乃至22Vとし、溶接速度を50乃至80cm/分とした。
【0059】
【表8】
Figure 0003789200
【0060】
そして、溶接作業性を評価した。この結果を表9に示す。なお、表9において、◎は特に良好であることを示し、○は良好であることを示し、×は不良であることを示している。
【0061】
【表9】
Figure 0003789200
【0062】
上記表9に示すように、実施例27乃至32においては、本発明で規定した範囲内の面取が設けられた形材を第1形材及び第2形材として使用して溶接しているので、溶接作業性が優れている。特に、Roが5mm乃至7mm以下の形材を使用した場合に極めて改善効果が高くなる。
【0063】
一方、比較例37においては、本発明範囲から外れる面取が施された形材を使用して溶接しているので、溶接作業性が劣っている。
【0064】
比較例38においては、面取が施されていない形材を使用して溶接したので、溶接作業性が劣っている。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、隅部に適切な面取が施された角筒状形材を使用して溶接接合しているので、隅部においても溶接電流を一定にして溶接することが可能であり、溶接方向の変化が緩和されるので、溶接作業性が向上する。更に、隅部でのまわし溶接が極めて容易となるので、隅部及びその近傍での溶接始終端部の処理を避けることができ良好な溶込みを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る溶接方法を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)の溶接後のA−A面を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る溶接方法を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)の溶接後のB−B面を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係る溶接方法を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)の溶接後のC−C面を示す断面図である。
【図4】側壁同士を突合せた例を示す図であり、(a)は双方の形材に面取が施された場合を示す断面図であり、(b)は一方の形材のみに面取が施された場合を示す断面図である。
【図5】従来のフレームの開口部同士の突合せを示す斜視図である。
【図6】従来の突合せ部の溶接方法を示す図であり、(a)は一例を示す図5の突合せ面の断面図であり、図5(b)は他の一例を示す図8の突合せ面の断面図である。
【図7】図6(a)及び(b)のD−D面を示す断面図である。
【図8】一般のトラックに使用されるものとして提案されたスペースフレーム構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1、2、11、12、21、22、51、81、82;形材
3、65、66、67、68;隅部
4;側壁部
5、15、25;突合せ面
6、16、26、36;溶込み
50;スペースフレーム
61、62、63、64;辺
71;オーバーラップ

Claims (8)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状のフレームであって肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有するフレームを溶接接合した突合せ継手及び/又はT型継手により構成されたフレーム構造体において、前記フレームの各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、各隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、各隅部の内面の面取の半径が肉厚を超えていることを特徴とするフレーム構造体。
  2. 前記面取の半径は、10mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレーム構造体。
  3. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有する1対のフレームであって、その少なくとも1方はその各隅部の外面及び内面に面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えているものを、前記1端部同士で突合せ、前記隅部で溶接を停止することなく前記突合せ端部を溶接することを特徴とする溶接接合フレームの溶接方法。
  4. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmである第1溶接接合フレームの側壁に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有し、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えている第2溶接接合フレームの前記端面を当接させ、前記第2溶接接合フレームの前記端面と前記第1溶接接合フレームの前記側壁とを、前記隅部で溶接を停止することなく溶接してT型継手を形成することを特徴とする溶接接合フレームの溶接方法。
  5. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えて8mm以下である第1溶接接合フレームの側壁に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有し、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えて8mm以下である第2溶接接合フレームの前記端面を当接させ、前記第2溶接接合フレームの前記端面と前記第1溶接接合フレームの前記側壁とを、前記隅部で溶接を停止することなくMIG溶接してT型継手を形成することを特徴とする溶接接合フレームの溶接方法。
  6. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えて10mm以下である第1溶接接合フレームの側壁に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有し、各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、前記隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、前記隅部の内面の面取の半径は肉厚を超えて10mm以下である第2溶接接合フレームの前記端面を当接させ、前記第2溶接接合フレームの前記端面と前記第1溶接接合フレームの前記側壁とを、前記隅部で溶接を停止することなくTIG溶接してT型継手を形成することを特徴とする溶接接合フレームの溶接方法。
  7. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる角筒状をなし肉厚が2乃至4mmであり、その少なくとも1端部はその長手方向に垂直な端面を有する突合せ継手用又はT型継手用の溶接接合フレームにおいて、その各隅部の外面及び内面には面取が設けられ、各隅部の肉厚が側壁部の肉厚と等しく、各隅部の内面の面取の半径が肉厚を超えていることを特徴とする溶接接合フレーム。
  8. 前記面取の半径は、10mm以下であることを特徴とする請求項に記載の溶接接合フレーム。
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