JP3789053B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被調理物をマイクロ波調理及び熱風循環によるオーブン調理を行う加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波調理及びオーブン調理可能なこの種加熱調理器の構成は、図11の横断平面図にて概略構成を示すように、外箱1内に前面が開口するオーブン庫2と、このオーブン庫2の側方に隣接して区画形成された機械室3を有し、オーブン庫2の前面開口にはこれを開閉する扉4を設け、また機械室3の前面には操作パネル5を設けている。そして、機械室3にはマグネトロン6や冷却ファン7等の電装部品を装備し、また、オーブン庫2の奥壁2c側には庫内に熱風を供給するための熱風生成ユニット8を装備している。この熱風生成ユニット8は環状ヒータ9,送風ファン10,ファンケーシング11,ファンモータ12、及び該モータ12の冷却用ファン13を具備してなり、従って、前記外箱1の後面板1aは熱風生成ユニット8の後方への突出部分に合わせて後方に大きく突出した構成となしている。
【0003】
そして、オーブン庫2内の両側壁2a,2bには、略正四角形の角皿14を上下複数段に収納設置すべく棚部15を複数段突設しており、この棚部15に角皿14が設置された状態では、オーブン庫2の両側壁2a,2b側は棚部15に角皿14が載置されて上下方向に対し殆ど塞がれた状態にあり、また熱風生成ユニット8が配置され熱風の供給側である奥壁2cには角皿14周縁部が当接して後述する熱風循環路を確保するために塞がれており、ただ前面の扉4内面において上下方向に連通する隙間16を有する構成としている。
【0004】
しかして図12に示すように、オーブン庫2内に収納設置された各角皿14によって仕切られた庫内に前記熱風生成ユニット8から供給された熱風が行き渡るように、オーブン庫2の奥壁2cには3区分の透孔群からなる上部吹出口17a,吸込口17b及び下部吹出口17cを形成した構成としている。
【0005】
従って、各角皿14に収容した図示しない被調理物をオーブン調理する場合には、熱風生成ユニット8から発生した熱風は図12に示す矢視方向に奥壁2cの上,下部吹出口17a,17cから前方に向ってオーブン庫2内に供給され、その熱風はオーブン庫2前面たる扉4内面に至り隙間16を介して回り込み、中間位置の吸込口17bからファンケーシング11内に戻入して、ヒータ9で再加熱されて熱風化されるという一方向性の熱風循環が行われ、被調理物はこの熱風循環路の熱風雰囲気中にあって加熱調理され所謂オーブン調理が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成によれば、熱風生成ユニット8は送風ファン10からこれを駆動するファンモータ12までの間において、ファンケーシング11及び冷却ファン13等が介在することもあって軸方向寸法が比較的大きくなるため、斯かるユニット8を奥側に配置した構成では、当然外箱1の後面板1aにはこれを許容する局部的な突出形状が必要となり、結果、加熱調理器たる製品の奥行き寸法Zが大きくなり、設置面積が大きくなるのに対しオーブン庫2の容積率を頗る悪化させていた。また、外箱1の後面板1aの突出した形状は外観的にも良くないばかりか、製品の外形寸法が大きくなるだけ材料費が高騰化し、更には、リード線などの配線するに際してオーブン庫2の奥後方に位置する熱風生成ユニット8から機械室3の電装部品や更に前面の操作パネル5までの長い区間の配線処理が必要となり、材料費が嵩み且つその配線作業も面倒なものであった。
【0007】
その他、庫内への熱風の供給から戻入するまでの所謂熱風循環路が一方向性で長いため、しかも途中で熱が扉4側で伝熱的に外気中に逃げ易いことも相俟って、循環末路の戻りの吸込口17b付近の熱風には湿気も多く含み相当の温度低下は避けられず、結果として加熱むらが生じ易くて必ずしも熱風循環効率が良いとは言えない不具合も有していた。
【0008】
本発明は上述の事情に鑑みてなされ、従ってその目的は、外形寸法が小さくできて設置面積を小さくすると共に、有効な庫内容積率を大きくでき、しかも熱風を有効に循環できる加熱調理器を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の加熱調理器は、外箱内に形成され前面開口部に開閉扉を有するオーブン庫と、このオーブン庫の側方に隣接され電装部品や冷却ファンを配設した機械室と、この機械室内に配置され前記オーブン庫内の被調理物に対しマイクロ波調理するためのマグネトロン及び熱風循環によりオーブン調理するための熱風生成ユニットとを備え、この熱風生成ユニットとマグネトロンはオーブン庫側壁の機械室側に離間して設けられ、そのうち熱風生成ユニットは前記機械室内の前方の扉寄りに配置し、マグネトロンは奥側に配置すると共に、熱風生成ユニットからの熱風吹出し方向をオーブン庫内奥側に指向させたことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0010】
斯かる構成によれば、熱風生成ユニットの配置場所として機械室の空間を有効活用できると共に、熱源たる該ユニットに対する冷却作用も機械室の他の電装部品冷却用の冷却ファンを兼用することが可能で一層コンパクト化できて、機械室を従来と同等、若しくは少なくとも大形化するのを最小限に抑えることができ、従って、加熱調理器たる製品の外形寸法並びに設置面積を縮小化できて、庫内容積率を大きくでき、しかも製品の後面部に突出形状がなくなり外観意匠も良好となる。また、熱風生成ユニットを始め殆どの電装部品が機械室側に集結するので、これら電装部品間並びに操作パネル等への配線処理が効率良く、しかも材料費も安価に済ませることができる。
更に具体的構成において、熱風生成ユニットとマグネトロンとを共にオーブン庫側壁に取付けることで、組立行程が簡素化でき作業効率が良くなる利点を有し、また前方の扉寄りに配置された熱風生成ユニットから熱風がオーブン庫内奥側に向けて供給されるので、庫内全域に熱風を循環させるに有効であると共に、供給された熱風が前面の扉に直接吹き付けることもないので、該扉から伝熱的に熱が逃げるのを抑えるにも有効となる。
【0015】
また、請求項1記載のものにおいて、オーブン庫内の両側壁に複数段の棚部を形成し、この各棚部に角皿を収納設置した状態で、熱風生成ユニットと対向する側のオーブン庫側壁と角皿周縁部との間に上下方向に連通する熱風通路を形成したことを特徴とする(請求項2の発明)。
【0016】
斯かる構成によれば、熱風供給側と相対する側の側壁に熱風通路を形成したので、主たる熱風循環路を構成して熱風を有効に庫内循環させることができる。
【0017】
そして、請求項2記載のものにおいて、熱風通路は、オーブン庫側壁の庫内に上下方向に延びる凹陥部を形成してなることを特徴とする(請求項3の発明)。
斯かる構成によれば、凹陥部はオーブン庫が金属製の場合、絞り成形により簡単に形成できると共に、当該側壁の棚部は中途部が寸断された形態となり、従ってこの棚部に設置された角皿と側壁の凹陥部との間には上下方向に連通する熱風通路が形成されて熱風循環が確実にできる。
【0018】
そして更に、請求項2記載のものにおいて、熱風通路は、オーブン庫側壁に上下方向に亘ってパンチング部を形成すると共に、該パンチング部を背面から覆った構成からなることを特徴とする(請求項4の発明)。
【0019】
斯かる構成によれば、熱風通路を構成するパンチング部は、広い範囲に亘って形成できること、及びそのパンチング面積を容易に変更できるので、所望の熱風流量を求めるのも容易にでき、確実な熱風循環が得られる。
【0020】
また、請求項2乃至4の何れかに記載のものにおいて、オーブン庫の扉側内面及び奥壁側内面と角皿周縁部との間に、夫々上下に連通する隙間からなる熱風通路を形成したことを特徴とする(請求項5の発明)。
【0021】
斯かる構成によれば、熱風生成ユニットを有する熱風供給側を除く三方に熱風通路が形成され、主たる対向壁側の熱風循環に対して、扉側及び奥壁側の両側方からの夫々の上下方向への熱風が流通することにより、温度が低下しがちな熱風循環路の戻りの熱風に対して、未だ高温の熱風を送り込みその温度低下を抑えると共に角皿に収容した被調理物を包み込むように熱風を供給できるので、加熱むらがなく仕上がり良好なオーブン調理ができる。
【0022】
そして、請求項5記載のものにおいて、オーブン庫奥壁側の熱風通路は、オーブン庫奥壁に内方に突出する突部を形成し、庫内に収納された角皿が前記突部に当接してその周縁部と奥壁との間に隙間を形成してなることを特徴とする(請求項6の発明)。
【0023】
斯かる構成によれば、角皿をオーブン庫内に挿入するだけで、突部との当接によって角皿の所定の収納位置決めと熱風通路としての隙間が確保できる。
【0024】
更にまた、請求項1記載のものにおいて、オーブン庫内に角皿を上下複数段に収納設置するための複数段の棚部を、オーブン庫の両側壁に一体に絞り成形し、このうち機械室側の側壁の棚部全域を背面から断熱性板体で覆った構成としたことを特徴とする(請求項7の発明)。
【0025】
斯かる構成によれば、熱風生成ユニットを熱源として当該側壁の棚部を経て角皿に熱伝導するのを抑えることができ、従って当該角皿が高温状態となって被調理物の仕上がりを阻害したり、高温状態の角皿の取り扱いに注意を要するなどの煩わしさを解消できる。
【0026】
そして、請求項7記載のものにおいて、熱風生成ユニットは、断熱性板体を介して取着したことを特徴とする(請求項8の発明)。
【0027】
斯かる構成によれば、熱風生成ユニットとオーブン庫側壁との間における不要な熱伝導を抑えると共に、該ユニットは側壁と断熱性板体との所謂二重壁構造に取着保持されるので堅固な構成となし得る。
【0028】
更に、請求項1記載のものにおいて、オーブン庫の両側壁に角皿を上下複数段に収納設置するための複数段の棚部を有し、このうちの少なくとも機械室側の棚部をがいしやセラミック等の断熱性部材で形成したことを特徴とする(請求項9の発明)。
【0029】
斯かる構成によれば、当該棚部のみを断熱性部材で形成するだけの簡単な構成にて、角皿への熱伝導を有効に抑えることができる。
【0030】
そして更に、請求項1記載のものにおいて、熱風生成ユニットは、ヒータ,送風ファン,これらヒータとファンを内蔵するファンケーシング,及びファンモータとを具備し、上記ファンケーシングとファンモータとの間に遮熱用のカバー部材を介在したことを特徴とする(請求項10の発明)。
【0031】
斯かる構成によれば、ヒータ内蔵のファンケーシングからの熱によって、近傍のファンモータはもとより、延いては機械室内の温度が上昇するのを効果的に抑えることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の加熱調理器を示す第1実施例につき、図1乃至図5を参照して説明する。
まず図2には、加熱調理器21の開扉状態の外観斜視図を示しており、外箱22内には前面開口する金属製のオーブン庫23、及びオーブン庫23の右側方に隣接する機械室24(図1参照)を区画形成しており、オーブン庫23の前面開口には透視窓25aを有する扉25が開閉自在に設けられ、また機械室24に対応する前面には操作パネル26が設けられている。
【0033】
そして図1は、加熱調理器21の概略横断面構造を示したもので、先の図2と併せ説明するに、オーブン庫23の左右側壁23a,23bには上下方向に複数段の例えば2段の棚部27が内方に突出するよう絞り成形されていて、特に左側の側壁23aについては図4に拡大して示すように、略中央部位に上下方向に延びる凹陥部28を絞り成形しており、従って該側壁23aに形成された棚部27は中央部分が寸断された形状としている。
【0034】
このように両側壁23a,23bに形成された2段の棚部27上面には、オーブン調理時に図1及び図5に示すように略正方形の金属製の角皿29がオーブン庫23の前面開口よりスライド収納されて設置される。この収納設置状態において、オーブン庫23の奥壁23cに角皿29が当接することで位置決めされるが、この角皿29の周縁部と奥壁23c内面との間には、上下方向に連通する熱風通路としての隙間30が形成されていて、本実施例では奥壁23cの左右端部に角皿29と当接する一部を残して略全面を凹陥部状に絞り成形してあり、一方、この奥壁23cと対向する扉25側の内面と角皿29周縁部との間にも熱風通路としての隙間31を有しており、該隙間31は開閉動作する扉25との衝突を避ける作用も併せ有する。従って、前記した左側の側壁23aに形成した凹陥部28も角皿29が設置された状態で上下方向に連通する熱風通路として機能し、以って図1からも理解できるようにオーブン庫23の右側の側壁23bを除く三つの内面において、角皿29との間に上下に連通する熱風通路が形成された構成を得る。
【0035】
ところで、機械室24に隣接するオーブン庫23の右側の側壁23bには、図5に示すように2段に設置された角皿29を境に上下方向に3区分された透孔群からなる、上段から上部吹出口32a,吸込口32b及び下部吹出口32cを扉25寄りの前方に形成している。そして、これら透孔群に対応して熱風生成ユニット33が機械室24側の空間を利用して装備されている。即ち、該ユニット33は、環状のシーズヒータからなるヒータ34と、このヒータ34の内側に配された遠心形の送風ファン35と、このファン35を回転駆動するファンモータ36を具備し、ヒータ34と送風ファン35は前記透孔群を囲繞するファンケーシング37で覆われ、このケーシング37に設けられたモータ取付板38に上記ファンモータ36が取着された構成としている。
【0036】
従って、斯かる熱風生成ユニット33が通電駆動されると、送風ファン35の回転駆動により、その略中心部位に対応する吸込口32bから吸気しつつ径方向外方に遠心送風され、これがヒータ34により加熱されて熱風として上,下部吹出口32a,32cからオーブン庫23内に供給される構成としている。尚、吹出口32a,32cから供給される熱風は、図1中に矢印で示すように本実施例ではオーブン庫23のやや奥側に指向して流れるよう設定してあり、これは例えば送風ファン41の回転方向、或いは吹出口32a,32cやファンケーシング37の形状によって流れに指向性を持たせることは容易にできる。
【0037】
また、前記機械室24内には、特に図3に示すように熱風生成ユニット33の奥側に位置してマグネトロン39が側壁23bに取着されていて、図示しないがオーブン庫23内に連通する励振口を経てマイクロ波を発信する構成にある。そしてこのマグネトロン39の下方にはインバータ制御用のプリント基板40が配設されていて、このプリント基板40及び上記マグネトロン39の後方に夫々冷却ファン41,42を設けており、マグネトロン39側の冷却ファン42による送風の一部はオーブン庫23内に連通する吸気ダクト43に送り込まれる。また冷却ファン41による送風は、プリント基板40を冷却した後、ファンケーシング37に立設されたガイド部材44により分岐され、一方は熱風生成ユニット33の特にファンモータ36の冷却用に使用した後に機外に排出され、他方は操作パネル26等の冷却用に使用して機外に排出され、総じて機械室24内を冷却する機能を構成している。
【0038】
上記のように構成された本実施例の加熱調理器21において、例えばクッキーやロールパン等のオーブン調理する場合につき述べるに、2個の角皿29に被調理物(生地)を収容載置し、これをオーブン庫23内に上下2段に設けた各棚部27上にスライドさせるようにして奥壁23cの両端部に当接する位置まで収納して設置する。そして扉25を閉じた後、操作パネル26によりメニュー選択などの設定操作を行いスタート操作する。
【0039】
これによって、熱風生成ユニット33のヒータ34及びファンモータ36に通電され、送風ファン35の回転駆動により生成された熱風は、図1及び図5の矢視方向に流れる。即ち、オーブン庫23内の空気が側壁23bの吸込口32bよりファンケーシング37内に取り込まれ、該ケーシング37内でヒータ34により加熱されて熱風となり、側壁23bの上,下部吹出口32a,32cよりオーブン庫23内に供給される。このうち、上部吹出口32aからの熱風は、庫内奥方に若干指向しながらも上段の角皿29の上部空間を対向壁である側壁23a側に向って流れ、該側壁23aに至って熱風通路としての凹陥部28より下方に流れて上下2段の角皿29間に回り込み、そして再び側壁23bの吸込口32bよりファンケーシング37内に吸い込まれ、ヒータ34により加熱されて熱風化され、この繰り返しによる所謂熱風循環が行われる。一方、下部吹出口32cからの熱風は、下段の角皿29の下部空間を流れて凹陥部28に至り、上方に回り込み上記同様にして熱風循環が行われる。
【0040】
ところが、本実施例では、角皿29を収納設置した状態でオーブン庫23内面の奥側には隙間30を有し、また前側の扉25内面にも隙間31を有する、所謂熱風通路を構成しているので、一部の熱風はこれら隙間30,31からも流れることとなり、上段の角皿29上面の熱風は下方に流れ込み、また下段の角皿29下面の熱風は上方に流れ込み、この結果、上下段の角皿29間には、熱風生成ユニット33を有する側壁23bと対向する側壁23a側と、奥壁23c側及び前方の扉25側の三方から熱風の供給を受けることになり、熱風の戻入側末路における温度低下現象を是正して加熱むらのない熱風循環作用を得る。
【0041】
このようにして、オーブン庫23内に供給された熱風により角皿29に収容された被調理物が満遍なく加熱されオーブン調理される。そしてこのオーブン調理している間、少なくとも冷却ファン41が駆動されて、その冷却風によりプリント基板40、及びガイド部材44により分流されて熱風生成ユニット33と操作パネル26側の冷却を主体に機械室24内の冷却作用が行われる。
【0042】
このように本実施例によれば、オーブン調理を行うための熱風生成ユニット33をマグネトロン39等の電装部品を収容配備した機械室24に装備したことによって、機械室24の空間を有効活用できると共に、機械室24内に各種電装部品を冷却するために設けてある冷却ファン41を利用して、熱風生成ユニット33のファンモータ36の冷却も兼用できるので、従来必要としていたファンモータ専用の冷却ファンを削減できて安価に提供でき、しかも、その分軸方向の寸法を縮小化できるので、該機械室24は従来と同等の大きさ、或いは少なくとも大形化するのを最小限に抑えることができる。のみならず、従来の如き加熱調理器21たる製品の後面部の突出形状がなくなり、外観的に良くなると共に従来に比して奥行き寸法Z1 が大幅に小さくなって製品の外形寸法及び設置面積を大いに縮小できるので、オーブン庫23が占める庫内容積率が大きな加熱調理器21を提供できる。
【0043】
また、熱風生成ユニット33はオーブン庫23に対し側方に配置し、且つ機械室24内の前方たる扉25寄りに設け、そしてマグネトロン39を後方たる奥側に離間配置して機械室24内の空間を巧みに活用すると共に、熱風生成ユニット33からの熱風吹出し方向を庫内奥側に指向させたので、扉25側からの熱の逃げを防ぐのに有効である。その上、庫内の熱風循環路としては従来の一方向性に対し、オーブン庫23内への熱風供給側である右側壁23bを除く他の三方に上下方向に連通する熱風通路としての隙間30,31及び凹陥部28を設けたので、これら隙間30,31を通じて熱風戻入側の温度低下区域に未だ高温の熱風を送り込むことができて、庫内熱風循環路全体における温度むらをなくし、従って被調理物に対し包み込むように熱風を供給できて加熱むらがなくなり、仕上がり良好なオーブン調理ができる。
【0044】
上記の構成に対し、図6乃至図10は本発明の第2乃至第5実施例を示すもので、夫々上記第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図6は本発明の第2実施例を示すもので、上記第1実施例における熱風通路として熱風生成ユニット33と対向する側壁23aに形成した凹陥部28に代えて、本実施例では側壁23aの上下方向に亘ってにパンチング部45を穿設してなる構成にある。即ち、パンチング部45は、オーブン庫23内に上下2段に収納設置される角皿29により、三つに仕切られる庫内区分に対応して形成された複数の透孔群からなる連通孔45a, 45b,45cからなり、この側壁23aを背面から外側板46にて覆い、内部に各連通孔45a,45b,45c間が連通する内部空間47を形成した構成にある。従って、このうち上,下部の連通孔45a,45cは熱風供給側の側壁23bの上,下部吹出口32a,32cに夫々対向し、また中間位置の連通孔45bは吸込口32bと対向する位置関係にある。
【0046】
上記構成の第2実施例において、オーブン調理する場合、熱風生成ユニット33にて加熱された熱風は、側壁23bの上,下部吹出口32a,32cから庫内に供給され、対向する側壁23aの連通孔45a,45cから空間47内に流入した後、中間位置の連通孔45bから庫内に戻り吸込口32bを経てファンケーシング37内にて加熱されるという熱風循環が行われ、上記第1実施例と実質的に同じ熱風循環路が形成される。従って、本実施例においてもパンチング部45を設けてなる側壁23a側の熱風通路と、他の奥壁23c側及び扉25側の各隙間30,31からなる熱風通路による熱風循環も付加されて、熱風は庫内全般に速やかに行き渡り、角皿29に収容された被調理物に対し包み込むように熱風を供給して加熱むらのないオーブン調理ができる。
【0047】
このように本実施例においても、上記第1実施例と同様の作用効果を奏すると共に、本実施例ではパンチング部45は側壁23aの広い範囲にて形成できるので、その流通面積たる透孔数或いは孔径を変えることで所望の熱風流量を容易に設定できる点で有利である。
【0048】
(第3の実施の形態)
図7に示す第3実施例においては、上記第1実施例における熱風通路としての奥壁23c側に隙間30を絞り成形した構成に対し、本実施例では該奥壁23cに内方に突出する突部48を適数個形成した点で異なり、即ち、庫内に収納される角皿29の設置高さに対応して局部的に突部48を形成することによって、該突部48に角皿29が当接することで、角皿29の収納位置が決められ、同時にその周縁部と奥壁23cとの間に上下に連通する所定の隙間49を確保し、以って熱風通路として機能するようにしたものである。
このような本実施例においても、上記第1実施例と同様の作用効果を奏するものである。
【0049】
(第4の実施の形態)
図8及び図9は本発明の第4の実施例を示し、特に熱風生成ユニット33が有するヒータ34に対する遮熱構造に関するもので、熱風生成ユニット33を取着する側壁23bに対し、絞り成形した上下2段の棚部27背面の全域を含む矩形の断熱性板体50を背面から宛がい、これをファンケーシング37で挟持するようにネジ51で締付け固定してなり、例えば図9にその固定部位の一部を示したように棚部27背面の凹所内にネジ51の突出先端が収まるようにしている。勿論、該板体50には、各熱風吹出口32a,32c及び吸込口32bに対応する位置に、夫々これらを包含する大きさの開口部50a,50c及び50bを形成していて、熱風の流通を妨げないようにしている。
更には、ファンケーシング37とファンモータ36との間に、該ファンケーシング37を空隙を存して覆うように断熱性のカバー部材52を適宜の固定手段により設けており、これは前記ネジ51止め手段を流用するようにしても良い。
【0050】
上記構成の第4実施例においては、熱風生成ユニット33をオーブン庫23側方の機械室24に設けたことにより危惧される点を解消したもので、即ち、オーブン調理時には側壁23bは近傍のヒータ34により高温化され、該側壁23bの各棚部27を経て金属板製の角皿29に熱伝導して、これに収容した被調理物を必要以上に焦がしたり、或いは調理後における高温状態の角皿29の取り扱いを煩わしくする憂いが生ずる。しかるに本実施例によれば、棚部27全域を背面から包含する大きさの断熱性板体50を設けたので、側壁23bはもとより当該棚部27への熱伝導を抑制し、角皿29への熱的影響を軽減できる。
【0051】
また、送風ファン35と共に上記ヒータ34を内蔵したファンケーシング37も、該ヒータ34により高温状態となり、特に近接したファンモータ36への熱的悪影響、並びに機械室24内の温度上昇を助長し他の電装部品への悪影響も考慮されるが、本実施例では、ファンケーシング37を覆うように断熱性のカバー部材52を被着したので上記した熱的影響も解消でき、しかもファンモータ36に対し第1実施例で述べたように他の冷却ファン41による冷却作用で対処できて従来の如き当該モータ36専用の冷却ファンの削減に寄与し得るものである。従って、本実施例によれば、熱風生成ユニット33をオーブン庫23側方の機械室24側に配置した構成に伴うヒータ34による熱的影響に対しても、何ら問題なく対処できるばかりか、該ユニット33を機械室24側に装備したことの種々の特徴を生かし得るものである。更には、断熱性板体50を設けたことにより、側壁23cと併せて所謂二重壁構造となり、これに熱風生成ユニット33を取着保持する構成が堅固に提供できる。
【0052】
(第5の実施の形態)
図10は本発明の第5実施例を示したもので、これは上記第4実施例においてオーブン庫23の両側壁23a,23bに設けた棚部27に対し、本実施例では少なくとも熱風生成ユニット33を設けた機械室24側の側壁23bが有する棚部53を、碍子やセラミック等の断熱性部材で形成して取付け固定した構成である。
【0053】
斯かる構成によれば、上記第4実施例で述べたところの、ヒータ34からの角皿29への熱伝導を断熱性部材の棚部53のみの簡単な構成にて効果的に遮断することができ、上述した如き熱的影響に対し有効に回避できる。
尚、本発明は上記し且つ図面に示した各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて適宜変更して実施できるものである。
【0054】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、オーブン庫内に熱風を供給する熱風生成ユニットを、マグネトロンや冷却ファンと共にオーブン庫側方の機械室側に配置したことにより、該機械室の空間を有効活用でき、該ユニットの冷却作用も冷却ファンを兼用することも可能でコンパクト化に有効であり、しかも従来の如き外箱の後面板の一部が後方に突出することもなくなるので、小さな設置面積にて庫内容積率を大きくできると共に外観意匠も良好となり、更には機械室内にて配線処理を簡易にできる。
更に具体的構成において、熱風生成ユニットとマグネトロンとを共にオーブン庫側壁に取付けることで、組立行程が簡素化でき作業効率が良くなる利点を有し、また前方の扉寄りに配置された熱風生成ユニットから熱風がオーブン庫内奥側に向けて供給されるので、庫内全域に熱風を循環させるに有効であると共に、供給された熱風が前面の扉に直接吹き付けることもないので、該扉から伝熱的に熱が逃げるのを抑えるにも有効となるなどの実用的効果を有する加熱調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す横断平面図
【図2】開扉状態の外観斜視図
【図3】外箱を破断して機械室の構成を示す側面図
【図4】オーブン庫の一部を拡大して示す斜視図
【図5】熱風循環路の説明図
【図6】本発明の第2実施例を示す要部の断面図
【図7】本発明の第3実施例を示す概略縦断面図
【図8】本発明の第4実施例を示す要部の断面図
【図9】一部拡大して示す異なる位置における断面図
【図10】本発明の第5実施例を示す図8相当図
【図11】従来例を示す図1相当図
【図12】図5相当図
【符号の説明】
21は加熱調理器、22は外箱、22aは後面板、23はオーブン庫、23a,23bは側壁、23cは奥壁、24は機械室、25は扉、26は操作パネル、27,53は棚部、28は凹陥部(熱風通路)、29は角皿、30,31,49は隙間(熱風通路)、32a,32cは上,下部吹出口、32bは吸込口、33は熱風生成ユニット、34はヒータ、35は送風ファン、36はファンモータ、37はファンケーシング、39はマグネトロン、41,42は冷却ファン、45はパンチング部、45a,45b,45cは連通孔、48は突部、50は断熱性板体、及び52はカバー部材を示す。
Claims (10)
- 外箱内に形成され前面開口部に開閉扉を有するオーブン庫と、このオーブン庫の側方に隣接され電装部品や冷却ファンを配設した機械室と、この機械室内に配置され前記オーブン庫内の被調理物に対しマイクロ波調理するためのマグネトロン及び熱風循環によりオーブン調理するための熱風生成ユニットとを備え、この熱風生成ユニットとマグネトロンはオーブン庫側壁の機械室側に離間して設けられ、そのうち熱風生成ユニットは前記機械室内の前方の扉寄りに配置し、マグネトロンは奥側に配置すると共に、熱風生成ユニットからの熱風吹出し方向をオーブン庫内奥側に指向させたことを特徴とする加熱調理器。
- オーブン庫内の両側壁に複数段の棚部を形成し、この各棚部に角皿を収納設置した状態で、熱風生成ユニットと対向する側のオーブン庫側壁と角皿周縁部との間に上下方向に連通する熱風通路を形成したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 熱風通路は、オーブン庫側壁の庫内に上下方向に延びる凹陥部を形成してなることを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
- 熱風通路は、オーブン庫側壁に上下方向に亘ってパンチング部を形成すると共に、該パンチング部を背面から覆った構成からなることを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
- オーブン庫の扉側内面及び奥壁側内面と角皿周縁部との間に、夫々上下に連通する隙間からなる熱風通路を形成したことを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の加熱調理器。
- オーブン庫奥壁側の熱風通路は、オーブン庫奥壁に内方に突出する突部を形成し、庫内に収納された角皿が前記突部に当接してその周縁部と奥壁との間に隙間を形成してなることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
- オーブン庫内に角皿を上下複数段に収納設置するための複数段の棚部を、オーブン庫の両側壁に一体に絞り成形し、このうち機械室側の側壁の棚部全域を背面から断熱性板体で覆った構成としたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 熱風生成ユニットは、断熱性板体を介して取着したことを特徴とする請求項7記載の加熱調理器。
- オーブン庫の両側壁に角皿を上下複数段に収納設置するための複数段の棚部を有し、このうちの少なくとも機械室側の棚部を碍子やセラミック等の断熱性部材で形成したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 熱風生成ユニットは、ヒータ,送風ファン,これらヒータとファンを内蔵するファンケーシング、及びファンモータとを具備し、上記ファンケーシングとファンモータとの間に遮熱用のカバー部材を介在したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
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