JP3785964B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車やトラック等に搭載される車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両用交流発電機では、回転子の回転軸の一方端近傍に形成されたスリップリングへの水や油などの浸入を防止するとともに、スリップリングにブラシを摺動させることにより発生するブラシの摩耗粉を排出するために、シール部材を介して組み付けられたブラシホルダとスリップリングカバーが用いられている。例えば、特開平9−182353号公報には、リヤフレームのフランジ部に摩耗粉排出穴を形成した車両用交流発電機が開示されている。この車両用交流発電機では、ブラシホルダとリヤカバーの間にラビリンスパッキンを挟んでブラシ装置を組み付けることによりスリップリング周辺の気密性を高めて異物侵入を防止するとともに、スリップリングにブラシを摺動させることにより発生するブラシ摩耗粉をこの摩耗粉排出穴から排出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した公報に開示された従来の車両用交流発電機では、1箇所に摩耗粉排出穴が形成されているだけであるため、粘性の高い泥等が付着するとこの摩耗粉排出穴が塞がれて、ブラシの摩耗粉が排出されなくなってしまうおそれがあった。摩耗粉排出穴が塞がれると、スリップリング周辺の空気の流れが遮断されるため、スリップリングやブラシの温度が上昇する。このため、回転子の励磁電流が少なくなって、車両用交流発電機の発電能力の低下に至るため、何らかの対策が必要となる。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、スリップリング周辺に生じるブラシの摩耗粉を確実に排出することができる車両用交流発電機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の車両用交流発電機は、スリップリングに摺動するブラシを収納するとともにスリップリングの外周部をスリップリングカバーによって覆うブラシ装置を有しており、回転軸の軸方向に開口する第1の開口部を有する第1の摩耗粉排出通路と回転軸の径方向に開口する第2の開口部を有する第2の摩耗粉排出通路とがそれぞれ形成されている。開口部の向きが異なる2種類の摩耗粉排出通路を備えることにより、これら2つの開口部が同時に塞がれる確率を大幅に低減することが可能になる。したがって、少なくとも一方の開口部を通して、スリップリング周辺に生じるブラシの摩耗粉を確実に排出することができる。
【0006】
また、上述した第1の開口部の周辺に、この第1の開口部を通して内部空間に異物が侵入することを防止する異物侵入防止部をさらに備えることが望ましい。通常、車両用交流発電機は、回転軸が水平方向になるように車両に搭載されるため、回転軸に沿った第1の開口部には、その位置関係によっては、その周囲の壁面等を伝って水等の異物が侵入しやすくなる場合があるが、第1の開口部の周辺に異物侵入防止部を形成することにより、このような異物の侵入を有効に防止することができる。
【0007】
また、上述した回転子は、スリップリングが形成された側に冷却用のファンを有しており、第2の開口部の面積を第1の開口部の面積よりも小さく設定するとともに、第2の開口部を第1の開口部よりもファンに近い位置に形成することが望ましい。ファンに近く、大きな負圧が発生する第2の開口部の面積を第1の開口部の面積よりも小さくすることにより、第1の摩耗粉排出通路によるブラシ摩耗分の排出能力と第2の摩耗粉排出通路によるブラシ摩耗粉の排出能力を近づけたり、ほぼ同じに設定することができるため、内部空間のブラシ摩耗粉を2つの摩耗粉排出通路を通してバランスよく排出することができる。これにより、それぞれの摩耗粉排出通路近傍において完全に排出されずに堆積するブラシ摩耗粉の量をほぼ同じにすることができ、一方の摩耗粉排出通路のみに未排出のブラシ摩耗粉が多量に堆積することを防止することができる。
【0008】
また、上述した第2の開口部は、車両搭載時に天方向とほぼ反対側の位置に形成することが望ましい。径方向に形成された第2の開口部を天方向とほぼ反対側(ほぼ地側)に配置することにより、この第2の開口部を通して内部空間に異物が侵入することを防止することができる。また、粘性の高い泥等の異物がこの第2の開口部近傍に付着した場合であっても、車両用交流発電機自体の振動あるいはエンジンから伝わる振動によってこの異物が振り落とされることになるため、第2の開口部が塞がれることを防止することができる。
【0009】
また、上述した回転子を保持するフレームに、第1および第2の摩耗粉排出通路を一体成形することが望ましい。一体成形により部品点数の増加がなく、製造コスト、組み付けコスト等を下げることができる。
また、上述した第2の摩耗粉排出通路は、第1の摩耗粉排出通路から回転軸の周方向にオフセットされた位置に形成されていることが望ましい。これにより、第1および第2の摩耗粉排出通路の各開口部が同時に塞がれる確率をさらに低くすることができるため、スリップリング周辺に生じるブラシの摩耗粉の排出をさらに確実に行うことが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、車両用交流発電機の全体構成を示す図である。図1に示す車両用交流発電機1は、固定子2、回転子3、フレーム4、ブラシ装置5、リヤカバー6等を含んで構成されている。
【0011】
固定子2は、固定子鉄心22と、3相の固定子巻線23と、固定子鉄心22と固定子巻線23との間を電気絶縁するインシュレータ24とを備えている。
回転子3は、絶縁処理された銅線を円筒状かつ同心状に巻き回した界磁巻線31を、それぞれが6個の爪部を有するポールコア32によって、回転軸33を通して両側から挟み込んだ構造を有している。また、フロント側のポールコア32の端面には、フロント側から吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すための冷却ファン35が溶接等によって取り付けられている。同様に、リヤ側のポールコア32の端面には、リヤ側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すための冷却ファン36が溶接等によって取り付けられている。また、回転軸33のリヤ側端部近傍には、界磁巻線31の両端に電気的に接続された2つのスリップリング37、38が形成されており、これらのスリップリング37、38を介してブラシ装置5から界磁巻線31に対して給電が行われる。
【0012】
フレーム4は、固定子2および回転子3を収容しており、回転子3が回転軸33を中心に回転可能な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコア32の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子2が固定されている。また、フレーム4は、固定子鉄心22の軸方向端面から突出した固定子巻線23に対向した部分に冷却風の吐出窓42を有し、軸方向端面に吸入窓41を有している。
【0013】
ブラシ装置5は、2つのスリップリング37、38のそれぞれに摺接する2つのブラシ51、52を収納するブラシホルダ53と、ブラシホルダ53とともにスリップリング37、38の外周を覆うスリップリングカバー54と、組み付け時にブラシホルダ53およびスリップリングカバー54の軸方向端部に配置されてスリップリング37、38の周辺に形成される空間の気密性を高める2つのシール部材55、56とを含んで構成されている。これらシール部材55、56は、板状のゴム材料によって形成されている。
【0014】
リヤカバー6は、リヤ側のフレーム4の外側に取り付けられるブラシ装置5や整流装置およびICレギュレータを覆うように取り付けられ、これらを異物から保護する。このリヤカバー6は、樹脂材料によって形成されており、同心円に沿って形成された複数の吸入窓と、フレーム4に取り付けられた3本のボルト43が貫通する3個の取付孔と、これら3つの取付孔を含む領域に埋設されたインサート金具とを有している。ブラシ装置5およびその近傍のフレーム4とリヤカバー6の詳細構造については後述する。
【0015】
上述した構造を有する車両用交流発電機1は、ベルト等を介してプーリ20にエンジン(図示せず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に回転する。この状態で回転子3の界磁巻線31に外部から励磁電圧を印加することにより、ポールコア32のそれぞれの爪部が励磁され、固定子巻線23に3相交流電圧を発生させることができ、出力端子10からは所定の直流電流が取り出される。
【0016】
次に、ブラシ装置5およびリヤカバー6の詳細構造について説明する。図2は、ブラシホルダ53とスリップリングカバー54との組み付け状態を示すブラシ装置5の斜視図である。また、図3はブラシ51、52を組み付ける前のブラシホルダ53の斜視図、図4はスリップリングカバー54の斜視図である。
【0017】
熱硬化性樹脂よりなるブラシホルダ53は、ブラシ51、52を収納するための第1収納部150とピグテールを収納するための第2収納部151とが形成された箱部152を備え、箱部152のスリップリング37、38側が、その表面積を拡大させるために、スリップリング37、38の外周面に沿った凹曲面状に形成された肉厚部153になっている。ブラシホルダ53は、箱部152の径方向に沿った両側の端面154に、金属板よりなる正極側および負極側の端子155を突出させて一体にモールド成形されている。また、肉厚部153の凹曲面状に形成された面の径方向における両端部には、軸方向の全長にわたって断面が長方形形状を有する凹部156が形成されており、肉厚部153の径方向に沿った両端面には、それぞれ2個ずつの凸部157が形成されている。
【0018】
スリップリングカバー54は、回転軸33の一方端側に形成されたスリップリング37、38を覆って保護するためのものであり、筒体の周の約1/4を取り除いた形状を有し、径方向の断面形状が円周の約3/4となる。したがって、スリップリングカバー54は、周方向に約3/4円を有する樹脂材料(例えばナイロン製)からなるほぼ円筒状の周壁160によって構成されている。この周壁160の周方向における両端部には、ブラシホルダ53の凹部156と嵌め合わされるための、軸方向に伸びる比較的薄肉のV字状凸部161が形成されている。また、V字状凸部161の外側には、ブラシホルダ53の凸部157と係合するかぎ状の突起部162が形成されている。
【0019】
ブラシ装置5は、スリップリングカバー54を固定しておいて、ブラシホルダ53の凹部156をスライドさせながらスリップリングカバー54のV字状凸部161に嵌め合わせることにより組み付けられる。ブラシ装置5は、このようにして組み付けられた状態で軸方向の両端面において段差が生じないように、ブラシホルダ53とスリップリングカバー54のそれぞれの軸方向長さが設定されている。例えば、図2および図3に示すように、ブラシホルダ53の箱部152と肉厚部153のリヤカバー6側の端面とスリップリングカバー54のリヤカバー6側端面のそれぞれが段差のない同一平面上に形成されている。また、少なくともブラシホルダ53の肉厚部153のフレーム4側の端面とスリップリングカバー54のフレーム4側端面とが段差のない同一平面上に形成されている。
【0020】
次に、リヤカバー6の詳細構造について説明する。図5は、リヤカバー6の平面図であり、ブラシ装置5等が収納されているフレーム4側からみた形状が示されている。
リヤカバー6は、ほぼ円形に形成された平面部64と、この平面部64の周囲を軸方向に延長した円筒部65とを有しており、円筒部65の一方端に形成される開口側にブラシ装置5等を収容してこれらを保護するようになっている。平面部64には、シール部材56を挟んでブラシ装置5と対向する領域に、1ヶ所以上の屈曲した形状を有する溝部66によって迷路構造が形成されている。
【0021】
図6は、迷路構造が形成された領域近傍の拡大図である。また、図7はこの迷路構造近傍の部分的な斜視図であり、ブラシ装置5等との対応関係が示されている。図6においてハッチングが付された領域69が、シール部材56によって覆われる領域であり、リヤカバー6に形成された溝部66とこの溝部66の開口を閉塞するように配置されるシール部材56とによって囲まれた迷路構造の空間によって換気通路67が形成される。換気通路67は、ブラシホルダ53、スリップリングカバー54とスリップリング37、38とによって挟まれた内部空間とブラシ装置5の外部のリヤカバー6内の空間とをつないでいる。この内部空間は、ブラシ装置5とその軸方向の両端面側に配置される2つのシール部材55、56とによって気密性が保たれており、回転子3を回転させてこの内部空間が負圧になると、換気通路67の一方端に形成された開口部68から吸入された空気が換気通路67を通ってこの内部空間に導かれて内部空間の換気が行われる。
【0022】
ところで、本実施形態の車両用交流発電機1は、上述したスリップリング37、38近傍の内部空間内に導かれた空気を排出するために、回転軸33に沿った向きに形成された第1の開口部と、径方向に沿った向きに形成された第2の開口部を有している。次に、これら2種類の開口部について詳細に説明する。
【0023】
図8は、リヤ側のフレーム4の外側形状を示す正面図である。また、図9は図8に示したフレーム4の中央近傍の部分的な拡大図である。図10は、リヤ側のフレーム4の内側形状を示す正面図である。
リヤ側のフレーム4には、回転子3に固定されたリヤ側の冷却ファン36の回転により、フレーム4の内部に冷却風を吸い込むための複数の吸入窓41がほぼ同一円周上で開口している。また、リヤ側のフレーム4の後側端部には、ブラシホルダ53の箱部152と肉厚部153のフレーム4側端面とスリップリングカバー54のフレーム4側端面とがシール部材55を挟んで接する領域にフランジ80が形成されている。また、このフランジ80に隣接し、ブラシ装置5を組み付ける際に、ブラシホルダ53の側面から突出した負極側の端子155が配置される位置に、ビス締めすることによりこの負極側の端子155等をフレーム4に電気的に接続して固定するための台座82が形成されている。
【0024】
また、リヤ側のフレーム4には、回転軸33に沿った向きであって車両用交流発電機1を車両に組み付けた際の天方向に対してほぼ90°となる位置でリヤカバー6側に開口した開口部84を有する第1の摩耗粉排出通路85と、天方向とほぼ反対向き(ほぼ地方向であって、正確には地方向に対して15°ずれた向き)に開口した開口部86を有する第2の摩耗粉排出通路87が形成されている。このように、本実施形態では、第2の摩耗粉排出通路87が、第1の摩耗粉排出通路85の位置から回転軸33の周方向にオフセットされた位置に形成されている。
【0025】
図11は、回転軸33に沿った向きに開口部84を有する一方の摩耗粉排出通路85を含む拡大断面図であり、図9に示すO−XI線を含む断面であってブラシ装置5やリヤカバー6等が組み付けられた状態が示されている。図11において、点線の矢印は、スリップリング37、38近傍の内部空間内に吸い込まれて摩耗粉排出通路85を通して排出される空気の流れを示している。
【0026】
摩耗粉排出通路85の開口部84は、ほぼ同じ大きさに3分割されており、それらを囲むように凸形状の異物侵入防止部としての外壁部88が形成されている。この外壁部88は、少なくとも天方向からリヤ側のフレーム4の後側端面およびスリップリングカバー54に沿った異物の侵入を防止するためのものであり、開口部84の周囲であって、天方向とスリップリングカバー54に対向する範囲を含むように形成されている。
【0027】
図12は、径方向に沿った向きに開口部86を有する他方の摩耗粉排出通路87を含む拡大断面図であり、図9に示すO−XII線を含む断面であってブラシ装置5やリヤカバー6等が組み付けられた状態が示されている。図12において、点線の矢印は、スリップリング37、38近傍の内部空間内に吸い込まれて摩耗粉排出通路87を通して排出される空気の流れを示している。
【0028】
摩耗粉排出通路87は、リヤ側のフレーム4の内側端部の一部に径方向に沿って形成された溝部(凹部)を、その開口側に軸受け89を配置して塞ぐことにより構成されている。この摩耗粉排出通路87の開口部86は、上述した摩耗粉排出通路85の開口部84に比べて面積が約1/3に設定されている。また、この摩耗粉排出通路87の開口部86は、上述した摩耗粉排出通路85の開口部84よりもリヤ側の冷却ファン36に近い位置に形成されており、冷却ファン36を回転させたときに生じる負圧は、面積が大きな開口部84近傍よりも面積が小さな開口部86近傍の方が大きくなるように設定されている。
【0029】
このように、本実施形態の車両用交流発電機1では、開口部の向きが異なる2種類の摩耗粉排出通路85、87が形成されているため、泥水等の異物がリヤカバー6内部に侵入した場合にこれらの2つの開口部84、86が同時に塞がれる確率を大幅に低減することができる。したがって、少なくとも一方の開口部を通して、スリップリング37、38の周辺で発生するブラシ摩耗粉を確実に排出することができる。特に、回転軸33に沿った一方の開口部84の周辺に異物侵入防止部としての外壁部88が形成されているため、リヤ側のフレーム4の後側端面やスリップリングカバー54の外周面に沿って異物がこの開口部84に侵入することを有効に防止することができる。
【0030】
また、リヤ側の冷却ファン36に近く、大きな負圧が発生する径方向に沿った開口部86の面積を回転軸33に沿った開口部84の面積よりも小さくすることにより、開口部86につながった摩耗粉排出通路87によるブラシ摩耗分の排出能力と開口部84につながった摩耗粉排出通路85によるブラシ摩耗粉の排出能力を近づけたり、ほぼ同じに設定することができるため、内部空間のブラシ摩耗粉を2つの摩耗粉排出通路85、87を通してバランスよく排出することができる。これにより、それぞれの摩耗粉排出通路85、87近傍において完全に排出されずに堆積するブラシ摩耗粉の量をほぼ同じにすることができ、一方の摩耗粉排出通路のみに未排出のブラシ摩耗粉が集中して堆積することを防止することができる。
【0031】
また、径方向の開口部86を天方向とほぼ反対側(ほぼ地方向)に配置することにより、この開口部86を通して内部空間に異物が侵入することを防止することができる。しかも、粘性の高い泥等の異物がこの開口部86近傍に付着した場合であっても、車両用交流発電機1自体の振動あるいはエンジンから伝わる振動によってこの異物が振り落とされやすくなり、開口部86が塞がれることを防止することができる。
【0032】
また、上述した摩耗粉排出通路85、87をフレーム4の一部として一体成形することにより、部品点数を減らすことができるため、製造コスト、組み付けコスト等を下げることができる。
また、2つの開口部84、86が形成されているため開口部全体の面積を従来よりも大きくすることが容易であり、空気やブラシ摩耗粉の排出能力を高めることにより、ブラシ温度を低減することができる。
【0033】
また、第2の摩耗粉排出通路87の形成位置を、第1の摩耗粉排出通路85の形成位置から回転軸33の周方向にオフセットすることにより、すなわち径方向に沿ってずらすことにより、これら2種類の摩耗粉排出通路85、87の各開口部が同時に塞がれる確率をさらに低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用交流発電機の全体構成を示す図である。
【図2】ブラシホルダとスリップリングカバーとの組み付け状態を示すブラシ装置の斜視図である。
【図3】ブラシを組み付ける前のブラシホルダの斜視図である。
【図4】スリップリングカバーの斜視図である。
【図5】リヤカバーの内側から見た平面図である。
【図6】迷路構造が形成された領域近傍のリヤカバーの部分的な拡大図である。
【図7】迷路構造近傍の部分的な斜視図である。
【図8】リヤ側のフレームの外側形状を示す正面図である。
【図9】図8に示したフレームの中央近傍の部分的な拡大図である。
【図10】リヤ側のフレームの内側形状を示す正面図である。
【図11】回転軸に沿った向きに開口部を有する一方の摩耗粉排出通路を含む拡大断面図である。
【図12】径方向に沿った向きに開口部を有する他方の摩耗粉排出通路を含む拡大断面図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機
2 固定子
3 回転子
4 フレーム
5 ブラシ装置
6 リヤカバー
37、38 スリップリング
51、52 ブラシ
53 ブラシホルダ
54 スリップリングカバー
55、56 シール部材
80 フランジ
84 開口部(軸方向)
85 摩耗粉排出通路(軸方向)
86 開口部(径方向)
87 摩耗粉排出通路(径方向)
88 外壁部
Claims (6)
- 回転子の回転軸に設けられたスリップリングに摺動するブラシを収納するとともに前記スリップリングの外周部をスリップリングカバーによって覆うブラシ装置を有する車両用交流発電機において、
吸入された空気を前記スリップリングカバーによって形成される内部空間に導く換気通路と、
前記回転軸の軸方向に開口する第1の開口部を有し、前記スリップリングと前記ブラシとの摺動により発生する摩耗粉を前記スリップリングカバーによって形成される内部空間から外部ヘ排出する第1の摩耗粉排出通路と、
前記回転軸の径方向に開口する第2の開口部を有し、前記スリップリングと前記ブラシとの摺動により発生する摩耗粉を前記スリップリングカバーによって形成される内部空間から外部へ排出する第2の摩耗粉排出通路と、
を備えることを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1において、
前記第1の開口部の周辺に、この第1の開口部を通して前記内部空間に異物が侵入することを防止する異物侵入防止部を備えることを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1または2において、
前記回転子は、前記スリップリングが形成された側に冷却用のファンを有しており、
前記第2の開口部の面積を前記第1の開口部の面積よりも小さく設定するとともに、前記第2の開口部を前記第1の開口部よりも前記ファンに近い位置に形成することを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記第2の開口部は、車両搭載時に天方向とほぼ反対側の位置に形成されることを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記回転子を保持するフレームを備えており、
前記第1の摩耗粉排出通路と前記第2の摩耗粉排出通路を前記フレームに一体成形することを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記第2の摩耗粉排出通路は、前記第1の摩耗粉排出通路から前記回転軸の周方向にオフセットされた位置に形成されていることを特徴とする車両用交流発電機。
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