JP3784501B2 - ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低空気透過性官能基加硫性ゴム(以下、「官能基加硫性ゴム」ともいう)と炭素−炭素二重結合加硫性ゴム(以下、「二重結合加硫性ゴム」ともいう)とを含むゴム組成物であって、低空気透過性に劣ることのないゴム成形物を提供し、かつ他のジエン系ゴム組成物とのあいだの加硫接着性にすぐれたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴム成分として単一のゴムを使用するゴム組成物ではえられない性能を引き出すため、またえられるゴム組成物の加工性の向上や原材料のコストダウンを図るためにも2種類以上のゴムをブレンドするという手法が行なわれている。
【0003】
タイヤの分野においても、とくにインナーライナー、ケースなどには、低空気透過性および他のジエン系ゴム組成物との加硫接着性が必要とされるため、低空気透過性を付与しうるゴムと他のゴムとの2種類以上のゴムをブレンドしてえられるゴム組成物が用いられている。
【0004】
しかし、より低空気透過性を向上させるために低空気透過性ゴムと他のゴムからなるゴム組成物において低空気透過性ゴムの配合割合を、たとえば該低空気透過性ゴムがゴム成分の50重量%以上になるように増やすと、えられるゴム組成物と他のジエン系ゴム組成物との加硫接着性が著しく低下してしまうという問題があった。
【0005】
一方、特願平8−121766号明細書は、官能基加硫性ゴムと二重結合加硫性ゴムとの2種類以上のゴムからなるゴム組成物に関し、2段階の混練りを行なって選択的に加硫した官能基加硫性ゴムを含むゴム組成物をうる技術を開示しており、該ゴム組成物を成形後に加硫することにより二重結合加硫性ゴムも加硫されて未加硫状態のゴムを含まないゴム成形物をうることができる。
【0006】
そこで、本発明者らは、前記事実に鑑み、低空気透過性の官能基加硫性ゴムと二重結合加硫性ゴムという特定のゴムの組合わせを特定の配合割合で用い、かつ前記2段法を採用することにより、他のジエン系ゴム組成物との加硫接着性にすぐれ、かつ低空気透過性に劣ることのないゴム成形物を提供しうるゴム組成物をうる方法にたどりついた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、他のジエン系ゴム組成物との加硫接着性にすぐれ、かつ低空気透過性に劣ることのないゴム成形物を提供しうるゴム組成物をうることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)少なくとも1種の低空気透過性官能基加硫性ゴムと該官能基加硫性ゴムを加硫しうる硬化剤とを、該官能基加硫性ゴムが加硫しない温度範囲内で混練りし、(b)えられる混練物に、前記官能基加硫性ゴム100重量部に対して25〜101.5重量部の少なくとも1種の炭素−炭素二重結合加硫性ゴムを、前記官能基加硫性ゴムが加硫しうる温度範囲内で混練りしながら前記官能基加硫性ゴムを選択的に加硫してえられる、空気透過性が8.46〜26.3cm 3 ・cm/cm 2 ・sec・cmHgで、加硫接着性が18.9〜74.6kgf/25mmのゴム組成物に関する。
【0009】
前記官能基加硫性ゴムの有する官能基としては水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアナート基、エポキシ基、酸無水物基、ハロゲン原子(フッ素系ポリマー中のフッ素原子を含む)、エステル基、クロロスルホン基、メチロール基、スルホン酸塩基および/またはニトリル基であるのが好ましく、硬化剤としては有機硬化剤および/または無機硬化剤を用いることができる。
【0010】
前記官能基加硫性ゴムとしてはイソブチレン/p−メチルスチレン共重合体ゴムの臭素化物、クロロブチルゴムおよび/もしくはブロモブチルゴムであるのが好ましい。
【0011】
前記硬化剤のうち、有機硬化剤としてはポリアミン、ポリカルボン酸またはポリオール、無機硬化剤としてはMg、Zn、CaもしくはBaの二価の金属の酸化物、炭酸塩または水酸化物があげられる。有機硬化剤はN,N′−ジエチルチオ尿素であるのが好ましい。
【0012】
また前記(a)の混練温度範囲が40〜90℃であり、(b)の混練温度範囲が90〜140℃であり、かつ(a)の混練温度が(b)の混練温度よりも低いのが好ましく、さらには、前記(a)の混練温度範囲が60〜90℃であり、(b)の混練温度範囲が100〜120℃であり、かつ(a)の混練温度が(b)の混練温度よりも低いのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、(a)少なくとも1種の低空気透過性官能基加硫性ゴムと該官能基加硫性ゴムを加硫しうる硬化剤とを、該官能基加硫性ゴムが加硫しない温度範囲内で混練りし、(b)えられる混練物に、前記官能基加硫性ゴム100重量部に対して25〜101.5重量部の少なくとも1種の炭素−炭素二重結合加硫性ゴムを、前記官能基加硫性ゴムが加硫しうる温度範囲内で混練りしながら前記官能基加硫性ゴムを選択的に加硫してえられる、空気透過性が8.46〜26.3cm 3 ・cm/cm 2 ・sec・cmHgで、加硫接着性が18.9〜74.6kgf/25mmのゴム組成物に関する。
【0014】
本発明において官能基加硫性ゴムと二重結合加硫性ゴムとは、前者は本発明のゴム組成物からえられるゴム成形物にすぐれた低空気透過性を付与することができ、かつ官能基が架橋点となるものであり、後者はジエン系ゴムと親和性を有し、本発明のゴム組成物に他のジエン系ゴムとのすぐれた加硫接着性を付与することができ、かつ炭素−炭素二重結合が架橋点となるものである点で異なる。
【0015】
前記官能基加硫性ゴムは官能基が架橋点となりうるものであればよい。炭素−炭素二重結合を有していてもよいが、そのばあい、不飽和度が50以下、好ましくは30以下であるのがよく、さらに官能基が特異的に架橋点となりうるためにも25以下の低不飽和(高飽和)であるのが好ましい。また、換言すると、前記官能基加硫性ゴムはイオウで加硫できない、またはしにくいものである。
【0016】
低空気透過性官能基加硫性ゴムの官能基導入前のゴム(以下、「飽和ゴム」ということもある)としては、たとえばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレン/p−メチルスチレン共重合体ゴムの臭素化物、クロロプレンゴム、エチレン/アクリル酸エステル共重合体ゴムおよびエポキシ化天然ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などがあげられ、空気透過性が天然ゴム(NR)などのジエン系ゴムより低いという点から、NBR、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレン/p−メチルスチレン共重合体ゴムの臭素化物、クロロプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、EPDMが好ましい。これらゴムは、必要な官能基を導入後、二重結合加硫性ゴムとブレンドされる。
【0017】
これらの飽和ゴムにはイオウ以外の硬化剤で加硫(架橋)を可能にするために官能基が導入され官能基加硫性ゴムとされる。ただし、たとえばフッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン/p−メチルスチレン共重合体ゴムの臭素化物、エポキシ化天然ゴムおよびNBRのばあいは、必ずしも官能基を新たに導入しなくてもよい。
【0018】
前記官能基加硫性ゴムの有する官能基としては、イオウ以外の硬化剤による官能基加硫性ゴムの加硫(架橋)を可能にするものであればよく、たとえば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアナート基、エポキシ基、酸無水物基、ハロゲン原子(フッ素系ポリマー中のフッ素原子を含む)、エステル基、クロロスルホン基、メチロール基、スルホン酸塩基および/またはニトリル基などがあげられ、具体的には
【0019】
【化1】
【0020】
などがあげられる。
【0021】
これらのなかでも、好ましくは、速やかに反応するという点から、ハロゲン原子、酸無水物基、カルボキシル基、エポキシ基であるのがよい。
【0022】
前記飽和ゴムに官能基を導入する方法としては一般的に用いられている方法でよく、たとえば水酸基を導入するには、飽和ゴム中のわずかな二重結合を利用する、いわゆるオキシ水銀化−脱水銀法またはヒドロボレーション酸化法、および飽和ゴムがハロゲン含有物のときは加水分解法がある。カルボキシル基を導入するには第一アルコールを過マンガン酸カリウムなどで酸化する方法、またはグリニャー試薬を用いる炭酸化法などがある。アミノ基を導入するには、アルコール性水酸基をハロゲン化してアミノ化する方法、p−メチルスチレンの臭素化物をニトリル化して還元する方法などがある。エポキシ基を導入するには、ギ酸と過酸化水素水を用いる方法がある。
【0023】
官能基は飽和ゴムに架橋点を与えて官能基加硫性ゴムとする役割をもち、官能基の量は用途によって適宜選定すればよいが、通常繰返し単位100個当り0.5〜50個、好ましくは1〜10個存在すればよい。なお、官能基の量が多くても、架橋密度は硬化剤の量でもコントロール可能である。
【0024】
市販されている低空気透過性官能基加硫性ゴムとしては、たとえばエクソン化学(株)製のEXXPRO 90−10(イソブチレン/p−メチルスチレン共重合体ゴムの臭素化物)、エクソン化学(株)製のブロモブチル2222(ブロモブチルゴム)、エクソン化学(株)製のクロロブチル1066(クロロブチルゴム)、昭和電工(株)またはデュポン社製のネオプレンWRT(クロロプレンゴム)、ガスリー社製のエポキシ化天然ゴム、住友化学工業(株)製のエスプレンEMA2752(エチレン/アクリル酸エステル共重合体ゴム)、ユニロイヤル社製のロイヤルタフ465(マレイン酸化EPDM)などがあり、これらの低空気透過性官能基加硫性ゴムを本発明において用いることができる。
【0025】
本発明における硬化剤は、前記官能基加硫性ゴム中に存在する官能基を分子間で架橋させ加硫させるものであり、該官能基と特異的に反応する化合物が用いられる。本発明における硬化剤の混練割合としては、前記官能基加硫性ゴム100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜11重量部であるのがよい。また、そうした硬化剤として有機硬化剤および無機硬化剤(イオウを除く)をそれぞれ単独で、または併用して用いてもよい。
【0026】
有機硬化剤としてはN,N′−ジエチルチオ尿素(EUR)、N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンおよび4,4′−ジアミノ−ジフェニルエーテルなどのポリアミン;スベリン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸およびマレイン酸などのポリカルボン酸;エチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのポリオール;2,4−トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートなどのポリイソシアネート;ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛ならびにジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどがあげられる。前記官能基加硫性ゴムの官能基がたとえばカルボキシル基、ハロゲン原子、酸無水物基および水酸基のばあいはポリアミンを、アミノ基およびエポキシ基のばあいはポリカルボン酸を、アミノ基のばあいはポリオールまたはポリイソシアネートを硬化剤として用いるのが好ましい。
【0027】
無機硬化剤としては、Mg、Zn、CaおよびBaなどの二価の金属の酸化物、炭酸塩ならびに水酸化物などがあげられ、前記官能基加硫性ゴムの官能基がたとえばハロゲン原子のばあいこれらの無機硬化剤を用いるのが好ましいが、反応性が高いという点から、なかでもZnの酸化物がとくに好ましい。
【0028】
低空気透過性官能基加硫性ゴムと有機硬化剤の混練割合としては、該官能基加硫性ゴム100重量部に対して有機硬化剤0.1〜10重量部、混練時間の短縮という点およびゴムの物性の向上という点からさらに好ましくは0.1〜3重量部であるのがよい。また、官能基加硫性ゴムと無機硬化剤の混練割合としては、該官能基加硫性ゴム100重量部に対して無機硬化剤1〜20重量部、混練時間の短縮という点およびゴムの物性の向上という点からさらに好ましくは1〜8重量部であるのがよい。これら有機硬化剤および無機硬化剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、併用して用いてもよい。併用するばあいは、それぞれ単独使用する混練割合の範囲内で使用すればよい。
【0029】
この段階でその他の成分、たとえばステアリン酸などの加硫促進剤、プロセスオイル、カーボンブラックなどの充填剤および老化防止剤などを、本発明のゴム組成物の加硫接着性および該ゴム組成物からえられるゴム成形物の低空気透過性を低下させない程度添加してもよい。
【0030】
前記(a)の混練りの方法としては、官能基加硫性ゴムを加硫させず、かつえられるゴム組成物の加工性を悪化させない温度範囲内、加工性の向上という点から好ましくは60〜90℃、物性の改善という点からさらに好ましくは40〜90℃の温度範囲内で、また、物性を安定させるという点からオープンロール、または加工性および作業性を高めるという点から好ましくはバンバリーミキサーを用いて行なうのがよい。
【0031】
ついで(b)工程において、(a)工程でえられた混練物と二重結合加硫性ゴムとを、前記官能基加硫性ゴムが加硫しうる温度範囲内で混練し、該官能基加硫性ゴムを選択的に加硫する。
【0032】
二重結合加硫性ゴムは、炭素−炭素二重結合が架橋点となるものであればよい。官能基を有していてもよいが、そのばあい官能基含有量が少ない方がよく、好ましくは繰返し単位100個当り0.1〜5個であるのがよい。また、炭素−炭素二重結合含有量は多い方がよく、二重結合加硫性ゴムの不飽和度は50以上、好ましくは70以上であるのがよく、とくに官能基を有するばあいには90以上であるのがよい。
【0033】
前記二重結合加硫性ゴムとしては、ジエン系ゴムと親和性を有し、かつえられるゴム組成物に他のジエン系ゴム組成物とのすぐれた加硫接着性を付与するものであればよく、たとえば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、NBRなどのジエン系ゴムなどがあげられ、単独でまたは任意に組合わせて用いることができるが機械的強度を向上させるという点から天然ゴム、SBR,NBRを用いるのが好ましく、粘着性を出すという点から天然ゴムを用いるのがとくに好ましい。
【0034】
前記(a)でえられた混練物と二重結合加硫性ゴムの混練割合としては前記官能基加硫性ゴム100重量部に対して二重結合加硫性ゴム25〜100重量部、空気透過性を下げるという点から好ましくは25〜50重量部、接着力を上げるという点からは好ましくは50〜100重量部である。かかるブレンド物を混練りし前記官能基加硫性ゴムを選択的に加硫してえられるゴム組成物が本発明のゴム組成物である。また、この選択的加硫を伴なう混練りの際にも、その他の成分としてたとえばステアリン酸などの加硫促進剤、プロセスオイル、充填剤および老化防止剤などを、本発明のゴム組成物の加硫接着性を低下させず、かつ該ゴム組成物からえられるゴム成形物の低空気透過性を低下させない範囲で配合してもよい。
【0035】
前記(b)においては、前記官能基加硫性ゴムと二重結合加硫性ゴムのブレンド物中の官能基加硫性ゴムのみを選択的に加硫させる。
【0036】
選択的加硫は、前記官能基加硫性ゴムが加硫しはじめ、かつえられるゴム組成物の劣化を招かない温度範囲内、たとえば天然ゴムを使用するばあいは好ましくは90〜140℃、混練時間の短縮という点からさらに好ましくは100〜120℃の温度下で前記(a)の混練りと同様の手段および方法で混練りすることにより達成される。なお、(b)における選択的加硫時の温度は前記(a)における混練温度よりも高い。また、加工性と、作業性の向上という点からバンバリミキサー中で混練りすることが好ましい。
【0037】
えられたゴム組成物は未加硫の二重結合加硫性ゴムをマトリックスとし、その中に加硫された官能基加硫性ゴムが均一に存在している状態のものである。
【0038】
本発明のゴム組成物は他のジエン系ゴム組成物との加硫接着性にすぐれており、かつ、通常、ロール、押出しなどの成形法により成形したのち最終的に二重結合加硫性ゴムを加硫することにより、低空気透過性にすぐれたゴム成形物がえられる。
【0039】
二重結合加硫性ゴムの加硫は、たとえば二重結合加硫性ゴム用の加硫剤であるイオウを所定量(たとえば0.5〜2PHR)ゴム組成物に加え、要すればステアリン酸、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)などの加硫促進剤、プロセスオイル、カーボンブラックなどの充填剤および老化防止剤などを適宜配合して混練りし、成形したのち加熱することにより行なえばよい。
【0040】
本発明のゴム組成物の用途としては、多種多用な用途が考えられるが、とくにタイヤのインナーライナー、ケース、チューブ、ガスホースなどに好ましく用いられる。
【0041】
本発明においては、ゴム組成物の組成および混練条件として、たとえばつぎのようなものを好ましくあげることができる。
【0042】
(例1)
低空気透過性官能基加硫性ゴム(EXXPRO 90−10) 100重量部
有機硬化剤(EUR) 0.1〜1重量部
無機硬化剤(ZnO) 1〜5重量部
二重結合加硫性ゴム(天然ゴム) 25〜100重量部
工程(a)の混練温度 45〜85℃
工程(a)の混練時間 3〜6分間
工程(b)の選択的加硫温度 100〜120℃
工程(b)の選択的加硫時間 4〜10分間
このゴム組成物は、良好な低空気透過性および加硫接着性という性質を有するゴム成形物をうることができるという点で有利である。
【0043】
(例2)
低空気透過性官能基加硫性ゴム(エポキシ化天然ゴム) 100重量部
有機硬化剤(EUR) 0.1〜3重量部
無機硬化剤(ZnO) 1〜3重量部
二重結合加硫性ゴム(天然ゴム) 25〜100重量部
工程(a)の混練温度 45〜75℃
工程(a)の混練時間 3〜6分間
工程(b)の選択的加硫温度 100〜120℃
工程(b)の選択的加硫時間 4〜10分間
このゴム組成物は、良好な低空気透過性および加硫接着性だけでなく、高硬度という性質を有するゴム成形物をうることができるという点で有利である。
【0044】
(例3)
低空気透過性官能基加硫性ゴム(ハロゲン化ブチルゴム) 100重量部
有機硬化剤(EUR) 0.1〜2重量部
無機硬化剤(ZnO) 1〜5重量部
二重結合加硫性ゴム(天然ゴム) 25〜100重量部
工程(a)の混練温度 48〜85℃
工程(a)の混練時間 3〜10分間
工程(b)の選択的加硫温度 100〜120℃
工程(b)の選択的加硫時間 4〜10分間
このゴム組成物は、空気透過性が低いという点で有利である。
【0045】
(例4)
低空気透過性官能基加硫性ゴム(マレイン酸化EPDM) 100重量部
有機硬化剤(4,4′−ジアミノ−ジフェニルエーテル) 0.5〜3重量部
無機硬化剤(ZnO) 1〜5重量部
二重結合加硫性ゴム(天然ゴム) 25〜100重量部
工程(a)の混練温度 45〜80℃
工程(a)の混練時間 2〜4分間
工程(b)の選択的加硫温度 100〜120℃
工程(b)の選択的加硫時間 2〜8分間
このゴム組成物は、低空気透過性の他に耐候性を付与するという点で有利である。
【0046】
(例5)
低空気透過性官能基加硫性ゴム(カルボキシル基含有NBR) 100重量部
有機硬化剤(4,4′−ジアミノ−ジフェニルエーテル) 0.5〜3重量部
無機硬化剤(ZnO) 1〜5重量部
二重結合加硫性ゴム(天然ゴム) 25〜100重量部
工程(a)の混練温度 40〜80℃
工程(a)の混練時間 2〜4分間
工程(b)の選択的加硫温度 100〜120℃
工程(b)の選択的加硫時間 2〜8分間
このゴム組成物は、空気透過性が低いという点で有利である。
【0047】
【実施例】
つぎに、本発明のゴム組成物の製法を実施例にもとづいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0048】
製造例1〜7
まず、表1に示す配合割合および条件でロールを用いて混練することにより、本発明の工程(a)による混練物A〜Gをえた。なお、低空気透過性官能基加硫性ゴム1としてはエクソン化学(株)製のEXXPRO 90−10(イソブチレン/p−メチルスチレン共重合体ゴムの臭素化物)、低空気透過性官能基加硫性ゴム2としてはエクソン化学(株)製のブロモブチル2222(ブロモブチルゴム)、低空気透過性官能基加硫性ゴム3としてはエクソン化学(株)製のクロロブチル1066(クロロブチルゴム)、低空気透過性官能基加硫性ゴム4としてはユニロイヤル社製のロイヤルタフ465(マレイン酸化EPDM)、低空気透過性官能基加硫性ゴム5としては日本ゼオン(株)製のDN631(カルボキシル基含有NBR)、低空気透過性官能基加硫性ゴム6としてはガスリー社製のENR50(エポキシ化天然ゴム)、低空気透過性官能基加硫性ゴム7としては昭和電工(株)製のネオプレンWRT(クロロプレン)を用いた。
【0049】
また、硬化剤1としては大内新興化学工業(株)製のEUR(N,N′−ジエチルチオ尿素)、硬化剤2としては4,4′−ジアミノ−ジフェニルエーテル、硬化剤3としてはZnOを用いた。
【0050】
比較製造例1
混練温度を加硫温度である100℃としたほかは、製造例1(混練物A)と同様にして加硫された混練物Hをえた。
【0051】
【表1】
【0052】
実施例1〜16
製造例1〜7でえられた混練物A〜Gを用いて、表2に示す配合割合でバンバリーミキサーにより100℃で8分間で本発明の工程(b)による混練りおよび選択的加硫をすることにより、本発明のゴム組成物1〜16をえた。なお二重結合加硫性ゴムは天然ゴムであり、カーボンブラックとしては三菱化学(株)製のダイヤブラックH、ミネラルオイルとしては(株)ジャパンエナジー製のミネラルオイルを用いた。
【0053】
[評価方法]
空気透過性
本発明のゴム組成物からなるゴム成形物の空気透過性を評価するため、えられたゴム組成物1〜16それぞれ100重量部に対してZnOを5重量部、ステアリン酸を1重量部、イオウを2重量部およびNSを1重量部ロールを用いて混練し、まだ加硫していない二重結合加硫性ゴムを加硫するため、油圧プレスを用いて加硫圧100kgf/cm2、加硫温度150℃、加硫時間40分の条件で加硫成形し、厚さ約1mmのゴムシートとしてゴム成形物1〜16をえた。
【0054】
ゴム成形物1〜16の空気透過性を、ASTM D−1434−75Mの試験方法にしたがい、(株)東洋精機製作所製のガス透過率測定装置(GTR TESTER M−C1)を用いて20℃の温度下で測定した。結果を表2に示す。
【0055】
加硫接着性
本発明のゴム組成物の他のジエン系ゴム組成物との加硫接着性を評価するため、まず前記ゴム組成物1〜16からロールで2mm厚のシートにしたのち、厚さ2mm、幅80mm、長さ150mmのゴムシート1〜16を作製した。また、天然ゴムおよびブタジエンゴムの、重量比が40:60のブレンド物(カーボンブラック、硫黄および加硫促進剤を含む)からロールで2mm厚のシートにしたのち幅80mm、長さ150mmのゴムシートに切り出してジエン系ゴムシートを作製した。えられたゴムシート1〜16の各々とジエン系ゴム組成物からなるシートとを加硫接着した後に、その剥離強度(接着強度)を測定した。剥離強度が高いほど加硫接着性にすぐれている。
【0056】
剥離強度測定用サンプルを作製するために、図1に示すようにゴムシート1とジエン系ゴムシート2とを密着させ、界面で剥離が始まるようにマイラーシート4および厚織5からなる挿入部材を挿入して、160℃で30分間、100kgf/cm2のプレス圧で加硫接着させた。なお、3はトップ反であって、剥離の際にゴムシートが切れてしまわないように補強するためのものであり、通常未加硫である。本発明では厚さ1mm、幅80mm、長さ150mmのものでポリエステル系樹脂をゴムびきしたものを用いた。マイラーシート4は、加硫時にゴムシート1とジエン系ゴムシート2が全面で接着してしまわないようにするためのものであり、180℃以上の融点をもつものであればよい。本発明では厚さ0.05mm、幅80mm、長さ40mmのものでポリエチレンテレフタレートからなるものを用いた。厚織5は接着界面での剥離をはじめるために挿入するものであり、本発明では厚さ0.5mm、幅80mm、長さ80mmのものでナイロン系樹脂からなるものを用いた。
【0057】
以上のようにしてえた剥離強度測定用サンプルについて、50mm/minの速度で剥離させ、インテスコ社製の引張試験機を用いて剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
比較例1〜19
表3に示す配合割合でバンバリーミキサーを用いて100℃で8分間混練りすることにより比較ゴム組成物1〜19をえ、ついで実施例1と同様にして評価を行なった。結果を表3に示す。
【0060】
比較例20
比較製造例1でえた混練物H(混練温度100℃)を用い、表3に示す配合割合を用いたほかは、比較例1と同様にして混練しようとしたが、ゴム成分中に加硫された混練物Hが均一に分散せず、ゴム組成物をえられなかった。
【0061】
【表3】
【0062】
表2および表3より、本発明のゴム組成物は加硫接着性にすぐれており、かつ該ゴム組成物1〜16からえられるゴム成形物1〜16は、比較ゴム組成物1〜19からえられる比較ゴム成形物1〜19に比べて低空気透過性に劣らないことがわかる。
【0063】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物は他のジエン系ゴム組成物との加硫接着性にすぐれ、かつ該ゴム組成物によれば低空気透過性に劣ることないゴム成形物をうることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】剥離強度の測定のために作製したサンプルの概略断面図である。
【符号の説明】
1 ゴムシート
2 ジエン系ゴムシート
3 トップ反
4 マイラーシート
5 厚織
Claims (10)
- (a)少なくとも1種の低空気透過性官能基加硫性ゴムと該官能基加硫性ゴムを加硫しうる硬化剤とを、該官能基加硫性ゴムが加硫しない温度範囲内で混練りし、(b)えられる混練物に、前記官能基加硫性ゴム100重量部に対して25〜101.5重量部の少なくとも1種の炭素−炭素二重結合加硫性ゴムを、前記官能基加硫性ゴムが加硫しうる温度範囲内で混練りしながら前記官能基加硫性ゴムを選択的に加硫してえられる、空気透過性が8.46〜26.3cm 3 ・cm/cm 2 ・sec・cmHgで、加硫接着性が18.9〜74.6kgf/25mmのゴム組成物。
- 前記官能基加硫性ゴムの官能基が水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアナート基、エポキシ基、ハロゲン原子(フッ素系ポリマー中のフッ素原子を含む)、酸無水物基、エステル基、クロロスルホン基、メチロール基、スルホン酸塩基および/またはニトリル基である請求項1記載のゴム組成物。
- 前記官能基加硫性ゴムがイソブチレン/p−メチルスチレン共重合体ゴムの臭素化物である請求項1記載のゴム組成物。
- 前記官能基加硫性ゴムがクロロブチルゴムおよび/またはブロモブチルゴムである請求項1記載のゴム組成物。
- 前記硬化剤がMg、Zn、CaもしくはBaの二価の金属の酸化物、炭酸塩または水酸化物である請求項1記載のゴム組成物。
- 前記硬化剤がN,N′−ジエチルチオ尿素である請求項1記載のゴム組成物。
- 前記(a)の混練温度範囲が40〜90℃であり、(b)の混練温度範囲が90〜140℃であり、かつ(a)の混練温度が(b)の混練温度よりも低い請求項1記載のゴム組成物。
- 前記官能基加硫性ゴム100重量部に対して、前記硬化剤0.1〜30重量部を使用する請求項1記載のゴム組成物。
- 前記硬化剤が有機硬化剤の場合0.1〜10重量部、無機硬化剤の場合1〜20重量部使用する請求項8記載のゴム組成物。
- タイヤのインナーライナー、ケース、チューブまたはガスホースの製造に使用される請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載のゴム組成物。
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