JP3784040B2 - 車両用駆動力伝達装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の駆動軸と従動軸間等両回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構を通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構により係合させるようにした駆動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の駆動力伝達装置として、実開平5−12763号公報において、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロットクラッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構を備えた駆動力伝達装置が提案されている。
【0003】
当該駆動力伝達装置においては、パイロットクラッチ機構は電磁クラッチにて構成されており、電磁クラッチを構成する電磁石の電磁コイルに通電するとにより磁路が形成されて、磁気誘導作用によりパイロットクラッチ機構が作動してメインクラッチ機構を作動させ、両回転部材間でトルク伝達がされるように構成されている。
【0004】
ところで、当該形式の駆動力伝達装置において、両回転部材間でのトルク伝達特性は、パイロットクラッチ機構に生じる磁路の磁束密度に関係するが、磁束密度は、パイロットクラッチ機構を構成する構成部材、メインクラッチ機構を構成する構成部材、およびカム機構を構成する構成部材等、多くの構成部材の寸法精度、および組付精度に大きく影響され、構成部材の寸法精度、および組付精度が駆動力伝達装置のトルク伝達特性にバラツキを生じさせる大きな原因となっている。
【0005】
これに対処すべく、上記公報にて示されている駆動力伝達装置においては、パイロットクラッチ機構を構成する電磁石の支持部材とハウジング間に、最適な厚みのシムを介在させ、これにより、電磁石と磁路形成部材のエアギャップを調整して磁路の磁束密度を設定した値に調整し、トルク伝達特性を安定化させる手段を採っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような調整手段を採る場合には、予め厚みの異なる多数のシムを用意しなければならず、また電磁石と磁路形成部材のエアギャップを精度よく調整するには、幾種類ものシムを交換して組付ける面倒な作業が必要である。
【0007】
その上、かかる調整作業では、駆動力伝達装置を一旦組立てた状態で駆動力伝達装置のトルク伝達特性の性能検査を行って、この性能検査の結果に基づいて駆動力伝達装置の一部を分解してシムの交換、組付け作業を行い、駆動力伝達装置を再度組立てた状態でその後の性能検査を行って、設定された性能が得られているか否かを確認するという一連の作業を、設定された性能が得られるまで繰り返しなされることになる。このような調整作業は極めて面倒である。
【0008】
本発明の主たる目的は、上記の問題を解消するため、組立て完了後にその内部に組付けたメインクラッチ機構のトルク伝達特性を検査して同メインクラッチ機構を係合させるパイロットクラッチ機構の作動特性を所望の値に簡単に調整し得る駆動力伝達装置を提供することにある。
【0009】
本発明によれば、上記の目的は、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロットクラッチ機構間に位置して同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構とにより構成した駆動力伝達装置において、前記パイロットクラッチ機構を構成する電磁石を支持して同電磁石の磁路を形成する支持部材に当該装置の組立て完了後に外部から切削加工することにより前記電磁石の磁路面積を調整し得る凹所を形成して、該凹所の切削量を前記電磁石に付与した電流値に対する前記メインクラッチ機構のトルク伝達特性が所望の値になるように調整したことを特徴とする駆動力伝達装置を提供することにより達成される。
【0016】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した駆動力伝達装置においては、当該装置を組立てた状態で前記電磁石の支持部材に設けた凹所の切削量を適宜な工具により調整することにより、同電磁石に付与した電流値に対する前記メインクラッチ機構のトルク伝達特性を所望の値に設定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に基づいて説明すると、図1には、本発明の一例に係る電磁力作動式動作機構である電磁クラッチをパイロットクラッチ機構とする駆動力伝達装置が示されている。当該駆動力伝達装置10は、図3に示すように、四輪駆動車における後輪側への駆動力伝達経路に配設される。
【0023】
当該四輪駆動車において、トランスアクスル21はトランスミッションとトランスファを一体に備えているもので、エンジン22の駆動力をフロントデファレンシャル23を介して両アクスルシャフト24aに出力して前輪24bを駆動させるとともに、第1プロペラシャフト25に出力する。第1プロペラシャフト25は、駆動力伝達装置10を介して第2プロペラシャフト26に連結しており、これら両プロペラシャフト25,26がトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力はリアデファレンシャル27に伝達され、同デファレンシャル27から両アクスルシャフト28aへ出力されて両後輪28bを駆動させる。
【0024】
しかして、駆動力伝達装置10は、図1に示すように、外側回転部材であるアウタハウジング10a、内側回転部材であるインナシャフト10b、メインクラッチ機構10c、パイロットクラッチ機構10d、およびカム機構10eを備えている。
【0025】
アウタハウジング10aは、有底筒状のケーシング11aとカバー体11bとからなるもので、ケーシング11aはアルミ合金等の非磁性材料にて形成されている。また、カバー体11bは、ケーシング11aの開口部に螺着されて同開口部を液密的に覆蓋するもので、カバー体11bは鉄にて形成されていて、径方向の中間部には、筒状のステンレス製の非磁性体が埋設されており、非磁性体はカバー体11bの所定の部位に非磁性部位11b2を形成している。ケーシング11aの先端部には、第1プロペラシャフト25の後端部がトルク伝達可能に連結される。
【0026】
インナシャフト10bは、カバー体11bの中央部を液密的に貫通してアウタハウジング10a内に挿入されていて、軸方向の移動を規制された状態でケーシング11aとカバー体11bに回転可能に支持されている。インナシャフト10bには、第2プロペラシャフト26の先端部が挿入されて、両者10b,26は互いにトルク伝達可能に連結される。
【0027】
メインクラッチ機構10cは、湿式多板式の摩擦クラッチであって多数のクラッチプレート(インナクラッチプレート12a、アウタクラッチプレート12b)を備えていて、ケーシング11aの奥壁側に配設されている。摩擦クラッチを構成する各インナクラッチプレート12aは、インナシャフト10bの外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート12bは、アウタハウジング10aのケーシング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレート12aと各アウタクラッチプレート12bとは交互に位置して、互いに当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して自由状態になる。
【0028】
パイロットクラッチ機構10dは、図1および図2に示すように、電磁石13、摩擦クラッチ14、およびアーマチャ15を備えている。電磁石13は環状を呈しているもので、支持部材16に嵌着された状態でカバー体11bの環状凹所11b1に嵌合されて、回転可能に組付けられている。従って、カバー体11bは、本発明における磁路形成部材を構成し、また、支持部材16はヨークを構成している。
【0029】
摩擦クラッチ14は、複数のクラッチプレート(インナクラッチプレート14a,アウタクラッチプレート14b)からなり、各インナクラッチプレート14aは、後述するカム機構10eを構成する第1カム部材17aの外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート14bは、アウタハウジング10aのケーシング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレート14aと各アウタクラッチプレート14bとは交互に位置して、互いに当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して自由状態になる。
【0030】
各インナクラッチプレート14aおよび各アウタクラッチプレート14bには、周方向に延びる長孔14a1,14b1が、周方向に所定間隔を保持して複数形成されている。各インナクラッチプレート14aの長孔14a1と、各アウタクラッチプレート14bの長孔14b1は互いに対向し得る部位に位置し、かつ各インナクラッチプレート14aは互いの長孔14a1同士を対向させて、かつ各アウタクラッチプレート14bは互いの長孔14b1同士を対向させて組付けられている。また、長孔14a1,14b1は、カバー体11bの非磁性部位11b2の先端面に対向し得る位置にある。
【0031】
アーマチャ15は環状を呈するもので、アウタハウジング10aのケーシング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられていて、摩擦クラッチ14の他側に位置して対向している。
【0032】
カム機構10eは、メインクラッチ機構10cとパイロットクラッチ機構10dとの間に配設されているもので、第1カム部材17a、第2カム部材17b、および複数のカムフォロアー17cを備えている。第1カム部材17aおよび第2カム部材17bは、図1および図2に示すように、周方向に所定間隔を保持して形成されて互いに対向する複数のカム溝を備えている。
【0033】
第1カム部材17aは、図1および図2に示すように、インナシャフト10bの外周に回転可能に嵌合されて、カバー体11bに回転可能に支承されており、その外周に摩擦クラッチ14の各インナクラッチプレート14aがスプライン嵌合している。第2カム部材17bは、インナシャフト10bの外周にスプライン嵌合されて一体回転可能に組付けられていて、メインクラッチ機構10cとアーマチャ15との間に位置している。各カムフォロアー17cは、両カム部材17a,17bの互いに対向するカム溝間に介在している。
【0034】
しかして、電磁石13を支持する支持部材16には、環状凹所16aが形成されている。環状凹所16aは、当該駆動力伝達装置が組立てられた状態で、同駆動力伝達装置を回転させながら後端側から工具を適量前進させることにより形成されていて、カバー体11bにて形成される磁路の磁路面積を規定すべく機能する。環状凹所16aは、パイロットクラッチ機構の電磁石に付与される電流値に対するメインクラッチ機構10cのトルク伝達特性を基準に形成されていて、当該駆動力伝達装置10のトルク伝達特性を設定された所定の範囲に特定する。
【0035】
支持部材16における環状凹所16aの形成作業に当たっては、予め、パイロットクラッチ機構10dはその摩擦クラッチ14の電流値に対する摩擦係合特性値の設定範囲の中央値より高い値を中央値として構成されており、また、これに起因して、当該駆動力伝達装置におけるメインクラッチ機構10cにおける電流値に対するトルク伝達特性値の設定範囲の中央値より高い値を中央値として構成されている。従って、当該駆動力伝達装置10において、支持部材16に環状凹所16aを形成することにより、メインクラッチ機構10cにおける電流値に対するトルク伝達特性値が、環状凹所16aの大きさに応じて漸次低下する方向に調整される。
【0036】
かかる構成の駆動力伝達装置10においては、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石13の電磁コイルへの通電がなされていない場合には磁路は形成されず、摩擦クラッチ14は非係合状態にある。このため、パイロットクラッチ機構10dは非作動の状態にあって、カム機構10eを構成する第1カム部材17aは、カムフォロアー17cを介して第2カム部材17bと一体回転可能であり、メインクラッチ機構10cは非作動の状態にある。このため、車両は二輪駆動の駆動モードを構成する。
【0037】
一方、電磁石13の電磁コイルへ通電されると、パイロットクラッチ機構10dには磁路が形成されて、電磁石13はアーマチャ15を吸引する。このため、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を押圧して摩擦係合させ、カム機構10eの第1カム部材17aをアウタハウジング10a側へ連結させて、第2カム部材17bとの間に相対回転を生じさせる。この結果、カム機構10eでは、カムフォロアー17cが両カム部材17a,17bを互いに離間する方向へ押圧し、第2カム部材17bをメインクラッチ機構10c側へ押動する。この結果、メインクラッチ機構10cは摩擦クラッチ14の摩擦係合力に応じて摩擦係合して、アウタハウジング10aとインナシャフト10b間のトルク伝達を行う。このため、車両は両プロペラシャフト25,26が二輪駆動の結合状態でリアルタイムの四輪駆動の駆動モードを構成する。
【0038】
また、電磁石13の電磁コイルへの印加電流を所定の値に高めると、アーマチャ15は強く吸引されて摩擦クラッチ14の摩擦係合力を増大させ、両カム部材17a,17b間の相対回転を増大させる。この結果、カムフォロアー17cは、第2カム部材17bに対する押圧力を高めてメインクラッチ機構10cを結合状態とする。このため、車両は両プロペラシャフト25,26が直結した四輪駆動の駆動モードを構成する。
【0039】
ところで、当該駆動力伝達装置10においては、パイロットクラッチ機構10dを構成する支持部材16に環状凹所16aを形成して、カバー体11bに形成される磁路の磁路面積を所定値に設定する調整手段を施している。すなわち、磁路面積は、支持部材16における環状凹所16aの大きさtを除く部位に比例するもので、環状凹所16aの大きさtを調整することにより磁路面積を調整することができる。このため、カバー体11bでの磁束密度が設定された範囲の値となって、電磁石13のアーマチャ15に対する吸引力が設定された範囲の値となり、摩擦クラッチ14の摩擦係合特性が設定された範囲の値となる。
【0040】
また、環状凹所16aは、駆動力伝達装置10を組立てた状態で、パイロットクラッチ機構10dの電磁石13に付与される電流値に対するメインクラッチ機構10cのトルク伝達特性を基準に形成しているため、パイロットクラッチ機構10dを構成する構成部材、メインクラッチ機構10cを構成する構成部材、およびカム機構10dを構成する構成部材等、多くの構成部材の寸法精度、および組付精度の如何に関わらず、トルク伝達特性が設定された範囲の値となる。
【0041】
しかして、当該駆動力伝達装置10においては、電磁石13を支持する支持部材16の環状凹所16aは、駆動力伝達装置を組立てた状態で適宜の治具により容易に形成することができるとともに、その大きさを調整することができる。このため、面倒な調整作業を要することなく、当該駆動力伝達装置10のトルク伝達特性を所望の値に容易に設定することができる。
【0042】
また、環状凹所16aの形成作業にあたっては、予め、パイロットクラッチ機構10dはその電磁石に付与される電流値に対する摩擦係合特性値の設定範囲の中央値より高い値を中央値として設定されており、また、これに起因して、駆動力伝達装置10はパイロットクラッチ機構10dの電磁石に付与される電流値に対するそのメインクラッチ機構10cのトルク伝達特性値の設定範囲の中央値より高い値を中央値として設定されている。
【0043】
従って、当該駆動力伝達装置10において、支持部材16に環状凹所16aを形成することにより、メインクラッチ機構10cにおける電流値に対するトルク伝達特性値が、環状凹所16aの大きさに応じて漸次低下する方向に調整される。このため、支持部材16に環状凹所16aを形成することに起因する、トルク伝達特性が設定範囲を下回る駆動力伝達装置の発生率を低減し、または皆無にすることができる。
【0044】
図4は、当該駆動力伝達装置10におけるパイロットクラッチ機構10dの電磁石13の電磁コイルに付与される電流値と伝達トルクの関係を示すグラフであり、同グラフにおいて、2点鎖線で示す範囲L1は、駆動力伝達装置10における環状凹所16aの形成前の伝達トルク特性値、実線で示す範囲L2は、駆動力伝達装置10における環状凹所16aの形成後の伝達トルク特性値である。
【0045】
当該駆動力伝達装置10においては、2点鎖線で示す範囲L1の伝達トルク特性値を有する駆動力伝達装置において、支持部材16に環状凹所16aを形成してその大きさを調整するものであり、かかる環状凹所16aの形成により、実線で示す範囲L2の伝達トルク特性を有する駆動力伝達装置10を構成することができ、これにより、トルク伝達特性が設定範囲を下回る駆動力伝達装置の発生率を低減し、または皆無にすることができるものである。
【0046】
なお、当該駆動力伝達装置においては、パイロットクラッチ機構10dを構成する支持部材16に環状凹所16aを形成した例を示しているが、環状凹所16aに換えて1または複数の凹孔を形成するようにしてもよい。この場合、凹孔は、ドリル加工等により容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る電磁クラッチをパイロットクラッチ機構とする駆動力伝達装置の断面図である。
【図2】同駆動力伝達装置の部分拡大断面図である。
【図3】同駆動力伝達装置を搭載した車両の概略説明図である。
【図4】同駆動力伝達装置における伝達トルクと電流値の関係を示すグラフで
【符号の説明】
10…駆動力伝達装置、10a…アウタハウジング、10b…インナシャフト、10c…メインクラッチ機構、10d…パイロットクラッチ機構、10e…カム機構、11a…ケーシング、11b…カバー体、11b1…環状凹所、11b2…非磁性部位、12a…インナクラッチプレート、12b…アウタクラッチプレート、13…電磁石、13a…支持部材、14…摩擦クラッチ、14a…インナクラッチプレート、14b…アウタクラッチプレート、14a1,14b1…長孔、15…アーマチャ、16…支持部材、16a…環状凹所、17a…第1カム部材、17b…第2カム部材、17c…カムフォロアー、21…トランスアクスル、22…エンジン、23…フロントデファレンシャル、24a…アクスルシャフト、24b…前輪、25…第1プロペラシャフト、26…第2プロペラシャフト、27…リアデファレンシャル、28a…アクスルシャフト、28b…後輪。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の駆動軸と従動軸間等両回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構を通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構により係合させるようにした駆動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の駆動力伝達装置として、実開平5−12763号公報において、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロットクラッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構を備えた駆動力伝達装置が提案されている。
【0003】
当該駆動力伝達装置においては、パイロットクラッチ機構は電磁クラッチにて構成されており、電磁クラッチを構成する電磁石の電磁コイルに通電するとにより磁路が形成されて、磁気誘導作用によりパイロットクラッチ機構が作動してメインクラッチ機構を作動させ、両回転部材間でトルク伝達がされるように構成されている。
【0004】
ところで、当該形式の駆動力伝達装置において、両回転部材間でのトルク伝達特性は、パイロットクラッチ機構に生じる磁路の磁束密度に関係するが、磁束密度は、パイロットクラッチ機構を構成する構成部材、メインクラッチ機構を構成する構成部材、およびカム機構を構成する構成部材等、多くの構成部材の寸法精度、および組付精度に大きく影響され、構成部材の寸法精度、および組付精度が駆動力伝達装置のトルク伝達特性にバラツキを生じさせる大きな原因となっている。
【0005】
これに対処すべく、上記公報にて示されている駆動力伝達装置においては、パイロットクラッチ機構を構成する電磁石の支持部材とハウジング間に、最適な厚みのシムを介在させ、これにより、電磁石と磁路形成部材のエアギャップを調整して磁路の磁束密度を設定した値に調整し、トルク伝達特性を安定化させる手段を採っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような調整手段を採る場合には、予め厚みの異なる多数のシムを用意しなければならず、また電磁石と磁路形成部材のエアギャップを精度よく調整するには、幾種類ものシムを交換して組付ける面倒な作業が必要である。
【0007】
その上、かかる調整作業では、駆動力伝達装置を一旦組立てた状態で駆動力伝達装置のトルク伝達特性の性能検査を行って、この性能検査の結果に基づいて駆動力伝達装置の一部を分解してシムの交換、組付け作業を行い、駆動力伝達装置を再度組立てた状態でその後の性能検査を行って、設定された性能が得られているか否かを確認するという一連の作業を、設定された性能が得られるまで繰り返しなされることになる。このような調整作業は極めて面倒である。
【0008】
本発明の主たる目的は、上記の問題を解消するため、組立て完了後にその内部に組付けたメインクラッチ機構のトルク伝達特性を検査して同メインクラッチ機構を係合させるパイロットクラッチ機構の作動特性を所望の値に簡単に調整し得る駆動力伝達装置を提供することにある。
【0009】
本発明によれば、上記の目的は、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロットクラッチ機構間に位置して同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構とにより構成した駆動力伝達装置において、前記パイロットクラッチ機構を構成する電磁石を支持して同電磁石の磁路を形成する支持部材に当該装置の組立て完了後に外部から切削加工することにより前記電磁石の磁路面積を調整し得る凹所を形成して、該凹所の切削量を前記電磁石に付与した電流値に対する前記メインクラッチ機構のトルク伝達特性が所望の値になるように調整したことを特徴とする駆動力伝達装置を提供することにより達成される。
【0016】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した駆動力伝達装置においては、当該装置を組立てた状態で前記電磁石の支持部材に設けた凹所の切削量を適宜な工具により調整することにより、同電磁石に付与した電流値に対する前記メインクラッチ機構のトルク伝達特性を所望の値に設定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に基づいて説明すると、図1には、本発明の一例に係る電磁力作動式動作機構である電磁クラッチをパイロットクラッチ機構とする駆動力伝達装置が示されている。当該駆動力伝達装置10は、図3に示すように、四輪駆動車における後輪側への駆動力伝達経路に配設される。
【0023】
当該四輪駆動車において、トランスアクスル21はトランスミッションとトランスファを一体に備えているもので、エンジン22の駆動力をフロントデファレンシャル23を介して両アクスルシャフト24aに出力して前輪24bを駆動させるとともに、第1プロペラシャフト25に出力する。第1プロペラシャフト25は、駆動力伝達装置10を介して第2プロペラシャフト26に連結しており、これら両プロペラシャフト25,26がトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力はリアデファレンシャル27に伝達され、同デファレンシャル27から両アクスルシャフト28aへ出力されて両後輪28bを駆動させる。
【0024】
しかして、駆動力伝達装置10は、図1に示すように、外側回転部材であるアウタハウジング10a、内側回転部材であるインナシャフト10b、メインクラッチ機構10c、パイロットクラッチ機構10d、およびカム機構10eを備えている。
【0025】
アウタハウジング10aは、有底筒状のケーシング11aとカバー体11bとからなるもので、ケーシング11aはアルミ合金等の非磁性材料にて形成されている。また、カバー体11bは、ケーシング11aの開口部に螺着されて同開口部を液密的に覆蓋するもので、カバー体11bは鉄にて形成されていて、径方向の中間部には、筒状のステンレス製の非磁性体が埋設されており、非磁性体はカバー体11bの所定の部位に非磁性部位11b2を形成している。ケーシング11aの先端部には、第1プロペラシャフト25の後端部がトルク伝達可能に連結される。
【0026】
インナシャフト10bは、カバー体11bの中央部を液密的に貫通してアウタハウジング10a内に挿入されていて、軸方向の移動を規制された状態でケーシング11aとカバー体11bに回転可能に支持されている。インナシャフト10bには、第2プロペラシャフト26の先端部が挿入されて、両者10b,26は互いにトルク伝達可能に連結される。
【0027】
メインクラッチ機構10cは、湿式多板式の摩擦クラッチであって多数のクラッチプレート(インナクラッチプレート12a、アウタクラッチプレート12b)を備えていて、ケーシング11aの奥壁側に配設されている。摩擦クラッチを構成する各インナクラッチプレート12aは、インナシャフト10bの外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート12bは、アウタハウジング10aのケーシング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレート12aと各アウタクラッチプレート12bとは交互に位置して、互いに当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して自由状態になる。
【0028】
パイロットクラッチ機構10dは、図1および図2に示すように、電磁石13、摩擦クラッチ14、およびアーマチャ15を備えている。電磁石13は環状を呈しているもので、支持部材16に嵌着された状態でカバー体11bの環状凹所11b1に嵌合されて、回転可能に組付けられている。従って、カバー体11bは、本発明における磁路形成部材を構成し、また、支持部材16はヨークを構成している。
【0029】
摩擦クラッチ14は、複数のクラッチプレート(インナクラッチプレート14a,アウタクラッチプレート14b)からなり、各インナクラッチプレート14aは、後述するカム機構10eを構成する第1カム部材17aの外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート14bは、アウタハウジング10aのケーシング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレート14aと各アウタクラッチプレート14bとは交互に位置して、互いに当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して自由状態になる。
【0030】
各インナクラッチプレート14aおよび各アウタクラッチプレート14bには、周方向に延びる長孔14a1,14b1が、周方向に所定間隔を保持して複数形成されている。各インナクラッチプレート14aの長孔14a1と、各アウタクラッチプレート14bの長孔14b1は互いに対向し得る部位に位置し、かつ各インナクラッチプレート14aは互いの長孔14a1同士を対向させて、かつ各アウタクラッチプレート14bは互いの長孔14b1同士を対向させて組付けられている。また、長孔14a1,14b1は、カバー体11bの非磁性部位11b2の先端面に対向し得る位置にある。
【0031】
アーマチャ15は環状を呈するもので、アウタハウジング10aのケーシング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられていて、摩擦クラッチ14の他側に位置して対向している。
【0032】
カム機構10eは、メインクラッチ機構10cとパイロットクラッチ機構10dとの間に配設されているもので、第1カム部材17a、第2カム部材17b、および複数のカムフォロアー17cを備えている。第1カム部材17aおよび第2カム部材17bは、図1および図2に示すように、周方向に所定間隔を保持して形成されて互いに対向する複数のカム溝を備えている。
【0033】
第1カム部材17aは、図1および図2に示すように、インナシャフト10bの外周に回転可能に嵌合されて、カバー体11bに回転可能に支承されており、その外周に摩擦クラッチ14の各インナクラッチプレート14aがスプライン嵌合している。第2カム部材17bは、インナシャフト10bの外周にスプライン嵌合されて一体回転可能に組付けられていて、メインクラッチ機構10cとアーマチャ15との間に位置している。各カムフォロアー17cは、両カム部材17a,17bの互いに対向するカム溝間に介在している。
【0034】
しかして、電磁石13を支持する支持部材16には、環状凹所16aが形成されている。環状凹所16aは、当該駆動力伝達装置が組立てられた状態で、同駆動力伝達装置を回転させながら後端側から工具を適量前進させることにより形成されていて、カバー体11bにて形成される磁路の磁路面積を規定すべく機能する。環状凹所16aは、パイロットクラッチ機構の電磁石に付与される電流値に対するメインクラッチ機構10cのトルク伝達特性を基準に形成されていて、当該駆動力伝達装置10のトルク伝達特性を設定された所定の範囲に特定する。
【0035】
支持部材16における環状凹所16aの形成作業に当たっては、予め、パイロットクラッチ機構10dはその摩擦クラッチ14の電流値に対する摩擦係合特性値の設定範囲の中央値より高い値を中央値として構成されており、また、これに起因して、当該駆動力伝達装置におけるメインクラッチ機構10cにおける電流値に対するトルク伝達特性値の設定範囲の中央値より高い値を中央値として構成されている。従って、当該駆動力伝達装置10において、支持部材16に環状凹所16aを形成することにより、メインクラッチ機構10cにおける電流値に対するトルク伝達特性値が、環状凹所16aの大きさに応じて漸次低下する方向に調整される。
【0036】
かかる構成の駆動力伝達装置10においては、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石13の電磁コイルへの通電がなされていない場合には磁路は形成されず、摩擦クラッチ14は非係合状態にある。このため、パイロットクラッチ機構10dは非作動の状態にあって、カム機構10eを構成する第1カム部材17aは、カムフォロアー17cを介して第2カム部材17bと一体回転可能であり、メインクラッチ機構10cは非作動の状態にある。このため、車両は二輪駆動の駆動モードを構成する。
【0037】
一方、電磁石13の電磁コイルへ通電されると、パイロットクラッチ機構10dには磁路が形成されて、電磁石13はアーマチャ15を吸引する。このため、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を押圧して摩擦係合させ、カム機構10eの第1カム部材17aをアウタハウジング10a側へ連結させて、第2カム部材17bとの間に相対回転を生じさせる。この結果、カム機構10eでは、カムフォロアー17cが両カム部材17a,17bを互いに離間する方向へ押圧し、第2カム部材17bをメインクラッチ機構10c側へ押動する。この結果、メインクラッチ機構10cは摩擦クラッチ14の摩擦係合力に応じて摩擦係合して、アウタハウジング10aとインナシャフト10b間のトルク伝達を行う。このため、車両は両プロペラシャフト25,26が二輪駆動の結合状態でリアルタイムの四輪駆動の駆動モードを構成する。
【0038】
また、電磁石13の電磁コイルへの印加電流を所定の値に高めると、アーマチャ15は強く吸引されて摩擦クラッチ14の摩擦係合力を増大させ、両カム部材17a,17b間の相対回転を増大させる。この結果、カムフォロアー17cは、第2カム部材17bに対する押圧力を高めてメインクラッチ機構10cを結合状態とする。このため、車両は両プロペラシャフト25,26が直結した四輪駆動の駆動モードを構成する。
【0039】
ところで、当該駆動力伝達装置10においては、パイロットクラッチ機構10dを構成する支持部材16に環状凹所16aを形成して、カバー体11bに形成される磁路の磁路面積を所定値に設定する調整手段を施している。すなわち、磁路面積は、支持部材16における環状凹所16aの大きさtを除く部位に比例するもので、環状凹所16aの大きさtを調整することにより磁路面積を調整することができる。このため、カバー体11bでの磁束密度が設定された範囲の値となって、電磁石13のアーマチャ15に対する吸引力が設定された範囲の値となり、摩擦クラッチ14の摩擦係合特性が設定された範囲の値となる。
【0040】
また、環状凹所16aは、駆動力伝達装置10を組立てた状態で、パイロットクラッチ機構10dの電磁石13に付与される電流値に対するメインクラッチ機構10cのトルク伝達特性を基準に形成しているため、パイロットクラッチ機構10dを構成する構成部材、メインクラッチ機構10cを構成する構成部材、およびカム機構10dを構成する構成部材等、多くの構成部材の寸法精度、および組付精度の如何に関わらず、トルク伝達特性が設定された範囲の値となる。
【0041】
しかして、当該駆動力伝達装置10においては、電磁石13を支持する支持部材16の環状凹所16aは、駆動力伝達装置を組立てた状態で適宜の治具により容易に形成することができるとともに、その大きさを調整することができる。このため、面倒な調整作業を要することなく、当該駆動力伝達装置10のトルク伝達特性を所望の値に容易に設定することができる。
【0042】
また、環状凹所16aの形成作業にあたっては、予め、パイロットクラッチ機構10dはその電磁石に付与される電流値に対する摩擦係合特性値の設定範囲の中央値より高い値を中央値として設定されており、また、これに起因して、駆動力伝達装置10はパイロットクラッチ機構10dの電磁石に付与される電流値に対するそのメインクラッチ機構10cのトルク伝達特性値の設定範囲の中央値より高い値を中央値として設定されている。
【0043】
従って、当該駆動力伝達装置10において、支持部材16に環状凹所16aを形成することにより、メインクラッチ機構10cにおける電流値に対するトルク伝達特性値が、環状凹所16aの大きさに応じて漸次低下する方向に調整される。このため、支持部材16に環状凹所16aを形成することに起因する、トルク伝達特性が設定範囲を下回る駆動力伝達装置の発生率を低減し、または皆無にすることができる。
【0044】
図4は、当該駆動力伝達装置10におけるパイロットクラッチ機構10dの電磁石13の電磁コイルに付与される電流値と伝達トルクの関係を示すグラフであり、同グラフにおいて、2点鎖線で示す範囲L1は、駆動力伝達装置10における環状凹所16aの形成前の伝達トルク特性値、実線で示す範囲L2は、駆動力伝達装置10における環状凹所16aの形成後の伝達トルク特性値である。
【0045】
当該駆動力伝達装置10においては、2点鎖線で示す範囲L1の伝達トルク特性値を有する駆動力伝達装置において、支持部材16に環状凹所16aを形成してその大きさを調整するものであり、かかる環状凹所16aの形成により、実線で示す範囲L2の伝達トルク特性を有する駆動力伝達装置10を構成することができ、これにより、トルク伝達特性が設定範囲を下回る駆動力伝達装置の発生率を低減し、または皆無にすることができるものである。
【0046】
なお、当該駆動力伝達装置においては、パイロットクラッチ機構10dを構成する支持部材16に環状凹所16aを形成した例を示しているが、環状凹所16aに換えて1または複数の凹孔を形成するようにしてもよい。この場合、凹孔は、ドリル加工等により容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る電磁クラッチをパイロットクラッチ機構とする駆動力伝達装置の断面図である。
【図2】同駆動力伝達装置の部分拡大断面図である。
【図3】同駆動力伝達装置を搭載した車両の概略説明図である。
【図4】同駆動力伝達装置における伝達トルクと電流値の関係を示すグラフで
【符号の説明】
10…駆動力伝達装置、10a…アウタハウジング、10b…インナシャフト、10c…メインクラッチ機構、10d…パイロットクラッチ機構、10e…カム機構、11a…ケーシング、11b…カバー体、11b1…環状凹所、11b2…非磁性部位、12a…インナクラッチプレート、12b…アウタクラッチプレート、13…電磁石、13a…支持部材、14…摩擦クラッチ、14a…インナクラッチプレート、14b…アウタクラッチプレート、14a1,14b1…長孔、15…アーマチャ、16…支持部材、16a…環状凹所、17a…第1カム部材、17b…第2カム部材、17c…カムフォロアー、21…トランスアクスル、22…エンジン、23…フロントデファレンシャル、24a…アクスルシャフト、24b…前輪、25…第1プロペラシャフト、26…第2プロペラシャフト、27…リアデファレンシャル、28a…アクスルシャフト、28b…後輪。
Claims (2)
- 互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロットクラッチ機構間に位置して同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構とにより構成した駆動力伝達装置において、
前記パイロットクラッチ機構を構成する電磁石を支持して同電磁石の磁路を形成する支持部材に当該装置の組立て完了後に外部から切削加工することにより前記電磁石の磁路面積を調整し得る凹所を形成して、該凹所の切削量を前記電磁石に付与した電流値に対する前記メインクラッチ機構のトルク伝達特性が所望の値になるように調整したことを特徴とする駆動力伝達装置。 - 前記電磁石の磁路面積を調整し得る凹所として、当該装置の組立て完了後に外部から切削加工し得る環状凹所又は少なくとも一つの穴を前記支持部材に設けたことを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
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