JP3778662B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤトレッド用ゴム組成物に関し、更に詳しくは高ガラス転移温度Tgを有するジエン系ゴムを含むジエン系ゴムに、芳香族ビニル化合物の重合体又は共重合体、SAF級及びHAF級の2種類のカーボンブラック及びシリカを特定の割合で配合してなり、転がり抵抗が小さくかつウェットグリップ性に優れたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジエン系ゴムにカーボンブラックとシリカをブレンドして、例えば低発熱性(低転動抵抗)で耐摩耗性などに優れたタイヤトレッド用ゴム組成物は数多く提案されている。例えば、特開平5−51485号公報、特開平3−84049号公報、特開昭61−287802号公報などには天然ゴム(NR)又はNRとスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)にSAF級カーボンブラック及びシリカを配合する技術が開示されている。また、特開平3−252431号公報、特開昭61−218404号公報、米国特許第5227425号明細書などにはSBR又はSBR及びNRにシリカ、カーボンブラック及びシランを配合する技術が開示されている。更に、特開昭61−215638号公報、特開平5−271477号公報などにはNR又はSBRにHAF級カーボンブラック及びシリカを配合する技術が開示されている。更にこのようなゴム、カーボンブラック(及びシリカ)を含むゴム組成物に樹脂を配合する技術としては、特開昭62−1735号公報(クマロン・インデン樹脂)、特開平7−90124号公報及び7−70370号公報(p−t−ブチルフェノール)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、先きにジエン系ゴムに、ガラス転移温度Tgが5〜100℃の芳香族ビニル化合物の重合体又は共重合体を配合してタイヤの転がり抵抗を実質的に低下させることなく、ウェットグリップを向上させたタイヤ用ゴム組成物を提案したが、更に転がり抵抗を改良することが求められている。
従って、本発明は転がり抵抗が小さくかつウェットグリップ性に優れたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、(i)ガラス転移温度Tgが−45〜0℃のジエン系ゴムの含量が10〜80重量%であるジエン系ゴム100重量部、(ii)ガラス転移温度Tgが5〜100℃のα−メチルスチレン、ビニルトルエン、核置換α−メチルスチレン及び核置換ビニルトルエンからなる群から選ばれた少なくとも一種の芳香族ビニル化合物の重合体又はそれを主成分とする共重合体、1〜60重量部、(iii)窒素吸着比表面積(N2 SA)が120〜350m2 /g及びDBP吸油量が90〜200ml/100gのカーボンブラック(A)10〜80重量部、(iv)窒素吸着比表面積(N2 SA)が70〜100m2 /g及びDBP吸油量が90〜150ml/100gのカーボンブラック(B)0〜60重量部並びに(v)シリカ0〜40重量部を含んでなり、(シリカ及びカーボン(B))/カーボン(A)の重量比が0.1〜9でカーボンブラック(A)、カーボンブラック(B)及びシリカの合計量が40〜100重量部であるタイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に配合されるジエン系ゴムはTgが−45〜0℃、好ましくは−40〜−10℃のジエン系ゴムを10〜80重量%、好ましくは20〜75重量%含む他のジエン系ゴムとの混合物又はこれにエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR,EPDM)などの非ジエン系ゴムを配合することができる。上記ジエン系ゴムのTgが−45℃未満ではウェットグリップ性能が不十分なので好ましくなく、逆に0℃を超えると常温で硬く、かえってグリップ力を悪化させるので好ましくない。また、Tgが−45〜0℃のジエン系ゴムが全ゴム分の10重量%未満ではウェットグリップ性能を向上させるのに不十分なので好ましくなく、逆に80重量%を超えると耐摩耗性、転がり抵抗が悪化するので好ましくない。
【0006】
本発明において使用するジエン系ゴムは、従来よりタイヤ用として使用されている任意のジエン系ゴム、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。なお、ジエン系ゴムのうちSBRが60重量%以上であるのが好ましい。
【0007】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に1〜60重量部、好ましくは3〜30重量部配合される芳香族ビニル化合物の重合体樹脂又はこれを主成分とする共重合体樹脂(以下軟化剤樹脂ということがある)はTgが5〜100℃、好ましくは15〜80℃でなければならない。Tgが5℃未満では樹脂の軟化温度が低くなりすぎてブロッキングしやすくなるおそれがあり、取り扱いが困難となるので好ましくなく、逆に100℃を超えると、転がり抵抗が悪化すると共に、ムーニー粘度が高くなって加工性が悪化するので好ましくない。なお軟化剤樹脂の配合量が少な過ぎると所望の効果が得られず、逆に多過ぎると加工性が不良になって好ましくない。
【0008】
本発明において使用する上記軟化剤樹脂は、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、核がメチル基、エチル基、プロピル基で置換されたα−メチルスチレン又はビニルトルエンなどの単重合体又はこれらのもしくはこれらと他のコモノマー(例えばイソプレン、クマロン、インデン、ジシクロペンタジエンなど)との共重合体樹脂又はこれらの樹脂とナフサの熱分解により得られるC5 又はC9 留分を含む共重合体樹脂とのブレンドなどをあげることができる。このような樹脂としては、例えばα−メチルスチレン樹脂、ビニルトルエン樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体樹脂及びこれら樹脂とC5 あるいはC9 樹脂の混合物あるいは共重合体樹脂などをあげることができる。
【0009】
本発明のタイヤトレッドゴム組成物に10〜80重量部、好ましくは20〜70重量部配合されるカーボンブラック(A)は、窒素吸着比表面積(N2 SA)が120〜350m2 /g、好ましくは130〜250m2 /g、DBP吸油量が90〜200ml/100g、好ましくは100〜150ml/100gの従来からタイヤ用ゴム組成物に配合されているカーボンブラックである。
【0010】
カーボンブラック(A)の配合量が少な過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくなく、逆に多過ぎると転がり抵抗が大きくなるので好ましくない。また、カーボンブラック(A)のN2 SAが小さ過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくなく、逆に大き過ぎると混合加工性が悪化するので好ましくない。更に、カーボンブラック(A)のDBP吸油量が小さ過ぎると耐摩耗性が不十分なので好ましくなく、逆に大き過ぎると混合加工性が悪化するので好ましくない。
【0011】
カーボンブラックのN2 SA及びDBP吸油量の測定方法は以下の通りである。
1)窒素吸着比表面積(N2 SA)(m2 /g):ASTM D 3037(30733)方法Cに準拠して測定。
2)DBP(ジブチルフタレート)吸油量(ml/100g):JIS K6221「ゴム用カーボンブラック試験方法」6.1.2(1)A法に準拠して測定。
【0012】
本発明のタイヤトレッドゴム組成物に0〜60重量部、好ましくは5〜55重量部配合されるカーボンブラック(B)はN2 SAが70〜100m2 /g、好ましくは75〜95m2 /gで、DBP吸油量が90〜150ml/100g、好ましくは100〜130ml/100g配合される。この配合量が少な過ぎると転がり抵抗が十分に改善されないので好ましくなく、逆に多過ぎると耐摩耗性と転がり抵抗のバランスが十分に改善されないので好ましくない。また、N2 SAが小さ過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくなく、逆に大き過ぎると転がり抵抗が悪化するので好ましくない。また、DBP吸油量が小さ過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくなく、逆に大き過ぎると混合加工性が悪化するので好ましくない。
【0013】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に0〜40重量部、好ましくは5〜30重量部配合されるシリカは従来からタイヤ用ゴム組成物に配合されている任意のシリカとすることができる。このシリカの配合量が少な過ぎると転がり抵抗性が悪化するので好ましくなく、逆に多過ぎると混合加工性が悪化するので好ましくない。
【0014】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に配合されるカーボンブラック(A)及び(B)並びにシリカの配合量は(シリカ+カーボンブラック(B)/カーボンブラック(A)が0.1〜9、好ましくは0.2〜3(重量比)で、カーボンブラック(A)及び(B)並びにシリカの配合補強剤の合計量がジエン系ゴム100重量部当り40〜100重量部、好ましくは50〜90重量部としなければならない。シリカ及びカーボンブラック(B)のカーボンブラック(A)に対する比率が少な過ぎると転がり抵抗の改善が不十分なので好ましくなく、逆に多過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくない。また、配合補強剤の合計量が50重量部未満では耐摩耗性が不十分なので好ましくなく、逆に100重量部超では混合加工性が悪化するので好ましくない。
【0015】
本発明のタイヤトレッド組成物には、好ましくは、シリカの配合量に対し、1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%のオルガノポリシロキサンを配合することによって混合時のシリカの分散性を向上し、加工性を改善することができる。但し、この配合量が多過ぎると軟化剤として作用し、引張特性等がかえって悪化するので好ましくない。
【0016】
本発明の好ましい態様において使用することができるオルガノポリシロキサンは、アルコキシシリル基(I)またはアシルオキシシリル基(II)を、Si原子に直接結合したアルコキシ基が1分子中に6個以上またはアシルオキシ基が1分子中に2個以上存在するように、含有するポリシロキサンは、前述の如く、シラノール基または極性基と反応するアルコキシシリル基(I)またはアシルオキシシリル基(II)を有し、充填剤粒子の表面を覆って潤滑効果を示す大きさ、即ち平均重合度が3〜10,000、好ましくは10〜1,000のポリマー(又はオリゴマー)である必要がある。従って、本発明のポリシロキサンにおいては特定量の≡Si−O−R1 基または≡Si−OCOR2 基の存在が必須であり、これらの基は主鎖、側鎖、末端のいずれにあってもよいが、特に主鎖にあるのが好ましい。またこれらの基に含まれるOR1 基を1分子中に6個以上またはOCOR2 基を1分子中に2個以上含有させることによって、充填剤と強固に結合させることができる。さらに水素基や他の有機基があってもよい。なお、本発明において使用する前記ポリシロキサンは、その分子中にSi原子に直接結合した炭化水素基、好ましくはアルキル基を少なくとも1個有するのがゴム成分との親和性の観点から好ましい。かかるポリシロキサンは公知物質であり、例えば、一般的には以下のようにして製造することができる。
【0017】
アルコキシシリルまたはアシルオキシシリル基を含有するポリシロキサンは、Si−H基含有ポリシロキサンとアルコール又はカルボン酸とを触媒の存在下に反応させることによって合成される。
【0018】
前記≡Si−H基含有ポリシロキサンとしては、以下のものを例示できる。
【0019】
【化1】
【0020】
前記アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、オクタデカノール、フェノール、ベンジルアルコールの他に、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなど酸素原子を有するアルコールを例示することができる。また、前記カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸などを例示することができる。更に、前記触媒としては、塩化白金酸、白金−エーテル錯体、白金−オレフィン錯体、PdCl2(PPh3)2 ,RhCl2(PPh3)2 が使用できる。
【0021】
有機基を導入する方法としては、≡Si−Hと二重結合を有する有機化合物を上記触媒を用いて反応させることにより容易に導入される。二重結合を有する化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー、リモネン、ビニルシクロヘキセン等がある。
【0022】
別の方法としては、相当する≡Si−H基含有ポリシロキサンと、以下に示すような二重結合含有アルコキシシランとを、前記した触媒の存在下に反応させることにより合成することができる。
【0023】
【化2】
【0024】
更に別の方法として、本発明において使用するポリシロキサンは、シラノール末端ポリシロキサンとアルコキシシランとを2価のスズ化合物などの触媒の存在下に反応させることにより合成することができる。このようなシラノール末端ポリシロキサンとしては、以下のものを例示することができる。
【0025】
【化3】
【0026】
前記アルコキシシランとしては、以下のアルコキシシランを挙げることができ、更に、表Iに示すシランカップリング剤を挙げることができる。
【0027】
【化4】
【0028】
【表1】
【0029】
本発明において使用するポリシロキサンは、更に、反応性の官能基を側鎖又は末端に有するポリシロキサンと前記表Iのシランカップリング剤との反応により合成することができる。反応性の官能基を有するポリシロキサンとしては、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基等を有するものを例示することができる。
なお、本発明において使用するポリシロキサンは、前述の通り、その末端基及び側鎖は特に限定はなく、製造時に使用した原料の種類によって定まるものであり、例えば、トリメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基の他、有機基であってもよい。
【0030】
本発明において使用されるポリシロキサンの配合量は、ゴム組成物中のシリカ重量に対し1〜40重量%、好ましくは2〜20重量%、最も好ましくは5〜10重量%である。ポリシロキサンの配合量が少な過ぎると所望の結果が得られず、逆に多過ぎるとシリカと結合しない該物質が加硫物からしみ出す場合があるので好ましくない。
【0031】
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物には、更に、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、充填剤、軟化剤、可塑剤などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができる。本発明のゴム組成物は一般的な方法で加硫し、タイヤトレッドとすることができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
【0033】
実施例1〜7及び比較例1〜8
表IIに示す配合(重量部)の各成分を以下の通りにして配合してゴム組成物を製造した。
硫黄及び加硫促進剤を除く他の成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達した時に放出したマスターバッチに加硫促進剤と硫黄を8インチのオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。この組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で20分間プレス加硫して目的とする試験片(ゴムシート)を調製し、tanδ(0℃及び60℃)を評価した。結果を表IIに示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
表II及び下記表III に示した配合成分は以下の通りである。ガラス転移温度は、パーキンエルマー製示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/min で測定した。
ニッポール(NIPOL)9528:日本ゼオン(株)製 SBR(Tg=−35℃ 50phr アロマ油展品)
ニッポール(NIPOL)1502:日本ゼオン(株)製 SBR(Tg=−51℃)
ニッポール(NIPOL)1220:日本ゼオン(株)製 高cis−BR(Tg=−101℃)
ダイヤブラック(DIA BLACK)A:三菱化学(株)製 カーボンブラック(N2 SA:142m2 /g、DBP吸油量:113ml/100mg)
ショーブラック(SHOBLACK)N339:昭和キャボット(株)製 カーボンブラック(N2 SA:90m2 /g、DBP吸油量:118ml/100mg)
【0037】
サントフレックス(SANTOFLEX)6PPD:FLEXSIS製 老化防止剤
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ステアリン酸:日本油脂(株)製
アロマオイル:富士興産(株)製
サントキュア(SANTOCURE NS:FLEXSIS製 加硫促進剤
硫黄:(株)軽井沢精練所製
エンデックス160:理化ハーキュレス製、芳香族ビニル化合物重合体樹脂(Tg=103℃)
FTR0120:三井石油化学工業(株)製、α−メチルスチレン重合体樹脂(Tg=60℃)
Si69:デグッサ製 シリカ
【0038】
ポリシロキサン:
下記一般式(I)で示されるポリシロキサンを以下の一般的な方法で合成した。
ポリシロキサン
ポリメチルハイドロジェンシロキサン(KF99、信越化学工業社製)200g、エタノール120gを混ぜ、塩化白金酸1%イソプロピルアルコール溶液40μlを添加、80℃で10時間反応させ合成した。この化合物の推定構造は以下の通りである。
R1 =CH3 ,R2 =H,R3 =C2 H5 ,m:n=21:79,(m+n)=30
【0039】
【化5】
【0040】
表II及び下記表III で評価した物性の測定方法は以下の通りである。
1)tanδの測定:粘弾性スペクトロメーター(東洋精機(株)製)を用いて、初期歪み10%、動的歪み±2%、周波数20Hzの条件で測定。
2)ムーニー粘度の測定:JIS K 6300に準じて、100℃の時のムーニービスをLローターで測定。
3)ムーニースコーチの測定:JIS K 6300に準じて、125℃にて粘度が5ムーニー上昇する時間を測定。
【0041】
実施例8〜13
表III に示す配合(重量部)の各部分を実施例1〜7及び比較例1〜8と同じようにして配合してゴム組成物を製造し、その物性(ムーニー粘度及びムーニースコーチ)を評価した。結果は表III に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に従えば、芳香族ビニル化合物重合体又は共重合体樹脂の配合では、ウェットグリップは改良することができるが、転がり抵抗は改善されなかったのに対し、特定のカーボンブラックおよびシリカを配合することにより、更に、転がり抵抗を改善し、ウェットグリップと転がり抵抗を高度にバランスさせたタイヤトレッド用ゴム組成物を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤトレッド用ゴム組成物に関し、更に詳しくは高ガラス転移温度Tgを有するジエン系ゴムを含むジエン系ゴムに、芳香族ビニル化合物の重合体又は共重合体、SAF級及びHAF級の2種類のカーボンブラック及びシリカを特定の割合で配合してなり、転がり抵抗が小さくかつウェットグリップ性に優れたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジエン系ゴムにカーボンブラックとシリカをブレンドして、例えば低発熱性(低転動抵抗)で耐摩耗性などに優れたタイヤトレッド用ゴム組成物は数多く提案されている。例えば、特開平5−51485号公報、特開平3−84049号公報、特開昭61−287802号公報などには天然ゴム(NR)又はNRとスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)にSAF級カーボンブラック及びシリカを配合する技術が開示されている。また、特開平3−252431号公報、特開昭61−218404号公報、米国特許第5227425号明細書などにはSBR又はSBR及びNRにシリカ、カーボンブラック及びシランを配合する技術が開示されている。更に、特開昭61−215638号公報、特開平5−271477号公報などにはNR又はSBRにHAF級カーボンブラック及びシリカを配合する技術が開示されている。更にこのようなゴム、カーボンブラック(及びシリカ)を含むゴム組成物に樹脂を配合する技術としては、特開昭62−1735号公報(クマロン・インデン樹脂)、特開平7−90124号公報及び7−70370号公報(p−t−ブチルフェノール)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、先きにジエン系ゴムに、ガラス転移温度Tgが5〜100℃の芳香族ビニル化合物の重合体又は共重合体を配合してタイヤの転がり抵抗を実質的に低下させることなく、ウェットグリップを向上させたタイヤ用ゴム組成物を提案したが、更に転がり抵抗を改良することが求められている。
従って、本発明は転がり抵抗が小さくかつウェットグリップ性に優れたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、(i)ガラス転移温度Tgが−45〜0℃のジエン系ゴムの含量が10〜80重量%であるジエン系ゴム100重量部、(ii)ガラス転移温度Tgが5〜100℃のα−メチルスチレン、ビニルトルエン、核置換α−メチルスチレン及び核置換ビニルトルエンからなる群から選ばれた少なくとも一種の芳香族ビニル化合物の重合体又はそれを主成分とする共重合体、1〜60重量部、(iii)窒素吸着比表面積(N2 SA)が120〜350m2 /g及びDBP吸油量が90〜200ml/100gのカーボンブラック(A)10〜80重量部、(iv)窒素吸着比表面積(N2 SA)が70〜100m2 /g及びDBP吸油量が90〜150ml/100gのカーボンブラック(B)0〜60重量部並びに(v)シリカ0〜40重量部を含んでなり、(シリカ及びカーボン(B))/カーボン(A)の重量比が0.1〜9でカーボンブラック(A)、カーボンブラック(B)及びシリカの合計量が40〜100重量部であるタイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に配合されるジエン系ゴムはTgが−45〜0℃、好ましくは−40〜−10℃のジエン系ゴムを10〜80重量%、好ましくは20〜75重量%含む他のジエン系ゴムとの混合物又はこれにエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR,EPDM)などの非ジエン系ゴムを配合することができる。上記ジエン系ゴムのTgが−45℃未満ではウェットグリップ性能が不十分なので好ましくなく、逆に0℃を超えると常温で硬く、かえってグリップ力を悪化させるので好ましくない。また、Tgが−45〜0℃のジエン系ゴムが全ゴム分の10重量%未満ではウェットグリップ性能を向上させるのに不十分なので好ましくなく、逆に80重量%を超えると耐摩耗性、転がり抵抗が悪化するので好ましくない。
【0006】
本発明において使用するジエン系ゴムは、従来よりタイヤ用として使用されている任意のジエン系ゴム、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。なお、ジエン系ゴムのうちSBRが60重量%以上であるのが好ましい。
【0007】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に1〜60重量部、好ましくは3〜30重量部配合される芳香族ビニル化合物の重合体樹脂又はこれを主成分とする共重合体樹脂(以下軟化剤樹脂ということがある)はTgが5〜100℃、好ましくは15〜80℃でなければならない。Tgが5℃未満では樹脂の軟化温度が低くなりすぎてブロッキングしやすくなるおそれがあり、取り扱いが困難となるので好ましくなく、逆に100℃を超えると、転がり抵抗が悪化すると共に、ムーニー粘度が高くなって加工性が悪化するので好ましくない。なお軟化剤樹脂の配合量が少な過ぎると所望の効果が得られず、逆に多過ぎると加工性が不良になって好ましくない。
【0008】
本発明において使用する上記軟化剤樹脂は、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、核がメチル基、エチル基、プロピル基で置換されたα−メチルスチレン又はビニルトルエンなどの単重合体又はこれらのもしくはこれらと他のコモノマー(例えばイソプレン、クマロン、インデン、ジシクロペンタジエンなど)との共重合体樹脂又はこれらの樹脂とナフサの熱分解により得られるC5 又はC9 留分を含む共重合体樹脂とのブレンドなどをあげることができる。このような樹脂としては、例えばα−メチルスチレン樹脂、ビニルトルエン樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体樹脂及びこれら樹脂とC5 あるいはC9 樹脂の混合物あるいは共重合体樹脂などをあげることができる。
【0009】
本発明のタイヤトレッドゴム組成物に10〜80重量部、好ましくは20〜70重量部配合されるカーボンブラック(A)は、窒素吸着比表面積(N2 SA)が120〜350m2 /g、好ましくは130〜250m2 /g、DBP吸油量が90〜200ml/100g、好ましくは100〜150ml/100gの従来からタイヤ用ゴム組成物に配合されているカーボンブラックである。
【0010】
カーボンブラック(A)の配合量が少な過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくなく、逆に多過ぎると転がり抵抗が大きくなるので好ましくない。また、カーボンブラック(A)のN2 SAが小さ過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくなく、逆に大き過ぎると混合加工性が悪化するので好ましくない。更に、カーボンブラック(A)のDBP吸油量が小さ過ぎると耐摩耗性が不十分なので好ましくなく、逆に大き過ぎると混合加工性が悪化するので好ましくない。
【0011】
カーボンブラックのN2 SA及びDBP吸油量の測定方法は以下の通りである。
1)窒素吸着比表面積(N2 SA)(m2 /g):ASTM D 3037(30733)方法Cに準拠して測定。
2)DBP(ジブチルフタレート)吸油量(ml/100g):JIS K6221「ゴム用カーボンブラック試験方法」6.1.2(1)A法に準拠して測定。
【0012】
本発明のタイヤトレッドゴム組成物に0〜60重量部、好ましくは5〜55重量部配合されるカーボンブラック(B)はN2 SAが70〜100m2 /g、好ましくは75〜95m2 /gで、DBP吸油量が90〜150ml/100g、好ましくは100〜130ml/100g配合される。この配合量が少な過ぎると転がり抵抗が十分に改善されないので好ましくなく、逆に多過ぎると耐摩耗性と転がり抵抗のバランスが十分に改善されないので好ましくない。また、N2 SAが小さ過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくなく、逆に大き過ぎると転がり抵抗が悪化するので好ましくない。また、DBP吸油量が小さ過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくなく、逆に大き過ぎると混合加工性が悪化するので好ましくない。
【0013】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に0〜40重量部、好ましくは5〜30重量部配合されるシリカは従来からタイヤ用ゴム組成物に配合されている任意のシリカとすることができる。このシリカの配合量が少な過ぎると転がり抵抗性が悪化するので好ましくなく、逆に多過ぎると混合加工性が悪化するので好ましくない。
【0014】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に配合されるカーボンブラック(A)及び(B)並びにシリカの配合量は(シリカ+カーボンブラック(B)/カーボンブラック(A)が0.1〜9、好ましくは0.2〜3(重量比)で、カーボンブラック(A)及び(B)並びにシリカの配合補強剤の合計量がジエン系ゴム100重量部当り40〜100重量部、好ましくは50〜90重量部としなければならない。シリカ及びカーボンブラック(B)のカーボンブラック(A)に対する比率が少な過ぎると転がり抵抗の改善が不十分なので好ましくなく、逆に多過ぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくない。また、配合補強剤の合計量が50重量部未満では耐摩耗性が不十分なので好ましくなく、逆に100重量部超では混合加工性が悪化するので好ましくない。
【0015】
本発明のタイヤトレッド組成物には、好ましくは、シリカの配合量に対し、1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%のオルガノポリシロキサンを配合することによって混合時のシリカの分散性を向上し、加工性を改善することができる。但し、この配合量が多過ぎると軟化剤として作用し、引張特性等がかえって悪化するので好ましくない。
【0016】
本発明の好ましい態様において使用することができるオルガノポリシロキサンは、アルコキシシリル基(I)またはアシルオキシシリル基(II)を、Si原子に直接結合したアルコキシ基が1分子中に6個以上またはアシルオキシ基が1分子中に2個以上存在するように、含有するポリシロキサンは、前述の如く、シラノール基または極性基と反応するアルコキシシリル基(I)またはアシルオキシシリル基(II)を有し、充填剤粒子の表面を覆って潤滑効果を示す大きさ、即ち平均重合度が3〜10,000、好ましくは10〜1,000のポリマー(又はオリゴマー)である必要がある。従って、本発明のポリシロキサンにおいては特定量の≡Si−O−R1 基または≡Si−OCOR2 基の存在が必須であり、これらの基は主鎖、側鎖、末端のいずれにあってもよいが、特に主鎖にあるのが好ましい。またこれらの基に含まれるOR1 基を1分子中に6個以上またはOCOR2 基を1分子中に2個以上含有させることによって、充填剤と強固に結合させることができる。さらに水素基や他の有機基があってもよい。なお、本発明において使用する前記ポリシロキサンは、その分子中にSi原子に直接結合した炭化水素基、好ましくはアルキル基を少なくとも1個有するのがゴム成分との親和性の観点から好ましい。かかるポリシロキサンは公知物質であり、例えば、一般的には以下のようにして製造することができる。
【0017】
アルコキシシリルまたはアシルオキシシリル基を含有するポリシロキサンは、Si−H基含有ポリシロキサンとアルコール又はカルボン酸とを触媒の存在下に反応させることによって合成される。
【0018】
前記≡Si−H基含有ポリシロキサンとしては、以下のものを例示できる。
【0019】
【化1】
【0020】
前記アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、オクタデカノール、フェノール、ベンジルアルコールの他に、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなど酸素原子を有するアルコールを例示することができる。また、前記カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸などを例示することができる。更に、前記触媒としては、塩化白金酸、白金−エーテル錯体、白金−オレフィン錯体、PdCl2(PPh3)2 ,RhCl2(PPh3)2 が使用できる。
【0021】
有機基を導入する方法としては、≡Si−Hと二重結合を有する有機化合物を上記触媒を用いて反応させることにより容易に導入される。二重結合を有する化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー、リモネン、ビニルシクロヘキセン等がある。
【0022】
別の方法としては、相当する≡Si−H基含有ポリシロキサンと、以下に示すような二重結合含有アルコキシシランとを、前記した触媒の存在下に反応させることにより合成することができる。
【0023】
【化2】
【0024】
更に別の方法として、本発明において使用するポリシロキサンは、シラノール末端ポリシロキサンとアルコキシシランとを2価のスズ化合物などの触媒の存在下に反応させることにより合成することができる。このようなシラノール末端ポリシロキサンとしては、以下のものを例示することができる。
【0025】
【化3】
【0026】
前記アルコキシシランとしては、以下のアルコキシシランを挙げることができ、更に、表Iに示すシランカップリング剤を挙げることができる。
【0027】
【化4】
【0028】
【表1】
【0029】
本発明において使用するポリシロキサンは、更に、反応性の官能基を側鎖又は末端に有するポリシロキサンと前記表Iのシランカップリング剤との反応により合成することができる。反応性の官能基を有するポリシロキサンとしては、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基等を有するものを例示することができる。
なお、本発明において使用するポリシロキサンは、前述の通り、その末端基及び側鎖は特に限定はなく、製造時に使用した原料の種類によって定まるものであり、例えば、トリメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基の他、有機基であってもよい。
【0030】
本発明において使用されるポリシロキサンの配合量は、ゴム組成物中のシリカ重量に対し1〜40重量%、好ましくは2〜20重量%、最も好ましくは5〜10重量%である。ポリシロキサンの配合量が少な過ぎると所望の結果が得られず、逆に多過ぎるとシリカと結合しない該物質が加硫物からしみ出す場合があるので好ましくない。
【0031】
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物には、更に、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、充填剤、軟化剤、可塑剤などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができる。本発明のゴム組成物は一般的な方法で加硫し、タイヤトレッドとすることができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
【0033】
実施例1〜7及び比較例1〜8
表IIに示す配合(重量部)の各成分を以下の通りにして配合してゴム組成物を製造した。
硫黄及び加硫促進剤を除く他の成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達した時に放出したマスターバッチに加硫促進剤と硫黄を8インチのオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。この組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で20分間プレス加硫して目的とする試験片(ゴムシート)を調製し、tanδ(0℃及び60℃)を評価した。結果を表IIに示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
表II及び下記表III に示した配合成分は以下の通りである。ガラス転移温度は、パーキンエルマー製示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/min で測定した。
ニッポール(NIPOL)9528:日本ゼオン(株)製 SBR(Tg=−35℃ 50phr アロマ油展品)
ニッポール(NIPOL)1502:日本ゼオン(株)製 SBR(Tg=−51℃)
ニッポール(NIPOL)1220:日本ゼオン(株)製 高cis−BR(Tg=−101℃)
ダイヤブラック(DIA BLACK)A:三菱化学(株)製 カーボンブラック(N2 SA:142m2 /g、DBP吸油量:113ml/100mg)
ショーブラック(SHOBLACK)N339:昭和キャボット(株)製 カーボンブラック(N2 SA:90m2 /g、DBP吸油量:118ml/100mg)
【0037】
サントフレックス(SANTOFLEX)6PPD:FLEXSIS製 老化防止剤
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ステアリン酸:日本油脂(株)製
アロマオイル:富士興産(株)製
サントキュア(SANTOCURE NS:FLEXSIS製 加硫促進剤
硫黄:(株)軽井沢精練所製
エンデックス160:理化ハーキュレス製、芳香族ビニル化合物重合体樹脂(Tg=103℃)
FTR0120:三井石油化学工業(株)製、α−メチルスチレン重合体樹脂(Tg=60℃)
Si69:デグッサ製 シリカ
【0038】
ポリシロキサン:
下記一般式(I)で示されるポリシロキサンを以下の一般的な方法で合成した。
ポリシロキサン
ポリメチルハイドロジェンシロキサン(KF99、信越化学工業社製)200g、エタノール120gを混ぜ、塩化白金酸1%イソプロピルアルコール溶液40μlを添加、80℃で10時間反応させ合成した。この化合物の推定構造は以下の通りである。
R1 =CH3 ,R2 =H,R3 =C2 H5 ,m:n=21:79,(m+n)=30
【0039】
【化5】
【0040】
表II及び下記表III で評価した物性の測定方法は以下の通りである。
1)tanδの測定:粘弾性スペクトロメーター(東洋精機(株)製)を用いて、初期歪み10%、動的歪み±2%、周波数20Hzの条件で測定。
2)ムーニー粘度の測定:JIS K 6300に準じて、100℃の時のムーニービスをLローターで測定。
3)ムーニースコーチの測定:JIS K 6300に準じて、125℃にて粘度が5ムーニー上昇する時間を測定。
【0041】
実施例8〜13
表III に示す配合(重量部)の各部分を実施例1〜7及び比較例1〜8と同じようにして配合してゴム組成物を製造し、その物性(ムーニー粘度及びムーニースコーチ)を評価した。結果は表III に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に従えば、芳香族ビニル化合物重合体又は共重合体樹脂の配合では、ウェットグリップは改良することができるが、転がり抵抗は改善されなかったのに対し、特定のカーボンブラックおよびシリカを配合することにより、更に、転がり抵抗を改善し、ウェットグリップと転がり抵抗を高度にバランスさせたタイヤトレッド用ゴム組成物を得ることができる。
Claims (3)
- (i)ガラス転移温度Tgが−45〜0℃のジエン系ゴムの含量が10〜80重量%であるジエン系ゴム100重量部、(ii)ガラス転移温度Tgが5〜100℃のα−メチルスチレン、ビニルトルエン、核置換α−メチルスチレン及び核置換ビニルトルエンからなる群から選ばれた少なくとも一種の芳香族ビニル化合物の重合体又はそれを主成分とする共重合体、1〜60重量部、(iii)窒素吸着比表面積(N2 SA)が120〜350m2 /g及びDBP吸油量が90〜200ml/100gのカーボンブラック(A)10〜80重量部、(iv)窒素吸着比表面積(N2 SA)が70〜100m2 /g及びDBP吸油量が90〜150ml/100gのカーボンブラック(B)0〜60重量部並びに(v)シリカ0〜40重量部を含んでなり、(シリカ及びカーボン(B))/カーボン(A)の重量比が0.1〜9でカーボンブラック(A)、カーボンブラック(B)及びシリカの合計量が40〜100重量部であるタイヤトレッド用ゴム組成物。
- シリカに対し1〜20重量%のオルガノポリシロキサンを更に配合してなる請求項1に記載のゴム組成物。
- ジエン系ゴムの60重量%以上がスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである請求項1又は2に記載のゴム組成物。
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