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JP3778644B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物 Download PDF

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JP3778644B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物に関し、より詳しくは、成膜後に紫外線露光及びアルカリ水溶液による現像でパターン形成可能な、多層回路基板のビルドアップ用絶縁膜として有用な感光性樹脂組成物、及びそれを用いた回路基板作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子部品をコンパクトに電子機器に組み込むためにプリント基板が一般的に使用されている。このプリント基板は、積層板に張り合わせた銅箔を電子回路パターンに従ってエッチングするもので、高密度に電子部品を実装することは困難であるが、コスト面で有利である。一方、ハイブリッドIC用としては、ビルドアップ多層配線構造が古くから用いられてきた。これはセラミック基板上に導体と絶縁体の厚膜ペーストを順次印刷して積み重ね、焼成するもので、コスト面では不利であるが、高密度実装が可能となる。
【0003】
近年、電子機器に対する小型化、高性能化及び低価格化などの要求に伴い、プリント基板の電子回路の微細化、多層化、及び電子部品の高密度実装化が急速に進み、プリント基板に対してもビルドアップ多層配線構造の検討が活発化してきた。ビルドアップ用絶縁膜は、電子回路の層間に形成されるもので、上層の電子回路との接続を行うべき箇所(一般に「ビアホール」と称される部分)を除いた全面に、皮膜形成されるものである。
【0004】
ビルドアップ構造の作製プロセスの一例を図1に示す。具体的には、まず、配線パターン2と絶縁樹脂4で穴埋めしたスルーホール3を持つ両面配線板をコア基板1として用意する(図1(a))。次に、感光性樹脂をコア基板1の両面の全体にコートし、露光、現像して、ビアホール7を備えた絶縁膜8を形成する(図1(b))。次いで、無電解めっき・電解めっきで絶縁膜8の上に導体層11を形成し(図1(c))、これをエッチングして配線パターン12を形成する(図1(d))。その後、必要に応じて、絶縁膜の形成から導体パターンの形成までの工程(図1(b)〜(d)で説明した工程)を繰り返して多層配線構造を作製する。
【0005】
絶縁膜8を形成するための感光性樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシアクリレート、増感剤、エポキシ化合物、硬化剤などからなる感光性組成物(特開昭50−144431号公報及び特公昭51−40451号公報)などを用いることができる。また、これらの感光性組成物は、現像時に多量の有機溶媒を使用し、そのため環境汚染や火災の危険性などの問題があることから、最近ではそれらに代わって希薄アルカリ水溶液で現像可能な感光性組成物が用いられている。そのようなアルカリ現像型感光性樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を反応させ、更に多塩基酸無水物を付加させた反応生成物をベースポリマーとする感光性組成物(特公昭56−40329号公報及び特公昭57−45785号公報)を用いることができる。また、ノボラック型エポキシ樹脂を用いた耐熱性、耐薬品性の優れたアルカリ現像型感光性組成物(特開昭61−243869号公報)なども用いることができる。
【0006】
ビルドアップ法では、樹脂絶縁膜上に導体を形成する際に、樹脂絶縁膜と導体との密着性向上のため樹脂絶縁膜の表面を粗化した後、無電解めっきを施す方法が一般的に用いられる。樹脂絶縁膜の表面粗化のためには、従来より、絶縁膜の導体形成面に化学的エッチングによって微細な凹凸を設ける方法が知られている。具体的には、図2に示したように、絶縁膜8中に酸あるいは酸化剤によって可溶なフィラー成分9を添加しておき(図2(a))、エッチング処理によってフィラー9を溶解して、絶縁膜8の表面に凹凸部10を形成する(図2(b))ものである。このフィラー成分としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレーなどを用いることができる。この方法によれば、絶縁膜表面に形成した凹凸部10に導体としてめっきされる金属が入り込み、そのアンカー効果によって導体と樹脂絶縁膜間の密着力が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この化学的エッチングは通常、酸あるいは酸化剤を用いて過酷な条件下で処理する(一般に、過マンガン酸を用いて高温で加熱する)ため、フィラーばかりでなく樹脂絶縁膜もエッチングされてしまい、適正な凹凸部を設けるのが困難である。すなわち、エッチング不足でもエッチング過多でも、導体の密着力は低下するため、酸あるいは酸化剤でエッチング処理する場合は密着力を都合よく高めることが困難である。更に、酸あるいは酸化剤のエッチング処理は前処理、中和処理など多くの工程を要するため、ビルドアップ構造の作製工程にこの処理を含む場合は工程数が増加する面で、またコスト面でも不利である。更に、通常用いられる、酸あるいは酸化剤によって可溶なフィラー、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレーなどはアルカリには不溶あるいは難溶であるため、露光、現像してビアホールを形成する際に現像残りとなる(形成したビアホール内にフィラーが少量の絶縁膜樹脂材料を伴って残存することになる)。すなわち、密着力を高めようとフィラーを過剰に入れると、この現像残りが増えて解像性が低下する。
【0008】
このように、絶縁膜中に含ませたフィラーを酸あるいは酸化剤でエッチング処理する従来の方法には、導体密着力、生産性、生産コスト及び露光・現像により形成するビアホールの解像性の点で問題がある。
そこで、本発明は、従来技術のこのような問題を解決して、導体密着力の向上した樹脂絶縁膜を有利に形成することができる新しいアルカリ現像型感光性樹脂組成物と、それを用いた回路基板作製方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)アルカリ可溶性である、平均粒径1〜10μmの粒子成分、(b)エポキシ化合物、(c)アルカリ可溶性エポキシ硬化剤、(d)ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物、及び(e)光重合開始剤、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の回路基板作製方法は、基板の表面に感光性樹脂材料をコートし、露光及び現像して所定パターンの開口部を備えた絶縁膜を形成し、この絶縁膜表面を粗化し、粗化した絶縁膜上に導体層を形成し、そしてこの導体層をパターニングして配線層を形成することを含む回路基板の作製方法であって、感光性樹脂材料として、(a)アルカリ可溶性である、平均粒径1〜10μmの粒子成分、(b)エポキシ化合物、(c)アルカリ可溶性エポキシ硬化剤、(d)ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物、及び(e)光重合開始剤、を含む組成物を使用し、且つ、絶縁膜表面の粗化をアルカリ処理液によるエッチングにより行うことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
端的に言えば、本発明の感光性樹脂組成物は、フィラーとしてアルカリ可溶性の微粒子を添加することにより、形成した樹脂膜表面の粗化をアルカリ処理液でのエッチングにより行うことを可能にした、アルカリ現像型感光性樹脂組成物であり、絶縁膜に対する導体密着力、生産性及び露光・現像により形成する樹脂絶縁膜の開口部(ビアホール)解像性に優れた、回路基板のビルドアップ用絶縁膜として特に有用な組成物である。
【0012】
本発明の組成物における(a)成分、すなわち粒子成分は、アルカリ可溶性で、平均粒径が1〜10μmの粒子成分である。この粒子は、形成した樹脂膜表面に露出したものが、後にアルカリエッチングで溶解して樹脂膜表面に微細な凹凸部を形成するものである。従って、この粒子成分は、当該組成物において粒子形態を保持すること、すなわち当該組成物を構成する他の成分に不溶性あるいは難溶性であることが必要とされる。
【0013】
本発明の組成物において好適な粒子成分の代表例としては、フタル酸を挙げることができる。フタル酸は、常温で固体であり、そしてアルカリ水溶液、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの希薄水溶液に容易に溶ける。しかも、フタル酸は、本発明の組成物を構成する他の成分(詳しくは後述)に不溶性あるいは難溶性であり、そのため樹脂絶縁膜のアルカリ水溶液でのエッチングによる表面粗化を行うまで粒子形態を保持することができる。また、本発明の組成物において有機溶媒を使用する場合においても、フタル酸は一般の有機溶媒、例えばエチレングリコールモノエーテル類、アセテート類、シクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどに不溶性あるいは難溶性である。
【0014】
本発明の組成物で粒子成分として用いられるような化合物は、通常の粉砕機で粉砕した後、所望の粒径の粒子に分級される。本発明においては、平均粒径は1〜10μmが望ましく、更には3〜6μmがより望ましい。粒径が1μm未満では、アルカリ処理によるエッチングで樹脂絶縁膜表面に十分な凹凸を設けることができず、導体密着力が不十分となる。また、粒径が10μmを超えると凹凸が大きくなり過ぎ、樹脂絶縁膜の平坦性、絶縁性及び露光・現像で形成されるビアホールの解像性に問題が生じる。
【0015】
粒子成分は、本発明の組成物中に10〜50重量%存在することが好ましい。本発明の組成物が溶媒を含有している場合には、粒子成分の上記の重量割合は溶媒を除いた成分(上記の(a)〜(e)成分)の総重量を基にした重量割合に相当する。粒子成分が10重量%より少ない場合、樹脂膜表面の粗化は不十分となり、満足な導体密着力が得られなくなる。粒子成分含有量が50重量%を超えると、樹脂膜表面の凹凸部が多くなり過ぎて、形成した樹脂膜の形状が崩れてしまうので好ましくない。
【0016】
(b)成分のエポキシ化合物としては、当該技術分野でよく知られた一般的なものを使用することができる。例えば、グリシジルエーテル型(ビスフェノールA系、テトラフェニロールエタン系、フェノールノボラック系、クレゾールノボラック系等)、グリシジルエステル型(ヘキサヒドロ無水フタル酸系、ダイマー酸系等)、グリシジルアミン型(ジアミノジフェニルメタン系、イソシアヌル酸系、ヒダントイン系等)、混合型(アミノフェノール系、オキシ安息香酸系等)、脂環式型などのエポキシ化合物を、単独あるいは混合して用いることができる。特に高い耐熱性が要求される場合には、官能基数が多いエポキシ化合物を用いることが望ましい。
【0017】
(c)成分のアルカリ可溶性エポキシ硬化剤は、エポキシ硬化剤として公知のもののうちのアルカリ可溶性のものであればどのようなものでもよい。例えば、フェノール系化合物、クレゾール系化合物あるいはカルボキシル基を有した化合物が使用できる。具体例としては、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂などがあり、また、エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を反応させ、更に多塩基酸無水物を付加させた反応生成物などを挙げることができる。酸無水物、アミンなどを併用してもよく、具体例としては、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニレンスルホン、BF3 モノメチルアミン、ジシアンジアミドなどを用いることができる。
【0018】
(d)成分のラジカル重合性不飽和結合を有する化合物は、露光により硬化する光硬化成分である。この(d)成分としては、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などを有する化合物が使用でき、具体例としては、スチレン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリセリンジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどを、単独あるいは混合して用いることができる。
【0019】
(e)成分の光重合開始剤は、(d)成分のラジカル重合性不飽和結合を持つ化合物の光重合を開始させるための開始剤として一般に知られているものを使用することができる。例として、日経ニューマテリアル,1990年4月16日号,p.43-49 や、材料技術,第2巻第10号(1984), p. 1-17や、 O plus E, No. 133, p.105-116 (1990)や、フォトポリマハンドブック,フォトポリマー懇話会編,工業調査会発行,初版(1989), p.442-457 等に記載のある多くの開始剤を使用することができる。
【0020】
使用可能な光重合開始剤の例を挙げると、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、過酸化ベンゾイル、ジ(t−ブチルパーオキシ)フタレート、ジ(t−ブチルパーオキシ)テレフタレート、ジ(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等の有機過酸化物である。これらの有機過酸化物を使用する場合には、増感剤として、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2,5−ビス−(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス−(4−ジメチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノンなどを使用してもよい。
【0021】
また、このほかの光重合開始剤の例として、ベンゾイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾリル2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体等のイミダゾール類を挙げることができ、更に、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、2−メルカプトベンゾチアゾール、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、p−アミノベンゾフェノン、p−ジエチルアミノベンゾフェノン、p,p′−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、4−メチル−4H−1,2,4トリアゾール−3−チオールなどの化合物のうちから選ばれたものを組合せた混合物を挙げることができる。これらを光重合開始剤として使用する場合には、増感剤として、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2,6−ビス−(4−ジメチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,5−ビス−(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノンなどを使用することができる。
【0022】
本発明の組成物は、一般にワニス状のものとして処理基板上へ塗布される。ワニス状組成物とするのに、本発明の組成物は上記の成分(a)〜(e)以外に、適当な溶媒を含むことが出来る。溶媒の例としては、エチレングリコールモノエーテル類、アセテート類、シクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどの有機溶剤を挙げることができる。本発明の組成物の(d)成分のなかには液状のものもあり、そのような液状成分を使用する場合には特に溶媒を使用しなくともよい場合がある。
【0023】
また、本発明の組成物には、塗布性の向上を目的として希釈剤を加えてもよい。希釈剤としては、上述の溶媒として用いられるものと同じもの、すなわちエチレングリコールモノエーテル類、アセテート類、シクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどの有機溶剤を用いることができる。更に、エポキシ化合物の硬化促進を目的として、トリフェニルホスフィンや2−ウンデシルイミダゾールなどのエポキシ硬化促進剤を添加してもよい。また、必要に応じて種々の添加剤、例えばシリカ、アルミナ、アエロジルなどの体質顔料、フタロシアニンなどの着色顔料、シリコーン及びフッ素系化合物からなる消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤などを添加することができる。
【0024】
本発明の感光性樹脂組成物で使用される、(a)の粒子成分を除く各成分の量は、重要ではなく、組成物についての特定の要求仕様等に基づき当業者が容易に決定することができる。
【0025】
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いて多層回路基板のビルドアップ用絶縁膜を形成する方法を以下に述べる。なお、以下の説明は本発明の方法を例示するものであって、限定しようとするものではない。
【0026】
まず、本発明の感光性樹脂組成物を、電子回路基板上にスクリーン印刷、カーテンコート、ロールコートあるいはスピンコートなどの方法で所望の厚さで塗布し、皮膜形成する。次いで、コンタクト露光を可能することを目的として、適当な温度、例えば50〜100℃で加熱し、皮膜を乾燥させる。次に、その後形成する上層の電子回路と接続すべき箇所(ビアホール部分)を除いた部分が透明なマスクを、皮膜に対しコンタクト状態で設置し、適当な露光量の紫外線を照射する。これにより、(d)成分のラジカル重合性不飽和結合を有する化合物が(e)成分の光重合開始剤の作用を受けて光重合し、皮膜の露光領域の感光性樹脂組成物は(a)成分の微粒子部を除き、アルカリ溶液に対し不溶性となる。
【0027】
続いて、非露光領域を希薄アルカリ水溶液で溶出除去することにより、皮膜が所望のパターンに現像され、それと同時に、露光領域の(a)成分の微粒子が溶出除去されることにより樹脂絶縁膜表面がエッチングされ、所望の凹凸を設けることができる。ここでアルカリ水溶液としては、0.1〜10重量%の炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などを使用できる。
【0028】
次いで、皮膜の耐熱性向上を主な目的として、皮膜を適当な温度、例えば、100〜200℃で加熱する。これにより、露光領域に残っている皮膜の(b)成分のエポキシ化合物と(c)成分のエポキシ硬化剤が反応し、最終的な絶縁膜が形成される。次いで、無電解めっき、電解めっきを施してから、導体層を形成してこれをパターニングする。その後、感光性樹脂組成物の塗布から導体パターンの形成までを所定の回数繰り返して、多層回路基板を制作することができる。
【0029】
本発明の方法では、従来の酸あるいは酸化剤でエッチング処理する方法に比べ、より穏やかな条件でエッチング処理するため、表面に適正な凹凸を形成し易く、結果的に導体密着力が向上する。また、従来の酸あるいは酸化剤でエッチング処理する工程を省くことができ、生産性と生産コストの面で有利である。更に、通常用いられる、酸あるいは酸化剤に可溶性でアルカリには不溶性であるフィラー、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレーなどを用いる必要がないことから、アルカリ現像剤での現像により解像性が低下することもない。
【0030】
【実施例】
次に、本発明を更に具体的に説明するために実施例を挙げると共に、本発明が優れていることを示す効果を、本発明の要件を欠いた感光性樹脂組成物との対比において示す。なお、本発明がこれらの実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0031】
〔実施例〕
粒子成分として平均粒径5μmのフタル酸を使用し、これをクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成社製YDCN702)、ノボラック型フェノール樹脂(エポキシ硬化剤、群栄化学社製PSM−4300)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(ラジカル重合性化合物)、イルガキュア907(チバガイギー社製光重合開始剤)と表1に示した割合で配合し、ロールミルで混練して、感光性樹脂組成物を調製した。この組成物には、上記の各成分のほかに、エポキシ硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、希釈剤としてエチロセロソルブアセテート、そして着色顔料としてシアニングリーンを添加した。使用した各成分の量は表1に示したとおりであった。
【0032】
調製した組成物を、銅箔上にスクリーン印刷で40μmの厚さに塗布した。次いで、80℃で1時間加熱乾燥し、波長365nmでの光強度が50mW/cm2 の紫外線を所定のビアホールパターンで30秒間露光した。次に、液温30℃の2%炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像(スプレー圧1kg/cm2 、60秒間)してビアホールを形成すると同時に皮膜表面を粗化し、最後に180℃で1時間加熱硬化させた。こうして得られた皮膜の現像解像性を評価した。この現像解像性は、形成したビアホールを顕微鏡で検査し、完全に現像されたもの(ビアホール内に粒子成分もその他の成分も残留していないもの)を○とし、ビアホール内に粒子成分とともに樹脂が残ったものを△とし、そしてビアホールがほとんど現像されなかったものを×として評価した。得られた結果は表2に示すとおりであった。
【0033】
次いで、無電解めっき・電解めっきを施して上記の皮膜上に形成された導体膜の密着性(導体ピール強度)を評価した。この評価は、JIS C 6481に規定されたプリント配線板用銅張積層板試験方法に準拠して行った。得られた結果を第2表に示す。
【0034】
〔比較例〕
粒子成分として実施例のフタル酸に代えて炭酸カルシウム(平均粒径5μm)を使用したことを除いて、実施例と同じ要領で感光性樹脂組成物を調製した。各成分の使用量は表1に示すとおりであった。
【0035】
続いて、やはり実施例と同じ要領で処理して、ビアホールを形成した硬化樹脂皮膜を得た。そしてこの皮膜について、実施例におけるのと同じ現像解像性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0036】
次いで、絶縁皮膜を、前処理剤(シプレー製コンディショナー、60℃、10分)、酸化剤(シプレー製プロモーター、70℃、10分)、中和剤(シプレー製ニュートライザー、60℃、10分)に順次浸漬し、表面をエッチングして粗化した。それから、実施例と同様に、無電解めっき・電解めっきを施して皮膜上に形成された導体膜の密着性を評価した。結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003778644
【0038】
【表2】
Figure 0003778644
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、従来のものに比べ、導体密着力、生産性及び露光パターンの現像解像性の優れた樹脂絶縁膜を提供することができ、回路基板のビルドアップ用絶縁膜の形成に大いに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビルドアップ構造の回路基板の作製プロセスを説明する図であって、(a)はコア基板を用意する工程、(b)はビアホールを形成した絶縁膜の形成工程、(c)は導体層の形成工程、そして(d)は導体パターンの形成工程を示す図である。
【図2】樹脂絶縁膜表面の粗化を説明する図であって、(a)はフィラー成分を添加した材料により形成した絶縁膜、(b)は表面を粗化した絶縁膜を示す図である。
【符号の説明】
1…コア基板
2…配線パターン
3…スルーホール
4…絶縁樹脂
7…絶縁膜
8…ビアホール
9…フィラー
10…凹凸部
11…導体層
12…配線パターン

Claims (2)

  1. (a)平均粒径1〜10μmのフタル酸粒子、(b)エポキシ化合物、(c)アルカリ可溶性エポキシ硬化剤、(d)ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物、及び(e)光重合開始剤、を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 基板の表面に感光性樹脂材料をコートし、露光及び現像して所定パターンの開口部を備えた絶縁膜を形成し、この絶縁膜表面を粗化し、粗化した絶縁膜上に導体層を形成し、そしてこの導体層をパターニングして配線層を形成することを含む回路基板の作製方法であって、感光性樹脂材料として、(a)平均粒径1〜10μmのフタル酸粒子、(b)エポキシ化合物、(c)アルカリ可溶性エポキシ硬化剤、(d)ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物、及び(e)光重合開始剤、を含む組成物を使用し、且つ、絶縁膜表面の粗化をアルカリ処理液によるエッチングにより行うことを特徴とする回路基板作製方法。
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