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JP2018067688A - 導体回路を有する構造体の製造方法、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂フィルム、並びに熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂フィルム - Google Patents

導体回路を有する構造体の製造方法、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂フィルム、並びに熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂フィルム Download PDF

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JP2018067688A
JP2018067688A JP2016207147A JP2016207147A JP2018067688A JP 2018067688 A JP2018067688 A JP 2018067688A JP 2016207147 A JP2016207147 A JP 2016207147A JP 2016207147 A JP2016207147 A JP 2016207147A JP 2018067688 A JP2018067688 A JP 2018067688A
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JP2016207147A
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有紀子 村松
Yukiko Muramatsu
有紀子 村松
蔵渕 和彦
Kazuhiko Kurabuchi
和彦 蔵渕
沢辺 賢
Masaru Sawabe
賢 沢辺
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】絶縁層に複数の開口を有する構造体を十分効率的に製造する方法を提供する。【解決手段】本開示は、導体回路と、これが設けられた回路形成面と、これを覆う絶縁層と、絶縁層を貫通する複数の開口とを備える構造体の製造方法に関する。この方法は(A):導体回路を覆うように感光性樹脂組成物の層を回路形成面に形成する工程と、(B):感光性樹脂組成物の硬化物からなる複数の柱状体を導体回路の表面上に形成する工程と、(C):複数の柱状体を覆うように熱硬化性樹脂組成物の層を回路形成面に形成する工程と、(D):熱処理工程と、(E):熱硬化性樹脂組成物の硬化物層の厚さを物理的処理によって減じる工程と、(F):化学的処理によって複数の柱状体を除去することにより複数の開口を形成する工程とを含み、(E)工程において、0μm≦(H1−H2)≦1μmを満たすように硬化物層の厚さを減じる。【選択図】図5

Description

本発明は、導体回路を有する構造体の製造方法、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂フィルム、並びに熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂フィルムに関する。
導体回路を有する構造体の一つであるプリント配線基板は、表面に複数の配線層を有するコア基板と、各配線層間に設けられる層間絶縁材と、最表面に設けられるソルダーレジストとを備える。プリント配線基板上には、通常、ダイボンディング材又はアンダーフィル材を介して半導体素子が実装される。また、必要に応じて、トランスファー封止材によって全面封止される場合、あるいは放熱性の向上を目的とした金属キャップ(蓋)が装着される場合がある。近年、半導体装置の軽薄短小化は留まるところを知らず、半導体素子及び多層プリント配線基板の高密度化が進んでいる。また、半導体装置の上に半導体装置を積むパッケージ・オン・パッケージといった実装形態も盛んに行われており、今後、半導体装置の実装密度は一段と高くなると予想される。
ところで、プリント配線基板の層間絶縁材には、上下の配線層を電気的に接続するための開口(ビア)を設ける必要がある。プリント配線基板上に実装されるフリップチップのピン数が増加すれば、そのピン数に対応する多数の開口を設ける必要がある。しかし、従来のプリント配線基板は実装密度が低く、また、実装する半導体素子のピン数も数千ピンから一万ピン前後の設計となっているため、小径で狭ピッチな開口を設ける必要がなかった。
しかしながら、半導体素子の微細化が進展し、ピン数が数万ピンから数十万ピンに増加するに従って、プリント配線基板の層間絶縁材に形成する開口も半導体素子のピン数に合わせて、狭小化する必要性が高まっている。最近では、熱硬化性樹脂材料を用いて、レーザにより開口を設けるプリント配線基板の開発が進められている(例えば特許文献1〜4参照)。
特開平08−279678号公報 特開平11−054913号公報 特開2001−217543号公報 特開2003−017848号公報
特許文献1〜4に記載されているプリント配線基板は、熱硬化性樹脂材料を用いてレーザにより開口を設けている。図13は、従来の多層プリント配線基板の製造方法を示す図である。図13(f)に示す多層プリント配線基板100Aは表面及び内部に配線パターンを有する。多層プリント配線基板100Aは、銅張積層体、層間絶縁材及び金属箔等を積層するとともにエッチング法又はセミアディティブ法によって配線パターンを適宜形成することによって得られる。
まず、表面に配線パターン102を有する銅張積層体101の両面に層間絶縁層103を形成する(図13(a)参照)。層間絶縁層103は、熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷機又はロールコータを用いて印刷してもよいし、熱硬化性樹脂組成物からなるフィルムを予め準備し、ラミネーターを用いて、このフィルムをプリント配線基板の表面に貼り付けることもできる。次いで、外部と電気的に接続することが必要な箇所を、YAGレーザ又は炭酸ガスレーザを用いて開口104を形成し、開口104周辺のスミア(残渣)をデスミア処理により除去する(図13(b)参照)。次いで、無電解めっき法によりシード層105を形成する(図13(c)参照)。上記シード層105上に感光性樹脂組成物をラミネートし、所定の箇所を露光、現像処理して配線パターン106を形成する(図13(d)参照)。次いで、電解めっき法により配線パターン107を形成し、はく離液により感光性樹脂組成物の硬化物を除去した後、上記シード層105をエッチングにより除去する(図13(e)参照)。以上を繰り返し行い、最表面にソルダーレジスト108を形成することで多層プリント配線基板100Aを作製することができる(図13(f)参照)。
このようにして得られた多層プリント配線基板100Aは、対応する箇所に半導体素子が実装され、電気的な接続を確保することが可能である。しかしながら、このような方法で製造された多層プリント配線基板100Aは、レーザ等の新規な設備導入が必要であること、比較的大きな開口又は60μm以下の微小な開口を設けることが困難であること、開口径に合わせて使用するレーザを使い分ける必要があること、特殊な形状を設けることが困難であること等の問題がある。また、レーザを用いて開口を形成する場合、各開口を一つずつ形成しなければならないため、多数の微細な開口を設ける必要がある場合に時間が掛かること、また開口周辺に樹脂の残渣が残るため、残渣を除去しない限り、得られる多層プリント配線基板の信頼性が低下するといった問題もある。
一方、感光性樹脂材料をソルダーレジスト(最外層)又は層間絶縁材として使用することも検討されている。感光性樹脂材料によれば、フォトリソグラフィ技術を適用することで配線の微細化に伴う開口(ビア)の小径化に好適に対応できる。しかし、感光性樹脂材料は微細な配線間の絶縁性の確保が難しいといった課題がある。なお、レーザ加工によって開口を個別に形成する技術もあるものの、レーザ加工は異型又は大径の開口の形成に不向きであるとともにレーザで複数の開口を形成するのに多大な時間がかかる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、絶縁層に複数の開口を有する構造体を十分効率的に製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明はこの方法において使用するのに適した感光性樹脂組成物及び感光性樹脂フィルム、並びに熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、導体回路と、この導体回路が形成されている回路形成面と、回路形成面上において導体回路を覆う絶縁層と、絶縁層をその厚さ方向に貫通する複数の開口とを備える構造体の製造方法に関する。この製造方法は、(A):導体回路を覆うように感光性樹脂組成物の層を回路形成面に形成する工程と、(B):感光性樹脂組成物の層に対して露光処理及び現像処理を施す工程であって、これにより回路形成面の導体回路の表面における上記複数の開口を形成すべき領域に感光性樹脂組成物の硬化物からなる複数の柱状体を形成する工程と、(C):複数の柱状体を覆うように熱硬化性樹脂組成物の層を回路形成面に形成する工程と、(D):熱硬化性樹脂組成物の層に対して熱処理を施す工程と、(E):(D)工程後、熱硬化性樹脂組成物の硬化物層に対して物理的処理を施す工程であって、これにより上記硬化物層の厚さを減じる工程と、(F):(E)工程後、硬化物層の厚さを減じる工程と、(F):(E)工程後、薬液を用いた化学的処理によって複数の柱状体を除去する工程であって、これにより上記領域に複数の開口を形成する工程とを含み、(E)工程において、以下の不等式(1)で示される条件を満たすように上記硬化物層の厚さを減じる。
0μm≦(H−H)≦1μm・・・(1)
は導体回路の表面から硬化物層の上面までの高さを示し、Hは導体回路の表面から柱状体の上面までの高さを示す。
上記製造方法によれば、感光性樹脂組成物と熱硬化性樹脂組成物とを併用したことで、以下の効果が奏される。まず、複数の開口を形成すべき領域に熱硬化性樹脂組成物の硬化体からなる複数の柱状体をフォトリソグラフィ技術(露光処理及び現像処理)により一括して形成でき、その後、(E)工程における物理的処理と、(F)工程における化学的処理とを経ることで、絶縁層(熱硬化性樹脂組成物の硬化物層)に複数の開口を十分に効率的且つ高い精度で製造できる。また、フォトリソグラフィ技術を適用したことで、種々の態様の開口(小径、大径及び/又は異型)の形成にも柔軟に対応することができる。更に、上記製造方法によれば、レーザによって複数の開口を形成する場合に生じ得る樹脂の残渣の問題を十分に解消できる。なお、不等式(1)において(H−H)の値が例えば1μmのときは、(E)工程後において複数の柱状体の上に厚さ1μmの硬化物層が残存している状態を意味する。本発明者らの検討によると、柱状体の上側に残存する硬化物層の厚さが1μm程度であれば残存する硬化物層を通じて薬液が柱状体に至ったり、あるいは、薬液によって残存する硬化物層が除去されることで、(F)工程において複数の柱状体を十分効率的に除去することができ、これによって十分効率的に複数の開口が設けられた絶縁層(硬化物層)を形成できる。
つまり、本発明に係る製造方法によれば、半導体素子のピン数が増加し、多数の微細な開口(例えば径10〜50μm)又は多数の比較的大径の開口(例えば径100〜500μm)を絶縁層に設ける必要が生じた場合であっても、これらを十分効率的に形成できる。これに加え、フォトリソグラフィ技術の利用により十分に高い精度で多数の開口を形成でき且つ樹脂の残渣などの異物の問題を十分に解消できるため、優れた信頼性を有する構造体(例えばプリント配線基板)を効率的に製造することができる。
(E)工程における物理的処理は、硬化物層に対する切削加工であることが好ましい。切削加工は工具を用いて対象物を切り削る加工法を意味する。その具体例として、フライカットが挙げられる。切削加工は、その他の物理的処理(例えば、研磨加工及びレーザを利用した加工)と比較すると、加工時における熱の発生を抑制することができ、感光性樹脂組成物と熱硬化性樹脂組成物の熱による反応の進行を抑制できる。その結果、(F)工程における薬液を用いた化学的処理によって複数の柱状体(感光性樹脂組成物の硬化物)が絶縁層(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)から除去しやすい状態を十分に維持できる。複数の柱状体を絶縁層から除去するプロセスは、必ずしも薬液によって柱状体が溶解するものに限定されず、例えば薬液によって柱状体が膨潤し、これに起因する圧力によって柱状体が絶縁層から離脱するものであってもよい。
(F)工程において使用する薬液は、アミン含有液、過マンガン酸含有液、無機アルカリ水溶液、クロム含有液及び硫酸からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。本発明者らの検討によると、薬液として、アミン含有液を使用すると処理後において粗さの程度が低い絶縁層を形成できるという効果が奏され、他方、過マンガン酸含有液を使用すると比較的短時間で(F)工程(複数の柱状体を除去する工程)を完了できるという効果が奏される。
上記製造方法は、構造体の信頼性の更なる向上の観点から、(F)工程後、硬化物層(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)に対して熱処理を施す工程を更に含んでもよい。
(D)工程における熱処理は、熱硬化反応を十分に進行させるとともに導体回路の劣化もしくは剥離を抑制する観点から、温度が150℃〜250℃であり且つ加熱時間が30分〜300分であることが好ましい。なお、温度150℃〜250℃のキュアは、温度70℃〜150℃の第一段キュアと温度150℃〜250℃の二段階キュアとの二段キュアであってもよい。(D)工程における熱処理は、導体回路の酸化を抑制する観点から不活性ガスの雰囲気下で実施されることが好ましい。
本発明に係る製造方法は、パターン化された配線部を備える構造体を最終的に得るため、以下の工程を更に含んでもよい。
(G):(F)工程後、硬化物層の少なくとも一部を覆うように、無電解めっき法によってシード層を形成する工程。
(H):シード層を覆うように、感光性樹脂組成物の第二の層を形成する工程。
(I):上記第二の層に対して露光処理及び現像処理を施す工程であって、これにより上記第二の層の硬化物からなるパターンを形成する工程。
(J):シード層を少なくとも覆うように、電解めっき法によって配線部を形成する工程。
(K):(J)工程後、上記パターンをはく離することによって配線部をパターン化する工程。
(L):シード層のうち、上記配線部が形成されていない領域を除去する工程。
本発明は上記製造方法の(A)工程において使用される感光性樹脂組成物を提供する。この感光性樹脂組成物によれば、十分に高い解像度で上記複数の柱状体を形成できるとともに、熱硬化性樹脂組成物に対する反応性が十分に低いため、熱硬化性樹脂組成物と併用されてもこれに起因する問題を十分に抑制できる。更に本発明は、この感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂フィルム(例えばドライフィルムレジスト)を提供する。感光性樹脂組成物を予めフィルム状の態様とすることで、(A)工程における感光性樹脂組成物の層の形成をより効率的に実施できる。
本発明は上記製造方法の(C)工程において使用される熱硬化性樹脂組成物であって、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂を含む樹脂組成物と、最大粒径が5μm以下であり且つ平均粒径が1μm以下である無機フィラーとを含有する熱硬化性樹脂組成物を提供する。この熱硬化性樹脂組成物によれば、十分に高い絶縁性を確保できるとともに、感光性樹脂組成物に対する反応性が十分に低いため、感光性樹脂組成物と併用されてもこれに起因する問題を十分に抑制できる。更に本発明は、この熱硬化性樹脂組成物からなる熱硬化性樹脂フィルムを提供する。感光性樹脂組成物を予めフィルム状の態様とすることで、(C)工程における熱硬化性樹脂組成物の層の形成をより効率的に実施できる。
本発明によれば、絶縁層に複数の開口を有する構造体を十分効率的に製造できる。
図1(a)は銅張積層体の一例を模式的に示す断面図であり、図1(b)はプリント配線基板の一例を模式的に示す断面図である。 図2は図1(b)に示す導体回路を覆うように感光性樹脂組成物の層が形成された状態を模式的に示す断面図である。 図3は図2に示す導体回路の表面上に感光性樹脂組成物の硬化物からなる柱状体が形成された状態を模式的に示す断面図である。 図4は複数の柱状体を覆うように熱硬化性樹脂組成物の層が形成された状態を模式的に示す断面図である。 図5(a)は柱状体の上面と硬化物層の上面とが面一になるように硬化物層の厚さが減じられた状態を模式的に示す断面図であり、図5(b)は柱状体の上側に厚さ(H−H)の硬化物層が残存した状態を模式的に示す断面図であり、図5(c)は図5(b)の一部を拡大して示す断面図である。 図6は複数の柱状体が除去されたことによって硬化物層に複数の開口が形成された状態を模式的に示す断面図である。 図7は硬化物層の少なくとも一部を覆うようにシード層が形成された状態を模式的に示す断面図である。 図8はシード層の表面に感光性樹脂組成物の硬化物からなるパターンが形成された状態を模式的に示す断面図である。 図9は、シード層を少なくとも覆うように配線部が形成された状態を模式的に示す断面図である。 図10は本発明に係る方法によって製造された多層プリント配線基板の一例を模式的に示す断面図である。 図11は本発明に係る方法によって製造された多層プリント配線基板の他の例を模式的に示す断面図である。 図12(a)は化学的処理後において複数の開口が良好に形成された硬化物層のSEM写真であり、図12(b)は化学的処理後において不完全な凹部が形成された硬化物層のSEM写真である。 図13(a)〜図13(f)は従来の多層プリント配線基板の製造方法を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<多層プリント配線基板の製造方法>
本実施形態の製造方法は、半導体素子を実装するためのプリント配線基板の製造に好適であり特にフリップチップ型の半導体素子を実装するためのプリント配線基板の製造に好適である。本実施形態に係る製造方法は、コアレス基板、WLP(Wafer Level Package)、eWLB(embeded Wafer Level Ball Grid Array)等の基板レスパッケージの再配線方法にも好適であり、半導体素子のサイズが大きく、半導体素子の表面にエリアアレイ状に配置された数万ものバンプと電気的に接続するためのプリント配線基板の製造に特に好適である。以下、本実施形態に係る多層プリント配線基板の製造方法について詳細に説明する。
(導体回路の形成)
図1(a)は銅張積層体の一例を模式的に示す断面図である。銅張積層体1は絶縁性を有する基材層1aと、基材層1aの両面にそれぞれ設けられた銅箔2,2とを有する。図1(b)は銅張積層体1から作製されたプリント配線基板10を模式的に示す断面図である。プリント配線基板10は、銅箔2,2の不要な箇所をエッチングによって除去することで導体回路2a,2bを形成する工程を経て得られたものである。なお、導体回路2a,2bの材質は銅に限定されない。
(感光性樹脂層の形成)
次いで、図2に示すように、導体回路2a,2bをそれぞれ覆うようにプリント配線基板10に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層3を形成する((A)工程)。感光性樹脂層3の厚さTは、好ましくは2μm〜50μmであり、より好ましくは5μm〜30μmである。感光性樹脂層3の厚さTが2μm以上であれば、予め作製した感光性樹脂フィルムを利用して感光性樹脂層3を効率的に形成できる。厚さ2μm程度以上の感光性樹脂フィルムは比較的容易に準備できる。他方、感光性樹脂層3の厚さTが50μm以下であれば、感光性樹脂層3に微細なパターンを形成しやすい。なお、感光性樹脂層3の厚さTは、図2に示すとおり、導体回路2a,2bの上面から感光性樹脂層3の表面までの距離をいう。
(複数の柱状体の形成)
その後、マスクパターン(不図示)を通して活性光線を照射することにより、感光性樹脂層3に露光部(現像処理で除去しない部分)と未露光部(現像処理で除去する部分)とを形成する((B)工程の露光処理)。感光性樹脂層3の露光部は活性光線によって光硬化する。活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができるが、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを使用できる。また、直接描画方式のダイレクトレーザ露光を用いてもよい。露光量は使用する装置及び感光性樹脂組成物の組成によって異なるが、10mJ/cm〜600mJ/cmとすることが好ましく、20mJ/cm〜400mJ/cmとすることがより好ましい。露光量を10mJ/cm以上とすると感光性樹脂組成物を充分に光硬化させることができ、露光量を600mJ/cm以下とすると光硬化が過剰となり過ぎず、後述する複数の柱状体3a,3bを安定して形成することができる。
次いで、現像により感光性樹脂層3の未露光部を除去することで、図3に示すように導体回路の表面上に感光性樹脂組成物の硬化物からなる柱状体3a,3bを形成する((B)工程の現像処理)。柱状体3a,3bは、後述の(F)工程において除去されるものであり、柱状体3a,3bがあった箇所が開口4hとなる(図6参照)。(B)工程における現像処理に用いる現像液としては、例えば、20℃〜50℃の炭酸ナトリウムの溶液(1〜5質量%水溶液)等のアルカリ現像液が用いられる。現像方法は特に限定されず、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング及びスクラッピング等の公知の方法であればよい。
(熱硬化性樹脂層の形成)
現像処理後、図4に示すように、柱状体3a,3bを覆うように、プリント配線基板10上に後述する熱硬化性樹脂組成物からなる熱硬化性樹脂層4を形成する((C)工程)。使用する組成物が液状の場合、公知のスクリーン印刷又はロールコータを使用した塗工によって熱硬化性樹脂層4を形成すればよく、組成物がフィルム状の場合、真空ラミネート等によってプリント配線基板10の対象面に対してフィルムを貼り付ければよい。なお、熱硬化性樹脂組成物の態様は液状でもフィルム状であってもよいが、熱硬化性樹脂層4の厚さを精度良く制御するには、予め厚さを管理しているフィルム状のものを用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂層4の厚さTは、好ましくは2μm〜50μmであり、より好ましくは5μm〜30μmである。熱硬化性樹脂層4の厚さTが2μm以上であれば、予め作製した熱硬化性樹脂フィルムを利用して熱硬化性樹脂層4を効率的に形成できる。厚さ2μm程度以上の熱硬化性樹脂フィルムは比較的容易に準備できる。他方、熱硬化性樹脂層4の厚さTが50μm以下であれば、熱硬化性樹脂層4に微細なパターンを形成しやすい。なお、熱硬化性樹脂層4の厚さTは、図4に示すとおり、導体回路2a,2bの上面から熱硬化性樹脂層4の表面までの距離をいう。(C)工程において、熱硬化性樹脂層4の厚さTは、熱硬化性樹脂層4で柱状体3a,3bを十分に覆う観点から、柱状体3a,3bの高さ(感光性樹脂層3の厚さT)よりも厚いことが好ましい。
感光性樹脂層3の厚さTに対する熱硬化性樹脂層4の厚さTの比(T/T)を1.0よりも大きく2.0以下とすることが好ましく、1.0よりも大きく1.5以下とすることがより好ましい。(T/T)を1.0超とすると、(C)工程において、柱状体3a,3bを熱硬化性樹脂組成物で埋め込みやすくなるため、得られるプリント配線基板の信頼性をより高めることができる。一方、(T/T)を2.0以下とすると、短時間で熱硬化性樹脂層4に開口4hを形成でき、プリント配線基板をより効率的に製造しやすい。
(熱硬化性樹脂層の熱処理(硬化物層の形成))
次いで、形成した熱硬化性樹脂層4に対して熱処理を施す((D)工程)。これにより、熱硬化性樹脂層4が熱硬化し、硬化物層4Aとなる。(D)工程において、熱処理温度は好ましくは150℃〜250℃(より好ましくは160℃〜200℃)であり、加熱時間は好ましくは30分〜300分(より好ましくは30分〜120分)である。加熱温度が250℃以下であり且つ加熱時間が300分以下であると、導体回路2a,2bの表面の酸化を抑えることができ、導体回路2a,2bとの界面で硬化物層4Aがはく離することを抑えられる。加熱温度が150℃以上であり且つ加熱時間が30分以上であると、熱硬化性樹脂層4の硬化反応が十分に進行するため、その後の工程において、硬化物層4Aの不要部分を除去し易く、その結果、導体回路2a,2bを露出させやすくなる。なお、熱処理にはクリーンオーブンが一般的に用いられ、導体回路2a,2bの酸化を抑制するため、窒素等の不活性ガスの雰囲気中で熱処理を行ってもよい。
(硬化物層に対する物理的処理)
次いで、硬化物層4Aに対して物理的処理を施すことによって、硬化物層4Aの厚さを減じる((E)工程)。この工程において、以下の不等式(1)で示される条件を満たすように硬化物層4Aの厚さを減じる。処理後において硬化物層4Aの厚さは条件(2)を満たすことが好ましく、条件(3)を満たすことが更に好ましい。
0μm≦(H−H)≦1μm・・・・・(1)
0μm≦(H−H)≦0.5μm・・・(2)
(H−H)=0μm・・・・・(3)
は導体回路2a,2bの表面から硬化物層4Aの上面までのそれぞれ高さを示し、Hは導体回路2a,2bの表面から柱状体3a,3bの上面までのそれぞれ高さを示す。
図5(a)は柱状体3aの上面と硬化物層4Aの上面とが面一になるように硬化物層4Aの厚さが減じられた状態を模式的に示す断面図であり、図5(b)は柱状体3aの上側に厚さ(H−H)の硬化物層4Aが残存した状態を模式的に示す断面図であり、図5(c)は図5(b)の一部を拡大して示す断面図である。不等式(1)で示される条件を満たすということは、(E)工程後において柱状体3a,3bの上に厚さ1μm以下の硬化物層3Aが残存しているか、硬化物層3Aが残存していない状態(条件(3):(H−H)=0μm)を意味する。柱状体3a,3bの上側に残存する硬化物層3Aの厚さが1μm程度であれば残存する硬化物層3Aを通じて薬液が柱状体3a,3bに至ったり、あるいは、薬液によって残存する硬化物層3Aが除去されることで、後述の(F)工程において硬化物層4Aに埋設されている柱状体3a,3bを十分効率的に除去することができる。なお、条件(3)を満たす状態は硬化物層4Aの上面と柱状体3a,3bの上面とが面一の状態である。この状態は硬化物層4Aの厚さを物理的処理によって減じ、柱状体3a,3bの上面が露出した後においても、その物理的処理を続けて硬化物層4A及び柱状体3a,3bの両方の厚さを同時に減じることで実現できる。
物理的処理としては、例えば切削加工、研磨加工及びプラズマを利用した加工が挙げられる。これらのうち、加工時の熱に起因する問題を抑制する観点から、切削加工が好ましい。切削加工は工具を用いて対象物を切り削る加工法である。その具体例として、フライカット法が挙げられる。これらの加工法は単独で実施してもよく又は二種以上を併用してもよい。切削加工は、その他の物理的処理(例えば、研磨加工及びプラズマを利用した加工)と比較すると、加工時における熱の発生を抑制することができ、感光性樹脂組成物と熱硬化性樹脂組成物の熱による反応の進行を抑制できる。その結果、(F)工程における薬液を用いた化学的処理によって複数の柱状体3a,3bが硬化物層4Aから除去しやすい状態を十分に維持できる。なお、熱の発生が問題にならない程度であれば、研磨加工又はプラズマを利用した加工を上記切削加工と併用してもよい。例えば、処理時間の短縮の観点から、まず、フライカット法によって硬化物層4Aの厚さを減じ、その後、研磨処理によって硬化物層4Aを目的の厚さにまで減じてもよい。
上記フライカット法は、例えばダイヤモンドバイトによる研削装置を使用して実施することができる。装置の具体例としては、300mmウェハ対応のオートマチックサーフェースプレーナ(株式会社ディスコ製、商品名「DAS8930」)が挙げられる。なお、フライカット法による硬化物層4Aに対する処理は硬化物層4Aに対する平坦化処理ともいえる。研磨加工の具体例として、例えば、サンドブラスト、機械研磨及び化学機械研磨(CMP)が挙げられる。
(薬液による化学的処理)
次いで、硬化物層4Aに対して薬液を用いた化学的処理を施すことにより、複数の柱状体3a,3bを除去することによって複数の開口4hを有する硬化物層4Aを形成する((F)工程)。導体回路2a,2bの表面上にそれぞれ設けられた柱状体3a,3bが除去されることで、開口4hの底部にそれぞれ導体回路2a,2bが露出する。複数の柱状体3a,3bを硬化物層4Aから除去するプロセスは、必ずしも薬液によって柱状体が溶解するものに限定されず、例えば薬液によって柱状体が膨潤し、これに起因する圧力によって柱状体が絶縁層から離脱するものであってもよい。
上記薬液としては、例えば、過マンガン酸ナトリウム液、水酸化ナトリウム液、過マンガン酸カリウム液、クロム含有液及び硫酸から選ばれる少なくとも一種の薬液が挙げられる。この工程は、処理対象の積層体を薬液に浸漬することによって実施できる。具体的には、熱湯又は所定の膨潤液を用いて処理対象の積層体を膨潤処理した後、薬液で柱状体3a,3b及び残渣等を除去する。そして、還元(中和)を行った後、水洗、湯洗及び乾燥を行う。1回の処理では充分な開口4hが形成されない場合は一連の処理を複数回繰り返してもよい。
この工程において、硬化物層4Aに設ける開口4hの直径(図6に示すR)は、開口4hの用途又は求められる機能に応じて設定すればよく、例えば、10〜500μmとすることができる。開口4hの直径が比較的小さい(例えば直径10〜60μm)場合、硬化物層4Aに設ける硬化物層4Aに設ける開口4hのうち、最小の開口の直径Rminに対する開口の深さ(硬化物層4Aの厚さ)の比(D/Rmin)を、0.17〜2.5とすることが好ましく、0.17〜2.0とすることがより好ましい。(D/Rmin)を0.17以上とすると、硬化物層4Aが薄くなり過ぎないため、硬化物層4Aに微細な開口4hを形成する場合であっても、開口4hの形状を安定に保つことができる。一方、(D/Rmin)を2.5以下とすると、柱状体3a,3bが除去し易くなり、直径60μm以下の微細な開口4hをより形成しやすくなる。
一方、開口4hの直径が比較的大きい(例えば直径60〜500μm)場合、硬化物層4Aに設ける硬化物層4Aに設ける開口4hのうち、最小の開口の直径Rminに対する開口の深さ(硬化物層4Aの厚さ)の比(D/Rmin)を、0.02〜0.42とすることが好ましく、0.05〜1.5とすることがより好ましい。(D/Rmin)を0.02以上とすると、硬化物層4Aが薄くなり過ぎないため、硬化物層4Aに微細な開口4hを形成する場合であっても、開口4hの形状を安定に保つことができる。一方、(D/Rmin)を0.42以下とすると、柱状体3a,3bが除去し易くなる。
開口4hの断面形状は、円形状又は楕円形状、あるいはその他の形状(例えば四角形状)であってもよい。なお、開口4hの断面形成が円以外の場合、直径Rminは、円相当直径を用いればよい。
硬化物層4Aに対して化学的処理を施した後、硬化物層4Aに対して熱処理を施してもよい。再度、硬化物層4Aを熱硬化させることで、硬化物層4Aを構成する樹脂のガラス転移温度を上げることができる且つ低熱膨張化を図ることができる。
(シード層の形成)
次いで、図7に示すように、開口4hを形成した後の硬化物層4Aの少なくとも一部を覆うように、無電解めっき法によりシード層5を両面に形成する((G)工程)。この工程では、開口4hが設けられていない部分の硬化物層4Aの表面4sと、開口4hが設けられた部分における硬化物層4Aの壁面4w及び露出している導体回路2a、2bの表面とに、シード層5を形成する。上記シード層5の厚さは特に制限はないが、通常0.1μm〜1.0μmとすることが好ましい。シード層5の形成は無電解銅めっき法の他に、スパッタ法によっても形成できる。ターゲットは適宜選択できるが、Tiの後にCuを蒸着するのが一般的である。Ti又はCuの厚みは特に制限はないが、Tiで20nm〜100nm、Cuで100nmから500nm程度が好適である。
(第二の感光性樹脂層の形成)
次いで、フィルム状の感光性樹脂組成物を両面に貼着して感光性樹脂層(不図示)を形成する((H)工程)。その後、この感光性樹脂層に所定のパターンを有するフォトツールを密着させ、露光処理及び現像処理を行うことによって、図8に示すように感光性樹脂層をパターン化する((I)工程)。この工程によって上面にパターン6aが形成され、他方、下面にパターン6bが形成される。本実施形態においては、上面(半導体素子実装面)のパターン6aの方が下面のパターン6bよりもピッチが狭くなっている。
(配線部の形成、配線パターンの形成及びシード層の除去)
次いで、図9に示すように、シード層5の少なくとも一部を覆うように、銅電解めっき等の電解めっき法により配線部7を形成する((J)工程)。この工程では、パターン6a,6bが形成されている領域以外のシード層5の表面に配線部7を形成する。開口4hが形成された領域では、壁面4wと導体回路2a,2bの表面に形成されたシード層5上に配線部7を形成する。配線部7の厚さは、1μm〜20μmとすることが好ましい。その後、はく離液により、パターン6a,6bをはく離して配線パターン7a,7bを形成する((K)工程)。次いで、エッチング液を用いて配線部7が形成されていない領域のシード層5をエッチングにより除去する((L)工程)。
以上の工程を経て図10に示すように、表面に配線部(配線パターン7a,7b)を有する多層プリント配線基板100を得ることができる。更に、多層プリント配線基板100の表裏の両面に対し、上述した感光性樹脂層の形成((A)工程)からシード層の除去((L)工程)の一連の工程を繰り返し行った後、最外層にソルダーレジスト8を形成し、市販の無電解ニッケル/金めっき液等を用いてめっき処理を施すことによりニッケル/金層9を形成することで、図11に示すような多層プリント配線基板200を得ることができる。例えば、多層プリント配線基板200は、上記一連の工程を三回繰り返し行うことにより、配線部(配線パターン7a,7b)を三層有したものである。多層プリント配線基板200は、各硬化物層4Aに形成された配線部(配線パターン7a,7b)がそれぞれ電気的に接続されている。
上記の多層プリント配線基板100,200は、微細化及び高密度化が進むフリップチップ型の半導体素子を実装するためのプリント配線基板として好適である。中でも、実装される半導体素子のサイズが大きく、半導体素子の表面にエリアアレイ状に配置された数万ものバンプと電気的に接続するためのプリント配線基板に特に好適である。
<感光性樹脂組成物>
次に、上述の多層プリント配線基板100,200の製造に用いられる感光性樹脂組成物について詳細に説明する。
多層プリント配線基板100,200の製造に用いる感光性樹脂組成物は、特に限定するものではないが、以下のものが好適である。すなわち、感光性樹脂層3の形成に好適な感光性樹脂組成物は、(a)バインダーポリマーと、(b)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光重合性化合物と、(c)光重合開始剤とを含有することが好ましい。この感光性樹脂組成物は、上記一連の工程における二つの感光性樹脂層をそれぞれ形成する際に用いることができる。感光性樹脂組成物は、(d)無機フィラーを含まないことが好ましい。この場合、現像後の解像度が向上し、微細なパターンを形成でき、薬液による化学的処理ではく離した後の開口部側面が平滑になる傾向にある。なお、感光性樹脂組成物に、(d)無機フィラーを含める場合は、最大粒径が5μm以下、平均粒径が1μm以下であることが好ましい。
上記(a)バインダーポリマー(以下、便宜的に「(a)成分」という場合がある)としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、及びフェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の観点からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。(a)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル及びビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(a)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸が好ましく、中でもメタクリル酸がより好ましい。
上記(a)バインダーポリマーのカルボキシル基含有量(使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合)は、アルカリ現像性とアルカリ耐性のバランスの見地から、好ましくは12〜50質量%であり、より好ましくは12〜40質量%であり、更に好ましくは15〜30質量%であり、特に好ましくは15〜25質量%である。このカルボキシル基含有量が12質量%以上であると、アルカリ現像性が良好になり、50質量%以下であるとアルカリ耐性を高めることができる。
(a)バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びアルカリ現像性のバランスの見地から、好ましくは20,000〜300,000であり、より好ましくは40,000〜150,000であり、更に好ましくは50,000〜120,000である。重量平均分子量が、20,000以上であると耐現像液性が高まり、300,000以下であると現像時間を短縮化できる。なお、本実施形態において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値でとする。
(b)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光重合性化合物(以下、便宜的に「(b)成分」という)としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシブタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
(b)成分の含有量は、光感度及び解像性のバランスの見地から、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、好ましくは10〜40質量部であり、より好ましくは20〜30質量部である。
上記(c)成分の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3ーベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1ークロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、及び2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、及びベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、及びエチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、及び9,10−ジペントキシアントラセン等の置換アントラセン類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、及び2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物、ピラゾリン系化合物等が挙げられる。ここで、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。また、密着性及び感度のバランスの見地から、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
上記(a)バインダーポリマーの含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、好ましくは30〜80質量部であり、より好ましくは40〜75質量部であり、更に好ましくは50〜70質量部である。(a)成分の含有量がこの範囲であると、感光性樹脂組成物の塗膜性及び光硬化物の強度がより良好となる。上記(b)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光重合性化合物の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、好ましくは20〜60質量部であり、より好ましくは30〜55質量部であり、更に好ましくは35〜50質量部である。(b)成分の含有量がこの範囲であると、感光性樹脂組成物の光感度及び塗膜性がより良好となる。
上記(c)光重合開始剤の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部であり、より好ましくは0.1〜20質量部であり、更に好ましくは0.2〜10質量部である。(c)成分の含有量がこの範囲であると、感光性樹脂組成物の光感度及び内部の光硬化性がより良好となる。
感光性樹脂組成物は、(d)無機フィラーを充填しないフィラーレスであることが好ましいが、少量であれば充填しても構わない。(d)無機フィラーを少量充填することで、収縮量が小さくなるとともに、剛性が高くなり、厚さ寸法精度を向上させることができる。(d)無機フィラーの充填量が感光性樹脂組成物の総量100質量部に対して5質量%未満である場合、解像性を高めることができる。
(d)無機フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、粉状酸化珪素、無定形シリカ、タルク、クレー、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤が使用できる。特に好ましくは、シリカフィラーで一次粒径のまま、凝集することなく樹脂中に分散させるために、シランカップリング剤を用いたものが望ましい。(d)無機フィラーの最大粒径は、好ましくは2μm以下であり、より好ましくは1μm以下である。また、(d)無機フィラーの平均粒径は、解像度の観点から、好ましくは300nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン、ビクトリアピュアブルー、ブリリアントグリーン、及びメチルバイオレット等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット、ジフェニルアミン、ベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジエチルアニリン、o−クロロアニリン及びターシャリブチルカテコール等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤、重合禁止剤等を(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部含有することができる。これらは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60質量%の溶液として塗布することができる。これらは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物には、特に制限はないが、金属面、例えば、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金の表面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
感光性エレメントの形態とは、支持体と、該支持体上に上記感光性樹脂組成物の溶液を均一に塗布、乾燥して形成された感光性樹脂組成物層(樹脂層)とを備えるものであり、感光性樹脂組成物の層上にはそれを被覆する保護フィルムをさらに備えていてもよい。支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得られる。透明性の見地からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
<熱硬化性樹脂組成物>
多層プリント配線基板100,200の製造に用いる熱硬化性樹脂組成物は、特に限定するものではないが、以下のものが好適である。すなわち、熱硬化性樹脂層4の形成に好適な熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む樹脂組成物と、最大粒径が5μm以下であり且つ平均粒径が1μm以下である無機フィラーと、を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂としては、分子内に1つ以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂が好ましい。無機フィラーの充填量は、好ましくは0〜90質量%の範囲、より好ましくは20〜70質量%の範囲、更に好ましくは30〜60質量%である。
エポキシ樹脂は、二個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂ならば、すべて使用することができるが、好適には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビキシレノールジグリシジルエーテル等のビキシレノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び、それらの二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等であり、単独、又は二種以上組み合わせて用いることができる。
市販のエポキシ樹脂としては、DIC(株)製EXA4700(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製NC−7000(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のナフタレン型エポキシ樹脂;日本化薬(株)EPPN−502H(トリスフェノールエポキシ樹脂)等のフェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物(トリスフェノール型エポキシ樹脂);DIC(株)製エピクロンHP−7200H(ジシクロペンタジエン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬(株)製NC−3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;DIC(株)製エピクロンN660、エピクロンN690、日本化薬(株)製EOCN−104S等のノボラック型エポキシ樹脂;日産化学工業(株)製TEPIC等のトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、DIC(株)製エピクロン860、エピクロン900−IM、エピクロンEXA―4816、エピクロンEXA−4822、旭チバ(株)製アラルダイトAER280、東都化成(株)製エポトートYD−134、ジャパンエポキシレジン(株)製JER834、JER872、住友化学工業(株)製ELA−134等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC(株)製エピクロンHP−4032等のナフタレン型エポキシ樹脂;DIC(株)製エピクロンN−740等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールとサリチルアルデヒドの縮合物のエポキシ樹脂;日本化薬(株)製EPPN−500シリーズ等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は各々単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、銅との密着性及び絶縁性に優れる点で、日本化薬(株)製NC−3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましく、また、架橋密度が高く高Tgが得られる点で、日本化薬(株)製EPPN−500シリーズを用いることがより好ましい。
上記エポキシ樹脂の含有量は、無機フィラー成分を除く樹脂成分100重量部に対して、30〜90質量部であることが好ましく、40〜80質量部であることがより好ましい。
エポキシ樹脂と組み合わせる硬化剤としては、従来公知の各種エポキシ樹脂硬化剤もしくはエポキシ樹脂硬化促進剤を配合することができる。例えば、フェノール樹脂、イミダゾール化合物、酸無水物、脂肪族アミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、第3級アミン、ジシアンジアミド、グアニジン類、又はこれらのエポキシアダクト又はマイクロカプセル化したもののほか、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム、テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系化合物、DBUもしくはその誘導体等、硬化剤もしくは硬化促進剤の如何に拘らず、公知慣用のものを単独であるいは二種以上組み合わせて使用することができる。エポキシ樹脂の硬化を進行させれば特に限定されないが、具体的には、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、3,3’-ジメチル−4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、9,9’−ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等を例示でき、単独、又は二種以上組み合わせて用いることができる。
シアネートエステル樹脂は、加熱によりトリアジン環を構造単位とする硬化物を生成する樹脂であり、硬化物は誘電特性に優れるため、特に高周波特性が要求される場合などに用いられることが多い。シアネートエステル樹脂としては、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、フェノールノボラック及びアルキルフェノールノボラックのシアネートエステル化物等が挙げられる。その中でも、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンは硬化物の誘電特性と硬化性のバランスが特に良好であり、コスト的にも安価であるため好ましい。またシアネートエステル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、二種類以上を混合して用いてもよい。また、ここで用いられるシアネートエステル化合物は予め一部が三量体又は五量体にオリゴマー化されていても構わない。さらに、シアネート樹脂に対して硬化触媒又は硬化促進剤を入れてもよい。硬化触媒としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の金属類が用いられ、具体的には、2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩等の有機金属塩及びアセチルアセトン錯体などの有機金属錯体として用いられる。これらは、単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。硬化促進剤としてはフェノール類を使用することが好ましく、ノニルフェノール、パラクミルフェノールなどの単官能フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどの二官能フェノールあるいはフェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多官能フェノールなどを用いることができる。これらは、単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
熱硬化性樹脂組成物は、分子構造中に少なくとも2個の不飽和N−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物を含有することが好ましい。具体的には、例えば、N,N'−エチレンビスマレイミド、N,N'−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N'−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N'−[1,3−(2−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N'−[1,3−(4−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N'−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ケトン、ビス(4−マレイミドシクロヘキシル)メタン、1,4−ビス(4−マレイミドフェニル)シクロヘキサン、1,4−ビス(マレイミドメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(マレイミドメチル)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、2,2-ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル] −1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、2,2'−ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、ポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられ、これらのマレイミド化合物は、単独で用いても二種類以上を混合して用いてもよい。
また、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び各種カルボン酸含有樹脂をエポキシ樹脂と反応させる別な樹脂として使用してもよい。ポリアミドイミド樹脂としては、東洋紡の「バイロマックスHR11NN」、「バイロマックスHR12N2」、「バイロマックスHR16NN」等が挙げられる。カルボン酸含有樹脂としては、アクリル樹脂及び酸変性エポキシアクリレート、酸含有ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記硬化剤の含有量は、無機フィラー成分を除く樹脂成分100重量部に対して、5〜50質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがより好ましい。
無機フィラーとしては従来公知の全ての無機充填剤及び有機充填剤が使用でき、特定のものに限定されない。例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の体質顔料、銅、錫、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、金、白金等の金属粉体が挙げられる。
シリカフィラーを用いる場合は、フィラーで一次粒径のまま、凝集することなく樹脂中に分散させるために、シランカップリング剤を用いたものが望ましい。最大粒径は5μm以下であることが好ましく、更に1μm以下であることが望ましい。シランカップリング剤としては、一般的に入手可能なものを用いることができ、例えば、アルキルシラン、アルコキシシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシラン、サルファーシラン、スチリルシラン、アルキルクロロシラン等が使用可能である。
具体的な化合物名としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルシラノール、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチルデン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノシラン等がある。
無機フィラーの平均粒径は、好ましくは300nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。無機フィラーの平均粒径が小さいほど、薬液による化学的処理後の表面が平滑となり、その後のフリップチップ実装時にアンダーフィル材の充填性が良くなる傾向にある。無機フィラーの充填量は、好ましくは0〜90質量%であり、より好ましくは20〜70質量%であり、更に好ましくは30〜60質量%である。
以上説明した本実施形態によれば、感光性樹脂組成物と熱硬化性樹脂組成物とを併用したことで、以下の効果が奏される。まず、熱硬化性樹脂層4(硬化物層4A)における複数の開口4hを形成すべき領域に複数の柱状体3a,3bをフォトリソグラフィ技術(露光処理及び現像処理)により一括して形成でき、その後の物理的処理と化学的処理とを経ることで、硬化物層4Aに複数の開口4hを十分に効率的且つ高い精度で製造できる。また、フォトリソグラフィ技術を適用したことで、種々の態様の開口(小径、大径及び/又は異型)の形成にも柔軟に対応することができる。更に、上記製造方法によれば、レーザによって複数の開口を形成する場合に生じ得る樹脂の残渣の問題を十分に解消できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
<導体回路を有するプリント配線基板の準備>
まず、厚さ12μmの銅箔2が両面に貼着された銅張積層体1(日立化成株式会社製 MCL−E−679FG)を準備した。銅張積層体1の厚さは400μmであった(図1(a)参照)。銅箔2をエッチング処理し、所定パターン形状に加工した(図1(b)参照)。
<感光性樹脂層の形成>
次いで、両面に導体回路をそれぞれ有するコア基板と、感光性樹脂組成物としてドライフィルムレジストとを準備した。ドライフィルムレジストとして、実施例1〜6及び比較例1〜3においては、日立化成株式会社製Photec H−7025(商品名)をベースに、厚さ25μmのものを使用し、実施例7及び比較例4においては、日立化成株式会社製アクリル系ドライフィルムHM4035(商品名)をベースに、厚さ25μmのものを使用した。上記コア基材の両面にロールラミネーターでドライフィルムレジストをそれぞれ貼着し(図2参照)、パターンを形成したフォトツールを密着させ、オーク製作所社製EXM−1201型露光機を使用して、50mJ/cmのエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、感光性樹脂組成物を開口させて柱状体3a,3bを形成した(図3参照)。
<熱硬化性樹脂層4の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物>
プリント配線基板の熱硬化性樹脂層4(層間絶縁層)の形成に使用する熱硬化性樹脂組成物として、以下のエポキシ樹脂70質量部と硬化剤30質量部とを含むものを調製した。
エポキシ樹脂として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、製品名NC−3000H(日本化薬株式会社製)を用いた。
硬化剤として、以下のようにして合成してものを用いた。すなわち、温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−アミノフェニル)スルホン:26.40gと、2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン:484.50gと、p−アミノ安息香酸:29.10g、及びジメチルアセトアミド:360.00gを入れ、140℃で5時間反応させて分子主鎖中にスルホン基を有し、酸性置換基と不飽和N−置換マレイミド基を有する硬化剤の溶液を得た。
無機フィラー成分としては、平均粒径が50nm、ビニルシランでシランカップリング処理したシリカフィラーを用いた。なお、無機フィラー成分は、樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。分散状態は、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計「UPA−EX150」(日機装社製)、及びレーザ回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT−3100」(日機装社製)を用いて測定し、最大粒径が1μm以下となっていることを確認した。
上述のように得た熱硬化性樹脂組成物の溶液を支持層である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(G2−16、帝人社製、商品名)上に均一に塗布することにより熱硬化性樹脂組成物層を形成した。その後、熱風対流式乾燥機を用いて熱硬化性樹脂組成物層を100℃で約10分間乾燥することによってフィルム状熱硬化性樹脂組成物を得た。フィルム状熱硬化性樹脂組成物の厚さは25μmのものを準備した(表3〜5参照)。
次いで、熱硬化性樹脂組成物層に埃等が付着しないように、支持層と接している側とは反対側の表面上にポリエチレンフィルム(NF−15、タマポリ社製、商品名)を保護フィルムとして貼り合わせ、熱硬化性フィルムタイプの樹脂組成物を得た。
得られた熱硬化性フィルムタイプの樹脂組成物を用いて、プリント配線基板上に熱硬化性樹脂層4を形成した(図4参照)。詳細には、まず、熱硬化性樹脂組成物からなる熱硬化性フィルムタイプの樹脂組成物の保護フィルムのみを剥がし、プリント配線基板10の両面(柱状体3a,3b及び導体回路2a、2b上)に熱硬化性フィルムを載置した。プレス式真空ラミネータ(MVLP−500、名機製作所製、商品名)を用いてプリント配線基板の表面に熱硬化性樹脂層を積層した。プレス条件は、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。次いで、クリーンオーブンで所定温度、所定時間で熱硬化性樹脂層4を熱硬化させた。
実施例1〜7及び比較例1〜4において、プラズマ処理(表1参照)又はフライカット処理によって硬化物層4Aの厚さを減じ(図5参照)、その後、化学的処理(表2参照)を経て複数の開口を形成した(図6参照)。なお、硬化物層4Aには三種類の大きさの開口(30μmφ、50μmφ及び100μmφ)を形成した。
<硬化物層の厚さを減じる処理(物理的処理)>
(プラズマ処理)
プラズマ処理には株式会社モリエンジニアリング製、PB−1000S(商品名)を使用した。プラズマ処理は、表1に示す条件に従って酸素ガスとアルゴンガスを併用して行い、15分処理毎に水洗(超音波洗浄:100Hz5分)した。
(フライカット処理)
オートマチックサーフェスプレーナー(株式会社ディスコ製、DAS8930(商品名))を使用してフライカット処理を実施した。送り速度1mm/s、スピンドル回転数2000rpmの条件とした。
<柱状体を除去する処理(化学的処理)>
実施例1,2,4,5及び比較例1〜3における化学的処理は表2に示す処理液(薬液)及び条件で実施した。
実施例3,6,7及び比較例4においては、化学的処理のための薬液(アミン含有液)として、アミン剥離液(R−100S又はR−101(三菱ガス化学社製))を使用した。購入したアミン剥離液を蒸留水で希釈した後、50℃に加温するとともにスターラーで撹拌することによって薬液を調製した。
図12(a)は化学的処理後において複数の開口が良好に形成された硬化物層のSEM写真である。図12(b)は化学的処理によって柱状体を除去できず、不完全な凹部が形成された硬化物層のSEM写真である。
<多層プリント配線基板の作製>
化学的処理によって柱状体を除去した後、硬化物層4Aを覆うように、無電解銅めっき法により厚さ1μmのシード層5を形成した(図7参照)。次いで、第二の感光性樹脂組成物としてドライフィルムレジスト6(日立化成株式会社 Photec RY−3525)をロールラミネーターで両面に貼着し、パターンを形成したフォトツールを密着させ、オーク製作所社製EXM−1201型露光機を使用して、100mJ/cmのエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、ドライフィルムレジスト6を開口させた(第2の感光性樹脂層のパターン6a、6b)。次いで、電解銅めっき法により、シード層5の少なくとも一部を覆うように、厚さ10μmの銅めっき(配線部7)を形成した(図9参照)。次いで、はく離液により、パターン6a,6bをはく離し、配線パターン7a,7bを形成した。次いでシード層5をエッチング液より除去した(図10参照)。この工程を表裏ともに三回繰り返し、最外層にソルダーレジスト8を形成した後、市販の無電解ニッケル/金めっき液を用いて、ニッケルめっき厚5μm、金めっき厚0.1μmとなるようにめっき処理を行い、ニッケル/金層9を形成した。このようにして多層プリント配線基板200を得た(図11参照)。なお、多層プリント配線基板200は、基板サイズが45mm×45mmであり、中心部20mm×20mmの範囲にエリアアレイ状に直径30μm、50μm、70μm及び90μmの開口をそれぞれ設けた。
<評価項目>
開口の残渣除去性については、以下の基準に基づいて評価した。
A:銅表面にドライフィルムレジストの残渣がなく、はく離及び除去できているもの。
B:ドライフィルムレジストの残渣が確認されたが、プリント配線基板を製造する上で問題ないもの。
C:ドライフィルムレジストの残渣が確認され、プリント配線基板を製造する上で問題であるもの。
無電解銅めっき性については、以下の基準に基づいて評価した。
AA:平滑に全面めっき処理されているもの。
A:平滑に全面めっき処理されているが,一部に開口の銅表面にめっきむらが確認されたもの。
B:開口の銅表面にめっきむらが確認されたが、プリント配線基板を製造する上で問題ないもの。
C:開口の銅表面にめっきむらが確認され、プリント配線基板を製造する上で問題あるもの。
なお、実施例1〜7について、耐薬品性及び開口の壁面平滑性についても評価を実施したが、いずれも評価は良好であった。
1…銅張積層体、2a,2b…導体回路、3…感光性樹脂層、3a,3b…柱状体、4…熱硬化性樹脂層(熱硬化性樹脂組成物の層)、4A…硬化物層、4h…開口、5…シード層、6a,6b…感光性樹脂層のパターン、7…配線部、7a,7b…配線パターン、8…ソルダーレジスト、9…ニッケル/金層、10…プリント配線基板(内層基板)、100,200…多層プリント配線基板。

Claims (12)

  1. 導体回路と、前記導体回路が形成されている回路形成面と、前記回路形成面上において前記導体回路を覆う絶縁層と、前記絶縁層をその厚さ方向に貫通する複数の開口とを備える構造体の製造方法であって、
    (A):前記導体回路を覆うように感光性樹脂組成物の層を前記回路形成面に形成する工程と、
    (B):前記感光性樹脂組成物の層に対して露光処理及び現像処理を施す工程であって、これにより前記回路形成面の前記導体回路の表面における前記複数の開口を形成すべき領域に前記感光性樹脂組成物の硬化物からなる複数の柱状体を形成する工程と、
    (C):前記複数の柱状体を覆うように熱硬化性樹脂組成物の層を前記回路形成面に形成する工程と、
    (D):前記熱硬化性樹脂組成物の層に対して熱処理を施す工程と、
    (E):(D)工程後、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物層に対して物理的処理を施す工程であって、これにより前記硬化物層の厚さを減じる工程と、
    (F):(E)工程後、薬液を用いた化学的処理によって前記複数の柱状体を除去する工程であって、これにより前記領域に前記複数の開口を形成する工程と、
    を含み、
    (E)工程において、以下の不等式(1)で示される条件を満たすように前記硬化物層の厚さを減じる、構造体の製造方法。
    0μm≦(H−H)≦1μm・・・(1)
    [Hは前記導体回路の表面から前記硬化物層の上面までの高さを示し、Hは前記導体回路の表面から前記柱状体の上面までの高さを示す。]
  2. (E)工程における前記物理的処理が前記硬化物層に対する切削加工である、請求項1に記載の構造体の製造方法。
  3. (F)工程において使用する前記薬液がアミン含有液、過マンガン酸含有液、無機アルカリ水溶液、クロム含有液及び硫酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の構造体の製造方法。
  4. (F)工程において、前記薬液によって前記複数の柱状体が膨潤する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  5. (F)工程後、前記硬化物層に対して熱処理を施す工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  6. (D)工程における前記熱処理は、温度が150℃〜250℃であり且つ加熱時間が30分〜300分である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  7. (D)工程における前記熱処理を不活性ガスの雰囲気下で実施する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  8. (G):(F)工程後、前記硬化物層の少なくとも一部を覆うように、無電解めっき法によってシード層を形成する工程と、
    (H):前記シード層を覆うように、感光性樹脂組成物の第二の層を形成する工程と、
    (I):前記第二の層に対して露光処理及び現像処理を施す工程であって、これにより前記第二の層の硬化物からなるパターンを形成する工程と、
    (J):前記シード層を少なくとも覆うように、電解めっき法によって配線部を形成する工程と、
    (K):(J)工程後、前記パターンをはく離することによって前記配線部をパターン化する工程と、
    (L):前記シード層のうち、前記配線部が形成されていない領域を除去する工程と、
    を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の構造体の製造方法の(A)工程において使用される感光性樹脂組成物であって、
    (a)バインダーポリマーと、
    (b)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光重合性化合物と、
    (c)光重合開始剤と、
    を含む、感光性樹脂組成物。
  10. 請求項9に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂フィルム。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の構造体の製造方法の(C)工程において使用される熱硬化性樹脂組成物であって、
    エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂を含む樹脂組成物と、
    最大粒径が5μm以下であり且つ平均粒径が1μm以下である無機フィラーと、
    を含有する熱硬化性樹脂組成物。
  12. 請求項11に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる熱硬化性樹脂フィルム。
JP2016207147A 2016-10-21 2016-10-21 導体回路を有する構造体の製造方法、感光性樹脂組成物及び感光性樹脂フィルム、並びに熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂フィルム Pending JP2018067688A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020004926A (ja) * 2018-07-02 2020-01-09 凸版印刷株式会社 配線基板及び配線基板の製造方法
WO2025032825A1 (ja) * 2023-08-10 2025-02-13 株式会社レゾナック 半導体装置の製造方法
WO2025032826A1 (ja) * 2023-08-10 2025-02-13 株式会社レゾナック 半導体装置の製造方法及び半導体装置

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