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JP3777339B2 - 廃棄樹脂の油化装置 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は廃棄樹脂の油化装置に係り、特に、廃タイヤを燃焼させて発生させたガスから油分を回収する装置として好適な構造に関する。
【0001】
【従来の技術】
一般に、廃タイヤには、分別ごみとして一般家庭から排出される一般廃棄物と、業者から排出される産業廃棄物とが存在する。一般廃棄物や産業廃棄物のいずれにおいても、廃タイヤの処分方法としては通常、焼却処分や埋め立て処分などが行われているが、処理コストが高いことと埋め立て処分場が不足していること等によって不法投棄が後を絶たないのが現状である。
【0002】
近年、廃タイヤの処分方法として、熱分解により油分を回収して燃料等として再利用する方法が提案され、この方法が各地で実施されるようになってきた。この方法においては、原料となる廃タイヤを融解させて熱分解させる熱分解炉と、この熱分解炉において発生した熱分解ガスを冷却する冷却回収装置とを備えた油化プラントが必要となる。
【0003】
上記の油化プラントとしては、熱分解炉の中に廃タイヤを投入し、熱分解炉の内部に向けて送風機にて送風しながら廃タイヤを加熱し、これにより発生した熱分解ガスから油分を回収するように構成された比較的大型の油化プラントが知られている。
【0004】
また、所定量の廃タイヤを熱分解炉に投入してから熱分解炉を密封して、廃タイヤを加熱することにより発生した熱分解ガスを冷却し、油分を回収するように構成された比較的小型の油化プラントもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の油化プラントのうち、前者の比較的大型の油化プラントにおいては、熱分解炉の内部の圧力が常に大気圧よりも高い状態で運転されるため、炉内ガスと外気とが接触したり、廃タイヤに異常燃焼が生ずるとガスの発生量を制御することができなくなり熱分解炉内の圧力が急上昇したりして爆発を引き起こすことが多いという問題点があり、その結果、現在はほとんどのプラントが操業を停止している状態にある。
【0006】
また、後者の比較的小型の油化プラントにおいては、基本的にバッチ処理で運転されるとともに熱分解炉の大型化が困難であるために処理効率を向上させることができないという問題点がある。また、処理毎に熱分解炉を開閉させる必要があり、炉内清掃も処理毎に行わなければならないなど、処理時において非常に手間がかかり、処理コストの低減も難しいという問題点がある。
【0007】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、熱分解炉の圧力を或る程度制御することが可能な構造を採用することによって、異常燃焼に起因する爆発を防止することのできる廃棄樹脂の油化装置を提供することにある。また、本発明の別の課題は、処理効率を高めることができるとともに処理時の手間を低減することのできる廃棄樹脂の油化装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の廃棄樹脂の油化装置は、熱分解炉内において廃棄樹脂を燃焼させて発生させたガスから油分を回収するための廃棄樹脂の油化装置であって、前記熱分解炉の空気取入口に空気調整弁が設けられているとともに前記熱分解炉で発生したガスから油分を回収する油分回収経路の下流側に排気手段が設けられ、前記排気手段によって前記熱分解炉の内部及び前記油分回収経路が負圧に保持されるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、排気手段によって熱分解炉の内部及び油分回収経路が負圧に保持されるように構成されていることにより、熱分解炉の内部において廃棄樹脂からのガスの発生状態が間接的に制御されるので、異常燃焼等によるガスの異常発生が抑制されるとともに、熱分解炉及び油分回収経路の圧力の上昇も抑制されることから、爆発等の危険性を低減することができる。また、熱分解炉の空気取入口に空気調整弁が設けられていることにより、熱分解炉への空気の流入量が規制されるため、負圧状態をより確実に制御することが可能になり、安定した操業を行うことができる。
【0010】
本発明において、前記熱分解炉における廃棄樹脂の投入口に水封構造が設けられていることが好ましい。熱分解炉の投入口に水封構造が設けられていることによって、炉内ガスの逆流を防止することができ、炉内ガスと外気を遮断するため、爆発等の危険を低減できる。また、廃棄樹脂を連続的に投入しても熱分解炉の負圧状態を維持することが可能になり、熱分解炉の内部の熱分解状態を安定化させることが可能になるので、連続稼動が可能になり、処理効率を向上させることができる。また、異常燃焼等を引き起こし難くなり、熱分解炉の操業状態をより安定化させることができる。
【0011】
本発明において、前記空気調整弁は、前記熱分解炉の内外圧力差の変動を抑制するように動作することが好ましい。空気調整弁が熱分解炉の内外圧力差の変動を抑制するように動作することにより、熱分解炉の内部におけるガスの発生量が変動しても、熱分解炉の内圧を安定化させることができる。また、熱分解炉の内部においてガスの発生量が変動したときにそれに応じて空気の取入量が逆に変動することとなるので、熱分解炉内部のガス発生量の変動が間接的に抑制される。したがって、異常な圧力上昇を回避することが可能になり、より安全な操業を実現できる。
【0012】
本発明において、前記負圧は0.80〜0.95気圧の範囲内の値であることが好ましい。負圧が0.80〜0.95気圧(約80〜95kPa)の範囲内の値であることにより、処理効率と安全性とを両立させることが可能になる。0.80気圧未満では、廃棄樹脂からのガスの発生量が低下し、処理効率が低下する。また、0.95気圧を越えると、大気圧との差が小さくなるために圧力自体の制御が困難になるとともに、ガスの異常発生が起こり易くなる。特に、上記範囲の中でも0.85〜0.90気圧の範囲内であることが望ましい。
【0013】
本発明において、前記油分回収経路とは別に、前記熱分解炉の内部と、前記油分回収経路の途中とを連通させるバイパス経路が設けられていることが好ましい。バイパス経路が設けられていることにより、熱分解炉の内圧の時間的変動を低減することができる。例えば、熱分解炉内で圧力の異常上昇が発生してもバイパス経路を介して油分回収経路の途中に圧力を逃がすことができるので、排気手段による負圧状態の維持をより容易にし、異常圧力の発生を抑制することができる。
【0014】
本発明において、前記油分回収経路には、固形物質を除去するための分離器と、該分離器の下流側に配置された冷却器とが設けられ、前記バイパス経路は、前記熱分解炉の内部と、前記冷却器とを連通させていることが好ましい。冷却器の内部ではガスが冷却されることにより圧力が低下するので、バイパス経路が冷却器に接続されていることにより、熱分解炉の圧力をより効率的に逃がすことが可能になる。
【0015】
本発明において、前記熱分解炉は、前記廃棄樹脂が燃焼する燃焼領域と、前記燃焼領域から発生したガスを熱分解する熱分解領域とを有し、前記燃焼領域の炉内断面積が前記熱分解領域の炉内断面積よりも小さいことが好ましい。燃焼領域の炉内断面積が熱分解領域の炉内断面積よりも小さいことにより、燃焼領域内の廃棄樹脂量を制限することができるので、ガスの異常発生等を防止することができ、より安定した状態で稼動させることができる。
【0016】
本発明において、前記燃焼領域の炉内断面積は、前記熱分解領域の炉内断面積の36〜64%の範囲内となるように構成されていることが好ましい。これにより、廃棄樹脂の処理効率(ガスの発生量)と、異常燃焼の抑制とを両立させることができる。上記範囲を越えると、燃焼領域内の廃棄樹脂の熱分解量が増大して異常燃焼等が発生しやすくなり、また、上記範囲を下回ると、燃焼領域内の廃棄樹脂の熱分解量が低下してガスの発生量が低下しやすくなり、処理効率が低下する。
【0017】
本発明において、前記熱分解炉の下部に設けられた残渣取出部が水封構造を有することが好ましい。残渣取出部が水封構造を有することにより、熱分解炉を停止することなしに残渣を取出すことができるとともに、熱分解炉に余分な空気を導入してしまうことを防止することができる。したがって、連続運転中に任意に残渣の取出しを行うことが可能になるので、連続運転をさらに容易にかつ長時間継続して行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る廃棄樹脂の油化装置の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る廃棄樹脂の油化装置における熱分解炉の構造を模式的に示す概略断面図であり、図2は、本発明に係る廃棄樹脂の油化装置の全体構成を示す概略構成図である。
【0019】
最初に、図2を参照して、本発明に係る油化装置100の全体構成について説明する。油化装置100には、熱分解炉110が設けられている。この熱分解炉110は、廃タイヤ等の廃棄樹脂を燃焼させ熱分解することによってガスを発生するものである。熱分解炉110においては、切断加工した廃タイヤ等の廃棄樹脂を供給する搬入コンベア111と、この搬入コンベア111により供給される廃棄樹脂を受け入れる投入部112と、外部から空気を取り込むための空気取入口に設けられた空気調整弁113とが設けられている。投入部112は後述するように水封構造を有し、炉内ガスと外気とを遮断し、投入部112から炉内ガスが外部に放出されたり、或いは、外気が熱分解炉110内に侵入したりしないように構成されている。
【0020】
熱分解炉110の下流側には固形物質を分離する分離器であるサイクロン120が接続されている。サイクロン120は熱分解炉110で発生したガス中から固形分を回収容器121に分離するものであり、例えば、ガス中のカーボン(カーボン微粒)を分離する。サイクロン120としては、より確実に固形分を回収するために2連式サイクロンで構成されていることが好ましい。
【0021】
また、その下流側には、ガスを冷却する冷却器である間接冷却器130が接続されている。間接冷却器130により冷却されることにより、ガス中からタールが分離され、回収容器131に排出される。
【0022】
さらに下流側には、冷却器としての熱交換器群140が接続されている。熱交換器群140には複数の熱交換機141,142,143,144が直列に接続されている。各熱交換器にはそれぞれ油水分離槽145,146,147,148が接続されている。これらの油水分離槽145,146,147,148は油分と水とを比重差を利用して分離し、ガス中から分離された水が回収されて回収容器149に排出されるとともに、油分(灯油)が回収される。この油分は、ポンプ154によって回収容器155に回収される。冷却器の油化能力は供給する水の量により調整することができる。
【0023】
熱交換器群140は排気手段である排風機151に接続されている。排風機151は、熱分解炉110と排風機151との間に構成される油分回収経路を排気するように構成されている。排風機151には水封槽(バブリング槽)152が接続されている。この水封槽152は下流側から油分回収経路に外気が侵入(逆流)することを防止する。水封槽152はさらに洗煙塔153に接続されている。洗煙塔153は上記油分回収経路から排風機151及び水封槽152を経て排出されたガスを外気に放出する。
【0024】
油化装置100においては、熱分解炉110内には空気調整弁113にて制御された空気しか導入されない状態となっている。また、油分回収経路内には外気が導入されないように構成されている。このため、排風機151が油分回収経路を排気することによって、熱分解炉110及びその下流側の油分回収経路は常に負圧(すなわち外気圧よりも低い圧力)に保持される。本実施形態では、基本的に排風機151の排風量の調整によって油化装置の稼動状態が制御される。したがって、排風機151が停止すると油化装置を稼動させることができなくなるので、排風機151の予備を常備しておくことが好ましい。
【0025】
また、熱分解炉110と、冷却器である間接冷却器130との間には、内圧調整用のバイパス経路132が構成されている。したがって、排風機151は、上記油分回収経路を経由して熱分解炉110内を排気するだけでなく、間接冷却器130からバイパス経路132を介して直接熱分解炉110を排気する。
【0026】
次に、図1を参照して熱分解炉110についてより詳細に説明する。熱分解炉110には、搬入コンベア111から廃棄樹脂を受け入れる投入部112が設けられ、この投入部112には、投入水封槽112Aと、投入水封槽112Aに投入された廃棄樹脂を熱分解炉の本体に移送する移送コンベア112Bとが配置される。投入水封槽112Aは水等の液体が収容されている。この液体は、外部と熱分解炉の本体内部とを水封構造によって遮断し、炉内ガスと外気とを遮断する。
【0027】
熱分解炉110の本体には、下部に燃焼室114が設けられ、上部に熱分解室115が設けられている。熱分解室115の上方にはガスを上記油分回収経路に送るためのガス放出口116が形成されている。燃焼室114の下方には灰帯室117が設けられている。この灰帯室117には空気取入口117aが設けられている。この空気取入口117aには上記空気調整弁113が取り付けられている。空気調整弁113は、上記排風機151の動作に起因して生ずる自然通風作用によって、外気圧(通常は大気圧;1気圧=約100kPa)と、熱分解炉110の内部(すなわち灰帯室117の内圧)との間に所定範囲(例えば0.05〜0.1気圧(約5〜10kPa))の内外圧力差が生ずるように動作する。すなわち、内外圧力差が上記範囲よりも小さくなると弁開度が増大し、内外圧力差が上記範囲よりも大きくなると弁開度が減少するように構成されている。このような空気調整弁113の構造としては、常に閉鎖する方向に応力(例えば錘の重量による力)を受けるように構成され、内外圧力差によって開放されるように構成された弁体を有するものが挙げられる。また、弁開度を調整して内外圧力差を一定範囲に維持するものだけではなく、例えば内外圧力差の増減により開閉動作を繰り返すだけで内外圧力差を一定範囲に維持することのできるものであってもよい。なお、自然通風を利用した自家燃焼であるため、燃焼バーナー等は不要である。
【0028】
灰帯室117の内部には上部ロストル117Aと、下部ロストル117Bとが上下に配列された状態で、燃焼室114の下方に配置されている。上部ロストル117Aと下部ロストル117Bとには、燃焼室114から投入された初期状態の廃棄樹脂が直接落下しない程度の大きさの開口が複数設けられている。また、処理状態においては上部ロストル117Aの開口と下部ロストル117Bの開口とが平面的に重ならない状態で配列されている。上部ロストル117Aと下部ロストル117Bは、上記状態と、相互に開口が平面的に重なる状態とを適宜に切り換えられるように、相対移動可能に構成されている。
【0029】
灰帯室117には点火口117bが設けられている。この点火口117bは、燃焼室114内の排気樹脂に着火する際に用いるが、灰帯室117の点検に用いることもできる。点火口117bは熱分解炉110の稼動中にはキャップ117cによって閉鎖される。
【0030】
灰帯室117の下部には残渣取出部が設けられ、この残渣取出部には下部水封槽118が設けられている。下部水封槽118内には水等の液体が収容され、残渣取出部から灰帯室117内に外気が侵入しないように構成されている。下部水封槽118内には搬出コンベア119が配置され、灰帯室117から下部水封槽118に落下した残渣を搬出することができるようになっている。
【0031】
熱分解炉110において、燃焼室114の炉内断面積(横断面積)は、熱分解室115の炉内断面積(横断面積)よりも小さくなるように構成されている。例えば、円筒状に構成された燃焼室114の内径は、やはり円筒状に構成された熱分解室115の内径の6〜8割、好ましくは約7割になるように構成されている。すなわち、燃焼室114の炉内断面積は、熱分解室115の炉内断面積の36〜64%、好ましくは約49%になるように構成されている。
【0032】
また、熱分解炉110内の圧力は、通常稼動時において、例えば、0.80〜0.95気圧(約80〜95kPa)、好ましくは0.9気圧(約90kPa)程度になるように構成されている。すなわち、上記の空気調整弁113は熱分解炉110内の圧力が0.80〜0.9気圧、好ましくは約0.9気圧になるように調整して外気を導入する。
【0033】
上記のような負圧状態は、予め排風機151を稼動させておくことにより、熱分解炉110の着火前には既に保持されていなければならない。負圧状態が形成されると、熱分解炉110内に廃棄樹脂を投入し、点火口117bから燃焼室114内の廃棄樹脂に点火する。着火が確認されたら、点火口117bをキャップ117cにて閉鎖する。
【0034】
通常稼動時においては、熱分解炉110内には、廃棄樹脂が燃焼室114だけでなく、熱分解室115の内容積の6〜8割程度まで堆積した状態となる。ただし、このように堆積した廃棄樹脂のうち燃焼しているものは、通常、燃焼室114内に配置されたものだけとなるように運転が行われる。燃焼室114内の廃棄樹脂は燃焼してガスを発生させ、このガスは熱分解室115内を上昇しながら高温かつ負圧の状態で熱分解を生ずる。熱分解で生じたガスは熱分解室115の上方の空間(ガス室)を経て上記のガス放出口116を出て上記油分回収経路に送られる。
【0035】
以上説明した本実施形態においては、熱分解炉110の内部及び油分回収経路が排風機151により負圧に保持されているので、圧力上昇による爆発等の危険が少なく、安全な操業を行うことができる。特に、空気調整弁113によって熱分解炉110内への空気の流入量が制御されるため、熱分解炉110の内部でガスの発生量が増大しても、空気調整弁113による外気の導入量が低減されることによって熱分解炉110内の圧力の一時的上昇をも抑制することができる。特に、熱分解炉の内圧が増大すると、空気の導入量が低下して廃棄樹脂の燃焼度合も低下することによりガスの発生量が減少し、また、熱分解炉の内圧が減少すると、空気の導入量が増大して廃棄樹脂の燃焼度合が高まることによりガスの発生量が増大するため、熱分解炉110内のガス発生量が空気調整弁113によって常時間接的に制御されていることとなるから、きわめて安定な熱分解状態を継続維持することができる。
【0036】
また、本実施形態では、バイパス経路132が設けられていることにより、熱分解炉110内におけるガス発生量が変動することに起因する内圧の変動を抑制することができる。例えば、熱分解炉110にて一時的に異常燃焼等が発生して空気調整弁113による制御が及ばない程急激に圧力が増大しても、バイパス経路132が設けられていることによって熱分解炉110内の圧力が直接バイパス経路132を経て冷却器である間接冷却器130に逃がすことができるため、より安全な操業を行うことができる。
【0037】
特に、上述のように内圧を0.80〜0.95気圧の範囲よりも高くすると、空気調整弁113による内圧の制御が困難になり、燃焼状態が不安定になった。また、この場合には爆発等の危険性も増大しているものと考えられる。一方、内圧を上記範囲よりも低くすると、燃焼状態が悪化してガスの発生量が低下し、処理効率が低下した。
【0038】
さらに、本実施形態では、投入部112や残渣取出部に水封構造が設けられていることにより、連続稼動を行っても、空気調整弁113を備えた空気取入口117a以外に空気が侵入する部分が存在しないので、熱分解炉110内の負圧を容易に維持することができる。したがって、従来の小型の油化プラントのようにバッチ処理を行う必要がなくなり、生産量を大幅に増大することができる。
【0039】
本実施形態では、燃焼室114の炉内断面積を熱分解室115の炉内断面積よりも小さくしているため、ガスを油分回収経路にスムーズに排出できる一方で廃棄樹脂の燃焼量がある程度抑制されることにより、ガスの分解効率を向上させることができるので、処理効率を高めることが可能になっている。上述のように燃焼室114の炉内断面積を熱分解室115の炉内断面積の36〜64%の範囲内に設定することによって、特に処理効率(ガス発生量の増大)と安全性とを両立することができる。例えば、本実施形態において上記範囲では廃タイヤ1トン当たり約370kgの油分が回収されたが、上記範囲よりも燃焼室114の面積割合を高くすると、廃棄樹脂の燃焼状態が不安定になるとともに、油分の回収量も減少する。例えば、燃焼室の炉内面積を熱分解室と同じにすると、油分の回収量は300kg程度に低下した。また、上記範囲よりもその面積割合を低くすると、やはり油分の処理効率が大きく低下した。
【0040】
尚、本発明の廃棄樹脂の油化装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、油分回収経路に設けられる上記のサイクロン120(固形物質の分離器)、間接冷却器130(冷却器)、熱交換器群140(これも一種の冷却器である。)などの構成は、回収すべき物質の種類や性質等に応じて適宜変更することができる。より具体的には、固形物質の分離器と冷却器の順序を逆転させたり、分離器を省略したり、冷却器の構成を変えたりすることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、内部を負圧に保持することにより異常燃焼に起因する爆発等を防止することができ、安全に操業することができる。また、連続処理が可能になるため、処理効率を高めることができるとともに処理時の手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る廃棄樹脂の油化装置の実施形態における熱分解炉の構造を模式的に示す概略断面図である。
【図2】 同実施形態の全体構成の概略を示す概略構成図である。
【符号の説明】
100・・・廃棄樹脂の油化装置、110・・・熱分解炉、111・・・搬入コンベア、112・・・投入部、112A・・・投入水封槽、112B・・・移送コンベア、113・・・空気調整弁、114・・・燃焼室、115・・・熱分解室、116・・・ガス放出口、117・・・灰帯室、120・・・サイクロン、130・・・間接冷却器、132・・・バイパス経路、140・・・熱交換器群、151・・・排風機

Claims (6)

  1. 熱分解炉内において廃棄樹脂を燃焼させて発生させたガスから油分を回収するための廃棄樹脂の油化装置であって、
    前記熱分解炉の空気取入口に空気調整弁が設けられているとともに前記熱分解炉で発生したガスから油分を回収する油分回収経路の下流側に排気手段が設けられ、
    前記熱分解炉に設けられた廃棄樹脂の投入口が水封構造を有するとともに該水封構造を通して前記廃棄樹脂を前記熱分解炉内に投入する手段が設けられ、
    前記熱分解炉の下部に設けられた残渣取出部が水封構造を有し、
    前記排気手段によって前記熱分解炉の内部及び前記油分回収経路が負圧に保持されるように構成され
    前記油分回収経路とは別に、前記熱分解炉の内部の燃焼領域の前記空気取入口側と、前記油分回収経路の途中とを連通させるバイパス経路が設けられていることを特徴とする廃棄樹脂の油化装置。
  2. 前記空気調整弁は、前記熱分解炉の内外圧力差の変動を抑制するように動作することを特徴とする請求項1に記載の廃棄樹脂の油化装置。
  3. 前記負圧は0.80〜0.95気圧の範囲内の値であることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄樹脂の油化装置。
  4. 前記油分回収経路には、固形物質を除去するための分離器と、該分離器の下流側に配置された冷却器とが設けられ、前記バイパス経路は、前記熱分解炉の内部と、前記冷却器とを連通させていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の廃棄樹脂の油化装置。
  5. 前記熱分解炉は、前記廃棄樹脂が燃焼する燃焼領域と、前記燃焼領域から発生したガスを熱分解する熱分解領域とを有し、
    前記燃焼領域の炉内断面積が前記熱分解領域の炉内断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の廃棄樹脂の油化装置。
  6. 前記燃焼領域の炉内断面積は、前記熱分解領域の炉内断面積の36〜64%の範囲内となるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の廃棄樹脂の油化装置。
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