JP3775325B2 - 有機elディスプレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高精細で信頼性に優れ、携帯端末機や産業用計測器の表示など広範囲な応用可能性を有する有機ELディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた駆動方式のカラー有機ELディスプレイが開発されている。TFTが形成されている基板側に光を取り出す方式では、配線部分の光の遮光効果により、開口率が上がらないため、最近ではTFTが形成されている基板とは反対側に光を取り出す、いわゆるトップエミッション方式が開発されている。
【0003】
一方、パターニングした蛍光体に有機EL素子の発光を吸収させ、それぞれの蛍光体から多色の蛍光を発光させる色変換方式の開発が進められている。この方式は、TFT駆動を用いたトップエミッション方式の併用により、さらに高精細で高輝度の有機ELディスプレイを提供できる可能性を含んでいる。特開平11−251059号公報や、特開平2000−77191号公報に開示されているカラー表示装置は、このような方式の一例である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
色変換方式を用いたトップエミッションディスプレイの構造としては、有機EL素子と、色変換フィルタ(色変換層単体またはカラーフィルタ層と色変換層との積層体)が、その間に配設された柱状のギャップ調整層により、有機EL素子の上部側の透明電極に対向して、一定のギャップをもって配設された構造が、特開平11−297477号公報に開示されている。また、そのギャップに絶縁オイル等を充填した構造が、実開平3−92398号公報に開示されている。
【0005】
しかし、柱状の構造物(支柱)により一定のギャップを設ける構成では、有機EL層と色変換フィルタとの間に屈折率の大きく異なる気体層(空隙)が存在することになり、気体層と有機EL素子との界面、または気体層と色変換フィルタとの界面での光の反射が大きくなり、光の取り出し効率が低下する。また、ギャップに絶縁オイル等を注入した構成では、係る反射の問題は緩和されるものの、ディスプレイの製造プロセスが複雑化する上、本来、完全固体デバイスである有機ELディスプレイの利点である耐衝撃性を損なうことにもなり、最良の構成とは言えない。
【0006】
これらの問題を解決する構成として、有機EL素子と、この有機EL素子の上部の透明電極に対向する色変換フィルタとが、透明樹脂層によって、互いに強固に貼りあわされた構成も、特許第2766095号に開示されている。しかし、この構造においては、有機EL素子と色変換フィルタとを接着する工程、あるいは形成したディスプレイが置かれた環境温度の変化等により発生した熱応力や振動、圧力などの機械的応力によって、EL素子が剥離するなどのダメージを受けてしまう問題がある。
【0007】
さらに、特開平11−121164号公報には、有機EL素子と、色変換フィルタとの間に、樹脂フィルムであるベースフィルムと、同じく樹脂フィルムである結合層とを、結合層を色変換フィルタ側にして積層する構成が開示されている。しかして、該公報には、結合層の役割として、色変換フィルタの段差を平坦化することと、色変換フィルタとベースフィルムとの緩衝膜として機能させること、と記載されている。しかしながら、該公報では、色変換フィルタと有機EL素子とのギャップ調整については考えが及んでいない。また、ベースフィルムとの緩衝膜として機能させるとあるのみで、肝心の有機EL素子に加わる応力を緩和することについても示唆するところが無い。さらには、本発明のような、TFTを備える有機ELディスプレイに固有の問題を解決することについては、該公報の発明自体がTFTを備えていないので言及されていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の目的を達成するために、
基板上に、ソースおよびドレインからなる薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタの上部に、前記ソースまたはドレインに接続された導電性薄膜材料からなる第一の電極、少なくとも有機EL発光層、透明導電性薄膜材料からなる上部透明電極である第二の電極、少なくとも一層以上パッシベーション層が積層形成され、前記薄膜トランジスタにより駆動される有機EL素子とを備え、透明支持基板上に形成された色変換層単体またはカラーフィルタ層と色変換層との積層体が前記有機EL素子の第二の電極側に対向して配置された有機ELディスプレイであって、
色変換層単体またはカラーフィルタ層と色変換層との積層体の前記第二の電極側に、ヤング率の異なる少なくとも二種類のオーバーコート層を積層して設け、このオーバーコート層のうち前記第二の電極側のオーバーコート層を前記パッシベーション層の表面に密着させるとともに、前記基板と支持基板との外周を封止接着して成ることとする。尚、カラーフィルタ層と色変換層との積層体を用いる場合、例えば有機EL素子から発光される光が青色の場合は、青色についてはカラーフィルタ層のみとなり、緑色と赤色についてはカラーフィルタ層と色変換層との積層体となる。
【0009】
本発明においては、ヤング率の異なる少なくとも二種類のオーバーコート層のうち、最もヤング率の小さいオーバーコート層が、前記パッシベーション層の表面に有機EL素子の表示エリア内で密着して成ることが好ましい。
このように、本発明は、TFTを形成した基板と、少なくとも色変換層を形成した支持基板である透明基板とを、両者の基板の間に、透明基板側にギャップ調整用のオーバーコート層を、基板側(有機EL素子側)に応力緩和用のオーバーコート層を、空間を設けることなく対向させるもので、特にヤング率の小さい応力緩和用のオーバーコート層によって、パッシベーション層との界面に、表示性能に悪影響を及ぼす気体のボイドが生じることを回避することができる。すなわち、ヤング率の最も小さいオーバーコート層が、パッシベーション層に表示エリア内で密着して、TFTの配線に起因する凹凸によって生じる空間を埋め、かつ有機ELディスプレイに環境から加わる熱応力や機械的応力を緩和する。TFT基板の配線による凹凸は1〜2μm程度であるので、この凹凸を埋める、ヤング率の最も小さいオーバーコート層の厚さは、2〜4μmが適切である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の有機ELディスプレイについて以下に説明する。
以下の説明においては、第一の電極が陽極で第二の電極が陰極の場合を説明するが、第一の電極(下部電極)を陰極に、第二の電極(上部電極)を陽極とすることも可能である。
1:薄膜トランジスタ(TFT)基板と陽極
ガラスやプラスティックなどからなる絶縁性基板、または、半導電性や導電性基板に絶縁性の薄膜を形成した基板上にTFTがマトリックス状に配置され、各画素に対応した陽極にソース電極が接続される。
【0011】
TFTは、ゲート電極をゲート絶縁膜の下に設けたボトムゲートタイプで、能動層として多結晶シリコン膜を用いている。
陽極は、TFT上に形成された平坦化絶縁膜上に形成される。通常の有機EL素子では、透明で仕事関数が高いインジウムスズ酸化物(ITO)が陽極材料として用いられるが、トップエミッション構造の場合、ITOの下に反射率の高いメタル電極(アルミニウム、銀、モリブデン、タングステン)を用いることが好ましい。
2:有機EL素子
有機EL素子には、下記のような層構成からなるものが採用される。
(1)陽極/有機EL発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機EL発光層/陰極
(3)陽極/有機EL発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機EL発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機EL発光層/電子注入層/陰極
本実施の形態のトップエミッション色変換構造では、上記の層構成において、陰極は有機EL発光層の発する光の波長域において透明(透過率およそ50%以上)であることが必要で、この陰極を介して発光する。尚、本明細書で有機EL層と称するときは、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層を含む場合もある。
【0012】
透明な陰極としては、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属やその他の金属との合金や化合物の極薄膜(10nm以下)を電子注入層とし、その上に、ITO、またはIZO等の透明導電膜を形成する構成とする。
【0013】
有機EL発光層の各層の材料としては、公知のものが使用される。例えば、有機EL発光層として青色から青緑色の発光を得るためには、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。
3:パッシベーション層
有機EL素子上のパッシベーション層として、電気絶縁性を有し、水分や低分子成分に対するバリア性を有し、可視域における透明性が高く(400〜700nmの範囲で透過率50%以上)、好ましくは2H以上の膜硬度を有する材料を用いる。
【0014】
例えば、SiOx,SiNx,SiNxOy,AlOx,TiOx,TaOx,ZnOx等の無機酸化物、無機窒化物等が使用できる。このパッシベーション層の形成方法としては、有機EL素子に悪影響を与えなければ特に制約はなく、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法等で形成できる。素子に直接影響が無ければ、ディップ法等の慣用の手法でも形成できる。
【0015】
上述のパッシベーション層は単層でも良いが、複数の層が積層されたものでは水分のバリア等、その効果がより大きい。
積層されたパッシベーション層の厚さは0.1〜5μmが好ましい。
4:オーバーコート層
オーバーコート層は、有機EL素子側に形成しても良いが、有機EL素子は熱や紫外光に弱い材料で構成されているため、その上面へ形成する場合は様々な制約が発生する。したがって、比較的、熱や紫外光に強い色変換層上面に形成することがより好ましい。
【0016】
最もパッシベーション層側以外のオーバーコート層としては、色変換層の上部に色変換層の機能を損なうことなく形成でき、かつ、高い弾力性を有するものが良く、可視域における透明性が高く(400〜700nmの範囲で透過率50%以上)、Tgが100℃以上で、表面硬度が鉛筆硬度で2H以上であり、色変換層上に平滑に塗膜を形成でき、色変換層の機能を低下させない材料であれば良く、例えば、イミド変性シリコーン樹脂(特開平5−134112号公報等参照)、無機金属化合物(TiO,Al2O3,SiO2等)をアクリル、ポリイミド、シリコーン樹脂等中に分散したもの(特開平5−119306号公報等参照)、紫外線硬化型樹脂としてエポキシ変性アクリレート樹脂(特開平7−48424号公報参照)、アクリレートモノマーとオリゴマーとポリマーとの混合物の反応性ビニル基を有した樹脂、レジスト樹脂(特開平6−300910号公報、特開平9−330793号公報等参照)、無機化合物のゾル−ゲル法(月刊ディスプレイ1997年3巻7号等参照)、フッ素系樹脂(特開平5−36475号公報等参照)等の光硬化型樹脂及び/または熱硬化型樹脂が挙げられる。ヤング率は0.3MPa以上が好ましい。このオーバーコート層は、課題の項で述べたギャップを一定に保つためのものであり、ヤング率が0.3MPa以下だと、外部応力によってギャップが一定に保てなくなる。
【0017】
最もパッシベーション層側のオーバーコート層は、例えばナイロン6、ナイロン6−6をはじめとするポリアミド樹脂のように、単位構造中に剛直基を含まない高分子材料やシリコーンゴムやゲル、各種合成ゴム等が挙げられる。具体的には、ヤング率が0.3MPa以下の材料が好ましく、より好ましくは、0.1MPa以下の材料である。ただし、0.01MPa以下では、層の形成時に形状を保持できないので、0.01MPa以上の材料とする。
【0018】
フォトレジストも、原料として、剛直基を含まない直鎖状のオリゴマーや、官能基数が3以下のモノマーを含み、硬化物の3次元架橋密度があまり高くならないものであれば使用できる。或いは、上記以外のフォトレジストにおいても、光照射または加熱量を弱くし、架橋密度があまり高くならない状態で使用することで、応力緩和層として適用できるものもある。
5:色変換フィルタ(色変換層+カラーフィルタ)
1)有機蛍光色素
本発明において、色変換層に用いる有機蛍光色素としては、発光体から発する青色から青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えばローダミンB、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2等のローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−13−ブタジエニル〕−ピリジウム−パ−クロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素等が挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等)も蛍光性があれば使用することができる。
【0019】
発光体から発する青色ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)等のクマリン系色素、あるいはクマリン系色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等)も蛍光性があれば使用することができる。
2)ブラックマスク樹脂
次に、本発明の色変換フィルタに用いられるマトリクス樹脂は、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を、光および/または熱処理して、ラジカル種やイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものである。
3)カラーフィルタ層
色変換層のみでは十分な色純度が得られない場合は、カラーフィルタ層と上記色変換層との積層体とする。カラーフィルタ層の厚さは1〜1.5μmが好ましい。
実施例
以下に、本発明の一実施例を図1を参照して説明する。図1は本発明実施例の有機ELディスプレイの断面概略図である。図2は本発明の比較例である。
〔TFT基板1,2,3〕
図1に示すように、ガラス基板1にボトムゲート型のTFTを形成し、陽極3にTFTのソースが接続される構成とした。
【0020】
陽極3は、図示しないTFT上の絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介してソースに接続されているアルミニウムが下部に形成され、その上部表面にIZO(InZnO)が形成されている。
アルミニウムは、発光層からの発光を反射してトップから効率良く光を放出することと、電気抵抗低減のために設ける。アルミニウム膜の厚さは300nmとした。上部のIZOは、仕事関数が高く、効率良くホールを注入するために設ける。IZOの厚さは200nmとした。
〔有機EL層4〕
陽極3/正孔注入層/正孔輸送層/有機EL発光層/電子注入層/陰極5で有機EL素子を構成した(有機EL層4としては、この構成から両電極を除いた4層構成である)。
【0021】
陽極3を形成した基板1を抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層、正孔輸送層、有機EL層、電子注入層を、真空を破らずに順次成膜した。成膜に際して真空槽内圧は1×10-4Paまで減圧した。正孔注入層は銅フタロシアニン(CuPc)を100nm積層した。正孔輸送層は4,4−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。有機EL層は、4,4−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子注入層はアルミキレート(Alq)を20nm積層した。
【0022】
この後、メタルマスクを用いて、透明な陰極を、真空を破らずに形成した。
透明な陰極5は、電子注入に必要な仕事関数の小さな金属Mg/Agを共蒸着法にて膜厚2nm成膜し、その上にIZO膜をスパッタリング法で膜厚200nm成膜することにより形成した。
〔パッシベーション層6〕
パッシベーション層6として、スパッタ法にてSiONx膜を300nm堆積させた。
〔カラーフィルタ層9〕
透明(ガラス)基板12上に青色フィルタ材料(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCB−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、膜厚10μmのラインパターンとした。
【0023】
同様のカラーフィルタ材料系で、赤、緑のカラーフィルタ層(図示せず)を上記透明基板12上にスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、膜厚1.5μmのラインパターンとした。
〔色変換層10〕
緑色蛍光色素としてクマリン6(0.7重量部)を溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120重量部へ溶解させた。光重合性樹脂の「V259PA/P5」(商品名、新日鉄化成工業株式会社)100重量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布溶液を、透明基板12上の緑色カラーフィルタ上にスピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法により、パターニングを実施し、膜厚10μmのラインパターンとした。
【0024】
赤色蛍光色素としてクマリン6(0.6重量部)、ローダミン6G(0.3重量部)、ベーシックバイオレット11(0.3重量部)を溶剤のPGMEAへ溶解させた。光重合性樹脂のV259PA/P5を100重量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布溶液を、透明基板12の赤色カラーフィルタ上に、スピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法により、パターニングを実施し、膜厚10μmのラインパターンとした。
【0025】
各色の色変換層10の間には、ブラックマスク11(厚さ10μm)が形成されている。熱伝導率の高いブラックマスクとして、色変換層壁面に、まず格子状のパターン形成が可能なマスクを用いたスパッタ法にて酸化クロムを500nm形成した。次いで、同様のマスクを用い、スパッタ法にてSiN膜を、R,G,Bの各ピクセルの周辺に、同膜厚になるように形成した。画素のピッチは0.3×0.3mmで、各色のサブピクセルの形状は0.1×0.3mmである。
〔第一オーバーコート層7〕
色変換層10の上面に、ZPN1100(日本ZEON製)をスピンコート法にて塗布し(ヤング率約5MPa)、その後、フォトリソグラフ法を用いてパターニングし、色変換層10の上部に形成した。色変換層10表面からの厚みは3μmであった。
〔第二オーバーコート層8〕
応力緩和用で、かつTFT配線の凹凸を覆うシリコーンゲル(東レ・ダウコーニング製)をスクリーン印刷法で、第一オーバーコート層7の上にコートした(ヤング率約0.05MPa)。スクリーン印刷時は4〜5μmの厚さであるが、圧力をかけて貼り合わせる工程により、約1/2の厚さにできる。
【0026】
シリコーンゲルの塗布方法はスクリーン印刷法に限定されるものではなく、必要量を滴下するだけでも良く、また、薄層に形成できるエッジコータやバーコータの手法を用いても良い。
〔貼り合わせ〕
このようにして得られたTFT2に有機EL素子とパッシベーション層6とを形成した基板1と、カラーフィルタ層9、色変換層10、ブラックマスク11、第一オーバーコート層7、第二オーバーコート層8を形成した透明基板12とを、UV硬化型の封止樹脂13で貼り合せた。封止樹脂13としては、このようなUV硬化型エポキシ樹脂またはUV硬化型アクリル樹脂を用いる。
【0027】
この時、第二オーバーコート層8は、パッシベーション層6と密着するが、接着しない状態となっている。これは、接着してしまうと、外部から応力がかかった時に、最も密着力の弱いEL素子側に剥離等の欠陥が形成されることになるためである。
尚、本実施例では、オーバーコート層を二層としたが、さらにヤング率の小さい第三のオーバーコート層を形成してパッシベーション層に密着させて、より完全に界面の凹凸のよる空間を除去する構成も可能である。
比較例
第一オーバーコート層(透明樹脂接着層7)として、ネガ型レジストJNPC−48(JSR製)を用い、次いで、第二オーバーコート層を設けないで、ポリカーボネートにて透明基板12と基板1とを接着した。他の条件は実施例1と同一とした。
評価
下記の項目について評価を行なった。結果を表1に示す。
・ヒートサイクル試験:作製したディスプレイをヒートサイクル試験(−40℃⇔95℃、120サイクル、温度昇降時間5分以内)にかけ、形 状異常の有無を確認した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
先ず、色変換フィルタとブラックマスクとは、必ずしも同じ厚さで形成できず、また、パターニングの時に位置ズレが生じてパターンとパターンとの間に凹部ができるが、係る凹凸を、第一オーバーコート層により、平坦化することができる。加えて、この第一オーバーコート層により、色変換フィルタ(色変換層)と有機EL素子とのギャップが調整できる。
【0030】
さらに、ヤング率の小さい(柔らかい)第二オーバーコート層により、TFTを有する素子に特有の問題である、TFT基板の配線に基づく細かい凹凸を覆うことができるので、パッシベーション層の界面に、表示性能に悪影響を及ぼす気体のボイドの発生を防止することができる。さらに、第二オーバーコート層は応力の緩和の役割も果たすので、熱応力等の外部環境によって生じる応力に対して、信頼性が高い有機ELディスプレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ELディスプレイの構成を示す断面概略図である
【図2】本発明の比較例の構成を示す断面概略図である
【符号の説明】
1 基板
2 TFT
3 陽極
4 有機EL層
5 陰極
6 パッシベーション層
7 第一オーバーコート層
8 第二オーバーコート層
9 カラーフィルタ層
10 色変換層
11 ブラックマスク
12 透明基板
13 封止樹脂
Claims (2)
- 基板上に、ソースおよびドレインからなる薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタの上部に、前記ソースまたはドレインに接続された導電性材料からなる第一の電極、少なくとも有機EL発光層、透明導電性薄膜材料からなる上部透明電極である第二の電極、少なくとも一層以上パッシベーション層が積層形成され、前記薄膜トランジスタにより駆動される有機EL素子とを備え、透明支持基板上に形成された色変換層単体またはカラーフィルタ層と色変換層との積層体が前記有機EL素子の第二の電極側に対向して配置された有機ELディスプレイであって、
色変換層単体またはカラーフィルタ層と色変換層との積層体の前記第二の電極側に、ヤング率の異なる少なくとも二種類のオーバーコート層を積層して設け、このオーバーコート層のうち前記第二の電極側のオーバーコート層を前記パッシベーション層の表面に密着させるとともに、前記基板と支持基板との外周を封止接着して成り、
ヤング率の異なる少なくとも二種類のオーバーコート層のうち、最もヤング率の小さいオーバーコート層が、前記パッシベーション層の表面に有機EL素子の表示エリア内で密着して成ることを特徴とする有機ELディスプレイ。 - ヤング率の最も小さいオーバーコート層の厚さが、2〜4μmである請求項1記載の有機ELディスプレイ。
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