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JP3766348B2 - 電動機のトルク制御装置及び電動機のトルク制御方法及び密閉形圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

電動機のトルク制御装置及び電動機のトルク制御方法及び密閉形圧縮機及び冷凍サイクル装置 Download PDF

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JP3766348B2
JP3766348B2 JP2002144102A JP2002144102A JP3766348B2 JP 3766348 B2 JP3766348 B2 JP 3766348B2 JP 2002144102 A JP2002144102 A JP 2002144102A JP 2002144102 A JP2002144102 A JP 2002144102A JP 3766348 B2 JP3766348 B2 JP 3766348B2
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torque control
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浩一 有澤
和憲 坂廼辺
正明 矢部
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機に使用される圧縮機等周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素を駆動する電動機をトルク制御する電動機のトルク制御装置及び電動機のトルク制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、負荷変動を伴う負荷要素を駆動する電動機の可変速制御にはインバータが用いられている。空気調和機に用いられる圧縮機等は、その負荷要素の代表例である。空気調和機に使用される密閉型圧縮機は、吸入・圧縮・吐出の各行程での冷媒ガス圧変化が負荷トルクに作用することが知られている。また、このガス圧による負荷トルクは圧縮機の回転に同期して変動し、それに伴い圧縮機の回転速度が周期的に変動し、圧縮機自体の振動が生ずることも知られている。上記振動を抑制する手段として、圧縮機の負荷トルクに同期して電動機の出力トルクを変化させ、回転速度変動を抑制する方式(以下トルク制御と称する)が提案されている。
【0003】
従来、上記圧縮機のような周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素を駆動する電動機を制御する方法としては、例えば図14に示すような制御装置が提案されている。これは、圧縮機の振動を抑制するよう負荷トルクに応じた電動機出力トルクを発生するトルク制御手段を備えた制御装置である。
【0004】
図14に示す電動機のトルク制御装置7は、回転子位置を検出するための位置センサーを用いずに電動機1を駆動するインバータ2と、電動機1の電機子巻線の端子電圧U、V、Wを検出する電圧検出手段18と、電動機1の回転子の位置を演算する回転子位置検出手段5と、圧縮機19に内蔵される電動機1の1回転周期における負荷トルクの脈動パターン(図15に示す)を記憶する負荷トルクパターン記憶部21を備えている。
【0005】
また、インバータ2は、直流電源をスイッチングして圧縮機19内の電動機1に電圧を印加するインバータ主回路8と、外部より与えられる運転周波数指令f*に基づき平均出力電圧指令を決定する速度制御手段20と、速度制御手段20の出力する平均電圧指令値V*と回転子位置検出手段5の出力する回転子位置信号と負荷トルクパターン記憶部21で得られる情報を基に3相の電圧指令を作成し、その電圧指令からインバータ内の6個のスイッチ素子10a〜10fを各々PWM駆動する6本の制御信号を作成する駆動信号生成手段9と、制御信号をインバータ主回路8内スイッチング素子10a〜10fを駆動できる電圧に変換するPWM信号発生手段12とで構成される。
【0006】
また、駆動信号生成手段9は、圧縮機内の回転角位相に依存する圧縮機19の負荷トルク変動に対応した出力電圧の補正量を出力するトルク制御手段6と、速度制御手段20とトルク制御手段6の出力を受けてPWM信号を作成するPWM信号作成部13より構成される。
【0007】
次に、従来の圧縮機電動機の制御装置の動作について説明する。速度制御手段20に対して圧縮機19の回転周波数指令f*を与えると、その回転数に対応するインバータの出力電圧の指令値V*が作成され、PWM信号部からは、図16のような信号が出力される。PWM信号作成部13は与えられた電圧指令に基づいて各時刻におけるチョッピングスイッチ(例えばSup、Svp、Swp)のパルス幅を変化し、PWM信号発生手段12にてPWM信号を出力する。
【0008】
インバータ2からの電圧を印加すると、電動機1が電圧周波数に同期して回転を開始する。この時のU相スイッチ10a、10dの制御信号Sup、Sun及びU相電圧波形は図17(a)〜(c)に示すような波形となる。回転子位置検出手段5は、この波形から誘起電圧ゼロクロス情報のみを抽出し、これをトリガとして回転位置情報を作成し出力する。
【0009】
トルク制御は、負荷トルクパターン記憶部21より読み出した現在の負荷トルク値τ1をもとにモータ出力トルクτmがτ1とほぼ等しくなるような補正電圧値を出力する。さらにPWM信号作成部13は、上記電圧指令値V*と、上記補正電圧値と、上記回転位置情報をもとに、各相のPWM制御信号を作成する。これにより圧縮機の負荷トルク脈動に応じた電流波形(図18参照)を発生し、負荷トルクとモータ出力トルクとの差を最小化し回転速度変動及び振動を抑制する。
【0010】
上記のように、圧縮機の振動を抑制するよう負荷トルクに応じた電動機出力トルクを発生するトルク制御を備えた制御装置の中で、電動機を3相それぞれ通電角120度で駆動するインバータ方式下でトルク制御を行なっている例としては、たとえば特開平10−148184号公報に示されているように、圧縮機1回転あたりの負荷トルクと電動機出力トルクの脈動分のデータを記憶する脈動トルクパターン記憶部のデータと、現在の回転位相における負荷トルクと出力トルクデータの差を小さくするような電流あるいは電圧の補正をかける方法がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の圧縮機等周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素を駆動する電動機にトルク制御を行う制御装置は、以上のように構成されているので、電動機を駆動する方法は、誘起電圧ゼロクロスを検出して駆動する方式であり、そのため3相をそれぞれ120度通電することにより駆動していた。そのため、非通電区間におけるトルク制御が行えなかった。
【0012】
また、非通電区間が存在するため、トルク制御を行う区間の電流脈動が大きかった。
【0013】
また、従来の方式によるトルク制御の場合、圧縮機の起動時には制御が安定しにくく、制御安定までの時間は、振動や騒音が増大するといった問題が発生していた。
【0014】
また、負荷変動に対しては、インバータによる出力トルクが変動し、迅速に制御を安定させるのが困難であった。
【0015】
また、検出位置・検出速度・検出加速度・検出速度差等トルク制御の際に必要となる物理量をサンプリングする際、その情報量には1次ノイズ成分が含まれるため、検出精度があまり高くなく、精度の良いトルク制御が困難であった。
【0016】
また、従来の方式によりトルク制御を行った場合、検出位置・検出速度・検出加速度・検出速度差情報に高調波成分(高次ノイズ成分)の外乱が含まれるので、トルク制御が不安定なものとなっていた。
【0017】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、新たな装置を付加することなく、振動を抑制できる電動機のトルク制御装置及び電動機のトルク制御方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電動機のトルク制御装置は、周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素を駆動する電動機と、電動機を駆動する180度通電方式のインバータと、電動機に流れる電流を検出して、励磁電流成分であるd軸電流とトルク電流成分であるq軸電流とを求める手段と、q軸電流の変動が負荷トルク変動に起因する周期性を有することを利用して電動機の機械的な回転子位置を検出する手段と、回転子位置情報を用いて、記憶された補正量により周期的にd軸電流を変化させてトルク制御を行うトルク制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流とq軸電流を求める手段は、電動機に流れる少なくとも1相分の電流を検出して、各相に流れる電流を算出する相電流演算手段と、各相に流れる電流からd軸電流とq軸電流を算出する3相2相変換手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、相電流演算手段は、各相電流は120度ずつ位相がずれることにより、他の相の電流値を求めることを特徴とする。
【0021】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、インバータは、外部より与えられる前記電動機の回転速度指令と、算出したd軸電流とq軸電流と、次に与えるd軸電流の指令値に基づいてPWM信号を作成する駆動信号生成部と、PWM信号を発生させるPWM信号発生手段と、電動機を駆動するインバータ主回路とを備えたことを特徴とする。
【0022】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、駆動信号生成部は、d軸電圧とq軸電圧を演算する電圧指令演算手段と、d軸電圧とq軸電圧から3相分の出力電圧を求める2相3相変換手段と、3相分の出力電圧が得られるようにPWM信号を作成するPWM信号作成部とを備えたことを特徴とする。
【0023】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、電動機の回転子位置を検出する手段は、q軸電流から電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイントを検出することを特徴とする。
【0024】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、トルク制御手段は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントの情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力することを特徴とする。
【0025】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、トルク制御手段は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力することを特徴とする。
【0026】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、トルク制御の際に使用する電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントを算出することを特徴とする。
【0027】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報を算出することを特徴とする。
【0028】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、電動機においてトルク制御を行っていない状態からトルク制御を行う状態に移行する前に、電動機の回転子位置を検出し直す手段を備えたことを特徴とする。
【0029】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で電動機の回転子位置を検出する手段を作動させることを特徴とする。
【0030】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過した時点で電動機の回転子位置を検出する手段を作動させることを特徴とする。
【0031】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過し、かつq軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で電動機の回転子位置を検出する手段を作動させることを特徴とする。
【0032】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、電動機の回転子位置を検出する際、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルにより回転子基準位置から周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相差を決める手段を備えたことを特徴とする。
【0033】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流の基点は、トルク制御を行わない状態で負荷トルクと出力トルクの偏差がほぼ0になる点(この点から後、正になり始める点、あるいは負になり始める点)としたことを特徴とする。
【0034】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流の基点は、負荷トルクの平均値より負荷が変化し始める点としたことを特徴とする。
【0035】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流の基点は、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点、あるいは負荷トルク小区間の始点としたことを特徴とする。
【0036】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、位相差は、事前に試験を実施し、データとして振動が小さくなるような値を記憶させておくことを特徴とする。
【0037】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、位相区間により周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変える手段を備えたことを特徴とする。
【0038】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流指令値の最終出力を負荷トルク大の区間で強めて、負荷トルク小の区間で弱めることでトルク制御を行うことを特徴とする。
【0039】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、周期性のある関数によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変える手段を備えたことを特徴とする。
【0040】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、正弦波関数または余弦波関数によりd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする。
【0041】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を事前に記憶しておく手段を備えたことを特徴とする。
【0042】
また、この発明に係る電動機のトルク制御装置は、電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変える手段を備えたことを特徴とする。
【0043】
この発明に係る密閉形圧縮機は、請求項1〜25の何れかに記載の電動機のトルク制御装置により、圧縮機用電動機を制御することを特徴とする。
【0044】
この発明に係る冷凍サイクル装置は、請求項26記載の密閉形圧縮機を冷凍サイクルに搭載したことを特徴とする。
【0045】
この発明に係る電動機のトルク制御方法は、周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素を駆動する電動機を180度通電方式のインバータで駆動する場合の電動機のトルク制御方法において、電動機に流れる電流を検出して、励磁電流成分であるd軸電流とトルク電流成分であるq軸電流とを求める工程と、q軸電流の変動が負荷トルク変動に起因する周期性を有することを利用して電動機の機械的な回転子位置を検出する工程と、回転子位置情報を用いて、記憶された補正量により周期的にd軸電流を変化させてトルク制御を行う工程と、を備えたことを特徴とする。
【0046】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、電動機に流れる少なくとも1相分の電流を検出して、各相に流れる電流を算出し、各相に流れる電流からd軸電流とq軸電流を算出することを特徴とする。
【0047】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、各相電流は120度ずつ位相がずれることにより、他の相の電流値を求めることを特徴とする。
【0048】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、インバータは、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、算出したd軸電流とq軸電流と、次に与える励磁電流成分の指令値に基づいてPWM信号を作成し、PWM信号を発生させて、インバータ主回路により電動機を駆動することを特徴とする。
【0049】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、q軸電流から電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイントを検出することにより、電動機の回転子位置を検出することを特徴とする。
【0050】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントの情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力し、電動機のトルク制御を行うことを特徴とする。
【0051】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力することを特徴とする。
【0052】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、トルク制御の際に使用する電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントを算出することを特徴とする。
【0053】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報を算出することを特徴とする。
【0054】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、電動機においてトルク制御を行っていない状態からトルク制御を行う状態に移行する前に、電動機の回転子位置を検出し直すことを特徴とする。
【0055】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で電動機の回転子位置を検出する工程を作動させることを特徴とする。
【0056】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過した時点で電動機の回転子位置を検出する工程を作動させることを特徴とする。
【0057】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過し、かつq軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で電動機の回転子位置を検出する工程を作動させることを特徴とする。
【0058】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、電動機の回転子位置を検出する際、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルにより回転子基準位置から周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相差を決めることを特徴とする。
【0059】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、d軸電流の基点は、トルク制御を行わない状態で負荷トルクと出力トルクの偏差がほぼ0になる点(この点から後、正になり始める点、あるいは負になり始める点)としたことを特徴とする。
【0060】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、d軸電流の基点は、負荷トルクの平均値より負荷が変化し始める点としたことを特徴とする。
【0061】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、d軸電流の基点は、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点、あるいは負荷トルク小区間の始点としたことを特徴とする。
【0062】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、位相差は、事前に試験を実施し、データとして振動が小さくなるような値を記憶させておくことを特徴とする。
【0063】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、位相区間により周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする。
【0064】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、d軸電流指令値の最終出力を負荷トルク大の区間で強めて、負荷トルク小の区間で弱めることでトルク制御を行うことを特徴とする。
【0065】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、周期性のある関数によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする。
【0066】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、正弦波関数または余弦波関数によりd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする。
【0067】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を事前に記憶しておくことを特徴とする。
【0068】
また、この発明に係る電動機のトルク制御方法は、電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする。
【0069】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1〜13は実施の形態1を示す図で、図1は電動機のトルク制御装置の構成図、図2は電動機を駆動するインバータ部の内部構成図、図3は電動機を駆動するインバータスイッチング素子のPWM駆動信号及びUVW各相の端子電圧波形、図4は電動機巻線に流れる電流より励磁電流成分(d軸電流Id)とトルク電流成分(q軸電流Iq)を求める手段の内部構成図、図5は電動機のトルク制御装置において、トルク制御を行わない時のd軸電流指令値Id**及びq軸電流Iqと相電流Iuと電動機の負荷トルク変動と振動を示す図、図6は電動機のトルク制御装置において、負荷要素がシングルロータリ圧縮機である場合の機械的位置と負荷トルクの関係を示す図、図7は電動機のトルク制御装置において、トルク制御を行なっている時のd軸電流指令値Id**及びq軸電流Iqと相電流Iuと電動機の負荷トルクと振動を示す図、図8は電動機のトルク制御装置の相電流波形の例を示す図、図9は電動機のトルク制御装置において、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも重くなり始めるポイントSTPT・電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも軽くなり始めるポイントWKPT(または1回転を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点STPT、負荷トルク小区間の始点WKPT)を演算するフローチャート、図10は電動機のトルク制御装置において、q軸電流の交流成分データをストックする過程を示した図、図11は電動機のトルク制御装置において、Iq_ACの基本波成分の振幅スペクトルspc1と位相補正量Δθの特性例を示した図、図12は電動機のトルク制御装置において、回転周波数指令ω*とd軸電流指令Id*の特性例を示す図、図13は電動機のトルク制御装置において、回転周波数指令ω*とトルク補正量Kmの特性例を示す図である。
【0070】
図1に示す電動機のトルク制御装置7は、電動機1を駆動するインバータ2と、電動機1に流れる少なくとも1相分の電流を検出する電流検出手段3と、電流検出手段3により得られた電流から励磁電流成分(d軸電流Id)とトルク電流成分(q軸電流Iq)を求める手段4と、q軸電流Iqを用いて電動機1の回転子位置を検出する手段5と、回転子位置情報を用いて周期的にd軸電流Idを変化させてトルク制御を行う制御手段6とを備えている。
【0071】
図2に示すように、インバータ2では、外部より与えられる電動機1の回転速度指令ω*と、算出したd軸電流Idとq軸電流Iqと、次に与えるd軸電流の指令値Id**に基づいて駆動信号生成部9によりPWM信号を作成し、PWM信号発生手段12によりPWM信号を発生させ、インバータ主回路8により電動機を駆動する。
【0072】
駆動信号生成部9は、電圧指令演算手段15及び2相3相変換手段14及びPWM信号作成部13に分けられる。電圧指令演算手段15においてd軸電圧Vd*とq軸電圧Vq*を演算し、2相3相変換手段14において3相分の出力電圧V*(Vu、Vv、Vw)を得る。PWM信号作成部13は、出力電圧V*(Vu、Vv、Vw)が得られるようにPWM信号を作成する。インバータ主回路8はスイッチング素子10a〜10f及び還流ダイオード11a〜11fで構成され、PWM信号発生手段12による発せられる信号を受けて各時刻におけるスイッチング素子10a〜10fの導通幅を変化し出力する。
【0073】
PWM信号は、PWM信号発生手段12において発生する。インバータ主回路部8から図3(a)〜(f)のような信号が出力される。ここで、Supは、U相の上アームスイッチング素子より発生する信号、SunはU相の下アームスイッチング素子より発生する信号、Svpは、V相の上アームスイッチング素子より発生する信号、SvnはV相の下アームスイッチング素子より発生する信号、SwpはW相の上アームスイッチング素子より発生する信号、SwnはW相の下アームスイッチング素子より発生する信号を示している。この時の各相の端子電圧波形は図3(g)〜(i)に示す様な波形となる。
【0074】
図4に示す励磁電流成分(d軸電流Id)とトルク電流成分(q軸電流Iq)を求める手段4のブロックでは、電流検出手段3で検出された電動機1に流れる少なくとも1相分の電流から、相電流演算手段16によりUVW各相に流れる電流量を算出し、3相2相変換手段17によりd軸電流値Idとq軸電流値Iqを求める。
【0075】
回転子位置検出手段5では、q軸電流から電動機1の負荷トルクが1回転中で最小になるポイントθmを検出する。θmのポイントは、図5(d)中の回転角に示すポイントである。
但し、回転子位置検出手段5は、q軸電流から電動機1の負荷トルクが1回転中で最大になるポイントを検出するようにしてもよい。
【0076】
例えば、周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素がシングルロータリ圧縮機である場合、θmは図6(a)あるいは(d)ようにピストンが上死点を通過する機械的位置に相当している。この位置は負荷トルクが最小になる点に対応する。このθmに対応する回転子位置をトルク制御における基準位置とする。
【0077】
θmより、電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも重くなり始めるポイントSTPTと、電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも軽くなり始めるポイントWKPTを算出する。STPT及びWKPTは、1回転を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点をSTPT、負荷トルク小区間の始点をWKPTとしてもよい。STPT及びWKPTのポイントは、図7(a)中の回転角に示すポイントである。
【0078】
トルク制御手段6では、電動機1の回転速度指令ω*と、回転子位置検出手段5で検出される電動機1の負荷トルクが1回転中で最小になるポイントθm・電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイントSTPT・電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントWKPT(または1回転を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点STPT、負荷トルク小区間の始点WKPT)の情報から、次に与えるd軸電流の指令値Id*を補正してId**として出力する。図7(a)に補正量を加えたId**の様子を示す。
【0079】
次に、動作について説明する。インバータ主回路部8から出力されて得られる図8のような相電流波形の少なくとも1相分の電流値を電流検出手段3により検出する。各相電流は120度ずつ位相がずれることで、他の相の電流値を相電流演算手段16により求める。相電流演算手段16により得られた3相分の相電流信号を3相2相変換手段17により励磁電流成分(d軸電流)とトルク電流成分(q軸電流)に座標変換する。
【0080】
ここで、図5(d)のように負荷トルクが変動する時、q軸電流Iqには負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルが図5(b)のように発生する。この電流リプルを利用して、トルク制御の際に使用する電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイントSTPT・電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントWKPT(または1回転を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点STPT、負荷トルク小区間の始点WKPT)を算出する。
【0081】
トルク制御の際に使用する電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイントSTPT・電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントWKPT(または1回転を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点STPT、負荷トルク小区間の始点WKPT)を演算するフローチャート図を図9に示す。
【0082】
はじめに図10(a)のようにq軸電流Iqの1周期分をn分割してq軸電流Iq位置のラベリングを行う。ここで、最初のq軸電流Iqの取込位置を位置検知の仮の基準位置θ0=0°とする。
【0083】
その後、図10(b)のようにq軸電流Iqの直流成分Iq_filを引いて交流成分のみを検出する交流成分検出手段11によりIq_ACを求める。次に、Iq_ACの1周期分のデータをストックする。
【0084】
ストックするデータは、m周期(m≧2)の平均値でも良い。また、ノイズ除去のため、前データとの比較等によるフィルタリング処理は、以下のフーリエ解析で問題とならない程度に施しても良い。これらのデータに(1)式の離散フーリエ変換を施す。
【0085】
【数1】
Figure 0003766348
【0086】
ここで、f(n)はIq_ACの各値であり、NはストックしたIq_ACの標本点数である。また、expは指数関数を表す。(1)式よりF(1)、すなわちIq_ACの基本波実軸成分r_dat1と虚軸成分i_dat1を得る。
【0087】
次に、(2)式のアークサインの計算によりIq_ACの基本波成分の位相スペクトルを演算する。
【0088】
【数2】
Figure 0003766348
【0089】
算出法は、アークコサイン、アークタンジェントを用いても良い。
【0090】
この位相スペクトルの演算値θmは、q軸電流Iqの最大値が現れるポイントであり、仮の基準位置θ0から見たときの位相差である。
【0091】
q軸電流Iqと負荷トルク変動には相関があり、θmは負荷トルクが最小になるポイントとして近似できる。周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素を駆動する電動機においては、周期的な位置関係は常に1対1に維持されるので、θmは常に負荷トルクが最小になるポイントとおける。
【0092】
原理的には、θmの算出は電動機の起動時に1回行えば良い。ただし、定常運転中にトルク制御を行う前に、必要に応じて再度θmの算出を行っても良い。特殊な負荷状態での運転の際にも回転子位置検出が再度行えるので、回転子位置検出誤差が大きくなることなく、より高精度にトルク制御を行うことが出来る。
【0093】
起動時は特に、q軸電流Iqの電流リプルが表れにくいため検出精度が落ちる。そのため、起動時から所定の回転数ωαまで加速した後、Iq_ACの基本波成分の振幅スペクトルspc1を(3)式のように常時計算し、スレッショルドレベルIαを超えたところで基準位置の演算を行うことで、検出精度の向上が行える。また、振動が大きくなる前に回転子位置を検出でき、トルク制御を迅速に行えるため、制御安定までの時間が少なくて済む。
【0094】
【数3】
Figure 0003766348
【0095】
また、起動時から所定の回転数ωαまで加速した後、所定時間経過した時点で、基準位置の演算を行うようにしてもよい。
【0096】
さらに、起動時から所定の回転数ωαまで加速した後、所定時間経過し、かつスレッショルドレベルIαを超えたところで基準位置の演算を行うようにしてもよい。
【0097】
ここで図7に示すように、負荷トルクが最小となるポイントθmより電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも重くなり始めるポイントSTPTとの位相差を位相補正量Δθとすると、STPTは(4)式のようになる。ここで、STPTの位相範囲は0〜2πの繰り返しとする。位相補正量Δθは事前に試験を実施し、データとして振動が小さくなるような値を記憶させておく。
【0098】
【数4】
Figure 0003766348
【0099】
位相補正量Δθは、Iq_ACの基本波成分の振幅スペクトルspc1に対して図11の例のような特性を持つ場合がある。振幅スペクトルspc1の値に応じてΔθが異なる時、この特性例に合わせて位相補正量Δθを最適化し、電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも重くなり始めるポイントSTPTを算出することで精度向上が行える。
【0100】
また、電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも軽くなり始めるポイントWKPTは、(5)式のようにおける。WKPTの位相範囲も0〜2πの繰り返しとする。
【0101】
【数5】
Figure 0003766348
【0102】
位相補正量Δθを、負荷トルクが最小となるポイントθmより電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも重くなり始めるポイントSTPTとの位相差とすることを説明したが、電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも軽くなり始めるポイントWKPTとの位相差としてもよい。この場合は、補正のかけ方を逆にすればよい。
【0103】
d軸電流の基点は、負荷トルクの平均値より負荷が変化し始める点としたが、d軸電流の基点は、トルク制御を行わない状態で出力トルクと負荷トルクが同一になる点(この点から後、大きくなり始める点、あるいは小さくなり始める点)の意味である。
【0104】
q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルによって周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相差を制御することにより、負荷状態による検出誤差が少なくて済む。また1次及び高調波ノイズによらず周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相差を制御することにより、より高精度にトルク制御を行うことができる。
【0105】
次にトルク制御手段について説明する。
トルク制御を行わない際、d軸電流指令値Id*が、電動機1の回転速度指令ω*に対して、例えば図12のようになっている場合を例として取り上げる。トルク制御を行わない場合、回転速度指令ω1に対して、d軸電流指令値Id*がId1の時、d軸電流指令値の最終出力Id**は、Id1がそのまま出力される。つまりトルク制御を行わない時は、(6)式のように指令値Id*がそのまま指令値Id**として設定される。
【0106】
【数6】
Figure 0003766348
【0107】
回転速度指令ω1に対して、d軸電流指令値Id*がId1である時、トルク制御を行うには以下のようにする。図7(d)において、1回転中の平均負荷トルクよりも負荷が重い領域を負荷トルク大領域とすると、この領域ではd軸電流指令値の最終出力Id**には補正量Kmを(7)式のように加算して出力する。
【0108】
【数7】
Figure 0003766348
【0109】
1回転中の平均負荷トルクよりも負荷が軽い領域を負荷トルク小領域とすると、この領域ではd軸電流指令値の最終出力Id**には補正量Kmを(8)式のように減算して出力する。
【0110】
【数8】
Figure 0003766348
【0111】
d軸電流指令値の最終出力Id**を負荷トルク大の区間(半周期)で強めて、負荷トルク小の区間(半周期)で弱めることでトルク制御を行う。これにより、不特定の高調波ノイズを発生することなく、安定したトルク制御を簡易に行うことができる。
【0112】
上記のように、Kmは1周期中の負荷大および負荷小の各領域において補正量を変化させるか、または周期性のある関数(正弦波、余弦波等)によって(9)式のように変化させる。
【0113】
【数9】
Figure 0003766348
【0114】
ここで、f(θ)は周期性のある関数を表す。
【0115】
周期性のある関数によって、周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることにより、不特定の高調波ノイズを発生することなく、安定したトルク制御を自由度高く行うことができる。
【0116】
d軸電流指令値Id**の補正量Kmは、回転速度指令ω*により変化させることで、より精度良くトルク制御が行える。適切でない励磁電流の印可により安定な運転を阻害することなく、回転速度によってきめ細かく、かつ自由度高くトルク制御を行うことができる。
【0117】
1周期中の負荷大及び負荷小の各領域においてd軸電流指令値Id**の補正量Kmを変化させる場合は、Kmは回転速度指令ω*により図13のように記憶しておく。それにより、適切でない励磁電流の印可により安定な運転を阻害することなく、回転速度によってきめ細かく、かつ信頼性高くトルク制御を行うことができる。
【0118】
周期性のある関数によってd軸電流指令値Id**の補正量Kmを変化させる場合は、回転速度指令ω*を含めた関数を用い、(10)式により変化させる。
【0119】
【数10】
Figure 0003766348
【0120】
ここで、f(θ,ω*)は回転速度指令ω*に依存した周期性のある関数を表す。
【0121】
以上よりインバータ2にて電動機の負荷トルクと出力トルクの偏差を最小化するような電流波形を発生し、振動を抑制する(図7(e)参照)。また、電流量を用いて位置推定を行うので、誘起電圧ゼロクロスを検出する装置が必要なく、回転子位置を検出できる。また、q軸電流の変動が負荷トルク変動に起因する周期性を有することより電動機の回転子位置を検出するので、1次及び高次のノイズに対して強く、検出精度が高い。また、誘起電圧ゼロクロスを検出するための非通電区間が不要なため、トルク制御を行う際の電流脈動が少なくて済む。
【0122】
本発明の電動機のトルク制御装置を、密閉形圧縮機の電動機に用いれば、新たな装置を付加することなく、振動を抑制できる。
【0123】
また、上記密閉形圧縮機を冷凍サイクル装置に搭載すれば、新たな装置を付加することなく、振動を抑制できる。
【0124】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る電動機のトルク制御装置は、q軸電流から算出した機械的な回転子位置情報を用いて、記憶された補正量により周期的にd軸電流を変化させてトルク制御を行うので、電圧量の検出や振動の検出に新たな装置を付加することなく、振動を抑制することができる。また、q軸電流の変動が負荷トルク変動に起因する周期性を有することを利用して電動機の回転子位置を検出するので、1次及び高次のノイズに対して強く、検出の精度が高い。また、誘起電圧ゼロクロスを検出するための非通電区間が不要なため、トルク制御を行う際電流脈動が少なくて済む。
【0125】
また、この発明の請求項2に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流とq軸電流を求める手段は、電動機に流れる少なくとも1相分の電流を検出して、各相に流れる電流を算出する相電流演算手段と、各相に流れる電流からd軸電流とq軸電流を算出する3相2相変換手段とを備えたことにより、電流量を用いて位置推定を行うので、誘起電圧ゼロクロスを検出する装置が必要なく、回転子位置を検出できる。また、誘起電圧ゼロクロスを検出するための非通電区間が不要なため、トルク制御を行う際電流脈動が少なくて済む。
【0126】
また、この発明の請求項3に係る電動機のトルク制御装置は、相電流演算手段は、各相電流は120度ずつ位相がずれることにより、他の相の電流値を求めることにより、各相ごとに電流を検出するセンサーを取り付ける必要がなく、安価かつ正確に電流検出が行える。
【0127】
また、この発明の請求項4に係る電動機のトルク制御装置は、インバータは、外部より与えられる前記電動機の回転速度指令と、算出したd軸電流とq軸電流と、次に与えるd軸電流の指令値に基づいてPWM信号を作成する駆動信号生成部と、PWM信号を発生させるPWM信号発生手段と、電動機を駆動するインバータ主回路とを備えたことにより、電流量を用いて位置推定を行うので、誘起電圧ゼロクロスを検出する装置が必要なく、回転子位置を検出できる。また、誘起電圧ゼロクロスを検出するための非通電区間が不要なため、トルク制御を行う際電流脈動が少なくて済む。
【0128】
また、この発明の請求項5に係る電動機のトルク制御装置は、駆動信号生成部は、d軸電圧とq軸電圧を演算する電圧指令演算手段と、d軸電圧とq軸電圧から3相分の出力電圧を求める2相3相変換手段と、3相分の出力電圧が得られるようにPWM信号を作成するPWM信号作成部とを備えたことにより、電流量を用いて位置推定を行うので、誘起電圧ゼロクロスを検出する装置が必要なく、回転子位置を検出できる。また、誘起電圧ゼロクロスを検出するための非通電区間が不要なため、トルク制御を行う際電流脈動が少なくて済む。
【0129】
また、この発明の請求項6に係る電動機のトルク制御装置は、電動機の回転子位置を検出する手段は、q軸電流から電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイントを検出することにより、q軸電流と電動機の負荷トルクの相関関係から位置推定を行うので、位置検出のための新たな装置を設けることなく、回転子位置を検出できる。
【0130】
また、この発明の請求項7に係る電動機のトルク制御装置は、トルク制御手段は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントの情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力することにより、回転速度によって振動をより簡易且つ緻密に抑制できる。
【0131】
また、この発明の請求項8に係る電動機のトルク制御装置は、トルク制御手段は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力することにより、回転速度によって振動をより簡易且つ緻密に抑制できる。
【0132】
また、この発明の請求項9に係る電動機のトルク制御装置は、q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、トルク制御の際に使用する電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントを算出することにより、q軸電流と電動機の負荷トルクの相関関係から位置推定を行うので、位置検出のための新たな装置を設けることなく、回転子位置を検出できる。
【0133】
また、この発明の請求項10に係る電動機のトルク制御装置は、q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報を算出することにより、q軸電流と電動機の負荷トルクの相関関係から位置推定を行うので、位置検出のための新たな装置を設けることなく、回転子位置を検出できる。
【0134】
また、この発明の請求項11に係る電動機のトルク制御装置は、電動機においてトルク制御を行っていない状態からトルク制御を行う状態に移行する前に、電動機の回転子位置を検出し直す手段を備えたことにより、特殊な負荷状態での運転の際にも回転子位置検出誤差が大きくなることはなく、より精度よく振動を抑制できる。
【0135】
また、この発明の請求項12に係る電動機のトルク制御装置は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で電動機の回転子位置を検出する手段を作動させることにより、起動時の電流リプル不足に起因する位置推定誤差を抑えることができる。また、q軸電流の瞬時値ではなく、基本波成分の電流リプルレベルを見ているので、1次及び高次のノイズ成分に対して強い。また振動が大きくなる前に回転子位置を早く検出できトルク制御が行えるため、制御安定までの時間が短く、より高い信頼性が得られる。
【0136】
また、この発明の請求項13に係る電動機のトルク制御装置は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過した時点で電動機の回転子位置を検出する手段を作動させることにより、起動時の電流リプル不足に起因する位置推定誤差を抑えることができる。
【0137】
また、この発明の請求項14に係る電動機のトルク制御装置は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過し、かつq軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で電動機の回転子位置を検出する手段を作動させることにより、起動時の電流リプル不足に起因する位置推定誤差を抑えることができる。
【0138】
また、この発明の請求項15に係る電動機のトルク制御装置は、電動機の回転子位置を検出する際、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルにより回転子基準位置から周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相差を決める手段を備えたことにより、負荷状態による検出誤差が少なくて済む。また、1次及び高調波ノイズによらず周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相を制御できるので、精度よく振動を抑制できる。
【0139】
また、この発明の請求項16に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流の基点は、トルク制御を行わない状態で負荷トルクと出力トルクの偏差がほぼ0になる点(この点から後、正になり始める点、あるいは負になり始める点)としたことにより、負荷状態による検出誤差が少なくて済む。
【0140】
また、この発明の請求項17に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流の基点は、負荷トルクの平均値より負荷が変化し始める点としたことにより、負荷状態による検出誤差が少なくて済む。
【0141】
また、この発明の請求項18に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流の基点は、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点、あるいは負荷トルク小区間の始点としたことにより、負荷状態による検出誤差が少なくて済む。
【0142】
また、この発明の請求項19に係る電動機のトルク制御装置は、位相差は、事前に試験を実施し、データとして振動が小さくなるような値を記憶させておくことにより、環境条件、負荷条件、運転条件、電動機の固体ばらつきによらず、精度よくトルク制御を行える。
【0143】
また、この発明の請求項20に係る電動機のトルク制御装置は、位相区間により周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変える手段を備えたことにより、不特定の高調波ノイズを発生することなく、簡易且つ精度よく振動を抑制することができる。
【0144】
また、この発明の請求項21に係る電動機のトルク制御装置は、d軸電流指令値の最終出力を負荷トルク大の区間で強めて、負荷トルク小の区間で弱めることでトルク制御を行うことにより、不特定の高調波ノイズを発生することなく、簡易且つ精度よく振動を抑制することができる。
【0145】
また、この発明の請求項22に係る電動機のトルク制御装置は、周期性のある関数によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変える手段を備えたことにより、不特定の高調波ノイズを発生することなく、自由度高く且つ精度よく振動を抑制することができる。
【0146】
また、この発明の請求項23に係る電動機のトルク制御装置は、正弦波関数または余弦波関数によりd軸電流の変化幅または変化値を変えることにより、位相区間の変わり目で急峻にモータ電流位相を変化させることがないので急峻なノイズを発生することなく、トルク制御が行える。
【0147】
また、この発明の請求項24に係る電動機のトルク制御装置は、電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を事前に記憶しておく手段を備えたことにより、回転速度によって振動をより簡易かつ緻密に抑制できる。
【0148】
また、この発明の請求項25に係る電動機のトルク制御装置は、電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変える手段を備えたことにより、自由度高く且つ緻密に振動を抑制できる。
【0149】
この発明の請求項26に係る密閉形圧縮機は、請求項1〜25の何れかに記載の電動機のトルク制御装置により、圧縮機用電動機を制御することにより、新たな装置を付加することなく、振動を抑制できる。
【0150】
この発明の請求項27に係る冷凍サイクル装置は、請求項26記載の密閉形圧縮機を冷凍サイクルに搭載したことにより、新たな装置を付加することなく、振動を抑制できる。
【0151】
この発明の請求項28に係る電動機のトルク制御方法は、q軸電流Iqから算出した機械的な回転子位置情報を用いて、記憶された補正量により周期的にd軸電流Idを変化させてトルク制御を行うので、電圧量の検出や振動の検出に新たな装置を付加することなく、振動を抑制することができる。また、q軸電流の変動が負荷トルク変動に起因する周期性を有することを利用して電動機の回転子位置を検出するので、1次及び高次のノイズに対して強く、検出の精度が高い。また、トルク制御を行う際の電流脈動が少なくて済む。
【0152】
また、この発明の請求項29に係る電動機のトルク制御方法は、電動機に流れる少なくとも1相分の電流を検出して、各相に流れる電流を算出し、各相に流れる電流からd軸電流とq軸電流を算出することにより、誘起電圧ゼロクロスを検出する装置が必要なく、回転子位置を検出できる。また、誘起電圧ゼロクロスを検出するための非通電区間が不要なため、トルク制御を行う際電流脈動が少なくて済む。
【0153】
また、この発明の請求項30に係る電動機のトルク制御方法は、各相電流は120度ずつ位相がずれることにより、他の相の電流値を求めることにより、各相ごとに電流を検出するセンサーを取り付ける必要がなく、安価かつ正確に電流検出が行える。
【0154】
また、この発明の請求項31に係る電動機のトルク制御方法は、インバータは、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、算出したd軸電流とq軸電流と、次に与える励磁電流成分の指令値に基づいてPWM信号を作成し、PWM信号を発生させて、インバータ主回路により電動機を駆動することにより、電流量を用いて位置推定を行うので、誘起電圧ゼロクロスを検出する装置が必要なく、回転子位置を検出できる。また、誘起電圧ゼロクロスを検出するための非通電区間が不要なため、トルク制御を行う際電流脈動が少なくて済む。
【0155】
また、この発明の請求項32に係る電動機のトルク制御方法は、q軸電流から電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイントを検出することにより、電動機の回転子位置を検出することにより、q軸電流と電動機の負荷トルクの相関関係から位置推定を行うので、位置検出のための新たな装置を設けることなく、回転子位置を検出できる。
【0156】
また、この発明の請求項33に係る電動機のトルク制御方法は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントの情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力し、電動機のトルク制御を行うことにより、回転速度によって振動をより簡易且つ緻密に抑制できる。
【0157】
また、この発明の請求項34に係る電動機のトルク制御方法は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力することにより、回転速度によって振動をより簡易且つ緻密に抑制できる。
【0158】
また、この発明の請求項35に係る電動機のトルク制御方法は、q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、トルク制御の際に使用する電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントを算出することにより、q軸電流と電動機の負荷トルクの相関関係から位置推定を行うので、位置検出のための新たな装置を設けることなく、回転子位置を検出できる。
【0159】
また、この発明の請求項36に係る電動機のトルク制御方法は、q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報を算出することにより、q軸電流と電動機の負荷トルクの相関関係から位置推定を行うので、位置検出のための新たな装置を設けることなく、回転子位置を検出できる。
【0160】
また、この発明の請求項37に係る電動機のトルク制御方法は、電動機においてトルク制御を行っていない状態からトルク制御を行う状態に移行する前に、電動機の回転子位置を検出し直すことにより、特殊な負荷状態での運転の際にも回転子位置検出誤差が大きくなることはなく、より精度よく振動を抑制できる。
【0161】
また、この発明の請求項38に係る電動機のトルク制御方法は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で電動機の回転子位置を検出する工程を作動させることにより、起動時の電流リプル不足に起因する位置推定誤差を抑えることができる。また、q軸電流の瞬時値ではなく、基本波成分の電流リプルレベルを見ているので、1次及び高次のノイズ成分に対して強い。また振動が大きくなる前に回転子位置を早く検出できトルク制御が行えるため、制御安定までの時間が短く、より高い信頼性が得られる。
【0162】
また、この発明の請求項39に係る電動機のトルク制御方法は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過した時点で電動機の回転子位置を検出する工程を作動させることにより、起動時の電流リプル不足に起因する位置推定誤差を抑えることができる。
【0163】
また、この発明の請求項40に係る電動機のトルク制御方法は、電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過し、かつq軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で電動機の回転子位置を検出する工程を作動させることにより、起動時の電流リプル不足に起因する位置推定誤差を抑えることができる。
【0164】
また、この発明の請求項41に係る電動機のトルク制御方法は、電動機の回転子位置を検出する際、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルにより回転子基準位置から周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相差を決めることにより、負荷状態による検出誤差が少なくて済む。また、1次及び高調波ノイズによらず周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相を制御できるので、精度よく振動を抑制できる。
【0165】
また、この発明の請求項42に係る電動機のトルク制御方法は、d軸電流の基点は、トルク制御を行わない状態で負荷トルクと出力トルクの偏差がほぼ0になる点(この点から後、正になり始める点、あるいは負になり始める点)としたことにより、負荷状態による検出誤差が少なくて済む。
【0166】
また、この発明の請求項43に係る電動機のトルク制御方法は、d軸電流の基点は、負荷トルクの平均値より負荷が変化し始める点としたことにより、負荷状態による検出誤差が少なくて済む。
【0167】
また、この発明の請求項44に係る電動機のトルク制御方法は、d軸電流の基点は、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点、あるいは負荷トルク小区間の始点としたことにより、負荷状態による検出誤差が少なくて済む。
【0168】
また、この発明の請求項45に係る電動機のトルク制御方法は、位相差は、事前に試験を実施し、データとして振動が小さくなるような値を記憶させておくことにより、環境条件、負荷条件、運転条件、電動機の固体ばらつきによらず、精度よくトルク制御を行える。
【0169】
また、この発明の請求項46に係る電動機のトルク制御方法は、位相区間により周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることにより、不特定の高調波ノイズを発生することなく、簡易且つ精度よく振動を抑制することができる。
【0170】
また、この発明の請求項47に係る電動機のトルク制御方法は、d軸電流指令値の最終出力を負荷トルク大の区間で強めて、負荷トルク小の区間で弱めることでトルク制御を行うことにより、不特定の高調波ノイズを発生することなく、簡易且つ精度よく振動を抑制することができる。
【0171】
また、この発明の請求項48に係る電動機のトルク制御方法は、周期性のある関数によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることにより、不特定の高調波ノイズを発生することなく、自由度高く且つ精度よく振動を抑制することができる。
【0172】
また、この発明の請求項49に係る電動機のトルク制御方法は、正弦波関数または余弦波関数によりd軸電流の変化幅または変化値を変えることにより、位相区間の変わり目で急峻にモータ電流位相を変化させることがないので急峻なノイズを発生することなく、トルク制御が行える。
【0173】
また、この発明の請求項50に係る電動機のトルク制御方法は、電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を事前に記憶しておくことにより、回転速度によって振動をより簡易かつ緻密に抑制できる。
【0174】
また、この発明の請求項51に係る電動機のトルク制御方法は、電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることにより、自由度高く且つ緻密に振動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置の構成図である。
【図2】 実施の形態1を示す図で、電動機を駆動するインバータ部の内部構成図である。
【図3】 実施の形態1を示す図で、電動機を駆動するインバータスイッチング素子のPWM駆動信号及びUVW各相の端子電圧波形図である。
【図4】 実施の形態1を示す図で、電動機巻線に流れる電流より励磁電流成分(d軸電流Id)とトルク電流成分(q軸電流Iq)を求める手段の内部構成図である。
【図5】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置において、トルク制御を行わない時のd軸電流指令値Id**及びq軸電流Iqと相電流Iuと電動機の負荷トルク変動と振動を示す図である。
【図6】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置において、負荷要素がシングルロータリ圧縮機である場合の機械的位置と負荷トルクの関係を示す図である。
【図7】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置において、トルク制御を行なっている時のd軸電流指令値Id**及びq軸電流Iqと相電流Iuと電動機の負荷トルクと振動を示す図である。
【図8】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置の相電流波形の例を示す図である。
【図9】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置において、電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも重くなり始めるポイントSTPT・電動機1の負荷が1回転中の負荷トルク平均値よりも軽くなり始めるポイントWKPT(または1回転を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点STPT、負荷トルク小区間の始点WKPT)を演算するフローチャート図である。
【図10】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置において、q軸電流の交流成分データをストックする過程を示した図である。
【図11】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置において、Iq_ACの基本波成分の振幅スペクトルspc1と位相補正量Δθの特性例を示した図である。
【図12】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置において、回転周波数指令ω*とd軸電流指令Id*の特性例を示す図である。
【図13】 実施の形態1を示す図で、電動機のトルク制御装置において、回転周波数指令ω*とトルク補正量Kmの特性例を示す図である。
【図14】 従来の圧縮機用電動機の制御装置の構成図である。
【図15】 従来の圧縮機用電動機の制御装置のトルクパターン記憶手段の記憶データを示す図である。
【図16】 従来の圧縮機用電動機の制御装置のPWM信号を示す図である。
【図17】 従来の圧縮機用電動機の制御装置のインバータのU相端子電圧波形を示す図である。
【図18】 従来の圧縮機用電動機の制御装置のトルク制御における相電流波形図である。
【符号の説明】
1 電動機、2 インバータ、3 電流検出手段、4 励磁電流成分(d軸電流)とトルク電流成分(q軸電流)を求める手段、5 回転子位置検出手段、6トルク制御手段、7 電動機のトルク制御装置、8 インバータ主回路、9 駆動信号生成手段、10a〜10f スイッチング素子、11a〜11f 還流ダイオード、12 PWM信号発生手段、13 PWM信号作成部、14 2相3相変換手段、15 電圧指令演算手段、16 相電流演算手段、17 3相2相変換手段、18 電圧検出手段、19 圧縮機、20 速度制御手段、21 負荷トルクパターン記憶部。

Claims (51)

  1. 周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素を駆動する電動機と、
    前記電動機を駆動する180度通電方式のインバータと、
    前記電動機に流れる電流を検出して、励磁電流成分であるd軸電流とトルク電流成分であるq軸電流とを求める手段と、
    前記q軸電流の変動が前記負荷トルク変動に起因する周期性を有することを利用して前記電動機の機械的な回転子位置を検出する手段と、
    前記回転子位置情報を用いて、記憶された補正量により周期的に前記d軸電流を変化させてトルク制御を行うトルク制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機のトルク制御装置。
  2. 前記d軸電流とq軸電流を求める手段は、前記電動機に流れる少なくとも1相分の電流を検出して、各相に流れる電流を算出する相電流演算手段と、各相に流れる電流から前記d軸電流とq軸電流を算出する3相2相変換手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  3. 前記相電流演算手段は、各相電流は120度ずつ位相がずれることにより、他の相の電流値を求めることを特徴とする請求項2に記載の電動機のトルク制御装置。
  4. 前記インバータは、外部より与えられる前記電動機の回転速度指令と、算出したd軸電流とq軸電流と、次に与えるd軸電流の指令値に基づいてPWM信号を作成する駆動信号生成部と、前記PWM信号を発生させるPWM信号発生手段と、前記電動機を駆動するインバータ主回路とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  5. 前記駆動信号生成部は、d軸電圧とq軸電圧を演算する電圧指令演算手段と、d軸電圧とq軸電圧から3相分の出力電圧を求める2相3相変換手段と、前記3相分の出力電圧が得られるようにPWM信号を作成するPWM信号作成部とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の電動機のトルク制御装置。
  6. 前記電動機の回転子位置を検出する手段は、前記q軸電流から前記電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイントを検出することを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  7. 前記トルク制御手段は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、前記回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントの情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力することを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  8. 前記トルク制御手段は、外部より与えられる電動機の回転速度指令と、前記回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力することを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  9. 前記q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報トルク制御の際に使用する電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントを算出することを特徴とする請求項7に記載の電動機のトルク制御装置。
  10. 前記q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  11. 前記電動機においてトルク制御を行っていない状態からトルク制御を行う状態に移行する前に、前記電動機の回転子位置を検出し直す手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  12. 前記電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、前記q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で前記電動機の回転子位置を検出する手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  13. 前記電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過した時点で前記電動機の回転子位置を検出する手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  14. 前記電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過し、かつ前記q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で前記電動機の回転子位置を検出する手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  15. 前記電動機の回転子位置を検出する際、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルにより回転子基準位置から周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相差を決める手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  16. 前記d軸電流の基点は、トルク制御を行わない状態で負荷トルクと出力トルクの偏差がほぼ0になる点(この点から後、正になり始める点、あるいは負になり始める点)としたことを特徴とする請求項15に記載の電動機のトルク制御装置。
  17. 前記d軸電流の基点は、負荷トルクの平均値より負荷が変化し始める点としたことを特徴とする請求項15に記載の電動機のトルク制御装置。
  18. 前記d軸電流の基点は、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点、あるいは負荷トルク小区間の始点としたことを特徴とする請求項15に記載の電動機のトルク制御装置。
  19. 前記位相差は、事前に試験を実施し、データとして振動が小さくなるような値を記憶させておくことを特徴とする請求項15に記載の電動機のトルク制御装置。
  20. 位相区間により周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変える手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  21. d軸電流指令値の最終出力を負荷トルク大の区間で強めて、負荷トルク小の区間で弱めることでトルク制御を行うことを特徴とする請求項20に記載の電動機のトルク制御装置。
  22. 周期性のある関数によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変える手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  23. 正弦波関数または余弦波関数によりd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする請求項22に記載の電動機のトルク制御装置。
  24. 前記電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を事前に記憶しておく手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  25. 前記電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変える手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。
  26. 請求項1〜25の何れかに記載の電動機のトルク制御装置により、圧縮機用電動機を制御することを特徴とする密閉形圧縮機。
  27. 請求項26記載の密閉形圧縮機を冷凍サイクルに搭載したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  28. 周期的な負荷トルク変動を有する負荷要素を駆動する電動機を180度通電方式のインバータで駆動する場合の電動機のトルク制御方法において、
    前記電動機に流れる電流を検出して、励磁電流成分であるd軸電流とトルク電流成分であるq軸電流とを求める工程と、
    前記q軸電流の変動が前記負荷トルク変動に起因する周期性を有することを利用して前記電動機の機械的な回転子位置を検出する工程と、
    前記回転子位置情報を用いて、記憶された補正量により周期的に前記d軸電流を変化させてトルク制御を行う工程と、
    を備えたことを特徴とする電動機のトルク制御方法。
  29. 前記電動機に流れる少なくとも1相分の電流を検出して、各相に流れる電流を算出し、各相に流れる電流から前記d軸電流とq軸電流を算出することを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  30. 各相電流は120度ずつ位相がずれることにより、他の相の電流値を求めることを特徴とする請求項29に記載の電動機のトルク制御方法。
  31. 前記インバータは、外部より与えられる前記電動機の回転速度指令と、算出したd軸電流とq軸電流と、次に与える励磁電流成分の指令値に基づいてPWM信号を作成し、前記PWM信号を発生させて、インバータ主回路により前記電動機を駆動することを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  32. 前記q軸電流から前記電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイントを検出することにより、前記電動機の回転子位置を検出することを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  33. 外部より与えられる電動機の回転速度指令と、前記回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントの情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力し、電動機のトルク制御を行うことを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  34. 外部より与えられる電動機の回転速度指令と、前記回転子位置を検出する手段で検出される電動機の負荷トルクが1回転中で最小または最大になるポイント、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報から、次に与えるd軸電流の指令値を補正して出力することを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  35. 前記q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、トルク制御の際に使用する電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より重くなり始めるポイント、電動機の負荷が1回転中の負荷トルク平均値より軽くなり始めるポイントを算出することを特徴とする請求項33に記載の電動機のトルク制御方法。
  36. 前記q軸電流に発生する負荷トルクと出力トルクの偏差に応じた電流リプルを利用して、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際、負荷トルク大区間の始点、負荷トルク小区間の始点の情報を算出することを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  37. 前記電動機においてトルク制御を行っていない状態からトルク制御を行う状態に移行する前に、前記電動機の回転子位置を検出し直すことを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  38. 前記電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、前記q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で前記電動機の回転子位置を検出する工程を作動させることを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  39. 前記電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過した時点で前記電動機の回転子位置を検出する工程を作動させることを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  40. 前記電動機を起動する際、特定の周波数まで加速させた後、所定時間経過し、かつ前記q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルが所定の値以上になった時点で前記電動機の回転子位置を検出する工程を作動させることを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  41. 前記電動機の回転子位置を検出する際、q軸電流の基本波成分の電流リプルレベルにより回転子基準位置から周期的に変化させるd軸電流の基点までの位相差を決めることを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  42. 前記d軸電流の基点は、トルク制御を行わない状態で負荷トルクと出力トルクの偏差がほぼ0になる点(この点から後、正になり始める点、あるいは負になり始める点)としたことを特徴とする請求項41に記載の電動機のトルク制御方法。
  43. 前記d軸電流の基点は、負荷トルクの平均値より負荷が変化し始める点としたことを特徴とする請求項41に記載の電動機のトルク制御方法。
  44. 前記d軸電流の基点は、1回転中を等間隔で負荷トルク大小の2区間に分けた際の負荷トルク大区間の始点、あるいは負荷トルク小区間の始点としたことを特徴とする請求項41に記載の電動機のトルク制御方法。
  45. 前記位相差は、事前に試験を実施し、データとして振動が小さくなるような値を記憶させておくことを特徴とする請求項41に記載の電動機のトルク制御方法。
  46. 位相区間により周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  47. d軸電流指令値の最終出力を負荷トルク大の区間で強めて、負荷トルク小の区間で弱めることでトルク制御を行うことを特徴とする請求項46に記載の電動機のトルク制御方法。
  48. 周期性のある関数によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  49. 正弦波関数または余弦波関数によりd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする請求項48に記載の電動機のトルク制御方法。
  50. 前記電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を事前に記憶しておくことを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
  51. 前記電動機の回転速度によって周期的に変化させるd軸電流の変化幅または変化値を変えることを特徴とする請求項28に記載の電動機のトルク制御方法。
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