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JP3760384B2 - 射出成形方法 - Google Patents

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JP3760384B2 JP2003419313A JP2003419313A JP3760384B2 JP 3760384 B2 JP3760384 B2 JP 3760384B2 JP 2003419313 A JP2003419313 A JP 2003419313A JP 2003419313 A JP2003419313 A JP 2003419313A JP 3760384 B2 JP3760384 B2 JP 3760384B2
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Description

本発明は溶融した熱可塑性樹脂を金型に形成されたキャビティ内に充填して成形品を成形する射出成形方法であって、特に、成形品の一部にアンダーカット部分が存在したり、収縮率の高い樹脂を材料として製品を成形する場合に適用される射出成形方に関する。
射出成形用金型を用いる成形方法は、固定側金型と移動側金型とを型締めし、それによって形成された空間(キャビティ)に溶融した樹脂を充填し、保圧工程、冷却工程を経過した後、双方の金型を開き、エジェクタピンにより金型から成形品を突き出して取り出す工程から成るのが一般的である。
したがって、この様な成形方法に用いられる射出成形用金型においては、射出成形用金型の開閉を妨げる構造は極力避けなければならない。
しかし、図1に示すように、成形品100の一部に、この成形品100を固定するための受け部101を形成した場合、この受け部101は固定側金型と可動側金型との開閉方向に対してひっかかる形状、つまりアンダーカット部分となる。このため、成形品100にアンダーカット部分がある時の成形工程は、図16(a)に示す様にその部分を、傾斜駒104に形成されたスライド入子105を用いて成形し、成形品100を取り出す時は、図16(b)の如く、金型の開閉と同期してエジェクタピン106を突き出して成形品100を離型させると同時に、傾斜駒104のスライド入子105を金型の開閉方向に対し直角方向へ摺動させることにより、アンダーカット部分から傾斜駒104のスライド入子105を抜き出し、そしてスライド入子105がアンダーカット部分から完全に抜き出たところで、さらに、エジェクタピン106により成形品100を突き出して金型から取り出すと云う工程になる。
但し、収縮率の低い樹脂の場合は、金型との離型性が悪いため、アンダーカット部分からスライド入子105が抜けにくくなり、成形作業に支障を来す場合がある。
又、収縮率の高い樹脂、例えば結晶性樹脂を用いた場合は、樹脂充填後冷却されて固化すると成形品100の中心に向かって収縮が発生する。そのため、可動側金型103のキャビティ面へ深い溝(成形品100では高いリブ107)が形成されている金型では、樹脂を充填した後、樹脂の収縮により成形品100に中心方向への力が発生し、その結果リブ107がキャビティ面の溝に食いついてしまう。そのため、金型から成形品100を取り出す時に肉が取られたり、金型から成形品100を離型できない、または、リブを傷つけるいわゆるかじれなどの不都合が生じる場合がある。
以上の様な問題を解決する為に、次の様な技術が開示されている。
先ず、アンダーカット部分の形成については次のものが公知である。
特開2001−162658号公報 この発明は、突出成形手段が成形品の突出部から突出成形部を外すために移動する時に、成形品が突出成形手段に伴って移動するのを防止できる成形金型に関するもので、射出成形金型30において、固定型板34及び可動型板43は成形品1に対応するキャビティ44を形成し、突出成形手段48の突出成形部48aは突出部2に対応する凹所49をキャビティ44と一体的に連通し、エジェクタピン47がキャビティ44から成形品1を排出するために可動型板43を貫通してキャビティ44へ僅かに突出する。これにより、突出部2を有する成形品1の成形後、突出成形手段48は突出成形部48aを突出部2から外すために移動する時に、エジェクタピン47は、成形品1内へ僅かに係入するので、成形品1が突出成形手段48に伴って移動するのを阻止することができると云う発明である。つまり、この発明は、事前にエジェクタピンをキャビティ内に僅かに突出させておくため、成形品内に僅かに入り込ませることにより突出成形手段が移動しても成形品が移動することを規制するというものである。 しかし、エジェクタピンを成形品内に入り込ませるためその部分だけ薄肉となる。その結果、その部分が光沢ムラとなって意匠的に所望する品質が得られない場合がある。 また、成形品の反りが大きい場合は成形品からエジェクタピンが外れてしまいその移動阻止効果が得られない場合がある。 次に、成形品の収縮に関するものについては、次のものが公知である。
特開2003−11183号公報 この発明は、固定側型板と可動側型板とから構成される金型装置において、キャビティの内部に達する固定ピンをエジェクタピンの周囲に固定しておく。この状態で、ゲート孔からキャビティに樹脂を流し込むが、この際、固定ピンの頂部がキャビティの底部より突出しているため、その突出している部分には、樹脂が流入しない。そして、樹脂の流し込みが終了すると、キャビティ内の樹脂が冷却・固化される。この時、成形品は収縮しようとするが、成形品へ固定ピンが埋没しているため、前記収縮動作が阻止される。その結果、成形品の収縮を極力防止することができ、良好な成形品を得ることができると云うものである。 しかし、特許文献1同様、固定ピンを成形品内に入り込ませるため、成形品の薄肉化の問題あるいは光沢ムラの問題、成形品の反りの発生による固定ピン外れの問題がある。
本発明の第1の目的は、成形品にアンダーカット部分がある場合に、このアンダーカット部分の形成用スライド入子が円滑に作動する射出成形方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、リブ構造がある金型を用いて収縮率の高い樹脂を用いて成形する場合に、円滑に離型ができる射出成形方法を提供することにある
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、射出成形方法において、成形品にエジェクタピンの先端が係合するための突起部を成形する際に、この突起部を成形する金型側の前記突起部成形空間を、エジェクタピンガイド孔の入口部分に形成された環状又は半環状の包囲リブ溝と、この包囲リブ溝の外側に続いて形成され、かつ、前記包囲リブ溝よりも深く形成された平行な直線又は放射状又は平行な直線と放射状から成る板状リブ溝とで形成し、この突起部成形空間を有する金型を用いることにより、成形品の一部にエジェクタピンの先端が係合する突起部を一体成形することを特徴とするものである。
〔作用〕
エジェクタピンの先端部への応力を支える突起部を成形品の成形時に同時に形成し、エジェクタピンとこの突起部との係合作用でスライド入子が摺動する時、又は成形品の熱収縮に際して成形品の移動を阻止する。
本発明の効果は次の通りである。
1.成形品にエジェクタピンに隣接するリブ溝で突起部を一体成形するようにしたことに
より、この突起部で成形品はエジェクタピンに係合し、スライド入子のスライド時に成
形品が動いたり、樹脂収縮時に伴う応力で成形品が移動したりしない。この結果、金型
から容易に成形品を離型でき
2.突起部を包囲リブ溝と包囲リブにより深い板状リブ溝で形成したことにより、成形品
が反った場合でも成形品を確実に保持でき
3.突起部形成用板状リブ溝を放射状に形成したことにより、形成された板状リブは、エ
ジェクタピンに対して周囲の全部又は一部で係合するため、成形品の全移動方向の阻止
に有効であ
4.環状又は半環状包囲リブ溝と板状リブ溝を組み合わせたことにより、強度的に高い突
起部を形成でき
5.成形工程における離型時に、成形品はエジェクタピンと突起部の係合作用で固定され
ているため、リブ形状を有する成形品の場合、リブに損傷のない、強度的に安定した成
形品を得ることができ
本発明における射出成形方法はエジェクタピンの先端側面と係合する突起部を成形品に一体形成する射出成形方法を特徴としている。
したがって、金型の固定側金型と可動側金型とが開きはじめ、同時にスライド入子が金型の開き方向に対して直角方向に動きだしてもエジェクタピンと突起部との係合により、スライド入子とアンダーカット部分の樹脂との密着を原因とする成形品の移動を防ぐことが出来る。したがって、スライド入子はアンダーカット形成部から円滑に抜き出せる効果が得られる。
また、キャビティ内の溶融樹脂が固化する際におきる収縮方向は、成形品の中心に向かって生じるが、成形品に高いリブがある場合、キャビティ面の溝中の樹脂は収縮により溝面へ密着して離型性が悪くなる。
しかし、エジェクタピンと突起部との係合効果により、収縮することを防ぐことができ、成形品がキャビティ面の溝に密着することなく、金型から成形品を容易に離型出来る。
さらに特許文献1、2では、エジェクタピン又は固定ピンの先端を成形品内に僅かに入り込ませることにより成形品の移動を防いでいるが、その為、エジェクタピン又は固定ピンを成形品内に入り込ませるだけの成形品の肉厚が有る程度必要である。また、成形品の反りが大きい場合は、成形品からエジェクタピン又は固定ピンが外れてしまい、その効果が得られない場合がある。しかし、本発明は、成形品内へ入り込ませるのではなく、エジェクタピンと係合する突起部を成形品側に一体形成することにより、エジェクタピンと成形品との係合が深く得られ、その結果係合が確実に行われる。また、成形品に薄肉部を形成しないため、光沢ムラを発生させる要因を除去できる。
突起部を形成する方法としては、エジェクタピンの先端面の周囲を一段落としたことにより、ここに突起部成形空間を形成することができるが、勿論、キャビティ面であって、エジェクタピンガイド孔の入口にこのガイド孔により大径の穴又は溝を形成して突起部形成空間を形成することもできる。
出成形方法において突起部成形空間は、前記エジェクタピンの先端側面を囲む環状または半環状の包囲リブ溝である。
リブ溝の形状は、成形品にひけ問題が生じない優位性がある。また、エジェクタピンの先端の全部又は一部を囲む形状とすることにより、エジェクタピンに対して環状又は半環状で接合し、全方向からの移動、収縮に対してその係合を確実に行うことができる。
また、エジェクタピンにかかる応力の方向が予測できる場合は、応力を受ける位置にのみ半環状の包囲リブ溝を形成してもよい。
次に、射出成形方法において突起部成形空間について前記エジェクタピンの先端側面に係合し、エジェクタピンにおける応力のかかる位置に、かつ、応力の方向へ延びる複数の板状リブを形成するための突起部成形空間をキャビティ面に形成し、これにより板状リブを成形品に一体形成することを特徴とするものである。
板状リブ溝の向きは、応力の方向へ延びる様に形成し、そして、端面でエジェクタピンを受けるため、より多くの応力が負荷されても板状リブが変形しない、例えば直線的で平行な又は放射状又はこれらの組み合わせから成る複数枚形状とする。
また、板状リブを複数枚形成することにより、一枚当りの板厚を薄くすることができ、また、単数枚の場合よりエジェクタピンを受ける総面積を広くできる。
次に、射出成形方法において環状又は半環状の包囲リブの外側に板状リブが形成されるため、包囲リブの強度を増大させることができる。
さらに板状リブは、その高さが包囲リブ側よりも高く形成される。例えば、包囲リブとエジェクタピンとの係合をより高めたり、成形品が反っても包囲リブから外れないようにするために包囲リブの高さを高くした場合、包囲リブとエジェクタピンとの接触面積が増大し、その密着により、エジェクタピンが抜けなくなることがある。しかし、板状リブであれば必要面においてのみエジェクタピンと係合しているため、包囲リブ側をより高くしてエジェクタピンが板状リブから外れない様にしても密着面積が少なく容易に離型できる。
したがって、成形品が反って包囲リブがエジェクタピンより離れても板状リブはエジェクタピンを受けることが出来、アンダーカットのスライド入子の摺動や樹脂の収縮による離型性についても良い効果が得られる。
図1及び図2に基づいて本願発明に係る成形方法の一例を説明する。図1は、成形された成形品100を示す。略板状であり両側に側壁100Aをもつ形状をしており、用途として装置本体のカバーとして用いるものである。裏面には補強用のリブ107が設けられ、またカバーを装置本体へ取り付ける固定部101が一体形成されている。固定部101は側面に開口部がある中空箱形状である。したがって、この固定部101については射出成形用金型が開く方向に対し直角方向に開口部があるため、ここがアンダーカット部分となり、それ故、成形するためには、図16に基づいて説明したスライド入子105を用いた成形方法が必要となる。
この様な成形品100を成形す射出成形方法では、エジェクタピン係合用の突起部108Aを形成する方法として、成形後成形品100を金型から突き出すエジェクタピンへ図2に示すように、先端面部の周囲を一段落として段部106Aを形成した。寸法的には、エジェクタピン106の直径Rが10mm、先端の凸部の直径rが8mmで高さhを2mmとした。したがって段部106Aの幅は1mmである。ただし、凸部の側面は抜きやすいように若干の勾配がつけてある。
以上のエジェクタピン106で突起部成形空間110をキャビティ109面に形成することにより、図1に示すように、成形品100には、円形の包囲リブ(突起部)108Aが一体成形される。
次に、図2に示したエジェクタピン106を用いた成形方法について図3を基に説明する。
図3は射出成形用金型及び成形品におけるアンダーカット部分及びエジェクタピン付近の要部断面図で、(a)はキャビティ内に樹脂を充填している説明図、(b)は射出成形用金型を開いてエジェクタピンにより成形品を突きだしている説明図、(c)は成形完了した成形品の断面説明図である。なお、エジェクタピン106の先端形状については判りやすいように図2に示す形状より誇張して表現している。
図3(a)における可動側金型103にはアンダーカット形状の固定部101を形成する傾斜駒104の先端にスライド入子105と、樹脂充填時には天面をキャビティ109面と同一位置に位置するエジェクタピン106が具備されている。可動側金型103と固定側金型102を型締めした後溶融した樹脂をキャビティ109内に充填した。例における樹脂はポリスチレン(PS)樹脂を用いた。
溶融した樹脂は、キャビティ109と連続しているスライド入子105と可動側金型103との空間(固定部の形成)、また、エジェクタピン106先端部とエジェクタピンガイド孔103Aとの突起部成形空間(包囲リブ108Aの形成空間)110にも充填される。
溶融樹脂充填完了後保圧しながら冷却し樹脂が固化した後、図3(b)に示すように可動側金型103と固定側金型102との型締めを解き、金型を開く。開くことと同期してエジェクタピン106を突き出し、成形された成形品100を離型させる。また、傾斜駒104も斜め方向へ突き出した結果、先端のスライド入子105は金型の開き方向に対し直角方向に移動する。この時、アンダーカットである固定部101の樹脂は周辺のスライド入子105と密着しているため成形品を動かす力が生じる。
しかし、エジェクタピン106と包囲リブ(突起部)108Aとの嵌合により、成形品100は固定されているため、スライド入子105は固定部101から離脱することができる。その後、さらにエジェクタピン106により突き出して射出成形用金型から取り出すと、図3(c)の断面図に示すアンダーカットの固定部101が一体形成された成形品(カバー)100が完成する。
図4は、成形品100における固定部101と包囲リブ108Aの位置関係を示す斜視図である。この図4により、固定部101におけるスライド入子105が移動する出口部と包囲リブ108Aが形成されている場所の相対関係が理解できる。
図5は、突起部としての半環状の包囲リブ108A´である。エジェクタピン106からの応力方向が定まっている場合は応力位置のみに半環状の包囲リブとしてもよい。
縮率の高い樹脂材料を用いて成形す例を図6を基に紹介する。
図6(a)、(b)は、射出成形用金型及び成形品におけるリブ及びエジェクタピン付近の要部断面図で、(a)はキャビティに樹脂を充填している説明図、(b)は射出成形用金型を開いてエジェクタピンにより成形品を突きだしている説明図である。
例における成形品100の裏面には多く(図6では代表部のみ記載)のリブ107が形成されている(図1参照)。前記リブ107は高さが6mm、そして幅が天面で1mmの形状をしている。従来の成形方法では、樹脂の収縮率が高いため溶融樹脂が固化すると成形品100の中心方向へ図6(a)に示す力(矢印方向)が働くため、可動側金型103のキャビティ109面に形成された溝103Bの側面へ充填された樹脂が押し付けられる。したがって、離型抵抗が高くなり成形品100が金型から抜けなくなる、または、溝103Bの中に樹脂がちぎり取られる、または、かじりなどの不都合が生じる。
例ではエジェクタピン106を射出成形用金型へ組み込み、図6(a)の様にキャビティ109内に溶融したポリスチレン(PS)樹脂を充填し、保圧冷却を行った。
次に、樹脂が固化すると図6(b)に示すように可動側金型103と固定側金型102との型締めを解き、金型を開く。この開くことと同期してエジェクタピン106により成形品100を突き出す。成形品100には収縮する力が生じているが、エジェクタピン106と包囲リブ108Aとの嵌合により収縮が押さえられている。したがって、リブ107は溝103Bから少ない離型抵抗で抜き出すことがで、金型の中に樹脂を取り残したり、抜き出し不能になったりすることがない。その後、さらにエジェクタピン106を突き出して射出成形用金型から成形品を取り出すと、図4に示した成形品(カバー)100が完成する。
次に更に別な成形例を説明する。
前例では、エジェクタピン106に段部106Aを形成して包囲リブ108Aを形成したが、本例ではキャビティ109面に板状リブ(突起部)108Bを形成する凹部(空間)110をエジェクタピン106におけるスライド入子105の応力又は収縮力がかかる位置に係合するように形成した。板状リブ108Bの寸法は高さが3mm長さが4mm幅が天面で0.5mmとした。他は前例と同一である。
図7は射出成形用金型及び成形品におけるアンダーカット及びエジェクタピン付近の要部断面図で、(a)はキャビティに樹脂を充填している説明図、(b)は射出成形用金型を開いてエジェクタピンにより成形品を突きだしている説明図、(c)は成形完了した成形品の断面説明図である。
図7(a)における可動側金型103にはアンダーカット形状の固定部101を形成する傾斜駒104の先端のスライド入子105と、樹脂充填時には天面をキャビティ109面と同一位置に位置するエジェクタピン106が具備されている。可動側金型103と固定側金型102を型締めした後溶融した樹脂をキャビティ109内に充填した。
溶融樹脂充填完了後保圧しながら冷却し、樹脂が固化した後、図7(b)に示すように可動側金型103と固定側金型102との型締めを解き金型を開く。開くことと同期してエジェクタピン106を突き出して成形された成形品100を離型させる。この時、アンダーカットである固定部101の樹脂は周辺のスライド入子105と密着しているため成形品を動かす力が生じる。
しかし、エジェクタピン106と板状リブ108Bとの係合により成形品100は固定されているためスライド入子105は固定部101から離脱することができる。その後、さらにエジェクタピン106により突き出して射出成形用金型から取り出すと、図7(c)の断面図に示すアンダーカトの固定部101が一体形成された成形品(カバー)100が完成する。
図8は、成形品100における固定部101と板状リブ108Bの位置関係を示す斜視図である。エジェクタピン106の仮想位置を破線で示した。固定部101におけるスライド入子104の出口部である開口部と板状リブ108Bが形成されている場所の相対関係が理解できる。
更に、別な例を図9を基に説明する。図9板状リブ108Bの上面図である。複数の板状リブ108Bの内、両端の板状リブ108Cは放射状に形成されていて、この板状リブ108Cは補強リブである。破線はエジェクタピン
106の仮想位置である。
板状リブ108Bへエジェクタピン106からの応力がかかっても、補助リブ108Cにより板リブ108Bがめくれたり押しつぶされたりすることを防ぐことができる。
上記実施例は、板状リブ108B、補強リブ108Cの説明であるが、板状リブ108Bは、すべて補強リブ108Cのように、放射状に形成してもよい。この時、放射状リブは、エジェクターピン106の周囲全体、又は応力方向の一部であってもよい。
請求項に記載した発明の実施例について図10及び図11に基づいて説明する。
図10(a)、(b)、(c)は、射出成形用金型及び成形品におけるアンダーカット及びエジェクタピン付近の要部断面図で、(a)はキャビティに樹脂を充填している説明図、(b)は射出成形用金型を開いてエジェクタピンにより成形品を突き出している説明図、(c)は成形完了した成形品の断面図である。図11(a)、(b)は包囲リブと板状リブの説明図で、(a)は斜視図(b)は上面図である。
本実施例の金型構造は、実施例1の金型構造を基本とし、さらにスライド入子104がアンダーカットから抜け出す方向と反対方向である包囲リブ108Aの外側側面の位置に包囲リブ108Aより高い板状リブ108Bを形成したことが特徴である。また、板状リブ108Bの形状として本実施例では、図11に示す様にリブ形状である2本の板状リブ108Bとした。このように、周囲リブ108Aを低く、板状リブ108Bを高く形成したことにより、肉厚の段部にみられるひけの発生が防止できる。また、エジェクタピン106の半径方向へ平行に並べることにより、エジェクタピン106よりの押し圧に対して有効に対応できる。
図10を基に成形方法を説明する。樹脂材料としてポリプロピレン(PP)樹脂を使った。PP樹脂は反りやすい性質をもつため、実施例1に示す包囲リブ108Aから外れてしまうことがある(図12参照)。特にエジェクタピン106の位置が成形品100の中心から離れた位置ほどこの傾向が見られる。
まず、図10(a)に示すように、可動側金型103と固定側金型102とを型締めした後、溶融した樹脂をキャビティ109内に充填する。
溶融した樹脂は、キャビティ109と連続したスライド入子104と可動側金型103との空間(固定部の形成)、また、エジェクタピン106先端部とエジェクタピンガイド孔103A及び板状リブ形成部との空間110(板状リブの形成)にも充填される。
溶融樹脂充填完了後、保圧しながら冷却し、樹脂が固化すると、図10(b)に示すように可動側金型103と固定側金型102との型締めを解き、金型を開く。開くことと同期してエジェクタピン106を突き出して成形された成形品100を離型させる。また、傾斜駒104も斜め方向へ突き出して先端のスライド駒105を金型の開き方向に対して直角に移動させる。この時、成形品100が反ってしまい、包囲リブ108Aから外れてしまっても包囲リブ108Aより高い板状リブ108Bでエジェクタピン106を受けることができるため、成形品100は固定され、その結果、スライド入子105は固定部から離脱することができる。その後、さらにエジェクタピン106により突き出して射出成形用金型から成形品100を取り出すと、図10(c)の断面図に示すアンダーカットの固定部101が一体形成された成形品100が完成する。
なお、包囲リブ108Aは板状リブ108Bにより破壊耐力が向上されているため、図13に示すように包囲リブ108Aがめくれたりするのを防ぐ効果もある。
(a)は可動側金型と固定側金型からなるキャビティの説明図、(b)は成形品をエジェクタピンにより突き出した説明図である。
前記した成形方法では、補強リブ108Bをスライド入子105がアンダーカットから抜け出す方向と反対方向の位置に設けていた。一方、図14(a)においては、一般的に成形品100の収縮は成形品100の中心方向に働くため、図14(b)に示す様に成形品100における中心方向と反対位置に包囲リブ108Aの高さよりも高い板状リブ108Bを形成したことにある。
射出成形方法においては、可動側金型103と固定側金型102を型締めした後、溶融した樹脂をキャビティ109内に充填し(図14(a))、樹脂が固化後金型を開いて成形品100を取り出す。その時、包囲リブ108Aで樹脂の収縮を押さえることにより円滑にリブは溝から少ない離型抵抗で抜き出すことがでる。さらに成形品100が反って包囲リブ108Aからエジェクタピン106が外れてしまっても、包囲リブ108Aより高い板状リブ108Bでエジェクタピン106を受けるため、支障無く成形品100を金型から取り出せる(図14(b))。
図15に、様々な形状の突起部の形状とその組み合わせ紹介する。なお、図15は全て突起部の上面図である。また、板状リブ108B及び補強リブ108Cとも包囲リブ108A、108A´より高さを高く設定している。
図15(a)はエジェクタピン106の約半周へ係合する半円形包囲リブ108A´であり、応力の方向が定まっているとき用いることができる。図15(b)は図15(a)の半円形包囲リブ108A´へ板状リブ108B及び補強リブ108Cを合体している。もちろん、板状リブ168Bのみでも選択できる。図15(c)は環状の包囲リブ108Aへ板状リブ108B及び補強リブ108Cを合体している図15(d)は、エジェクタピン106が角形の場合の包囲リブ108Aで、図15(e)は図15(d)の半環状の包囲リブ108A´である。
図15(f)は図15(e)の角形半包囲リブ108A´と板状リブ108Bとを合体させた突起部であり、図15(g)はさらに補強リブ108Cを追加したものである。
図15(h)は、板状リブ108B及び補助リブ108Cをすべて放射状に組み合わせて突起部を形成した例である。
この様に各リブの形状及び組み合わせは、金型構造、成形品、射出条件などにより最適な形状を選択することができる。
本発明の実施例により成形された成形品の外観図。 ジェクタピンの説明図。 出成形用金型及び成形方法をアンダーカット及びエジェクタピン付近を基に説明する説明図であって、(a)は樹脂射出時、(b)は成形品離型時、(c)は成形品の説明図。 形品の固定部と包囲リブの説明図。 半環状の包囲リブの斜視図。 出成形用金型及び成形方法を成形品のリブ及びエジェクタピン付近を基に説明する成形品の離形時の説明図。 出成形用金型及び成形方法を成形品のアンダーカット及びエジェクタピン付近を基に説明する説明図であって、(a)は樹脂射出時、(b)は成形品離形時、(c)は成形品の説明図である。 成形品における固定部と板状リブの位置関係を示す斜視図。 状リブの説明図。 出成形用金型及び成形方法をアンダーカット及びエジェクタピン付近を基に説明する説明図であって、(a)は樹脂充填時、(b)は離型時、(c)は成形品の説明図。 囲リブと板リブの説明図であって、(a)は平面図、(b)は斜視図。 成形品が反った場合の説明図。 包囲リブが変形した説明図。 実施例1の射出成形用金型及び成形方法について、リブ及びエジェクタピン付近を基に説明する説明図であって、(a)は保圧、冷却時、(b)は離形時の説明図。 (a)〜(h)は突起部の形状の説明図。 従来における射出成形用金型及び成形品におけるアンダーカット及びエジェクタピン付近の要部と成形工程の説明図。
符号の説明
100 成形品
101 固定部
4 リブ
108 突起部
102 固定側金型
103 可動側金型
109 キャビティ
106 エジェクタピン
108A、108A´ 包囲リブ
108B 板状リブ
108C 補強リブ

Claims (1)

  1. 成形品にエジェクタピンの先端が係合するための突起部を成形する際に、この突起部を成形する金型側の前記突起部成形空間を、エジェクタピンガイド孔の入口部分に形成された環状又は半環状の包囲リブ溝と、この包囲リブ溝の外側に続いて形成され、かつ、前記包囲リブ溝よりも深く形成された平行な直線又は放射状又は平行な直線と放射状から成る板状リブ溝とで形成し、この突起部成形空間を有する金型を用いることにより、成形品の一部にエジェクタピンの先端が係合する突起部を一体成形する射出成形方法。
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