JP3757562B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インクを用いて記録を行うインクジェット記録用紙に関し、特に低コストで製造可能であって高画質で写真の風合いが得られ、しかも記録層と支持体の接着性を改良したインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。この方式で従来から問題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよび装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな分野に急速に普及している。
【0003】
このインクジェット記録方式で使用される記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求される。
【0004】
特にインク吸収速度が遅い場合には、2色以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、また、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画質を大きく低下させやすいために、記録用紙としては高いインク吸収性を持たせるようにすることが必要である。
【0005】
これらの問題を解決するために、従来から非常に多くの技術が提案されている。
【0006】
例えば、特開昭52−53012号公報に記載されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤させた記録用紙、特開昭55−5830号公報に記載されている支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録用紙、特開昭56−157号公報に記載されている被履層中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用紙、特開昭57−107878号公報に記載されている無機顔料と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−110287号公報に記載されている2つの空孔分布ピークを有する記録用紙、特開昭62−111782号公報に記載されている上下2層の多孔質層からなる記録用紙、特開昭59−68292号公報、同59−123696号公報および同60−18383号公報などに記載されている不定形亀裂を有する記録用紙、特開昭61−135786号公報、同61−148092号公報および同62−149475号公報等に記載されている微粉末層を有する記録用紙、特開昭63−252779号公報、特開平1−108083号公報、同2−136279号公報、同3−65376号公報および同3−27976号公報等に記載されている特定の物性値を有する顔料や微粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−14091号公報、同60−219083号公報、同60−210984号公報、同61−20797号公報、同61−188183号公報、特開平5−278324号公報、同6−92011号公報、同6−183134号公報、同7−137431号公報、同7−276789号公報等に記載されているコロイド状シリカ等の微粒子シリカを含有する記録用紙、および特開平2−276671号公報、同3−67684号公報、同3−215082号公報、同3−251488号公報、同4−67986号公報、同4−263983号公報および同5−16517号公報などに記載されているアルミナ水和物微粒子を含有する記録用紙等が多数知られている。
【0007】
上記の中でも、インク受容層がインクを吸収したり保持するための空隙を多く有する層である場合にインクの吸収性が良好で境界部の滲みが少なく、高品位な画像が期待できる。
【0008】
このような空隙構造を有するインク吸収層を非吸水性の支持体上に設けた場合には、高い濃度の鮮明な画像が得られる反面、支持体上に設けられたインク吸収層の空隙容量が制限を受ける。
【0009】
例えば、乾燥膜厚が40μmである皮膜において、固形分が均一な容積として仮に22μmである皮膜を想定すると空隙量はインクジェット記録用紙1m2当たり(40−22)=18ml/m2しか有さないことになり、記録方式にもよるが最大インク量付近でインク吸収容量が不足し兼ねない場合が生じ得る。インク吸収容量が不足する場合にはインクが溢れ、画像品質を大幅に劣化させる。
【0010】
空隙構造を有するインク吸収層においては元々の皮膜の乾燥容量よりインク吸収量が少ないために多量のインクを十分吸収するためには乾燥膜厚を十分厚くする必要が生じる。
【0011】
一方、空隙構造を有するインク吸収層を吸水性のある支持体上に設けた場合には、支持体自身が高い吸収容量とインク吸収性を持っておりインクの吸収という観点からは好ましいものであるため、前記のようなインク吸収層に対する制限は少なくなる。しかし、支持体自身がインク溶媒を吸収するために、記録後にインク溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち状になってシワが画像状に生じやすい問題がある。
【0012】
本出願人は、この点につき検討した結果、厚さが160μm以上の吸水性支持体上に空隙構造を有するインク吸収層を設けることで、インク吸収性および高品位な画質を維持しつつ、記録後の支持体のシワの発生を抑えることが出来ることを見いだした。しかし、空隙構造を有するインク吸収層を吸水性の支持体上に設けた場合には、非吸水性の支持体の場合に比べて、支持体と空隙構造を有するインク吸収層の接着性が劣ることが判明した。
【0013】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実態に鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとする第1の課題は、インク吸収層の膜厚を不要に増大させることなくインク吸収容量を増大させたインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0014】
また、本発明が解決しようとする第2の課題は、低コストでかつ記録後の画像部のシワの発生がなく写真の風合いが得られるインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0015】
さらに本発明が解決しようとする第3の課題はインク吸収層と支持体との接着性が改良され、かつ高インク吸収速度と高インク吸収容量を有するインクジェット記録用紙を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下のインクジェット記録用紙によって達成される。
【0017】
1.厚さが160μm以上の吸水性支持体上に、乾燥膜厚が0.5〜5μmであって、親水性バインダーおよび親水性バインダーに対して重量比で0.5〜2.5倍の固体微粒子を含有する第1のインク吸収層および、乾燥膜厚が20〜30μmであって、平均粒径が100nm以下の微粒子と親水性バインダーを含有し、親水性バインダーに対する微粒子の量が重量比で3〜8である、空隙層を有する第2のインク吸収層をこの順に設けたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0018】
2.前記第2のインク吸収層が含有する微粒子が、平均粒径が30nm以下の平均粒径を有する微粒子の2次凝集粒子であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録用紙。
【0019】
3.前記第2のインク吸収層が含有する微粒子が、気相法により合成されたシリカであることを特徴とする前記2に記載のインクジェット記録用紙。
【0020】
4.前記親水性バインダーがポリビニルアルコールであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0022】
5.前記空隙層が硬膜剤により硬膜されていることを特徴とする前記4に記載のインクジェット記録用紙。
【0024】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本発明でインクジェット記録用紙の吸水性支持体としては、所望の吸水性を有する物であればいかなるものでも使用できる。
【0026】
例えば、一般の紙、合成紙、布、木材等からなるシートや板等を挙げることができるが、特に紙は基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好ましい。以下に紙支持体について説明する。
【0027】
紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。また、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することが出来る。
【0028】
紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加することができる。サイズ剤としては高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等が、顔料としては炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等が、紙力増強剤としてはスターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が、定着剤としては硫酸バンド、カチオン性高分子電解質等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0029】
紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することができる。また、必要に応じて抄紙段階または抄紙後にスターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理をしたり、各種コート処理をしたり、カレンダー処理したりすることも出来る。
【0030】
本発明のインクジェット記録用紙の吸水性支持体の厚さは160μm以上である。これより薄い場合、支持体自身がインク溶媒を吸収するために、記録後にインク溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち状になってシワが画像状に生じやすくなる。また、吸水性支持体の厚さは180μm以上であることが、シワの発生がより少ない点でより好ましい。吸水性支持体の厚さに特に上限はないがその取り扱い性から概ね500μm程度である。
【0031】
本発明においては、支持体とインク吸収層の接着強度をより大きくする等の目的で、インク吸収層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことができる。
【0032】
本発明の記録用紙は、支持体に近い側に設けられた親水性バインダーおよび親水性バインダーに対して重量比で0.5〜2.5倍の固体微粒子を含有する第1のインク吸収層と、この上に設けられた空隙構造を有する第2のインク吸収層からなる。
【0033】
第1のインク吸収層に用いられる親水性バインダーとしては、ゼラチンまたはゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン(平均分子量が約20万以上が好ましい)、プルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体(平均分子量が約2万以上が好ましい)、ポリエチレングリコール(平均分子量が10万以上が好ましい)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、プルラン、特開平7−195826号および同7−9757号に記載のポリアルキレンオキサイド系共重合性ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独またはこれらのビニルモノマーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを挙げることができる。これらの親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
【0034】
中でも、ポリビニルアルコールを含有することが皮膜の吸湿性、高湿下のべたつき、インクジェット記録後の染料の滲みが少ない点などから好ましい。
【0035】
このポリビニルアルコールにはカチオン変性、ノニオン変性およびアニオン変性の各変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0036】
ポリビニルアルコールとしては、従来インクジェット記録用紙に公知のものを適宜選択して用いることができる。
【0037】
ポリビニルアルコールの平均重合度は造膜性の観点から1000〜5000のものが好ましく用いられ、特に平均分子量が2000以上のものが好ましい。
【0038】
ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜100%のものが特に好ましい。
カチオン変成ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0039】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル(メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0040】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0041】
アニオン変性ポリビニルアルコールは例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号、および同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0042】
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
【0043】
第1のインク吸収層に用いられる固体微粒子としては従来インクジェット記録用紙で公知の各種の無機または有機の固体微粒子を用いることが出来る。
【0044】
無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を使用する事が出来る。
【0045】
その様な無機微粒子は、1次粒子のままでバインダー中に均一に分散された状態で用いられることも、また、2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された状態で添加されても良い。
【0046】
一方有機微粒子の例としては、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等が挙げられる。
【0047】
上記無機または有機微粒子は、1次粒子としては平均粒径が概ね、0.005〜2μm、好ましくは0.007〜0.5μmのものが用いられる。また、2次粒子としては、平均粒径が概ね0.02〜0.5μmのものが好ましく用いられる。
【0048】
第1のインク吸収層は第2のインク吸収層と吸水性支持体の間に位置する。第1のインク吸収層には、吸水性支持体へのインク吸収性を妨げず、かつインク吸収層と支持体とを良好に接着することが求められる。
【0049】
第1のインク吸収層の親水性バインダーに対する上記固体微粒子の重量比は0.5〜2.5倍である。0.5倍未満の場合インク吸収性の低下を、2.5倍を越えると、支持体との接着性の低下などをひきおこすことがある。
【0050】
第1のインク吸収層の乾燥膜厚は0.5〜5μmであることが必要である。0.5μm未満の場合、支持体との接着性の低下を、5μmを越えると支持体へのインク吸収性の低下をひきおこすことがある。
【0051】
第1のインク吸収層は親水性バインダーの種類や組成、固体微粒子の種類や組成、添加剤の種類等の異なる2以上の親水性バインダー含有層を積層させたものも含まれる。この場合、親水性バインダーに対する固体微粒子の重量比や乾燥膜厚はこれら複数の親水性バインダー含有層全体について設定される。
【0052】
次に第1のインク吸収層の上に設けられる第2のインク吸収層について説明する。
【0053】
第2のインク吸収層は微粒子を含有する空隙層を有するインク吸収層であるが、空隙層内に微粒子を含有させて空隙を形成させる場合には、親水性バインダーを含有させておくことが安定な皮膜を形成させるために必要である。
【0054】
第2のインク吸収層は粒径が100nm以下の微粒子を含有する。
【0055】
平均粒径が100nmを越える微粒子を使用した場合には記録用紙の光沢性が低下したり、インクジェット記録時のドットの真円度が低下したり不要なドットの広がりが生じたり、あるいは表面での乱反射による最高濃度の低下が生じたりして鮮明な画像が得にくくなる。
【0056】
微粒子の下限は特に制約はないがその取り扱い性や製造時の安定性などから概ね10nm以上である。
【0057】
微粒子としては従来インクジェット記録用紙で公知の各種の無機または有機の固体微粒子を用いることが出来る。
【0058】
無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることが出来る。
【0059】
一方有機微粒子の例としては、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等が挙げられる。
【0060】
上記微粒子は、1次粒子のままでバインダー中に均一に分散された状態で用いられることも、また、2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された状態で添加されても良いが、後者がより好ましい。
【0061】
上記微粒子が1次粒子の2次凝集粒子を形成した形で用いられる場合、その1次粒子の粒径が30nm以下のものを使用することが光沢性の観点から好ましい。
【0062】
1次粒子の粒径の下限は特に限定されないが粒子の製造上の観点から概ね3nm以上、特に6nm以上が好ましい。
【0063】
上記において微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0064】
本発明においては高い濃度を達成し、鮮明な画像を記録し低コストで製造できる等の点より、無機微粒子として、気相法により合成された微粒子シリカおよびコロイダルシリカから選ばれる固体微粒子を用いることが好ましいが気相法により合成されたシリカが最も好ましい。
【0065】
気相法により合成された微粒子シリカは通常、四塩化珪素を水素及び酸素と共に高温で燃焼して得られる1次粒子径が5〜500nmのシリカ粉末であり、本発明では特に30nm以下の1次粒子径を有するものが光沢性の点で好ましい。
【0066】
このような気相法シリカとして現在市販されているものとしては日本アエロジル社の各種のアエロジルが該当する。
【0067】
本発明で好ましく用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、このコロイダルシリカをインクジェット記録用紙に使用することは、例えば、特開昭57−14091号、同60−219083号、同60−219084号、同61−20792号、同61−188183号、同63−17807号、特開平4−93284号、同5−278324号、同6−92011号、同6−183134号、同6−297830号、同7−81214号、同7−101142号、同7−179029号、同7−137431号、および国際特許公開WO94/26530号などに記載されている。
【0068】
コロイダルシリカの好ましい粒子径は通常は5〜100nmであるが特に7〜30nmの粒子径が好ましい。
【0069】
上記の気相法により合成されたシリカおよびコロイダルシリカは、その表面をカチオン変成されたものであってもよく、また、Al、Ca、MgおよびBa等で処理された物であってもよい。
【0070】
第2のインク吸収層に用いられる親水性バインダーには、第1のインク吸収層で用いられる親水性バインダーと同様の親水性バインダーが好ましく用いられるが、特にポリビニルアルコールが好ましい。
【0071】
このポリビニルアルコールにはカチオン変性、ノニオン変性およびアニオン変性の各変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0072】
ポリビニルアルコールの平均重合度は造膜性の観点から1000〜5000のものが好ましく用いられ、特に平均分子量が2000以上のものが好ましい。
【0073】
ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜100%のものが特に好ましい。
カチオン変成ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0074】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル(メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0075】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0076】
アニオン変性ポリビニルアルコールは例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報、および同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0077】
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
【0078】
上記微粒子の親水性バインダーに対する重量比率は3〜8であることが必要である。上記微粒子の親水性バインダーに対する重量比率が3未満の場合インク吸収性の低下を、8を越えると第2のインク吸収層の塗膜のひび割れをひきおこすことがある。
【0079】
第2のインク吸収層には硬膜剤としてほう酸またはその塩が含有されることが好ましい。ほう酸またはその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことを示し、具体的にはオルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸、四ほう酸、五ほう酸およびそれらの塩が含まれる。
【0080】
第2のインク吸収層の乾燥膜厚は20〜30μmである。5μm未満の場合、インク吸収性の低下や光沢の低下を、30μmを越えると塗膜のひび割れをひきおこすことがある。
【0081】
第2のインク吸収層は微粒子の種類および平均粒径や添加剤の種類等の異なる2以上の微粒子含有層を積層させたものも含まれる。この場合、乾燥膜厚や微粒子の平均粒径はこれら複数の微粒子含有層全体について設定される。
【0082】
第1および第2のインク吸収層には必要に応じて各種の添加剤を添加することが出来る。
【0083】
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0084】
また、印字後の耐水性や耐湿性を改良するためにカチオン媒染剤を含有させることもできる。
【0085】
カチオン媒染剤としては第1級〜第3級アミノ基および第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好ましく用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
【0086】
ポリマー媒染剤としては、第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が耐候性や染料の染着性の強固さから好ましい。
【0087】
好ましいポリマー媒染剤は上記第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他のモノマーとの共重合体または縮重合体として得られる。
【0088】
このポリマー媒染剤は水溶性ポリマーとしても、また、水分散性のラテックス粒子のいずれの形でも使用することができる。
【0089】
一方、非ポリマー性の媒染剤としては、炭素原子数の総和が12以上、好ましくは18以上の第4級アンモニウム塩基を有する化合物が用いられる。
【0090】
上記ポリマー媒染剤および非ポリマー媒染剤の使用量は記録用紙1m2あたり0.2〜10g、好ましくは0.5〜5gである。
【0091】
特にカチオン性媒染剤がポリマー媒染剤である場合、少なくとも第2層のインク吸収層に含有させることが好ましいが、特に好ましくは第1のインク吸収層と第2のインク吸収層の両者に添加される。
【0092】
一方、非ポリマー性の媒染剤を使用する場合には、第1のインク吸収層または第2のインク吸収層を形成する塗布液のいずれに添加しても塗布後に層間で拡散して均一化するためにどちらの層に添加しても耐水性と耐湿性の改良効果を得ることができる。
【0093】
また、第2のインク吸収層は空隙構造であるために一般に固い層になる。このため、製造時やインクジェット記録後のインク溶媒の蒸発時にひび割れが生じやすいが、この問題を軽減するために少なくとも第2のインク吸収層には油滴を含有させることが好ましい。
【0094】
油滴としては融点が40℃以下の疎水性化合物を乳化分散したものやガラス転移温度が40℃以下の重合体ラテックス粒子が用いられる。油滴の粒径は概ね0.02〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μm、特に好ましくは0.05〜0.3μmのものが用いられる。
【0095】
油滴の添加量は第2のインク吸収層が含有する微粒子に対して重量比で1〜50重量%、好ましくは2〜20重量%で用いられる。
【0096】
この油滴は第2層だけでなく第1層にも用いることができるが効果の大きさから第2層には少なくとも用いることが好ましい。
【0097】
本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層側とは反対側にはカール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるために種々の種類のバック層を設けることができる。
【0098】
バック層の構成は支持体の種類や厚み、インク吸収性層の構成や厚みによっても変わるが一般には親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バック層の厚みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
【0099】
また、バック層には他の記録用紙とのくっつき防止、筆記性改良、さらにはインクジェット記録装置内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この目的で好ましく用いられるのは粒径が2〜20μmの有機または無機の微粒子である。
【0100】
親水性層を支持体上に塗布する方法は公知の方法から適宜選択して行うことが出来る。親水性バインダー含有層および微粒子含有層はそれぞれ2層以上あっても良く、この場合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0101】
塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号公報記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられるが、特に多層同時塗布方式においては、カーテン塗布方法またはスライドホッパー塗布方式が好ましい。
【0102】
親水性バインダー含有インク吸収層を支持体上に塗布後、冷却してゲル状態にした後、コールドドライ法で乾燥する方法は好ましい方法のひとつであるが、この際、好ましくは乾燥時にはセットした塗布液が再溶解しない状態までの条件で加熱することが生産性の観点から好ましい。通常はセット後室温〜30℃の範囲内である程度水分を蒸発させた後で40℃〜50℃に加熱して完全に乾燥させられる。
【0103】
塗布後の乾燥は、いったん冷却して塗布液の粘度を増大させるかゲル化させてから風を吹き付けて乾燥させるのが好ましい。
【0104】
塗布液温度は通常は25〜60℃であり、30〜50℃が好ましい。冷却は塗布後の膜面温度が20℃以下、好ましくは15〜5℃になるようにするのが好ましく、その後の乾燥は20〜60℃の風を吹き付けて乾燥するのが均一な膜面を得る点から好ましい。
【0105】
塗布する湿潤膜厚は目的とする乾燥膜厚によって変わるが概ね40〜200μm、好ましくは50〜150μm、塗布速度は乾燥能力に大きく依存するが概ね20〜200m/分である。乾燥時間は概ね2〜10分である。
【0106】
次に本発明の記録用紙を用いてインクジェット記録する時使用する場合の水溶性記録液について以下に説明する。
【0107】
水溶性記録液は、通常は水溶性染料及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。水溶性染料としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染料が使用できるが直接染料、または酸性染料が好ましい。
【0108】
記録液の溶媒は水を主体としてなるが、記録液が乾燥した際に染料が析出してノズル先端や記録液供給経路での目詰まりを防止するために、通常沸点が120℃以上で室温で液状の高沸点有機溶媒が使用される。高沸点有機溶媒は水が蒸発した際に染料などの固形成分が析出して粗大析出物の発生を防止する作用を持つために水よりはるかに低い蒸気圧を有することが要求される一方、水に対して混和性が高い必要がある。
【0109】
そのような目的で高沸点有機溶媒としては高沸点の有機溶媒が通常多く使用されるが、具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ヘキサンジオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(平均分子量が約300以下)等のアルコール類が挙げられる。また、上記した以外にも、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等も使用できる。
【0110】
これらの多くの高沸点有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
【0111】
記録液が含有するその他の添加剤としては、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤、等が挙げられる。
【0112】
記録液は記録用紙に対する濡れ性を良好にするため及びインクジェットノズルからの吐出を安定化させる目的で、25℃において、25〜50dyne/cm、好ましくは28〜40dyne/cmの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。
【0113】
また、記録液の粘度は通常25℃において2〜10cp、好ましくは2.5〜8cpである。また、記録液のpHは3〜9が好ましい。
【0114】
インクノズルから吐出される最小インク液滴としては1〜30plの容量の場合、記録紙上で約20〜60μmの直径の最小ドット径が得られるので好ましい。このようなドット径で印字されたカラープリントは高画質画像を与える。好ましくは2〜20plの容積を有する液滴が最小液滴として吐出される場合である。
【0115】
また、前記水性インクが、少なくともマゼンタおよびシアンについて、各々濃度が2倍以上異なる2種類のインクで記録する方式において、ハイライト部では低濃度のインクが使用されるためにドットの識別がしにくくなるが、本発明はかかる記録方式を採用した場合も適用できる。
【0116】
インクジェット記録方法において、記録方法としては、従来公知の各種の方式を用いることができ、その詳細はたとえば、インクジェット記録技術の動向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科学情報株式会社発行)に記載されている。
【0117】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾重量%を示し、添加量は各々インクジェット記録用紙1m2当たりの量を示す。
【0118】
実施例1
吸水性を有する厚さ180μmの紙支持体の記録面側に、下記の構成を有する層を、層−1、層−2の順に、それぞれの乾燥膜厚が3μm、20μmになるように塗布し乾燥して、本発明の記録用紙−1を得た。
【0119】
微粒子シリカ分散液(1):日本アエロジル工業株式会社製A300の80gを純水400ml中に添加し高速ホモジナイザーで分散した後、全量を純水で450mlに仕上げる。
【0120】
【化1】
【0121】
次に、上記記録用紙−1における〔層−1〕の親水性バインダー(1)の添加量、および固体微粒子(1)の添加量を表1のように変更した以外は記録用紙−1と同様にして記録用紙−2〜5を作成した。
【0122】
次に、得られた各記録用紙について以下の項目を評価した。
【0123】
▲1▼塗布後のひび割れ:100cm2あたりのひび割れ数を調べた。
【0124】
▲2▼インク吸収性:イエロー、マゼンタ、シアンの3色を記録した記録用紙を、室温下(20℃、50%RH)に20秒間放置した後、記録面に各々の記録用紙の裏面を重ね合わせ、10cm2あたり5gの荷重をかけ30秒間保持した時、インクが反対側の記録面に付着するか否かで判断した。
【0125】
○ 全く付着しない
× 明らかに付着する
△ 痕跡状態で付着する
▲3▼支持体とインク吸収層の接着性:カッターナイフで記録面側より縦横に5mm間隔の格子状切り込みを入れた後、記録面に粘着テープを貼り、剥がし、格子100個あたりのインク吸収層のはがれ数で判断した。
【0126】
○ はがれ数が10未満
× はがれ数が31以上
△ はがれ数が10〜30
▲4▼光沢度:75度鏡面光沢度を調べた。
【0127】
得られた結果を表1に示す。
【0128】
【表1】
【0129】
表1の結果から、本発明の記録用紙−1、2は高い皮膜強度、良好なインク吸収性、良好なインク吸収層と支持体の接着性、良好な光沢性を有していることがわかる。これに対して、比較例の記録用紙−3は固体微粒子の添加量が過多であり、支持体との接着性、塗膜のひび割れが低下しており、また、比較例の記録用紙−4、5は固体微粒子の添加量が少なすぎるか、または無添加であるためインク吸収性が劣化していることがわかる。
【0130】
実施例2
実施例1の記録用紙−1において、〔層−2〕の乾燥膜厚が4μmになるように変更した以外は実施例1と同様にして記録用紙−6を作成し、実施例1と同様にして評価した。
【0131】
実施例1の記録用紙−1において、〔層−2〕の乾燥膜厚が40μmになるように変更した以外は実施例1と同様にして記録用紙−7を作成し、実施例1と同様にして評価した。
【0132】
得られた結果を表2に示す。
【0133】
【表2】
【0134】
表2の結果から、比較例の記録用紙−6は第2のインク吸収層の乾燥膜厚が薄すぎ、インク吸収性と光沢が低下しており、比較例の記録用紙−7は第2のインク吸収層の乾燥膜厚が厚すぎ、塗膜のひび割れが発生している。
【0135】
実施例3
実施例1の記録用紙−1における〔層−2〕のポリビニルアルコールの重量を表3のように変更した以外は記録用紙−1と同様にして記録用紙−8〜11を作成し、実施例1と同様に評価した。
【0136】
得られた結果を表3に示す。
【0137】
【表3】
【0138】
表3の結果から、本発明の空隙層中のポリビニルアルコールに対する微粒子の重量比が3〜8の範囲である記録用紙−9、10は特に優れていることがわかる。
【0139】
実施例4
実施例1において、〔層−1〕の乾燥膜厚が表4になるように変更した以外は実施例1の記録用紙−1と同様にして記録用紙−12〜15を作成し、実施例1と同様にして評価した。
【0140】
得られた結果を表4に示す。
【0141】
【表4】
【0142】
表4の結果から、本発明の記録用紙−12〜15は皮膜強度、インク吸収性、インク吸収層と支持体の接着性、光沢性ともに良好であるが、第1のインク吸収層の乾燥膜厚が0.5〜5μmの範囲である記録用紙−13、14は特に優れていることがわかる。
【0143】
【発明の効果】
本発明の構成により、インク吸収性、インク吸収層と支持体との接着性、光沢性共に良好であり、皮膜強度も高いインクジェット記録用紙が得られた。
Claims (5)
- 厚さが160μm以上の吸水性支持体上に、乾燥膜厚が0.5〜5μmであって、親水性バインダーおよび親水性バインダーに対して重量比で0.5〜2.5倍の固体微粒子を含有する第1のインク吸収層および、乾燥膜厚が20〜30μmであって、平均粒径が100nm以下の微粒子と親水性バインダーを含有し、親水性バインダーに対する微粒子の量が重量比で3〜8である、空隙層を有する第2のインク吸収層をこの順に設けたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
- 前記第2のインク吸収層が含有する微粒子が、平均粒径が30nm以下の平均粒径を有する微粒子の2次凝集粒子であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記第2のインク吸収層が含有する微粒子が、気相法により合成されたシリカであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記親水性バインダーがポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記空隙層が硬膜剤により硬膜されていることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録用紙。
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