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JP3756906B2 - デニム生地の加工方法および該方法によって加工されたデニム生地 - Google Patents

デニム生地の加工方法および該方法によって加工されたデニム生地 Download PDF

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本発明はデニム生地の加工方法および該方法によって加工されたデニム生地に関する。
ブルージーンズに使用されるデニム生地はインジゴ染料によって濃紺に染色された太番手綿糸をタテ糸に、未染色の白い太番手綿糸(生糸)をヨコ糸に用いて形成され、綾組織構造を有する。例えば、代表的な綾組織である「3/1綾」では表面にタテ糸染色糸が75%、ヨコ未染色白糸が25%現れて生地の表面に斜めの綾線模様を形成する。また例えば、「2/1綾」では同様に表面にタテ染色糸が67%、ヨコ未染色糸が33%現れて斜めの綾線模様を形成する。織り上げられたデニム生地はこのあと防縮加工工程でタテ方向に約14%、ヨコ方向に約6%縮められるために表面に現れるヨコ糸(生糸)が少なくなり、斜めの綾線が見えにくくなる。さらにジーンズなどの製品に縫製されたあと、デニム生地は洗濯によってタテ方向及びヨコ方向に収縮し、織上がりからではタテ方向に約16%、ヨコ方向に約8%収縮して表面に現れるヨコ糸(生糸)が非常に見えにくい状態になり、斜めの綾線がさらに見えにくくなる。
ブルージーンズのユーザーからのデニム生地に対する品質要求は常に時代と共に変化するが、現在、特に以下の事項が求められている;
(1)表面に明瞭な綾線が現れていること、
(2)洗濯後の生地がしわになりにくくフラットな外観、および
(3)綿のドライでソフトな自然な風合いと軽量感。
これらの要求に対応するために従来からいろいろな方法がおこなわれている。特に(1)の洗い後に綾線が明瞭に現れるようにするために、使用する糸を変化させたり織り規格を変化させたりする方法も行われているが、生地の加工工程でも従来から次のような方法が行われている。
(i)樹脂加工
デニムに形態安定樹脂加工を施すことによって生地が収縮するのを抑制し、それによって洗い後のしわ防止や綾線の消失防止を行う。しかしながら、この方法では生地が硬化し強度低下を起こすという欠点がある。また、ソフトで自然な風合いが損なわれる欠点がある。さらに綾線の現れ方も不十分である。
(ii)シルケット加工(アルカリ処理、マーセル化)
生地を苛性ソーダ溶液に浸漬し綿繊維が膨潤して収縮しようとするところをタテ、ヨコに双方に緊張を与え、生地の繊維配列度および繊維密度を高める。それによって生地表面のフラット感と綾線の確保をする。詳しくは、綿織物のシルケット加工においては、生地を通常17%〜25%濃度の苛性ソーダ溶液に浸漬させた後、タテ方向およびヨコ方向に引っ張りながら20秒〜60秒間大気中に滞留させる。その後、水洗、湯洗、酸による中和および乾燥を行う。生地を浸漬するときの苛性ソーダ溶液の温度は低いほど効果があるとされるが通常は20℃前後で行われる。しかしながら、この方法では織物組織内の繊維密度が高まり生地に高密度感と重量感が出て軽量感に欠けると共にドライでソフトな自然の風合いが損なわれる。また綾線の明瞭さも不十分である。
(iii)液体アンモニア処理(液体アンモニアマーセル化)
生地を液体アンモニアに浸漬して綿繊維を膨潤させた後、タテ方向に引っ張ってタテ糸綿繊維の配列を高めるものである。しかしながら、この方法では風合いがソフトになり過ぎていわゆる腰がなくなり、さらにはドライな風合い(手触り感)に欠ける。またヨコ方向の収縮が大きく綾線の明瞭さも不十分である。
本発明は、表面に十分に明瞭な綾線が現れたデニム生地、および該デニム生地を提供可能なデニム生地の加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、表面に十分に明瞭な綾線が現れ、ドライでソフトな自然な風合いと軽量感とを有し、しわになりにくくフラットな外観を呈するデニム生地、および該デニム生地を提供可能なデニム生地の加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、デニム生地の表面のみを苛性ソーダ溶液により処理した後、デニム生地を該生地の少なくともタテ糸方向に緊張させながら大気中に滞留させることを特徴とするデニム生地の加工方法および該方法によって加工されたデニム生地に関する。
本発明の方法により、従来得ることができなかったようなインジゴデニムに要求される生地表面の明瞭な綾線と軽量感のあるドライでソフトな風合いを得ることができる。しかもこの外観と風合いは洗濯することによっても消失されにくい。さらに本発明の方法によって加工されたデニム生地はしわになりにくくフラットな外観を呈する。
本発明においてはまず、デニム生地の表面のみを苛性ソーダ溶液で処理する。
本発明で使用されるデニム生地は、パンツ(ジーパン)、ジャンパー(ジージャン)およびスカート等の衣類の生地として使用される、いわゆるブルージーンズである。デニム生地は、詳しくは、インジゴ染料によって染色された綿糸をタテ糸、未染色の綿糸(生糸)をヨコ糸としてあや織りしてなるものであり、染色されたタテ糸が比較的多く現れる表側の面(表面)と、未染色のヨコ糸が比較的多く現れる裏側の面(裏面)とを有する。デニム生地の表面において具体的にはタテ糸が斜め方向に畝(うね)をなして綾線を表し、各綾線の間にヨコ糸が現れて溝線を表し、全体として綾線模様が形成される。例えば、「3/1綾組織」の表面ではタテ糸染色糸が75%、ヨコ糸未染色白糸が25%現れ、そのような割合でもって全体として綾線模様が形成されている。また例えば、「2/1綾組織」の表面ではタテ糸染色糸が67%、ヨコ未染色白糸が33%現れ、そのような割合でもって全体として綾線模様が形成されている。
デニム生地は適度な撥水性を有していることが好ましい。デニム生地が適度な撥水性を有すると、苛性ソーダ溶液による生地表面のみの処理を有効かつ容易に行うことができる。すなわち、苛性ソーダ溶液が生地表面に塗布されても、はじかれずに生地表面を濡らすことができ、かつ当該溶液を生地内部にしみ込ませずに生地表面に留保できる。そのような適度な撥水性として、デニム生地表面に水滴を落としたときの水の接触角が30〜120°、特に45〜90°となるような撥水性を有していることが好ましい。撥水性が高すぎると苛性ソーダ溶液をはじいてしまい、苛性ソーダ溶液による処理を有効に行い難い。撥水性が低すぎると苛性ソーダ溶液が生地内部に浸透し、生地表面のみを処理しているにもかかわらず、結果として溶液が生地裏面にまで到達し易いため、本発明の効果が得られ難い。なお、本発明においてデニム生地は適度な撥水性を有しなければならないというわけではなく、本発明の目的が達成される範囲内であれば生地が有する撥水性は高すぎても低すぎてもよい。例えば、デニム生地の撥水性が高すぎる場合には、苛性ソーダ溶液に浸透剤を含有させるなどして、苛性ソーダ溶液の浸透性を調整して、苛性ソーダ溶液による生地表面のみの処理を有効に行うことができる。また例えば、デニム生地の撥水性が低すぎる場合には、苛性ソーダ溶液の塗布量を厳密に制御して、当該溶液が生地の裏面にまで到達しないような量とすることにより、苛性ソーダ溶液による生地表面のみの処理を有効に行うことができる。
デニム生地としてはデニム業界で従来より流通しているものが使用可能である。デニム生地の流通品は通常、軽い撥水性を有する。中でも、本発明において好ましい適度な撥水性を有するデニム生地としては、例えば、AIJ23629、AIJ29111、UDJ24907、RIJ26590(以上、倉敷紡績(株)社製)、SA901、ST7012(以上、須磨商事(株)社製)等が使用可能である。
本発明において、デニム生地を苛性ソーダ溶液で処理するに際しては、デニム生地の表面のみに苛性ソーダ溶液を塗布して作用させ、いわゆるマーセル化を行う。マーセル化はセルロースと苛性ソーダとからナトリウムセルロースが生成する反応であり、本発明においてセルロースは綿糸に由来する。本発明においては、このようにデニム生地表面のみに苛性ソーダ溶液を作用させ、裏面には作用させないため、表面に現れているタテ糸が苛性ソーダ溶液の作用を受け、マーセル化される。タテ糸が苛性ソーダ溶液の作用を受けてマーセル化されると、膨潤し、収縮しようとするが、その後、後述するような少なくともタテ糸方向の緊張を与えることによって個々のタテ糸の繊維密度が高まり、タテ糸が見かけ上、細くなる。一方、裏面に現れているヨコ糸は苛性ソーダ溶液の作用を受けず、元の生糸の状態を維持する。よって、表面においてタテ糸が占める領域の面積は小さくなり、それに伴ってヨコ糸が占める領域の面積は大きくなる。その結果、ヨコ糸(生糸)の白場、すなわち綾線間の溝線部分が見えやすくなり、綾線が十分に明瞭に現れるようになる。そのように繊維密度が高まって、細くなったタテ糸は水によって容易には元にもどらないので、本発明の方法によって加工されたデニム生地は洗濯後においても十分に明瞭な綾線を保持する。また生地の裏面は苛性ソーダ溶液の作用を受けないために、綿独特のドライでソフトな自然な風合い(手触り感)と軽量感とが維持され、そのような質感は洗濯した後にも保持され得る。さらに後述するような少なくともタテ糸方向の緊張によって表面に現れるタテ糸が有効に緊張されるため、生地表面のフラットな外観が達成される。また、生地の表面がマーセル化されるため形態安定効果が得られ、しわになりにくい。
デニム生地を苛性ソーダ溶液に浸漬するなどして、生地全体を苛性ソーダ溶液で作用させると、綾線の明瞭さは若干改善されるものの十分ではない。すなわち生地を構成する全ての糸、特にヨコ糸が苛性ソーダによる作用を受けて収縮するので、その後に緊張を与えても、苛性ソーダ溶液による処理前と比較して綾線間の溝線部分自体が細くなり、綾線が見え難くなると考えられる。また生地の裏面が苛性ソーダ溶液の作用を受けるので、綿独特のドライでソフトな自然な風合いが得られない。また生地組織内全体の繊維密度が高まり、生地に高密度感と重量感が出るために、軽量感が得られない。
苛性ソーダ溶液の苛性ソーダ濃度および温度は本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、デニム生地表面の綾線をより有効に明瞭にする観点から、濃度については15〜40重量%、好ましくは20〜25重量%が、温度については25℃以下、好ましくは10〜20℃、特に10〜15℃が望ましい。
デニム生地の撥水性が高すぎる場合に苛性ソーダ溶液に含有されることが好ましい浸透剤としては、例えば、マーセリンHSO(明成化学社製)、ネオレートCM-17(日華化学社製)等が挙げられる。浸透剤の含有量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常、溶液全体の0.05〜0.2重量%が好適である。
苛性ソーダ溶液のデニム生地に対する塗布量もまた本発明の目的が達成される限り特に制限されないが、通常、生地1mあたり50〜250g、好ましくは120〜180gである。
生地表面に苛性ソーダ溶液を塗布する方法としては、生地の表面にのみ、苛性ソーダ溶液を一定量で均一に塗布可能な方法であれば特に制限されない。例えば、いわゆるグラビアロールコーターによる方法、ブラッシロールコーターによる方法、キスロールコーターによる方法、インバースナイフコーターによる方法、ボトムフィードリバースロールコーターによる方法、エアードクターコーターによる方法、ワイヤーバーコーターによる方法等が挙げられる。中でも、取扱いが容易で安定した品質が得られる観点から、グラビアロールコーターによる方法を採用することが好ましい。
苛性ソーダ溶液をデニム生地の表面のみに塗布した後は、デニム生地を該生地の少なくともタテ糸方向に緊張させながら大気中に滞留(保持)させる。苛性ソーダ溶液処理によって膨潤・収縮しているタテ糸を緊張させ保持することによって、個々のタテ糸の繊維密度を有効に高めてタテ糸を見かけ上、細くする。本発明においてはその後、緊張を解いた後もタテ糸は細いままの状態を確保できる。これはタテ糸がマーセル化によって改質されていることに基づくものと考えられる。
緊張方向はデニム生地の少なくともタテ糸方向(タテ方向)であり、ヨコ糸方向(ヨコ方向)にも併せて緊張させてもよい。本発明においては表面の綾線をより明瞭にする観点から、タテ方向およびヨコ方向の両方向に緊張させることが好ましい。
緊張の程度は、本発明の目的が達成される限り特に制限されないが、緊張の度合いが大きければ大きいほど綾線が明瞭になる。
大気中の滞留時間は本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は10〜60秒間、特に30〜60秒が好ましい。
本発明の方法においては、前記苛性ソーダ溶液処理を均一に行う観点から、少なくともタテ糸方向の緊張は苛性ソーダ溶液処理時からデニム生地に付与しておくことが好ましい。
大気中に滞留・保持した後は、通常、続いて水洗処理、中和処理を行う。水洗処理の後、中和処理の前に、湯洗処理を行っても良い。
水洗処理は、生地を水中に浸漬して洗浄する処理であり、これによって生地に付着する苛性ソーダ成分を除去する。水温は特に制限されず、通常は常温である。
湯洗処理は、水温を40〜60℃に設定すること以外、上記水洗処理と同様の処理であり、これによって生地に残存する苛性ソーダ成分を除去する。
中和処理は、生地を酸性水溶液中に浸漬する処理であり、これによって生地に残存する苛性ソーダ成分を完全に除去する。酸性水溶液は水に酸性物質を溶解してなるものである。酸性物質としては、例えば、ギ酸、酢酸、マレイン酸などが使用可能である。
本発明の方法によって加工されたデニム生地はこのような水を用いた処理を行ってもほとんど縮むことがなく、表面の明瞭な綾線を維持する。本発明の方法によって加工されていない、織りあがった直後のデニム生地を、水を用いた処理に供すると、タテ方向およびヨコ方向の収縮によって表面の綾線は不明瞭になる。
水洗処理、湯洗処理および中和処理を組み合わせて行うに際しては、例えば、シルケット加工機((株)山東鉄工所製)が適しているが、通常のオープン式連続水洗機((株)小松原鉄工所製)でもよい。
以上のような本発明の加工処理の前または後において公知の加工処理をデニム生地に施してもよい。公知の加工処理としては、例えば、毛焼き処理、湯通し処理、ねじれ防止処理、防縮処理、および防水処理等が挙げられる。中でも、毛焼き処理、湯通し処理は、本発明の一連の加工処理の前、すなわち苛性ソーダ溶液処理の前に行っておくことが好ましい。ねじれ防止処理、防縮処理は、デニム生地を緊張させながら滞留させた後、好ましくは前記中和処理を行い、乾燥させた後で、行うことが好ましい。以下、これらの処理について簡単に説明する。デニム生地の撥水性が低すぎる場合は、適度な撥水性を生地に付与するように、苛性ソーダ溶液処理の前に防水処理を行うことが好ましい。
毛焼き処理は生地表面の毛羽を焼いて除去し平滑にし、生地組織を鮮明にして見栄えを整えるための処理であり、詳しくは、熱板式、電熱式またはガス炎式の毛焼き機を用いて毛焼きする。本発明の一連の加工処理の前に毛焼き処理を行っておくことにより、本発明の処理を生地表面に対してムラなく、より均一に行うことができ、生地表面の綾線をより明瞭にすることができる。
湯通し処理は生地を柔軟にするための処理であり、詳しくは各種柔軟剤の温水溶液を生地に吸収させ乾燥させる。本発明の一連の加工処理の前に湯通し処理を行っておくことにより、本発明の処理を生地表面に対してムラなく、より均一に行うことができる。
ねじれ防止処理は、生地の出荷に先だって生地をねじっておくことにより出荷後の洗浄でそれ以上ねじれないようにする処理である。例えば、公知のスキュー加工装置または斜行修正装置を用いればよい。
防縮処理は、生地の出荷に先だって生地を予めある程度、縮めておくことにより出荷後の洗浄による縮みを小さくする処理である。例えば、公知の防縮加工機を用いればよい。本発明の方法によって加工されたデニム生地はこのような防縮処理を行っても表面の明瞭な綾線を維持する。
防水処理は、生地を構成する糸が水分を含浸するのを防止するための処理である。防水処理は、生地を防水剤溶液に浸漬し、絞った後、乾燥すればよい。防水剤は従来から生地の防水処理に使用されている公知の防水剤が使用可能であり、中でもパラフィン系のものを使用することが好ましい。溶液中の防水剤濃度は生地に防水性を付与できれば特に制限されず、通常、30〜60g/lが適当である。
本発明においては適宜、乾燥を行ってもよい。乾燥はいかなる方法によって行われてよく、通常、いわゆるシリンダー乾燥が行われる。
織りあがったデニム生地(AIJ23629;倉敷紡績(株)社製、生地重量440g/m2 3/1綾組織)を毛焼きした後、湯通しして乾燥させた。グラビアロールコーターを使用して上記のデニム生地の表面(接触角70°)のみに、液温を15℃に調整された23%苛性ソーダ溶液を、生地面積1m2あたり120g塗布した。その後、クリップ式テンターおよび連続ロール機でタテ、ヨコ両方に緊張を与え乍ら大気中を50秒間通過させた。続いて水洗および酸中和を行ないシリンダー乾燥した。乾燥された生地に対して次に通常のねじれ防止加工および防縮加工を行った。
織りあがったヨコストレッチデニム生地(UDJ24907;倉敷紡績(株)社製、生地重量320g/m2 2/1綾組織)を毛焼き、湯通しして巾を狭めた後乾燥させた。その後熱処理して巾をセットした生地の表面(接触角70°)のみに、グラビアロールコーターを使用して、液温を15℃に調整された23%苛性ソーダ溶液を、生地面積1m2あたり110g塗布した。その後、ローラー式連続機でタテ方向に緊張を与え乍ら大気中を40秒間通過させた。続いて水洗および酸中和を行ないシリンダー乾燥した。乾燥された生地に対して次に通常のねじれ防止加工および防縮加工を行った。
比較例1
デニム生地の表面のみに苛性ソーダ溶液を塗布する代わりに、デニム生地を苛性ソーダ溶液に浸漬してデニム生地全体を処理したこと以外、実施例1と同様の方法でデニム生地の加工処理を行った。生地面積1m2あたりの苛性ソーダ溶液含有量は350gであった。
上記実施例および比較例で得られたデニムを目視により観察したところ、実施例1および2で得られたデニムは、比較例1で得られたデニムと比べ明瞭な綾線が現れていた。これらのデニムを家庭用洗濯機により1回水洗したところ、実施例1および2で得られたデニムは比較例1で得られたデニムより明瞭な綾線が残っていた。
また実施例1および2で得られたデニムは比較例1で得られたデニムと比べて軽量感のあるドライでソフトな風合いが得られていた。
実施例1および比較例1で得られたデニム、湯通し普通加工デニムならびに未加工デニムの表面に現れたヨコ糸(生糸)の白場の比率を比較するために島津製作所製測色機(UV-3100)によって生地表面の光の反射率を測定した(波長380〜780nm)。湯通し普通加工デニムは、毛焼き、湯通しおよび乾燥処理したデニム生地を、苛性ソーダ溶液処理等に供することなく、防縮加工処理したこと以外、実施例1と同様の方法によって加工されたデニムである。未加工デニムは実施例1で使用したのと同様の織り上がり直後のデニムである。
未加工デニム 7.9%
湯通し普通加工デニム(洗濯前) 7.5%
比較例1で得られたデニム(洗濯前) 7.8%
実施例1で得られたデニム(洗濯前) 9.6%
湯通し普通加工デニム(1回洗濯後) 7.0%
比較例1で得られたデニム(1回洗濯後) 7.5%
実施例1で得られたデニム(1回洗濯後) 8.6%
この結果からも明らかなように、比較例1で得られたデニムおよび湯通し普通加工デニムと比べて本発明の方法で加工されたデニムは洗濯前でも洗濯後でも光の反射率が大きくて表面に現れているヨコ糸の白場が多くなっていることがわかる。すなわち、本発明の方法で加工されたデニムは比較例1で得られたデニムおよび湯通し普通加工デニムと比べて表面の綾線が明瞭である。

Claims (3)

  1. デニム生地の表面のみを苛性ソーダ溶液により処理した後、デニム生地を該生地の少なくともタテ糸方向に緊張させながら大気中に滞留させることを特徴とするデニム生地の加工方法。
  2. 苛性ソーダ溶液の濃度が15%〜40%であることを特徴とする請求項1に記載のデニム生地の加工方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法によって加工されたデニム生地。



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