JP3756385B2 - 複合杭及びその施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複合杭及びその施工方法に係り、特に大型橋脚等の基礎構造としての複合井筒基礎に適用可能な、場所打ち杭と鋼管矢板(鋼管杭)とからなる複合杭の継手部において十分な強度、耐力が得られるようにした複合杭及びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型の橋脚基礎に適用可能な複合井筒基礎として複合杭を用いた井筒基礎が出願人の一によって提案されている(特開平9−256356号公報参照)。この複合井筒基礎は、異種杭を上下方向に連結して構成した複合杭を、円形、小判形等の所定の基礎形状となるように、平面的に連続して造成して構築されている。個々の複合杭は、たとえば上部杭が大口径の鋼管矢板で、下部杭が鋼管杭と同等の直径あるいは鋼管杭より大きな外径の場所打ちコンクリート杭とから構成されている。また、上部杭と下部杭とはその鉛直継手部(以下、単に継手部と記す。)において杭体の応力が確実に伝達されるように設計されている。
【0003】
図6は、前述した井筒基礎に用いられる複合杭50の継手部51の構成を模式的に示した部分構造図である。同図に示したように、継手部51には重ね継手構造が採用されている。すなわち、この重ね継手構造では、下部杭側の場所打ちコンクリート杭61の主筋62上端の継手筋63が、上部杭側のコンクリートが充填される鋼管矢板52側に所定の継手長L0だけ延在している。この継手筋63と鋼管内面52aとの間にコンクリート64を介した付着を考慮することで、上下の杭体の一体化を図っている。このとき、鋼管内面52aとコンクリート64との間に十分な付着が得られるように、鋼管内面52aの全面に螺旋状の連続突起(図示せず)が形成された公知のスパイラル鋼管、中リブ付き鋼管等が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6に示したような複合杭では、上部杭としての鋼管矢板あるいは鋼管杭の直径に対して下部杭としての場所打ちコンクリート杭の直径が大きく設定され、鉛直継手部において直径の段差部が生じている。このため、この部分で杭材種及び杭断面積が変化し、杭体としての曲げ剛性、強度が急変する。このため、継手部が複合杭の構造弱部となることが予想される。
【0005】
すなわち、単杭としての鋼管杭を所定ピッチをあけて平面的に多数打設して構成した多柱基礎や、鋼管矢板を平面的に連続させた複合井筒基礎のように、基礎底面全体で作用荷重に抵抗する場合、地震時に大きな水平方向力が上部構造に作用することにより下部構造には曲げモーメントが作用する。この曲げモーメントが過大な場合、基礎底面の一部に引張力が生じる。この場合、引張領域に配置された複合杭に作用する引張力により継手部が上下に分離しないようにすることが特に重要である。
【0006】
また、上述した複合井筒基礎では、たとえば中間砂礫層等が介在するような地盤での施工では、上部の鋼管矢板の打設範囲を比較的打設の容易な地盤深さまでとし、砂礫層以深に対しては場所打ち杭を施工する方法をとるようにして、工期短縮、コスト低減等を図っている。ところが、地層境界面近傍では、地震時における水平方向の地盤の振動挙動が大きく異なる。地層境界面に大きな水平方向せん断力が作用し、従来の鉛直継手構造では、鋼管矢板と場所打ち杭との構造変更点が構造的弱部となりやすい。したがって、地層境界面で杭構造を変更するためにはこの位置において、地震時の水平方向せん断力に対して十分なせん断抵抗性を確保する必要がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、上部杭としての鋼管コンクリート杭と下部杭としての場所打ちコンクリート杭とからなる複合杭において、確実に継手部でのせん断強度、耐力を確保できるようにした複合杭及びその施工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は 鋼管杭からなる上部杭と、場所打ちコンクリート杭からなる下部杭とを継手部で鉛直方向に接合して内部に中詰めコンクリートが充填されてなる複合杭において、前記継手部は、前記場所打ちコンクリート杭内に配筋される主筋上端に添接された継手鋼管が前記鋼管杭と場所打ちコンクリート杭とにそれぞれ所定の付着強度を確保可能な継手長だけ重なるように配置され、前記継手鋼管の外周面と前記鋼管杭の内周面との間に、前記中詰めコンクリートと異なるセメント硬化充填材が充填されたことを特徴とする。
【0009】
隣接する鋼管矢板との間に水平継手が形成される鋼管矢板からなる上部杭と、場所打ちコンクリート杭からなる下部杭とを継手部で鉛直方向に接合して内部に中詰めコンクリートが充填されてなる複合杭において、前記継手部は、前記場所打ちコンクリート杭内に配筋される主筋上端に添接された継手鋼管が前記鋼管矢板と場所打ちコンクリート杭とにそれぞれ所定の付着強度を確保可能な継手長だけ重なるように配置され、前記継手鋼管外周面と前記鋼管矢板内周面と間に、前記中詰めコンクリートと異なるセメント硬化充填材が充填されたことを特徴とする。
【0010】
前記継手鋼管の一部に、鉄筋の先端に所定寸法のプレートを固着した端部加工筋からなる引張抵抗部材が設けることが好ましい。
【0011】
そのの施工方法として、地中所定深さまで打設された鋼管杭の下側に場所打ちコンクリート杭孔を掘削し、該孔内に継手鋼管が主筋上端に添接された鉄筋かごを挿入し、前記鋼管杭及び前記場所打ちコンクリート杭の継手位置に前記継手鋼管を配置し、中詰めコンクリートを前記場所打ちコンクリートと前記継手鋼管の天端近傍まで打設し、次いで該継手鋼管の外周部分と前記鋼管杭の内周部分との間に、前記中詰めコンクリートと異なるセメント硬化充填材を充填し、再度前記鋼管杭内に前記中詰めコンクリートの打設を行うようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、地中所定深さまで打設された鋼管矢板の下側に場所打ちコンクリート杭孔を掘削し、該孔内に継手鋼管が主筋上端に添接された鉄筋かごを挿入し、前記鋼管矢板及び前記場所打ちコンクリート杭の継手位置に前記継手鋼管を配置し、中詰めコンクリートを前記場所打ちコンクリートと前記継手鋼管の天端近傍まで打設し、次いで該継手鋼管の外周部分と前記鋼管矢板の内周部分との間に、前記中詰めコンクリートと異なるセメント硬化充填材を充填し、再度前記鋼管矢板内に前記中詰めコンクリートの打設を行うようにしたことを特徴とする。
【0013】
このとき前記継手鋼管は、前記セメント硬化充填材の注入用鋼管が、該継手鋼管の外周部分と前記鋼管杭の内周部分との間の継手位置に設置することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複合杭及びその施工方法の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
まず、上部杭としての鋼管コンクリート杭(鋼管矢板)と下部杭としての場所打ちコンクリート杭とからなる複合杭の構成について、図1〜図3を参照して説明する。なお、図面及び以下の説明では、複合杭を単杭として取り扱って説明するため、上部杭としてJIS A 5525、SKK400、SSK490に規定されている鋼管杭をベースとした鋼管を用いた例をもとに以下の説明を行うが、上述した複合井筒構造のために使用する鋼管矢板(たとえばJIS A 5530、SKY400、SKY490)についても、まったく同様の継手構造を実現できることはいうまでもない。
【0015】
図1において、符号10は、たとえばアースドリル工法、リバース工法あるいはケーシング工法等の公知の施工方法によって造成された場所打ちコンクリート杭の上端部を示している。このコンクリート杭10は本実施の形態では、直径φc=2000mmに設計され、下端は図示しない支持地盤に所定の根入れ長分だけ貫入させて施工されている。また、中詰めコンクリート4で満たされたコンクリート杭10内には所定鉄筋量の主筋11と、この主筋11を保持するように配筋された帯鉄筋12とがかご状に組み立てられてなる鉄筋かご13が上下方向に所定の継手部(図示せず)を形成して連接されている(図2(d)参照)。
【0016】
一方、場所打ちコンクリート杭10の上側には上部杭としての鋼管杭20が下部杭と構造的に一体的となるように接合されている。この鋼管杭20には、本実施の形態では、直径φs=1600mm、肉厚t=16mmの内面にリブ20aが形成されたリブ付きスパイラル鋼管(以下、リブ付き鋼管と記す。)が採用されている(図2(a)参照)。この鋼管杭20は、単杭の場合は、継手部より上方の設定杭頭位置まで、複合井筒基礎の場合は、締切工として利用される場合は所定水位以上までの杭長分が地盤内に埋設されている。なお、リブ付きスパイラル鋼管は、公知のリブ付き圧延帯鋼板を所定の角度で螺旋状に巻き上げて所定直径に造管した特殊鋼管であり、内部に充填されるコンクリートとの高い一体性が確保できる。
なお、場所打ちコンクリート杭10の直径は、使用する鋼管杭20の直径に対応させて一定の比率で変化させることが好ましいが、地盤条件によっては、両者の直径が等しくなるように、あるいは場所打ちコンクリート杭の直径は、上記値より大きく(たとえば(φc=2500mm)程度に設定することも可能である。
【0017】
さらに、場所打ちコンクリート杭10内の鉄筋かご13の主筋11の上端には外径φi、長さLの継手鋼管30が固着されている。この継手鋼管30は同図に示したように、全長Lの下半部Lcが場所打ちコンクリート杭10内に、上半部Lsが鋼管杭20内に位置し、下半部に鉄筋かご13の主筋11が溶接接合されている(図2(c)参照)。
【0018】
図2各図は、上述した継手構造近傍の断面形状を模式的に示した横断面図である。図2(b)に示したように、継手鋼管30の周面には3本のスペーサ15が配設されており、継手鋼管30が上部杭の鋼管杭20内において同心状に配管されるようになっている。
【0019】
また、この継手鋼管30と鋼管杭20との間の円筒形状部分には、本実施の形態ではセメント硬化充填材としてのモルタル2が充填されている(図2(b)参照)。このモルタル2の打設方法は、図5を参照して後述する。さらに継手鋼管30内及びリブ付き鋼管20内には場所打ちコンクリート杭10の中詰めコンクリート4と同等強度を有する中詰めコンクリート5が充填されている。特にリブ付き鋼管20内では鋼管の内周に形成されているスパイラル状(螺旋状)のリブ21により中詰めコンクリート5と鋼管杭20との一体化が図られている。なお、セメント硬化充填材としては、普通モルタル、高強度モルタル、コンクリート等を適宜使用することができる。
【0020】
以上の構成において、継手鋼管30の直径φsはリブ付き鋼管20の内周面とのクリアランスCが100mm以上となるように設定することが好ましい。また、全長Lは、付着力の確保のための必要長以上に設定されている。全長Lのうち、Lsは上部の鋼管コンクリート杭内での継手長、Lcは場所打ちコンクリート杭内での継手長である。このとき、継手強度として上部の鋼管コンクリート杭と同程度の強度を必要とする場合にはLsは、Ls=1.5×φi程度とすることが好ましい。発生応力が小さいと予想される場合には、上式以下に低減することも可能である。Lcも同様に継手部での応力をもとに算定するが、継手鋼管30下部が場所打ちコンクリート杭10の主筋11の上端に溶接によって固着されている。この部分の主筋11はさらに帯鉄筋12aによって補強されている。継手鋼管30と主筋11との溶接が、必要十分な強度を有している場合には、12aを省略することもできる。Lcとしては、継手位置が地層境界面の場合には、鋼管杭の直径φsに対して、Lc=2〜3×φs、同一地層内ではLc=〜1.5×φs程度とする。発生応力が小さいと予想される場合には、上式の値以下に低減することも可能である。継手鋼管30の肉厚は、発生応力に対応して設定することになるが、鋼管杭20の厚さと同等あるいはそれより厚く設定することが好ましい。
【0021】
図3各図は、継手構造部分に設けられた引張抵抗部材31の構成について示した部分構成図である。前述したように、地震時に複合杭に引張力が生じた場合、継手鋼管30を介して上下の杭体の一体化を図る必要がある。そこで、本発明では必要に応じて図3各図に示したような引張抵抗部材31を付加するようにしている。なお、図3の各図において、図の簡単化のために上部杭としての鋼管内面のリブは表示していない。
【0022】
図3(a)は、継手鋼管30の上端部分に引き抜き防止鉄筋32を配筋した例を示している。同図に示したように、引き抜き防止鉄筋32は異形鉄筋の先端に所定寸法のプレート33を固着した端部加工鉄筋で、たとえば、商品名「Tヘッドバー」として知られた端部加工鉄筋を使用できる。この種の端部加工鉄筋は、従来のフック状に曲げ加工された通常の異形鉄筋に比べて高い引き抜き抵抗性を示す。なお、本実施の形態では、継手鋼管30の外周に沿って8本の引き抜き防止鉄筋32を溶接接合したが、想定する引張力に対して必要な本数を配筋すればよい。
【0023】
図3(b)は、継手鋼管30の上部の外周に複数本の引き抜き抵抗バンド34を固着した例を示している。同図に示したように、引き抜き抵抗バンド34は、所定幅の帯鋼板を継手鋼管30の周囲に複数列に巻回して溶接止めし、継手鋼管30の外周面の付着抵抗を増加させることにより継手鋼管30での引き抜き抵抗性を高めたものである。
【0024】
図3(c)は、継手鋼管30として、鋼管杭20に使用したものと同様の構成のリブ付き鋼管を使用した例を示している。継手鋼管30内面のリブ30aの作用により、継手鋼管30内に充填されたコンクリートとの一体化が図られ、これにより高い引き抜き抵抗性を示す。なお、以上に述べた各引張抵抗部材を複数併用することも有効である。
【0025】
以上の構成からなる複合杭の施工手順について説明する。まず鋼管杭20を対象地盤の所定深さまで公知の打設方法により埋設し、鋼管内の土砂を取り除き、この鋼管内を挿通した状態で、拡径可能な掘削へッドを備えた掘削装置を鋼管下側に配備し、鋼管下方に向けて所定外径の場所打ち杭孔の掘削を行う。この掘削孔は、掘削工法に応じてケーシングや、泥水で孔壁の安定を図る。掘削孔下端が支持層内に所定深さだけ到達した段階で鉄筋かご13を泥水中に沈設していく。このとき最上段の鉄筋かご13の上部には上述した継手鋼管30を溶接しておき、鉄筋かごの最終設置段階で、継手鋼管30が上部の鋼管杭20と場所打ちコンクリート杭10とに所定の重なり量となる位置に調整する。なお、この継手鋼管30の外周面には注入用鋼管35が取り付けられており、この注入用鋼管35の上端に注入用ホース37を連結した状態で鉄筋かご13を孔内の所定位置に設置する(図4参照)。
【0026】
次に、場所打ちコンクリート杭10の中詰めコンクリート4、継手鋼管30の外周位置のセメント硬化充填材としてのコンクリートまたはモルタル2及びリブ付き鋼管20内の中詰めコンクリート5の打設を行う施工手順について図4、図5を参照して説明する(以下、セメント硬化充填材としてモルタルを使用した例について説明する。)。
図4は、継手鋼管30の外周位置にモルタル2(図5(c)参照)を注入するための注入鋼管35の取り付け状態を示した継手構造の断面図である。同図に示したように、継手鋼管30の外周位置には3本の注入用鋼管35が継手鋼管30の外周面に沿って等間隔をあけて溶接接合されている。各注入用鋼管35の上端はわずかに内方に屈曲され、ジョイント金物36を介して地上からの注入用ホース37に接続されている。図示したように注入用鋼管35を直接継手鋼管30の外周面に固着することにより、より大きな管径の鋼管を使用することができる。なお、地上から延設された注入用ホース37を図示しない取付金具を介して継手鋼管30の外周面に取り付けるようにし、この状態で継手鋼管30を鉄筋かご13に取り付けるようにしてもよい。
【0027】
以下、中詰め用コンクリート4,5及び継手部補強用のモルタル2の注入手順について図5各図を参照して説明する。
図5(a)には、図示しない地上のコンクリートポンプから延設されたトレミー管7の下端が、継手鋼管30内を通って場所打ちコンクリート杭10内の所定深さまで配管された状態が示されている。この状態で場所打ちコンクリート杭10内には、中詰めコンクリート4がトレミー管7を介して打設されている。この状態からコンクリート打設に合わせて、継手鋼管30内のコンクリート天端面4a位置の変化を逐次確認し、コンクリート天端面4aが継手鋼管30天端直前の高さとなった時点でコンクリート打設を一時中止する(図5(b)参照)。次いで、モルタル注入用鋼管35を介して、継手鋼管30の外周と鋼管杭20内周との間にセメント硬化充填材2を注入する。このセメント硬化充填材2の注入作業において、各注入鋼管35からの吐出量を調整し、モルタル面2aの上昇が全周にわたりほぼ均等になるようにする。このモルタル面2aが継手鋼管30の頂部を超えると、モルタル2の一部は継手鋼管30内の中詰めコンクリート4の天端に溢れ出る(図5(c)参照)。このことが確認できたら、図5(d)に示したように、再度トレミー管7から中詰めコンクリート5を打設し、継手鋼管30を介して供給されるコンクリートを鋼管杭20内に充填する。
【0028】
上述したような中詰めコンクリート4,5及びモルタル2の打設手順をとることにより、継手構造部分に泥分、中詰めコンクリートのレイタンス等を残さないようにして高強度のモルタルを確実に充填することができる。モルタルあるいはコンクリート等のセメント硬化充填材を高強度配合とすれば、継手強度が確実に確保できるので、材齢28日試験体強度としてσ=40N/mm2以上が得られる配合を設定することが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
以上に述べたように、複合杭において、鋼管杭下端と場所打ちコンクリート杭との接続に継手鋼管を用い、さらにその周囲に、コンクリートやモルタル等のセメント硬化充填材を充填したことにより、高強度の継手構造を実現することができ、複合杭、複合矢板構造に引張力等の作用した場合にも、十分な耐力を発揮することができる。
【0030】
また、鋼管杭を堅固な支持層深く打設する必要がなく、工期、工費の低減や施工精度の向上や杭体の破損を防止することができる。
【0031】
さらに、上述したように上部杭として鋼管矢板を用いた場合、隣接する鋼管矢板との間に水平継手を形成するとともに、隣接する下部杭の一部が平面的に重なる外径に場所打ちコンクリート杭を造成し、所定の基礎平面形状に前記複合杭を造成することにより、継手構造において十分な構造耐力を有する大型の複合井筒基礎を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合杭の一実施の形態を示した部分断面図。
【図2】図1に示したIIa-IIa〜IId-IId断面線の各断面図。
【図3】継手鋼管の上端に設けられる引張抵抗部材の例を示した部分断面図。
【図4】注入用鋼管の配置状態の一例を示した部分断面図。
【図5】中詰めコンクリート、セメント硬化充填材の注入手順を示した施工順序図。
【図6】従来の複合杭の一例を示した部分断面図。
【符号の説明】
2 セメント硬化充填材
4,5 中詰めコンクリート
7 トレミー管
10 場所打ちコンクリート杭
13 鉄筋かご
20 鋼管杭
30 継手鋼管
31 引張抵抗部材
35 モルタル注入用鋼管
Claims (6)
- 鋼管杭からなる上部杭と、場所打ちコンクリート杭からなる下部杭とを継手部で鉛直方向に接合して内部に中詰めコンクリートが充填されてなる複合杭において、前記継手部は、前記場所打ちコンクリート杭内に配筋される主筋上端に添接された継手鋼管が前記鋼管杭と場所打ちコンクリート杭とにそれぞれ所定の付着強度を確保可能な継手長だけ重なるように配置され、前記継手鋼管の外周面と前記鋼管杭の内周面との間に、前記中詰めコンクリートと異なるセメント硬化充填材が充填されたことを特徴とする複合杭。
- 隣接する鋼管矢板との間に水平継手が形成される鋼管矢板からなる上部杭と、場所打ちコンクリート杭からなる下部杭とを継手部で鉛直方向に接合して内部に中詰めコンクリートが充填されてなる複合杭において、前記継手部は、前記場所打ちコンクリート杭内に配筋される主筋上端に添接された継手鋼管が前記鋼管矢板と場所打ちコンクリート杭とにそれぞれ所定の付着強度を確保可能な継手長だけ重なるように配置され、前記継手鋼管外周面と前記鋼管矢板内周面と間に、前記中詰めコンクリートと異なるセメント硬化充填材が充填されたことを特徴とする複合杭。
- 前記継手鋼管の一部に、鉄筋の先端に所定寸法のプレートを固着した端部加工筋からなる引張抵抗部材が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の複合杭。
- 地中所定深さまで打設された鋼管杭の下側に場所打ちコンクリート杭孔を掘削し、該孔内に継手鋼管が主筋上端に添接された鉄筋かごを挿入し、前記鋼管杭及び前記場所打ちコンクリート杭の継手位置に前記継手鋼管を配置し、中詰めコンクリートを前記場所打ちコンクリートと前記継手鋼管の天端近傍まで打設し、次いで該継手鋼管の外周部分と前記鋼管杭の内周部分との間に、前記中詰めコンクリートと異なるセメント硬化充填材を充填し、再度前記鋼管杭内に前記中詰めコンクリートの打設を行うようにしたことを特徴とする複合杭の施工方法。
- 地中所定深さまで打設された鋼管矢板の下側に場所打ちコンクリート杭孔を掘削し、該孔内に継手鋼管が主筋上端に添接された鉄筋かごを挿入し、前記鋼管矢板及び前記場所打ちコンクリート杭の継手位置に前記継手鋼管を配置し、中詰めコンクリートを前記場所打ちコンクリートと前記継手鋼管の天端近傍まで打設し、次いで該継手鋼管の外周部分と前記鋼管矢板の内周部分との間に、前記中詰めコンクリートと異なるセメント硬化充填材を充填し、再度前記鋼管矢板内に前記中詰めコンクリートの打設を行うようにしたことを特徴とする複合杭の施工方法。
- 前記継手鋼管は、前記セメント硬化充填材の注入用鋼管が、該継手鋼管の外周部分と前記鋼管杭の内周部分との間の継手位置に設置されることを特徴とする請求項4または請求項5記載の複合杭の施工方法。
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