JP3751506B2 - 射出成形機の材料計量供給制御装置及びその材料計量供給制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金属又は合金等の材料を金型内に射出して成形品を得る射出成形機の材料計量供給制御装置及びその材料計量供給制御方法に関し、特に射出量の精度を高めて動作を安定化させると共に、安定して高品質の成形品を得るため、その材料の供給量を正確に制御するための射出成形機の材料計量供給制御装置及びその材料計量供給制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機に供給する材料は本来一定であるべきであるが、金型の圧縮力の変化、成形品に生じるバリ等により微妙に毎回使用する量が変化する。また、チップ定量供給装置にある程度(±5%程度)のバラツキがあり、ホッパから供給される材料の量も安定しているとはいえない。これらの要因により、シリンダ内の滞留量又は材料密度は、位置的にもまた時間的にも一定状態を維持することが困難である。このため、安定した計量が困難である。このシリンダ内の材料密度の不均一に起因して、シリンダ内に本来存在すべき適正量の材料に過不足が生じやすく、成形品の品質及び射出成型機の稼働率に悪影響を及ぼしてしまう。
【0003】
そこで、この材料の過不足を防止するための技術が従来提案されている。図7は従来のインラインスクリュウ式の射出成形機を示す模式図である。シリンダ100の内部にはスクリュウ101が設けられており、このスクリュウ101はモータ103により回転駆動される。また、スクリュウ101及びモータ103は前後進用モータ104によりシリンダ100内を前後進駆動される。シリンダ100内には、ホッパ102から材料が供給され、シリンダ100内の材料は、スクリュウ101の回転により可塑化される。そして、可塑化された溶融樹脂がシリンダ100内で蓄積されるに従って発生するスクリュウ101の後退力又はノズル付近の溶融樹脂圧等の背圧が背圧センサ105により測定される。この背圧センサ105の背圧測定信号は制御装置106に入力され、制御装置106はこの背圧測定信号に基づいてスクリュウ前後進モータ104及びスクリュウ回転モータ103を制御する。
【0004】
この従来の射出成型機においては、スクリュウ101を一定量回転させた後、背圧センサ105により背圧を測定し、この背圧測定信号と設定値とを比較し、背圧測定信号が設定値以下の場合はスクリュウ101を一定量回転させる工程を繰り返す。一方、背圧測定信号が設定値を超える場合は、スクリュウ101の位置を前後進モータ104により微小固定量後進させる。このような工程をスクリュウ101の位置が目的の計量位置に達するまで行い、この位置に達した後、スクリュウ101の回転を停止させ、計量を完了する。このようにして、背圧の検出値をモータ103,104の制御にフィードバックして、背圧が一定値になるように制御しつつ、目的の計量位置に達した後に、溶融した材料を型に対して射出し、型から成形品を取り出すことで、1回の射出成形が終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の射出成形機においては、スクリュウ101の回転数を変化させることは、シリンダ100内の材料密度が時間的に、また位置的にバラツキを生じる要因となり、スクリュウ101の先端に溜め込まれた材料の密度に影響を及ぼしてしまう。このため、材料を安定して成形することが困難であるという問題点がある。
【0006】
また、樹脂材料に比べて硬い金属又は合金の射出成形では、材料を過剰に供給すると、スクリュウ101の供給部(ホッパ102側)又は加熱圧縮部(シリンダ100のほぼ中央)での材料密度が高くなり、それがスクリュウ101の回転の阻害要因となり、スクリュウ101が健全に回転しなくなるという問題がしばしば発生する。その結果、スクリュウ101の回転による材料輸送の健全さも失われ計量工程も不安定になる。即ち、材料をスクリュウ101の先端に溜め込む行為は、スクリュウ101が回転しなくなると、加熱圧縮部より前方への材料の供給がストップする。このため、先端に溜まる材料はエアーを噛むことになる。これにより、成形品にも悪影響が生じる。また、シリンダ100内の材料密度が高くなると、成形機の最大出力(フルパワー)をもってしてもスクリュウ101が後退できなくなることもある。この場合、一旦供給部及び加熱圧縮部の温度を上げ、シリンダ100内の材料をパージして外に追い出さなくてはならないため、成形機の稼働率を低下させてしまうという問題点がある。
【0007】
一方、上述の問題点を解決するためにスクリュウ101の回転数を低めに設定し、供給部又は加熱部の材料密度が上がらないようにしても、やはりスクリュウ101の先端に溜め込まれる材料がエアーを噛むことになり、安定して良品を成形することができない。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、計量工程を安定化させることにより、シリンダ内の材料密度を時間的に及び位置的に均一にし、成形動作を安定させると共に、成形品の品質が安定した射出成形を可能とする射出成形機の材料計量供給制御装置及びその材料計量供給制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る射出成形機の材料計量供給制御装置は、スクリュウを回転させてシリンダの前方にある貯留部に材料を移送し蓄積する金属又は合金材料の射出成形機の材料計量供給制御装置において、前記シリンダ内へ投入する材料の量をシリンダ外で計量し定量的に供給する定量供給手段と、前記スクリュウに作用する前記材料の背圧、前記スクリュウの回転トルク、前記スクリュウの回転圧力、前記スクリュウの後退速度並びに前記スクリュウを後退させるのに要する力及び圧力からなる群から選択された物理量のうち、いずれか1つ又は2つ以上の物理量を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記定量供給手段による前記シリンダ内に供給する次順以降の射出成形のための材料の量を変化させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る射出成形機の材料計量供給制御方法は、スクリュウを回転させてシリンダの前方にある貯留部に材料を移送し蓄積する金属又は合金材料の射出成形機の材料計量供給制御方法において、前記スクリュウに作用する前記材料の背圧、前記スクリュウの回転トルク、前記スクリュウの回転圧力、前記スクリュウの後退速度並びに前記スクリュウを後退させるのに要する力及び圧力からなる群から選択された物理量のうち、いずれか1つ又は2つ以上の物理量を検出する検出工程と、この検出結果に基づいて前記シリンダ内へ投入する材料の量を前記シリンダ外で計量して定量的に供給する定量供給手段により前記シリンダ内に供給される次順以降の射出成形のための材料の量を設定する供給量設定工程と、設定された材料の供給量に基づいて前記シリンダ内に材料を供給する材料供給工程とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明においては、シリンダ内の材料滞留量又は材料の位置的な密度分布に応じて変化する物理量を測定し、得られた検出結果に基づいて次順以降の射出成形工程に必要な適正な材料供給量を算出し、それに基づき材料供給を行う。これにより、シリンダ内の材料滞留量又は密度分布が一定に保たれ、安定して高品質の成形品を得ることができる。
【0012】
なお、本発明において、射出成形とは、ペレット状の材料を原料とする一般的な射出成形の外に、切削片を原料とするチキソモールディング(Tixomolding)法も含むものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施例に係る材料計量供給制御装置を備える射出成形機の構成を示す模式図、図2は本実施例の材料計量供給制御装置の計量供給部を示す断面図である。
【0014】
本実施例の射出成形機においては、シリンダ1内にスクリュウ2が配置されており、このシリンダ1の先端部には半溶融材料を蓄積する蓄積部1bが形成されており、これに連続して射出ノズル1aが形成されている。この射出ノズル1aは所定の製品形状を有する金型11のキャビティに連通されている。また、シリンダ1の後端部にはスクリュウ2を駆動する駆動部3が設けられている。駆動部3は、油圧シリンダによりスクリュウ2を前進後退させる前進後退機構部と、油圧モータによりスクリュウ2を回転させる回転機構部とにより構成されており、この駆動部3によりスクリュウ2はシリンダ1内を前進及び後退移動し、更に中心軸を回転軸として回転することができる。
【0015】
駆動部3にはシリンダ1内の材料からスクリュウ2に作用する材料の背圧を測定する背圧センサ4が設けられている。シリンダ1には、射出用材料が貯留されるストッカ(材料貯留部)9がパイプ14を介して連結されており、このパイプ14を介して材料がシリンダ1内に供給される。このパイプ14の途中には、ストッカ9内の射出材料を計量してシリンダ1内に供給する材料計量供給装置6が設けられている。この材料計量供給装置6にはシリンダ1へ供給する材料の量を計量する計量供給部7と、この計量供給部7の材料供給量を調節する供給コントローラ8とが設けられている。
【0016】
なお、供給コントローラ8は、シリンダ2内の背圧に基づいて材料供給時間を算出する計測系制御部8aと、材料供給時間に基づいて計量供給部7からシリンダ1への材料の供給量を制御する材料供給系制御部8bと、パラメータの設定、計測系制御部8a及び材料供給系制御部8bの起動又は停止等を指示する操作部8cとを有する。材料供給系制御部8bは、本体制御コントローラ10から開始信号が入力され、これにより、計量供給部7及び供給コントローラ8が起動される。また、操作部8cの起動指示があると、計測系制御部8aと材料供給系制御部8bとは夫々独立して動作する。計測系制御部8aで算出された材料供給時間の値は材料供給系制御部8bに入力される。
【0017】
本体制御コントローラ10は、スクリュウ2の回転と、前進及び後退動作と、金型11の開閉とを制御するものであり、駆動部3に対して、スクリュウ2の回転を指示する信号Gと、スクリュウ2の前進及び後退を指示する信号gと、金型11に対してその開閉を指示する信号Fとを出力する。
【0018】
図2に示すように、計量供給部7においては、ストッカ9に貯留された材料13のシリンダ1への供給量が制御される。この計量供給部7においては、複数枚の羽根20が形成された羽根車12が羽根20の回転域とパイプ14とが重なるようにして設けられており、この羽根車12にモータ21が接続されている。このモータ21にはインバータ22が接続されており、インバータ22に材料供給系制御部8bから駆動信号Eが入力される。駆動信号Eが入力されている間、モータ21により羽根車12は一定速度で回転する。即ち、この羽根車12の回転時間は、供給コントローラ8からの駆動信号Eにより指定される。
【0019】
このように、羽根車12が一定速度で回転することにより、パイプ14を通流する材料のシリンダ1への供給速度が一定に制御されるようになっている。また、羽根車12が停止すると、材料の供給も停止する。従って、この羽根車12の回転時間を制御することにより、ストッカ9からシリンダ1に供給される材料の量を調節することができる。
【0020】
次に、本実施例の動作について説明する。図3は本実施例の材料計量供給制御装置の各信号のタイミングチャート図、図4は本実施例における材料計量供給装置の制御方法を示すフローチャート図である。
【0021】
先ず、オペレータが本体制御コントローラ10にスタート指示信号を入力し、操作部8cに開始信号が入力されて操作部8cが起動し、更に計測系制御部8a及び材料供給系制御部8bが起動する。オペレータが本体制御コントローラ10に成形しようとする成形品の種類を入力し、この成形品が材料計量供給装置6に登録されているものか否かを材料計量供給装置6が判断する(図4のステップS1)。即ち、操作部8cがそのメモリに蓄積された成形品のリストと比較して入力された成形品の種類と一致するものがあるかを調べる。もし、成形品が登録されているものであれば、操作部8cが成形品に対応したパラメータを読み出して材料計量供給装置6に設定する(ステップS3)。
【0022】
もし、成形品が未登録のものであれば、オペレータが標準材料供給時間等の値を操作部8cのメモリに登録する(ステップS2)。そして、操作部8cがその成形品に対応したパラメータを読み出して材料計量供給装置6に設定する(ステップS3)。
【0023】
次に、材料供給時間の補正制御を実施するか否かをオペレータが指示し、その指示に基づいて材料計量供給装置6が判断する(ステップS4)。即ち、操作部8cがそのメモリに蓄積された成形条件のデータと読み出したデータとを比較する。もし、ステップS4において、補正をしないときには、標準の材料供給時間で計量供給部7が材料をシリンダ1に供給するように設定する(ステップS5)。そして、本体制御コントローラ10から駆動部3に信号Gが出力されると、スクリュウ2が回転してスクリュウ回転信号Aがオン状態となる。また、供給系制御部8bが本体制御コントローラ10の材料供給指示信号C(固定長の信号)を受けると、最初は、材料供給系制御部8bが読み出されたパラメータに基づく供給時間(標準の材料供給時間)T1で駆動信号Eを計量供給部7に出力し、計量供給部7はその時間分の材料をシリンダ1に供給する。そして、ステップS4に戻る。
【0024】
もし、ステップS4において、補正を行うときには、操作部8cが計測系制御部8aと材料供給系制御部8bとが動作するように指示する(ステップS6)。
【0025】
次に、計測系制御部8aの動作について説明する。図5は本実施例の計測系制御部の制御方法を示すフローチャート図である。先ず、図3に示すように、供給コントローラ8に「1」(オン)のスクリュウ回転信号Aが入力されると(図5のステップS10)、供給コントローラ8はスクリュウ2が回転を開始したことを検知し、このときの背圧センサ4から背圧の検出信号Bが所定のサンプリング周期(例えば、0.1秒)でサンプリングされて供給コントローラ8の計測系制御部8aに出力される。供給コントローラ8は、背圧の検出信号Bを1回の材料供給時間内の全体又は1部分の期間において順次レジスタ(図示せず)に取り込む(ステップS11〜S13)。即ち、スクリュウ2が回転開始した後、計測系制御部8aが前回の背圧の測定から0.1秒経過したか否かを判断し(ステップS11)、前回の背圧測定から0.1秒経過していれば、背圧を計測し(ステップS12)、この背圧の測定結果をレジスタに書き込む(ステップS13)。
【0026】
このようにして、計測系制御部8aは背圧の測定結果を0.1秒間隔でレジスタに取り込み、格納する。これをスクリュウ2の回転が停止するまで、実行する(ステップS14)。つまり、スクリュウ2が回転しているときに、物理量である背圧を連続して検出する。この後、スクリュウ2が停止した後、供給された材料を使用して射出及び成形する工程と並行して、供給コントローラ8はレジスタに取り込まれた複数の背圧の検出信号Bの値に基づき、背圧の圧力実効値P1を求める。その圧力実効値P1に基づいて供給コントローラ8は計量供給部7からシリンダ1に供給する材料の量を演算し、この実効値に対応する次回の材料供給時間(羽根車12の回転時間)、即ち、2回目の材料供給時の材料供給時間T2を設定する(ステップS15)。なお、材料の供給は、スクリュウ2の回転による背圧計測とほぼ同じタイミングで行われるため、計測結果によって補正された材料供給時間は、次のサイクルの材料供給時間として使用される。
【0027】
この複数の測定値から、背圧の実行値を求める手法としては、種々の手法があり、例えば下記に示す方法がある。
▲1▼最大値をとる方法。
▲2▼測定した背圧の測定値全体の平均値をとる方法。
▲3▼複数の背圧の経過について、パターンマッチングをとり、予め決められている経過のパターンに対応する実効値を設定する方法。
【0028】
このパターンマッチングにより背圧の実効値を設定する方法においては、レジスタの値の1部又は全部について、別の記憶手段に記憶させた圧力の変化形態のパターンに一致させて背圧Pの実効値を求めることができる。このとき、急激に圧力値が変化したか、又は緩やかに変化したかによって背圧Pの実効値を異ならせて設定することができる。これにより、例えば材料がスクリュウ2とフランジとの間に詰まった状態なのか、材料自体が供給過多になっているのかを判断して制御することも可能である。
【0029】
次に、ステップS15で求められた材料供給時間を供給コントローラ8はメモリに記憶する(ステップS16)。この材料供給時間T2を使用して次回(2回目)の材料供給時間の駆動信号Eの出力時間が制御される。このように、供給コントローラ8から計量供給部7に出力される駆動信号がオン状態の期間、即ち、前回の材料供給時間における背圧に基づいて演算された材料供給時間でもって、計量供給部7が材料をストッカ9からシリンダ1へ供給する。従って、材料供給時間はTkとして設定される。ここで、kとは材料の供給回数のことである。そして、スタートに戻り、次順の指示を待つ。
【0030】
次に、供給系制御部8bの動作について説明する。図6は本実施例の供給系制御部の制御方法を示すフローチャート図である。先ず、本体制御コントローラ10から、図3に示すように、供給信号Cが材料供給系制御部8bに入力され、供給コントローラ8が材料の供給指示があったか否かを判断し(図6のステップS20)、供給指示があった場合には、供給コントローラ8は材料供給時間の計測を開始する(ステップS21)。次に、供給コントローラ8は計量供給部7に駆動信号Eを出力して、ストッカ9からシリンダ1への材料の供給を開始する(ステップS22)。次に、供給コントローラ8が材料の供給開始から供給時間T1が経過したかを判断し(ステップS23)、供給時間T1に達した後、駆動信号Eの出力を止めることで、材料の供給を停止する(ステップS24)。そして、スタートに戻り、次順の供給開始指示を待つ。これにより、所定の供給時間T1だけ、ストッカ9からシリンダ1に材料が供給される。なお、2回目以降の材料供給の供給時間は、図5のフローチャートに示す背圧から求めた材料供給時間とすることができる。そして、計測系制御部8a及び材料供給系制御部8bが動作を終了し、スタートに戻った後、ステップS4に戻る。
【0031】
上述の計量工程の後、本体制御コントローラ10が信号Gをオフ状態とし、スクリュウ2を停止させ、図3に示すように、1回目のスクリュウ回転信号Aがオンからオフに立ち下がると、図4乃至6に示すフローチャートによる材料計量供給制御装置の制御とは別の制御系によって、スクリュウ2の回転又は金型11の開閉等が制御される。即ち、本体制御コントローラ10は信号gにより、スクリュウ2を駆動装置3によりノズル1aに向かう方向に前進させて金型11内に材料を吐出し、充填させる。次に、材料が金型11内で凝固し、本体制御コントローラ10は信号Fにより、金型11を型開きして製品を取り出し、成形品が成形される。このようにして、射出成形が完了する。このように、材料供給時間計算、材料供給、材料射出及び成形品取出を繰り返すことで射出成形作業が行われる。
【0032】
次いで、2回目の射出成形をする場合、上述の如く、材料供給時間T1又はT2に補正が必要かどうかを材料計量供給装置6が判断する(図4のステップS4)。もし、補正が必要なければ、1回目と同様に、材料供給時間T1(ステップS5)で材料をシリンダ1内に供給して射出成形する。もし、ステップS4において補正が必要な場合、上述の如く背圧による材料供給時間を補正した後、材料供給時間を制御する(ステップS6)。この場合、スクリュウ回転信号Aがオンになり、材料供給指示信号Cのパルスを供給コントローラ8が受けると、前回の圧力実効値P1から演算により求められた材料供給時間T2で計量供給部7に駆動信号Eが出力される(図6のステップS20〜S24)。同時に、1回目と同様に背圧を測定し、この背圧に基づいて材料供給時間を演算し、この演算結果がメモリに記憶される(図5のステップS10〜S16)。即ち、2回目の射出成形に使用される材料をシリンダ1内に供給しているときに、背圧をサンプリングして実効値P2を測定し、次回の材料供給時間T3を演算する。このように、供給コントローラ8は前回の背圧により求めた材料の供給時間に基づいて射出及び成形動作後、次順の材料供給の工程で、計量供給部7に今回求めた材料の供給を指示する駆動信号Eを出力する。
【0033】
そして、k−1回目の射出成形時には、k−2回目の材料供給時の圧力実効値Pk-2に基づいて計算される材料供給時間Tk-1で計量供給部7は材料を供給する。その後、射出成形すると共に、k回目の材料供給時間Tkがk−1回目の材料供給時の背圧の値の圧力実効値Pk-1から求められる。この動作を繰り返して射出成形が行われる。
【0034】
本実施例においては、スクリュウが回転している状態でシリンダ内の背圧を測定し、この背圧の測定信号を所定期間サンプリングし、複数の測定値を演算処理して次順の射出成形工程における材料供給時間を算出して材料供給量を決定しているので、シリンダ内の材料の状態を正確に把握することができる。即ち、従来のように、背圧の検出結果を直ちに材料供給量に反映してしまうと、例えば、溶融の過渡状態で検出された背圧値をもとに、材料供給量を必要以上に増加又は減量制御してしまうことがあるが、本実施例においては、このようなノイズに影響されずに、シリンダ内の材料の状態を背圧の実効値として正確に把握することができる。特に、高融点の材料をシリンダ内で溶融させる射出成形では、シリンダ内の材料の状態に応じて背圧の出力形態が異なるので、スクリュウのフライト間に材料が詰まってしまい、加工障害が生じた場合には、本実施例によれば、これを容易に検出することが可能となり、直ちに対処して作業効率を向上させることができる。
【0035】
このようにして、本実施例によれば、射出成形機の稼動状態を安定化させることができる。また、本実施例によれば、シリンダ内の計量を正確に行うことができるので、成形品の品質を安定化させることができる。
【0036】
また、背圧の実効値を背圧のパターンマッチングにより求めた場合、パターンマッチングはシリンダ内の状態による変化に基づいて実効値を求めるので、より一層適確にシリンダ内の状態を推測することができる。このため、より一層材料の計量精度を向上させることができ、より一層製品の品質を向上させることができる。また、内部の状態が適確に推測できるので作業効率が更に向上する。
【0037】
また、毎サイクルの背圧値のみならず、それまでに計測された圧力実効値等から数回又は数十回分の圧力実効値の傾向(トレンド)を把握して、先読みした材料供給制御を行うことにより、更に安定した材料供給を行うことも可能である。
【0038】
なお、本実施例では、シリンダ内の材料滞留量又は材料の位置的な密度分布に応じて変化する物理量として背圧を計っているが、これに限らず、スクリュウの回転トルク、スクリュウの回転圧力、スクリュウ回転時間、スクリュウの後退速度又はスクリュウを後退させるのに要する力若しくは圧力等が挙げられる。これらは、成形機の機構により適切な物理量を適宜選択して計測すればよい。また、材料がスクリュウとフライトとの間に詰まった状態なのか、又は材料自体が供給過多になっている状態なのかを判断して、材料供給の仕方を調節するようにしてもよい。このとき、実施例の材料供給時間の計算処理においては、測定した背圧とは異なる別の物理量、例えば回転トルクに基づく判断を行い、それに応じた計算処理を行えばよい。
【0039】
また、本実施例の材料計量供給装置は、計量供給部を備えた構成としているが、これに限らず、成形機が本体制御コントローラの指示に従って射出成形装置に設定された特定の供給量の材料をシリンダ内に供給する計量供給部を有する場合には、供給コントローラ部のみを材料計量供給制御装置としてもよい。
【0040】
更に、本実施例においては、Tkを算出するのに、前回の圧力実効値Pk-1を使用したが、シリンダ内の状況によっては、Pk-2を使用してTkを算出してもよい。また、Tkは圧力実効値を1つだけ使用して算出するようにしているが、複数の圧力実効値から算出するようにしてもよい。例えばTkを算出するのに、Pk-1とPk-2との平均値又はPk-1乃至Pk-3の平均値を使用するようにしてもよい。なお、この場合の圧力実効値の数は、特に限定されるものではない。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、検出手段によりシリンダ内の材料滞留量又は材料の位置的な密度分布に応じて変化する物理量を測定し、この測定結果に基づいて供給コントローラから計量供給部にシリンダへの材料供給量を制御する信号を出力し、シリンダへの材料供給量を調節することにより、シリンダの状態が一定になるように保持でき、シリンダ内の材料の量を一定にすることができる。従って、この状態で材料を金型に射出することにより、毎回安定した品質の製品を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る材料計量供給制御装置を備える射出成形機の構成を示す模式図である。
【図2】 本実施例の材料計量供給制御装置の計量供給部を示す断面図である。
【図3】 本実施例の材料計量供給制御装置の各信号のタイミングチャート図である。
【図4】 本実施例における材料計量供給装置の制御方法を示すフローチャート図である。
【図5】 本実施例の計測系制御部の制御方法を示すフローチャート図である。
【図6】 本実施例の供給系制御部の制御方法を示すフローチャート図である。
【図7】 従来のインラインスクリュウ式の射出成形機を示す模式図である。
【符号の説明】
1、100;シリンダ、 1a;射出ノズル、1b;貯留部、 2、101;スクリュウ、 3、103;駆動装置、 4、105;背圧センサ、 6;材料計量供給装置、 7;計量供給部、 8;供給コントローラ、 8a;計測系制御部、 8b;材料供給系制御部、 8c;操作部、 9;ストッカ、 10;本体制御コントローラ、 11;金型、 12;羽根車、 13;材料、 14;パイプ、 20;羽根、 104;モータ、 106;制御装置
Claims (2)
- スクリュウを回転させてシリンダの前方にある貯留部に材料を移送し蓄積する金属又は合金材料の射出成形機の材料計量供給制御装置において、前記シリンダ内へ投入する材料の量をシリンダ外で計量し定量的に供給する定量供給手段と、前記スクリュウに作用する前記材料の背圧、前記スクリュウの回転トルク、前記スクリュウの回転圧力、前記スクリュウの後退速度並びに前記スクリュウを後退させるのに要する力及び圧力からなる群から選択された物理量のうち、いずれか1つ又は2つ以上の物理量を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記定量供給手段による前記シリンダ内に供給する次順以降の射出成形のための材料の量を変化させる制御手段とを有することを特徴とする金属又は合金材料の射出成形機の材料計量供給制御装置。
- スクリュウを回転させてシリンダの前方にある貯留部に材料を移送し蓄積する金属又は合金材料の射出成形機の材料計量供給制御方法において、前記スクリュウに作用する前記材料の背圧、前記スクリュウの回転トルク、前記スクリュウの回転圧力、前記スクリュウの後退速度並びに前記スクリュウを後退させるのに要する力及び圧力からなる群から選択された物理量のうち、いずれか1つ又は2つ以上の物理量を検出する検出工程と、この検出結果に基づいて前記シリンダ内へ投入する材料の量を前記シリンダ外で計量して定量的に供給する定量供給手段により前記シリンダ内に供給される次順以降の射出成形のための材料の量を設定する供給量設定工程と、設定された材料の供給量に基づいて前記シリンダ内に材料を供給する材料供給工程とを有することを特徴とする金属又は合金材料の射出成形機の材料計量供給制御方法。
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