JP3748371B2 - 指数変換回路及びこれを用いた可変利得回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、利得制御信号に基づいて可変利得アンプの利得(ゲイン)を指数関数的に変化させる機能を有する指数変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機に代表される移動体通信機器の開発が盛んに行われている。これらの移動体通信機器は、移動時に、ユーザに持ち運ばれることが前提となるため、小型、かつ、軽量であることが重要となる。
【0003】
従って、現在では、移動体通信機器は、複数の個別部品(機能)の組み合せから構成されることはほとんどなく、これら複数の機能を混載したASICにより構成され、その結果、移動体通信機器の小型化及び軽量化が実現されている。
【0004】
ところで、このような移動体通信機器は、無線(電波)により情報のやりとりを行うため、当然に、電波を送受信するための送受信回路を有している。送受信回路のIF(中間周波数)部には、可変利得アンプ( Variable Gain Amplifier)が配置され、この可変利得アンプは、IF信号を適正なレベルに調整する機能を有している。
【0005】
例えば、移動体通信方式の一つに、符号分割多元接続(CDMA)方式がある。CDMA方式では、移動局における送信電力の制御が必須となるため、IF部に使用される可変利得アンプには、70dB以上の広範囲な利得(ゲイン)制御が要求される。
【0006】
一般に、可変利得アンプにより、このような広範囲の利得制御を行うには、利得制御信号( Gain Control Signal )に対して、指数関数的に信号レベルを調整することが必要とされる。また、利得制御を容易にするため、制御入力信号とデシベル表示出力信号との関係が広範囲で線形であることが重要となる。
【0007】
また、携帯電話機は、移動時に、ユーザに持ち運ばれることが前提であるため、それに使用される可変利得アンプの利得は、使用環境の変化に起因する温度変化に対する依存性が小さいことが望まれる。また、集積回路の製造プロセスに起因するMOSトランジスタの閾値のばらつきによって引き起こされる利得誤差も抑えなければならない。
【0008】
しかしながら、例えば、可変利得アンプの利得(ゲイン)を利得制御信号に対して指数関数的に変化させる特性を常に維持すること、及び、制御入力信号に対してデシベル表示出力信号を線形に変化させることは、以下に説明する理由により非常に難しくなっている。
【0009】
まず、可変利得アンプについて説明する。
図16に示すように、可変利得アンプ及びその利得制御回路は、MOSトランジスタ(CMOS回路)から構成される。
【0010】
ここで、MOSトランジスタは、一般的には、2乗特性領域(強反転領域)内で用いられるが、サブスレシホールド領域(弱反転領域)内でも用いることができる。この場合、MOSトランジスタは、指数関数的な動作を行い、その伝達特性は、近似的に、以下のように記述できる。
【0011】
【数1】
【0012】
なお、式(1)において、IDは、MOSトランジスタのドレイン電流、Wは、MOSトランジスタのチャネル幅、Lは、MOSトランジスタのチャネル長、VGSは、MOSトランジスタのゲートとソースの間の電圧、VTは、熱電圧、nは、定数である。また、kxは、MOSトランジスタのコンダクタンスに関わる値を有し、定数nと共に、集積回路の製造プロセスに依存する。
【0013】
ところで、図16において、可変利得アンプ702は、バイアス電流Ibiasによってその利得を可変できる。また、バイアス電流Ibiasは、利得制御回路( Gain Control Circuit )701内のカレントミラー回路M702,M703により、MOSトランジスタM701のドレイン電流IDに等しくなる。
【0014】
一方、利得制御回路701内のMOSトランジスタM701を弱反転領域で動作させ、MOSトランジスタM701のゲートに利得制御信号Vcを与えれば、MOSトランジスタM701のドレイン電流IDは、利得制御信号Vcの変化に応じて指数関数的に変化する。
【0015】
つまり、結果として、可変利得アンプ702の利得は、利得制御信号Vcの変化に応じて指数関数的に変化することになる。
【0016】
しかしながら、図16の回路では、式(1)の特性を直接的に使用するために、以下に述べる問題が発生する。
【0017】
即ち、式(1)の両辺の対数をとると、
【数2】
となる。
【0018】
ここで、上述したように、式(2)において、kxは、集積回路の製造プロセスの影響を受けるため、MOSトランジスタの伝達特性(式(2))、即ち、指数変換特性が集積回路の製造プロセス、具体的には、その製造プロセス時に生じる膜厚や加工のばらつきなどにより変動することになる。
【0019】
また、式(2)の右辺第3項は、指数変換特性(指数関数の特性)を決定する。しかし、熱電圧VTは、温度依存性を持つために、利得制御回路701内のMOSトランジスタM701,M702,M703に温度変化が生じた場合には、この温度変化に依存して、指数変換特性も変動する。結果として、可変利得アンプ702の利得の可変範囲(利得特性)が変動する。
【0020】
なお、図16の利得制御回路701において、仮に、MOSトランジスタ701の代わりに、バイポーラトランジスタを使用したとしても、上記と同様の理由により、指数変換特性(指数関数の特性)が温度依存性を持ってしまう。
【0021】
従って、能動素子の指数変換特性を直接的に可変利得アンプ702に使用した場合には、環境条件の変化(温度変化)や集積回路の製造プロセスなどに起因して、指数変換特性に誤差が生じ、所望の指数変換特性を得ることができない。
【0022】
また、無線受信機に使用される可変利得アンプ702に関しては、制御入力信号に対してデシベル表示出力信号を線形に変化させることが重要となる。また、指数変換特性の温度依存性が小さいこと、及び、指数変換特性が集積回路の製造プロセスに起因する能動素子の特性変動の影響を受けないことも必要となる。
【0023】
このように、能動素子(MOSトランジスタ)の指数関数的な動作(特性)を直接的に可変利得アンプ702の制御に用いる場合には、可変利得アンプ702は、その能動素子の温度環境の変化や、集積回路の製造プロセスに起因する能動素子の特性変化などが原因となり、利得制御信号Vcの可変範囲に対する可変利得アンプ702の利得の可変範囲(利得特性)を一定に保つことができなくなる。
【0024】
このようなことから、無線通信機器において利得制御を行う場合には、制御の容易化の観点から、利得制御信号に対して利得を指数関数的に変化させること、即ち、利得制御信号の変化とデシベル表示である利得の変化との関係が線形であることが要求される。また、かかる場合においては、温度に対する利得特性の変化率が一定であること、利得特性が集積回路の製造プロセスに起因する能動素子の特性変動によって変化しないことなどが要求され、これらの要求を実現する利得制御回路の実現が望まれている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の可変利得アンプ及びその利得を制御する利得制御回路においては、能動素子の特性変動や温度変動などに起因して可変利得アンプの利得特性が変化するため、利得制御信号の可変範囲に対する可変利得アンプの利得の可変範囲(利得特性)を一定に保つことができないという問題があった。
【0026】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的は、制御入力信号を指数変換して利得制御信号を生成する際に、集積回路の製造プロセスに起因する能動素子の特性変動や、温度変動などの影響を受け難い指数変換回路を実現すること、及び、この指数変換回路を用いた可変利得回路(可変利得アンプ)を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の指数変換回路は、第1の利得制御信号に基づいて、第1及び第2の基準入力電圧を第1及び第2の差動出力電圧に変換する第1の電圧変換回路と、前記第1の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第1の出力電流を生成する第1の指数変換素子と、前記第2の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第2の出力電流を生成する第2の指数変換素子と、前記第1及び第2の出力電流の比に応じて前記第1の利得制御信号を変化させる電流比較回路と、前記第1の利得制御信号に基づいて、制御入力電圧及び前記第1の基準入力電圧を第3及び第4の差動出力電圧に変換する第2の電圧変換回路と、前記第3又は第4の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第3の出力電流を生成する第3の指数変換素子とを備える。
【0028】
前記第1及び第2の電圧変換回路は、それぞれ、同相モード検出回路及び同相モードフィードバック回路を有し、前記同相モードフィードバック回路には基準電圧が入力され、前記基準電圧は、温度特性を有する基準入力電流の対数となるように、対数変換素子から構成される。
【0029】
前記第1及び第2の指数変換素子は、それぞれ弱反転領域で動作する電界効果トランジスタから構成される。また、前記第1及び第2の指数変換素子は、それぞれバイポーラトランジスタから構成されていてもよい。
【0030】
本発明の可変利得回路は、上述の指数変換回路と、この指数変換回路の前記第3の出力電流により利得が制御される複数の可変利得アンプとを備え、前記複数の可変利得アンプは、互いに直列接続されている。
【0031】
本発明の指数変換回路は、第1の利得制御信号に基づいて、第1及び第2の基準入力電圧を第1及び第2の差動出力電圧に変換する第1の電圧変換回路と、前記第1の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第1の出力電流を生成する第1の指数変換素子と、前記第2の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第2の出力電流を生成する第2の指数変換素子と、前記第1及び第2の出力電流の比に応じて前記第1の利得制御信号を変化させる第1の電流比較回路と、第2の利得制御信号に基づいて、第3の基準入力電圧及び前記第1の基準入力電圧を第3及び第4の差動出力電圧に変換する第2の電圧変換回路と、前記第3の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第3の出力電流を生成する第3の指数変換素子と、前記第4の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第4の出力電流を生成する第4の指数変換素子と、前記第3及び第4の出力電流の比に応じて前記第2の利得制御信号を変化させる第2の電流比較回路と、第3の利得制御信号に基づいて、前記第2の基準入力電圧及び前記第3の基準入力電圧を第5及び第6の差動出力電圧に変換する第3の電圧変換回路と、前記第5又は第6の差動出力電圧と前記第2の利得制御信号との比に応じて前記第3の利得制御信号を生成する電圧比較回路と、前記第3の利得制御信号に基づいて、制御入力電圧及び前記第1の基準入力電圧を第7及び第8の差動出力電圧に変換する第4の電圧変換回路と、第4の利得制御信号に基づいて、前記制御入力電圧及び前記第1の基準入力電圧を第9の差動出力電圧に変換する第5の電圧変換回路と、前記第9の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第5の出力電流を生成する第5の指数変換素子とを備え、前記第7又は第8の差動出力電圧のうちの1つが前記第4の利得制御信号となり、前記第5の出力電流を前記制御入力電圧に対して線形かつ指数関数的に変化させる。
【0032】
前記第1、第2、第3及び第4の電圧変換回路は、それぞれ、同相モード検出回路及び同相モードフィードバック回路を有し、前記第3及び第4の電圧変換回路内の前記同相モードフィードバック回路には、前記第1の利得制御信号が入力される。
【0033】
前記第1、第2、第3、第4及び第5の指数変換素子は、それぞれ弱反転領域で動作する電界効果トランジスタから構成される。また、前記第1、第2、第3、第4及び第5の指数変換素子は、それぞれバイポーラトランジスタから構成されていてもよい。
【0034】
本発明の可変利得回路は、上述の指数変換回路と、前記指数変換回路の前記第5の出力電流により利得が制御される複数の可変利得アンプとを備え、前記複数の可変利得アンプは、互いに直列接続されている。
【0035】
本発明の指数変換回路は、複数のマスター指数変換回路と、前記複数のマスター指数変換回路の出力信号、複数の基準入力電圧及び制御入力電圧が入力され、所定の関数に従って前記制御入力電圧を変換する多項式回路と、前記多項式回路の出力電圧が入力されるスレーブ指数変換回路とを備える。前記複数のマスター指数変換回路の各々は、利得制御信号に基づいて、2つの基準入力電圧を第1及び第2の差動出力電圧に変換する第1の電圧変換回路と、前記第1の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第1の出力電流を生成する第1の指数変換素子と、前記第2の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第2の出力電流を生成する第2の指数変換素子と、前記第1及び第2の出力電流の比に応じて前記利得制御信号を変化させる電流比較回路とから構成される。前記スレーブ指数変換回路は、前記多項式回路の出力電圧に基づいて、基準電圧及び前記制御入力電圧を第3の差動出力電圧に変換する第2の電圧変換回路と、前記第3の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第3の出力電流を生成する第3の指数変換素子とから構成される。
【0036】
前記第1、第2及び第3の指数変換素子は、弱反転領域で動作する電界効果トランジスタ(MOSFET)から構成される。但し、前記第1、第2及び第3の指数変換素子は、バイポーラトランジスタから構成されていてもよい。
【0037】
本発明の可変利得回路は、上述の指数変換回路と、前記指数変換回路の前記第3の出力電流により利得が制御される複数の可変利得アンプとを備え、前記複数の可変利得アンプは、互いに直列接続されている。
【0038】
以上の指数変換回路及び可変利得回路は、電圧変換回路が理想的な線形回路であることを前提にしている。しかし、通常のMOSトランジスタ又はバイポーラトランジスタを用いて可変倍率の電圧変換回路を構成すると、入出力特性が弱い非線形性を示すようになる。回路構成や用途によっては、この非線形性を無視して、電圧変換回路が線形動作を行っているものと仮定することも可能であるが、システムにおいては線形性の要求が非常に厳しい場合があり、かかる場合には、非線形性の補正が必要となる。
【0039】
ここで、指数変換回路の入出力特性において、デシベル表示の出力信号をY、同相モードフィードバック量をY0、電圧変換回路の倍率をG、入力信号をXとすると、出力信号Yと入力信号Xが線形の関係にある場合、 Y = Y0 + G・X と表すことができる。但し、Y0とGは、回路形式と回路を構成する素子の素子値によって決定される定数である。
【0040】
また、バイポーラトランジスタやMOSトランジスタの弱反転領域を用いることにより、上述のような入出力関係式を得ることができるが、Y0やGは、温度によって変化したり、また、製造プロセスの変動によって、設計時の値と異なる値になったりする。
【0041】
本発明の指数変換回路では、Y0及びGの温度依存性を小さくでき、かつ、Y0及びGの製造プロセスによる影響を軽減できる。特に、本発明の指数変換回路は、電圧変換回路の倍率Gを制御信号Zによって可変とし、フィードバック回路を含むマスター指数変換回路と実際に指数変換を行うスレーブ指数変換回路から構成される。
【0042】
このような構成において、電圧変換回路は、その利得(倍率)を可変することができるが、その可変範囲を広く保ちつつ、かつ、広い入力信号レンジを確保することは、非常に困難である。その結果、倍率Gは、制御信号Zのみならず、入力信号Xに対しても依存し、変化する。この場合は、 Y = Y0 + G(X,Z)・X なる関係式を得ることができる。ここで、G(X,Z)は、倍率GがX及びZの関数で表されることを意味している。
【0043】
ところで、入力信号Xの変化に対する倍率Gの変化を打ち消すように制御信号Zを与えれば、みかけ上、倍率Gが一定になる指数変換回路を実現することができる。ここで、倍率Gを一定にするためのZが一次式で表されると仮定すると、Z = A + B・X なる式を得ることができる。そして、目的の指数変換動作(定数A,Bの算出)は、2つのマスター指数変換回路、入力信号Xが入力され、出力信号Z( = A + B・X )を出力する一次式回路、及び、Xの指数変換を実際に行うスレーブ指数変換回路により実行される。
【0044】
さらに、倍率Gを一定にするためのZが二次式で表されると仮定すると、Z = A + B・X + CX2 なる式を得ることができる。そして、目的の指数変換動作(定数A,B,Cの算出)は、3つのマスター指数変換回路、入力信号Xが入力され、出力信号Z( = A + B・X + C・X2 )を出力する二次式回路、及び、Xの指数変換を実際に行うスレーブ指数変換回路により実行される。
【0045】
このように、G(X,Z)を一定にするために、ZをXの多項式とする必要がある場合には、マスター指数変換回路を、多項式の次数よりも1つ多い数だけ設ける。その結果、指数変換動作は、マスター指数変換回路の出力信号に基づいて多項式が決定される多項式回路と、この多項式回路により変換された信号によって制御されたスレーブ指数変換回路とにより実現される。
【0046】
本発明の可変利得回路は、ゲート及びドレインが互いに接続され、ソースが接地点に接続され、前記指数変換回路の前記第2の利得制御信号がバイアス信号として前記ゲートに与えられる第1の電界効果トランジスタと、差動増幅回路を構成し、第1及び第2の入力信号に基づいて第1及び第2の出力信号を出力する第2及び第3の電界効果トランジスタと、前記第1の電界効果トランジスタのゲートと前記第2の電界効果トランジスタのゲートの間に接続される第1の抵抗素子と、前記第1の電界効果トランジスタのゲートと前記第3の電界効果トランジスタのゲートの間に接続される第2の抵抗素子とを備え、前記第1の電界効果トランジスタは、強反転領域で動作を行い、その利得は、前記第2の利得制御信号により制御される。
【0047】
本発明の可変利得回路は、ゲート及びドレインが互いに接続され、ソースが接地点に接続され、前記指数変換回路の前記第2の利得制御信号がバイアス信号として前記ゲートに与えられる第1の電界効果トランジスタと、差動増幅回路を構成し、第1及び第2の入力信号に基づいて第1及び第2の出力信号を出力する第2及び第3の電界効果トランジスタと、前記第1の電界効果トランジスタのゲートと前記第2の電界効果トランジスタのゲートの間に接続される第1の抵抗素子と、前記第1の電界効果トランジスタのゲートと前記第3の電界効果トランジスタのゲートの間に接続される第2の抵抗素子とを備え、前記第1の電界効果トランジスタは、弱反転領域で動作を行い、その利得は、前記第2の利得制御信号により制御される。
【0048】
本発明の可変利得回路は、上述の2つの可変利得回路を互いに直列接続して使用するようにしてもよい。
【0049】
このように、本発明の指数変換回路によれば、前記第1の指数変換回路が、前記第2の指数変換回路の前記第2の指数変換特性を決定する。つまり、前記第2の指数変換特性に基づいて、前記制御入力信号を前記第2の利得制御信号に指数変換すれば、前記第2の利得制御信号は、前記制御入力信号に対して能動素子の特性変動や、温度変動などの影響を受け難くなる。
【0050】
従って、本発明の指数変換回路から出力される前記第2の利得制御信号を、例えば、可変利得回路(可変利得アンプ)の制御信号として利用すれば、能動素子の特性変動や、温度変動などに依存しない利得制御を実現できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の指数変換回路とそれを用いた可変利得回路について詳細に説明する。
【0052】
図1は、本発明の第1の実施の形態に関わる指数変換回路を示している。
電圧変換回路1Aには、2つの基準入力電圧Vref1,Vref2が入力される。電圧変換回路1Aは、利得制御信号Vgmcontにより決定される倍率に基づいて、基準入力電圧Vref1,Vref2を差動出力電圧Vd1,Vd2に変換する。
【0053】
指数変換素子2Aは、差動出力電圧Vd1に対して指数関数的に変化する出力電流を生成し、指数変換素子2Bは、差動出力電圧Vd2に対して指数関数的に変化する出力電流を生成する。これら出力電流は、電流比較回路3に入力される。電流比較回路3は、指数変換素子2A,2Bの出力電流の比に応じて利得制御信号Vgmcontの値を変化させる。
【0054】
また、電圧変換回路1Bには、基準入力電圧Vref1及び制御入力電圧Vcが入力される。電圧変換回路1Bは、利得制御信号Vgmcontにより決定される倍率に基づいて、基準入力電圧Vref1及び制御入力電圧Vcを差動出力電圧Vd3,Vd4に変換する。
【0055】
指数変換素子2Cは、電圧変換回路1Bの2つの出力電圧のうちの一方、本例では、差動出力電圧Vd1に対して指数関数的に変化する出力電流Ioutを生成する。出力電流Ioutは、制御入力電圧Vcの変化に対して指数関数的に変化する。
【0056】
図2は、本発明の第2の実施の形態に関わる指数変換回路を示している。
本例の指数変換回路は、電圧変換回路1A,1Bが同相モード検出回路(CMD)21及び同相モードフィードバック回路(CMF)20を有している点に特徴を有する。
【0057】
電圧変換回路1Aには、2つの基準入力電圧Vref1,Vref2が入力される。電圧変換回路1Aは、同相モード検出回路21及び同相モードフィードバック回路20を有している。また、対数変換素子5は、温度特性を有する基準入力電流Irefの対数となる基準電圧Vcom1を生成する。この基準電圧Vcom1は、同相モードフィードバック回路20に与えられる。そして、電圧変換回路1Aは、利得制御信号Vgmcontにより決定される倍率に基づいて、基準入力電圧Vref1,Vref2を差動出力電圧Vd1,Vd2に変換する。
【0058】
指数変換素子2Aは、差動出力電圧Vd1に対して指数関数的に変化する出力電流を生成し、指数変換素子2Bは、差動出力電圧Vd2に対して指数関数的に変化する出力電流を生成する。これら出力電流は、電流比較回路3に入力される。電流比較回路3は、指数変換素子2A,2Bの出力電流の比に応じて利得制御信号Vgmcontの値を変化させる。
【0059】
また、電圧変換回路1Bには、基準入力電圧Vref1及び制御入力電圧Vcが入力される。電圧変換回路1Bは、同相モード検出回路21及び同相モードフィードバック回路20を有している。また、対数変換素子5は、温度特性を有する基準入力電流Irefの対数となる基準電圧Vcom1を生成する。この基準電圧Vcom1は、同相モードフィードバック回路20に与えられる。そして、電圧変換回路1Bは、利得制御信号Vgmcontにより決定される倍率に基づいて、基準入力電圧Vref1及び制御入力電圧Vcを差動出力電圧Vd3,Vd4に変換する。
【0060】
指数変換素子2Cは、電圧変換回路1Bの2つの出力電圧のうちの一方、本例では、差動出力電圧Vd1に対して指数関数的に変化する出力電流Ioutを生成する。出力電流Ioutは、制御入力電圧Vcの変化に対して指数関数的に変化する。
【0061】
なお、指数変換素子2A,2B,2Cは、例えば、弱反転領域で動作する電界効果トランジスタ(MOSFET)から構成できる。また、指数変換素子2A,2B,2Cは、電界効果トランジスタに代えて、バイポーラトランジスタから構成することもできる。
【0062】
図3は、本発明の第3の実施の形態に関わる指数変換回路を示している。
電圧変換回路1Aには、2つの基準入力電圧Vref1,Vref2が入力される。電圧変換回路1Aは、図2の例と同様に、同相モード検出回路及び同相モードフィードバック回路を有している。電圧変換回路1Aは、利得制御信号Vgmcont1により決定される倍率に基づいて、基準入力電圧Vref1,Vref2を差動出力電圧Vd1,Vd2に変換する。
【0063】
指数変換素子2Aは、差動出力電圧Vd1に対して指数関数的に変化する出力電流を生成し、指数変換素子2Bは、差動出力電圧Vd2に対して指数関数的に変化する出力電流を生成する。これら出力電流は、電流比較回路3Aに入力される。電流比較回路3Aは、指数変換素子2A,2Bの出力電流の比に応じて利得制御信号Vgmcont1の値を変化させる。
【0064】
電圧変換回路1Bには、2つの基準入力電圧Vref1,Vref3が入力される。電圧変換回路1Bは、図2の例と同様に、同相モード検出回路及び同相モードフィードバック回路を有している。電圧変換回路1Bは、利得制御信号Vgmcont2により決定される倍率に基づいて、基準入力電圧Vref1,Vref3を差動出力電圧Vd3,Vd4に変換する。
【0065】
指数変換素子2Cは、差動出力電圧Vd3に対して指数関数的に変化する出力電流を生成し、指数変換素子2Dは、差動出力電圧Vd4に対して指数関数的に変化する出力電流を生成する。これら出力電流は、電流比較回路3Bに入力される。電流比較回路3Bは、指数変換素子2C,2Dの出力電流の比に応じて利得制御信号Vgmcont2の値を変化させる。
【0066】
電圧変換回路1Cには、2つの基準入力電圧Vref2,Vref3が入力される。電圧変換回路1Cは、同相モード検出回路(CMD)21及び同相モードフィードバック回路(CMF)20を有している。同相モードフィードバック回路20には、利得制御信号Vgmcont1が入力される。電圧変換回路1Cは、利得制御信号Vgmcont3により決定される倍率に基づいて、基準入力電圧Vref2,Vref3を差動出力電圧Vd5,Vd6に変換する。
【0067】
電圧比較回路4は、差動出力電圧Vd5,Vd6のうちのいずれか一方(本例では、差動出力電圧Vd6)と利得制御信号Vgmcont2との比に応じて利得制御信号Vgmcont3を生成する。
【0068】
電圧変換回路1Dには、基準入力電圧Vref1と制御入力電圧Vcが入力される。電圧変換回路1Dは、同相モード検出回路(CMD)21及び同相モードフィードバック回路(CMF)20を有している。同相モードフィードバック回路20には、利得制御信号Vgmcont1が入力される。電圧変換回路1Dは、利得制御信号Vgmcont3により決定される倍率に基づいて、基準入力電圧Vref1及び制御入力電圧Vcを差動出力電圧Vd7,Vd8に変換する。
【0069】
なお、2つの差動出力電圧のうちの一つ(本例では、Vd8)は、電圧変換回路1Eの利得(倍率)を決定する利得制御信号Vgmcont4となる。
【0070】
電圧変換回路1Eは、利得制御信号Vgmcont4により決定される倍率に基づいて、基準入力電圧Vref1及び制御入力電圧Vcを差動出力電圧に変換する。指数変換素子2Eは、この差動出力電圧に対して指数関数的に変化する出力電流Ioutを生成する。
【0071】
なお、指数変換素子2A,2B,2C,2D,2Eは、例えば、弱反転領域で動作する電界効果トランジスタ(MOSFET)から構成できる。また、指数変換素子2A,2B,2C,2D,2Eは、電界効果トランジスタに代えて、バイポーラトランジスタから構成することもできる。
【0072】
図4は、本発明の第4の実施の形態に関わる指数変換回路を示している。
複数個(本例では、n−1個。但し、nは、3以上の自然数。)のマスター指数変換回路6−1,6−2,6−3,・・・6−(n−1)の各々は、電圧変換回路1、指数変換素子2A,2B及び電流比較回路3を有している。
【0073】
マスター指数変換回路6−i(iは、1〜n−1)内の電圧変換回路1Aは、利得制御信号Vgmcont iに基づいて、2つの基準入力電圧Vref1,Vref(i+2)を第1及び第2の差動出力電圧に変換する。指数変換素子2Aは、第1の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第1の出力電流を生成し、指数変換素子2Bは、第2の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第2の出力電流を生成する。そして、電流比較回路3は、第1及び第2の出力電流の比に基づいて、利得制御信号Vgmcont iを生成する。
【0074】
複数個のマスター指数変換回路6−1,6−2,6−3,・・・6−(n−1)の出力信号Vgmcont1,Vgmcont2,Vgmcont3,・・・Vgmcont(n−1)は、多項式回路( polynomial circuit )7に入力される。また、多項式回路7には、複数個(n個)の基準入力電圧Vref1,Vref2、Vref3,・・・Vrefn及び制御入力電圧Vcが入力され、所定の関数に従って制御入力電圧Vcが変換される。
【0075】
スレーブ指数変換回路8は、電圧変換回路1B及び指数変換素子2Cを有している。電圧変換回路1Bは、多項式回路7の出力電圧に基づいて、基準電圧及び制御入力電圧Vcを差動出力電圧に変換する。指数変換素子2Cは、この差動出力電圧に対して指数関数的に変化する出力電流Ioutを生成する。
【0076】
なお、指数変換素子2A,2B,2Cは、例えば、弱反転領域で動作する電界効果トランジスタ(MOSFET)から構成できる。また、指数変換素子2A,2B,2Cは、電界効果トランジスタに代えて、バイポーラトランジスタから構成することもできる。
【0077】
図5は、本発明の第5実施の形態に関わる指数変換回路を示している。図6は、図5の電圧変換回路1A,1Bの例を示している。
この指数変換回路では、1つのマスターブロック(マスター指数変換回路)302によってスレーブブロック(スレーブ指数変換回路)303の利得を制御している。
【0078】
マスターブロック302には、2つの基準入力電圧X0,X1が入力され、これら基準入力電圧X0,X1の差に基づいて利得制御信号(出力電圧)Zの値が決定される。
【0079】
図5及び図6の電圧変換回路において、スレーブブロック303のデシベル表示の出力電流Yは、
Y = Y0 + G(Z)・(X−X0)
となる。
【0080】
この式は、マスターブロック302内の電圧変換回路1A及び指数変換素子2A,2Bにより、以下のように変換される。
Y1 = Y0 + G(Z)・(X1−X0)
Y2 = Y0 + G(Z)・(X1−X0)
マスターブロック302内の電流比較回路3は、指数変換素子2A,2Bから出力される出力電流Y1,Y2を比較し、利得制御信号Zを出力する。そして、この利得制御信号Zは、電圧変換回路1A,1Bの利得(倍率)を決定する。
【0081】
マスターブロック302においては、このようなフィードバック制御の結果、指数変換素子2A,2Bの出力電流Y1,Y2の比が予め設定された値となるように、利得制御信号Z及び倍率G(Z)が決定される。
【0082】
例えば、図7に示すように、電流比較回路3が、MOSトランジスタM1,M2の面積比を1:4に設定したカレントミラー回路から構成される場合(W/Lの“W”は、チャネル幅、“L”は、チャネル長である。)、2つの指数変換素子2A,2Bの出力電流IDM1,IDM2の比も、1:4になる。
【0083】
Y1とY2は、デシベル表示であるため、
Y1 − Y2 = 2G(Z)・(X1−X0) = 12[dB]
となる。
【0084】
ここで、X1−X0を0.5[V]に設定しておけば、1[V]当たり、G(Z) = 12[dB] の変化となる。また、利得制御信号Zにより、スレーブブロック303内の電圧変換回路1Bの利得(倍率)が決定されるため、スレーブブロック303における入出力関係は、以下のようになる。
Y = Y0 + 12・(X1−X0)
このように、図5及び図6に示す指数変換回路では、マスターブロック302内の電流比較回路3は、MOSトランジスタの面積比によって出力電流IDM1,IDM2の比を決定するため、単位電圧(1V)当たりの出力の変化分(12dB)は、環境条件(温度)の変化や製造プロセスのばらつきの影響をほとんど受けなくなる。
【0085】
図8は、本発明の第6の実施の形態に関わる指数変換回路を示している。
本例の指数変換回路の特徴は、スレーブブロック(スレーブ指数変換回路)303のデシベル表示の出力電流Yが制御入力電圧Xに対して線形に変化する、とみなせない場合に、スレーブブロック303の非線形性を補正する機能を有する導関数回路( Derived function circuit )9を設けた点にある。
【0086】
マスターブロック302及びスレーブブロック303の変化率Gが制御入力電圧Xによって変動した場合、
Y = Y0 + G(X,Z)・(X−X0)
と表現できる。
【0087】
この非線形性は、指数変換回路にとって不都合な性質である。そこで、本例では、G(X,Z)が、みかけ上、X に依存しない(X に対して一定となる)ようにするため、X によって Z を制御する。これにより、Y は、X に対して線形に変化する関数で表されるようになる。
【0088】
G(X,Z)の非線形性が弱い場合には、Zは、Xの一次式で表されるものと仮定し、
Z = Z0 + a・(X−X0)
とする。
【0089】
本例では、未知の変数は、Z0 と a の2つであるため、マスターブロック302は、2つ必要になる。この場合、各マスターブロックにおけるデシベル表示の出力電流は、
Y1 = Y0 + G(X1,Z0)・(X1−X0)
Y2 = Y0 − G(X1,Z0)・(X1−X0)
Y3 = Y0 + G(X2,Z1)・(X2−X0)
Y4 = Y0 − G(X2,Z1)・(X2−X0)
となる。
【0090】
マスターブロック302内の2つの電流比較回路3A,3Bは、それぞれ、2つの入力電流の比によりその値が増減する利得制御信号Z0,Z1を出力する。電圧変換回路1A,1Bの利得(倍率)は、この利得制御信号Z0,Z1により制御される。
【0091】
このようなフィードバック制御においては、指数変換素子2A,2Bの出力電流の比が予め設定された値になるように、Z0及びG(X0,Z0)の値が決定され、指数変換素子2C,2Dの出力電流の比が予め設定された値になるように、Z1及びG(X1,Z1)の値が決定される。
【0092】
例えば、
Y1 − Y2 = 2G(X1,Z0)・(X1−X0) = 6dB
Y3 − Y4 = 2G(X1,Z0)・(X2−X0) = 12dB
となる。
【0093】
ここで、X1−X0 = 0.5[V]、X2−X0 = 1.0[V]とすると、G(X1,Z0) = G(X2,Z1) = 6[dB]となる。そして、この利得制御信号Z0,Z1を、導関数回路(一次の多項式回路)9に基準電圧として入力させる。
【0094】
この導関数回路9においては、以下のアナログ信号処理が行われる。導関数回路9内のマスター電圧変換回路1Cに基準入力電圧X2−X1を与えたときの出力信号U1は、
U1 = U0 + a・(X2−X1)
となる。
【0095】
同相モードフィードバックにより U0 = Z0 とし、差動モードのフィードバックにより U1 = Z1 となるように、aを決定する。
a = (Z1−Z0)/(X2−X1)
この時、
となる。
【0096】
Uを、スレーブブロック303の利得制御信号Zとして用いると、
Z = Z0 + a・(X−X1)
となる。
【0097】
X = X1 のとき、Z = Z0 、また、X = X2 のとき、Z = Z1 となる。このZを用いて、スレーブブロック303内の電圧変換回路1Eの利得(倍率)が決定されるため、回路の誤差が少ないと仮定すると、少なくとも X =X1 と X = X2 の2点においては、G(X,Z)は、所望の値、即ち、6[dB]/[V]となる。
【0098】
G(X,Z)の非線形性が弱い場合には、X0とX1の近傍で、6[dB]/[V]となり、図5の指数変換回路に比べて、回路誤差が少なく、広い範囲で6[dB]/[V]を確保できる。
【0099】
図9は、本発明の第7の実施の形態に関わる指数変換回路を示している。
本例では、スレーブブロック(スレーブ指数変換回路)のデシベル表示の出力電流Yが、制御入力電圧Xに対して非線形の関係を有しており、
Y = Y0 + G(X,Z)・(X−X0)
となる。
【0100】
よって、G(X,Z)を、みかけ上、Xに依存しない(Xに対して一定となる)ように、Z を X によって制御する。これにより、デシベル表示の出力電流Yが、制御入力電圧Xに対して線形の関係を有するようにする。
【0101】
図9の指数変換回路では、Z が X の二次関数で表されると仮定しているため、入出力関係は、
Z = Z0 + a・(X−X1)+ b・(X−X1)2
で表される。
【0102】
本例では、未知の変数は、Z0 と a と b の3つであるため、マスターブロック302は、3つ必要になる。この場合、各マスターブロックにおけるデシベル表示の出力電流は、
Y1 = Y0 + G(X1,Z0)・(X1−X0)
Y2 = Y0 − G(X1,Z0)・(X1−X0)
Y3 = Y0 + G(X2,Z1)・(X2−X0)
Y4 = Y0 − G(X2,Z1)・(X2−X0)
Y5 = Y0 + G(X3,Z2)・(X3−X0)
Y6 = Y0 − G(X3,Z2)・(X3−X0)
となる。
【0103】
マスターブロック302内の3つの電流比較回路3A,3B,3Cは、それぞれ、2つの入力電流の比によりその値が増減する利得制御信号Z0,Z1,Z2を出力する。電圧変換回路1A,1B,1Cの利得(倍率)は、この利得制御信号Z0,Z1,Z2により制御される。
【0104】
このようなフィードバック制御においては、指数変換素子2A,2Bの出力電流の比が予め設定された値になるように、Z0及びG(X1,Z0)の値が決定され、指数変換素子2C,2Dの出力電流の比が予め設定された値になるように、Z1及びG(X2,Z1)の値が決定され、指数変換素子2E,2Fの出力電流の比が予め設定された値になるように、Z2及びG(X3,Z2)の値が決定される。
【0105】
例えば、
Y1 − Y2 = 2G(X1,Z0)・(X1−X0) = 6dB
Y3 − Y4 = 2G(X2,Z1)・(X2−X0) = 12dB
Y5 − Y6 = 2G(X3,Z2)・(X1−X0) = −6dB
となる。
【0106】
ここで、X1−X0 = 0.5[V]、X2−X0 = 1.0[V]、X3−X0 = −0.5[V]とすると、G(X1,Z0) = G(X2,Z1) = G(X3,Z2) = 6[dB]となる。そして、この利得制御信号Z0,Z1,Z2を、二次の多項式回路7に基準電圧として入力させる。
【0107】
二次の多項式回路7は、2つのマスター電圧変換回路1D,1Eと、導関数回路(一次の多項式回路)9と、スレーブ電圧変換回路1Hとを含んでいる。
【0108】
二次の多項式回路7においては、以下のアナログ信号処理が行われる。多項式回路7内の電圧変換回路1D,1Eに基準入力電圧X2−X1,X3−X1を与えたときの出力信号U1,U2は、
U1 = U0 + a(K0)・(X2−X1)
U2 = U0 + a(K1)・(X3−X1)
となる。
【0109】
同相モードフィードバックにより U0 = Z とし、差動モードのフィードバックにより U1 = Z1 ,U2 = Z2 となるように、a(K0),a(K1)を決定する。
a(K0) = (Z1−Z0)/(X2−X1)
a(K1) = (Z2−Z0)/(X3−X1)
導関数回路(一次の多項式回路)9においては、以下のアナログ処理が行われる。一次の多項式回路9は、マスター電圧変換回路1Fとスレーブ電圧変換回路1Gとから構成される。マスター電圧変換回路1Fに基準入力電圧X3−X2を与えたとき、
K1 = K0 + a・(X3−X2)
となる。
【0110】
同相モードフィードバックにより K0が決定され、差動モードのフィードバックによりK0がK1となるように、a が決定される。
a = (K1−K0)/(X3−X2)
この時、スレーブ電圧変換回路1Gでは、
となる。
【0111】
一次の多項式回路9の出力信号は、二次の多項式回路7内のスレーブ電圧変換回路1Hに入力される。スレーブ電圧変換回路1Hの出力信号Uは、
U = U0 + a(K)・(X−X1)
となる。
【0112】
ここで、a(K)がKの一次式で表されると仮定すると、
となる。
【0113】
U0 = Z0 となるように、同相フィードバック制御を行うと、X = X1 のときは、U = Z0 となり、X = X2 のときは、a(K)=a(K0)となるため、
となる。
【0114】
また、X = X3 のとき、a(K)=a(K0)であるため、
となり、目的の二次関数が得られる。
【0115】
そして、この導関数回路(一次の多項式回路)9の出力信号Uを、多項式回路(二次の多項式回路)7内のスレーブ電圧変換回路1Hの利得制御信号Zとして用いれば、少なくとも X = X1 と X = X2 と X = X3 の3点においては、G(X,Z)は、所望の値、即ち、6[dB]/[V]となる。
【0116】
G(X,Z)の非線形性が弱い場合には、3点(X0,X1,X2)の近傍で、6[dB]/[V]となり、さらに、図5の指数変換回路に比べて、回路誤差が少なく、広い範囲で6[dB]/[V]を確保できる。
【0117】
なお、上述の例では、二次の多項式回路7を用いたが、本発明は、それ以上の次数を有する多項式回路にも適用可能である。
【0118】
図10は、本発明の第8の実施の形態に関わる指数変換回路を示している。
本発明の指数変換回路は、基準電圧Vcom1を発生する基準ブロック( Reference Block )301、指数変換特性を決定するマスターブロック( Master Block )302、及び、マスターブロック302により決定された指数変換特性を用いて実際に指数変換を行うスレーブブロック( Slave Block )303から構成される。
【0119】
基準ブロック301は、MOSトランジスタM300から構成される。MOSトランジスタのソースは、接地点Vssに接続され、ゲートとドレインは互いに接続される。MOSトランジスタM300には、電流Irefが流れ、そのドレインからは基準電圧(同相基準電圧)Vcom1が出力される。
【0120】
マスターブロック(第1の指数変換回路)302は、可変トランスコンダクタンスアンプ305、演算増幅器(オペアンプ)304、カレントミラー回路M304,M305、MOSトランジスタM301,M302、及び、抵抗素子R301,R302から構成される。
【0121】
演算増幅器304は、基準電圧Vcom1,Vcom2を受け、出力信号を可変トランスコンダクタンスアンプ305に出力する。基準電圧Vcom2は、抵抗素子R301,R302により生成される。可変トランスコンダクタンスアンプ(Gm1)305には、基準入力電圧Vref、コンダクタンス制御信号Vgmcont及び演算増幅器304の出力信号が入力される。
【0122】
MOSトランジスタM301,M302のゲートには、可変トランスコンダクタンスアンプ305の出力信号が入力される。MOSトランジスタM301のゲートとソースとの間の電圧は、Vgs301であり、MOSトランジスタM302のゲートとソースとの間の電圧は、Vgs302である。また、MOSトランジスタM304に流れる電流IDM1をmとすると、カレントミラー回路により、MOSトランジスタM305に流れる電流IDM2は、1/mとなる。
【0123】
そして、MOSトランジスタM302,M305の接続点(ドレイン)からは、指数変換特性を決定する制御電圧(コンダクタンス制御信号)Vslopeが出力される。
【0124】
ここで、マスターブロック302には、同相基準電圧Vcom1の入力端子、基準入力電圧Vrefの入力端子、コンダクタンス制御信号Vgmcontの入力端子、及び、指数変換特性を決定する制御電圧Vslopeの出力端子がそれぞれ設けられる。
【0125】
スレーブブロック(第2の指数変換回路)303は、可変トランスコンダクタンスアンプ307、演算増幅器(オペアンプ)306、カレントミラー回路M306,M307、MOSトランジスタM303、及び、抵抗素子R303,R304から構成される。
【0126】
演算増幅器306は、基準電圧Vcom1,Vcom3を受け、出力信号を可変トランスコンダクタンスアンプ307に出力する。基準電圧Vcom3は、抵抗素子R303,R304により生成される。可変トランスコンダクタンスアンプ(Gm2)307には、制御電圧(制御入力信号)Vc、コンダクタンス制御信号Vgmcont及び演算増幅器306の出力信号が入力される。
【0127】
MOSトランジスタM303のゲートには、可変トランスコンダクタンスアンプ307の出力信号が入力される。MOSトランジスタM303のゲートとソースとの間の電圧は、Vgs303である。また、MOSトランジスタM306に流れる電流IDM3をnとすると、カレントミラー回路により、MOSトランジスタM307に流れる電流In(Icont)は、1/nとなる。
【0128】
そして、MOSトランジスタM307のドレインからは、この指数変換出力電流(利得制御信号)ln(Icont)が出力される。なお、lnは、対数を表している。
【0129】
なお、スレーブブロック303には、同相基準電圧Vcom1の入力端子、制御電圧(制御入力信号)Vcの入力端子、コンダクタンス制御信号(指数変換特性を決定する制御電圧)Vgmcontの入力端子、及び、指数変換出力電流(利得制御信号)ln(Icont)の出力端子がそれぞれ設けられる。
【0130】
ところで、指数変換回路において、温度変動の影響を受けることなく、制御入力信号の変化に対する利得の変化を一定範囲内に収めることは、例えば、図10において、指数変換回路に入力される制御入力信号Vcに対して、線形に変化する出力信号ln(Icont)の変化率を、常に一定に保つことによって実現可能となる。
【0131】
ここで、この指数変換特性を、制御入力信号Vcに対する指数変換出力電流ln(Icont)の1次関数と捉えれば、指数変換回路は,主に,以下の二つの回路動作を実現することになる。
【0132】
一つは、指数変換特性の切片を決定する動作であり、もう一つは、指数変換特性の傾きを一定にする動作である。なお、このような動作特性は、図11に示すような指数変換回路の動作特性図の第1象限によって表される。
【0133】
図10の指数変換回路の動作は、具体的には、以下のようになる。
まず、マスターブロック302に基準入力電圧Vrefが入力されると、可変トランスコンダクタンスアンプ305の出力電流が、抵抗素子R301,R302に流れるため、出力電圧Voの値が決定される。出力電圧Voは、MOSトランジスタM301,M302のゲート電圧を決定する。
【0134】
同時に、基準ブロック301に流れる基準電流Irefが、同相基準電圧Vcom1を生成するため、この同相基準電圧Vcom1は、マスターブロック302内の演算増幅器304及びスレーブブロック303内の演算増幅器306にそれぞれ入力される。
【0135】
マスターブロック302では、可変トランスコンダクタンスアンプ305の出力電圧Voに基づいて出力電圧(制御電圧)Vslopeが決定される。また、出力電圧Vslopeは、制御電圧(フィードバック信号)Vgmcontとして、可変トランスコンダクタンスアンプ305にフィードバックされる。基準電圧(中間電圧)Vcom2は、可変トランスコンダクタンスアンプ305の出力電圧Vo及び抵抗素子R301,R302により決定される。
【0136】
このようなマスターブロック302内のフィードバックループに関する回路が図11の切片 ln(Iref) を決定する動作を実現する。
【0137】
なお、基準ブロック301内のMOSトランジスタM300は、弱反転領域で動作させており、以下のような関係を示す。
【0138】
【数3】
【0139】
なお、式(3)において、Irefは、MOSトランジスタM300のドレイン電流、Wは、MOSトランジスタM300のチャネル幅、Lは、MOSトランジスタM300のチャネル長、Vcom1は、基準ブロック301の出力電圧(同相基準電圧)、VTは、熱電圧、nは、定数である。また、kは、MOSトランジスタM300のコンダクタンスに関わる値を有し、定数nと共に、集積回路の製造プロセスに依存する。
【0140】
マスターブロック302において、可変トランスコンダクタンスアンプ305の出力信号を受けるMOSトランジスタM301,M302は、弱反転領域で動作しており、MOSトランジスタM301,M302に流れるドレイン電流IDM1,IDM2は、それぞれ、以下の式(4),(5)によって表される。
【0141】
【数4】
【0142】
【数5】
【0143】
このとき、Vgs301,Vgs302の値は、以下の式(5),(6)によって表される。
【0144】
【数6】
【0145】
【数7】
【0146】
なお、式(6)及び式(7)において、Rは、抵抗素子R301,R302の抵抗値(R301とR302は同じ抵抗値を有するものとする)であり、Gm1は、可変トランスコンダクタンスアンプ305のコンダクタンスである。Vrefは、可変トランスコンダクタンスアンプ305の入力電圧、Vgs301及びVgs302は、それぞれMOSトランジスタM301,M302のゲートとソースの間の電圧である。
【0147】
また、MOSトランジスタM304,M305からなるカレントミラー回路により、MOSトランジスタM301のドレイン電流IDM1とMOSトランジスタM302のドレイン電流IDM2の比は、 m:1/m となる。これを関係式で表すと、以下のようになる。
【0148】
【数8】
【0149】
【数9】
【0150】
ここで、式(9)において、両辺の対数(ln)をとると、
【数10】
という関係式が得られる。
【0151】
このとき、基準入力電圧Vrefに対して、MOSトランジスタM301,M302が生成する指数関数的電流は、カレントミラー回路を構成するMOSトランジスタM304,M305のサイズ比により決定され、マスターブロック302からは、Vslopeが出力される。
【0152】
このVslopeは、Vgmcontとして、再び、マスターブロック302内の可変トランスコンダクタンスアンプ305に入力される(差動モードフィードバック)。つまり、可変トランスコンダクタンスアンプ305のコンダクタンスGm1の値は、Vslope(又はVgmcont)により制御される。
【0153】
結果的に、基準入力電圧Vrefに対して、指数変換特性の傾きが決定される。また、マスターブロック302から出力されるVslopeは、Vgmcontとして、スレーブブロック303内の可変トランスコンダクタンスアンプ307にも入力される(差動モードフィードバック)。つまり、可変トランスコンダクタンスアンプ307のコンダクタンスGm2の値も、Vslope(又はVgmcont)により制御される。
【0154】
このように、スレーブブロック303内の可変トランスコンダクタンスアンプ307のコンダクタンスGm2の制御は、可変トランスコンダクタンスアンプ305のコンダクタンスGm1の制御と実質的に同一となる。
【0155】
コンダクタンスGm1,Gm2を式で表すと、以下のようになる。
【0156】
【数11】
【0157】
なお、上記一連の動作は、図11における第4象現に表される。
【0158】
即ち、コンダクタンスGm1,Gm2は、共に、マスターブロック301によって決定される。そして、制御電圧Vcが可変トランスコンダクタンスアンプ307に入力されると、可変トランスコンダクタンスアンプ307の出力電圧Vc2が決定される。MOSトランジスタM303は、Vc2を受け、MOSトランジスタM301,M302と同様に、弱反転領域で動作する。
【0159】
そして、MOSトランジスタM303のドレイン電流IDM3は、以下のようになる。
【0160】
【数12】
【0161】
ここで、Vgs303は、以下のように変形できる。
【0162】
【数13】
【0163】
なお、式(13)において、Rは、抵抗素子R301,R302の抵抗値(R301とR302は同じ抵抗値を有するものとする)であり、Gm2は、可変トランスコンダクタンスアンプ307のコンダクタンスである。Vcom1は、基準ブロック301から出力される基準電圧、Vgs303は、それぞれMOSトランジスタM303のゲートとソースの間の電圧である。
【0164】
また、MOSトランジスタM306,M307からなるカレントミラー回路により、MOSトランジスタM303のドレイン電流IDM3とスレーブブロック303の出力電流(指数変換特性電流)Icontの比は、 n:1/n となる。
【0165】
ここで、nが1であると仮定すると、Icontは、以下のようになる。
【0166】
【数14】
【0167】
このとき、基準ブロック301により生成された同相基準電圧Vcom1は、マスターブロック302内の演算増幅器304に入力されると共に、スレーブブロック303内の演算増幅器306にも入力される。Vcom3は、同相モードフィードバックにより決定される抵抗素子R303,R304の接続点の電圧(中間電圧)である。
【0168】
ここで、式(14)において、両辺の対数(ln)をとると、
【数15】
という関係式が得られる。
なお、mは、マスターブロック302内のMOSトランジスタのサイズ比(m:1/m)におけるのmを意味している。
【0169】
以上の結果から、コンダクタンスGm1(=Gm2)は、マスターブロック302により決定され、また、指数変換特性の傾きは、スレーブブロック303内においてコンダクタンスGm2を使用することにより決定される。さらに、同相基準電圧Vcom1は、マスターブロック302及びスレーブブロック303の双方に入力され、指数変換特性の切片を決定する。
【0170】
このような動作は、図11の第3及び第4象現により表される。
つまり、指数変換回路の可変範囲を決定する指数変換特性の傾きは、マスターブロック302内のMOSトランジスタのサイズ比(m:1/m)と基準入力電圧Vrefにより決定されるため、能動素子の特性変動や温度変動などに依存しないことになる。
【0171】
【実施例】
以下、図10の指数変換回路を用いた可変利得アンプ(可変利得回路)の実施例について説明する。
【0172】
[第1の実施例]
図12は、本発明に関わる可変利得アンプを用いたシステムの基本構成を示している。図13は、図12の可変利得アンプ10の具体例を示している。
【0173】
利得制御回路11としては、図10に示す指数変換回路がそのまま使用される。また、本例では、可変利得アンプ10は、MOSトランジスタM401,M402,M403、抵抗素子Ri401,Ri402,r401,r402及びキャパシタCから構成される。
【0174】
このシステムでは、まず、制御電圧Vcが利得制御回路(指数変換回路)11に入力され、また、利得制御回路11により利得制御信号ln Vc(又は、ln(Icont))が生成される。一方、可変利得アンプ10では、入力信号INp,INmに基づいて、出力信号Outp,Outmが生成される。
【0175】
ここで、可変利得アンプ10には、利得制御回路11から出力される利得制御信号ln Vc(又は、ln(Icont))が入力されるため、可変利得アンプ10の利得は、利得制御信号ln Vc(又は、ln(Icont))に基づいて変化する。即ち、利得制御信号ln Vc(又は、ln(Icont))により、MOSトランジスタM402,M403のゲート電圧であるバイアス電圧Vbiasを変化させれば、可変利得アンプ10の利得を自由に変化させることができる。
【0176】
[第2の実施例]
図14は、本発明に関わる可変利得アンプを用いたシステムの基本構成を示している。
【0177】
利得制御回路11としては、図10に示す指数変換回路がそのまま使用される。また、本例では、説明を簡略化するため、可変利得アンプ502は、シングル入力で動作するものとし、MOSトランジスタM503,M504、抵抗素子Rin,RL及びキャパシタCから構成される。Vinは、可変利得アンプ502の入力信号、Voutは、可変利得アンプの出力信号であり、可変利得アンプ502の利得は、利得制御信号Ibias(=ln Vc)により制御される。
【0178】
基準ブロック301は、バイアス回路501及びMOSトランジスタM507,M300から構成される。MOSトランジスタM300には、電流Irefが流れ、MOSトランジスタM300のドレイン電圧は、基準電圧Vcom1として出力される。
【0179】
バイアス回路501は、MOSトランジスタM501,M502,M505,M506及び抵抗素子Rsから構成される。MOSトランジスタM501とMOSトランジスタM502のサイズ比(駆動力比)は、1:4に設定される。ここで、図中、W/Lは、チャネル幅/チャネル長を示している。
【0180】
ところで、かかる場合において、可変利得アンプ502内のMOSトランジスタM504のサイズ(駆動力)が、4NW/Lに設定されていると、バイアス回路501と可変利得アンプ502の関係は、以下の式(16)に示すようになる。
【0181】
【数16】
【0182】
ここで、Rsは、バイアス回路501内の抵抗素子Rsの抵抗値、RLは、可変利得アンプ502内の抵抗素子RLの抵抗値である。また、Nは、MOSトランジスタのサイズ比により決定される値である。
【0183】
このように、本発明の指数変換回路を用いて、可変利得アンプ502の利得制御を行えば、可変利得アンプ502の利得の可変範囲及びその利得特性が、MOSトランジスタの特性変化や温度変化に対して変動し難くなる。
【0184】
なお、図14の可変利得アンプ502において、バイアス回路501内のMOSトランジスタM501,M502及び可変利得アンプ502内のMOSトランジスタM503,M504を、それぞれ強反転領域内で動作させ、さらに、可変利得アンプ502のバイアス電流Ibiasを利得制御回路(指数変換回路)11により1〜10倍の範囲で変化させた場合には、可変利得アンプ502は、10dB分の利得変化を実現できる。
【0185】
これに対して、図14の可変利得アンプ502において、バイアス回路501内のMOSトランジスタM501,M502及び可変利得アンプ502内のMOSトランジスタM503,M504を、それぞれ弱反転領域で動作させ、さらに、可変利得アンプ502のバイアス電流Ibiasを利得制御回路(指数変換回路)11により1〜10倍の範囲で変化させた場合には、可変利得アンプ502は、20dB分の利得変化を実現できる。
【0186】
[第3の実施例]
MOSトランジスタの動作特性は、バイアス電圧により変化(弱反転領域←→強反転領域)するため、1つの可変利得アンプ502のみでシステムを構成した場合、広範囲の利得変化を実現することが困難になる。
【0187】
この問題を解決する実施例について説明する。
【0188】
図15は、本発明に関わる可変利得アンプを用いたシステムの基本構成を示している。
【0189】
このシステムの特徴は、複数個の可変利得アンプ( Variable Gain Amplifier = VGA )を直列接続し、広範囲の利得変化を実現した点にある。利得制御回路11A,11Bとしては、図10に示す指数変換回路がそのまま使用される。
【0190】
前半の複数個(本例では、2個)の可変利得アンプVGAの利得は、利得制御回路11A及び基準ブロック301Aにより生成される利得制御信号Ibias(squ.)により制御される。即ち、破線601で囲んだ部分においては、2個の可変利得アンプVGAは、利得制御回路11A及び基準ブロック(バイアス回路)301Aによって強反転領域内で動作する。
【0191】
これに対して、後半の複数個(本例では、3個)の可変利得アンプVGAの利得は、利得制御回路11B及び基準ブロック301Bにより生成される利得制御信号Ibias(exp.)により制御される。即ち、破線602で囲んだ部分においては、3個の可変利得アンプVGAは、利得制御回路11B及び基準ブロック(バイアス回路)301Bによって弱反転領域で動作する。
【0192】
結果として、図15に示される利得制御回路(指数変換回路)及び可変利得アンプから構成されるシステムにおいては、80dB分の利得変化を実現することが可能となり、例えば、このシステムをCDMA方式の受信器のIF段の可変利得増幅器などに適用することができる。また、増幅器の組み合せを変えることにより、様々な利得の増幅器が構成できる。
【0193】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の指数変換回路によれば、集積回路の製造過程や、温度変動などによって、指数変換回路を構成する能動素子の特性に変動が生じた場合であっても、これにより制御入力信号に対する指数変換特性が影響を受けることがない。また、この指数変換回路を可変利得回路(可変利得アンプ)に適用することにより、集積回路としてチップ内に実現された可変利得回路であっても、利得の可変範囲を所望の範囲に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に関わる指数変換回路を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に関わる指数変換回路を示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態に関わる指数変換回路を示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に関わる指数変換回路を示す図。
【図5】本発明の第5の実施の形態に関わる指数変換回路を示す図。
【図6】電圧変換回路の具体例を示す図。
【図7】電流比較回路の具体例を示す図。
【図8】本発明の第6の実施の形態に関わる指数変換回路を示す図。
【図9】本発明の第7の実施の形態に関わる指数変換回路を示す図。
【図10】本発明の第8の実施の形態に関わる指数変換回路を示す図。
【図11】本発明に関わる指数変換回路の動作の様子を示す図。
【図12】本発明に関わる指数変換回路と可変利得アンプのシステムの第1例を示す図。
【図13】本発明に関わる可変利得アンプの具体例を示す図。
【図14】本発明に関わる指数変換回路と可変利得アンプのシステムの第2例を示す図。
【図15】本発明に関わる指数変換回路と可変利得アンプのシステムの第3例を示す図。
【図16】従来の指数変換回路と可変利得アンプのシステムの一例を示す図。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I :電圧変換回路、
2A,2B,2C、2D,2E,2F,2G :指数変換素子、
3,3A,3B,3C :電流比較回路、
4,4A,4B :電圧比較回路、
5 :対数変換素子、
6−1,6−2,・・・6−(n−1) :マスター指数変換回路、
7 :多項式回路、
8 :スレーブ指数変換回路、
9 :導関数回路(一次の多項式回路)、
10,502,702 :可変利得アンプ、
11,11A,11B,701 :利得制御回路(指数変換回路)、
301,301A,301B :基準ブロック、
302 :マスターブロック、
303 :スレーブブロック、
304,306 :演算増幅器、
305,307 :可変トランスコンダクタンスアンプ、
501 :バイアス回路、
601 :線形領域動作の可変利得アンプ、
602 :弱反転領域動作の可変利得アンプ、
M301,・・・M307, M401,・・・M403: :MOSトランジスタ、
M501,・・・M506, M701,・・・M705: :MOSトランジスタ、
r401, r402 :負荷抵抗、
Ri401, Ri402 :入力抵抗、
RL : :負荷抵抗、
Rin: :入力抵抗、
Vc : :制御電圧。
Claims (17)
- 第1の利得制御信号に基づいて、第1及び第2の基準入力電圧を第1及び第2の差動出力電圧に変換する第1の電圧変換回路と、前記第1の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第1の出力電流を生成する第1の指数変換素子と、前記第2の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第2の出力電流を生成する第2の指数変換素子と、前記第1及び第2の出力電流の比に応じて前記第1の利得制御信号を変化させる電流比較回路と、前記第1の利得制御信号に基づいて、制御入力電圧及び前記第1の基準入力電圧を第3及び第4の差動出力電圧に変換する第2の電圧変換回路と、前記第3又は第4の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第3の出力電流を生成する第3の指数変換素子とを具備することを特徴とする指数変換回路。
- 前記第1及び第2の電圧変換回路は、それぞれ、同相モード検出回路及び同相モードフィードバック回路を有し、前記同相モードフィードバック回路には基準電圧が入力され、前記基準電圧は、温度特性を有する基準入力電流の対数となるように、対数変換素子から構成されることを特徴とする請求項1記載の指数変換回路。
- 前記第1及び第2の指数変換素子は、それぞれ弱反転領域で動作する電界効果トランジスタから構成されることを特徴とする請求項1記載の指数変換回路。
- 前記第1及び第2の指数変換素子は、それぞれバイポーラトランジスタから構成されることを特徴とする請求項1記載の指数変換回路。
- 請求項1記載の指数変換回路と、前記指数変換回路の前記第3の出力電流により利得が制御される複数の可変利得アンプとを具備し、前記複数の可変利得アンプは、互いに直列接続されていることを特徴とする可変利得回路。
- 第1の利得制御信号に基づいて、第1及び第2の基準入力電圧を第1及び第2の差動出力電圧に変換する第1の電圧変換回路と、前記第1の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第1の出力電流を生成する第1の指数変換素子と、前記第2の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第2の出力電流を生成する第2の指数変換素子と、前記第1及び第2の出力電流の比に応じて前記第1の利得制御信号を変化させる第1の電流比較回路と、第2の利得制御信号に基づいて、第3の基準入力電圧及び前記第1の基準入力電圧を第3及び第4の差動出力電圧に変換する第2の電圧変換回路と、前記第3の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第3の出力電流を生成する第3の指数変換素子と、前記第4の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第4の出力電流を生成する第4の指数変換素子と、前記第3及び第4の出力電流の比に応じて前記第2の利得制御信号を変化させる第2の電流比較回路と、第3の利得制御信号に基づいて、前記第2の基準入力電圧及び前記第3の基準入力電圧を第5及び第6の差動出力電圧に変換する第3の電圧変換回路と、前記第5又は第6の差動出力電圧と前記第2の利得制御信号との比に応じて前記第3の利得制御信号を生成する電圧比較回路と、前記第3の利得制御信号に基づいて、制御入力電圧及び前記第1の基準入力電圧を第7及び第8の差動出力電圧に変換する第4の電圧変換回路と、第4の利得制御信号に基づいて、前記制御入力電圧及び前記第1の基準入力電圧を第9の差動出力電圧に変換する第5の電圧変換回路と、前記第9の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第5の出力電流を生成する第5の指数変換素子とを具備し、前記第7又は第8の差動出力電圧のうちの1つが前記第4の利得制御信号となり、前記第5の出力電流を前記制御入力電圧に対して線形かつ指数関数的に変化させることを特徴とする指数変換回路。
- 前記第1、第2、第3及び第4の電圧変換回路は、それぞれ、同相モード検出回路及び同相モードフィードバック回路を有し、前記第3及び第4の電圧変換回路内の前記同相モードフィードバック回路には、前記第1の利得制御信号が入力されることを特徴とする請求項6記載の指数変換回路。
- 前記第1、第2、第3、第4及び第5の指数変換素子は、それぞれ弱反転領域で動作する電界効果トランジスタから構成されることを特徴とする請求項6記載の指数変換回路。
- 前記第1、第2、第3、第4及び第5の指数変換素子は、それぞれバイポーラトランジスタから構成されることを特徴とする請求項6記載の指数変換回路。
- 請求項6記載の指数変換回路と、前記指数変換回路の前記第5の出力電流により利得が制御される複数の可変利得アンプとを具備し、前記複数の可変利得アンプは、互いに直列接続されていることを特徴とする可変利得回路。
- 複数のマスター指数変換回路と、前記複数のマスター指数変換回路の出力信号、複数の基準入力電圧及び制御入力電圧が入力され、所定の関数に従って前記制御入力電圧を変換する多項式回路と、前記多項式回路の出力電圧が入力されるスレーブ指数変換回路とを具備し、前記複数のマスター指数変換回路の各々は、利得制御信号に基づいて、2つの基準入力電圧を第1及び第2の差動出力電圧に変換する第1の電圧変換回路と、前記第1の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第1の出力電流を生成する第1の指数変換素子と、前記第2の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第2の出力電流を生成する第2の指数変換素子と、前記第1及び第2の出力電流の比に応じて前記利得制御信号を変化させる電流比較回路とから構成され、前記スレーブ指数変換回路は、前記多項式回路の出力電圧に基づいて、基準電圧及び前記制御入力電圧を第3の差動出力電圧に変換する第2の電圧変換回路と、前記第3の差動出力電圧に対して指数関数的に変化する第3の出力電流を生成する第3の指数変換素子とから構成されることを特徴とする指数変換回路。
- 前記第1、第2及び第3の指数変換素子は、弱反転領域で動作する電界効果トランジスタから構成されることを特徴とする請求項11記載の指数変換回路。
- 前記第1、第2及び第3の指数変換素子は、バイポーラトランジスタから構成されることを特徴とする請求項11記載の指数変換回路。
- 請求項11記載の指数変換回路と、前記指数変換回路の前記第3の出力電流により利得が制御される複数の可変利得アンプとを具備し、前記複数の可変利得アンプは、互いに直列接続されていることを特徴とする可変利得回路。
- ゲート及びドレインが互いに接続され、ソースが接地点に接続され、請求項1記載の指数変換回路の第2の利得制御信号がバイアス信号として前記ゲートに与えられる第1の電界効果トランジスタと、差動増幅回路を構成し、第1及び第2の入力信号に基づいて第1及び第2の出力信号を出力する第2及び第3の電界効果トランジスタと、前記第1の電界効果トランジスタのゲートと前記第2の電界効果トランジスタのゲートの間に接続される第1の抵抗素子と、前記第1の電界効果トランジスタのゲートと前記第3の電界効果トランジスタのゲートの間に接続される第2の抵抗素子とを具備し、前記第1の電界効果トランジスタは、強反転領域で動作を行い、その利得は、前記第2の利得制御信号により制御されることを特徴とする可変利得回路。
- ゲート及びドレインが互いに接続され、ソースが接地点に接続され、請求項1記載の指数変換回路の第2の利得制御信号がバイアス信号として前記ゲートに与えられる第1の電界効果トランジスタと、差動増幅回路を構成し、第1及び第2の入力信号に基づいて第1及び第2の出力信号を出力する第2及び第3の電界効果トランジスタと、前記第1の電界効果トランジスタのゲートと前記第2の電界効果トランジスタのゲートの間に接続される第1の抵抗素子と、前記第1の電界効果トランジスタのゲートと前記第3の電界効果トランジスタのゲートの間に接続される第2の抵抗素子とを具備し、前記第1の電界効果トランジスタは、弱反転領域で動作を行い、その利得は、前記第2の利得制御信号により制御されることを特徴とする可変利得回路。
- 請求項15記載の可変利得回路と請求項16記載の可変利得回路とを直列接続したことを特徴とする可変利得回路。
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